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お知らせと更新情報


兵頭 二十八

South Korea is the second Turkey. It received the Russian S-400 parts and designers while it took delivery of the F-35s.

 Jack Detsch 記者による2019-8-22記事「Turkey’s Patriot offer dead after S-400 delivery」。
       米政府は、35億ドルの契約だった、トルコ向けのペトリオットの売却を、自動的に解除し無効にした。
 トルコがロシアからS-400を買ったため。

 ペンタゴン高官は語る。この警告は一貫してトルコに対して伝えてきた。ペトリオットの話は終わった。

 トルコがS-400を受領した5日後、政策担当の国防次官補のトラクテンバーグが、トルコ向けのペトリオットの契約はまだ可能であるかのように語っていた。この次官補は数日後、辞職した。

 トルコは最初に中共のSAMを買おうとし、それが流れて、2017にロシアから25億ドルでS-400を買うと決めた。そのあとで米国務省は、2018-12に、ペトリの対トルコ売却を承認している。

 トルコはF-35の胴体の一部、車輪の一部を製造分担し、また計画では、エンジン修理用の倉庫もトルコ国内に置かれるはずだった。

 トランプは対トルコの制裁に消極的だった。議会の共和党が突き上げた。

 2017年にトランプはCAATSA=制裁を通じて米国の敵に対抗する法案 に署名している。1年後、この法律は見直され、アジアの同盟国に限っては、ロシア製の兵器システムを購入していても特例的に咎めないとした。

 ※この筆頭国が韓国であることは言うまでもない。ロシアからS-400の技師を呼び入れている韓国は、あと一歩でトルコの位置に並ぶところまで来ている。グローバルホークの購入話も何の発表もなされないまま停滞しているし、F-35Bの売却はまずあり得ないだろう。

 このような寛仁な措置がNATO加盟国に適用されることはまず考えられない。
 ※なぜならNATO同盟国にはKATUSAがない。韓国だけがそれを対米の裏外交工作/表マスコミ工作に総動員できたのだ。

 不明なのは、米国が4機のF-35代金をトルコに払い戻すのかどうか。
 S-400の次の着荷は2020だという。

※お知らせ。
 こちらからのメールは届くのに、その逆は届かない(消えてしまう)というケースがあることが最近わかりました。もし小生宛のメールに反応が遅いとお感じの方がいらっしゃいましたら、お渡ししてある名詞のFax番号をお使いになってください。なおFaxもトラブル皆無ではありません。先様からの受信はできるのに、こちらからFaxで返信をしようとするとそれがなぜか通じないというケースが、某出版社については過去にありました。常に複数の通信連絡チャンネルを駆使するのがどうやら吉であるようです。

あるある愛の詩。

 Kris Osborn 記者による記事「Navy Uses Lasers to Sustain F-35 Stealth Attack」。
      レーザー・ショック・ピーニングとは何か。
 高エネルギーのレーザービームが金属に当たると、表面にプラズマが生じ、プラズマから衝撃波が発する。それが金属中に伝わり、金属をつきかため、そのまま残留応力になる。

 この結果、金属構造はダメージに対する抵抗力を増す。疲労するまでの時間も延びる。

 レーザー・ピーニング技術は、従来のショット・ピーニング(ガラスのビーズ玉をサンドブラストのように金属表面へ吹き付ける)を置換するであろう。

 旧来のショットピーニング法の欠点は、打痕ディンプルがランダムに並ぶこと。整斉と等間隔で打ち固めることができなかった。

 ピーニングは、金属の質量や体積を増すことなく金属を強化できるマジックである。巧妙且つ微細に計算されたパターンで打痕を刻めるならば、革命的に靭強でステルシーな構造外皮ができてしまうかもしれない。

 レーザーピーニングを使うと、ミクロの「網目」を金属表面に隙間無く正確に打痕することもできる。レーザービームの断面を正方形にすればいいのだ。パターンに乱れはないから、ウィーク・スポットも生じない。

 この技術は米海軍がスポンサーになっており、F-35Bの新造機から採用される。※三菱重工が製造分担を投了した理由のひとつかな。この製法は米国外のメーカーには教えないと言われたら、それまでだからね。

 次。
 英文ニッケイの2019-8-19記事「China's version of GPS now has more satellites than US original」。
    中共は2018年だけでも18機の北斗衛星を打ち上げ、2019-6-30時点で軌道上に35機。米GPSの31機を数で凌駕した。

 EUのガリレオは22機。ロシアのグロナスは24機。日本の準天頂衛星は4機。インドのは6機、回っている。

 パキスタン軍は北斗を頼りにしている。チュニジアでは、北斗を使って無人トラクターを実用化するつもり。

 東京都内で受信できる電波を比べても、米GPSのは常時10機前後なのに、北斗の電波は常時20機以上が受信できる。

 中共は2020年までに10機前後、追加投入する予定がある。

 中共国内で販売されるカーナビとスマホは、北斗にデフォルトで対応している必要がある。なのですべての外国メーカーも北斗を導入するしかない。

 米国の半導体素子メーカー「クァルコム」は、北斗に対応するスマホ用のチップを供給し始めた先駆けである。
 このチップは、アップル以外の米国メーカーのスマホに組み込まれている。
 レノヴォの副社長は5月に豪語。新製品のZ6スマホは、誤差1mで現在位置を把握できるぞ、と。
 他のスマホだとせいぜい3~5mである。

 アリババが出資している某プロバイダーは、北斗信号の他に、中共内に2000箇所以上ある地上局からの信号を受信することで、センチメーター単位の現在位置把握を実現し、それによって無人自動車を走らせるつもりである。

旧資料備忘摘録 参謀本部ed.『杉山メモ 上』S53

 大東亜戦争の陸軍側の根幹公的記録は四種。
 大陸命(天皇の大命)、大陸指(総長の指示)、上奏書類(作戦計画および大命発動に関する)、機密作戦日誌(往復軍機電報が主)。

 参本の第20班は、陸軍省の軍務課と同じことをしていた。

 S15の基本国策要綱は、ドイツ便乗軽薄内閣たる第二次近衛内閣の採択。企画院の革新官僚が起草した。
 国体の本義に透徹する教学の刷新。自我功利の思想を排する。

 北部仏印進駐は「世界の情勢の推移に伴ふ時局処理要綱」にもとづいて実行された。ところがこの要綱は上奏允裁を仰ぐ処置を採られていない。連絡会議においてはまことに軽易に決定された。

 三国同盟交渉中の松岡の私案。独伊は大東亜における新秩序に関して日本の指導的地位を認めて尊重する。※つまりインドはドイツにはやらんぞと。

 ナチスは、南洋の旧ドイツ殖民地は、欧州戦争が片付いたら当然にドイツのものになると日本に通告していた。しかし、有償で日本に売ってやってもよい、と(p.44)。

 S15-9-19、軍令部総長は御前会議で、日米戦争は持久戦となる公算大だと。また、ドイツの斡旋によってソ連から石油をもらえるなどと考えている企画院は甘いと。
 これに対して外相。英国の宣伝にかかわらずソ連より相当の油がドイツに送られつつあると。

 外相いわく。在蘭印のスタンダードオイルの利権を同社は日本に売りたいとしたことあり。ダッチシェルの持分はどうしようもない。

 企画院総裁。樺太の石油は日本が採掘しているのは10万トン未満だが、ソ連が妨害しなければ数十万トン採掘できるはず。ソ連側では40万トンを採掘している。合計すればポテンシャルは80万トン/年である(p.50)。

 S16-6-5の認識。オハ油田とソ連からの石油輸入をあわせると、S16に開戦したとして、2年目からは10万キロリッターを得られる。
 海軍の消費量は年に300万キロリッター。陸軍は60万キロリッター。官民需は240万キロリッターだと予測する。

 ニッケルはセレベス島で住友が掘っていた(p.69)。ニューカレドニアにもあり。比島には銅あり。

 ※このぶあつい本の最初の80ページくらいを読んだだけで、日米戦争とは、頭の悪いやつが頭の良いやつに負けただけだった、と呑みこめてしまう。おそろしい資料。

 帝国が米国に求めることは、米国が保障して日支戦争をすぐに終わらせること。

 蘭印には基地も獲得する。蘭印で得た物資をドイツに援助してやるために必要。
 支那事変をすぐに終わらせたい理由も、ドイツを全力で援助してやりたいから(p.81)。
 ※1941-6スタートの独ソ戦ではとうぜん、ドイツに勝ってもらいたい。

 はじめ、陸軍省部は、英米分離可能とみていた。
 が、最近、海軍の情勢判断を取入れて、英米合体を認めた(p.84)。

 陸軍の各部が国際情勢の大局判断に必要な知識をもっていないことは予想外だった。米国との実力差には、海軍は敏感だが陸軍は無関心(p.84)。

 N工作はもう民間にまで漏れている(p.84)。
 経済金融界は英米と調整してくれと運動している。

 中立なのか開戦なのかどっちかに早くハッキリ決めるべきだ。なぜならどっちつかずだとどっちの準備もできないからだ(p.85)。

 ドイツの英本土上陸は予定より早まるだろう。
 ソ連はドイツに屈服妥協の色があるので、ドイツは開戦しないだろう。

 「米空軍将校団ノ対日空襲工作計画」を承知している(p.86)。

 武力行使/武力圧迫はタイと蘭印に局限したい。どうしても必要なら英領も。

 三国同盟の実質放棄は断れ。
 部内には、戦争必至だと徹底しろ。
 開戦準備が整うまでは、内剛外柔。

 参本の作戦部は、南方戦争なんて無理だと言っている。
 理由。
 全兵力50個師団のうち満州22個師団。対するシベリアのソ連軍は30個師団で、不足だから。

 こういう意見もある。
 海軍が対米戦に自信がない。だったら「此際米ノ靴底ヲ嘗メテモ」日米調整を断行せよと。そしてドイツと一緒にソ連を挟撃しよう、と。

 海軍が自信がないのだというルーモアは陸軍が世間に広めている(p.89)。

 この時点でシナ戦線には85万の兵が吸収されていた。
 タイに事前に航空基地を造っておくという外交工作は、松岡にまったくやる気がないため、実現していない。

 「関東軍特別演習」つまり「関特演」(p.91)。

 「帝国国策遂行要領」は海軍が起草した(p.92)。
 9-3に及川が、「貫徹し得ざる場合」を「貫徹し得る目処なき場合」に修正させ、連絡会議で採択。これにより、10月上旬に和戦が自動で決まる流れはとりあえず止めた。しかし他方では9-1にGF(山本大将)に対して、対米英戦時編制の実施を下令している。

 海軍の出師準備は、陸軍の動員に相当する。S15-8から段階的に発動されている。

 S15-11-16 軍事参議官会議。陸軍は在支軍に対する補給のため民間船腹70万トンを徴傭中。

 S16-3-31の軍令部総長の奏上。昨年10-26いらい、16-1までに、中南支で敵機55機を地上で破壊した。しかし米ソから飛行機を購入して再建しつつあり。

 企画院から7-29要望。不可欠の海外依存物質は、独・伊・ソから買うように転換して欲しい。米英から買うしかないものは今のうちにとストックしつつある。ところが「格納設備」が不十分で最大限にストックできない。

 もし輸入が完全に止まった場合、第一種原油は、4ヶ月分のストックがあるだろう。軍隊内部のストックとは別に。
 第二種原油は6ヶ月。
 航空揮発油は15ヵ月。
 普通揮発油は2.5ヶ月。
 重油は、1.5ヶ月。
 普通機械油は2.5ヶ月。
 軽油は10日分しかない。
 灯油は30日分しかない。
 半固体機械油は3ヵ月分。
 ヒマシ油は6ヶ月分ある。

 南西太平洋の制海、制空権を両方とも完全に握らない限り、日本の船舶損耗量は、造船能力を超過するだろう。

 結局、ソ連とも米英とも開戦することになるだろう(p.103)。

 9-6御前会議。両総長(杉山、永野)に対し、帝国国策遂行要領の第一項目の戦争準備よりも、第二項目の外交交渉を優先せよとの御諚。
 しかし日本軍は、もし11月1日に開戦するなら、10月上旬には開戦方針を固めてもらわないと困る。
 そこで9-25に陸海軍統帥部長が近衛に、10-15までに和戦を決めろと申し入れた。東條も真意が分からないので9-27に及川とともに質した。

 10-12の五相会議。
 外相の豊田は、外交に目途があると発言。
 及川は、総理に一任。
 近衛は、撤兵しますと約束しておいて駐兵し続ければいいと言った
 これを東條が断固拒否。理由は、支那事変の成果が失われる。

 S16-10-7に軍令部総長と参謀総長の会談。
 永野いわく。交渉がうまくいかないので今から戦争してくれといわれては困る、と。

 10月下旬いっぱい、ほぼ連日、連絡会議。帝国国策遂行要領を白紙にかえすため。

 11-1、その結論を出す連絡会議。杉山は、ただちに開戦を希望。東條と島田海相は、戦争決意のもとに作戦準備し、いちおう外交交渉も続けておく派。

 島田は10-29に、交渉しつつ作戦準備する線で「決心」した(p.119)。全国民の対米敵愾心を高める内政をやるんだとも。

 東郷外相と賀屋蔵相が、作戦に確たる自信のない戦争をするなと永野軍令部総長に執拗に食い下がった。
 永野は、最初の2年までは「確算あり」とつっぱねた。

 非戦オプションは、東條の口述によれば、北樺太をソ連から買収するという非現実的な内容を含んでいた(p.122)。

 11-5の企画院総裁意見。開戦しないで秋になると、国防弾撥力は喪失する至る。そうなれば米英の言うなりだ。

 参謀総長の発言。ソ連はシベリアから戦車1300、飛行機1300、歩兵13個師団を西送しているので、関東軍だけで北方は抑止できる。心配なのは、米潜がソ連の港を利用するのではないかということ。

 枢密院議長は、ソ連の潜水艦に南方緒戦を妨害されないか、おそれていた(p.125)。また、日本から対米開戦すると、激昂したアメリカ人はドイツとは手打ちをして日本だけを攻めるのではないかと。

 米国閣議は11-7に対日開戦を予期することを申し合わせた。

 11-27のハルノートは試案であり決定案ではなかった。
 日米ともに、北進事変で得た租界と治外法権を支那に返せ、とも。
 草案は、モーゲンソーの補佐官のハリー・デクスター・ホワイトが半年も前に起草してあった。

 11-29、連絡会議。開戦決意を採択。ドイツには、ドイツから対米宣戦すること、日独どちらも単独講和しないことを申し入れよう、とも。

 杉山は要職を歴任したが、やはり本貫は陸軍省で、軍事課長、軍務局長、次官、そして大臣2回。
 杉山の歩兵少尉任官はM34-6-25。
 中尉は36-11-18。大尉は38-6-27。
 M45-6-1、気球隊へ分遣さる。
 大2-8-22、歩兵少佐。
 大4-2-15、インド駐箚武官。
 大6-8-6、中佐。
 大10-6-28、大佐。
 S8-3-18、航空本部長。※「93式」の時期。

 S15-11-13の御前会議には、軍令部第一部長の宇垣纏、参本第一部長の田中新一も召されていた。
 会議の内容は陸軍の有末大佐が記録している。

 「新中央政府」とは南京の汪精衛政権のこと。
 蒋介石軍は1個師の中に小銃が2000~3000あった。タマが足りないので節用がよびかけられている。軍用機は四川と雲南に疎開した。

 謀略部隊の特務戦はあなどれない。
 「ビルマルート」と書いている(p.149)。支那事変処理要綱。
 重慶経済はインフレ。
 租界に日本軍が手を出せないので、重慶が利用している。
 英米の金融拠点は天津租界にあり。

 上海は、蒋軍のために綿糸・綿布の7割を供給している。昨14年。
 英国は、団匪の賠償金を、蒋軍の武器買い付け資金に流用させてやっている。「緬甸公路」と書いている。

 「須ラク」の誤用あり(p.153)。

 「対支交戦権発動」に関して研究中。
 新中央政府を承認した後に交戦権を発動するのは法的には不可能である(p.154)。

 S15-12-12連絡会議、コメは仏印のみにて充分である。
 S15-12-27連絡会議、文書諜報によれば、英国は、日本が仏印にとどまれば戦争を欲しないが、蘭印に来るなら必戦だと。

 S16-1-19連絡会議。松岡はロバン(仏)に言った。東洋人は約束を確守すると。
 松岡が、タイが三国同盟に入るかも、というと、近藤軍令部次長は、ドイツが東洋に手を出すようになるのには反対、と。

 1-25の参謀総長上奏。戦線整理を自主的にすると、敵が宣伝し、日本兵も敗北感を抱くので、できない。
 昭和天皇は非常に不機嫌で、総長の敬礼には顔をそむけていた。仏印で陸軍がムチャクチャをしたがっているので。

 1-30連絡懇談会。外相いわく。仏印進駐にさいしては、目的は「大東亜共栄圏樹立竝帝国ノ自存自衛ノ為」と規定すればよいと。

 2-1、総理と杉山総長の上奏。ツーランとナツランにも陸軍の航空基地が必要。理由は、マレーに対する上陸作戦のため。

 2-3連絡懇談会。
 外相。樺太では、1年に石油が100万トン取れるにかかわらず、現況は10万トンも難しい。
 海相。ソ連に提案したい。5年で150万トン取得。その次の5年で150万トン買収したいと。ドイツの保障によって、ソ連から友好的に10年間で300万トン買収したいのだ。
 外相。漁業問題は、ソ連から(石油を目当てに)北樺太を買ってしまえば、付随して自動的に解決する。

 ※ソ連が油田地帯を他国に売ると思っていた。外相も海相も非常識漢だった。

 外相。支那戦線を縮小して南方に根をおろす必要がある。南方に根をおろせないのだったら支那事変も解決できない。
 岡局長。その考え方には絶対反対だ。
 武藤局長。松岡案では、事変は却って長期化する。

 海軍は、支那事変の第一線で、1年に6000万円を消耗している。
 陸軍は、17~18億円くらい消耗している。

 S16-2-3、連絡会議決定。
 ドイツの仲介によってソ連から北樺太を日本が買い取る。それがダメなら北樺太の利権を有償で放棄し、代わりにソ連が向こう5年間、250万トンの石油を日本に供給すると約束する。

 2-23連絡懇談会。
 タイ人は支那人と同様、まず大きなことを言う。こっちはそれを逐次に値切らなければならない。
 アンリによりば、カンボチヤ住民はカンボチヤ人であってタイ人ではないのだと。

 4-10連絡懇談会。
 松岡。米大統領は大バクチ打ちだ。だったら蒋介石に戦争を止めろと言えるのではないか。

 松岡からの電文。強行に北樺太を譲れと要求したが、モトロフ[sic.]は応諾する見込みはないと、4-9に観取した。

 4-12連絡懇談会。
 ここでは「モロトフ」になっている。
 松岡いわく。スターリンの方が、南樺太をソ連に売れとしきりに主張した。
 5-3連絡懇談会。
 松岡。ドイツはロシアを2ヵ月でやっつけるといっている。シンガポールなど大したことではあるまい。

 5-22連絡懇談会。
 松岡。独ソが合体して日本に向かう場合もあるだろう。
 海相。「松岡は頭が変ではないか」。

 野村は1941-5-14にハルからこう聞かされた。もしドイツが欧州を制覇したら、次は南米に進出してくる。だからアメリカとしては介入するしかないのだ。

 5-29連絡懇談会。
 松岡。英国はオランダに言い含めて、蘭印から輸入したゴムをドイツへ再輸出させないように日本に約束させたがっている。錫はどうでもいいようだ。

 6-6連絡懇談会。
 松岡。ドイツがソ連と開戦する場合、大義名分は必要なので、先づ条件を出し、その後で開戦するだろう。

 6-12連絡懇談会。
 武藤。航空基地は兵力が進駐することで早く造成できる。兵力を送り込むことで南方全域を威圧できる。〔それに南部仏印進駐は、その次のマレー侵攻のための事前の兵力集中なので、〕飛行場だけ造ってもしょうがない。北部仏印のときのように、後から兵隊を送り込もうとするのは、大変なことなのだ。

 ※備考。関特演と南部仏印進駐は、1941-7-2御前会議で決めた。第二次近衛内閣の総辞職はS16-7-16。松岡を排除した第三次は7-18成立。以後の外相は豊田貞次郎。南部仏印進駐はS16-7-28実行。

 6-16連絡懇談会。
 松岡。進駐すれば国際上の不信を免れない。「従来国際信義なしと云はるる帝国」として、考えなければ。昨年8-31のアンリとの協定を破棄することになる。北仏印の駐兵も無効になる。大島電によれば独ソは来週開戦だ。米国は英国に立って参戦するだろう。
 「外務大臣として率直に云へば、陛下に之れは不信なりと申し上げざるを得ず」。

 杉山。南部仏印の飛行場は商用なので、重爆撃機のためには舗装する必要がある。大編隊を容れるためには拡張も必要。だから進駐は7月中におわらせたい。さすれば10月まで3ヵ月かけて飛行場を整備できる。

 外相。昨年、シンガポールをやれと云ったのにやらなかったから、こんなことになった。

 6-25連絡懇談会。
 外相。ドイツにヴィシーを圧迫して軍事基地設定を容認させてくれと頼んだところ、リッベントロップは、ドイツからそんなことはできないとの返事。
 外相。独ソは戦わないと思ったから日ソ中立条約を結んだのだ。独ソが戦う感じだったら、ドイツ寄りの行動を取ったのに……。
 ※松岡は『わが闘争』すら調査していなかった。

 海相。海軍は、対英米なら自信があるが、ソ連まで敵にまわしては自信は無し。アメリカが極東ソ連海岸に航空基地や「無線測定所」を建設すること、あるいは、ウラジオの潜水艦が米海軍に移譲されることになれば、海軍は大困りである。

 外相。ドイツがソ連を打倒したとき、日本が協力していなければ、ソ連領土の分け取りにはあずかれない。血を流すのがいちばんよろしい。

 松岡は、日本がソ連と開戦しても米国は出てこないと考えていたようだ(p.227)。

 6-23、大本営陸海軍部の理由書。南部仏印に地歩を確保することは、天目山を占めること。英米に、日本には戦略的に対抗できないと断念させる。「戦はずして勝つの上策」なり。
 日本は、数十年間、英米依存主義だった。昨秋、三国同盟によって、「自存自主態勢」へ大転換を期しているところ。だが幾多の困難が解決しそうにない。帝国は「自存自衛」のため、仏印・タイと密接不離の経済結合を設定するを要する。
 帝国はコメが9000万石、不足している。これを仏印とタイから持ってこなくてはならない。
 日本と仏印が、経済協定を成立させてから1ヵ月しないのに、仏印は6月分のコメの集荷が不良だといって半減を日本に呑ませた。そして7月分と8月分も半減を申し出てきた。これは背後に英米がいるのだ。
 じっさい英国は昨年末から、シンガポール輸入分としてタイのコメ会社に60万トンを発注。これは日本向けに輸出させないためだ(p.233)。

 S16-6までに分かっていること。
 1月に太平洋艦隊がハワイに集中した。
 2月、香港に米国製戦車が26台到着した。※M3軽戦車か。
 3月、アメリカは重慶に駆逐機を約100機、譲渡した。
 6-17、米空軍のコンロー少佐以下10名が、重慶空軍援助のための先発隊として、マニラから香港へ。

 ニューカレドニアは昨年末、英国の策動により、ニッケル鉱とクローム鉱の対日輸出を禁止した。

 6-26連絡懇談会。
 参謀次長が外相に。ドイツは統帥に関しては日本に何の相談もすることなく勝手にやっているではないか。統帥は、2国間で事前の相談などできないことなのだ。

 6-27。
 大島電の紹介。独ソ戦は短期に終わる。秋、または、本年中には独英戦は終わる。
 松岡。日本が対ソ開戦する場合、3~4ヶ月くらいなら、アメリカを外交的に抑える自信がある。
 イルクーツクかその途中の半分まで行けば、蒋にも影響を与え、日支全面和平になるかも。
 ソ連を先にやると決めて、それをドイツに通告したい。

 杉山。関東軍だけでも準備に50日かかる。対ソ戦はダメだ。イカン。

 6-30連絡懇談会。
 オットーが個人意見として日本も対ソ参戦してくれと言って来たと。

 海相が南部仏印進駐に反対。杉山は強硬に推進。永野は南進派で杉山に同心。

 松岡。吾輩は数年先の予言をして適中せぬことはない。英雄は頭を転向する。先般南進論を述べためも、今度は北方に転向する次第なり。

 軍令部総長。対ソ戦となったら、海軍は準備に50日かかる。いままで南進を準備していたのだから。

 S16-6-30。軍事参議官会議。
 朝香宮殿下。「北が先の方が好い様に思ふが」。
 寺内大将。「交戦権行使に就ては海軍に奨めて外国船をどしどしやるべし」。

 7-1、連絡懇談会。
 軍令部次長。潜水艦百隻の撃滅を準備する必要あり。※ソ連には日本の対満集中を潜水艦で防ぐ方針でもあったのか?

 7-2御前会議。
 参謀次長は塚田。軍令部次長は近藤。

 松岡。租界接収は、南京傀儡政権にやらせないと英米を刺激してしまう。

 原枢密院議長。昨年に領土保全を約した仏印を軍事占領しようという、それのどこが皇道外交なのか、松岡よ。ソ連は共産主義の策動源だからいつかは討たねばならない。国民はそっちを熱望している。ソ連は背信の常習者だから、開戦しても「不信」とは呼ばれないだろう。

 松岡。ドイツは対ソ戦中に英本土に上陸すると思う。ヒトラーはリッベントロップに対ソ戦計画すら打ち明けてなかったから、同じ段で。アメリカが何もしないか、それとも、ソ連領から対日戦に加わるか、この予断はできない。

 杉山の事後所感。原の質問が抉るようであり、御上は非常に御満足だった。
 この日、決定した「情勢の推移に伴ふ帝国国策要綱」。帝国は「自存自衛上」必要なことをする。帝国は「対英米戦を辞せず」。

 7-10 連絡懇談会。
 斎藤顧問。米国は対独戦に参戦するが日本は黙っていろとしか見えぬ。「アメリカは『自衛権』に付ては非常に広い解釈をしてゐる」。日本に対しては三国同盟から脱退せよといわぬばかり。
 枢軸側に立ってヒトラーと共に戦うを可とする閣僚がいる日本政府とは協定できぬと。

 野村。ハルのこんな無礼千万なステートメントを取り次ぐ野村が不届き千万である。だから、取り次ぐべきではなかったと電報してやった。アメリカはアイスランドを占領した。参戦も同様である。アメリカは日本案を40日も放置した。

 7-12。連絡懇談会。
 松岡。米人は弱者には横暴の性質あり。米国民の性格より、弱く出るとつけあがる。

 7-21 連絡会議。
 第三次近衛内閣の成立にともなう初顔合わせ。
 豊田。自分は三国同盟締結時に海軍次官だったから重大な責任がある。

 7-22。奏上。
 昭和帝。「武力を以てせず何か他に好き方法はないか」
 「そう云う事を云うても物がないではないか」
 「そんな事を云うが一年で勝つと思ふか」
 「仏印に武力行使をして行くことはないだらうね」

 7-24 連絡会議。
 豊田。在米日本現金は2億円、証券3億5000万円。在日米貨は3億円。
 7-29 連絡会議。
 内相。コミンテルンとソ連との間には関係はないように装えという指令がモスクワから来ている。「帰還兵」で、出征前は中小商工業に就職していた者は、失業しており、不満が募っている。逆に金持ちは、事変のために益々豊かになっている。貧民対策が必要だ。

 7-30 御下問。
 極東ソ連軍の西送中止は、日本が動員したからではないか。動員を中止してはどうか。
 天機きわめてご不満。対英米戦を不可とお考えの様子。

 永野はこういわれた。伏見総長は英米と戦争することを避けたいと言った。お前は変わったか。
 永野の答え。物がなくなり逐次貧しくなるので、どうせいかぬなら早い方がよいと思ひます。

 8-1。 連絡会議。
 三国同盟はやめられないと皆一致。

 8-4 連絡会議。
 もしソ連が沿海州やカムチャツカを米軍に使わせたら、日ソ中立条約は破棄せらるべきである。

 8-6 連絡会議。
 オットーは豊田にこんなことを訊ねたと。米国がウラジオ経由でソ連を武器援助したら日本とどうする気か。日本は、ザバイカル以東を割譲せよと交渉したと聞くが。そんなことはない。

 8-14 連絡会議。
 クレーギー。仏印に進駐したのはドイツの誘いではないか。外相、それは蒋介石のデマだと答えた。クレーギーは、タイの錫やゴムを日本が丸取りしてドイツに送るのが困るとのこと。

 8-16 連絡会議。
 岡海軍軍務局長。ビルマ路の遮断で外交圧力をかけるときは米国を刺激しないように注意してほしい。

 外相。国策を連絡会議で決めるのはおかしい。閣議で決めよ。
 某。閣議にかけると必ず翌日には機密がすべてアメリカに漏れている。だからダメ。

 外相。FDRとチャーチルの共同声明について新聞にどしどし昨夕から発表されているのは、陸軍の情報部長が出所だろう。やめてくれ。
 陸相。やめない。国務大臣として民論を指導する。あたりまえである。

 8-30 連絡会議。
 豊田はオットーに文句を言ったと。アメリカがアイスランドを占領しても、資金凍結をしても、領事館を閉鎖しても、ドイツは一片の抗議にとどめている。日本もいたずらに米国を刺激しない。松岡は刺激して逆効果だった。

 クレーギーから云われたと。南部仏印の飛行場は南向きなのは地図を見ればあきらかであると。

 9-3連絡会議。
 軍令部総長。いまなれば戦勝のチャンスがある。しかし多分、長期となると思う。

 帝国国策遂行要領からは、「一般国際通念に基く」という表現を近衛が削除した。理由は、「防護自衛」等は国際通念ではない。実力によって結局は解釈されるからである。満州事変における帝国の自衛権の発動のように。だから削除した方がよい。

 9-5 御下問奉答。
 「外交と戦争準備は平行せしめずに外交を先行せしめよ」
 参謀総長 「弾撥力のあるうちに……」
 御上(大声にて)「絶対に勝てるか」
 「必ず勝つとは申上げ兼ねます」

 S16-9-6 御前会議。
 約諾し得る限度。欧州に関しては、「防護と自衛の観念に依り律」する。
 総理大臣口述。外交措置が奏功しないときは、「自衛上最後の手段に訴」える。
 軍令部総長。外交交渉によって「帝国の自存自衛上の已むに熄まれぬ要求すら容認せられ」ないときは戦争。
 我予定決戦海面に邀撃する場合飛行機の活用等を加味考量致しまするに勝利の算は我に多しと確信。
 第一段作戦を成功させるには「第一には彼我戦力の実情より見まして開戦を速かに決定致しますこと、第二は彼より先制せらるることなく我より先制すること」。第三は季節の気候を考えてもらうこと。
 参謀総長。今後、米ソは当然に提携するだろう。冬のうちなら、米軍の飛行機も潜水艦もシベリアをあまり利用できないだろう。だから冬のうちに南方で勝ってしまえば、明春以後、ソ連と戦争になっても大丈夫。

 7-28から、日本も米国人の為替取引を制限している。
 米国へは、仏印進駐は「自衛的措置」だと説明した。
 8-22よりあと、米国西海岸諸港から日本近海を通って米ソ船が、石油類、軍需品を、ウラジオに輸送している。このことは日米の新聞が報道し、日本国民の感情を刺激した。
 米国からの回答。このルートでの対ソ石油輸出量は、対日輸出量とくらべて取るに足らない量であると。
 7-26以降、米国へ向かう日本船はなくなった。

 企画院総裁の9-6説明。
 液体燃料は、民需を徹底的に抑制しても、明年6~7月頃には貯蔵が皆無となる。
 南方を占領できれば、2年目からはその資源を完全に活用できる。

 参本が9-6のために作った資料。
 7月末に重慶で、米英支の空軍専門家が会同した。米支は空軍に関しては合同作戦を進めている。
 米国からソ連極東部に物資を送っているのは、援助ではなくて、シベリアに米軍基地(航空と艦艇)を建設するためだ。
 冬の満州では日ソともに作戦しづらい。だから冬のうちに南方を固めてしまう。
 重慶政権に対する「交戦権の行使」と敵性租界処理は、これまで米英に顧慮して発動を控えてきた。しかし南方開戦となれば、これを即時に実行できる。重慶に圧力を加えられる。
 日本が米英と断乎開戦することによって、支那民衆の米英依存心理が粉砕される。

 英国はタイと不可侵条約を結んでいるが、もし日本に基地を提供したらこの条約は無効だと恫喝している。
 8-4に英主力艦の『ウォースパイト』が暹羅湾を徘徊しているとの情報あり。

 ドイツは空軍を対ソに向けねばならないので英本土上陸は、近東・北阿作戦のあと、来夏になるだろう。

 もし、ドイツがソ連をすぐにも無力化させたり、ソ連が米国に支援されて日本を挑発してきたら、南方作戦中であっても対ソ戦は発動する。

 対米交渉では、南方に武力行使しないと約束する場合は「支那は完全に我帝国の思ふ様にせねばならぬ」。そのためには駐兵は絶対に続ける。撤兵すればシナ人は言う事を聞かないので。それに「陸軍は十数万の犠牲を払ふて居る」。

 蘭印のオランダ政府は、「土人徴集令」で第一回の徴集をし、9月下旬から武装訓練を開始する予定。

 9-20 連絡会議。
 書記官長。三国同盟についての日本の見解。これは防禦的なものであると米国に説明する。
 某の発言。「防護と自衛と云ふ大きくかぶせた表現法を適当と思ふ」。

 9-20 連絡会議決定の了解案。
 各国家、民族が、正義&衡平による万邦協和の理想の下に生存する一宇をなすこと。これは日米は声明する。
 両国の一方が供給し得、且つ、他方が必要とする物資を相互に供給すると保障する。
 両国は、石油、ゴム、ニッケル、錫等の特種物質の生産、供給は各国に無差別とする。
 太平洋で平和が確立したら日本は仏印からは撤兵する。

 9-25、両総長の要望。
 17年3月中旬までには南方作戦を終了し、北方の転機に応じたい。
 シベリアが冬であるうちに南方を片付けるためには、16-11-15に開戦したい。それには10-15から輸送を開始して南部仏印などに戦略展開を完了したい。

 10-4、連絡会議。
 日米サミットは断る。なぜなら日本側は基本的なところで米国に同意していないようだから。

 10-9 連絡会議。
 寺崎アメリカ局長。米側は「自衛権」を論じたいようだ。
 「自衛権問題に就ては欧州戦に〔米国が〕参加するのが自衛権なりと考へてもらい度」。
 また、仏印にて日本軍が、家屋を占領し、第三国人〔支那人〕を逮捕しているのは、国際法上の違反だと。

 外相。林中佐が、五万の兵力が北仏印に入ると述べたことは外交上、不具合だ。
 参謀総長。南部仏印には兵は入らない。昆明に向かうため、北部仏印に多数の部隊が入ったと宣伝したのだ。

 10-12、五相会議。
 東條。日本では統帥は国務の圏外にある。総理が決心しても統帥部との意見が合わなければ不可。総理が決心しても陸軍大臣としては之に盲従はできない。
 豊田。「御前会議御決定は軽率だった」。前々日に書類をもらった。
 東條。7-2の御決定で、南方に地歩を進め、北方は解決すると決められたのだ。シナ駐兵問題は陸軍としては一歩も譲れない。「退却を基礎とすることは出来ぬ」。陸軍はガタガタになる。国内世論鎮圧には自信がある。

 杉山所感。及川は東條に同意すると称し、本心は、近衛に決めさせて海軍軍令部の責任を逃れるつもり。鈴木はただちに開戦しろという考えではない。

 10-14 閣議。
 東條。9-4御前会議で、10月上旬と決めた。今日は14日だ。船を200万トンも徴用して皆様にご迷惑をかけている。「斯く此席で話しておる今でも兵は動いておる」。
 近衛は豊田外相の発言をうながした。
 豊田。アメリカと話のつかないのは「駐兵」「三国同盟の自衛」など。昨日から新聞論調が変わったのはなぜか。
 伊藤情報局総裁。閣議決定の輿論指導要綱を実践した。

 東條。北部仏印に陸軍が入っているのは、今後の企図秘匿のため昆明作戦をやるように見せるため。大命により行動している。外交が遅れているだけ。差軍準備行動は普通に進んでいるだけ。なぜ外交は約束通りやらぬか。米国のいうなりに撤兵したら、満州も朝鮮も危うくなる。支那事変では併合も賠償も求めていない。支那事変ではこっちに「数十万の戦死者、之に数倍する遺家族、数十万の負傷兵」。数百億の国幣を費やしているので他の国なら領土割譲を求めるのがあたりまえなのだが。満州事変以前の「小日本」に還元するというなら、また何をか言はんや。米国は独ソの手打ちを気にしている。その弱点をついて、日本が独ソを和睦させ、米国の立場を弱めて交渉すればいい。

 東條と杉山の雑談。
 東條。海軍大臣は自信がないと言わない。しかし自信のないような口のききかたをする。はっきり言わないので、物が定まらない。「海軍が踏み切れないないのならそれを基礎として別のやり方を考へねばならぬ」。

 杉山。宮中大本営で、永野から聞いた。富田が、海軍から戦争はできぬと言うてくれんか、と。永野はそれに対し「そんなことが言へるものか」と返答。
 東條。三国同盟のとき、70回も会談しても海軍は賛成しなかった。が及川が大臣になったらすぐ決まった。及川は、国内問題なので賛成したと言ったそうだ。無責任なものだ。

 10-17、三長官会議。
 木戸から聞いた。お上は、9-6允裁の国策遂行要領にこだわらず、白紙に立って検討せよとのこと。
 陸相が、海軍大臣は誰の予定かと。木戸が豊田だと答えたところ「豊田は陸軍では声をこくのもいやだと言う程」で反対だと。

 杉山総長は、東條中将を大将に進級させようと提議。なぜなら海軍大臣が現役大将だから具合が悪い。あと1ヵ月で中将5年となるから、特例で進級させればいいと。

 10-23、連絡会議。
 前田少将。米は、S17末に、両洋作戦の戦備が整う。それまでは日本を戦争に参加させないように務めるだろう。

 永野。海軍では1時間に400トンの油を減耗しつつある。やるかやらないか早く決めてくれ。

 10-24~25、連絡会議。
 陸海軍共通の見解。この秋に開戦した場合、米国はソ連の軍事基地を利用するだろう。ソ連が米英から唆されて対日参戦するかもしれない。戦争が長期化すれば情況により日ソ戦、なしとせず。

 艦政本部総務部長の説明。3000トン、12ノットの標準型の輸送船を多量生産したい。
 戦争2年目には、60万トンの輸送船の新造をする。それには36万トンの鋼材が必要だ。

 これに島田が突っ込む。若い者は楽観し過ぎだ。その半分しか新造はできないだろう、と。

 賀屋。労力は「第二国民」の育英をすれば心配ない。

 所感。ドイツの国力は信用できる。「独の国力に対する信頼は之を強く考えあるもの〔者〕多し」。

 10-27連絡会議。
 鈴木貞一。日本には物資の永年計画がない。年度ごとに、分配しているだけだ。

 東條。陸軍は対ソ戦備に重点を置いて準備している。
 杉山。陸軍は、ソ連軍が170個師団で極東に来ると考えて準備を進めてきた。

 海軍の山田整備局長。
 11月に開戦すれば、航空揮発油は、蘭印より取るものを加えて、30ヶ月。3月に開戦すれば、21ヶ月。開戦しないならば、航空揮発油は34ヶ月、自動車燃料は26ヶ月後に零となる。

 判決。ドイツに作戦協定を提議する場合は、さしあたり、次のことを約諾させろ。対米宣戦、単独不媾和、「近東作戦の強化により対日呼応」。
 すでに独ソ戦が始まっているので、ソ連をやっつけてくれとはこちらからは頼まない。こちらが要求すれば向こうも要求してくるから薮蛇。

 日本とドイツの海上担任境界は、「コロンボ」南北。これは海軍において黙諾があるようだ。

 10-28 連絡会議。
 外務省。3月開戦の場合、ソ連の脅威は今よりも軽くなる。
 参本。そんなことはない。冬のうちにソ連は整頓し、米と結合し、春に対日攻撃するだろう。

 参本。イタリアが参戦したときに、ドイツは喜ばなかった。

 鈴木貞一。人造石油を400万キロリットル生産するためには、設備のために、鉄が1000万トン要る。工場設備には3年かかる。

 10-29~30 連絡会議。
 シナ駐兵の撤兵については、杉山と塚田が強硬に不同意を繰り返した。東郷は、撤兵しても経済はなんとかなるから早く撤兵しろと。

 賀屋は質問が多いが、真面目である。

 10-30 連絡会議決定。
 ドイツはコーカサスの油田を掌握するだろ。そこから近東、スエズ、欧州大陸まで制覇するだろう。欧州新秩序だ。
 英国が占領されても英艦隊は太平洋まではやってこない。というのもドイツは英国民に対する給養の責を負わないと意志表示しているから、見捨てられるものじゃない。

 ソ連は米軍に基地を貸すだけでなく、潜水艦や飛行機で対日参戦するかもしれない。

 米英は不可分である。よって蘭のみとか、英蘭のみに相手を限定できない。
 米英蘭は、日本が南方に武力進出した場合、共同防衛の了解があることはほとんど疑いがないから。

 日本が蘭印に出たら、英国は「自衛の為」ただちに日本に武力的に対抗する。これは確実だ。

 米国は、南西太平洋は自分たちの発言権圏内だと思っている。
 日本が蘭印に出て英国と交戦するようになれば、米国の輿論は、欧州戦争以上に、刺激されるだろう。

 もし日本が対蘭戦だけをスタートしたら、日本軍の作戦線の弱点たる側面を比島、香港、シンガポールから突かれてしまう。

 対英戦争も、対米戦争も、日本としては、先制攻撃(開戦奇襲)でないならば勝ち目がない。もし蘭に対して先に開戦してしまったら、米英はそれを見てすぐに極東での臨戦態勢を固めるので、日本には勝ち目がなくなるのだ。

 マレーや比島を占領しないと、日本の強固な戦略態勢は確立しない。

 日本が対米英開戦すれば、南洋の華僑は援蒋できなくなる。また、蒋介石軍のなかの将領が南京政府側に次々と願えるだろう。

 南方作戦を始めた場合、第一年度には石油85万トン、第二年度には石油260万トン、第三年度には石油530万トンの供給が必要になるだろう。
 国内には貯油が840万トンある。
 よって需給は、第一年度末に255万トンが残額となり、第二年度末には15万トンが残額となり、第三年度末には70万トンが残額となる。

 航空燃料は、第二年もしくは第三年に、危険水準にまで供給が減るだろう。

 この前後の海軍の動きの表。
 S15-11に、船舶55万トンを徴用。
 S16-1に、山本GF長官に対しハワイ攻撃の研究を命じ、山本はそれを大西瀧治郎少将に下命した。
 S16-10上旬、南方総軍が創立された。
 S16-11-3、真珠湾攻撃を軍令部総長が決済した。
 S16-11-21、大海令第五号(作戦展開)。
 S16-11-26、単冠を発つ。
 S16-12-2、大海令第十二号。8日の武力発動。
 S16-12-5、最後通牒手交時刻決定。

 S16-11-1 東條陸相と杉山総長との会談。
  海軍がとつじょ、最近になって、強く鉄を要求しはじめた。その真意は、非戦の責任を国力、すなわち政府のせいにしようとしている。海軍ありて国家あるを知らない連中だ。

 東條。お上は正々堂々とやることをお好みになる。今開戦を決意し、そのあと、欺騙外交をやることは、お聞き届けにならぬと思う。

 杉山。開戦しないというのは困る。すでに内地から20万人の兵力を出し、支那からも、やるべき作戦をやめて兵を南下させている。ここまでして開戦しなかったら士気が挫ける。

 東條。本日は、大義名分についても研究したい。

 11-1~2、連絡会議。17時間連続。
  機帆船の油は、海軍より供給する。

 大義名分に関しては、第二十班案 および 第二部案 を基礎とす。

 賀屋「勝算が戦争第三年にあるのなら戦争やるのも宜しいが永野の説明によれば此点不明瞭だ。然も自分は米が戦争しかけて来る公算は少いと判断するから結論として今戦争するのが良いとは思はぬ」。

 東郷「私も米艦隊が攻勢に来るとは思はぬ、今戦争する必要はないと思ふ」

 鈴木貞一。〔物量面では〕心配はない。十八年には物の関係は、戦争した方が良くなる。

 東郷。外交でごまかせというのはひどい。乃公にはできぬ。

 伊藤次長。海軍としては11-20まで外交をやってもよい。
 塚田。陸軍としては11-13まではいいが、それ以上は困る。

 塚田。作戦準備の段階で飛行機や船は対米小衝突を始めるとみなければならない。

 島田。(伊藤に向かい)発起の2昼夜くらい前までは外交を続けてもいいだろう。
 塚田。黙っていてください。そんなことは駄目です。

 けっきょく、12月1日零時(東京時間)と決す。そこで外交を終えることに。それまでに外交が成功すれば戦争発起を中止する。

 総長と次長の考え。南部仏印からは撤兵できない。それは支那の抵抗を抑えるためにも必要だし、南方の石油を取るための足場でもあるから。

 外相。支那問題に米の口を容れさせてはいけない。従来の対米交渉が不味いのだ。九ヶ国条約の復活コースだったから。

 東郷。南部仏印から撤兵しないというのでは、交渉になりはしない。

 ここで海軍側2名と東郷の間の激論となり、このままでは東郷が閣僚を辞任して倒閣するおそれが出てきた。※ここに大チャンスがあった。

 休憩の間、別室で相談。もし内閣総辞職となれば、次の内閣は避戦内閣になる。そこからあらためて戦争準備してももう手遅れになる。

 この会議に参本から提案したペーパー。
 「帝国は……自存自衛を全うし大東亜の新秩序を建設する為、直ちに対米英蘭開戦を決意す」
 対米交渉にあたりては、「開戦企図の秘匿と、開戦名目の把握に勉む」。

 塚田次長の所感。
 永野は、今戦争をやらねばならぬと信じているが、戦争の見通しは不明と言う。杉山は、戦機は今だと。
 塚田の考え。戦争は避けられない。今回避しても、来年か再来年には必戦だろう。だったら今やるのがいい。日本が南進すれば、独伊が英を屈服させる公算が大きくなる。そうなれば支那も屈服するだろう。その次はソ連も屈服させられるだろう。それで「鉄壁」を築くことができる。英国が倒れれば、米国も気が変わるだろう。

 S16-11-1。帝国国策遂行要領。
 帝国は……自存自衛を全うし、第東亜新秩序を建設するため……。

 対米交渉要領。
 三国条約の解釈および履行問題。
 日本としては自衛権の解釈を濫りに拡大する意図はないことを明瞭にする。

 杉山と永野による上奏。11-2。
 「我は集結せる戦力を急襲的に使用し敵を各個に撃破することが出来まするので必成を確信致して居ります」。
 ※これでは敗戦と同時に自決するしかなかったわけだ。

 11-2の上奏にあたり、参謀総長の資料。
 大蔵大臣は、北樺太の油田を買収して自存を全うしてはどうかと。それは相当に困難だろう。仮に成功しても、年額150万〔トン?〕程度。帝国の需要を充たすには足りない。しかも、米国は必ず干渉するだろう。

 軍令部総長。対米交渉が不調のとき、臥薪嘗胆はできない。最下策だ。ジリ貧となり、和戦の機は米国に掌握されてしまう。

 蔵相。南方作戦開始のイニシアチブがこっちにあるというだけで、戦争をどう決着させるかのイニシアチブは米国が最初から掌握しているじゃないか。米国は2年間、間合いをとっていればいいだけだ。

 軍令部総長。戦争は間違いなく長期戦になる。

 総理大臣。日本政府は七月に、「日米開戦を辞せず」と決め、裁可ももらっている。無為に2年を経過するより、今やるのが有利だ。

 外相。長期戦になれば国民の志気は崩れる。

 参謀総長。こっちが南方域を占領すれば、英米は援蒋ができなくなる。支那は抗戦を断念するだろう。ソ連は冬期には戦争できないから、冬の間に南方の片をつける。

 蔵相。支那は2年援助を断たれても降伏などしない。3年後のことを誰も考えないのか?

 外相。米国は兵器こそ増やしているものの、それ以外の生産拡充をしていない。つまり、向こうから戦争を仕掛けるつもりはないのである。

 結論。いまの不安定状態を続けると国民精神は志気沈滞する。とても臥薪嘗胆などできない。

 11-2、総理、陸海総長、列立上奏のさいの御下問と奉答。
 総理は涙を流して、航空部隊の準備命令を御前会議前に発令したいと。

 天皇。運送船の損害等も考えているだろうな。朝鮮のダムが壊れたらどうするか。

 11-3、作戦計画上奏。御下問、奉答。
 天皇。租界は香港の後でやるだろうな。
 杉山。そうでございます。他の方面でやると、マレーの奇襲は駄目になります。

 天皇。お前〔杉山〕はモンスーンで上陸が困難になると言うていたが12月になったが上陸はできるか。

 天皇。「泰に対する外交交渉は大義名分から言へば早くするを可とし又軍の奇襲からは遅い方がよいと思ふがどうかね」。※この発言はとてもマズイ。

 天皇。8日は日曜日ではないか。
 杉山。休みの翌日の疲れた日が良いと思います。

 S16-11-4、軍事参議会。
 面子の中に、寺内大将、百武海軍大将、塩沢幸一大将、吉田善吾大将、篠塚義男中将、加藤隆義大将、及川大将、山田乙三大将、日比野正治中将。

 軍令部総長の説明。対米英戦は、確実な屈敵手段がないから長期戦となる。数年後の確算の有無も断ずることは困難。

 参謀総長の説明。敵の航空機は、マレーに320機、比島に170機、蘭印に300機、ビルマに60機。
 これらの地域に増援を送れる外縁の地域。インドに200機。豪州に300機。新西蘭(NZ)に150機。
 戦域の陸軍は土民7割、白人3割である。

 帝国陸軍は51個師団、200万人。
 満鮮には対ソ用に15個師団。
 対支用には24個師団。

 仏印に1個師団。
 内地と台湾に5個師団待機中。
 支那からの転用5個師団。あわせて11個師団で南方作戦をやる予定。

 ソ連がもし飛行機や潜水艦で干渉してくれば、日ソ戦にもなるだろう。

 参議官からの質問と応答。
 総理。錫、ゴム、タングステンは支那か南洋にしかない。ストックは1年半で尽きてしまう。

 鳩彦王殿下。外交の都合で開戦時期の決定を左右するべきではない。統帥上の見地から決定するのが適当ではないか。 ※まさにドイツ流。国際条約の意味がまるで分かってない皇族もいた。

 東條。米国の対日態度は予測し難い。もし積極的に挑戦してきたら、我は屈服の他ない。

 東條。ドイツは2ヵ月前、日本が対米開戦したら即時に対米参戦すると言った。独伊は、ソ連を屈服させたらコーカサスから近東に出る計画がある。現在ドイツは南太平洋で通商破壊戦をやっているが、この区域を拡大してもらうこともできる。 ※徹頭徹尾ドイツ頼み。

 東條。こちらが比島を占領するとき、彼がこれを奪回しようとして主力艦隊を出すなら、それを撃滅できるかもしれない。

 東條。ドイツが対米宣戦し、英本土がドイツに占領されれば、米国は対日戦意を喪失するかもしれない。

 東條。わが本土防空兵力は、陸軍100機、海軍200機。陸軍の高射砲は500門、海軍の要地防禦用の高角砲が200門。
 ※S16-11-4時点の公式説明。

 杉山参謀総長の答弁。高射砲は、生産地点(東京、名古屋、大阪、北九州など)と、交通要点(青森、広島、下関、釜山、新義州など)と、油田地帯(秋田、新潟、柏崎など)に重点配置する。
 昨年までは防空意識は低かった。独ソ戦が始まったので、施設も訓練もよくなった。

 東條。石炭輸送には、機帆船を使う。

 東條。対英米開戦すれば、ビルマルートが遮断され、香港からの援蒋もできなくなるので、重慶は弱体化する。南西派や共産党は国民党から離れるだろう。

 S16-11-4の質疑応答を後で参本がまとめた資料。
 陸軍の兵力集中重点は、まずマレー作戦。
 外交では、南方が快調ならば、北樺太の買収をソ連に提議できるかもしれない。

 寺内は、英米が先に攻勢を採るおそれはないのかと質問した。
 それに対し「〔英米が〕自衛権の範囲に於て〔対日先制攻撃を〕行ふは蓋し已むを得ざるべし。但し其の戦闘行為即ち開戦にあらず」。「右戦闘行為が十二月初頭以前に生起する場合開戦すべきや否やは御聖断に依るべきものとす」。

 米の援ソ行為。9月末にウラジオ港に8隻を輸送済み。航空ガソリンと飛行機材料が中心。

 対米作戦のための編制装備の改善。
 馬をやめ、自動車採用。
 化学戦を顧慮せず。其の装備を除く。
 人員の軽装運搬機関として自動車配属。

 現在、比島に「遠爆」が40~50機ある。※B-17のこと。
 アラスカには100機、重慶には30機。
 極東ソ連軍の遠爆は約80機。※TB-3のこと。

 11-5、御前会議。
 外相。米は自衛権として独に対し武力を発動し、日本に対しては太平洋方面に武力行使をせざることの約束を希望しあるが如し。

 総理。10-2に受け取った米側の回答は、要するに四原則(領土保全主権尊重、内政不干渉、無差別通商、武力による現状打破は承認せず)。四原則は、九ヶ国条約の集約である。

 枢相。米は自衛権につき勝手だ。

 外相。石油については凍結令前から出さぬことになっていた。

 参謀総長。南方作戦は、兵力20万、飛行機800機。まずマレーと比島を占領し、その次に蘭印へ。

 枢相。日露戦争では旅順を37年の夏に陥とせるといっていたのに翌年1-1にずれこんだ。独ソ戦もヒトラーの読みが違って長期化しているではないか。

 軍令部総長。南洋には敵の水上艦、潜水艦、航空隊があるから、相当の損害を受けることは覚悟の前である。こっちの航空機は三分の一から半分、やられるかもしれない。

 枢相。タイに対する進駐の交渉はどうするのか。それは将来の対豪関係に影響する。国民としては支那事変をどうにかして欲しいのに、その見込みがつかずにまた米国と開戦するとは、為政者としてどうか。ヒトラーも日本人を二流人種だと言っている。独英、独米で手打ちがなされ、日本だけ取り残されたらどうする。

 総理。米国は日本が経済的に降伏すると思っている。しかし日本軍が開戦のための展開をすればこっちの覚悟が伝わる。そこで外交交渉ができる。

 御前会議の議題としての帝国国策遂行要領。
 三国条約の解釈について。我が方としては、自衛権の解釈を濫りに拡大する意図がないことを更に明瞭にする。

 外相。S16-11-5。対外国策の要諦は、正義と公正。日本が警告したにもかかわらず、米国は、極東を通じて石油その他の軍需必要物資を対ソ供給している。非友誼的行為だ。中南米もまきこんで対日経済断交の挙にも出た。

 企画院総裁。南方作戦のために、仏印から日本本土に食料があまりやってこなくなったら、大豆、雑穀、甘蔗等の代用食を考える。第一年目に蘭印から奪える石油は、30万キロリッター。第二年で200万キロリッター。第三年で450万キロリッター。内訳。第一年、ボルネオから海軍20万キロリッター、陸軍10万キロリッター。スマトラからは第一年は零で、第二年に南部から75万キロリッター、北部から25万キロリッターが得られるだろう。S16-12-1現在の貯油は、陸海民あわせて111万キロリッターである。植物油脂も南方で確保しないと国内需要を満たせない。民間・農林関係で必要な灯油、産業用の普通の機械油、鉄道用の高級機械油、船舶漁船用のディーゼル重油は逼迫するだろう。

 大蔵大臣。南方からは平時の輸入を続けてきた。そこを占領すると物資の流れは止まってしまい、逆にこっちから物資を供給してやらねばならなくなるだろう。だがこっちにその余裕はないから、相当長期間、現地民衆にとっては搾取的な民政を続けるしかない。

 参謀総長。戦争はおそらく長期にわたる。

 11-5、作戦計画上奏時の御下問・奉答。
 天皇。このさい秘密保持の点から、軍司令官以下をいつごろ現地に向け出発せしむるか。

 杉山。11-7~11-9の三日間、作戦打ち合わせがある。その後、隷下軍との打ち合わせがある。早く出発すると企図が秘匿できないだろう。しかし期日は未定。

 天皇。北を騒がせるな。

 以下、「海上輸送力を吻合せしめたる十七年度物動主要物資の供給力」。
  S16-10-22企画院作製。
 民間船の物資輸送は冬季が閑散期なので、冬季に開戦するのは有利。

 南方よりの期待量は、11月開戦でも、3月開戦でも、20万6000キロリッター。

 以下、「戦争を考慮せる場合の海上輸送力(民需)及之に伴ふ重要物資に対する廃船の見透」。
 企画院 S16-10-22作成。
 事故船は現状で月に平均、三二程度。

 以下、「重要物資の供給力算定資料」。S16-10-22。
 油椰子のパーム油。1938年に 22万6668トン生産した。パーム核は4万8036トンであった。

 もし北樺太を占領した場合。
 オハからは初年に9万2000キロリッター、次年に22万キロリッター。
 エハビからは、初年に13万1500キロリッター、次年に31万5500キロリッター。
 カタングリからは、初年に5万5000キロリッター、次年に13万2000キロリッターが得られるであろう。
 初年は、掘鑿開始時点から起算する。

 以下、「臥薪嘗胆の場合の検討資料」。S16-10-31。企画院。
 人心の統一が難しい。一歩誤れば、国論が分裂する。

 S16-11-12 連絡会議。
 豊田外相時代に、ドイツ(オットー)から《もし米国がドイツに向かって戦争行為に出たら、日本は米に対し戦争しなければならない。ゆえに米国は大西洋での反独行動を控えろ》と日本から米国に言ってやってくれと頼まれた。しかし豊田は断った。

 11-13、連絡会議。
 「重慶に対する交戦権の発動は特に宣言等の形式を以てすることなく対米英開戦を以て事実上其実効を収むるものとす」。

 11-15、連絡会議。
 外相から野村に訓令した。忍耐にも限度がある。これ以上アメリカは日本の要求を無視するなと言ってやれと。

 外相。グルーに言ってやった。米は帝国に対し武力ょりも強い経済圧迫を加えているのであるから、「我は自衛上立つ事もある」。米が支那に対し帝国が払っている犠牲を無視することを強要するのは、日本に自殺せよと言うのと同じだとも。

 戦前に宣戦布告をするか、あるいは、宣戦布告することなく戦争に入るかは研究の要あり。

 S16-11-15、宮中午前兵棋の後、南方軍に対する任務に関する上奏の節、御下問と奉答。
 杉山。対米交渉が成立したら第52師団の動員は中止する。伊勢、熱田、畝傍、桃山に御参りしたいのでお許しをお願いいたします。

 11-20、連絡会議。
 外相。米国としては輿論の関係もあり、折れて日本と妥結することは不可能だろう。

 11-22、連絡会議。
 開戦名目に「中華民国」の字を入れるのは不適当。「国利」は、日清戦争や日露戦争の開戦詔勅にも使われた語なので入れてもよい。

 11-23、大本営政府連絡会議決定。
 もし先に英軍がタイ領に侵入したら。ピプンを問い詰め、タイがそれに同意を与えたのであれば、日本軍に対しても許可をせよと迫り、日本の自衛措置としての進駐を要求する。

 11-26、連絡会議。※単冠湾からすでに出ている。
 外相。『気比丸』事件〔1941-11-5にソ連の浮流機雷に触れて清津沖で沈没。156人死亡〕についてソ連に、機雷に安全装置をつけていたのか、安全装置が不完全なら日本の主張する通り受諾せよ、と申し込んだが未だ回答無し。
  ※繋維索が切れたら爆発しないようにしなければならないとハーグ条約で決まっている。

 第三国にソ連の基地を与えるようなことはせぬかと質問したところ、中立条約は第三国との関係については無関係だと。

 対米乙案で、明年度から航空揮発油を含む400万トンを米は日本に輸出し、蘭印も航空揮発油を含む200万トンを日本に輸出するという条件をつけろと野村大使に訓電すること。
 なお昨年は米国から330万トン輸入していた。また昨年芹沢は蘭印に対して180万トンを要求している。

 11-26の奏上のさいの問答。
 天皇。重臣を御前会議に出席せしめてはどうか。
 東條。重臣には責任がないので適当ではない。
 天皇。それでは会議ではなくて御前懇談では。
 東條。機密が漏れないように重臣には何も伝えてこなかったのです。

 11-27、連絡会議。
 東條。日露戦争のときの伊藤や松方らは真の元勲だった。今の重臣とは違う。今の重臣は一度総理大臣をやったというだけで質が低い。また秘密がダダ漏れである。東条内閣が成立したときの重臣会議の内容は全部漏れた。

 宣戦に関する事務手続きについて。
 交戦状態に入りたる時期を明示する為の内閣告示の件。

 11-29、宮中で東條が重臣に説明。
 廣田、林、阿部以外は、現状維持を進言した。
 特に阿部は強硬に積極論を主張した。
 岡田と若槻は現状維持論で、特に岡田は強く主張した。

 11-29、連絡会議。
 この席で初めて、永野が、外相に対して、対米交渉の打ち切り予定日が何日なのかを知らせた。※南雲艦隊はとっくに択捉島を出撃済みである。

 某〔杉山?〕「国民全部がこのさいは大石蔵之助をやるのだ」

 12-1、御前会議。
 原。米国が撤兵せよという支那という字句の中に満洲国は含まれているのか?

 永野。イタリア海軍が消極的になったので、英海軍には余裕ができた。

 原。東京を焼夷弾空襲されたら、踏みとどまって消火できるものではない。住民の避難対策は講じてあるのか。

 直答なし。

 外相の説明。
 和平の斡旋者が依然、援蒋行為を継続しているのは矛盾だ。
 米国は、自らは容易に実行せざる諸原則を帝国に強要せんとしている。
 「蒋介石治下の中国は愈々英米依存の傾向を増大し……」(p.550)。

 以下、S16-11-28外務省起案の、日米交渉の経緯。
 米国の斡旋条件のひとつに「日本より大量移民を支那に送らざること」。

 三国同盟は「挑発に依らざる欧州戦争の拡大防止に寄与せんとする」と目的を再定義せよ。「欧州戦争に対する両国政府の態度」を日米協定することによって。
 ※米国が対独開戦するのはドイツから挑発を受けたときだけなので、日本は対米参戦できなくなる。

 米国の立場は「防禦と自衛の考慮」によりその態度を決する。自衛の観念を拡大すれば米国は容易に参戦し得る。
 要するに、米国は対独参戦するが、日本は中立すべし。

 米国は、日本の「防共駐兵」には異議がある。

 ハルの態度。日本が三国条約を骨抜きにして、平和政策を採る旨を確言しない限り、援蒋は打ち切らない。

 ハルは、撤兵等を急速に実現する必要はないんだと、日本の2人の大使に言った(p.557)。

 S16-12-4、連絡会議。
 対米最後通牒の文案を審議。
 明日5日の午後に発電し、6日翻訳となれば手交するのにはちょうどよい。
 手交の日時は統帥部の要求に合致させなければならぬ。

 12-6、連絡会議。
 最後通牒は、7日の午前4時(日本時間)に発信し、8日午前3時(日本時間)、大統領に手交することとす。

 外相。リッベンは、日米戦争が起これば独伊はただちに対米戦争状態に入ると言っている。日本は米の軍需品がウラジオに入るのを止めてくれ。

 軍令部総長。極東ソ連軍の飛行機は1400。潜水艦は100隻。米国からウラジオへの補給を妨害すると、このおびただしい飛行機と潜水艦が南方作戦を脅かす。だからソ連を刺激するのは損である。

 ※下巻もいずれそのうちに。

国際法を守らない国と何かを約束することは、それ自体、国際法蹂躙への加担行為に他ならない。

 したがって、韓国だけでなく、中共、ロシアとも、日本は断交するのが筋なのだ。

 トランプもアップルの会長に申し渡すべきだった。米国の価値観を潰そうとしていることがハッキリしてきた中共に漫然と工場を置き続けたのはアンタの怠慢なのだから、撤退遅延に責任のあるアンタが制裁関税発動日に辞職して世間に詫びてはどうか、と。

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 KIM GAMEL 記者による2019-8-20記事「US troops may be victims of massive credit card hack in South Korea, military says」。
     5月29日より、3万8000個以上の駐韓米軍将兵用のクレジットカード(米政府発給のもの)の情報がダークウェブ上で密売されている。韓国内でカード情報が盗まれているものと思われる。
 米陸軍の第8軍は、19日にフェイスブック上にアラートを掲げた。

 在韓米空軍基地に入り込んでいる韓国のクレジット組合も、犯罪グループに情報を流したと疑われている。

 韓国への旅行者も、商店決済の際にカード情報を抜かれた恐れがある。システムに欠陥があるのだ。

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 Jack Detsch 記者による2019-8-19記事「Pentagon sees warning for China in Turkey's F-35 ouster」。
     ペンタゴンいわく。米国がトルコにF-35を引き渡さないと決めたことで、トルコはこんどは中共から兵器を買うのではないか。

 「チャイナ・パワー」年次報告書によると、2013年から2017年にかけて中共は100億ドルもの武器を中東地域に輸出した。武装ドローンや精密誘導兵器も同地で大処分する気満々である。

 ペンタゴンは特に懸念している。中共製の武装ドローンが中東を席捲するのではないかと。

 また注目しているのが、中共が資金力にモノを言わせてイスラエルを籠絡しにかかっている兆候のあることだ。

 ※シリア空軍がトルコの軍事補給トラック列を空爆したので、こんどはトルコがロシア軍を空爆するのではないかと噂されている。またイスラエルのF-35が、機内タンクだけでは往復できるはずのないイラク東部のイラン製SSM倉庫を繰り返し空爆しているとの噂もあり。

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 ストラテジーペイジの2019-8-20記事。
    ロシャリクのリチウム電池火災は、単に発火したのではなく、最後は爆発したのだという。

 19人乗り組んでいたうちの14人は死亡。
 残った5人のうち1人は民間技師。
 この5人だけでなんとかロシャリクを浮上させた。

 そして、ロシャリクの作戦母船である「改造SSBN」に、乗り移った。
 ただし退艦の前に、すべてのコンパートメントに注水するよう、5人は命令された。これは鎮火を確実にするための措置だったという。

 ロシャリクを修理する費用を今のロシア政府が捻出できるかどうかは疑問である。

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 Huong Le Thu 記者による2019-8-20記事「China’s Incursion Into Vietnam’s EEZ and Lessons From the Past」。
  中共はベトナムのEEZ内でのベトナム船による試掘を徹底妨害中。同時に中共船がベトナムEEZ内で盗掘するようになっている。海警+海上民兵の威圧のもと、ベトナムの資源を侵奪し尽くすつもりだ。

 教訓は何か。2016に北京が国際法=UNCLOSを公然と蹂躙する意志を示したときに、世界が対支制裁を怠ったことが、今日の事態を招いたのだ。

働かなくともすむ未来をめざして

 Robert Farley 記者による2019-8-18記事「Last Battleship: The Royal Navy's Final Battleship Was a Real Navy-Killer」。
       第一次大戦が始まると、海軍卿フィッシャーは考えた。浅吃水の大型軽巡に、上陸作戦を支援できる火砲を持たせる。それによってポメラニア(ポーランドのバルト沿海地方)に英軍を上陸させることができれば、ベルリンが脅かされるから、ドイツは西部戦線から兵力を引き抜くしかなくなるだろう……。

 かくして建造された『カレジアス』『グロリアス』は、15インチ連装砲塔×2基となり、続く『フュリアス』は18インチ単装砲塔×2基になった。
 英政府はフィッシャーに対し、巡洋戦艦の新造は許さんぞとタガを嵌めていたのだが、この計画艦は、その禁制を迂回するカテゴリーだった。

 特急工事で艦はできたものの、さすがにバルト海の上陸作戦は、WWI中にはとうてい実行不可能だった。

 ベルサイユ媾和後、3艦ともに主砲を撤去して空母に改装された。これはワシントン海軍軍縮条約に基づく。そのうちWWII後までも生き残ったのは『フュリアス』だけだ。

 ところで撤去された4基の15インチ連装砲塔(砲身は38口径長)は、軍艦の中でも最も建造コストのかかるパーツである。これをただ倉庫に置いておくのは勿体無いのだが、華府条約の決まりにより、それを新造艦に載せることは許されなかった。
 やがて、ロンドン海軍軍縮条約が失効すると、縛りは無くなった。

 無条約時代の第七番目の新造戦艦として計画された『ヴァンガード』は、もしこの余剰砲塔がなかったら、完成はもっと遅れていただろう。というのはWWIIはすでに戦艦の時代ではなく、空母と対潜システムに英海軍の資源を優先配当すべきことはハッキリしていたからだ。

 英海軍は『ヴァンガード』を太平洋で使おうと考えた。『金剛』級の巡戦に、それは対抗できるはずだった。

 1941年、造船所に竜骨が据えられた。
 だが新戦訓が次々と得られたために設計も二転三転。1944年に進水はしたものの、とうとうWWII中には竣工はしなかった(この進水式が、現エリザベス女王が立ち会った最初の進水式である)。
 1946年後半、「最後の英戦艦」は完成。ちなみにフランスの『ジャン・バール』がその1時間後に完成し、世界最後の戦艦だとされている。

 『ヴァンガード』は英国がかつて建造した最大の戦艦(4万4500トン)で、これよりデカいのは『アイオワ』級と『大和』級しかなかった。

 WWII後の英国財政は危機的であった。大緊縮政策により、『ウォースパイト』『ロドニー』など、かつての戦艦は次々とスクラップ業者に売られた。

 『キングジョージ』級の4隻も、ついに1958にスクラップにされ、その時点で『ヴァンガード』が、ただ1隻の、英国戦艦(ただし1956から予備艦登録)になった。

 残念ながら同艦は、防錆のための予算を十分につけてもらえなかった。WWIIで大活躍でもしていれば、扱いは違ったのだだろうが……。そのためついに1960年に、スクラップ化が決定している。

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 ストラテジーペイジの2019-8-19記事。
   2018年に米陸軍は、7万6500人の新兵を募集したが、その目標の達成に失敗した。計画未達におわったのは、2005年度いらいである。

 ただちに米陸軍は手を打っている。基準能力以上の新兵が6年間勤めてくれるなら、4万ドルのボーナスを与えよう、と言い出した。

 また、特科の隊員が歩兵科に転科してくれるなら、報奨金を出そう、とも言っている。
 ※けっきょく対テロは歩兵の仕事だからな。

 2005年はどういう年だったか。失業率は今よりも高かったが、徐々に減りつつあった。そして中東での戦死傷者は、今よりも多かった。

 また2005年に足りなかったのは歩兵ではなく、特科だった。歩兵は充足できていた。

 2018年の米陸軍は、歩兵が足りなくなっている。他方で戦場ではあまり歩兵の死傷は発生しなくなっている。戦闘自体が下火であり、むしろ交通事故で兵隊が多く死んでいる。

 2018の米陸軍は、海外派兵する兵隊の資質基準を高く設定している。その基準に満たない者は、軍隊にいてくれなくてよいというスタンスだ。

 不思議な現象のようだが理由がある。米国の若者は、国家が危機にあると思うと、軍隊に志願したくなるのだ。2005年から2007年にかけては、まさにそんな感じだった。
 しかし今は、米国が「対イスラム戦争」のさなかにあるとは、米国市民は感じてない。だから志願率が低調なのだ。

 対テロ戦争中は、中東最前線からの帰還兵の存在が、銃後米国社会に対する宣伝役にもなっていた。
 しかし今の米国社会にはその影も薄い。
 ※この変化はアメドラのキャラ設定を長い目でフォローすると確認できるだろう。「元軍人」とは言わなくなっている。

 米陸軍は、電気系のスキルのある新兵の募集のために、ボーナス予算を使わねばならない。良い歩兵をボーナスで釣ろうとするのは無駄である。というのも、米国内には、最良の歩兵分隊長だった者を高額で雇ってくれる民間警備会社がたくさんあるからだ。

高機動車の謎が増えてしまった……(いまさら情報 其の一)

 「はたらく車」のイベントに出かけて、高機動車のボンネットを開けてもらい、右側の、エンジンの空気取り入れ口を撮影して帰ってきた。ついでにその地上高も、シャツに鉛筆で印を付けて、後でメジャーをあててみた(113センチ+ でした)。
 ところがこのエアインテイク、どうみても「シュノーケル」構造になっていない。
 どういうことなんだ……?

 あと、世界で2台しかないという函館市電用の除雪車(大雪時に出動するササラ電車ではなく、委托されている民間会社が毎日早朝4時から始発までの間に運用する、路上/軌上の両用車)を仔細に撮影できたのはラッキーだった。

 次。
 Kyle Mizokami 記者による2019-8-16 記事「To Prevent Cyber Snooping, the U.S. Navy Is Relying on WWII-Era Communications」。
        米海軍は、ビーン・バッグ・ドロップ=「投下通信袋」による秘密連絡手段を復活させる。
 絶対に傍受・解読されることのない作戦命令伝達ができる。
 艦船同士の連絡にこれを使う。艦載ヘリが運搬する。

 先週、MH-60Sシーホークが、艦隊司令官からの文書メッセージを入れたビーンバッグを、強襲揚陸艦『ボクサー』の飛行甲板に、ホバリング高度から投下した。文書の宛て先は艦長。シーホークは着艦することなく飛び戻った。

 1942-4に東京を初空襲する『ホーネット』の護衛についていた『エンタープライズ』搭載のSBDドントレスが前路哨戒中に日本の民間船1隻を視認した。それを『ホーネット』に知らせるために無線を使うわけにいかなかったので、ドントレス機はビーンバッグを『ホーネット』に投下して知らせている。

 ※そもそもドゥーリトル隊を乗せた空母艦隊の司令官に対する東京爆撃の密封命令書が、米本土陸上の司令部から、米海軍所属の「飛行船」によって「通信筒」の手渡しによって、加州のはるか沖合いで伝達されていたことを、この記事はスルーしている。そしてもうひとつの事実。日本本土の無線傍受部隊は、米空母が茨城沖に近づいていることを早々と察知していた。つまり連中は「無線封止」を破っていたのだ。その理由はおそらくシンプルで、『ホーネット』から『エンタープライズ』に宛てて文書伝令のSBDを飛ばしたくとも、飛行甲板が「B-25」で埋まっていて、どうしようもなかったのだ。発光通信の逓伝は、通信に時間がかかりすぎてダメだと判断されたのだろう。

 なお米海軍は2016に「六分儀」教育も再開した。GPSは妨害され得るという前提を受け入れて。

 次。
 Kyle Mizokami 記者による 2019-8-13記事「Why the U.S. Abandoned Nuclear-Powered Missiles More Than 50 Years Ago」。
      グリーンピースは独自の調査により、セヴェロドゥヴィンスク市で測定された放射線レベルのスパイク値は、通常の20倍であったとつきとめた。

 米国は1960年代にSLAMを非実用的であるとして諦めた。
 SLAMとは、超音速・低高度ミサイルの略。核動力であった。
 SLAMは「ビッグスティック」とも仇名されていた。

 まず普通のロケットブースターで加速し、超音速に達したところで、核熱源のラムジェットに切り替える。
 巡航スピードはマッハ3.5にする計画だった。

 敵地に近づくと、この巡航ミサイルは高度を1000フィートまで下げる。

 単弾頭ではない。プリプログラムされたコースを飛んで、26発もの水爆を点々と投下して行くことになっていた。無人爆撃機だったのだ。

 SLAMは、試作機すらもこしらえられることはなかった。放射性の排気を撒き散らす超音速巡航機をテスト飛行させられるような余地は、北米上空にも無かったのだ。ショックウェーヴだけでも下界はえらいことになるはずだった。

 たった30分でロシアのどこにでも水爆を撃ち込めるICBMが完成したのに、このような無人爆撃機は無用だと上層部は判断した。

 次。
 David Grossman 記者による2019-8-16記事「Three Years Later, the French Solar Road Is a Total Flop」。
        『ルモンド』紙によると、2016にスタートした、道路そのものをソーラーパネルで舗装してみる実験は、「失敗」と結論された。

 このソーラーストリート、2016に「ワットウェイ」と名付けられていた。

 ノルマンディ地方の町が実験場だった。道路1kmあたり、2800枚のソーラーパネルを、タイルのように貼った。

 パネルはレジンで包まれていて、巨大トラックで踏みにじられても平気だというのが施工者の売り文句であった。

 まず最初の問題は道路騒音だった。このパネル舗装の上を車が走ると、大きな音がするのである。
 住民の苦情により、最高速度は70km/時、ところにより43km/時に制限された。

 しかもパネルとパネルの間のつなぎめから徐々に破壊が進んで、結局、パネルも剥がれるようになり、それが踏まれて砕け、さんざんな景況に……。

 仏政府は、米ドルにして550万ドルをこの実験に投じた。

 建設前の話では、この発電道路は5000戸分の消費電力に匹敵する電力を生み出すはずだったが、実績は、それに遠く及ばなかった。

 近くのカーン市のデータだと、年間で快晴の日は44日しかない。これがノルマンディ地方である。
 そして欧州は高緯度であるので日光は夏でも斜め横から来る。道路に貼り付けたパネルでは、それに正対させることができなかった。

 また、送電線路も耐候性でなく、嵐の襲来ですぐに破壊された。

 2018年には中共もソーラー道をつくってみた。1週間にして、パネルは盗まれてしまったという。

 次。
 Kristina Libby 記者による2019-8-13記事「This Bill Hader Deepfake Video Is Amazing. It's Also Terrifying for Our Future」。
        動画上の誰かの顔に、別人の顔をインポーズしてしまう技術は、イアン・グッドフェローが院生時代の2014年に完成した。
 GAN技術を用いることで、どんどん自然になった。

 現在、米国人の47%が、オンライン媒体によってニュースビデオを視聴している。そのニュースビデオが簡単に捏造加工されて拡散されるようになったら、アメリカの自由政体にとっては危険である。

 もしも著名な政治家がニュースフッテージの中で、暴力を扇動したりパニックを誘導する発言をしたら? もちろん捏造なのだが、たとえば外国政府が捏造された脅威を信じて、すばやく軍事的な反応をしてしまったら? 真相を察したときには、遅い。

 2020大統領選挙の期間中には、必ずこの手が使われる。今から対策が求められているのだ。

 ディープフェイクを見破れるというソフトも開発されてはいるのだが、作者たちは、またそれを超克する技術を洗練させる。ウィルスとアンチウィルスの進化のように、その競争には、果ては無い。

 ※こういう記事を読んだ後には、マーヴィン・ゲイの『Ain't nothing like the real thing』を聴きたくなる。特に若い二人に捧げたい。

快晴だ。

 ストラテジーペイジの2019-8-17記事。
   すでにイスラエル空軍、米海兵隊、米空軍、英空軍の4団体が、中東でF-35A/B型を実戦飛行させた。

 すべてのF-35パイロットが認識したこと。この飛行機の最大の利点はステルスではない。

 作戦飛行がとても楽にできること。そして、シチュエーショナル・アウェアネス把握の容易さ。なにしろ、じぶんがどこにいるのか、自機周辺で何が起きているかをマシンがパイロットに分かりやすく示してくれる。
 アドバンテージは、これに尽きるのだ。

 増槽と爆弾をやたらに吊下してステルス性を捨てた「ビースト」姿態でも、F-35の環境承知サポートソフトがパイロットを助け、卓絶したパフォーマンスを易々と可能にしてくれるのだ。

 これが各国のパイロット仲間に知れ渡ったからこそ、次々と、F-35を追加発注するお客さんも増えている次第だ。
 F-35パイロットの訓練教程に入った外国人は一様に、この飛行機を絶賛する。ステルスだからではなく、とにかく楽に戦争できるゴキゲンマシンだから。

 パイロットが意思決定するしかない問題というものが軍用機には最後まで残される。すなわち、ステルス性のマネジメントと、脅威のマネジメント。このふたつだけにパイロットが集中することを、F-35のマンマシンインターフェイスは可能にしてくれる。

 ステルス性のマネジメントとは、ひらたくいうと、敵レーダーに見つかりにくい飛行コース、高度、速度の選択である。敵レーダーがどこにあるのかは、マシンが教えてくれる。

 脅威のマネジメントとは、敵機のパイロットに気づかれることなく、敵機の後方や側面に占位してしまうための、最適の飛行コース、高度、速度の選択である。敵戦闘機は後ろ向きのレーダーを積んでいないので、必ず、このようなうまい機動の方法が、こちらにはある。

 F-35のシチュエーション・アウェアネス能力はF-22を凌ぐ。F-22よりもステルス性で劣る点は、これでカバーされてしまう。同等の技倆のパイロットが搭乗した場合、マシンに助けてもらえるF-35の方が、マシンに助けてもらえないF-22よりも、効率的に戦闘ができる。

 実戦になったら、F-35が常に空中で敵機を先に見つけ、先にAAMを発射することになるだろう。敵機の速力や機動力は、紙の上でしか意味がないだろう。

 過去、実戦で撃墜されたパイロットの8割以上が、その瞬間まで、自分が狙われていたことに気づいていなかった。
 これが現実なのである。

 米軍は、ドイツと日本の生き残りパイロットからの聞き取り調査で、この統計学的真実をいちはやく掴んだ。
 だから、どこの空軍でも、実戦飛行時間の短いパイロットがよく戦死し、老兵は死なずに生き残っていたのだ。新人たちは、後方や周囲の警戒が甘いのである。

 この、後方や周囲の警戒を、人間ではなく、マシンが「センサー・フュージョン」でやってやれというのが、F-35のコンセプトなのだ。

 1980年代から米軍は、E-3の得たデータを味方戦闘機にデータリンクによって与え、シチュエーション・アウェアネスを共有する試行を始めた。
 これをJTIDSと呼ぶが、これを実装した戦闘機は、これを実装していない同じ機種の戦闘機に対して、空戦訓練で、4対1のキル・レシオを示す。

 WWIいらい、空軍関係者には尽きない興味があった。なぜ全戦闘機パイロットの5%だけが「エース」となり、他の95%はダメなのか?
 さいきん仮説が立てられており、おそらく「エース」たちは脳の働きが違っていたのではないかと。ユニークな脳の使い方ができる者たちだったのではないかと。
 だが残念なことに、その仮説を証明することができない。今現役のエースはおらず、その脳をじっさいにモニターできないからだ。
 ※これが解明されれば、航空学生になる前から、否、小学生の段階から、将来の撃墜王の候補者を選定できるわけである。

 これまで分かっていることもある。WWIのエースたちは、とにかく「正確無比な狙撃者」であった。敵パイロットを正確に射殺している。無駄撃ちはしない。反面、機体操縦の腕前については、周辺からはむしろお粗末であると評価されていたということが。

 ※機体操縦が下手なのにタマがよく当たるということは、要するに敵に気付かれずに後ろを取っていたということ。なぜそれが可能になるのか。それはシチュエーション・アウェアネスの判断が他人よりも速くできたから。つまりセンサー・フュージョンする脳の構造もしくは機能に差があった。

 さらにWWII後の調査で、眼球の動静を調べれば、そいつがシチュエーション・アウェアネス/情況判断の速くできる奴かどうか、だいたい見当がつくことも分かってきた。

 シチュエーション・アウェアネスを早く把握できる奴が、名人と呼ばれる。これは、戦車でも歩兵でも艦長でも、サッカー選手でも、同じなのだ。

過去のKATUSAの名簿を外務省と防衛省は持っているだろうね? なければ米軍から取り寄せること。

 KATUSAは入営時点ですでにエリート大学2年生であるので、除隊後、復学して、そのまま留学コース、さらに帰国して大学教官とか外交部の官僚になるケースも多いだろう。これまでさんざん反日言説を垂れ流し、対外工作の尖兵を買って出ているのは、その連中だ。

 KATUSAなどという屈辱的な兵制をなぜ韓国政府が維持させているのかと考えると、このシステムから吐き出された人材が反日外交宣伝に大活躍してくれるというメリットが安定的に実感できているためだろう。

 支那事変当時、朝鮮人のトリリンガル通訳を、日本軍は頼りにせざるを得なかった。その弊害は甚大だった。朝鮮人は逆に味をしめた。朝鮮戦争後のKATUSAの確立も自然なのだ。

 米国ももう、同じ弊害を蒙っている。
 ロシアからS-400技術を受け取り続けている韓国軍が、どうして同時に米国からF-35を受領できるのか? 誰かが、それを米国に対してうまくごまかしている。その主体は「元KATUSA」だろう。

 外国から大掛りなごまかし工作を受けたくなければ、自軍の中に、外国語通を育成するのでなくてはならない。
 その反対に、KATUSAのように、外国人に、外国語通訳を頼むのは、楽な道だろうが、みずから騙されに行くようなもので、きわめて危険な道なのだ。
 これに米国国務省や国防総省が揃いも揃って気付けないのだとしたら、これからますます、困ったことが増えるだろう。

 次。
 Will Knight 記者による2019-8-16記事「The world’s top deepfake artist is wrestling with the monster he created」。
   キャリー・フィッシャーが『Roge One』〔よく知らないがスター・ウォーズの最新作のひとつ?〕の終盤に十代のプリンセス・レイアとして登場して観客を驚かせた。撮影時点でご当人は60歳に近かったのに……。

 この、ビデオ動画の上で人間の《顔だけを変えてしまう》ディープ・フェイク技術を開発した先導者がハオ・リ〔漢字にすると黎顥なのでシナ式に読めばリ・ハオ。台湾人の移民を両親として1981年に西ドイツで生まれた〕である。
 今日ではAIソフトが発達してくれたので、ラップトップPCのパワーがあれば、2人の人物のライブ動画を加工し、首から上だけ、たがいにさしかえてしまうことまでできる。

 リは頭髪はモホーク刈りにしており、常に黒Tと革ジャケットのいでたち。
 リは12歳のときに『ジュラシック・パーク』を観て、いまや、この世に存在しないものであろうと、何でもかんでも、動画上でクリエイトできるのだと悟った。

 リはチューリッヒの大学で博士号を取った。すでに手に負えない悪戯者だったという。

 南カリフォルニア大学にて、リは、『フュリアス7』の撮影途中で交通事故死した俳優ポール・ウォーカーを、残りのカットに死後出演させるための「顔トラック」技術を開発し、映画会社に提供した。

 ウォーカーの顔は生前に精密スキャンされてはいなかった〔つまりCGとしてゼロからクリエイトしにくい〕。そして、取り残しのカットは200以上もあった。非常にハードルは高い。
 けっきょく、ウォーカーの兄弟の胴体にウォーカーの顔をペーストしたのである。それは大成功だった。

 ライブで切り取った人の顔を別のパペットに貼り付ける技術は、リが、2009年に開発した。まだその頃にはディープフェイクの概念はない。

 いま、アイホンで「アニモジ」が使える。ウンコが語ったりするやつだ。この元の技術は、リがつくった「フェイスシフト」というソフトウェア。それを2015年にアップル社が買い取った。

 現在、リは「ピンスクリーン」というスタートアップを運営している。
 1枚の静止画像があれば、それをもとにして、3Dの動くアヴァターを創出できる。わずか数秒にして。そのようなアプリを開発した。

 たとえばスマホカメラがライブで撮像している自分の顔面画像をもとに、自分そっくりのアヴァターを作る。そのアヴァターに躍らせてみたり、変わった服装をさせてみる。それが第三者の目にどのように映るか、自分でまずチェックできるわけだ。

 ピンスクリーンはすでに有名衣料店に利用されている。来店前に、商品のヴァーチャル試着ができるシステムとして。

 また近い将来、これがヴァーチャルビデオ会議とかゲーム(たとえば「フォートナイト」というダンスのゲーム)に応用されることも間違いない。

 ※いやその前に、人気テレビドラマの登場人物の一人だけを自分の顔にしてしまう技、あるいは誰か任意な別の人の顔に変えて楽しむという視聴者側での馬鹿遊びが、自由にできるようになるではないか!

 ロシア企業が開発した「フェイスアップ」というアプリ。ワンクリックで、あなたの顔写真を激変させることができる。真面目顔を笑顔に変えたり。にきびを除去したり。年齢を若くしたり老けさせたり、ジェンダーを転換することも。何でもワンクリックで可能。

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 ストラテジーペイジの2019-8-16記事。
    平壌市内の官公署のビルはせいぜい5階建てだ。
 それを倍以上凌ぐ高層ビルが、官公署街を見下ろす位置に、建った。民間の富裕階級が出資したらしい。バルコニー付きで眺望は最高であった。

 だが窓から事務所を覘かれるのを嫌った労働党幹部たちは、このマンションのバルコニーをコンクリート壁で封鎖するように改築命令を出した。

 これによって分譲価値の6割は喪失したと考えられる。眺望も陽当たりもなくなったので。

終戦体験談でいちばん印象的なのは、相沢忠洋氏のもの。

 日本に旧石器時代なんてねえ と思われていた戦前、それを昭和24年に岩宿で発見した、非大卒の離散家庭出の労働青年。黒曜石の槍の穂の周囲から土器が出てこない。だから縄文以前だと結論した。日本の考古学会ぜんぶを出し抜いた快挙。
 本職は浅草の履物屋の小僧。しかし昭和19年5月に武山海兵団に入り、筑波航空隊を経て、年末に横須賀で『蔦』の擬装員になった。この擬装員時代の見聞もまた貴重。最後の整備が終わると、民間工員たちは、貴重な金槌やねじまわしを、艦に置いていった。兵隊以上に、艦の武運長久を願って。
 最後はマルロク=回天の搭載艦になっていた。原爆の雲も目撃。玉音放送は甲板に総員集合して聞いた。
 『蔦』は山口県で対空偽装接岸していたのだが、すぐに根拠地呉に集結命令。
 夕刻。呉港の周辺の山腹に、灯火管制をかなぐりすてた、電燈がまたたいていた。港内のすべての艦船からも、あかあかと灯が漏れていた。そして隣の大型潜水艦からは、帰郷上陸前の最後の酒宴らしい歌声が……。生きて帰れると分かったとたんに、艦長の新品の半長靴はじめ、衣類なども消えてしまう。ガメられたのだ。それから数日、主のいなくなった吊り床だけが、白い棒となって室の隅に立てかけられていた。これが18歳か19歳の体験。

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 MATTHEW M. BURKE 記者による2019-8-15記事「Intruder shot, security forces member stabbed during incident at Andersen Air Force Base on Guam」。
   アンダーセン基地で、DoD雇いの民間警備員が15日朝に刺された。グァム警察から逃げようとしていた侵入犯人の逮捕に協力しようとして。

 逃亡犯人は銃弾を浴び、民間病院に担ぎ込まれた。

 犯人は前日の水曜日の朝、警察から車で逃走していたのだが、基地の緊急バリアに激突。そこで車を捨てた。

 この騒ぎで基地は全ゲートが閉鎖され、敷地内に逃亡犯が潜んでいないか、捜索された。翌15日午前2時までに「オール・クリア」が宣言された。

 ところが15日の朝6時35分にその犯人が敷地内で発見されたため、再びメインゲートが閉じられた。

 この男を基地内で逮捕しようとする過程において犯人は攻撃的に反応し、民間雇い警備員を刺した。

 ※どうもグァム基地の空軍スポークスマンは、アプリヘンド=逮捕する の名詞がアプリヘンションだと思っているみたいだが、アプリへンションは「憂慮」である。正しくはアプリへンディングではないのか?

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 JOSEPH MARKS 記者による2019-8-14記事「Hackers just found serious vulnerabilities in F-15 fighter jet」。
    米空軍は民間から7人のハッカーを招き、2日にわたって、F-15の情報ダウンロードステーションTADS(飛行中のF-15から動画のデータを受信する)に敵が割り込める脆弱性があるかどうか、検分してもらった。その結果、脆弱性が発見された。有能な敵ならば、このステーションをシャットダウンさせられると判明した。

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 Richard E. Caroll 記者による2019-8-14記事「Lend-Lease and Chinese Containment」。
    米国は、加州北部にもやっているモスボール艦隊を、対支のアジア友邦諸国に「対支版レンドリース」として進呈するべきだ。それによって対支の「封じ込め」体制をつくるべきだ。

 たとえばインドネシアはナツナ諸島とその北部EEZを中共から防衛するために、『タラワ』級の軽空母(強襲揚陸艦)は必要としておらず、そのかわりLHA(ヘリ空母)を必要としている。
 ※「拡大しらね型」でいいんだよ。

 また、インドネシアのGDPは1兆ドルなので、『ペリー』級フリゲート艦隊を維持するのに不足はない。

 日本には中古『タラワ』級2隻と、それを護衛させるための中古『ペリー』級6隻を、改修整備して運用する資金力があるだろう。日本のFY2018GDPは4兆9000億ドルもあったのだから。

 露支両国と対峙する日本には、F-22も与えるべきである。輸出禁止措置は再考されるべきだ。
 ※ちょっと待てよ。ここまで中古装備のレンドリースの話をしていたのに、F-22はモスボール機じゃないだろう? 生産ラインもとっくに消滅しているし、米空軍の現役機であるF-22をタダで貸してやれとでも主張するのか? おまえはいったい何を言っているんだ?

 インドは国産空母艦隊を増強しようとしているが、そのペースは支那に負けている。このスピードギャップを埋めるため、「新レンドリース法」を活用して、中古空母『キティホーク』も『ジョンFケネディ』もインド海軍に引き渡すがよい。『タラワ』級強襲揚陸艦も加えていいだろう。
 護衛用には『ペリー』級を4隻、リースしてやってもいいだろう。

 インドの2018GDPは2兆7000億円である。
 米国は旧装備の改装費用を負担し、インドはその運用コストを負担するのだ。
 ※中古艦を現役復帰させる改修工事にいくら必要になるのかこの記者は調べてもいないのか? 大型ドックを1年も2年も占有して、要部を新品に取り替えねばならず、その間の工員の人件費だってぜんぶかかってくるんだぞ? 間違いなくトランプ大統領が一蹴する案件だろう。

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 NANCY MONTGOMERY 記者による2019-8-6記事「Army halts boat auctions, suspends plans for getting rid of maritime fleet」。
  写真によると、LCU2010というのが那覇にはあるらしい。

 国防予算法は7月に連邦下院を通過したが、そのさい下院は、陸軍の海上輸送部隊の処分に関する予算を否決。9月末まで保留。つまり来年度に持ち越し。

 先月、米政府は130隻ある古い陸軍の輸送艇の半分近くをオークションにかけるとネットで公示していたが、これはキャンセルされた。

 すくなくも18隻のLCUが競売されるところであった。

 ※この記事をストラテジーペイジで補うと以下の如し。

 米陸軍は6000トンのLSVをオークションで売り払うなどして陸軍舟艇輸送部隊を人員とともに大整理するつもりだったが、議会の利権屋が反対して、凍結されてしまった。

 『LSV-7』は2006年に2600万ドルで竣工した。
 第二次大戦中のLSTのような外見である。

 米陸軍は、18隻のLCUと、36隻のLCMも持っている。タグボート20隻、クレーンバージ×2隻も。

 ※韓国がなぜ英文反日宣伝工作が得意なのかというと、その秘密はKATUSAにある。男子の一流大学生が徴兵されると、大概、ここに志願する。志願できる条件は、すでにTOEIC780点以上を得ていること。すなわち、すでに語学エリートだ(昭和62年にオレが受けてみたときは755点だった)。その上に18ヶ月も「米兵」として生活するのだ。英語の達人にならない方がおかしい。卒業後、米国留学するのも簡単になる。そんな人材プールが何千人(かつては1万人以上)も毎年、強制的に養成されている。その中からほんのひとにぎりが、米英メディアに就職すればいい。そして米英メディアの内部で、反日記事を量産しまくればいいのだ。

都市に出没する羆に対しては「アイヌの附子矢」がいちばん有効。

 現行の、狩猟や銃刀や警察官職務執行や鳥獣保護関係の諸法令は、羆[ひぐま]クラスの害獣が住宅地内を跳梁する事態を想定していなかった。
 だから北海道各地で困ったことになっており、法律の改正を急がねばならないのだが、その法益の金額も、また受益者人数も、たいして多くもないために、そんな仕事に汗を流してくれる政治家も官僚も、まずいないだろうね。
 「アイヌの附子矢」はトリカブト毒を骨鏃の溝に塗りこめ、弱い丸木弓で射るもので、命中後、3分ぐらいで羆はシビレ始め、やがて動けなくなり、そのまま10分放置していれば、死ぬ。必ず胴体を狙うのが鉄則という。
 即効性の猛毒ではないというところがポイントだ。すなわち、カエシ(逆トゲ)のついていない鏃を用いれば、万々が一、無関係な人や家畜に刺さってしまったときも、ただちに万全の治療ができる。弓も非力なものなので、「跳弾/流れ弾」が人家の外壁を貫通するといった心配はほぼ無い。また毒は、もし野外に飛び散ったとしても、時間とともに自然に効力がなくなってしまう。
 北海道の政令で、特例的にこれを使えるようにできるのではないだろうか?

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 Bill Gertz 記者による2019-8-14記事「Russian Nuclear Accident Highlights New Cruise Missile」。
     ロシアの吹かし情報。リアクターで数千度にした空気を噴出するのだと。

 『ワシントンフリービーコン』によると2018-4に2回テストしてどちらも失敗。

 『ザ・ディプロマット』の2月の報によれば、スカイフォールは2019-1月29日にもテストされて部分的に成功した。それは13回目のテストであったと。

 ロシアのニュースによると、ネノクサ村の住民は、当局から、放射能除染作業が終わるまで、村を離れろとアドバイスされた、と。
 このエバキュエーション命令は、しかしその後、撤回された。

 米国は1950年代に核動力のスクラムジェットエンジンをミサイル用として企画しているが1960年代に諦めた。

 スカイフォール/9M730 を開発している企業は 「OKB ノヴァトール」社だという。

 『ワシントンポスト』によると、開発主体は「ロシア連邦原子力センター」であると。

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 Robbin Laird 記者による2019-8-12記事「Reshaping Perimeter Defense: A New Pacific Island Strategy」。
         マーク・エスパーは、中距離射程の通常弾頭のミサイルを、太平洋地域に、数ヶ月以内に配備したいと述べた。

 海兵隊の新型重輸送ヘリのCH-53Kは、機内に3万ポンド、スリングだと3万6000ポンドを離島へ運べる。
 K型は空中受油プローブを持っているので、距離は問わない。

 米陸軍のTHAADの発射車両は、全装填状態で40トンである。それは8万8184ポンドであり、米式のショートトンで表すと44トンである。
 空荷だと6万6000ポンドである。

 MV-22は、完全武装の海兵隊員24名を乗せたときのレンジが約700マイル〔海里換算で1250km、陸マイル換算で1126km〕である。

 K型の諸元。武装兵なら30人分の座席。担架なら24床。
 空中受油なしだと4時間滞空できる。そして406海里〔752km〕飛べる。
 増槽を1個、機内に積むと、550海里飛べる。
 実戦では、艦を発して片道110海里の洋上を飛び、敵地陸上に至り、そしてまた洋上110海里を艦まで戻る……といったところが、常識的な運用となる。

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 CNNの記事。
    中央アフリカにはロシアの傭兵部隊が堂々と入って政府軍に稽古をつけてやっている。ラジオではロシア語講座。
 ワグナー社というロシアの傭兵派遣会社に所属する者たちだ。

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 Simon Lester & Huan Zhu 記者による記事「Closing Pandora’s Box: The Growing Abuse of the National Security Rationale for Restricting Trade」。
 いかなる国際貿易合意も、諸国家が国家安全保障のために貿易を制限することを邪魔することはできない、とGATTが宣言している。

 米国の場合、これは1962年の国内法たる「貿易拡大法」によって、補強されている。
 ※文左衛門は日本と戦争して勝ちたいのかというとそうじゃないんだ。みんな、ここがわかっていない。文左衛門は「対日戦争」の状態を惹き起こすことによって、在韓米軍を麻痺させ、戒厳令特権を手に入れ、兵務庁の徴兵権を操ることで、韓国財閥と韓国陸軍をぶっ壊し、続いて米軍を半島から追い出し、北の三代目以上の英雄になるつもりなんだ。なんで自国の陸軍が敵かというと、そこには大統領室の直接統制が効かぬ。米国は「戦後の韓国は戦前の日本」だと見抜いていて、韓国陸軍を徹底的にがんじがらめにしてきた。まあ詳しくは月末の某別冊記事でも読んでくれれば、納得できるだろう。しかし特戦司(大使館に対するなりすましテロもやってくれる)やミサイル・コマンド(日本の全原発を射程1500kmの巡航ミサイルで攻撃可能)や海兵隊や空軍の高射部隊(S-400の技術をロシアからもらい続け、いまやF-35情報をロシアに流せる立場なのに、トルコと違って米国からの制裁をなぜかまぬがれている)は、大統領が事前の共同謀議で勝手に動かしやすいんだ。竹島海域で演習すればそこには米軍の「御目付け役」もついて行くのを遠慮するしかないので、韓国海軍と海兵隊は好きなことができる。逆倭寇が始まる。それを2020東京五輪前の、海保警備が裏日本で手薄くなる時期に始めればいい。日韓戦争状態となれば日本は東京大会を返上するしかなくなる。文左衛門はそれだけでも半島でヒーローだ。徴兵権は、自分に従わない陸軍将官の部隊(師団・旅団・連隊)の充員をさまたげ、それどころか(選別的に新兵の徴兵年季を短縮してやることにより)解隊を強制し、自分に従う若手将校の隊だけを大増強して、親衛隊に仕立てることを可能にする。その親衛隊が、空弾倉のライフルだけ担いだ北鮮の乞食陸軍を38度線から招き入れ、いっしょになって米軍基地をひしひしと包囲する。ここにおいて米軍も、もはやおん出て行くしかない。文左衛門主導で、高麗人民民主主義共和国連邦の樹立が宣言される。北鮮には核爆発装置はあっても、通常弾薬も糧食も燃料ももはやない。文左衛門親衛隊(武装SS)が半島を統一できるだろう。いったん戒厳令が敷かれたあとは、赤紙召集で予備役を選別的にイヤガラセ徴兵できるので、国内で逆らう者は誰もいなくなる。それでも逆らう者は、軍法会議で銃殺か、街頭大衆リンチにかけるのみ。同時に中共には済州島の軍事基地租借を許し、ロシアには釜山港の99年間租借を認める。これで露支にも文句は無く、いろいろ援助もしてくれる。日本は半島とはすっかり縁が切れる。めでたしめでたしだ。