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お知らせと更新情報


兵頭 二十八

近未来に必要な小銃とは……。

 ストラテジーペイジの2018-8-13記事。
   これから4万梃以上のソコム用のM4カービンの主要部を、SIG社製に総とっかえし、随意に消音できる火器に変える。
 バレルにサプレッサーがデフォルトで付く。サプレッサー内の隔襞は19枚。
 ガス取り出し量規整子は、2段階を選べる。すなわち、通常弾用と、亜音速特殊弾用。

 夜襲の近接戦闘では、亜音速弾を選ぶ。サプレッサーを飛び出した後も、飛翔する弾丸は、衝撃波を発生させない。これによって高いサイレンス効果が得られる。夜間の突入チームは、敵が状況をまったく把握できないうちに勝利できる。

 じつはこの亜音速弾、米国で害獣猟用に市販されているものだ。農民が、畑を荒らす野豚を駆除するのに役立っているのだ。5.56ミリながら、距離100mまでなら、弾道も安定している。

 豚は頭が良いので、1匹が撃ち殺されると、全集団がその音から危険を察知して遁走してしまう。

 しかし亜音速の5.56ミリ弾をサプレッサー付きの銃から発射すれば、50m以遠であれば銃特有のノイズをほとんど他のブタに聴かれずに済むので、群ぜんたいに気取られる前に、4頭から5頭は仕留めてやることができるという。
 ※おそらく夜間に暗視スコープで狩るのだろう。日本でも法令を改正してヒグマ等排除用に夜間の市街地での発砲を許可せねばならない段階に来ている。まずはパトカー内からの同乗射撃が全面解禁されるべきだろう。

 このたびのSIG社製のレシーバーはガスピストン式。ストーナー式の直接ガスぶちまけ型でないから、レシーバー内がカーボンで汚れることもない。
 イラクやアフガンのような土埃まみれの土地では、ストーナー式は最悪であった。
 4万梃の更新が完了するのは2023年であろう。

 ※チェチェンの都市ゲリラは .22のロングライフル拳銃弾を、ペットボトルをサイレンサー用にかぶせた射的銃から単射して、ロシア兵の顔面を狙って成果をあげていた。市街での対テロ作戦が主流になれば、ますます消音銃や暗視照準器の需要が高まることだけは確実だ。

みなさん、正式発売は今週からです。

  Laura Yan 記者による2018-8-12記事「This AI-Powered Robot Can Find Waldo Instantly」。
    〈ウォーリーを探せ〉のウォーリーは、米国では「ウォルドー」のようであるが、このたびレッドペッパー社は、AIを組み込んだゴムの手が、4.45秒にして絵本の見開き2ページの群像の中からウォルドー君を判別できることをデモンストレートした。

 じつはグーグル社が「オートML ヴィジョン」というAIソフトを売っている。写真を読み込ませて学習させることのできるAIだ。レッドペッパー社は、このソフトを用いた。

 このソフトのユーザーには、プログラミングやコーディングの予備知識などは一切要求されない。画面上でマウスを操作するのみ。
 これからAIがどんなイメージを探してピックアップすればよいのか、マウスだけで、AIに教え込ませることが可能。

 まず、レッドペッパー社の技師、マット・リード君は、グーグルの画像サーチによって、62タイプのウォルドーの面相、およひ、45タイプのウォルドー着装の全身衣装を見つけ出し、それらのイメージを、「オートML ヴィジョン」に片端から読み込ませた。

 リード君はあまり期待をしていなかったが、たったこれだけの「教え込み」だけで、マシーンは驚くべきパフォーマンスを発揮した。

 人の面相認識をさせるためには「ヴィジョン・カメラ・キット」と「オープンCV」というものが要るらしい。
 カメラが撮像したイメージは「AutoML」に送られる。AIは95%の確率で、ウォルドーを指摘する。

 リード君の野望。このAIシステムは、「君にいちばん似ているマンガのキャラは何?」という質問にも答えてくれるだろう。

 また、コミック作品の贋作を暴いてくれるかもしれない。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-12記事。
    ドイツ海軍が6隻保有する『タイプ212』潜水艦が、2017末に、とうとう1隻も出動できない状態になったことは、既に報じられている。

 稼動していた最後の1隻は12月19日にノルウェー沖の海底岩に舵をぶつけて壊してしまったのである。
 残る5隻は、修理中であるか、修船ドックの空き待ち。
 『212』級は高性能で省力的なのだが、スペアパーツ代が高くつく。その金を、ドイツ政府はケチっているようだ。

 冷戦終了後、独海軍は、海戦よりもむしろ平和維持活動に使いよい艦艇を発注して建造させるようになった。
 そして近年では、軍艦のメンテナンスが予算的に優先されなくなっている。戦車や戦闘機と同様に。

 ドイツ海軍がこのようにサボっているということは、バルト海と北海でロシア海軍が強くなってしまうことを意味する。貧乏所帯の露軍を封じ込めることはドイツにならば簡単なのに、現状ではロシア海軍の跳梁をドイツがゆるしているも同然。全北欧諸国が、これに迷惑を感じている。

 それどころかASWに関してはドイツはいまや他のNATO諸国やスウェーデン、フィンランドの努力にタダ乗りをしている。ドイツ商船のシーレーンを、他国が護ってやっている状態なのだ。

 『212』型は、燃料電池使用のAIPだが、浮航時にはディーゼルも使って充電ができる。
 古い『209』型をリプレイスした。

 『212』型は1隻5億ドルと高額である。それでもSSNの三分の一だが。
 クルーも27名だから、人件費は格安だ。

 潜水艦の公試運転の報告は、他国のものでも信じていい。というのはもし嘘の報告をすれば、命の懸かっている乗員が怒ってリークする。

 ※関係ないのだが、豪州に日本の潜水艦を「完成品」として買わせる方法は簡単だった。「買ってくれるなら、御国の畜産品、酪農品の輸入関税と数量規制をゼロにしますよ。ついでにニュージーランドの分もね」と持ち掛けるだけで、即決しただろう(NJ政府が全力で側面援護射撃をしてくれる)。潜水艦の豪州国内工場での製造で雇用される豪州人有権者の人数(票)と、畜産品輸出で懐が潤う豪州人有権者の人数(票)とでは、比較にならない。いったい、そうすることでわれわれ日本人にどんなデメリットがあったのだ? 畜産や酪農は、人にも動物にも決してやさしくはない。その「悪」を他国がよろこんで肩代わりしてくれようというのだ。そのおかげで日本の消費者は、信じられないほど安価に畜肉と乳製品を消費できるようになる。貧乏人が貧乏を少しも感じないで済むようになるのだ。しかもこれは日本の食糧安保構造もいささかも悪くさせることはない。これによって幸せになる人の数は、困る人の数千倍に達するだろう。中共だけが面白くなく、他の国はすべて安全が増す。最大多数の最大幸福を実現できるのが、大政治家だろう。

昨日、書泉グランデで『日本転覆テロの怖すぎる手口』を見つけた人は幸運です。

 なにしろ今回は五冊きりしかございませんでしたのでな……。

 次。
 Dave Majumdar 記者による2018-8-11記事「Russia's Next Fighter Might Have a New Way to Shoot Down F-22s and F-35s」。
   フォトニックレーダー(光動作レーダー)とは何か。
 これを最初に試作したのはイタリアの大学研究事業団で、2014年のことだった。米国、中共、ロシアはこの新技術の軍隊での実用化に躍起になっている。

 変わるのは回路である。電気信号の代りに、レーザー光の信号が、回路を流れる。
 光学フィルターと、光学ダイオードが介在する。
 こうすることで、非常な広帯域(高いほうは数十メガヘルツから数百ギガヘルツに達するポテンシャルあり)の中から任意の電波信号を、極く精密に、楽々と作り出してやることができる。
 低周波から超高周波までミックスできるから、ステルス機の存在を曝き出すこともできる。もちろん、回収信号をうまく処理する必要がある。都合のよいことに、光回路は電気回路よりも、処理スピードが高い。また、信号に含まれるノイズが少ない。よって遠距離探知が可能。

 ※さっそく貧乏人のロシアは宣伝を始めた。これは、実物の完成にはほど遠いことを意味する。遥かに先行しているのは米GEである。

 ロシア国営TASS通信の宣伝ニュースによれば、ロシア企業のRTIグループが、このレーダーに挑んでいる。送出される波長はXバンドである。
 この技術が洗練されると、従来よりも遠距離において、対象機の姿を三次元画像として把握することすらできる。高解像度なので。

 モックアップは年内にできる。
 セベラル年後には、小型無人機向きの、超軽量で超小型のレーダーのプロトタイプが完成するであろう、とメーカーは吹かしている。

 中共も、この新技術の情報収集にぬかりはない。すでに専任の研究チームがある。

 そもそもイタリアは、港湾監視用のレーダーに光回路方式を考えたようだ。
 いまの船舶レーダーや、航空管制用のレーダーは、1ギガヘルツから12ギガヘルツの波帯を使っている。もっと高周波にすれば、解像度も上がる。巨大な貨物船が入港するよりもはるか前からその形状を認知できる。小さな舟艇を見逃すこともなくなる。
 ※北アフリカ海岸から小船で密入国を狙うヒューマントラフィッカーへの対策として、洋上監視レーダーの高性能化が必要なのか。ところでカルタゴはどうしてローマに敗れたのか? 地中海の海面レベルでは北風が卓越していて、逆に南風は劣勢である。だから動力船が無かった古代、ヨーロッパ海軍がアフリカの海軍におくれをとる道理は無かったのだ。しかし歴史家でここを解説してくれている人が、いないように見える。欧州人にとっては、それはあまりにもあたりまえだから?

敵の姿が視認できないから、ムダ弾が射耗される。

 ストラテジーペイジの2018-8-10記事。
   中共の民間人事業家がブラックウォーターをモデルにした傭兵警固会社の設立に動いている。もとシールズで、1997に黒水會を立ち上げたエリック・プリンスが招聘されている模様だ。プリンス自身はブラックウォーターの個人所有株を売り払って引退の身。

 じつはブラックウォーターをいちばん重宝して使っているのは外国人ではない。国務省とCIAである。傭兵嫌いのバイアスのかかった欧米マスコミはそこを報じないが、支那人は黒水會のメリットと必要を中立的に見抜いていた。
 プリンスを顧問とすれば、支那版黒水會がうさんくさい反米の工作機関でないことが米政府には筒抜けになる。これも、事業家が狙っているところ。

 新興中共富豪たちが海外のビジネス拠点に出張するとき、身代金目当てに誘拐されたりする危険が増している。彼らはブラックウォーターもしくはそれと同等の護衛組織を雇いたいと、5年前から感じていた。

 治安の悪い地域で米企業がブラックウォーターによってとてもしっかりと安全に守られている様子を、同じ地域に進出している中共企業が、目撃して感銘を受けていたのだ。
 ブラックウォーターの仕事ぶりはとても用意周到で、モデルも完成されている。

 なにしろアフリカやパキスタンの地元の警備機関などでは、シナ人の安全にとって何の役にも立ちはしないと、彼らは切実に痛感させられている。

 中共国内では官僚が何かと邪魔するが、海外でプリンスと組めば速やかにブラックウォーターの支那版コピー企業を育成できる。これは民間事業として政府と無関係に進めねばならない。

 ※「できるシナ人」は、「政府の無い世界」に親近である。日本の左翼より、よっぽどね。

 次。
 CHAD GARLAND 記者による2018-8-10記事「Army’s XM25 program officially goes kaput」。
   米陸軍は、25ミリ擲弾を空中炸裂させる肩射ち式半自動火器「XM25」の開発を投了すると正式に公表した。外野の某試算では、これによって23億ドルもの無駄な予算が使われないで済むという。

 開発受託メーカーはオービタルATK社だが、長年の陸軍との共同開発であったがゆえに、この場合、陸軍の持分であるところの知的財産の扱いが問題となる。その交渉を、陸軍はメーカーとずっと続けてきた。去年の前半から。

 試作品は2010年から2013年にかけてアフガニスタンに持ち込まれてテストされた。しかるに兵隊3人が自爆事故で負傷するという結果におわった。

 あるレンジャー部隊も、この試作兵器を本番の突入作戦に持っていくことをハッキリと拒絶したそうだ。

 最大の短所は、弾倉がやたらと重いくせにたったの36発にすぎず、実戦ではあっというまに空になってしまってシステム全部が役に立たなくなること。これは解決不能な問題なので、外野の専門家たちは2016年に早々と、開発中止を勧告していた。

 ※敵がどこにいるのか、それがアフガンではわからないから、遠間からやたらめったら探り射ちや脅かし射ちをすることになる。敵の位置がしっかりと判明すれば、火器がいくら安物の狙撃銃でも、問題は1発で解決する。だから、火器よりもまず、超小型の偵察ドローンを分隊や個人に持たせる方が優先されるべきなのだ。その次は歩兵銃付属の電子照準器の高性能化に資金を突っ込むことが有益だ。兵隊の命がかかっている歩兵銃サイトが、市販の趣味用の一眼レフ・カメラよりも高倍率ズームのキレが悪いなんてことが、ゆるされて可いわけがあろうか?

 次。
 Greg Torode および Brenda Goh 記者による2018-8-9記事「China's state firms cementing lucrative role in South China Sea, new research shows」。
   フィアリークロス礁にはすでに3000m滑走路×1と兵舎、ミサイル陣地とレーダーが据えられている。工事費用は11億ドルかかったと見積もられる。
 現在南シナ海にて7箇所の砂盛島の工事が進んでいるところだ。

「中性子戦争」時代が来るのか?

 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2018-8-8記事「Detect Nukes In Flight With Electron Beam Technology」。
   アラバマ州のハンツヴィル市で、宇宙とミサイル防衛のシンポジウムが開かれた。
 シンポジウムの主催者はデイヴィッド・マン退役陸軍大将。彼は2016まで宇宙&ミサイル防衛コマンドの司令長官であった。

 物理学者ウィリアム・デントが、中性子発生装置が諸問題を解決するとプレゼンした。
 デントは若い陸軍将校だったとき「セーフガード」ABMシステム(小型核弾頭の空中炸裂による放射線によってソ連のRVを迎撃しようというもの)に関与した。レーガン時代にはSDIに関わった。

 デントは目下、陸軍のために、IEDをはるか手前から発見する技法を研究している。

 米陸軍はすでに中性子放射による地雷探知装置を使っている。中性子は低密度の土壁などは透過するが、高密度の爆弾に衝突すれば、その爆弾材料を放射性に変える。したがってIEDからガンマ線が輻射されるようになるので、センサーで探知ができるという次第。
 ※これは初耳。しかし硝酸アンモニウム爆薬は高密度ではないし、放射性に変わるとは聞いたことがない。容器にドラム缶が使われていればそれはスチールだろうから、放射性化するだろう。しかしプラスチックの容器が使われていたなら? 逆に、舗装のアスファルトや、地中の大きな自然石も、中性子を浴びることでことごとく放射性を帯びてしまうのでは? どうも額面通りに受け取れない。そしてもっと初歩的な疑問。アフガニスタンやイラクで道を歩いている住民や軍属は、知らないうちに米軍車両から中性子線を浴びせられてしまうのか? 装置の操作員や車両のドライバーだって被曝しているはずだし、なんでそれが大問題にならない???

 この現行の中性子式地雷探知機は、対象物が小さくて深いと1m先までしか有効ではないが、浅く埋められた大きな爆弾なら20m以上先から探知ができるという。

 課題は、現行品は、中性子放射が非指向性であること。四方八方に中性子が飛び出す。ゆえに対象物までの距離の2乗に反比例して中性子密度が減少してしまう。

 ところがデントは、帯電しない粒子であるためにレーザーのように指向性は与え難かった中性子を、このたびビーム化することに成功したという。
 ※それが本当ならば、一大技術革命。ノーベル賞にも相当近い。

 この中性子ビームを使えば、キロメーター単位で、探知が可能になるという。
 中性子のスピードは、光の14%である。時速にすると、1億7400万km強。

 中性子ジェネレーターと、照準指向システム、給電装置など一式で、14トン以下の総重量にまとめられる、とデントは言っている。

 これは何を意味するか。とりあえずは車載システムとして地雷探知に使えるわけだが、14トンなら、大型輸送機や、大型人工衛星に搭載することも、不可能ではない。
 そこからは、SDI復活の道も開けるだろう。
  ※トランプは早くからこの報告を受けていたので「宇宙軍」創設に大乗り気なのか?

 敵が発射した弾道核ミサイルの再突入体(RV)の外殻金属、さらにその中味のプルトニウムやウラニウムはかなり密度が高い材料だから、ビームとして飛来した中性子を捕獲して、みずから顕著なガンマ線を輻射するようになるだろう。

 したがってレーダーと中性子ビームを同時に照射してやれば、リアルのRVはガンマ線を輻射し始めるが、メッキされた風船に他ならないデコイは観測可能なガンマ線を輻射しないので、簡単確実に見分けることが可能になる。

 ※この話には盲点がある。たしかにポリバルーン製デコイの時代はこれで終わった。しかし劣化ウラン殻に通常炸薬やダーティボム素材を封入したRVは、どうやって真弾頭と識別できる? ガンマ線の輻射がちょっと弱いというだけでは、それが非核である保証とはならないのだ。つまり「軽い水爆弾頭」と「重い非核弾頭」を、この方式では識別できない。軽量のダーティボムRVならば、やすやすと見逃されかねない。

 高エネルギーの中性子ビームは、シリコンやガリウムにとって有害である。したがってRV内の起爆回路を、ビーム照射だけで破壊できるかもしれない。
 ※この場合も、信管がなくともキッチリと機能を果たすダーティボムRVに対しては、効果がない。

 マイクロ波ビームも、敵RV内チップを破壊できるポテンシャルを有するが、射程は中性子ビームより短い。

 中性子は重く、電荷も帯びず、磁石に影響されず、簡単に励起されて飛び出したりしないが、いったん動きが与えられると、ほとんど止める方法がない。いわば、指穴のないボーリングボールのようなもの。

 デントはいかにして中性子に指向性を与えることができたか。
 まず、中性子は原子から分離できる。粒子加速器を使って、重水素と3重水素を核融合させると、中性子が飛び出す。

 中性子は電磁場に不感症なのだけれども、電子が飛び出すかくっつくかして荷電された原子の方は、電磁的に操縦できる。だから、中性子の親の方を操縦してやればいいのだ。

 質量保存の法則があるので、親原子核のスピンによって、そこから飛び出した中性子のスピンも従わせることができる。

 さいしょに原子を一列に整列させてしまえばいい。そしてその全原子を同じ方向にスピンさせる。さすれば、そこから飛び出してくる中性子の方向は、予測可能になる。

 SDI時代に構想された電荷粒子ビーム砲は、照準こそ楽なのだが、地球の磁力に影響され、大気とも摩擦があるため、粒子がどんどん減速してしまうのだった。それを克服するためには、馬鹿みたいなエネルギー源が必要だった。

 これに比して中性子ビームは、高性能炸薬よりも低密度の物料(たとえば大気)によっては捕えられず、地磁気からも影響されないで直進を続ける。したがって、遠達させるためにエネルギー源を巨大化する必要はない。

 ちなみに、ICBMの核弾頭は、爆発するまでは、バナナと同じくらいのガンマ線しか外に出していない。ゆえにパッシヴ方式で遠くから探知する方法は、なかったのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-9記事。
   シリアで露軍が学んだこと。
 最新型の対戦車ミサイルでも、走行中の車両にヒットさせることは、容易ではない。

 露軍の戦車隊の最近の戦技。「車懸りの陣」。10両の戦車〔つまり中隊か〕が、回転木馬のように円を描いて廻る。そして、敵方から見て、円周の横端に位置した戦車が、敵に発砲する。

 なんでそんなことをするのかというと、全周に対して敵ATM陣地を警戒するためだ。

 このあたりにはもうATMの脅威は無い、とみきわめられた時点で、はじめて、全戦車が、正面の目標(敵車両や歩兵陣地)に集中して交戦する。それまでは、ひたすら側方や後方のATM警戒に精力を割くべきなのだ。

 もし中隊の1両が敵ATMによって擱坐させられたら、全中隊はその1両を円陣の中に取り込んで守る。

 シリア軍に供与されている戦車は、行進間射撃をしても当たらない三流品なので、ゲリラの特攻車両に対して、特別な防禦陣を採用している。

 すなわち土を盛って防弾堤を築城し、その壁の後ろ側に戦車を隠す。ただし戦車砲による反撃ができる「狭間」の切り欠きは設けてある。

 もちろん発砲したらすぐ、その「窓」から離れる。
 ゲリラは、ATMと自爆トラックを併用するようになっている。
 築城だけが、それを無力化できる。

ベネズエラのSPは対ドローン妨害法を知っていた。

 Josh Abbey 記者による2018-8-8記事「Sea Mines in Amphibious Operations」。
      これから流行る機雷。アクティヴ機雷。移動式機雷。スウォーミング機雷。
 機雷輸出国は現在すでに20ヵ国ある。

 ノルマンディ上陸作戦時、制海権があったにもかかわらず連合軍艦船は43隻も敵機雷によって撃沈破されている。

 朝鮮戦争当時、北鮮は、元山港の前に3週間で3000個の磁気機雷を敷設した。
 国連軍はその3000個のうち224個を除去して、上陸用の水路を啓開した。しかしその啓開のため上陸日は5日遅れた。また、4隻が機雷で沈められ、それによる死傷者は200人を超えた。

 元山沖の3000個の機雷原は、国連軍の上陸は阻止できなかったが、残った2700個が国連軍艦船の進入できる海面をその後も局限し続けたため、ビーチヘッドへの補給活動は停滞し、かつまた、艦砲射撃が届く敵陣の範囲も狭められてしまっている。

 機雷のメリットは広範にわたる。ある海面を真剣に掃海し始めたら、その次に何をしたがっているのか、敵にこちらの作戦企図がバレてしまう。

 陽攻をしかけようとすればかなりの掃海部隊を別な海面へ派遣するしかなく、そんなことはとうてい無理なので、敵はやすやすと必要な防衛正面を正確に予測して、そこの海岸の守りだけに集中することができるのだ。

 機雷が、築城や内線機動や部隊撤収のための時間を稼いでくれるのは、防者にとっての大メリットだ。

 これらの機雷は小型でボロボロの漁船によって仕掛けられた。
 巡洋艦『プリンストン』が機雷にやられたのは1991-2-18のこと。他に『トリポリ』も触雷した。

 湾岸戦争でイラクは、1600個の機雷を、アルファウ半島からサウジ国境にかけて敷設した。

 イラクが仕掛けた機雷を掃海するのには4~6日必要だった。作業を開始すれば上陸作戦の予告となるから、これは戦術的にはたいへんな余裕を敵軍に与えてしまう。もし24時間でその掃海を完了させたくば、米海軍が保有する全掃海艇の2倍数の掃海艇が必要だった。

 米海兵隊は、クウェート海岸への敵前上陸作戦を実行すれば、イラクの機雷のせいで3000人から5000人が死傷すると見積もった。
 ※これが事実なら海兵隊はほんとうに要らない。ヘリコプターで陸軍歩兵を輸送した方がよっぽどスピード決着する。

 WWII後、米艦船15隻が触雷している。うち、掃海艦は4隻のみ。

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 Kathy Gilsinan 記者による2018-8-7記事「America Is Not Ready for Exploding Drones」。
   ヴェネズエラの大統領の隣に並んでいたのは、女房と高官たち。

 自爆コプター(じばこぷたあ)は、空中で炸裂したらしい。複数機。

 国家元首を狙った自爆ドローンによるテロとしては、これが世界史初である。

 ISがモスルでドローンを偵察用に飛ばしていると報告されたのが2014夏のことだった。

 2016秋には、イラク北部で、撃墜したISの爆装ドローンを点検していたクルド兵2名が、炸薬の爆発によって死亡した。

 メキシコの麻薬カルテルが、爆発しないようにした手榴弾をドローンに結び付けて地方警察署長の私邸に墜落させ、脅迫した事例もあり。

 2017夏には、ウクライナの弾薬集積所に、爆装ドローンが突入して、(カイル・ミゾカミ記者によれば)数十億ドルの損失が生じたと。

 ヴェネズエラの内務大臣いわく、このたびの2機のドローンは、2ポンドのプラスチック爆弾を抱えていた、と。
 比較すると、米軍の固定翼無人機リーパーは、500ポンド爆弾複数を抱えた状態でほぼ1日滞空できる。

 ヴェネズエラのジバコプターは殺傷力よりも群集パニック喚起力があることを、示した。

 米国カリフォルニア州では、1機の民間ドローンが電線を切ったために2017夏に停電が起き、1000人に迷惑をかけたと。

 また2017-11に、加州でひとりの男がフットボールスタジアム上にドローンで政治ビラを撒いた。もちろん群集上を飛行させることは違法であった。

 NFLの幹部いわく。民間ドローンの厄介なのは、それを操っているのが真正の極悪テロリストなのか、もしくはただの趣味人なのか、判別つけ難いことである、と。

 法令では、ドローンは登録されねばならず、ナンバープレートのようなものも義務付けられている。しかし、それを飛行中に地上から識別することなど不可能である。

 ヴェネズエラの警備当局はあきらかに、ドローンに対して電波ジャミングを試みた。

 しかし米国内法では、違法ドローンを撃墜することが合法ではない。

すでにアマゾンで『日本転覆テロの怖すぎる手口』を注文可能ですぜっ!

 ぜんぜん関係ないのですがわが国では大学の医学部の偏差値が年々高くなる一方なのだという。

 そしてその説明としては、〈親たちが頭のよい息子に、倒産リスク等のない安全なエリート人生を送らせてやりたいと願っているから〉――なのだという。

 オイ、そんなの嘘に極まってるだろ?

 親たちが後期高齢期に達したときに、随時に息子に医療相談をしたり、安価に息子の手による施療をしてもらいたい――と願っているだけじゃろう。
 完全に親の都合ですよ。

 医業の世界も、パワハラ、巻き込まれ型スキャンダル、自業自得スキャンダル、学部長や病院長といった枢要ポストが得られぬ憾み……それこそなんでもアリのはず。
 さすがに失職して路頭には迷わんだろうけれども、カネや事業継承の心配は終生つきまとうだろう。激務からのがれられなくなるコースにはまる率も小さくはない。誰がそれを安楽と言うのか。

 しかし、親はとても安心する。これが最大の功利だ。というか、唯一の功利だ。
 教育勅語が消滅してくれたと思ったら、自然に、『孝経』が復活した。

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 John Watts および Christian Trotti 記者による2018-8-6記事「Stealthier Tanks Are On The Way」。
    グラフェンでシートを造ると、戦車が輻射する赤外線を大幅に抑制できるという。

 さらに動力を内燃機関ではなく電池とすれば、熱線輻射そのものも低減する。

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 ストラテジーペイジの2018-8-7記事。
    7月20日の事件。ハマスはイランから供給されたAM-50という12.7ミリ口径の狙撃銃を使って、国境フェンスの向こう側のイスラエル兵を射殺した。

 ガザ地区には2013年後半から、シュタイヤー=マンリッヒャー社製の「HS50」という12.7mmの狙撃銃が持ち込まれていた。しかしそれがイスラエル兵に向けて発射されたことはこれまでなかった。

 イランは2006年に、オーストリーから800梃の「HS50」を輸入していた。
 発注されたのは2004年であった。

 イランは、その武器を、アフガニスタンやパキスタン国境で麻薬密輸を阻止する警備のために使うのだと説明していた。だから武器禁輸されていたイランなのに、買うことができた。

 しかし2007年には、イランからこの「HS50」を供与されたゲリラが複数の米兵を射殺した。

 「HS50」は単発銃だ。弾倉は無い。1発づつ、指で薬室にこめる。銃は重さが12.4kgもある。全長137センチ、銃身長は833ミリである。
 狙えるレンジは1500m。

 これをイランは2013年までにコピーして「AM50」と命名している。
 AM50はバレルが長く、933ミリある。全長も148センチと長いが、全重は逆に軽い。12.2kgだ。

 すぐに、三発入りの弾倉を備えた新型も登場した。
 最新の「HS50 M1」だと、5発マガジンである。
 有効射程は1200mと謳われている。

 このクラスの狙撃銃になると、品質管理された弾薬と精巧な照準器を用いるかどうかで、有効射程はガラリと変わってしまう。低廉な自家製弾薬と原始的な照準器でも1200mまで狙えるという意味だ。

 イランに狙撃銃を売ったオーストリーのメーカーは米国から制裁を受けたものだから、あわてて、イランへ売った全製品のシリアル番号を米政府に教えている。ちなみに中共の6社もイランへ武器を売った咎により米国から制裁を喰らっており、米国内で商品を売ることができない。

 HS50がイランに売られたときの単価は6000ドル強だった。闇市場では、その2倍以上で取引されている。

北海道の夏が、もう終わっちまった……。

 こう凉しくっちゃよぅ……と、かこちたくなる、昨日今日の陽気……。
 ある年の夏ピーク(7月末~8月初)がいくら暑く感じられても、その年末からの冬シーズンが緩和されるとは限らないことを、この地方の住民なら知っている。
 それどころか、むしろ、今まで以上の過酷な厳冬が来ることを、もうすでに敏感に予想しているのである。

 おそらく長期的には、日本列島は、極熱地と、非極熱地に分かれる。
 温暖化と寒冷化が、同時に日本を襲う。北海道は寒冷化にさらされる。
 それにともない、日本市場で販売される自動車の断熱仕様を、これまでとはすっかり変えなくてはなるまい。

 非極熱地仕様の自動車は、やはり北海道で製造するのが合理的である。北海道からならば、最短航路でカナダへも輸出できるから。

 そのように工場を二地域で思い切って分離するなら、断熱仕様だけでなくて、基本レイアウトも、根本から寒地向きにしてしまえる。

 極寒地用には、ミッドシップエンジンが、具合がよくなるかもしれない。
 エンジン停止後の熱量をすこしでも多く、長く、保存利用できるとすれば、ガス欠で凍死する人だって、減るだろう。
 また早朝の始動も、いささか安心かもしれぬ。

 次。
 Vanya Eftimova Bellinger 記者による2018-8-6記事「Clausewitz’s Library: Strategy, Politics, and Poetry」。
     クラウゼヴィッツと出身地を同じくする例の研究家女史がまたも大発掘。ポツダムの公文書館にマリーの遺言状があった。そこには、夫妻の遺産である蔵書の総目録も付属していた。

 1831のクラウゼヴィッツの病死に続き、マリーも子無しにて1836に没したことから、役所としては細密な資産目録を作る必要があったのだ。

 1836時点での夫妻の蔵書は380冊であった。
 すでに、その蔵書リストの英語版が、ネット上に公開されている。

 まず驚くのが、蔵書の数の少なさだろう。たったの380冊なんてありえるか?

 たとえばマリーの実父はドイツの一小邦の首相だったが、その蔵書は6万2000冊あった。
 また、裕福であったジョージ・ワシントンの死亡時の蔵書は1200冊強。マウントヴァーノンに現在までも実物が保存されている。

 まちがいなくマリー未亡人は、亡夫の知友に亡夫の蔵書の大部分をプレゼントしてしまったのだ。それが当時の慣行である。

 ピーター・パレットは示唆する。1818から1830までクラウゼヴィッツは陸軍大学校〔クリーグスアカデミー。直訳すると「戦争アカデミー」〕の校長であった。その付属図書館は欧州最大級の軍事蔵書量を誇っていたのだから、私物として所有する必要はなかったんじゃないかと。

 1815にクラウゼヴィッツは夫人に手紙を書いており、その中で、ヴァンデ叛乱についてのロシュジャクランによる回顧録の読後印象を語っていた。しかしその書名は、このたび発掘された遺品リスト中には見えない。

 このような例を幾つも挙げることができる。
 図書館や友人から借りて読んだのだとすれば、それらを所有していないことの説明になるだろう。

 ジョミニの著作が1冊も目録に含まれていないのも不審である。

 リストにはこんなものが含まれていた。
 ヴォーバンの築城書。
 モンテクコリの回顧録。
 ドゥサクスの研究。
 カルノーの工兵教範。
 師匠であったシャルンホルストが書いた野外令/統帥綱領。

 クリーグスアカデミーは科学と数学に力を入れている軍学校だった。ゆえにクラウゼヴィッツの個人蔵書遺品にも、数学、地学、物理学、天文学のタイトル多し。

 フムボルトの2冊の本あり。
 鉱物学、火砲の射表の較正、化学、地図作製学、複数の植物学の本。

 電磁学についての1821年のパウル・エルマンの論文は、おそらく、激情と機会と理性が戦争の性格を形作る三つの磁石だというクラウゼヴィッツ流メタファーに貢献した書物のひとつなのだろう。

 オスマントルコの探訪記、コサック史、クリミアの地理、アフリカの地理、西インドと東インドの植民地化史、ペルシャ諸王紀などもあり。

 1805刊の『手紙の書き方』は、マリーの所属階層に自己を合わせようとした若いクラウゼヴィッツ大尉の必死の努力を窺わせる。

 国家学、政治学、国際法と国内法、外交についての文献は1815以後に蒐集していることが分かる。
 商業、経済、税金の本もある。

 クラウゼヴィッツは1818年時点では『戦争論』をモンテスキューに倣ってまとめようと想っていた。

 蔵書には、全12巻からなるフランス哲学者全集が含まれている。
  ※ルソーの単行本は早々と処分していたはずだ。しかし全集の形状ならば、持っていても変に疑われない。

 フィヒテの本は2冊。
 エラスムス集もあり。

 ゲーテとシラーの文学作品が数冊。夫妻の好みが分かる。
 380冊のうち100冊が文芸書なのだ。

 ホメロス、ヘシオドス、シェークスピア、バイロン、トマス・モア、ノヴァリス。ヘルダーによる文学史叢書全32冊。

 クラウゼヴィッツはスイスで詩人のシュレーゲルらにも会って話を聞いている。

 英語で書かれている本もかなりある。それらはマリー夫人が購入したものに違いない。夫人の実母が英国外交官の娘であった関係で。
 ベルリンでマリーは、将来の米大統領となるジョン・クインシー・アダムズおよびその妻ルイザとも知り合いだった。

 マリーは個人的にバイロン卿の詩を愛好。またバイロンの影響でギリシャ独立運動も支持した。

 刊年からして、夫の死後に夫人が買ったらしい書籍も含まれている。ほとんどはシラーなどの文学系。

 夫妻は敬虔なキリスト教徒らしくはなかったのに、多くの宗教書もある。
 1820年代にプロイセンには敬虔運動が流行し、夫妻の友人たちの多くがそれにハマっていた。

 あるいは夫人が亭主の急死後に慰安を模索したのかもしれない。

 シュライエルマッヒャー、マルチン・ルターなどの宗教書は、クラウゼヴィッツが戦争と倫理の関係を考究しようとしていたことの証拠なのか?

 料理の本もなぜか1冊あった。
 しかしマリーは生涯、じぶんで料理したことはないはずである。
 この料理本は、誰かが夫妻にプレゼントしたのかもしれない。

低温ゆえ腐葉土化してない地中堆積層の潜行的な延焼は、消火しようがない筈。

 Kyle Mizokami 記者による2018-7-26記事「Sweden Dropped a Laser-Guided Bomb on a Forest Fire」。
   スウェーデン空軍は2機のグリペンからGBU-49 レーザー誘導爆弾を投下することによって森林火災を消そようと試みた。クリスマスケーキの蝋燭を吹き消すのと同じ効果を期待した。

 スウェーデンの山火事は2週間燃え続けていて、アルヴダレン地区に近づいた。そこは陸上から消防隊の近づき難い僻地にあり、かつまた、古くからの射爆場である。不発弾を踏む恐れがあるから、もしアクセス容易であっても、消防士など投入させてよい場所ではない。

 グリペン戦闘機は、高度9800フィートから、1発の誘導爆弾を投下。着弾点から半径100ヤードの炎は、吹き消されるという。

 GBU-49は、500ポンド爆弾である。誘導は、レーザーにもGPSにも切換が随意。
 レーザーは煙に弱い。GPSは敵のジャミングに弱い。レーザーは移動目標を執拗に最後まで精密に追える。GPSは爆弾をリリースしたら母機はすぐ空域から離脱していい。それぞれ一長一短あるので。

 ※どう考えても戦闘機から高額な誘導爆弾を落とさねばならぬ必然性は無く、また、たかだか500ポンド×2発で山火事が消えたはずもない。ただの通常の射爆訓練を「消火」と称してみただけなのであろう。しかしそれを大真面目に報道させている当局は、いったい何を考えているのか。もともとスウェーデン人にも部分的にイカレたところがある。暑さでそれが発現するのか。

 1935年のこと。ジョージ・S・パットン将軍が、ハワイのマウナロア火山の溶岩噴出を止めようと、同火口を爆撃させたことがあったという。たぶん失敗しただろうが。

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 ストラテジーペイジの2018-8-5記事。
  エストニア人はフィンランド人の同類で、言語も近親。エストニアは、スラブ人の国々の中に浮かぶ孤立圏なのである。
 20世紀初めに、フィンランドとエストニアは合邦したらよいのではないかと話し合われたこともあった。が、バルト海によって分断されている地勢のために、まとまらなかった。

 首都のタリンに総人口の半分が暮らす。
 タリンとヘルシンキの間の距離は87kmである。
 エストニア人はタリンの放棄はできない。だから同市を「バルト海のスターリングラード」として徹底抗戦するつもりだ。
 露軍の軍事雑誌には、そのようにして要塞化された敵国都市をいかにして征服したらいいかという研究文がすでに寄稿され出している。
 彼らも、未来戦は市街戦だという認識なのだ。

12式地対艦ミサイルのコンテナ1個を、手押し式の「台車」×2台に載せることはできるか? ……できる。

 先島群島で必要としている装備は、それだ。
 手押し台車は、完全人力のみでの陣地進入を可能にするものだが、もし山を越えて何kmも移動したいときには、小型ジープやオートバイでゆっくりとロープ牽引したっていいだろう。

 ミサイル本体1発が700kgということは、旧軍の1式機動47mm対戦車砲の800kgより軽い。今日ではノーパンクタイヤもベアリングも進歩した。四一式山砲580kgを分解して臂力でオーエンスタンレー山脈やアラカン山系を越えたことを想えば何でもない。

 12式ミサイルのコンテナ1個と手押し式台車、さらに発動発電機や通信機や必要人員とをぜんぶあわせても2トン弱というところだろう。もっといろいろ欲張っても3トンで収まる。
 すなわちチヌーク×数機が1往復するだけで、コンテナ4本と管制システム一式を離島へ急速に送り込める。
 それがもし隣接した島嶼間の移転であったならば、CH-47ではなくUH-60を飛ばしても可能なわけだ。

 台車にはエレクターがつかないから、発射するためには土工によって生地に「斜堤と壕」を適宜に築城せねばならない。これは兵隊を先行させて掘開させる。もちろんバラクーダを展張したその下でだ。そこに追及してきた手押し台車が陣地進入し、放列布置する。

 この「手押し式台車」を部隊において工夫してみるのに、経費は数万円で足りるはずだ。
 砲兵精神を発揮し、すぐにやるべし!

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 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2018-8-2記事「Army, NASA Want Laser Micro-Satellites For 50 Times The Bandwidth」。
  米陸軍は、地上部隊と衛星との間の通信をレーザー化することで、ロシア軍や中共軍の執拗な通信妨害を確実に回避したい。
 これを、こんどはNASAと協働で、マイクロサットを使って実現する。

 げんざい、米陸軍の旅団司令部は、実戦想定の演習において、毎秒2メガビットの衛星リンクを頼りにしている。旅団は4000人からなる。
 かたや、市販のスマホは、毎秒70メガビットをやりとりできる。
 いかに衛星通信というものが苦しいかがわかるだろう。

 そこで、レーザーですよ。

 NASAは、光学通信およびセンサーのデモンストレーション「OCSD」を実施する。LEOをペアで周回させる「AeroCube-7B」および「AeroCube-7C」(どちらもきっかり5ポンドの軽さ)。そこから発射されたレーザービームを、地表において受光する。

 比較してみよう。かつてのペンタゴン主導のTサット計画。
 たった5機の通信衛星に260億ドルかけようというイカレたものだった。2010年の中止時点で15億ドルが消えていた。

 あらためて提案されているキューブサットは、レーザービームの向きを調節する可変反射鏡を搭載しない。

 そのかわりに、衛星そのものが体位を変える。精密な天測によって、「四十分の一」度の精度で、地表の一点に一面を正対させるのである。今までの最も精密な通信・放送衛星でも、この照準角度の精度は1度であった。1度では、地上部隊の可搬式アンテナとレーザー光によって通信を維持することは不可能であった。

 姿勢制御は、旧来のロケット燃料を燃やす方式ではない。そのかわりに、少量の水をスプレーし、その反動を利用する。

 この実験、宇宙から地上に対し、レーザーでば毎秒100メガビットを送信する。
 これは、同サイズのキューブサットが電波を用いた場合の50倍のビット量。電波通信では、せいぜい2メガビット/秒なのだ。

 NASAの専門家は言う。軌道高度を調節するシステムを改善すれば、このバンドワイドスは2.5ギガビット/秒かそれ以上までも向上するであろう、と。
 ちなみにT-SAT計画では、5機でトータル28.5ギガビット/秒を狙っていた。

 もっかのところ、キューブサットは、衛星同士での通信はしない予定。これはT-SATとの大きな違い。