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兵頭 二十八

すべてのペレットがナノワイヤーで連結されている散弾粒。

 それを散弾銃から発射する以外に、距離50m以内で実用的な対ドローン阻止は、構想しがたいという気がする。
 粒同士が紐でつながっていれば、逸れ弾がとんでもない遠距離まで到達してしまう確率はごく低くなるだろう。ワイヤーが、エアブレーキともなるのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-7-18記事。
   2015に中共は「二人っ児」推奨政策に転換したのだが、若い世代が一向に子供を増やしてくれぬので、第二子に対してカネをやると最近、インセンティヴを持ち出している。
 尤も、これも効き目が無い。

 2016年に中共の労働力人口は400万人減少した。それに対して同年の新生児は130万人である。この調子だと、未来はどうなるか、明らかだ。

 北京としては、毎年あと300万人ほど、余計に新生児を得なくてはならないのだ。

 中共海軍でも将校不足が深刻だ。
 毎年12隻以上の軍艦が就役する。
 とてもそれに配乗させるだけの訓練済みの海軍士官など揃えられない。
 女子の比率を増やしても足りない。

 そこで、1~2年契約で民間人を軍艦の要所々々に張り付けている。
 この契約技術軍属の俸給は、同じ仕事内容の兵曹や将校よりもずっと高額だという。
 主計官業務はまっさきに民間人に委托されている。さすがに戦闘指揮にはこの軍属たちを関与させない。

 ベネズエラは中共から借りた500億ドルが返せなくなり、原油の現物で支払っている。
 中共はさらに2億5000万ドルの融資をもちかけている。ただしこんどは、返せなかったときは、油ではなくて、油田そのものを貰う、という条件だ。

 この取引は、1812年のモンロードクトリンと衝突する。米国は、ラ米諸国であろうとも借金のカタに外国軍を呼び込むようなマネをすることは許さない主義だからだ。

 北鮮は掘り出した石炭をトラックでロシア領まで違法に運び、そこから中共企業の貨物船で輸出して外貨に換えている。

 7-5に中共がイランに警告した。ホルムズ海峡を閉鎖したらそれは中共に対する敵対行為だと看做すと。要するに、GCCと戦争するなよ、と。

 7-5、国連安保理の英仏米は、中央アフリカが中共から無料で武器を貰うのをゆるしてくれという頼みをまだ聞いていない。
 この頼みは6月に中央アフリカから国連へ提起された。EUが中央アフリカの軍と警察をその武器で訓練してやる話があるのだという。しかし国連は2013に中央アフリカを兵器の禁輸国に指定している。

 仏米の言い分。中央アフリカは、隣国から爆撃される危険などないのに、なにゆえ、防空兵器などを買いたがるのか?

なぜ災害派遣任務用に空自型「待機車」の増強が望ましいのか? 写真特集を見てくれ。

 これを撮影するためだけに、わたしは八雲分屯基地まで往復したのである。

 次。
 ROSALIND S. HELDERMAN, TOM HAMBURGER, SHANE HARRIS AND CAROL D. LEONNIG 記者による2018-7-18記事「How alleged Russian agent Maria Butina gained access to elite conservative circles」。

 FBIにスパイとして検挙されたマリア・ブティナは、政治科学を専攻するロシア人学生であると名乗り、過去5年ちかく、「全米ライフル協会」と「保守政治行動会議」のイベント会場をおっかけていて、それらの指導者たちと親密であった。
 彼女は、ロシア国内で銃所持の権利を推進したい、などと標榜していた。

 じっさいに拳銃を携帯してNRAの会場にやってきたりしていたこの女は、最初は共和党の大統領候補のスコット・ウォーカー知事(ウィスコンシン州)に接近したのだが、ウォーカーの目がなくなったとみるや、ドナルド・トランプにターゲットを切り換えている。

 この女が学生ビザで米国内に腰を据えて暮らすようになったのは2016-8からである。FBIはその前からスパイ容疑者としてマークし、泳がせて様子を探っていた。

 この女はトランプ本人に、ロシアに対する見方を公然としつこく訊ねている。またトランプの長男とは、全米ライフル協会のコンヴェンション会場で面談している。

 トランプの大統領就任日の宴会場にも乗り込み、トランプとロシア高官の面会を手配。

 首都のアメリカン大学の院生になっていた2017年6月、この女は米政府を批判するサイドの人権団体にも「大学院の課題研究」と称して接触を試みた。サイバー脆弱性について詳しい人物から情報を取りたかったようだ。しかし団体のコンサルタントがこれは怪しすぎると直感してFBIに通報した。
 ※米国の治安環境の一大特徴は「タレコミ電話」がよく機能していること。ヨーロッパでは誰も「こいつテロリストじゃないかと思います」などとタレコんでくれぬのである。しかし米国ではタレコミ電話が機能しすぎているために、SWAT突入誤誘導の悪戯も起きてしまう。

 2018-7-8にこの女(29歳)は、DCからサウスダコタへ引っ越す準備を始めた。FBIは、田舎では監視がしにくい。そこで、逮捕に踏み切った。

 大陪審の罪状のひとつは、外国代理人登録法違反。
 ※この法律は1938年にできた。ナチスのエージェントをあぶり出す目的で。同じころ日本では、内務省幹部がドイツ大使館から賄賂を受け取り、内務省そのものがナチスの代理人に堕していた。GHQが内務省を取り潰したのも、あたりまえなのである。

 2015年に保守系のラジオでこの女は自分について次のように語った。幼少からシベリアで育ち、父から狼狩りの手ほどきを受けた、と。

 短期間、小規模な家具のチェーン店のオーナーだったが、その後モスクワへ移住して広告業界に転身。さらに「武装の権利」という団体を立ち上げ、ロシアの銃器取締り法令の緩和を訴えたのだ、と。

 するとプーチンの率いる党から幹部のアレクサンダー・トルシン(後にロシア中央銀行副総裁になる)がやってきて、彼女の後援者になってくれた。トルシンは全米ライフル協会の終身会員であり、かつまた、モスクワで毎年1回開催されているキリスト教保守主義の朝の祈りの朝食会の幹事連でもあった。

 このトルシンのアシスタント兼通訳を引き受けながら、ブティナ自身がNRAに食い込んだ。具体的には、2011年から13年までNRA会長だった、アメリカ保守組合の書記長デイヴィッド・キーン(故人)と親密になった。

 2013年には、ブティナとトルシンが、キーンら米国銃器会の大物をモスクワに招待した。名目は、彼女の組織の会合。

 この招待者の中にポール・エリクソンがいた。サウスダコタの共和党活動家で、1992年には大統領候補のパット・ブキャナンのための政治指南番であった。

 このエリクソンとブティナは性的関係を結んだ。これは2018-4に非公開で開かれた連邦上院情報委員会でブティナが語っている。

 エリクソンがあちこちの政界の名士に、ブティナを紹介してやったのである。

 ブティナは2014年から、NRAの年次総会に顔を出すようになった。

 NRAに100万ドル寄付しているなどのよほどのVIPしか呼ばれない特別ディナーにも、ブティナは、エリクソンのおかげで参席できるようになった。

 上院情報委員会での彼女の証言によれば、ブティナもトルシンもNRAには、定額の年会費以外の寄付をしていない。

 NRAの役員であるオレゴン州選出の民主党員、ロン・ワイデン上院議員いわく。トルシンは年会費しか払っていないから、以前は大口寄付者の会合には呼ばれていなかった、と。

 NRA年次会合が2015にナッシュビルで開かれた。NRAのはからいで、ブティナは、将来の大統領候補株の政治家が多数招かれるVIPルームに列席することができた。

 ブティナは、ウォーカー知事がロシア語を少し話したので驚いた、と自分のSNSで書いている。

 2015後半のウォーカーの出馬声明後の初集会にブティナは参加。続いてラスベガスへ。そこではルビオ候補やトランプ候補も演説した。

 ブティナは2017にWP紙にメールで弁解している。自分たちの団体はロシア内では人気があるとは言えず、また、ロシア政府からは1銭もカネは貰っていないと。

 しかしトルシンは、2018-4に米政府から対米不正活動の咎で制裁指定を受けたロシア高官17人のうちの1人である。

 ブティナは2018-3にアメリカン大学の修士課程を修了した。それでDCに住む必要もなくなったのでウィスコンシンへ転居の準備を始めた。それでFBIは逮捕に踏み切った。

 次。
  Scott Stewart 記者による2018-7-18記事「When Drones Attack: The Threat Remains Limited」。
      ドローンは、大打撃をじっさいに与えるためよりも、パニックを誘導する道具として重宝なはずだ。

 グリーンピースがスーパーマンのドローンを仏Bugey原発の建屋上層壁にブチ当てたのが2018-7-3のこと。その裏には使用済み燃料棒貯蔵プールがあった。つまり福島第一原発と同じ沸騰水型。

 グリーンピースは2機を放ったのだが、うち1機は警察が迎撃したという。
 7-10には、メキシコのバハ・カリフォルニア州の公安局長宅に、韓国製の手榴弾×2発をくくりつけたドローンが墜落。

 メキシコの麻薬カルテルのあいだでは、韓国製破片手榴弾はポピュラーである。

 しかるにこの6軸のマルチコプター(国境越しに麻薬を密輸するためによく使われる大型ドローン)の写真を見る限りでは、起爆(着発)させる機構がついていない。

 イスラムジハーディストはネット上に、どうやって市販ドローンを爆装させるかという手ほどきのビデオをUPしている。イタリアのポテンザ郡では、それに影響されたマケドニアのローンウルフが警察にとっつかまった。さいわい、こやつは、肝心の爆発物を仕入れることには失敗していた。

 7-11には、ウエストポイントにある対テロ戦闘センターの Don Rassler が、イスラムテロリストがどうやって市販ドローンを入手し、改造して攻撃に用いるかを、公表している。

 ある事例。英国在住のバングラデシュ人たちが、英国やスペインでドローン部品を調達して、トルコ経由で、ISまで届けていた。

 世界で最も多売されているDJI社製の「ファントム4」は、せいぜい1ポンド強の爆薬しか運搬できない。

 民間で手に入る重輸送用マルチコプター型ドローンは、20ポンド以上の物を持ち上げられるけれども、高額であり、どうしても足が付くだろう。

 しかしドローンのペイロードは年々、増強されているし、反面、ドローンの価格は、年々、下がっている。この趨勢、ヤバし。

 意外なところではスウェーデンが、軍用手榴弾を組織犯罪者が多用することで悪名高い。

 ドローンにくくりつけた手榴弾が爆発しても、ターゲットの警察長官が死ぬとは限らない。しかし、カルテルからの警告という機能は確実に果たすだろう。

 大群衆に対して小型の爆装ドローンが用いられた場合も、「爆死」者よりは「圧死」者が多くなるはずだ。

 ※最初に1機がスポーツスタジアムのスタンドに突っ込んで小爆発。その次に1~2機が現れてぐるぐると飛び回り続けたら、観客全員、逃げ惑わずにいられるだろうか? これが、いちばん怖い用法だ。

 次。ストラテジーペイジの2018-7-17記事。
  海兵隊のAAV7の後継の車両について。

 BAEがブラジル陸軍に売った6×6の装甲車がベースになっている。
 それを8×8にした。全重31.5トン。

 お客13人を操縦者3名で運搬する。
 1両は590万ドルになるだろう。

 AAV7の余裕浮力は30%である。沖合い36kmから海岸に達することができる。第五段階の荒れた海でも時速12km出せる。

 ACVの余裕浮力は21%しかない。第三段階の荒れた海で11kmまで出せる。沖合い36kmから着達できるのは同じ。

 陸上では、装輪のACVは時速105kmを出せる。AAV7は72kmだ。

 AAV7も29トンあった。乗員4+お客25人。
 不整地では32km/時で走れる。

 失敗したEFV(モーターボート並のスピードで洋上を疾走できる上陸用戦闘装甲車)のために海兵隊は30億ドルもドブに捨てている。

 海兵隊は、「コネクター」と称する新型高速LCUを海軍が開発してくれることを望んだ。敵海岸からは見えない40km以遠のはるか沖合いで、輸送艦からACVを「コネクター」に移し変え、その「コネクター」が荒海を優速で敵岸近くまで機動してACVを放出。
 最後の数百m~数十mだけACVに自航させて上陸させればよい、というアイディアだ。しかし海軍は、そんな限られた用途にしか使えない高額な舟艇のための支出を渋っている。

 次。
 ELIZABETH DINAN 記者による2018-7-17記事「This Air Force veteran was paid just $20 for a life-saving idea that's still used today」。
   米空軍の兵隊だった22歳のロバート・カーペンターは、いまから60年前、トラクター&トレーラーの前車と後車のエアブレーキホースを結合するときに取り違えないように、ホースを色分けすることを空軍に提案し、採用された。空軍はその業務改善提案に対してカーペンターに金20ドル也を与えて報償した。
 今日、この「2ストライパー」方式は、米本国の道路運送法で法定されている。

 カーペンターの父親はマサチューセッツのトラックドライバー。14歳のときに、その親父から、ブレーキホースを違うコネクターにとりつけてしまったトレーラーがジャックナイフ事故を起こして少年が死んだという事故について聞かされた。

 カーペンターは1958年に日本に勤務しているときにその話を思い出したのである。
 2本のブレーキコネクターを取り違えると、ブレーキロックが起きてしまうのだ。

 そこで彼は、コネクターを赤か青かで塗り分けておいたなら、誰も間違うはずがないと考えた。
 20ドルで表彰されたのは1959のことである。

馬毛島は東向きの海流中に位置するのでUUV奇襲があり得る。

 一年のかなりの時期、東シナ海から大隈海峡を太平洋側へ、潮流が流れ出てている。敵潜水艦やUUVは、この潮流に乗っていれば、無音で移動することができる。
 だから要警戒だ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-7-15記事。
  ソ連が崩壊した1991後に判明した衝撃の事実。冷戦中、「ソ連軍の電子戦攻撃力はNATO側の対策を上回っている」と叫んでいた者たちは、正しかった。冷戦中、そうした悲観主義者たちは「大袈裟なやつだ」と、NATOの指導部から疎んじられていたのだったが……。

 そうしたロシア人の電子戦能力は冷戦後期にさらに磨きがかかっていることが、近年のウクライナとシリアで証明されつつある。NATOの幹部は再び、事態の深刻さに目覚めた。

 救いは、冷戦中のソ連のEWに精通している東欧軍人たちの智恵を、今やNATOは借りることができること。だいたい、手口が推測できるのだ。

 米陸軍は、旧ソ連のEW技術開発を手伝っていたウクライナ人から、多大の支援を受けて、アンチEWのシステムを構築しつつある。

 そのシステムは在欧の米陸軍に優先的に持たせてきたが、現在、ようやく、米本土の部隊にも支給が始まっている。

 そのシステムの概要。まずVRODというセンサーが、戦場に存在する敵のEW脅威を、内蔵の脅威ライブラリと自動照合する。このライブラリが逐次にアップデートされるものであることは言うまでもない。

 続いてVMAXというカウンター電子装置が作動する。これはネットに依存することなく、最も効果的になる対抗電波を放射できるものらしいが、詳細は秘密。

 ロシア国内で米国の外交官が持たされている特殊な携帯スマホ。絶対にハッキングされないと思っていたところ、ロシアはしっかりとそれも傍受できていることが分かっている。
 ※この世には盗聴されないケータイ電話などあり得ぬ。問題は、スクランブルのかかった交話の内容までも再現できるのかということ。

この時期だけは、北海道万歳。

 ストラテジーペイジの2018-7-13記事。
     「スホイ57」の原状。6月前半、ロシア政府はスホイ57を量産することにし、まず12機製造させるための契約を準備していると声明した。
 ところが7月前半になるも、その契約は依然として結ばれてはいない。それで工場では製造に必要な従業員を雇うことができずにいる。

 インドはこれまで3億ドルをスホイ57開発のために投資してきたが、2018-2月に事業から手を引いた。完成品ができたら買いましょう、とは言っている。しかし、当初予定されていた総額80億ドルの投資は、なくなったのである。

 ロシアはスホイ57を2機、シリアに派遣し、2日間、センサーをテストした、と吹かしていた。この2機は2018-2月末にロシアに戻ったが、今日までに判明した事実として、じっさいにそれらがシリアでやっていたことは、着陸と離陸だけであった。センサーもECMもテストされてはいない。

 シリアにはこれまでとは異なるロシアの傭兵機関が投入されている。「パトリオット」という会社で、あきらかに元エリート軍人たちを再雇用して編成されている。従前の「ワグナー・グループ」が与太者の寄せ集めであるのとは大違いだ。
 在シリアのワグナーの傭兵は2017末で1200名。

 2018-6-30に露軍のフメイミム空軍基地にまたしてもゲリラの操るUAVのスウォームが襲来したが、こんどは露軍はその全機を叩き落したと。

 6-9に南シリアとイスラエルの国境にシリア兵の軍服を来たイラン軍が接近したのでイスラエルは強く警告した。じつはイスラエルとロシアの間には話ができていて、ロシアはイラン傭兵をイスラエル国境に近づけないと約束。そのかわりにイスラエルはシリア政府軍が国境にいることを黙認すると。イランはロシアの面子を潰したわけである。

バブルは可能である。

 今回の水害でみんなもよく分かったことがあろう。

 木造住宅は、RC住宅よりも、危険である。

 行政は、これを認めるべきだ。住宅メーカーなどに遠慮している時か?

 町の半分が水没して数百戸が居住不能になり、数千人が避難所暮らしを余儀なくされた、とする。この数千人が最終的に救済されるまで(たぶん20年以上の長期間)にかかる全費用「×××億円~×兆円」を、想像して欲しい。

 かたや、平時に、行政が、RC(鉄筋にコンクリート流し込み)住宅や、コンクリートパネル組み立て式住宅の施主に対して、気前の良い補助金を出し、かつまた、そうして築造されたハードニング(&不燃)住宅にかかる固定資産税を恒久免除(あえて減免とは言わない)するという法令を施行していたならば、どうか?

 その政策に必要な全経費は、上述の「×××億円~×兆円」より、少ないはずである。

 それと別に、住宅が土石流によって潰されて、夜間に知らぬ間に死んでしまう人命を救えるという社会的な功利が、プライスレスであることは、申すまでもない。

 このたびの水害騒ぎが一段落すれば、必ずや、川土手を補強しろだとか、砂防工事を増やせだとかの声があがるはずだ。

 ダメだ。その方向に利益を誘導しては。
 それらは社会福利を極大化する最も合理的な公共政策とは言えない。

 なぜなら、これから日本各地が繰り返し襲われる諸災害は、決して予測できる範疇には収まってはいないからである。

 木造住宅が木造住宅として再建され続ける限り、災厄は何度でも、手を変え品を変えて、わが国の高齢化した住民たちを屈服させてしまう。

 それは水害や地震に限らない。いくら耐震設計であっても、木造住宅は、横から衝突する土石流から居住者を防護してくれるかどうかは分からない。
 二階まで泥水に漬かった後で、汚濁を洗滌し易いかどうかも分からない。
 多発的な都市火災の延焼に抵抗し、みずからが燃料を提供して火勢を助長してしまわないかどうかも分からない。

 肝心なことは、「これからの日本では木造住宅は危ない」と行政が公式に認めることなのだ。行政は、あらゆる住宅を「RC化/コンパネ化」させる誘導にこそ努めなくてはならないのだ。
 それは、「個人の意思が、社会を救済する」、まっとうで健全な道につながる。

 究極の致死的災害と考えられる、近隣国からの核ミサイル攻撃が万一起きたとしよう。
 RC/コンパネ住宅の多い街は、木造住宅の多い街よりも、総死者数を抑制し、「避難所生活者数×年月」も抑制するだろうと、常識的に予測ができる。
 この普通の常識を、そろそろ正面から評価しなくてはならない。

 街の全戸に占めるRC/コンパネ住宅の比率が高まれば高まるほど、将来の非常事態がもたらす社会コストは、低下する。おそらくは劇的に。

 しかも、この「RC/コンパネ化助成」政策は、日本の景気を根本から改善しもする。
 なぜなら、現下の日本国において最も金融資産を抱えている老人たちが、「無税の安全不動産」を児孫に遺贈してやるべく、現住の木造住宅の「RC/コンパネ化」改築に、踏み切ってくれるからだ。

 全国規模で、老人資産が、住宅消費に投入される。
 巨大な死蔵資産が新需要を全国的に喚起する。
 老人の創意が、家族と次世代を安全にする。社会も間違いなく再活性化する。

 バブルが再来するであろう。
 しかしこのバブルは、やましいところ、うしろめたいところが何ひとつない、健全すぎるバブルなのだ。

 有産の独居老人は「自衛」のためにも、木造住宅をRC/コンパネ化するべきである。
 RC/コンパネ住宅ならば、冬の雪下ろしをボランティアに手伝って貰う必要はない。ひとさまに迷惑をかけることがなくなるのだから。

 まして、RC/コンパネ造りの三階建て住宅(特に集合住宅)ならば、その屋根によって、地域の他の人々を、水害時に救ってやれるかもしれない。偉大な社会奉仕にもなるのだ。
 行政として、恒久免税でこれに酬いるくらいは、とうぜんであろう。
 功労金を与えて表彰してもよいくらいだと思う。

 第二次大戦末期に日本陸海軍が必死で完成させようとした、試作だけに終わった数々の「迎撃機/局地戦闘機」を、思い出して欲しい。
 あんなものにかける予算を、すべて都市の住宅の不燃化の助成に投じていた方が、本土住民の空襲犠牲者数(30万人)は、劇的に減っていたことは明らかである。
 原爆をくらった広島市ですら、死傷者は半分以下に抑制されたはずだ。徹底的な焼夷弾空襲を受けたドイツの都市(基本的に不燃構造)の数値や、日本の2都市の原爆死者の8割が「焼死」であった事実から、これは一般に推計できることなのだ。

 今こそ健全な智恵と向き合おう。現代日本の危険の淵源は、木造住宅である。

はじめてのこづかい。

STEPHEN WRIGHT 記者による2018-7-11記事「Air Force rescue specialist details 'once in a lifetime' Thai cave rescue」。

 タイの洞窟少年団救出には沖縄から米空軍のレスキュー専門家が行って協力していた。
 少年たちがやるしかなかった連続潜水区間は最長で30分にも達したという。

 最初に発見したのは英国の2人組のダイバー。少年団が閉じ込められてから10日目。

 この13人は初めちょっと洞窟に入っただけなのだが、水嵩が増したために戻れなくなり、水没から逃れるためにどんどん奥へ移動するしかなかったのである。

 大掛かりな排水作業も奏功した。それなくしては、中間点に複数のエアポケットも残らず、救出は至難だったはず。

 救難ダイバーたちは、プールを使って予行演習した。身長&体重が近似する地元の少年たちに協力してもらって、いかにして同伴潜水させるかを。

 キモは、同伴潜水者をぴったりと前後から挟むこと。送気調節を臨機にしてやれるからだ。

 いちばん狭い箇所は、大人1人がかろうじて潜り抜けられる断面しかなかった。

 もちろん子供には「錘り」をつけて浮力を中正化させた。ウエットスーツは、フード付きを着せた。
  ※大人が低体温症になるくらいの冷水が激しく流れ込んでいる狭い箇所があったとも書かれているが、ドライスーツにはしなかったようだ。嵩張って引っ掛かる方が危険なためか。

 特別なフルフェイス・マスク内は常に水圧以上の気圧で満たされているので、水が入ってこない。素人潜水者はパニックになりやすいが、このマスクならば水を呑まないで済むだろう。

 洞窟のところどころに空気補充用のボンベが置かれ、そこでは酸素80%のエアが再充填された。これにより酸素飽和レベルが上がり、少年たちは気分が良好になるのである。

RC/コンパネ住宅に気前よく補助金を出し、且つ恒久的に免税する。これぞ全災害対応型の国土強靭化策にして、景気浮揚策也。

 イージス艦なんて全廃してこっちへ予算を回した方が、はるかに日本国民は安全になります。核攻撃に対してもね。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-7-10記事。
  米陸軍は、MGM140=ATACMS (Army Tactical Missile Systems) の寿命延ばし工事を今年から開始する。

 1980年代後半からこれまでATACMSは4000発近く、製造された。
 1990年代後半に、レンジを伸ばしてGPS誘導に替えた新型登場。
 2007から生産ペースは縮減されている。

 レンジ165kmで非誘導の旧型(クラスター弾頭型)がまだたくさん保管されている。総量の7割くらいもある。これをレンジ250~300kmのGPS誘導型(単弾頭)に直す。年に300基から500基のペースで。

 改修工事後の保管放置可能期間は10年にする。
 2020年代なかばには、後継の射程500kmのSSBMが完成する。それまでのつなぎ。

 ATACMSの径は610ミリである。
 2017年以降は、艦船のような移動標的にも当てられるようになった。

 そもそも地対地弾道弾に終末精密誘導を実装したのは、米国の「パーシング2」が最も早かった。

 ATACMSの落下中の速度は毎秒1000m以上である。これはライフル弾よりも速い。それを空力的に操舵して、動いている艦船に当てる。

 ATACMSは、近接信管も搭載している。目標直撃ではなく、そのほんのすこし上空で、轟爆させることが可能だ。

 ※WWII中の対軍艦急降下爆撃では、第一波は瞬発信管(陸用爆弾)を投じて、至近弾でも敵AA操砲員を確実に破片で斃すようにし、第二波が延時信管(徹甲爆弾)で艦底破開を狙った。シナ空母をミッション・キルするには、近接VT信管を使った500ポンド弾頭の空中炸裂でじゅうぶんだ。SSCMを使って撃沈することもできるが、じつはその必要すらないのだ。

 300kmの飛翔には数分しかかからない。数分であるなら、敵艦船もあまり遠くには逃げられない。したがって発射前に受領した目標諸元を、落下中のミサイルのシーカーが再発見して引き取ることができる。最新の目標諸元入力には1分しかかからない。

 弾頭重量は500ポンドである。

 ATACMSの最初期タイプは、無誘導のクラスター弾頭だった。しかし子弾の不発残留問題が看過できなかった。
 そこでGPS誘導の単弾頭にした。

 ATACMSはげんざい、単価130万ドルである。
 ちなみに500ポンドのJDAMの単価は4万ドルである。

 しかしATACMSを運用するのに陸軍が空軍にお願いする必要はない。自分で発射できる。そこが大メリット。
 天候も関係ない。

 1両300万ドルのHIMARSトラックを買えば、そこから1発のATACMSを発射できる。このトラックは重さ12トンなのでC-130で離島の短い滑走路に卸せる。
 ※この記事が出たのは、リムパックの演習を通じて日本への売り込みがなされようとしているからなのかもしれない。それは朗報だ。魚釣島は、石垣島から175kmくらい。下地島空港からだと190km、宮古レーダーからは195km。西表のはぶ港からは165km。波照間島からは192km。つまり、先島群島の有人島にHIMARSとATACMSをセットで送り込めば、敵艦船はまったく尖閣近海には近寄れもしなくなる。なんでこれをとっとと買わないのかという話だ。トランプもハッピー、陸自もハッピーじゃないか。

圧縮録音通信システムは、人手の足りないミニ自治体が防災情報をタイムリーにアップデートし続けるのに役立つ方式だ。

 Jay Bennett 記者による2018-7-2記事「So Long TNT, There's a New Explosive in Town」。
    ロスアラモス国立研究所と陸軍調査研究所が、分子式「C6H4N6O8」の新爆薬を発明した。「Bis-oxadiazole」と呼ぶ。TNTよりも有害物質を出さず、その爆発力はTNTの1.5倍。

 トリニトロトルエン=TNTの分子式は「C7H5N3O6」である。
 TNTのメリットは、砲弾殻内に溶填しやすいこと。摂氏80度で液状になってくれるので。TNTは摂氏240度にならない限り自爆したりしないから、工場労働者は安全なのである。

 だがTNTを製造する過程では環境汚染物質が副生される。
 まず「硝化」のプロセスから、「赤水」と呼ばれる廃液が出る。

 さらに産生されたTNTを水洗するときにも「ピンク水」という汚水が出る。これも環境(土壌や地下水)に多少の悪影響がある。

 工場ではスチームによってTNTを溶かしている。その作業員はTNTを気体として吸い込む。TNTはとても蒸発しやすい(ヴェイパー・プレッシャーが高い)のだ。※だから空港では爆薬の匂い検知器にひっかかる。

 TNT分子の中には、充分な酸素原子が配合されていない。だから炭素のすべてが酸化し切れない。このカーボン残滓がTNTが爆発したさいの黒煙の正体である。※TNTが炭坑内では用いられない理由もこれ。あとガスが悪すぎるのだ。逆に、地下トンネル内制圧用爆薬としては優れていることになる。敵兵を窒息させられるので。

 現在ではTNTはRDXのような別の爆薬と混合されて「コンポジションB」として爆弾に充填されることが多い。これは黒煙問題を解消し、ほどほどに安定で、取扱上の危険も少なく、爆速も向上するが、RDXが爆発するときにもまた地下水を汚染する物質が生ずる。それは自然に分解してくれない。

 米陸軍は、TNTとは別の新爆薬の研究を数十年来、続けてきた。そして2016年に目処がついた。
 「Bis-isoxazole(オクサジアゾール)」という新物質だ。環境に無害で、TNTのように溶填容易。ただ惜しむらくは威力が低い。そこで配合をすこしいじった。

 「Bis-isoxazole」は、炭素3+窒素1+酸素1の5原子が環を成し、それが2個つながっている分子。
 この中の炭素原子1個を、窒素に置き換えた。

 溶融点に関しては、新分子をじっさいに創ってみるまでは誰にも予測なんかできない。こいつは、融点が低いことが後から判明した。

 こうして「bis-oxadiazole」ができあがる。

 爆速を計測したところ、「bis-oxadiazole」は8.18km/秒。それに対してコンポジットBは7.8km/秒。
 爆圧を計測したところ、新爆薬は29.4ギガパスカル。コンプBは26ギガパスカル。

 しかも新爆薬の爆発残渣は、自然環境中で分解されやすいことも判った。

 一般に、新爆薬成分が発見されてから、それが軍用爆薬として実用化されるまでには、5年から10年が必要。

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 Kyle Mizokami 記者による2018-3-29記事「The United States' Next Tank Could Be Protected by 'Steel Foam'」。
   複合泡状合金素材を戦車の装甲に用いるなら、これまでの防弾鋼鈑の三分の一の重さで同じ防護力が得られるかもしれない。

 略してCMF(コンポジットメタルフォーム)。ノースカロライナ州立大学と米陸軍の合同研究成果。

 この素材については『ポピュラーメカニクス』が2016に初期実験を紹介した。
 12.7mm機関銃弾をCMFは1インチ厚で阻止できる。
 これに対して防弾鋼鈑ならば1.5インチ厚が必要なのだ。

 IEDの衝撃波も、泡構造が潰されることによって、よりよく吸収できる。
 また、高熱が伝導してくるスピードも、CMFなら半分に抑制できる。気泡の空隙が断熱力を発揮するから。

 1枚鈑金の装甲を12トン必要とする戦車があったとすれば、CMFにより、装甲重量は4トンに抑えられるわけ。
 ※参考までに、ナショナルジオグラフィックチャンネルで紹介していたM1エイブラムズの構造重量を記す。
 ドンガラの車体+ドンガラの砲塔、つまり殻だけの重さは20トン〔?〕。
 砲塔は、艤装コミで29トンある。
 車体は、パワーパックなどいっさいコミで41トンある。
 ガスタービンエンジンだけだと1.5トンある。
 履帯は片側だけで2200kgある。
 120mmの砲身は6m、重さは2.25トンある。砲尾は680kgである。

水害に強い軍用車両って何? 『空母を持って自衛隊は何をするのか』の第8章と7章を参照せよ。

 大型のマルチコプター型ドローンで、自動展張式のゴムボートを現場に届けてやる方法がすでにある筈。
 そのドローンの力で、人が乗ったボートをそのまま水上曳航してくる方法も、すでにある筈。
 人を吊り上げられるドローンもすでにある。
 これらを地元警察と消防が装備するのが、今後の中期的な課題か。

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 Brandon Christensen 記者による2018-7-5記事「Top 10 Terrorist Attacks in History」。
   1999年9月4日から16日にかけ、ロシアの4つの都市でアパート爆破事件が4件発生。これを口実にプーチン首相はグロズヌイ市を空爆させ、ダゲスタンをめぐってのチェチェンとの第二次戦争に突入した。

 ところが爆破現場のひとつで地元警察が逮捕した容疑者が、FSB職員だったと分かって、すぐに釈放された。四件の爆破テロは、プーチンによる自作自演だったと疑われている。

 さきごろ、ロンドンにてVXによって毒殺されかけた元ロシアのスパイ。彼はこのプーチンによる1999年自作自演連続アパート爆破テロ・プロットに関与していた。

 しかしプーチン首相の強硬策はロシア人民には大人気で、彼は2000年に大統領に選ばれている。

 1925年4月16日、ブルガリアの共産党は、自分たちがテロで殺した将軍の葬儀がおこなわれていた正教会堂の天井を爆破。150人を爆死させた他、500人をガレキの下に生き埋めにした。

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 Mustafa Saadoun 記者による2018-7-5記事「Islamic State awakens sleeper cells in Iraq's Kirkuk」。
     IS賛助集団が、イラク北部キルクーク一帯でスリーパーセルを徐々に再稼動させつつあり。

 集団はここ数ヶ月、キルクーク外郊で作戦している。次第にエスカレートし、市民を誘拐殺害するようになった。
  ※ISの「人質」がひょっこり顔を出しているのも、関係があるのかな。

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  Brendan Nicholson 記者による2018-7-7記事「P.W. Singer: Adapt Fast, or Fail」。
  シンクタンク研究員のピーター・シンガーの講演。これは次著の内容抄録になっているだろう。彼は『LikeWar』という、ソーシャルメディアそのものが武器となってしまう未来戦争について書いたものを、まもなく刊行する。
 ※このLikeは「いいね」のことか。

 シンガーの前著(共著)は『Ghost fleet』というSF戦記だった。

 蒸気エンジンが1820年代に、航空機が1920年代に、コンピュータが1980年代にやっている革新。
 今は、モノのインターネットやソーシャル・メディアが世の中を変えつつある。

 いまインターネットと90億個の「物」が結合している。
 しかしこれは五年のうちに二、三倍になるはずだ。

 全米に350万人のトラックドライバーがいる。トラック運転手は29の州において、いちばん人気がある職域である。しかしこれからドライバーが不要のロボットトラックが普及した暁には、この人たちの生活はどうなるのか?

 もしフェイスブックが米大統領選挙直前にアルゴリズムを変更すると、それがそのまま、異なった候補者が大統領になることにつながる。そんな時代になっている。

オワタワー。

   Admiral James Winnefeld Jr. (退役) と Captain Syed Ahmad (退役) 記者による2018-7記事「The Other Mine Warfare Will Work」。

 現在米海軍は、たった2つのタイプの機雷しか実装していない。
 ひとつは「クイックストライク」。これはありきたりの投下爆弾に、後付けのアタッチメントを取り付けることで、簡易沈底機雷にできるものだ。
 もうひとつは、SLMM=潜水艦発射式自走沈底機雷。

 どちらも浅海面でしか使えない。そしてどちらも真上を通過する艦船だけを攻撃することができる。

 以下、冷戦期以降、米艦が機雷にやられた事例。
 まず『サミュエル・B・ロバーツ(FFG-58)』が1988にイランの機雷にかかって半没。

 次に、『トリポリ(LHH-10)』と『プリンストン(CG-59)』が、1991の同じ日に、イラクの機雷にかかった。デザートストーム作戦中のことだ。どちらの艦も任務を中断するしかなくなっている。

 しかしもセントラルコマンドは、これで海からクウェートへ逆襲部隊を上陸させようというオプションを完全に放棄する気になった。けっきょく、上陸作戦するぞ、という陽動の宣伝だけがなされることになった。

 米軍はWWII中に1万2000個以上の機雷を撒いて日本の船舶650隻を沈めた。
 1972にはハイフォン港に機雷を撒くことによって、北ベトナム政府を和平協議に引っ張り出した。

 米海軍が現在この攻撃用機雷を等閑視している理由は、最新の機雷の整備を強く当路へ要求してくれる有力な〈パトロン〉が、米国内のどこにも存在しないためである。

 米海軍の将校たちは「機雷戦なんて弱小国が苦し紛れにやることさ」と馬鹿にする価値観に支配されている。

 さらに大問題。少なからぬ者が、米国による機雷敷設は国際法違反になる、と錯覚しているのである。

 明示的に、海洋での機雷の使用を規制している国際条約は、たったひとつだけである。
 すなわち、1907年の自発海中機雷の敷設に関するコンヴェンション。略称「ヘーグVIII」。
 ※これは、本格的且つ劇的な現代機雷戦となった日露戦争の生々しい心象の中で協議されている。

 同条約は、平時には適用されない。戦時および戦後に関して規則が定められている。かつまた、問題にされる機雷は、「触接発火式機雷」だけである。
 ※沈底していても艦船が近くを通過する時の磁場変化に感応して発火するような機雷はまだ存在していなかった。

 「ヘーグVIII」に言及されていない機雷の用法は、他の間接的に関係がありそうな国際法や慣習国際法から類推を及ぼして諸国が適宜に判定する。

 たとえば、ターゲットは商船なのか軍艦なのか。仕掛ける場所は領海なのか公海なのか。仕掛ける時期は平時なのか戦時なのか。仕掛ける理由は自衛のためなのか侵略のためなのか。これらの組み合わせ次第で、最新機雷の運用は、合法にもなり非合法にもなると考えられる。

 機雷はブロケイドのためにも用いられるであろう。
 ただしその場合、「従軍艦船」と「無辜船舶」を機雷の側から弁別できる能力が、求められるだろう。

 無辜の民間船の航路を遮断するためだけに機雷を仕掛けることは、「ヘーグVIII」も禁止しているのだ。

 また、平時に他国の領海内や公海中に機雷を敷設することは、禁じられている――と、おおむね、解釈されている。

 しかし米国の政策では、視発式など、活性化管制機雷に関しては、これを公海中に敷設しても合法だとする。
 ただし、無辜利用者による海洋利用がそれによって不当に妨害されてはならない。また、集団自衛や自衛の要件も満たされていなくてはならない。

 米空軍は、クイックストライクをスタンドオフ空域から投射して精密な機雷堰パターンで撒布できるような、有翼滑空型(GPS誘導)アタッチメントも開発している。

 われわれ米海軍は、中共との機雷戦に備えて、法律問題をクリアできる新しい「装置」を必要としている。これはセンサーを中核とし、それに爆発物をくくりつけたものになる。従来のクイックストライクのような、爆発物を中核として、そこに後からセンサーをくくりつけた簡易品とは、発想の次元が変わる。

 このセンサーは、通信ができなくてはならない。
 時々アンテナブイを浮上させて、双方向でデータをやりとりする。
  ※「単純化による対抗不能性追求」の発想が無いのか? この両名の想像力の限界。

 今の機雷よりも水深の大な海底にもしかけられること。

 高度センサー付き機雷が用意できれば、米海軍は友好ホスト国にいちいち断らずに、どしどし攻撃的に機雷を撒ける。

 また米本土に接続されている海底ケーブルを敵の破壊から防御するためにもこれらの機雷を使えるだろう。