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兵頭 二十八

世界でいちばん抜けたい儒教。

 Saagar Enjeti 記者による2016-12-1記事「Jim ‘Mad Dog’ Mattis Once Wrote A Letter On The Importance Of Reading, And It’s A Must Read」。
   マティスは2004に、忙しい将校たちのために軍事史の読書指南を書いてやっている。これは同僚から頼まれて書いたものだという。
 その内容……。

 忙しくて軍事史の本は読めないという若い将校は深刻な問題に直面するぞ。そういう者たちは、常にみずからその場で「体験学習」することしかできぬわけだ。
 もし、戦場でキミらの方が敵より未熟だったなならば、キミらは敗北し、その結果として死が与えられ、二度と体験学習のチャンスは来ない。
 読書だけが、他者の経験すべてを真剣勝負の前にさっさとぜんぶ自分のものにしてしまえる方法なのである。

 わたしは読書のおかげで、これまでの軍歴中いちども、問題の海の中に沈められて身動きできなくなったことがない。
 読書はすべての答えを教えてくれはしないが、今の苦難と暗闇が、あとどのくらい続いて終わるものかという見当を、キミたちにつけさせてくれるだろう。

 過去のアフガニスタンで帝政ロシア人や英帝国軍はどんな苦労をしていたか。これをスリムの本で読んでいたことがどれほど役に立ったか。

 ※マティスが英国留学したことがあるのかどうか知らないが、圧倒的に英国人から影響を受けていることがわかる。読書量を誇っているようだが、マインドセットは英国式の鋳型ではないか? このレベルの人物のセクデフ就任をいちばん喜ぶのは英国だろう。すくなくとも大統領へのつなぎ役にはなってくれるから。

 イラクに行くなら、第一次大戦中の英軍がアルクットで体験したことが書かれている『被包囲戦』という本が、野戦級指揮官の役に立つ。

 戦間期以降のイラクの建国については『ベイルートからエルサレムへ』や、T.E.ロレンスの『智恵の七柱』などから学べる。近代イラクをネイション・ビルドしたのは、ガートルード・ベルという英国の考古学者だったのだ。

 リデルハートがシャーマン将軍について書いた本、フラーがアレクサンドロスについて書いた本、すべてイラクで役に立った。
 アレクサンドロス大王の昔から、中東は何も変わっちゃいないんだ。

 われわれは中東で15年間戦争しているんじゃない。我々は中東で5000年間戦争をしてきたのだ。
 読書しなければそこが分からない。読書すれば5000年の経験はキミの武器となるのだ。

 将校は部隊にふりかかる危険を予察しなければならない。戦場には危険を知らせるサインがあるものだ。そのサインを感じ取る力は読書によって身につく。

 湾岸戦争でクウェートに行く前には、『ロンメル・ペーバーズ』、モンゴメリーの『アイズ・オフィサーズ』、グラント将軍が同僚指揮官とどう関係調整したかについて教えてくれている本を読んだ。

 ※WWII中の北阿戦線について1974頃に資料フッテージをふんだんに使って制作した英国のTVドキュメンタリーを先月、ケーブルで視聴したが、あらためて大発見したのは、ロンメルはPKのムーヴィカメラの前で「演技」していたってこと。絵になるように大げさに上半身を動かしてくれていたんだよ。さすがです。あと陸自のアフリカ派遣部隊は「私の中の寄生虫」シリーズは渡航前に必見でしょうね。早回しで。

 次。
 David Brunnstrom 記者による2016-12-2記事「British fighters to overfly South China Sea; carriers in Pacific after 2020」。
  駐米英国大使が明言。英空母が2020に南シナ海でFONOPをしようじゃないかと。

 10月に日本に4機やってきたタイフーンも、途中わざわざ南シナ海と東シナ海の上空を飛んで、中共に警告を与えていたのだという。

 2020には英空母は新鋭艦×2隻になる。

 ※英国はブルネイの防衛にコミットしているので、じつは太平洋国家でもある。中共は英空母が出てくる前にADIZを南シナ海に宣言したいところだろう。あとCSのケーブルTVで感心したのは、東部ニューギニアの部族が村はずれで余所者を「鳴弦」によって一回脅かしているシーンだった。まさに百聞は一見に如かず! つくづく思った。この2010年代にケーブルも衛星も視聴しない世帯が日本国内に7割もあるそうだが、腐れ政治家に投票したくなる有権者をつくる「奴隷蜂化ホルモン」はそのTV環境だと。現代人の最も無駄な一生は、地上波しか映らないテレビを与えられることからまず始まるのだ。ちなみに障害者施設等に関してはBS視聴料が無料になる制度があるようで、たとえば老人介護施設でもBS番組は見放題である。が、生涯の終末には、それがもはや救命の気付け薬にはなってくれない。

「読書余論」 2016年12月25日配信号 の 内容予告

▼陸軍戸山學校将校集会所pub.『銃劔術指導必携』S17-7
 竹槍の作り方は緒戦からもうマニュアル化されていた。

▼警視庁長官官房総務課『10年のあゆみ』S40
 「押し売り」は昭和30年からあらわれた。

 第一次ガンブームはS34から。ただしこれはホンモノの銃。
 S30まで、空気銃は日本では無規制だった。飛出ナイフも同様。

 本書の時点で国内にはハンドガンは枯渇した。それゆえ、S39から拳銃密輸が急増する。

▼警察研究会ed.『警察百科常識事典 一九五六年版』S30-12pub.
 警察昇進試験対策用の出版物らしい。

▼西ヶ谷徹『戦時独逸の警察』S19-1
 著者はS16からS17に独留学してきた
 ゲシュタポと親衛隊の関係について、分かる限り、書いてある。

 ゲシュタポは、政治警察を担当する国家機関であり、なんら「秘密」の警察ではない。
 しかし政治警察は内密捜査があたりまえだから、一般人は「秘密警察」と呼ぶのである。つまり日本の特高と同じだ。

 しかし日本の特高は、自由権の侵害はできない。ゲシュタポは、それができる。
 つまり日本では司法的に思想を統制するだけで済んでいるが、ドイツは行政的に一思想を押し付けるのでなくば分裂してしまうわけである(p.54)。

▼国家地方警察本部総務部企画課ed.『国家地方警察統計書』第一回(S23)~第四回

▼高橋雄豺『新しい刑事警察』S24-7
 これからはアメリカ流に、写真や指紋やコンピュータを使うのだぞという話。※戦前は科学的な鑑識がいかに重視されていなかったか。

▼渡部英喜『漢詩百人一首』1995-4 新潮選書

▼団藤重光『死刑廃止論』1991-11
 巻末に、M6から1991までの日本の死刑執行人数表あり。S35には39人も吊るしていた。

▼森永種夫『流人と非人』1993-7
 長崎の流刑地は五島。
 元禄13年に鍋島家の家来が長崎奉行代官の下人に報復の討ち入りをした大事件。これが赤穂浪士に影響を与えたはずだという。

▼樋口秀雄『新装 江戸の犯科帳』1995-4
 江戸時代の裁判では、とにかくその者の身分が相当におもんじられた。

 旅人、旅籠屋、飯もり女や人足を管轄したのは、道中奉行。

 代官というのは1人で5万石くらいを支配する。全国で450人くらいいた。勘定奉行がボス。役所を陣屋といった。
 10万石ぐらい支配するのは「郡代」。

 悪事をしたせがれを、親が手にかけた場合は、無罪。しかし、親が人に頼んで殺させたときは、頼まれた者は有罪。

 慶安の変については一等史料はほとんどなし。だから実録本をよりどころに話をこしらえるしかない。

▼石井良助『人殺・密通その他』S46-8

▼渡辺一夫『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか――樹木の個性と生き残り戦略』2009-10
 競合生物との戦いが熾烈で多角的な環境では、常にハイペースで遺伝子を発達させねばならないので、有性生殖樹が増える。
 他生物は大したことがないが、乾燥、寒冷、貧栄養、撹乱の常襲地では、無性生殖が多くなる。

 今から2万年前、気温は7度低かった。森林限界も1000m低かった。
 大井川から南アルプスの稜線まで、製紙会社の私有林。1社所有としては日本最大。

 欧州森林に多様性が乏しいのは、氷河期の絶滅のため。
 日本列島には氷河期でもいろいろ「逃げ場」があった。

 今から7000年前の縄文時代、気温は3度弱、高かった。
 そのため九州では、亜高山針葉樹は絶滅した。

▼松山&山本・共著『木の実の文化誌』1992-9
 商・周の時代、黄河地方の気温が高く、梅が栽培されていた。
 しかし気候は寒冷化し、唐宋以降、北支では絶滅。淮河より南。
 淮河より北では杏が分布する。

 フィンランドにはセイヨウナナカマドが生える。6月に開花し、晩夏から実をつける。これは、マーマレードやジャムにすれば人間も食べられる。
 ※日本のナナカマドの実は、人間はどうにも食べられない。改良すべきではないか?

▼渡部英喜『漢詩歳時記』1992-6
 楚辞には梅は出てこない。万葉集には菊は出てこない。

 漢代に寒食節という風習あり。旧暦の2月ま末頃。いちにちじゅう、火を使わない。よって冷たいものしか食べられない。
 日本の「お節料理」のルーツはここにあるともいう。

▼中央史壇特別号『国史上疑問の人物』?年pub.
 慶安事件はなにもかもが曖昧。油井正雪の名からして、確かなことがわからない。油井とも由比とも書く。正雪も初めは松雪と書いたのを、憚るところあって正雪に改めたという。

 坪内逍遥いわく。酒呑童子の話や百合若物語は、ギリシャ古典のオデュッセウスのストーリーがポルトガル人の口から日本に定着したものだ。
 金太郎の話はバッカス伝説が元なのではないかと坪内は強く疑う。

▼川田稔『原敬と山県有朋』1998-10
 原敬だけが、日本の生存にとって対米関係がいちばん大事だと考えていた。
 大正5年の大隈内閣のシナ内乱干渉方針に対し、原だけは、それは内政干渉だという反対論。そんな策動をしたら排日気運を全支に蔓延させるだけであるのがわからないのかと。

 寺内内閣は兵器借款もあわせて1億7700万円を無担保で段祺瑞に貸し、ぜんぶ不良債権になった。回収できず。

▼村上哲見『漢詩と日本人』1994-12
 『本朝高僧伝』には鎌倉~南北朝の僧侶469人を載せているが、宋または元に遊学した人が93人含まれている。名の通った僧侶の5人の1人はシナ帰りだったのだ。遊学ではなく、宋・元から渡来して帰化した僧侶は18人いた。

▼『ビッグマンスペシャル 連合艦隊 日米開戦編』1998 世界文化社pub.  60~61ページに、未来戦記の一覧年表あり、有益。

 大14に、H・C・バイウォーターの『日米関係未来記・太平洋戦争』。これが、最も正確に日米戦争の経緯を予言した。
 外れた予言。劈頭まずフィリピンにつながる海底ケーブルが切断され、また爆薬満載の日本商船によりパナマ運河は粉砕されること。

 1934に石油業法が成立する。各石油会社は、前年1年間の原油、重油、揮発油の総輸入量の半分、つまり半年分を、常時貯油しなければならないとした。

▼冨澤繁信『「南京事件」発展史』H19-1
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。

 電子書籍ソフト対応の「一括集成版」もできました。詳細は「武道通信」で。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。

マティスはイラクで捕虜をとったときには私服を全部焼かせた。便衣で逃亡させぬ用心として。

 Ben Wermeling 記者による2016-11-29記事「Japan's New Missile and the Future of U.S.-Japan Defense Relations」。
    8月に防衛省が計画。地対艦ミサイルの射程を2023年までに300kmに伸ばす。
 宮古島諸島や八重山諸島に展開すれば、尖閣に近づくシナ船はぜんぶ射程に収まる。
 日本はすでに射程200kmの地対艦ミサイルを南西諸島に配備している。

 ※この修士になりたての若い記者さんのソースがどこなのかは謎だが、正確な射程を公表していない我が国産SSMの最新バージョンの射程が200kmあったとしても、われわれは驚かない。そして、魚釣島から西表島までは89海里=165km、魚釣島から下地島まででも180kmなので、もし射程200kmあるならば、既にもう届いているわけ。

 射程300kmの地対艦ミサイルが導入されれば、もう米軍が尖閣を守る必要はない。自衛隊だけで対処ができる。

白色のLED自動車ヘッドランプは、ビームの上半分がナトリウム燈色になるようにし、対向車幻惑を抑制すべきではなかろうか?

  Andrew deGrandpre 記者による2016-11-27記事「Donald Trump could tap this tough-talking general to secure America's borders」。
   45年の軍歴があるジョン・ケリーは海兵隊大将を昨冬に退役した。最後の三年間は、グァンタナモの囚禁施設の長であった。閉鎖方針のオバマには反対する立場だった。だから共和党内に支持者がいる。

 もちろんケリー大将はホワイトハウスの命令にしたがって、閉鎖の準備を進めていた。南方軍司令官だったので。

 ケリー大将の主張。この囚徒らは戦争捕虜=prisonersではない。行政的拘禁者=detaineesである。

 こやつらはひとりのこらず戦地から連行してきた。ひとりひとりに調書一冊が付属しており、悪事を為したことは疑えないのである。

 いま66歳のケリーは、次期トランプ政権では、本土防衛庁長官、または国務長官に擬されている。

 イラクのアンバル県で2年間、部隊を率いてスンニ派ゲリラと戦闘した経験ももつ。ラテンアメリカにもとても詳しい。そしてオバマ大統領のお稚児さんではなかったところが、トランプからは高く買われる。

 ケリー大将の息子、海兵中尉だったロバートは、6年前にアフガニスタンで戦死している。

 マティス海兵大将は、オバマのイラン政策に大反対だった。
 マティスとケリーが定年前に除隊させられたのは、オバマの不興を買ったからだ。

 共和党で連邦下院軍事委員会に属するダンカン・ハンター議員は、元海兵隊将校で、ケリーの下でイラクで戦闘していた。

 サウスコマンド司令官としてケリー大将は、米国務省の高官たちよりも、ラ米の指導者層とは良い関係を構築していたという。

 具体的には、ホンデュラス、グァテマラ、エルサルヴァドールという、人口当たりの人殺し率が世界最高水準の3ヵ国に対して、2014後半から2015前半にかけて10億ドル近い投資が米国からなされた。その蔭の斡旋人は、ケリー大将だったという。

 ラ米を根源とする国際的組織犯罪こそは米国社会にとっての重大脅威なんだというのが、ケリー大将の認識。

 ISに加盟した南米のイスラム団体が、各種密輸ルートを使って米本土に浸透しようとしているのだともいう。

 ケリーは遊び半分の薬物濫用には大反対。
 マリワナ合法化には反対。それはヘロイン、覚醒剤、コカインの撲滅運動を不可能にしてしまうから。
 エルサルバドルやコロムビアの街角を観察していたら、これは断言できることなのだ。マリワナは、ヘヴィードラッグへの最短経路に他ならないのだ。

 ボストン育ちのケリー大将は、典型的なニューイングランド男の発音で話す。
 2015に統合参謀本部議長になったジョセフ・ダンフォード海兵大将とは、親友である

 1970年代前半、ケリーは大学に2年間通学していたがまだ下士官だった。そこから少尉に進んだので、彼は兵隊の生活も知っている。
 1971年の時点でケリーは20歳の歩兵下士官にすぎず、初任地はグァンタナモであった。

 ケリー司令官は人権擁護団体をグァンタナモの中に招じ入れて、そこでは非人道行為は起きていないことを確かめさせている。またケリーはワシントンにあるホロコースト博物館の見学を部下全員に強制し、お前らが権力を濫用すればこうなるんだぞ、といましめていた。

 ハンター議員はグァンタナモの維持を支持する。IEDを作っていたような連中を遇するのにここよりも適切な施設はないだろう、と。

 ゲイツが国防長官だったとき、ケリーは4ヶ月間、そのアドバイザーだった。
 失敗の可能性が高いヘリ急襲ではなく、安全なB-2からの2000ポンド爆弾でビンラディンを爆殺しちまうのがいいんだと考えていたゲイツを翻意させたのは、マイク・ヴィッカースとマイケル・フローノイの2人だったとゲイツが証言する。その2人をゲイツのオフィスに連れてきたのはジョン・ケリーであった。

 オバマによってケリーがサザンコマンドの司令官に据えられたのは2012のこと。

 不法移民問題のピークは2014。メキシコ国境から女子供とともに麻薬が大量に米国内へ入ってきた。

 ケリーは断言した。コカインの多くと、ヘロインの全量は、メキシコ国境から入って来ている。
 メキシコ領で製造されている覚醒剤は、南西国境から入ってくる。

マクファーランドはワインバーガー国防長官の上級スピーチライターだった。

 「China successfully fires radical 300+ mile range hypersonic missile that would put key parts of US air operations at risk」という記事。

  2016-11に中共の「J-16」機から射程300km以上の超音速空対空ミサイルが発射され、標的に当たったという。

 このAAMは全長22mの「J-16」戦闘攻撃機の28%くらいの長さ。だから19フィートだと推定される。
 直径は13インチくらいだ。
 4枚のテイル・フィンが見える。

 300kmとは186マイルである。
 ロシアの「R-37」空対空ミサイルは、249マイル飛ぶ。「R-37」は全長13.8フィート、径15インチである。

 飛翔速度はマッハ6だという。※あんまり速いとコーンが溶けちゃうんですけど……。いっぺんで話の信憑性が怪しくなった。

 ノーズにはAESAレーダーの他、赤外線シーカーもついている。

 長すぎて「殲20」の弾倉には収まらないが、先行する「殲20」からキューを出して、後方から「J-16」がこのミサイルを発射し、日米のAWACSやタンカー等の、低速・鈍重ながらも大型な高価値目標を殺す。そうした用法に特化しているのかもしれない。

カナダはF-35ではなくスーパーホーネットを採用しそうだ。

 Tim Kelly and Nobuhiro Kubo 記者による2016-1125記事「Japan's MHI U.S. Army vehicle suspension may mark milestone for defense exports」。
  三菱重工がブラドリーMICVの新サスペンションを提供することになった。
 英国BAEシステムズが提案し、三菱が乗った。BAEの主工場は米国内にある。

 米陸軍はもっか6000両前後のブラドリーを使っているが、そろそろ次の世代のMICVに更新せねばならぬ。そのため、BAE社と、ライバルのGD社に新車の提案書を出すよう求めている。

 この他、三菱重工が有しているウォータージェットおよびAFV用のトランスミッション技術が、水陸両用装甲車に使えるのではないかと、某外国メーカーでは関心を寄せている。

青魚を食べると物覚えが良くなるんですよ、ホラあの、DHナントカっていう…… by うちのやまのかみ

 Dana Priest 記者による2016-11-23記事「The Disruptive Career of Michael Flynn, Trump’s National-Security Adviser」。

   2008年、マイケル・マレン提督が統合参謀本部議長だったとき、マイケル・フリンは少将で統参の情報筆頭幕僚だった。

 その当時、記者はフリンからブラックベリー(防諜スマホ)の画面を見せてもらったことがある。パキスタン北西部の出来事についての最新の「日報」が着信していた。そこは日常的に、火器を用いた私闘、一家対一家の仇敵行動、復讐殺人が起きている地域なのだということだけが呑み込めた。

 フリンはロードアイランドの気丈なアイリッシュの息子で、したがってカトリックである。

 彼は部下には常に、ブリーフィングの場で俺に挑戦しろ、と促している。じっさい、「ボス、それはとんでもない間違いです」と平気で進言できる。
 フリンがブリーフィングルームに入ってくると、迎える将校たちの面に喜色があらわれる。そういうキャラクターなのだ。

 彼は阿呆くさいと思った規則は踏みにじる。イラクの某CIA拠点へ助っ人で出ていたとき、その防備住宅から出る場合はいちいちヴァジニア州のCIA本部からの許可が必要だというきまりを無視してずんずん外出していた。

 彼はペンタゴンのオフィスとはインターネットで直結しておくよう、部下の専門技術兵に工事させている。これも禁止されていたことだった。

 秘密の情報を上司の許可なくNATOの同僚に見せたこともあった。この一件は査問にかけられ、フリンは警告を受けている。

 上司のマレンに回されるペーパーの余白に「こんなものはクソだ!」と書きなぐることもあった。

 フリンの現役中の最大の功績は、統合特殊作戦コマンドによるテロリスト殺害作戦の流儀を変えたこと。
 フリンの師匠であるマクリスタルが、フリンにJSOCを改革させた。

 細かい情報を山のようにつなぎあわせて、フリンは発見した。アルカイダとはヒエラルキーがある統制された単一のテロ組織ではなく、いくつもの小細胞がダイナミックに連合した合体アメーバだと。

 米軍が、テロリストの小グループの集まりや、そのアジトを、頻繁なペースで深夜に機動的に急襲できるようになったのは、マクリスタルとフリンの組織改革、すなわち携帯電話傍受等による情報解析を作戦に直結させ、その作戦の過程でまた有益情報を蒐集確保するというサイクル確立の、おかげなのである。
 詳しくは、記者の既著『トップ・シークレット・アメリカ』を読んでくれ。
 マクリスタルは2003にJSOCの長になった。
 そのマクリスタルが、情報解析幕僚としてフリンを手元に呼び寄せた。
 マクリスタルは、陸軍組織内に波風を立てるフリンを十全に庇護してやった。だからフリンの才覚が活かされた。
 2007にフリンはJSOCを離れた。彼はそこに3年いたわけだ。

 彼はシールズの「チーム6」やデルタフォースの夜間急襲隊員たちが、負傷してヘリで帰営する姿を幾度も見ている。
 その3年間、彼は土日なしに連日20時間働き、息子の結婚式があったときにすら休暇は取らなかった。

 2012にフリンはDIA長官になった。世界中の駐在武官と軍事諜報の報告が、そこに集められる。

 フリンの同僚たちの証言によると、フリンと仕事をするときに困るのは、フリンはある方針を突然にガラリと変えることであると。彼の中で物事の優先順位が刻々に変化するのだ。それにふりまわされる側になるのは、快適な仕事だとはいえない。

 フリンは間違った話を自信満々に語ることがある。「アフリカ人は携帯電話の新製品の四分の三を買っている」だとか、「イランは過去にアルカイダよりも多数のアメリカ人を殺した」、だとか。
 またフリンは、人前で、誰彼の悪口を言う癖がある。

 DIAは17000人弱の組織だが、フリンはこの組織を完全に掌握できなかった。逆に組織が彼をバリアで囲い込み、彼の改革を阻止した。
 フリンは18ヶ月、DIA長官をやったところで、上司のジェイムズ・クラッパー(国家情報総局長)から引導をわたされた。
 そのときクラッパーは、後任が決まるまであと9ヶ月、居てもいいぞ、と言った。フリンは嚇怒したという。

 こうしてフリンは政府の人間ではなくなった。
 彼はネオコンの外交批評家と共著で、テロの撃退について語る本を出した。

 イスラムは宗教ではない。ユダヤ=キリスト教文明を破壊するための政治イデオロギーである、と彼はその中で論じた。

 それからフリンは、自分が馘になったのはオバマがテロリズムに関する自分の見解に不同意であり、かつまたISの伸長を世の中から隠したいためだった、と語るようになった。

 だが記者は現役中のフリンからそのような発言を聞いたことはないし、そのような発言を聞いたというインサイダーにも会ったことはない。
 そこで記者がフリンに直接問いただしたところでは、オバマの考えについての証拠は一切ないそうで、ただ、それが彼の感じていることであるらしい。

 フリンの発言暴走を、マクリスタルもマレンも止めて欲しいと思っている。

 フリンは民主党政権の「腐敗」に怒っている。クリントン、メディア、司法省、情報コミュニティ。すべて腐っていると。※司法長官はビル・クリントンとツーカーのド腐れだが俺たちは違うよというのが組織としてのFBIの投票前の世間への意思表明だったのだろう。この司法長官をオバマが即座にクビにしなかったことで白人の怒りが沸騰し、ヒラリーは負けた。

 フリンは、ヒラリーは刑務所に入るべきだと思っている。

 次。
 Ralph Jennings 記者による2016-11-23記事「Oil Becoming Code for Sovereignty in Contested South China Sea」。
  台湾人学者の見立てによると、南シナ海で海底掘削競争が展開されているのは、有望なガスや石油があるからではない。その行為によって領海主権を主張したいのだ。

 中共は2016-10月に、支比で合同で化石燃料を探査しようともちかけた。
 1976年にパラワン島沖の海底からガスが掘り出された。すると中共は文句をつけ、その開発プロジェクトを止めさせた。

 その海域こそ、リード・バンク(Reed Bank)と呼ばれるパラワン沖のスプラトリー暗礁なのだ。

 1984にはフィリピンの会社が同じ海域で原油を掘り当て、比島の石油消費量の15%が生産されている。

 米国のエネルギー情報局のみつもりでは、南シナ海の地下には、110億バレルの原油と、190兆立方フィートの天然ガスがあるだろう。

 これにくらべて、サウジの埋蔵原油は2680億バレル、イラクには1440億バレルあると見積もられている。すなわち南シナ海の資源量は、まったく大したことがない。またロシアの天然ガス埋蔵量は、5京85兆立方フィートで、やはり桁が二つ違う。

 マレーシアの地下資源は、50億バレルの原油と、80兆立方フィートの天然ガスである。

 次。
 Sig Christenson 記者による2016-11-24記事「Decisive and profane, Mattis seen as the pure warrior」。
  マティスは2003のイラク占領作戦中、バグダッドへの前進がモタついている隷下部隊長を解任したことがある。

 2005年に加州のNBC系のテレビ討論会でマティスは、「アフガンの男たちは女をどこでも殴り放題だ。屑どもだよ。だから奴らを撃ち殺しまくるのは、マヂで愉快だ」と語った。

 空軍参謀長を勤めて退役したウェルシュ大将の証言。ああいうのを「修道士戦士」というのだ。勉強家だからね。
 別な退役海兵中将の証言。マティスはクラウゼヴィッツの『戦争論』をいつもラックサックに入れてたよ、と。

 ある海兵尉官が2001年後半の寒い晩にアフガニスタンの外哨線を巡察したら、2人用の塹壕に3人いるのが目についた。歩哨の軍曹および上等兵と話し込んでいたのは、部隊長のマティスであったという。

 トランプはマティスに、水責め拷問についてどう思う、と訊いた。
 マティスいわく。驚きました。わたしは拷問が有効だったためしを知りませんのでね。タバコ1箱、そして缶ビール2つ。それだけあれば、拷問するよりも有益な情報を、私が捕虜から聞きだしてみせます。

トランプは任意の諸国に対する随時の「加罰権」を我が手にしていたい。だから2国間であっても包括貿易協定には反対するはず。

 Ashish Kumar Sen 記者による2016-11-23記事「TPP: A National Security Issue」。
  過去20年、議論されてきた。90年代から、米国の仕事はシナに奪われたと。そして今はベトナムやバングラデシュに工場が集中しつつある。

 米国の生産額は有史未曾聞である。しかし失業者は増えている。これは生産過程がオートメ化されていることによる。

 ロボット+人工知能。
 この趨勢からして、今から10年後には、もうトラック・ドライバーとかタクシー・ドライバーという職業は消えているだろう。

 21世紀の人間の労働は何をしたらいいんだ? これを考えるのが国家指導者。
 そのためにはどんな教育制度が必要なんだ?

 ※この記事は、人々が生涯学習して老年までテクノロジー革命に対応せよといいたいらしい。アタマ悪いんじゃねえの? 狼煙信号しか理解できない老人でもタブレット端末を安全に使いこなせるような「ソフト」を開発してやるしかねえんだよ。知能機械の進化速度は加速するんだから、今の若いスマホユーザーの何割かも10年後には新機種について行けず脱落しているだろう。人間の脳は一回性の記憶装置なんだから再教育は無理。国家が安全便利な老人支援ソフトを民間にどんどん発注して普及させてやるのが王道。それが技術のセフティネット。自動車業界は分かっている。他の業界はわかってねえ。

 他の国々がTPPに署名した理由は、米国マーケットにアクセスするためだ。その米国が離脱したTPPに、いったい何の意味があろうか。

 署名国GDPのうち、日本と米国だけで、85%を占める。
 日本側は代案として日米自由貿易協定を呼びかけている。
 2国間の包括合意にしようというのだ。

 ※トランプはこの提案には乗ってこない。トランプはユニラテラルに経済制裁を自由自在に発動したいから。自分の一手に「対日懲罰権」を握っていたい。だから任期中にTPPに入らないことはもちろんのこと、米日包括協定にも興味は示さない。こまごました、個々のイシュー毎に日本を責めたいはずだ。

 中共は、人々が富む前に全員老齢化してしまう、世界で最初の国になる。

 自動車産業は国際サプライチェーンと切り離せなくなっており、それはトランプにもどうにもできない。
 もしNAFTAを解消しようとすれば、自動車だけでなくIT分野でも米国が返り血を浴びる。

 次。
 GREG JAFFE 記者による2016-11-23記事「As generals meet with Trump, they very likely will hold to fixed views」。
  トランプは、NYCのタワーや、NJに持っているゴルフコースで、たてつづけに6人の四ツ星退役将軍たちと面談している。

 トランプはNYCの軍事高校出身だが、みずからは、何度も徴兵猶予の恩典にあずかってきた。

 アフガニスタンとイラクの15年戦争を体験している将軍たちは、トランプが重役室で面談していたビジネスマンたちとは、別種の人間だ。トランプは、すっかりプロ軍人たちに魅了されている。
 しかし9月には、ISについては将軍たちよりよく知っていると断言したものだが……。

 トランプが讃えるのは、パットンやマッカーサー。
 パーシング将軍の伝説も気に入っている。
 すなわち、パーシングが若いとき、1900年代初め、比島で、イスラムゲリラ〔モロ族?〕を討伐した。部下に命じ、50発の銃弾を豚の血に浸し、それでゲリラ49人を殺させ、1人は仲間への報告者として放還してやった、というもの。

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 Jim Grant 記者による2016-11-23記事「Special Operators Want a New Sniper Rifle in This Rare Caliber」。
  軍隊が、非制式弾薬を民間市場から調達した場合、そのタマは「ワイルドキャット」と呼ばれる。
 といっても、じつは5.56ミリNATO弾も、もともとは、害獣駆除用の「.222 レミントン・マグナム」という実包だった。

 狙撃手の従来の選択。「7.62×51」か、12.7ミリか、「.300 ウィンチェスター・マグナム」か。

 「.338ラプア・マグナム」は1980年代前半に登場し、中東の沙漠と山岳に最適だとすぐ大評判に。
 しかし某インサイダー情報だと、この弾薬でも、1800ヤード以遠では、人を1発では倒せなくなるのだそうだ。
 尤も、プロなら知っている。そんな距離での狙撃は、けっきょくは まぐれ当たりしか期待できないんだと。

 それを聞いて納得できるのが、米軍特殊コマンドが新採用した「先進狙撃銃」の使用実包が「.300ノーマ・マグナム」だというニュースだろう。
 この弾薬は、ラプアマグナムより「弾道係数」が良好なのだという。

 「.300」といってもタマの直径は「.308」実包と同じだ。

 テストデータでは、プロ射手が20発撃って、1100ヤード先で、4インチ円内に収束したという。
 すなわち10.2センチの円内ということは、頭部だけ露出している敵の哨兵や戦車兵を射殺できることを意味する。
 あるいはまた、「住民の盾」を素通りさせやすい。

 ちなみに1100ヤード先だと、弾丸は3秒後に着弾するのだ。

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 マッドドッグ・マティスのお気に入りという軍事史学者、Hew Strachan 氏についてのウィキ情報。

 スコットランド生まれの67歳。
 第一次世界大戦に詳しい第一人者。
 聖アンドリューズ大学で教壇に立つほか、地元軍隊にもかかわっている。

 サンドハースト軍事大学校でも教えた。
 昔から英陸軍史を書きまくって公刊している。

 オクスフォード大学出版会からWWIのシリーズ本が出たとき、彼は1巻から3巻まで執筆した。これで筆名が確立され、WWIの権威となる。

 2004の1冊本は、英国でテレビドキュメンタリーシリーズになった。

 彼は、2004年から2015年の間に戦争の性格はどう変わったかというオクスフォードの歴史考察企画の総監督である。戦略問題について、いくつも書いている。

 「空威研」センターというのが空軍にあり、そこの顧問委員。
 ノルウェーの空軍士官学校でも教えている。
 オクスフォード教授の退任は2015。

 2014-1に彼は『デイリー・ビースト』に語った。
 オバマはアフガニスタンとシリアで失敗していると。
 それを見る限り、オバマには軍事戦略が慢性的に欠落していると。

 前任者のブッシュは、奇妙な政治目的を追求していたが、彼なりに、世界をどうしたいのかのビジョンがあった。オバマには、そのセンスがないのだ。世界をどうしたいのかが、分かっていない。

 ナイトに叙爵されたのは2013年。
 ケンブリッヂ大にも将校訓練コースがあり、それについて1976年に1冊書いている。
 ウェリントンの遺産としての英陸軍改革について、1984に1冊書いている。 ワーテルローからダーダネルスまでの英軍史も。

 オクスフォードにおける軍事生活という本を2002年に出している。
 2012には、『降参の歴史』(A History of Surrender)を刊行。※これは読みたい。

 2013には、戦争指導についての歴史的概観という本。

トランプちゃんの両目周りの「白隈」を写真上で黒く塗りつぶすと、不思議や、青年時の面影が復活する! ぜんぜん怖くねえ。

 Robert Chesney 記者による2016-11-22記事「Trump Will Need a New Law to Put Mattis Back in the Pentagon」。
  1947年の国家安全保障法の定め。「10 U.S. Code section 113(a)」によれば、米軍の現役将校であった者が国防長官に任命されるためには、除隊後7年以上が経過していなくてはならない。
 ちなみに2008年の改訂までは、そのインターバル期間は10年だった。

 マティスが退役したのは2013-5のこと。だから法令に従えば、彼は2020-5まではセクデフには就任ができない。

 議会がウェイヴァー(規則適用解除)を認めれば、話は変わってしまう。

 だが記者のみるところ、マティスをセクデフにするためには、マティスに関する特別立法が必要だ。

 今のレイムダック議会がそんなことをするか? だとしたら、来年の新議会がそれをしなければならない。1月20日には間に合わぬ。

 1950年9月、トルーマン大統領は、ジョージ・マーシャルをセクデフに据えるために、議会に特別立法を依頼している。
 これは可決されたが、但し書きが付けられた。マーシャルのセクデフ辞任後は、これを前例としてはならないと。すなわち法の精神としてはそもそもプロ軍人はこのポストに就いてはいかんのだと。
 ※1950時点でもマックの扱いが政権の頭痛のタネだった。マックを権威によって慴伏させられる人物は、陸軍で唯一先任者であるマーシャルしかいなかった。

 1950の付加条件は、今の議会に特別法を許さないという効力までは持っていない。
 しかしこのウェイヴァーは簡単な話じゃない。軍民関係はどうあるべきかの本格討議が両院で必要だ。短時間ではできない。

 トランプが本気なら、いますぐに議会多数派リーダーのマコネルと下院議長のライアンには根回しをせねばならぬし、とうぜん、オバマにも頼み込まねばならない。
 ※この記事には法文の全文が添えられている。とても有益。

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 DAN LAMOTHE 記者による2016-11-22記事「Naming Mattis as Pentagon chief would break with 65 years of US history」。
  マーシャルは1947から1949の間、国務長官だった。
 そして1950から1951までは国防長官になった。

 マティスは66歳。

 議会では、マケインはマティスを支持するとは思えない。民主党のフロヌイ議員は、もしヒラリー政権ができていたらセクデフに起用されたろうと言われている人材だが、やはり反対するだろう。

 退役将校が7年間就任できないのは、セクデフだけではない。国防省の高位ポストすべてである。

 1947国家安全保障法では、退役後10年としていた。それを2008議会が7年に短縮した。

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 Thomas E. Ricks 記者による2016-11-21記事「Mattis as defense secretary: What it means for us, for the military, and for Trump」。
   マッドドッグ・マティスことジェームズ・マティスが現役海兵将軍だったとき、イラクで彼は部下に訓示した。
 「鄭重に振る舞え。プロフェッショナルであれ。しかし、目の前のイラク人が敵だった場合にはすぐに殺せるように頭の中で計算しておれ」。

 またイラク人を前にしてこんな演説もした。「ここには砲兵隊は連れてこなかった。しかし、小官は涙ながらに告白せねばならぬ。諸君らがもし俺を奇襲(fuck with me)しようものなら、全員殺す」。

 トランプは部下には絶対の忠誠を要求する。マティスが国防長官になったら、果たしてそれはできるだろうか?

 マティスは、イラクに派遣される海兵将校は事前に必ずこれを読んで研究しておけという書籍のリストを2004年に示達している。マティスのお気に入りの著者は、Sir Hew Strachan である。
 マティスは深く思索する読書家であるから、「パワーポイント」を使ったペンタゴン内のプレゼンには嫌悪感を隠さない。パワポ依存は将校を愚昧化してしまうと信じている。

 マティスは、「アメリカは世界に関与し続けなければならない」という主義なので、孤立主義志向のトランプとは信念が相容れないはずだ。

 マティスは国の予算に関しては保守的。一方で大軍拡して一方で減税するなんて、うまく行きっこないと思っている。

 マティスは概して常識人である。陸軍砲兵大隊長のアレン・ウェスト中佐が、訊問中の捕虜の耳元で拳銃を発射した事件があった。これについてマティスは書いている。この大隊長はモラルのバランスを崩したか、ハリウッド映画の観過ぎかの、どちらかである、と。
 なおウェスト中佐は退役後にフロリダ選出連邦下院議員を1期務め、今はフォックス・ニュースのコメンテイターだ。

 過去に元将軍が国防長官になったケースがひとつだけある。ジョージ・マーシャル元帥だ。マーシャルはWWIでフランスに遠征したときを除くと、最前線で部隊を指揮した軍人ではなかった。
 WWIIでは彼は陸軍参謀本部の代表としてホワイトハウスと合議ばかりしていた。ただしFDRとは2回、激しく対立したことがある。その1回目はまだ准将だったときだ。FDRはマーシャルを元帥〔英語では元帥もマーシャル〕にしてやっている。※マーシャルは軍隊の飯の数ではマッカーサーより上。それが昇進でマッカーサーよりも遅くなっては、参謀総長なんかやっていられない。だからマッカーサーを馘にできない以上、マーシャルの方を急いで昇進させたのは行政として当然の話で、贔屓でもなんでもない。

 もしマティスがセクデフになると、統合参謀本部議長もセントコム司令官も皆海兵隊ラインだし、陸軍省にとっては不遇の年月が始まるだろう。しばらくはじっと身を潜めるしかあるまい。

 統合参謀本部議長のダンフォード大将はしかし困惑するかも。だって、2005年に彼はマティスの部下だったのだ。イラクで。

 マティスは、オバマが昇進させた将軍たちを信用しないだろう。ダンフォードはトランプには直接意見具申ができなくされるだろう。

 安全保障担当補佐官のフリンもやりにくいだろう。退役したとき、フリンは三ツ星中将だった。しかるにマティスは四ツ星大将なのだ。教養面でもマティスがフリンより上だから、マティスはトランプ政権内でフリンを抑制できる地位を手にするだろう。

 マティスは将校にも兵隊にも人気がある。それはチャック・ノリス的な人気である。

 マティスは、国防長官としてのロバート・ゲイツを、ひとつの手本だと看做している。

 他方、デヴィッド・ペトレイアスが国務長官になるかもしれないともいわれている。もしもそれが実現すれば、オバマ政権が追放した三ツ星中将を、トランプが再起用するわけである。

安倍総理はおそらく低インパクトの秘密複数を意図的に伝達した。それがトランプの家族からどのように漏れるか、現政権はトラックしたいのだ。

 ROBERT BURNS記者による2016-11-18記事「Flynn: Outspoken general, intelligence pro, Trump supporter」。

  フリンは陸軍中将で、他とは違った考え方をする。
 2014の退役直後にオバマ政権を批判した。テロに手緩いと。
 IS撲滅のためにはモスクワと協働せねばダメだとの考えの持ち主。
 また、イラン核合意はご破算にするべきだとも言っている。再交渉が必要だと。

 2016-8にダラスの「アメリカのための行動」という反イスラム団体の集会でフリンは、「イスラムとは『政治イデオロギー』である。ただ、それが宗教を隠れ蓑にしているのだ」と演説した。

 トルコのエルドアンに対してはフリンは支持。むしろペンシルベニアに住んでいる反政府トルコ人教祖をアメリカ政府は追い出すべきだと『ザ・ヒル』に、選挙前に寄稿している。

 フリンは2015にモスクワに旅行して、国策TV宣伝社のRTから大歓待を受けている。もちろんプーチンにも会った。
 自費で旅行したんだと説明しているが、ロシアの宣伝に奉仕したのは事実である。

 こんな調子だからトランプがフリンをセクデフにしようとしても議会が承認するわけがない。よってトランプは、議会承認の不要な安全保障首席補佐官にフリンを据える。

 フリンは2016-12に58歳になる。ロードアイランド州出身。
 大学もロードアイランド大学。経営科学専攻。
 統合参謀本部の情報部長をやったこともあるし、2009~2010のアフガニスタンでの多国籍軍の先任情報幕僚だったこともある。

 2010-1にフリンは、「新アメリカ安全保障センター」というシンクタンクから批評文を公表。アフガニスタンにおける米国の情報システムを批判した。

 2014-4にDIA長官を辞めさせられるときに、彼はその理由は彼がオバマ政権の対テロ方針に不同意だからだと認めた。
 フリンの批判者は言う。フリンはDIAの機構を変えようとし、部内から抵抗されたのである、と。

 トランプを応援するため2016-7の共和党大会に顔を出したのはプロ軍人の慣行を破るものだった。
 尤も、退役海兵隊将軍のジョン・アレンも、民主党大会で演説している。彼はヒラリーを支援した。
 すでに退役しているデンプシー将軍は、WP紙に寄稿して、元将官たちが政党の選挙集会になど出かけるべきではないと難じた。

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 ストラテジーペイジの2016-11-18記事。
   制裁が解けてイランはウハウハ。輸出量が、2012いらいなかった「日量200万バレル」に回復してきた。これは2015年の2倍である。
 生産量は、いまや380万バレル/日である。
 この調子なら、年8%のGDP成長を望めるだろう。

 しかし西側企業による対イラン投資はまだ及び腰だ。いつまた再制裁になるか分からんので。

 エジプトは2011いらい、サウジから年に50億ドルめぐんでもらっている。

 イスラエルは、イランが核兵器をもつことと、シリア内に新基地をつくることは、絶対に阻止するぞとロシアに通告した。

 イスラエルはロシアとコミュニケーションをとるのは簡単。なにしろ国民の2割はロシアからの脱出移民の家系なのだ。
 今でも年々新たにイスラエルに流入するユダヤ人の大宗はロシアからの移民である。
 ロシア人が安心して観光できる中東の国はイスラエルだけである。かつてはエジプトが安いので人気だったが、今は危ない。
 イスラエルではロシア人観光客はロシア語で大歓待される。