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驚くべき完成度じゃった~~

 BIGLOBEで『Thunderbirds』(※これを「雷鳥」の意味で外人に対して使ってもまったく通じましぇんから)の無料配信をチビチビとやっているので、懐かしさのあまり昨日、2つのエピソードを続けて見ちまいました。内容の高さにはブッ飛びました。

 そしてこれもいつも痛感することだけれども、ガキの頃リアルタイムでTVドラマや映画をいろいろみていたが、その深い意味はぜんぜんとれちゃいなかったのだな~──と再確認。40歳すぎないとわからんことってあるよネ、やっぱし。

 まあわたしの場合、そもそもあの悪党にテレパシーであやつられる弟と、ぺネロープの執事のパーカーのキャラの区別がつかなくて、その設定に非常に悩まされたものです。どうやら別人だったのか。てかパーカーはもとヤクザかよ。

 それと「ブレインズ」はドモリのキャラだった! それを和訳すると「あの…」となるわけだ。邦訳も苦労してるね。リアルだわ。

 それで、「CRY WOLF」(直訳すれば“狼少年”)というエピソード、なんと、オーストラリアの沙漠のまんなかでアメリカの偵察衛星からの画像情報信号を受信する秘密の家が舞台ですぜ。これを子供向きのマリオネーション・ドラマで見せてたってんだから凄すぎますぜ。
 救難組織に対して、いたずら電話はかけるなよ、という社会教育もしてます。

 もう一本はタイトルを見損なったが、無人運転の超高速「モノ・トレイン」(懸吊式モノレール)の制動装置が欠陥で、壊れた鉄橋の前で止められず、社長と見学者が死にかかるという話。たまたまドイツのリニア実験線事故があったから、シャレになっとりません! 感心したのは、シティの「投資勧誘」について子供に教育する内容になっている。しかも、笑いも取る。この達人!

 おそらく『サンダーバード』シリーズの日本放映からもう数十年経つはずですが、少年に社会教育をし、しかもSFサスペンス・ドラマとして十分に盛り上げることのできた企画は、日本製には皆無のはずです。

 30分でいろいろな情報を盛り込みながらハラハラさせたり笑わせたりするってのは大変な脚本スキルです。いかに時間の進行を短縮してみせるか。動作や反応の連鎖の途中を省略して切り替えたシーンでオーディエンスをアッといわせるか。その技法の見本をみせてもらいました。こういう名作は不滅だぜ。

「読書余論」の2006-9-25コンテンツがでました。

内容は、
 ◎橋川文三・他『戦争責任』1960
 ◎竹内洋『丸山真男の時代』2005
 ◎ハンス・モーゲンソー『世界政治と国家理性』昭29
 ◎日本中央競馬会『馬の科学』
 ◎上垣外憲一『雨森芳洲』1989
 ◎伊藤鋼一『警視庁・特殊部隊の真実』2004
……その他であります。

夜明けは近い

 イギリスのガーディアンという新聞のウェブを見てたら、ロンドンで無料の新聞が2紙も創刊されたので、既製有料新聞の各社がパニクってる、という話が……。メシの時間のためアーティクルぜんたいの前半分しか読み得ませんでしたが、1部が50頁もあるやつを、地下鉄の駅で通勤時間帯に配っているらしい。
 これは日本でも誰かがおっ始めるんじゃないですか? てか、やるべきですよ。
 最終的には宅配業者などと結託して、戸別配達にもすることですよ。
 イギリス人の心配は「フリー・ペーパーはクオリティ・ジャーナリズムを亡ぼすのではないか」というものなんですが、日本にはもともと「似非クオリティ・ジャーナリズム」しかない。ですから、フリー・ペーパーの撹乱によって、既製メディアの進歩が期待されます。
 メジャー紙のなかでも左前のとこから、さっさとフリー化に踏み切った方がいいかもしれませんね。一歩遅れた社が、経営の上でたいへんなことになるのではないでしょうか。これも時代の流れでしょう。
 そうやって「部数だけ誇るマスゴミ」が淘汰された暁に、有料でなおかつ真の「クオリティ・ジャーナリズム」が、やっと日本でも可能になる筈です。

 余談。朝鮮日報の日本語版に、アメリカは無人偵察機のグローバルホークを日本とシンガポールには売るのに、なぜ韓国には売らないんじゃ、と出ていました。この記者さんには、理由が分るはずだと思うのだが、なぜそれを書けないのかにむしろ興味が湧きました。韓国軍が高性能のオモチャを手にしたら、それを使って偉大な韓国大統領が日本の領空侵犯挑発を愉しむことになるのは目に見えてるじゃないですか。日本にSAMをぶっ放させたいのか。もうひとつ。画像信号のダウンリンクは高度な暗号です。これを完全にアメリカ軍の監督に委ねるという契約がなければ、アメリカはグローバルホークを他国に売りません。ところが韓国政府には、暗号通信の上でアメリカとは手を切りたいという志向がある。先の偵察衛星の打ち上げをアメリカに依頼しなかったことでも、それは推定されるのではないでしょうか。

その情報を待っていた!

 海軍割烹術参考書は戦後に売られた版があるのですね? どうもありがとうございます。
 じつはこれを出版したいという人がいて、相談をうけたのですが、戦後にプリントされた版があれば、そこに著作権が生じていますから、権利関係がややこしくなるので、「出版などやめとけ」というアドバイスをすべきところなわけです。それで全国のディープなマニアの皆様のお知恵を拝借しました。どうもありがとうございます。
 まあ、オレも無料奉仕でリサーチャーをやっちゃうんだから、人が善いわネ。
 (しかしOPACにヒットしないってことは、よほどマイナーな私家版?)

 それで問題は解決しましたが、こんどはまったく個人的な興味が湧いてきました。そのテキストに忠実にしたがって調理をすると、果たして許せる味がするんでしょうか? 現代人の味覚に合ってますでしょうか。お気づきの点等をお知らせくだされば、さいわいです。

法哲学が無い法曹界

 高裁や最高裁で覆ることの確実な象徴的な反日判決が、またも東京地裁の札付き法廷で出されました。
 民主主義体制では国家は有権者たる国民が選んだものです。その現在の国家の象徴に、税金で雇われている公務員が、公然と敬意を払うべきなのは、公序良俗です。
 公序良俗を破壊し、公立学校の教職員という官職に必要な適格性を欠く者は、校長が一存でクビにできるように、諸制度をあらためる必要がありましょう。

 戦前の内務官僚で、東条内閣時代には東京都長官(今の都知事)、小磯内閣で内相を勤め、敗戦後に「A級戦犯容疑者」として巣鴨プリズンに収監され、不起訴釈放となったあと、参議院議員に当選し、第五次吉田内閣の文部大臣に就任した、大達茂雄という人がいます。盟友の緒方竹虎(やはりA級容疑をかけられたが不起訴)が、日教組対策として起用した人事でした。
 昭和28~29年頃、各地の公立中学校で、教員をふくむ極左集団が、ソ連国旗や北鮮旗を振り回して大騒ぎを起こしていました。そもそも朝鮮戦争で米軍に直近の後方基地を提供している日本国内に暴力革命を起こさせようとしたモスクワ共産党の指導で、このような組織が日本の教育現場には扶植されていたのです。
 朝鮮戦争のさなかの昭和26年1月に日教組が作った「教え子を戦場に送るな」スローガンなどは、<日本をはやくソ連軍に支配してもらいましょう>の言い換えに他なりませんでした。
 大達は病身でしたが、日本の小中学校の教室に極左組織が反日教育を持ち込むことを阻止すべく、教育公務員が学童に暴力革命を宣伝することを禁ずる法案をつくり、自宅に集団でおしかけられるなどの数々の脅迫にも屈せずして、ついに国会でこれを可決成立させたのです。しかしこのときの苦労が祟って大達は昭和30年に胃癌で死去しました。

 大達は、最悪事態が来る前に、それを予測し、対策をとることができた人物でした。昭和19年にサイパン島からの東京空襲が始まる前に上野動物園の猛獣を処分させたのもその一例でした。戦後、左翼はこの件で大達を悪役に仕立てる情報工作を展開しています。要するに、日教組と真正面から戦って勝った空前絶後の文相である大達が憎くてたまらず、なんとしてでも叩きたいのでしょう。

 大達の後継の歴代文相たちの反日対策は、不甲斐ない事勿れ主義に堕しがちでした。その間に、自由主義の哲学をもたない共産主義シンパの法曹家が、大量生産されました。

 卒業式の国旗掲揚や国歌斉唱をめぐっては、日本の各地の弁護士会も、ずっと前から、一様な反対表明を出しているようです。いったい、これは何を意味するでしょうか。日本の弁護士は皆、反日外国人の手先にでもなっているのでしょうか?
 日本の戦後インテリに与えられた、脱モラルの教育の成果は、こんなところにも見ることができるでしょう。

 前にも『正論』で書きましたように、弁護士にも二種類います。企業から仕事を依頼される弁護士と、企業の仕事は取りたくても取れない弁護士。収入は、前者が後者の数倍から数十倍になるでしょうか。もちろん、この分かれ目は能力次第です。弁護士の世界も、学者や評論家と同じで、ピンキリです。
 現実として、非常な苦労をして司法試験に合格したのに、あまり儲かっていない弁護士さんも、少なくないわけです。

 ところが、反日団体は、こうした「インテリ集団内のおちこぼれマジョリティ」を救済する「互助」の仕組み作りが、いやに上手いのです。
 反日訴訟にかかわらせることにより、能力が劣った弁護士たちに、生計の道を確保してやっている。これなど典型的な「組織の効率」でしょう。保守運動にはこのような効率的な組織がありえませんので、個々人の自腹を切っての政治活動が多くなります。いきおい、反「反日」訴訟など、したくてもなかなかできることではない。ヒマもカネもないわけです。
 それで構造的に、反日訴訟ばかりが濫訴されることになっています。まあ、大した税金の無駄ですよ。

 有能な弁護士たちも、自分の顧客企業のための仕事で手一杯ですので、反日活動などに関与しているヒマはありません。しかしもし弁護士会の少なからぬ構成員が、「おちこぼれ互助」の仕組みとして、日常的に反日言論を展開しているとしたら……?
 たとえば弁護士会内の役員選挙に名乗りを上げるのも、ヒマな反日弁護士が多くなるでしょう。そうでなくとも、人数の多い反日弁護士たちに媚びなければ、こうした選挙には当選できないでしょう。
 もともと日本の法学アカデミズムの世界には、左翼的解答をデフォルトで「よい子」と認定する空気がありました。戦後の日本では「近代的自由主義とは何か」は教えられず、「左翼的正しさとは何か」が教えられてきたのです。法学の場に、肝心の法哲学が欠けている。
 その結果、反日活動に理性(内心)では賛成していないマトモな弁護士が、おちこぼれの反日弁護士たちが弁護士会の政治活動の牛耳をとることは黙認してしまっている、という現状がありそうです。
 いっぱんに裁判官は「よい子」の選りすぐりですので、地方裁判所レベルでは、タテマエとホンネの区別がつかなくなった、おかしな人も多いんでしょう。

 ここで問題とすべきは、自分たちは企業を顧客として大いに儲かっているので、自分に害が及ぶのでなければ、所属する弁護士会としてどんな政治アピールを出そうが、勝手にしていいよ、という態度をとっている、少数のエリート弁護士たちのモラルの欠如ではないでしょうか。
 要するに法哲学の教育が日本ではできていないために、法曹エリートが政治的に中立を選び、結果として左翼反日組織の活動だけが有利に推進されているのです。ここで話は、教育改革に戻るでしょう。

 戦前の内務官僚の大ボス・平沼騏一郎は、明治初期に勉強した人で、当時の欧化の時代風潮として、東洋哲学を学ぶヒマがまったくありませんでした。それで、地位を得てからあわてて、共産主義に対抗できる理論を探し、みつけたのが「儒教」です。しかしそれにはほとんど大衆への説得力がありませんでした。
 今日でも、教育改革(つまり脱左翼教育)のてがかりを「教育勅語」(つまり朱子学)に求めようとするアホンダラ保守言論があとをたちません。「教育勅語」の反動的精神は、「五箇条の御誓文」の自由主義精神とはまったく相容れません。明治維新の神髄は「五箇条の御誓文」にこそあります。「2ちゃん」バカ右翼にはここは判らぬところです。
 近代日本は「自由」だけは教え得なかったという反省が必要です。

特別掲載・HG対談。

※なぜか「武道通信かわら版」に最新の「HG対談」が掲載されなかったので、こちらに掲載させて戴く。どうせ無料記事だから問題はないだろう。

兵頭 夏休みも終りましたね。このまえある打ち合わせで上京して気付いたんですが、湿度が高いうえに気温が30℃近くなると、人間は首から下の感覚を努めて麻痺させることで、首から上の活動を維持しなければならなくなる。「クールビズ」なんてもうなまぬるいので、いずれ半裸で仕事する日も近いのではないかという気がしました。リーマンが半裸で、ニートが着ぶくれ。そういう逆転が起きる(笑)。

後藤 いや大阪では連日35℃を超えてましたから、30℃ならまだ涼しいですよ(笑)。ところで最近おどろいているのが、灘高を出て東大に行かず、あえて地方大学の医学部を選ぶという子が増えているようなんです。

兵頭 ラク~な勤務医となって、趣味に生きようとでもいうんですかね? たしかに開業医の産科医なんか拝見しますと、ホントに年無休の24時間シフトとしか見えない。あれは、生命誕生に立ち会う体験そのものが<報酬>になっていて、それが先生のモチベーションを支えているのに違いない。皮膚科や眼科や内科なら、もっと休めるようですからね。それと、歯科医はもう逆に、クリニックが余り始めたのではないかと感じます。

後藤 どうもその子たちは、町医者になるつもりのようなんですよ。また東大を出ても役人になろうとしない者が増えているそうです。去年は入省した人数において東大出を非東大出が上回ったという話でしてね。しかし東大が天下国家を語らなくなったら、日本は終わりじゃないですか。

兵頭 まあ、流行りすたりはあるんでしょうなぁ。ちなみにアメリカ軍の強みは、ウェストポイント出ではない将官の方がずっと多いことなんで……。つまり、最良の指導者や指揮官のタマゴは、どこで孵化するのか、分からないのです。

後藤 若いエリートが、さいしょから小賢しく、計算高く、保身の策を講じて行くようでは、日本という土台が崩れます。そしたら、趣味に生きられる環境だって、なくなってしまうはずですよ。

兵頭 そりゃそうですね。ところでわたしはテレビは夕方のニュース以外ほとんど視ない上に、子供にあわせて9時台に早寝しちまうので、完全に世の中の話題から取り残されているのですが、ちょっと前にボクシングが八百長だかヤクザだか何だかでずいぶん盛り上がったそうですね。

後藤 世間では大きな話題ですよ、それ。まあ、すべてを端折ってコメントしたいと思うことが二つあります。一つは、プロは客を呼べる者こそが偉いので、実力だけで勝敗を決めるアマチュア・スポーツとは分けて考える世界だということ。もうひとつは、亀田家の息子たちがぜんいん親孝行であることを、なぜ世間はもっと肯定的に評価できないかということです。

兵頭 後藤さんはたぶん、二十数年以上も前からの業界の裏の事情なんかも、そこらのニワカ評論家さんたち以上に全部ご存知な上でそう仰るのでしょう。確かに、「極道の父親を殴り殺してリングに上ってきました」なんていうヒーローが登場したら日本は終りますわな。

後藤 こんな時代ですからね。僕は、彼が非常に親孝行であるという一事をもって、他はチャラで現時点では良いのではないかと考えています。19歳ですから。問題があっても治る余地は充分にあります。

兵頭 あの試合に関するたくさんの批評を読んでいると、日本の世界チャンピオンはみなニセモノなのかと錯覚してしまいますが……。

後藤 いや、本当に凄く優秀な子は、いてるんですよ。今は、亀田選手以外に5人の世界チャンピオンが日本にいます。でも、名前と顔を世間にいっしょに覚えられている選手はいない。これは日本のボクシング業界の怠慢なんですよ。プロなのですから、強ければ良い、では通用しないのです。強さのみでムーブメントを起こせるのならばともかく、現実には、その強さの証明をする晴れ舞台がなさすぎるわけです。そんな舞台を整えてくれる人達への恩返しは、集客でするしかないでしょう。

兵頭 客が入らなければ興業に利益は出ない。プロだからこそ、実力だけで勝負することは許されんというハナシなわけですね。

後藤 その通りです。そもそも日本では、残念ですがボクシングが人気スポーツであるとは言えなくなってきた。

兵頭 根本は、ヘヴィー級が少ない国民の体格と、格闘文化の違いでしょうか。あと、高度成長を達成した後の、庶民の生活の雰囲気と、どうもマッチしませんな。

後藤 昔は人気、あったんです。娯楽が少なかったから。でも今は、K-1や、総合格闘技がでてきて、ボクシングから受けられる刺激が小さくなったんです。

兵頭 軽いクラスでないと、日本人が世界チャンピオンになりにくそうですよね。それは、柔道以外のすべての競技でそうかもしれませんが。

後藤 体重が軽いと、どうしてもパンチでのKOは少なくなる。観ている方は、KOや一本で勝負がついていくK-1や総合格闘技の方を楽しい、と思うわけです。その点で、最近の柔道はずいぶん面白くなりましたよ。ちょっと進行が遅いと両者が消極的だと見なされて指導が入りますからね。だから動きっぱなし。素人が見ても面白いです。とうとうテレビの良い時間帯に、民放局が放送するようになりました。

兵頭 亀田人気と辰吉人気とは、どう違うんですか?

後藤 ボクシングジムの経営者さんに聞いたところですと、辰吉人気の時には練習生が増えたけど、亀田では増えてない。だから、今起きているのは本物のブームじゃないと言うわけです。

兵頭 サッカーや野球とは、ちょっと勝手が違いましょうからねえ。

後藤 しかしですね、そういう、「ボクシング人気」なんてありえないかもしれない今の日本で、亀田人気が出た。この人気の火を消したら、おそらくボクシング業界全体がまた沈み込むだけですよ。にもかかわらず、業界関係者で亀田批判をしている人間は、非常に大人気なく見えます。不愉快であるなら、黙っているというくらいがマナーだろうと思いますよ。

兵頭 昔の某著名選手のときだって「疑惑」はありましたからね。また昔は所得税がベラボーに高かったこともあり、大御所の元プロファイターほど、自分のファイトマネーの手取額には納得していないだろうと想像されます。そのときは若くて、ジムの会長が怖くて文句がいえなかった江戸の仇をいま、長崎で討つような感じのコメントもあるのかもしれません。ファイトマネーに納得しているプロ選手なんて、この世にいるわけはないんで、それは同情もできるのですが……。しかし後藤さん、「人工的にブームは作れる」ということだけは証明されたのではないですか?

後藤 それは違うんです。TBSがああやって人気と視聴率を作れるのならば、誰だって、どこのテレビ局だって人工的に人気者を作るはずですよ。ところが現実には、皆が一生懸命それを作ってやろうとするわけですが、結果的には作れてない。他もやろうとしてできないわけです。ですから経営コンサルの僕の眼からみますと、他人がおこしてくれたムーブメントを上手に自分も利用できないのは、経営手腕が問われます。だって、キックボクシングとか、空手などの隣接業種で起きていることではない。まさに自分のいるボクシング業界で起きているムーブメントでしょう。

兵頭 なるほど。やっかんでいる暇があったら、自分で盛り上げてみせろ、と。ていうか、後藤先生をコンサルに雇えよと(笑)。

後藤 亀田人気の火を他のボクサーの人気にも飛び火させる努力をしないと、ボクシングという競技に活気が出ないのは自明でしょう。まぁ、現役のボクサーに、それを求めるのは酷かもしれませんけどね。そこまで求めると、プロレスラーになっちゃうかもしれないので……。

兵頭 おっ、それ。「プロレス流プロボクシング」というのが、あってもいいんじゃないですか? 「ナントカ・ギャラクティカ・マグナム~~!」みたいにね。場外まで吹っ飛んでいくという……。撃剣興行の前座に、誰かやってみせてくれないですかね(爆)。

遊就館で英語のレッスン1

“The U.S. economy made a complete recovery once the Americans entered the war.”
 ……これが岡崎久彦先生が問題にされていたパネルじゃないかと思いました。9月8日時点ではそのまんまでしたね。報道ではとっくに交換措置をとっているように印象されたんですけどもね。(館内は撮影禁止でしたので、メモに基づいています。よって不正確のことあり。)

 サラッと眺めた限りですが、英文と日本文を微妙に違えてあり、その違え方は、「シナ人が悪いのだ」という説明に関しては、兵頭は好感をもちました。つまり、ちゃんと英語で宣伝しようとしているのです。

 たとえばシナ大陸における「過激な反日行動」を“anti-Japanese terrorism”と英訳しているのは、行き届いた配慮ではないでしょうか。和文もよく考えてますよ。

 また、第二次山東出兵の済南事件のところ、「革命軍の略奪暴行が」とあるところは“when communist troops attacked”と訳してある。なかなか気が利いてますよ。

 ところがこのパネルを考えた人は語学の能力は抜群で気も利くのに、どっか毛が三本足りないらしく、反米的なスタンスの日本文の説明の部分を、大いに力瘤を入れて、ご丁寧に英訳しちゃってくれているわけです。
 なにしろ幕末から一貫して反米スタンスの説明ですよ。「ここは水戸の藩校か?」と思いますよ。それですべてがブチ壊しだ。
 そんなもん英文で読まされたら、来訪したアメリカ人が不愉快になって、本当はシナが悪かったんだと説明した部分だって信じたくなくなるでしょ? そんなことも分らんのか。まるで「宣伝」センスが無いよ。いったい誰に向かって英文で宣伝しとるのかい? そんな部分は英訳しなければ良いでしょ? 日本語で書いとくのは主義の自由で勝手ですけどね。じぶんから墓穴は掘るなよと。

 このような墓穴を掘っている原因は、明白なんです。「真珠湾攻撃は悪くなかった」という反駁を、わざわざ来館したアメリカ人に対して試みたいからなんですよ。イタすぎるぜよ、もう。

 たとえば、あるパネルの年表は、1941年7月26日の日米通商航海条約の廃棄からスタートしている。しかしね、その措置は、海南島から南部仏印に進駐する日本軍の大軍が出航したのが確認されたから、とられたわけでしょ。しかも米国国務省は日本の駐米大使に事前に警告を与えていました。進駐すれば制裁するぞ、ってね。日本政府はそれを無視して堂々と進駐を強行したので、警告を与えていた米国としては、それで制裁をしなかったらますます舐められるだけじゃない。
 で、このクロニクルをオミットした上、それを英文に訳して展示したら、逆効果しか発生しないってことが、わからんのですな。ずいぶん頭悪いと思いますよ。
 しかも“Economics constraints improved by the U.S., Great Britain and the Netherlands”って何だい? (館内は撮影禁止でしたので、メモに基づいています。よって不正確のことあり。)「経済制裁」の英訳は違うと思うんですがね。「経済制裁」は国際連盟も公認していた平和的な外交手段でしたよ。その連盟規約づくりには、日本は常任理事国として関与してるんですぜ。

 日本人向けの展示とアメリカ人向けの展示をハッキリ分けることをお奨めしますよ。コースも分けてね。アメリカ人には「蝋人形」ジオラマだけみせてりゃいいんです。それがサービス精神ってもんでしょう。

 あと、リニューアルされた遊就館の中を観て歩くのには1時間では足らず、90分はかかるということを確認しました。

キミは『秘伝』9月号を見たか?

 いやたいしたもんでげすよ。プロですね、あの編集部は。

この本はそんなに珍しいのか?

 『海軍割烹術参考書』という戦前の料理レシピの本をもっている、あるいは、この図書館にあるのを見たという情報をお持ちの方は掲示板にお書き込みくださいませんか。海自の施設に1冊あるのは承知しております。それ以外の原本はどのくらい日本に残っているのだろうかという疑問をもったものですから……。探して読んでみたいというわけでは、ありません。

室内50m射場がこんな近くにっ!

 かねて気になっていた近くの山裾の喫茶店にふらりと立ち寄ってみました。
 なぜ気になっていたかというと、看板に「銃砲」とか「エアーライフル」とか書いてあるのです。
 「???……さぁ~、どんなもんでしょうかね……」
 あまり期待をせずに入ってみたところ---いやー、驚いた。
 ショットガンのライフルスラッグとか、.30-06を撃てる施設がこんな近くにあろうとは……。
 まあ、小生の最初のライフル体験は、武山駐屯地(三浦半島・御幸浜)の近くの山の屋内射場(たしか200m?)だったので、屋内施設というのにはべつだん驚かないんですが、外見からこれがまったくわからないんですよ。まるっきり、「庭園付きの軽食屋・兼・アウトドアショップ」という造り。
 レンジは、山のスロープにガレージを掘ったみたいな設計になっていたのです。射手の背面はガラス窓で、へばりつけば屋外から見学ができる。音は漏れないらしい。洗練と豪快のミックス。これだから北海道はイイ。
 これはご主人氏が趣味で開いている店としか思えませんでした。イチゲンであまり根掘り葉掘り訊くと怪しまれるのでコーヒー一杯で退散しましたけど。
 詳しくはないですが、なにやら屋内射場限定の公安がくれる免許というやつを講習会で取ると、バンバン撃てるらしい。
 帰りしなに「銃をやりませんか」と誘いをかけられました。まあ、今度出すマンガが100万部突破したら検討することにします。
 ともあれコンセプトには感心した「ノースマン」でした。

ご報告(調べるより訊くが早し!)

 『「日本核武装」の論点』の見本1冊を靖国偕行文庫に寄贈したついでに、近衛文麿氏と本庄繁大将の合祀について手紙で尋ねてみました。
 そのお返事が本日、拙宅に届きました。クイック・レスポンスに感激。

 それによりますと、「近衛文麿氏は合祀されておりません。また、本庄繁大将は昭和四十二年十月十七日に合祀されております」とのことです。
 ただ、本庄大将は「昭和殉難者」の範疇には入っていないと考えられる---とのことです。

 おいそがしいところ、ご回答くださり、どうもありがとう存じます。

 さて、以下は兵頭の私見であります。

 近衛文麿氏はGHQからA級戦犯容疑者としての逮捕令が出たために自殺されたと承知しますが、だとしたらどうして松岡氏と同格の「昭和殉難者」ではないのでしょうか? 松岡氏は起訴されましたが判決前の病死であり、法理上は「無罪」であります。この松岡氏と近衛氏は靖国神社にとって、どこが違うのか?

 また、これは今朝みたTBS-TVのウェブニュース欄で知ったのですが、朝鮮戦争の機雷掃海で爆死した海上保安官が合祀を断られ続けているというのは、どういうわけなのでしょうか? この戦死者は実質、海軍人としての仕事を国家から要請されて遂行していたのではありますまいか。
 ひょっとして靖国神社は、合祀者としては大東亜戦争までしか対象にしないつもりなのでしょうか? そうだとしたら、それは明治天皇の御意に沿うのでしょうか? 靖国神社は神聖な「ナショナル・ウォー・シュライン」のはずで、戦争は昭和20年9月以降も、何度でもあり得るはずではないでしょうか?

 兵頭はこれまでと同じことを主張します。霊璽簿方式では、時間とともに、おかしな疑問が蓄積される一方なのです。できるだけ早く廃止し、靖国神社を明朗化すべきでしょう。