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拝啓 エンリケ航海王子(おきらく軍事研究会)さま

 このたびは貴メルマガ上におきまして望外の長文の過褒にあずかりまして、喫驚し且つおそれいりました。

 「軍事情報(本の紹介)」は、いつもですと、困った性能のわがメール・ソフトめが勝手にハネてしまって見損なうことも多いのでのですけれども、こんかい、偶然に発見して拝読することができました。

 小生はかねてから「自衛隊ニュース」は定期的に読ませていただいております。特に過去の《オマケのコメント》の数々にはしばしば膝を打ち、幾度も啓発されて参った一読者でございます。ちょくせつお目にかかって、もっとつっこんだ「講義」を聴けないのが、本当に残念です。

 「誤字の無い、こんなてまひまのかかるテキスト打ち込み作業を、代価もなしにずっと継続されているエンリケさんとは、どういう人なのだ? かなりの高学歴者で、しかも海上自衛隊のインサイダーだった人なのだろうか……」などと妄想することしきりであります。
 プロの先達者の方からの評価が不肖の身に沁みました。ありがとう存じます。

 以下のコメントにも「全然同意」です。

 ――【私エンリケは、本を文化文明の中核にあるとても大切なものと考えています。
ですので、本作り・流通に関わっている方々を心から尊敬しています。《中略》出版社さんもそうですが、われわれにとって最も身近な本屋さんにも元気になっていただきたい。そのためにできることがあれば何なりと協力したいと考えています。】――

 これに関して、兵頭にも何かできることがありましたら、無代でできる範囲で、うけたまわります。

 ところで、ひとつだけ誤解を解かせてください。
 防研の所蔵史料を全部読みきれる人間は、この世にはいないだろうと思います。物理的に、無理です。(制度的にも無理なのです。遺族の許可なくしては一般利用者が閲覧できない一次資料がゴマンとありますゆえ。)

 ただ、公開史料にのみかんしましても、防研図書室資料の分類整理の悪さについては、いつかぜひ建設的な批判と提案をしなければならぬと思って参りました。

 小生のような部外者は、東京都内に居住して、目黒に朝から日参し、(昼飯もくわず)カードを総めくりして、片端から引き出してもらって、斜め読みして内容の摘録を自分のノートに書き写す……。このような作業を1~2年もやらないと、おぼろげな全体像すら把握できないシステム。きっと、いまでも大して変わりはないのではありますまいか。

 わが国の軍事図書情報の総合環境を、すこしでも改善するために、広く皆様のお知恵をあつめたいものと念じております。

 末筆ながら、エンリケ様のますますのご健勝とご健筆を祈り上げます。

さいきんのニュースから

 CNNが伝えました。日本時間08-2-21-12:30ころ、ハワイ西方から米巡洋艦『レイクエリー』がSM-3を1発発射して、重さ2.3トンの偵察衛星の残骸に命中させてバラバラにした。大気圏内に細かい部品となって落下させて燃焼させるのが目的だ。

 迎撃高度は247kmだと発表された(隠そうとしても宇宙マニアには分かってしまうので)。

 いままで、SM-3の実用射程や有効射程が公表されたことはなかった。
 ただし目標物体は大型自動車サイズであったから、多少のコース誤差があっても命中は確実であった。

 この作戦で証明されたことが2つあります。
 ひとつ。247kmより低い高度の偵察衛星は、SM-3から無事ではない。つまりSM-3輸入国である日本はASAT用ハードウェアを手にしている。(ソフトウェアを含めた中枢システムは驚羅大四凶殺と同様、すべてアメリカ人の手の内にあって、日本独自には満足に運用はできない。)

 ひとつ。SM-3を1発発射すると、65億円が消えてしまう。湾岸戦争のスカッド迎撃のときのように、念を入れて同一目標へ向けて2発発射すれば、130億円。3発発射すれば195億円。(湾岸戦争のときは、3発発射しても半数以上は地上に落ちてきた。)

 この作戦で、依然として分からないことがあります。
 7分前もしくは10分前に発射された、高度150km前後、もしくは高度250km以上を飛んでくる直径80センチのRV(弾道弾の再突入体)を、SM-3がどのくらいの迎撃率で破壊してくれるのかは、誰も知らぬことです。

 米国の『タイム』誌の電子版が伝えています。米空軍はF-22を政府(ペンタゴンの文民組)が決めている183機ではなく、もとからの最低要求量である380機買うようにとの声をますます大きくしている。
 その理由として空軍の調達部門トップの制服軍人、ブルース・カールソン将軍は、21世紀には「インド」および「シナ」が、かつてのソ連空軍のような強敵になるので、それに対して必要なのだと明言。

 F-22の部品を製造する工場は全米の44の州にあって、その雇用は2万5000人にのぼっている。

 空軍は、F-35も要求しているし、C-130とC-17も、もっと必要だという。
 グローバルホークも増やしてもらいたいという。この無人機は1機が120億ドルするのだが。

 さらに空軍は、空軍兵33万人のために、人間工学的に進歩したデザインで高威力弾〔9mmより小口径でボディアーマーを貫通しちまうやつか〕を発射する拳銃10万600梃も買いたいと要求中。その単価は1157ドルだと。
 これとは別に21万梃のM-4カービン(M-16のみじかいやつ)を単価1747ドルで調達すると。
 『タイム』はこの記事を皮肉なコメントで結ぶ。――前々から米空軍は、米陸軍が独自の航空機部隊を整備しているのはいかがなものか、と言い続けてきた。けれども、ついに今や、空軍が独自の陸戦隊をもつようになるんじゃないか――。

 以下、兵頭のコメントです。
 アメリカ空軍が懸念しているのは、米国経済の崩壊が間近に迫っており、その余波で、F-22のような主要装備を必要なクオリティで製造してくれる工場が、軒並み全滅してしまうんじゃないかということでしょう。

 だから空軍が発注主になってこれらの最低限の製造ラインだけは近未来の大恐慌の中でも維持し続けよう、と訴えているんじゃないでしょうか。(各州選出の連邦上下両院議員に異存はないはずです。)
 そうでもしないと、10年後(?)に大恐慌を抜けたあとに、米国内の軍需産業が空洞化している……というまずい事態もあり得る。

 しかしまあ、米国経済の崩壊は止められないでしょう。
 その替りにシナやインドがスーパー・パワーになるというシナリオも夢物語でしょう。この両国は産油国じゃないですからね。

 どちらかというと、ロシアを除く世界経済の大混乱がそれに続く、というのが、あり得そうな話でしょう。

 これは日本の政治改革を願う者にとっては、好ましい外部環境の激変です。アメリカには日本の心配などをする余裕がなくなる。もともと存在しない核の傘が、虚構の演出としても信じられなくなるでしょう。廃憲と核武装以外に、極東で自由主義政体が生き残る道がないという現実が、いま以上に多数の代議士および政党人の口から語られるようになるでしょう。あと一歩です。

 ところで拙著『逆説 北朝鮮に学ぼう!』は、げんざいパイロット版(取次店に収める前に、何千部刷るかを決める参考として試しに書店で反応をみる目的の印刷製本で、だいたい全部で100冊)が池袋のジュンク堂や東京駅近くのナントカいうマニアックな書店にごく少数残っているだけで、神保町の書泉グランデでは数日前にとっくに売り切れた模様です。
 おそらく25日以降に本格的な印刷配本があるものと思われます。
 書店に行かれる方は、光人社の『日本の戦争 Q&A』(1月刊)もお忘れなく。

 余談。
 メールソフトで、削除したメールを、通信を終える都度、控えのメモリーからきれいさっぱり取り除いてくれる機能を使ってない人。あとでまとめて削除しようとするとフリーズすることがあるそうですぜ。スパムの量はすごいですからね。
 「ツール」の「メンテナンス」の「オプション」を開くと、チェックボックスでかんたんに指定できますぜ。
 これをやっておかなかったためにPCを買い換える羽目になったという人が最近いたので、老婆心乍ら……。

 もひとつ余談。AVGを使っている人で、最新データの更新を、手動ではなくて自動ダウンロードに設定している人。わたしの体験では、これは手動を選び、毎日一回、適宜のタイミングに自分でクリックするようにした方がいいです。自動にしておくと、いつのまにか通信が不調に陥ることがあるように思います。

 皆様への私的ご連絡。
 兵頭に対する大急ぎのご連絡は、FAXでお寄せください。FAXの方が早く、確実に受信され、かつ本人の目にとまります。

The Case of Mr. K

 日本国内では、銃砲刀剣類所持取締法第22条によって、正当な理由なく刃体の長さが6センチメートル(折りたたみ式の場合8センチメートル)を超える刃物を携帯してはならぬことになっている。

 北関東の某市に住むK氏は元自衛官で、現在は軍事/銃砲/狩猟に関する研究や著述をしている。

 過日、K氏は、2親等の身内家族が交通事故で中部日本の某県の病院の集中治療室に担ぎ込まれたとの電話連絡を受けた。

 自衛隊暮らしが長かったK氏はいつも、リュックザックに救急品袋を付けておく習慣であった。
 その救急品袋の入り組み品として、十徳ナイフのようなものも用意をしていた。

 そして、出かけるときには、リュックザックとも救急品袋とも別なバッグに、ビクトリノックスのツールナイフ(赤い柄で、はさみ、缶切り、ねじ回しなどがついている折りたたみ式ナイフで、刃体は約6センチメートル)を入れて携行するようにしていた。
 これを救急品袋とは別なバッグに収納することにしている理由は、航空機に乗る用事があるときには、刃物類は邪魔になるためである。

 さて、K氏は某県まで急いで列車で移動しようと、自宅を出るにあたり、例によってこのバッグに十徳ナイフを入れた。
 ところが、慌てていたK氏は、外見の酷似した、いつもと異なったナイフを、そのバッグに入れてしまった。そのツール・ナイフは、同じメーカーの製品なのであるが、刃体がひとまわり大きい(8.6センチメートル)のである。

 「つくばエキスプレス」で秋葉原駅に到着したK氏は、JRに乗り換えようと発券機前に立ったところで、警察官から、「ナイフを持っていますか」との質問を受けた。
 K氏は、自分が適法な寸法のナイフを持っているという認識でいたので「持っています、これです」と取り出したところ、そこで、ひと回り大きなナイフを持ってきてしまったことに気が付いた。

 これにより、K氏は、銃刀法違反ということになった。

 行政は、銃砲刀剣類所持等取締法に違反した者が、猟銃の保有者である場合には、その猟銃の「所持許可の取り消し」をすることができる。

 K氏は猟用ライフル銃の所持許可を有するベテランでかつ現役のハンターである。もちろん散弾銃も所持している。(散弾銃暦が10年以上ないと、ライフル銃の所持許可を得られない。)

 K氏は、聴聞において、「ナイフ携帯は錯誤によるものであり、全く犯意のないものである」ことを釈明したものの、許可の取り消しは有罪無罪とは無関係の行政処分である、とされて、「所持許可の取り消し」を申し渡された。

 行政は、所持許可の取り消しを行った場合、あるいは取り消し以前であっても違反行為のあった場合、必要に応じて当該銃砲を仮領置することが、同法第11条の5および6に規定されている。
 が、K氏の所持銃は、仮領置はされなかった。自ら銃砲店等に譲渡する等の処分を行うように、との指示であった。

 K氏は、「災害等の非常の事態において人を救助する目的で適法な寸法のナイフを携帯携行していたつもりが、肉親が死ぬかもしれないという状況において出発準備をしたために誤って数ミリ長いナイフを携行した」ことが、必ずしも「所持許可を取り消さなければ銃砲による危害を発生させる危険性がある」との判断には結びつかないのではないかと思料している。

 すなわち、今回の場合、行政はK氏の猟銃の所持許可の取り消しを行う必要は全くなく、これは法の濫用であるとK氏は思料する。

 この行政処分を不服とする訴えをする道は、ある。
 とはいうものの、K氏も、このような問題に、まともにとりあってくれる弁護士さんがいるとは思ってはいないようだ。

 さて、みなさんはK氏の事件をどう考えますか。
 昨年の佐世保事件をうけて、「取締りを強化して不適切な所持者を摘発し、これだけの処分を行った」という数字を出したいがための行政だ――と推察しますか? これはリアルタイムで進行中のケースである。

 兵頭は、こう考える。いくら気が動転したとはいえ、違法サイズのナイフを自宅外に持ち出した時点で、K氏は、〈銃砲刀剣に関する啓蒙家〉の看板は、日本国内において降ろさなければならなくなった、と。
 プロだからこそ「数ミリ」の違いにも、気が動転したときにこそ、敏感であって欲しかったと思います。

 かのよしのり先生。このたびのご心労、お察し申し上げます。わたくしは先生の御著作やお話により、これまで大いに啓蒙されております。またこれからも愚生の先生に対する尊敬の念にはいささかも変更はありません。

 今回のケースにもしご興味をもたれた法曹家の方がいらっしゃいましたなら、ご連絡ください。

17年前のコンセプト「そのまんま」TK-Xに期待できることとは?

 なぜわたしが「勝手にソーラーライトを愛好する会」のタマランチ会長と呼ばれているのか分からない人。是非、都内特定書店にて、本日中に、最新刊の『逆説 北朝鮮に学ぼう!』(並木書房)を購入しましょう。完膚なきまでに説教されています。

 さて防衛省が08-2-13に、2010年度採用見込みのTK-Xの試作車を、相模原市の防衛省の研究施設で報道陣に公開したと聞き及び、ネットにUPされた映像数点を拝見しました。

 相模原にはたしか三菱重工の戦車量産ラインがあります。そこに、戦中の「四研」(技本のAFVセクション)の戦後版の機関も隣接しているんでしょう。じつは『戦車マガジン』の記者時代から今日まで、なぜかわたしは相模原一帯の見学/取材をしたことがないもんでして、くわしいことは承知しません。

 うたい文句は、報道によりますと、「味方の戦車同士で瞬時に情報を交換、共有」できること、対戦車威力がある120ミリ砲を搭載し、「ゲリラや特殊部隊による攻撃など新たな脅威にも対処でき」て、現用の90式より6トン軽い44トンで、装甲は着脱容易なモジュール式。納入単価は開発費を含まずに7億円におさえられる――と見えます。

 エンジンの報道がないのには困惑します。戦車はエンジンの概略(出力、排気量、過給方式、冷却方式、サイクルなど)がわからないことには、性能や発展性・将来性の想像など、つけ難いものです。
 もし90式と同出力(実装)でより軽量コンパクトなエンジンなら、車体が軽量化したことで、すごい機動力(たとえば対馬のような山岳性離島への投入)を狙っているのかな~とも思っちゃうところなんですが……。

 旧著の『日本の防衛力再考』や『「新しい戦争」を日本はどう生き抜くか』をお持ちの方は、ぜひ再読してご確認ください。
 事情は何も変わっていないと思います。すなわち、陸自の国産戦車の開発サイクルは、十数年がかり。
 車体のデザインは数年で完了できても、戦車にしか使えないユニークな新エンジン(800~2000馬力)とパワー・トレイン(クラッチなど)の開発に、10年以上が必要なのです。
 TK-Xが「安い」というのが本当なら、特別な新エンジンは使っていないのかもしれません。
 パワー・パックもモジュール化した方が理想的にきまっているので、それなら朗報でしょう。

 ざんねんですが、TK-Xは、1991~2年の湾岸戦争よりも前から基本コンセプトが固められていることは間違いありません。
 わたしは当時、三菱重工のOBから「次(90式)の次の将来戦車として、逆に軽量化した40トン台の主力戦車を開発中」と教えられました。もう概略図まであり、そのターレット前縁は楔型に尖っていました。今回、あまりに「そのまんま」のカタチに見えますので、感心しています。

 やはりこのTK-X、「古い事態に最新テクノロジーで対応する」、いつものパターンであることに、変わりばえはなさそうです。

 湾岸戦争では「強者の国が世界に投入する戦車は沙漠を何百kmも高速自走できなければならない」と分かり、「味方撃ちの予防」が喫緊課題と分かり、他方また「弱者の国の戦車は、対空疎開運用重視、対空遮蔽物の利用のし易さ重視、対空秘匿性、積極的偽装装備、でき得れば上面防護力がなければならず、固有火器とFCSによる対空自衛交戦力のあることも望ましい」と分かったはずです。もちろんTK-Xには、それらは、少しも反映されてはいないでしょう。

 2001-9-11のあと、アフガン戡定作戦の好調により暫時、ハイテク万歳の時代になりました。「RMA」とか言ってましたわね。(イラク泥沼の今では死語ですか?) 「味方の戦車同士で瞬時に情報を交換、共有」なんてのは、その当時の「軍事革命」路線でしょう。発想は、しごく古いものです。
 携帯電話の時代に「自動車からタクシー無線ではない電話がかけられるんだぜ」と喜んでいる、そんなレベルでないことをひたすら祈りたいと思います。

 9-11以後、「ソ連なきあとは、いよいよシナがヤバそうだ」と見当がつくようになりました。
 そこで、南西諸島に投入しやすいように、C-130や重ヘリコプターで空輸できる、あるいは商用コンテナに入れて輸送して普通のクレーンでも卸下できるような、空挺AFVが必要でしょう――との小生の提言(『「新しい戦争」を日本はどう生き抜くか』)は、もちろん考慮されなかったでしょう。
 そこまで根本的に発想が変わると、予算を得るために財務省を説得し直さなければならなくなります。三流官庁の防衛省には、そんな手間をブレークスルーしてくれるような人材は、いやしないのです。

 C-Xでの(分解)空輸は、考えていたことでしょう。

 「ソ連の着上陸侵攻なんて、ありえない」と、背広上層によって陸自の戦車定数を減らす決定が下されたのは平成16年でしょう。もちろんこの決定も、既定であるTK-Xコンセプトを、少しも変えなかった。

 調達数がこんなに劇的に少なくされるのだと、もっと前から分かっていたならば、三菱も四研も「戦艦大和」の発想に切り換えたことでしょう。
 つまり、逆に70トンまで重くした戦車を与那国島などにはじめから配備しておくことで、敵が質的に対抗不能になるように図ったでしょう。
 ロシアやシナには60トン戦車はなく、輸送&揚陸手段もないので、侵攻の敷居は高くなります。

 「北海道はもうどうでもよく、むしろ沖縄方面がヤバイ」と1980年代後半にわかっていたなら、TK-Xには浮航性が与えられたでしょう。

 主火器も、対AFV交戦など二の次とし、人海ゲリラを皆殺しにするのに便利なものへ換装されたでしょう。(無人砲塔で砲塔全部がモジュールだったら、すばらしいのですが。報道は、ただアーマーに触れているだけです。)

 そして安倍内閣倒壊の原因にもなった「陸自をアフガンやイランに出せ」というアメリカの圧力。これもTK-Xには反映されていないのは申すまでもありますまい。

 もし中東に派兵しなければならないのだと分かっていたなら、44トンぽっちにしたわけがない。今の60トン級でも、将来の脅威(新型路肩地雷)に対して不安があるのですからね。

 さて、教訓は何でしょうか?
 「古い事態に最新テクノロジーで対応する」パターンは、1992年以降は、もうやめにしなければ。

 「最新事態に、敵よりも素早く対応する」という方針に、全面的に切り換えないといけない。これは戦車だけでなく、AHもそうですしFXもそうです。

 20年がかりで構築したハイテク・アイテムも、数年で、新戦場・新事態・新防衛構想には適合しなくなる。
 とすれば、「他国を何年もリードできる高度ミリテク」の達成を望むのが間違いです。殊に陸戦兵器では。

 モジュール設計の思想は正しい路線です。ただしそれは初期調達単価を抑えるためでなく、「新事態への瞬時最速の対処」を将来にわたって不断にとり続けるためにこそ、必要なのです。

 自衛隊が使う主な装備の開発サイクルを「20年」から「数年」にまで短縮すべきです。もし、いかほどモジュール化しても「数年」でものにならぬシステムであれば、それをゼロからつくることを止すべきです。既製品(輸入品を含む)の組み合わせや改良で、誰にも予期のできない最新事態に対処して行くべきです。

 汎用パーツや汎用マテリアルを何十年もかけて研究するのは、いっこうに構わないでしょう。
 しかしシステムの「用途」を10年も前に決めてしまってはいけない。

 民間自動車の分野でどうして日本はアメリカに勝てたのでしょうか?
 それは、開発→商品化サイクルを、ビッグ3よりも短くすることに成功したからです。試行錯誤の繰り返しの速さ、回数が、アドバンテージに直結した。

 はんたいに、コンピュータ・ソフトの分野で、どうして日本はアメリカに勝てないか。それは、開発→商品化→改造強化サイクルで、米国の民間企業に太刀打ちできないからです。最初の商品化であけられたリードを埋められない。

 離島防衛や遠征軍用の戦車のデザインは、「ウィルスに強い通信ソフト」の開発・改良と同じだと考え直すことです。脅威は日々、進化しています。年々、新手の戦場が追加されます。20年がかりの設計では、かならず不覚をとることでしょう。
 しかし三流省庁の職員では、このような考え方を財務省の担当者によく説明することは、ちょっとできそうもないでしょう。ざんねんなことです。

もーレつ荒レたろう

 速報! 並木書房の『逆説 北朝鮮に学ぼう!』が、すでに都内の一部書店に置かれているようです。

 また複数の通販機構で、受注が可能な状態になったようです。

 本書で特筆すべきは、書籍のタイトルでしょう。久々に著者じしんが満足をしているタイトルが付いています。

 じつは過去何年も、小生の執筆した単行本のタイトルは、出版社側によって起案・決定され、その大半は、著者として、大いに不満足なものでした。

 なにしろ、書いた本人すら、タイトルから内容を思い出すことができない。
 いや、内容だけではない。タイトルそのものを思い出せぬものがほとんどなのです。

 タイトルによほどのインパクトがなかったら、本なんて大衆相手に売れるわけはないでしょう。わたしは、出版社の正社員である書籍販売のプロたちには、このぐらいのことはよくわかっているのだろうと思って、敢えて、自説を貫くことを控えてきました。

 本書はさいしょに『北朝鮮に学べ!』のタイトルでわたしの方から企画提案をいたしました。
 もちろん書いてあることは北朝鮮の話題ばかりじゃありません。タイトルというのは、中身の要約ではないのです。
 本書は平成19年12月15日に脱稿したものです。

通販で猟銃が買われた場合、売った店の名は分からないのか?

 『諸君!』の記事に追加したい情報があります。
 ある人が知らせてくだすったのですが、通信販売でも猟銃が買えるんだそうです。
 販売元から「譲渡承諾書」などの書類一式を郵送してもらって、警察に行って所持許可の手続きをすませますと、1~2ヵ月後に、許可が出るそうです。その許可証を販売元へ郵送しますと、宅配便で銃が送られて来るそうです。

 それにしましても、通信販売でも「買った店がわからない」ということはありえないように、思われるのですが……。

 またある人のご教示によりますと、バレルとフレーム以外の猟銃パーツは、かなり自由にノーチェックで流通しているそうです。それは〈銃本体〉の扱いではないのだそうで……。
 たとえば「引金ブロック」などを2セット以上購入して所持するのも何の問題もないとのことです。この引金のバネの強さは、実猟とクレーとでは、変えるのが合理的なのだそうです。また故障時の予備にもするそうです。

 商品としての猟銃をどう考えるか。これは、オートバイと似たところがあるでしょうね。

 トライヤル用の小型自動二輪車で、ツーリングはできなくもないが、目的合理的ではないですよね。
 しかし警察が、「おまえはそれで暴走族になって人でも轢く気か」と、違反歴の無いライダーを疑って2台目の中型二輪を購入できなくする行政は、あり得ません。

 また、「買い物なら2台目の400cc.のバイクでもできるだろう」と、3台目の原付保有を邪魔立てすることもありません。

 しかし、ある日、そのライダーの気が狂って、多数の歩行者にぶつかってやりたいと思うことがないとは誰にも断言できないのです。それでも、彼が同時に運転できるのは1台です。

 今日は、クララが立った記念日

こどもをかかえて

おまるにすわらせようとしたら
 2日間ねたきりに……

Yさま
 すいません、諸君の見本誌がまだ郵送されて来てないのと寝たきりなのとで、記事コピーをファックスできません。

ここで余談
 せんじつ、女房の車のエグゾーストパイプと触媒缶のつぎめ溶接が破断して直管マフラー状態に。
 この音でこどもシールをペタペタはってたらヤンキー車としかおもわれぬ。
 ふつうに車間距離とってても前の車が不必要に車線をゆずってくれる。こちらは軽なのだが。

ぎっくりごしで

しばらくぎょうむていしちゅう