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頭脳雑役夫 リクルーティング

 ここ数年は視る機会がなくて残念だが、米国製アニメの『ザ・シンプソンズ』の登場人物に「アプー」というインド系の就労者がいて、いつもしがないショップ・キーパーをやっている彼の学歴は、実は「カルテック」出である。といってもカルフォルニアの工科大学、なのではなく、「カルカッタ工科大学」であります(爆)という――(以上は英語音声限定のオチかもしれない。吹き替えだとどう処理されているのかは存じません)。

 つまりインド本国では自己実現の道のない理工系の高学歴者が、米国などに流れている、その一人なんだというキャラ設定だ。もう、「アプー」氏は、多くの米国の町で普通に見かけられるのであろう。

 2001年に、とうじ英国経済誌の記者/編集者だったビル・エモット氏が、シナ外務省の軍縮担当者にインタビューしたときに、話が台湾に及ぶや、いきなり相手の「司長」がテーブルを叩き、「台湾を母国に復帰させるためなら、私は命を投げ出す」と叫び、わざとエモット氏をびっくりさせた――と、氏の新刊に書いてある(『アジア三国志 中国・インド・日本の大戦略』伏見威蕃氏訳、304~5頁)。

 しかし兵頭が思うに、「司長」氏の言動は、なにもエモット氏をびっくりさせるのが目的ではなく、自分が中共中央の方針に忠実な発言しかしていないことを、室外の部内者にも知らせて、ライバルに足を引っ張られない用心をしただけだろう。

 すなわちシナ人は、壁越しに隣室の「目付け」などに聞かせるため、目の前の対話相手に向かって叫ぶということがよくあるのだ。それをエモット氏は見抜けていない。これではシナ発の情報工作の好いカモだと想像した。
 そうだとするとエモット氏は、シナ取材中、「次のシナ発・反日宣伝」の、現在仕込み中の材料を、お土産に、つづらいっぱいに渡されたかもしれない。どうも新刊を読むに、シナ側は「731部隊」のむしかえしを準備しているんじゃないかとピンと来る。「南京」はメッキが剥げたと自認しつつあるのだろうか?

 またもや新しい「対抗宣伝マンガ」を、来年あたりは、つくらなければいけなくなるかもしれない。今から人材を募集するので、「何でも描けますぜ!」という人は、コンタクトをとって欲しい。どのくらいの絵の水準が求められているかについては、7月4日にマガジン・マガジン社から発売の『やっぱりありえなかった南京大虐殺』を見てくれれば分かる。要するに、そこのあなたでもOKだ!

 さて、6月25日配信の「読書余論」では、いよいよ、「ヨコ組劇画」の『やっぱりありえなかった南京大虐殺』のオリジナル脚本が、特別附録として、冊子の発売前に、お読みいただけます。

 お申し込みは、武道通信URL
http://www.budotusin.net

 で詳細をご確認のうえ、杉山頴男[ひでお]事務所メールアドレス
sugiyama@budotusin.net

 へどうぞ。

頼れない国、台湾――or, Sumuel P. Huntington IS right.

 かねてわたしは他の「保守」論筆家とは一線を画し、〈台湾人など信用できるわけがない〉というスタンスを貫いてきた。「台湾旅行ご招待」にも応じたことはない。

 理由は至ってシンプルだ。

 台湾は世界有数の外貨保有国だ(った)が、その有り余るカネを、国防のために投じて来てはいない。

 「アメリカがあれを売ってくれぬ、これを売ってくれぬ」と文句をいうのだが、ハードカレンシーである外貨が十二分にあるんだから、国防体制を充実させる方策などいくらでもあるはずなのだ。

 80年代の南アフリカ政府のように、世界中から優れた技師を集めて国策兵器会社をつくることも可能なはずである。しかしそういう努力は払っていない。
 地道に、まず造船所を拡充して、そこで軍艦をつくろうとか、そういう発想からして無い。もののみごとに無い。

 国防投資などムダだと達観している気配が、濃厚である。

 もちろん、台湾国軍の海兵と空挺は、ハッキリ言って、日本のタルんだ自衛官より10倍は精強である。なにしろ、演習で死人が出る。兵隊たちは、マジメにやっているのだ。おそらくそれは、中堅職業軍人が、貧困家庭の出身だからだろう。

 しかし、彼らは政府から、ロクな装備を与えられていない。たとえば、高額な戦術ミサイル類のストックも、犯罪的に少ない。
 これは、政府が内心では中共との実戦など予期していないのか、実戦になったら米国が補給をつけてくれると確信しているのか、いざというときは外国に逃亡するだけだと考えているのかの、いずれかであろう。

 わたしは、1990年にイラク軍に侵攻されるやさっさと貧民を捨てて逃亡したクウェートの富豪たちと、心証が重なるのである。あのクウェート政府も、ロクな軍事投資をしていなかった。しかも、支配階層の個人資産は見事に国外に分散されていた。サダムがやってくることは数ヶ月も前から分かっていたようだ。ド腐れだった。

 要するに、イスラエル国民のように、「絶対に逃げずに国土を死守しよう」という気構えが、台湾国民には欠けている――と、わたしは判断をせざるを得ぬ。これは台湾国民がまだ「シナ文明」を脱していないからだろう。ハンチントンは正しいだろう。

 そんな国とどうして同盟できると「保守」評論家は思いつくのか。ハンチントンは、これまた診断してくれている。
 〈一国一文明でありながら、日本人は同時に、一国で孤立していることには堪えられないから〉。つまり西洋的「個人」ではないから、部族的な共同体を国外にまで求めたがるのだ。

 しかるに、台湾の小金持ちたちは、いつでも逃げる準備だけは、すでに70年代から、万端整えている。
 カナダ、豪州、欧州、日本……あらゆる外地に親戚を住まわせ、いざというときに引っ越せるようにしているのだ。

 同じ文明圏(宗教)だから、大陸と台湾の投資交流も活発だ。台湾は経済的にはすでに大陸と一体になっているも同然だ。
 とうぜん、中共も、「敵前上陸」なんかやる気はハナからない。対岸に並べた大部隊で脅しておいて、経済工作で翻弄し、最後は政治的に屈服させる。「事実上の州」にしてしまえばいいのである。
 70年代と違い、中共の財力が台湾の財力をあきらかに圧倒したことから、この流れはいよいよ不可避になった。
 頭の良い台湾人は、無駄な努力はしなかったのだ。

 〈属する文明が同じならば、その両国は、戦争を始めるよりは、連合国になる可能性の方が高い〉と看破したハンチントン・パラダイムは、1992年以降、何度も確認されていると思う。

 それがあまりにも図星すぎるから、日本の保守系インテリ先生も、左翼とは別角度から、ハンチントン・パラダイムを、なんとか腐そうと試みてきた。無駄である。視座の水準が違う。三島由紀夫がルース・ベネディクトの天皇観を腐そうと思ったのと同じだ。

 日本人は、日本人を頼っていいか?
 ――頼っていい。
 なぜなら、平時から海外に逃亡する準備をしている日本人の有産階級は、まだごく少数であるからだ。みんな、この国に何が起ころうと、国土・国民と運命をともにする気なのだ。一国一文明だから、「選択」は考慮の外なのだ。

 ただ、高級官僚と巨大輸出メーカーの親玉連だけが、この国土・国民と運命をともにする気がない。彼らは、日本がシナ人の支配する国になって社会環境が劣化したら、貧民を見捨ててゲーティド・コミュニティに暮らすか、列島外に逃亡する気だろう。
 トヨタの「高機動車」の細部が、いかに軍用車両としては不純であるか、わたしは1995年の『日本の防衛力再考』で指弾した。あのとき抱いたいやな予感も、当たってしまった。

 ハンチントンが想像しそこなっているのは、シナ文明が他文明に仕掛ける間接侵略工作は、軍隊の攻勢以上にタフな ROTTEN SOFT POWER であることだ。気付いたときには、もう家の内側が腐っているのである。

暴動or自殺の前に、これを読め。

 税金が上がったでしょう?
 それよりもキツイのは、国民年金保険料が、ばあぁぁぁぁん…って、上がったでしょう。
 今週前半に、みなさんの家に通知、来ましたよね?

 年収200万円台のウチの場合、保険料が月に2万くらい上がりました。これで年収の25%くらいは溶けますぜ。
 それで月々の収支が均衡していたら忍べるのですが、わたしの計算だと、たぶん今月以降、保持している貯金が、数ヶ月で均すと、減り続けるモードに入り、ひょっとして、来年くらいに生活保護を申請しなければならぬかもしれない。

 「これは暴動が起きるかも……」と思って「2ちゃんねる」の「ニュー速」のタイトルのトップ10くらいを数日間モニターしてみたのですが、意外なことに、ほとんど税&保険&年金に関する話題が見当たりません。

 五輪がどうとか、台湾と戦争だ、だとか、バカジャネーノ?

 よ~く分かった。「2ちゃんねる」のユーザーは、すくなくとも年収200万円台の扶養家族ありの自営業者ではない、ということが。

 税金も保険も家族扶養も老人介護も、何の心配もない連中が、作っていた空間なのだろう。

 東京都心ならば、冬の灯油代とか、自動車のガソリン代とか、要らんでしょう。しかし地方では、節約しようのない費目があります。そして自営業者はサラリーマンのような定期昇給などはない。去年と同じ収入を今年も得られる保証から、なにひとつないわけです。
 なのに、灯油代、ガソリン代、その他は今後も上がり続けることだけは確実……。

 これで「消費税上げ」、とか、もうありえないでしょう。

 次の総選挙で、今は誰も予想できないような結果が発生して「革命」につながらない限り、日本は終わったネ。
 革命という言葉は嫌いだったが、こうなってはもう、発信するしかないだろうね。
 「2ちゃんねる」とは無縁の同志を糾合しようと思っています。

謹告 ついに「あの」マンガが……

 こんどの6月25日配信の「読書余論」には、特別付録がつきます。

 『やっぱりありえなかった南京大虐殺 (From Shanghai to Nanking)』……そう、かなり前に公募した、リアル劇画「支那事変の風景」のオリジナル・シナリオであります。購読者だけの特典でございます!

 このマンガは、めでたく完成し、マガジン・マガジン社から、7月4日に店頭発売予定です。皆様には、その前に、原作脚本で、内容をお楽しみいただきましょう!

 「読書余論」の詳細と、新規お申し込み方法などは、
   武道通信URL
http://www.budotusin.net

 で、どうぞお確かめください。

御礼 ミネルヴァ書房さま

 この度は新刊をご恵送くださいまして、辱う存じました。
 三分の一ほど読みましたが、イヤ、面白いですね!
 「良い本を読みたい人は、同時に忙しい人である」というところが、大衆社会の出版業のジレンマですよね。営業の今一層のご健闘を心から祈り上げます。

 近頃、夜の町をジョギングすると、街灯の届かない庭にソーラーライトが増えてきたのに、気づかざるを得ない。急に普及が始まった感じだ。
 しかし、その性能が向上しているようには見えないので、大いに遺憾を表明したい。
 例の「商品Ⅹ」も、先月、ついに残すところ2基となり、やはり寿命があることが判ってきたが、それでも、こいつを超える充電性能の商品は、まだどこにも見かけないぞ。
 新技術・新素材へのチャレンジを忘れ、商品の最重要性能をよくもしないで、シナ人に安く作らせることばかり考えてちゃ、すぐに衰退しちゃいますぜ。日本のメーカーの皆さんよ。

 ところで前に100均ショップでミニ地球儀を買ったことがあるが、日本とアメリカ合衆国の色が水色になってた。つまり、海と区別がつかんわけ(w)。こういう、シナ人のしょーもない嫉妬心を、なめていると、大変なことになりますぜ。

重版御礼 ならびに 『新訳 孫子』のミニ改訂

 みなさまのご支持を蒙りまして、おかげさまで「2刷」が出ることになりました。
 せっかくなので、細かな字句変更を加えました。
 その差異は以下の通りです。ここに列挙しまして、「初刷」をお持ちの方々に慎んでお知らせを申し上げる次第です。


▼PHP『新訳 孫子』第2刷で訂正されている箇所
○92頁 9行目
 現時点から → 現在地から

○125頁 8行目
 なるべく維持します → なるべく維持させます

○138頁 4行目
 威力があったことを紹介しています
  ↓
 威力があった、と紹介していました

○141頁 9行目
 乗じられる → 乗ぜられる

○141頁 10行目
 見た敵がぜんぜん進んで → 見た敵がいっこう進んで

○165頁 7行目
 敵の包囲内に置いて → 敵の包囲下に置いて

○166頁 うしろから3行目
 会戦でもし敵を打倒で → 会戦で幾度敵を圧倒で

○167頁 うしろから4行目
 撃を考えず、間合いを → 撃をひかえ、間合いを

○173頁 2行目
 健全な将兵も → 健強な将兵も

○180頁 うしろから3行目
 「地形篇」とも → 「地形」篇とも

○181頁 うしろから6行目
 「計篇」の統一性 → 「計」篇の統一性

○212頁 8行目
 孫武も一生かかって集め → 孫武も一生をかけて集め


 謹告。このシリーズの兵頭抄訳の第二弾が決定。岡谷繁実原作の『名将言行録』であります。お楽しみに!