TOP PAGE


« 2009年08月 | メイン | 2009年10月 »

潜水艦輸出とイラン危機のおかげでドイツは「P6」入りを成し遂げる

 09-9-28に『NYT』に FLYNT & HILLARY LEVERETT氏が「How to Press the Advantage With Iran」という寄稿。
 そこにこんなことが書いてありました。

 ――1969にニクソンは、チベットに関する工作を停止しろとCIAに命じ、米海軍には台湾海峡から離れろと命じた。ベトナム戦争中だったにもかかわらず。

 兵頭いわく。『属国の防衛革命』(光人社)にも書きましたが、米支核密約は1969に始まったと思います。片岡鉄哉先生すら、気付けなかったことです。新政権の外相は早くこれを暴きましょう。

 ――シナはイランから原油を輸入しているだけでなく、おびただしい油田開発をイランで実施中。さらにパイプラインをイランからシナまで敷き、原油タンカーを米海軍に妨害されないようにせんとの野心あり。

 兵頭いわく。23日の『FT』は、シナがイランへガソリンを逆輸出中だと報じていましたね。
 またウォルフォウィッツの9-27のFT論文によれば、イランはロシアに次ぐ天然ガス埋蔵量を誇り、それは米国の埋蔵量の4倍で、2/3は未開発だと。(だからといって原発の必要などないとか、原発用の濃縮ウランは安く輸入すればよいだろうとか、ナショナルセキュリティについて他国人が妄言できないでしょう。それがよい証拠には、かつて日本資本によるイランの油井開発を妨害して中断に追い込んだのは米国政府じゃないか。)

 09-9-28には Hu Zhengyue 氏が「Seek peaceful solution to Kashmir: China to India, Pak」という記事を寄稿しています。〔これはインドの新聞でしたか……?〕
 カシミア領土問題を早く解決しようという呼びかけですが、これは、イランからの原油をパキスタン領経由でカシミール峠を越えてシナまで通したいからですよね。

 AFPは09-9-29に、「Israel Takes Delivery of 2 German-Built U212 Subs」と報じ、『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』によれば、このDolphin-class は核弾頭付巡航ミサイルを発射できると紹介しています。〔わたしはこれはブラフのレベルだと思っています。理由は、イスラエルはその実戦的な発射演習をほとんどしていないようだから。核攻撃は、不確実性の高いBMでもCMでもなく、腕に覚えの航空機投下爆弾によってするつもりでしょう。〕

 湾岸戦争後、ドイツは3隻の潜水艦をイスラエルに売り、それにこの2隻が加わりました。引渡しは2010だと思われていたのが、早められた。
 イスラエルがイランの脅威にかなり真剣になっているのは間違いないでしょう。

 ドイツは核武装国ではないが、イスラエルに核兵器投射手段を売ってやることで、「P5+1」のメンバーに招じ入れられた。イランをペルシャ湾側から脅威できる――ようにいつかはなるかもしれない――この潜水艦の売却は、完全に米国の承諾下で行なわれているでしょう。実質、米国によるイスラエルへの戦略兵器システムの迂回援助のようなものでしょう。
 EU経済を一国で支えているドイツは、アフガンにも有力な空陸部隊を供出していますが、それだけじゃ「P6」扱いはしては貰えなかった。

 日本はインドに大型潜水艦などを提供すれば、このドイツに近い地位が得られるのかもしれません。日本がやらなければ、フランスが原潜技術をインドに売ろうとするだけです。早く日印武器貿易協定(第三国への技術流出防止)を結ぶべきでしょうね。

 さて10月下旬にはまた小生の単行本が出るでしょう。しかしその前に皆さんは『「自衛隊」無人化計画』を熟読して欲しい。これは惨憺たる経済状態に陥った日本社会の暗い趨勢を根本から逆転して明るくすることのできる福祉のマニフェストなのですから。

麻薬が水を奪う! “失敗国家”寸前のイエメンの姿

 イランのニュースがいろいろ盛り上がっていますけど、あっと驚く話は無いですね。『フィナンシャルタイムズ』へのウォルフォビッツの意見寄稿とか、古いレコードの歌のようなものだ。

 今回も、中距離BMのシャハブ3改と、二段式固体燃料の「セジル」の、実際の飛距離の公表はありませんでした。
 シナ製の短BMを「二連装」で発射できるランチャー(車載機動だが地面におろして据えるようだ)の公表だけが興味深かった。固体燃料式だからできるんでしょう。

 シナ製の短BMは三種類あり、その最大のものでも300kmしか飛ばず、それではイラン領からイスラエルまでは届かないが(最低1000kmは射程が必要)、イランはなにしろレバノンのヒズボラへSSM/SSR売りまくりの前科がある。これらも密輸出されるんでしょう。米軍が地中海にイージス配備するのは、それに備えたいのか。

 ジョイントスターズやその類似機能のUAVで空からBM展開を探知されても、対地攻撃機が飛来する前にさっさとBMを発射しちまえばいい、というのがイランの高等判断なんでしょう。シナ製固体BMがその需要に応えた。輸出経路は空輸でしょう。
 そうするとセジルもシナ技術じゃないかと疑われる。ノドンと同射程なら、もう北鮮はイラン市場をシナに奪われたのですよ。

 で、果たしてイスラエルが「行動」を起こすとしたらどうなるか? 手際よくまとめてくれているのが、ANTHONY H. CORDESMAN氏の09-9-26の「The Iran Attack Plan」という記事。どこかの日本の媒体でこれをマルパク和訳しただけの解説記事が出そうな予感のするくらい要領が良い。

 まあそれよりも最近考えさせられたのは次のイエメンの記事です。
 Andrew Lee Butters 氏が 2009-10-5〔この日付は紙媒体用?〕に載せた「Is Yemen the Next Afghanistan?」という記事。

 イエメン政府はスンニ派。反政府ゲリラはシーア派で、北部国境に蟠居している。内乱は難民を生み、アルカイダ天国の土壌ができている。

 それでも2009-6までは、外国人が被害に遭うことはなかったのだが、とうとう6月に9人の外国人が誘拐され、そのうち2名のドイツ人女性、1名の韓国人女性は、バラバラ死体で発見されている。
 その後、イエメン政府は外国ジャーナリスト等の国内旅行を制限している。

 世界公認の失敗国家(failed state)であるソマリアが海賊を輩出しているのは有名だが、次はそろそろイエメンがあぶなくなっているぞ。
 イエメン領内の山岳地は無法地帯で、アルカイダも好んでいる。というか、もともとイエメンはアルカイダへの有数の人材供給国。イエメン政府とアルカイダの関係は symbiotic【共生的】である。

 ※なるほど、2002にプレデターの最初のヘルファイアの手柄首がイエメンで挙げられていたのもこういう背景があったわけね。

 ソ連がアフガニスタンに侵攻したときにもイエメン人が多数志願ゲリラになり、多数がソ連軍に処刑された。フセイン時代のイラクにもイエメンから反政府ゲリラ要員が潜入した。
 アルカイダは 2008-9にイエメンのアメリカ大使館を襲撃せんとした。

 イエメンは銃だらけ。しかも国民の教育はほぼゼロ。
 Khatという低木がある。この葉を口の中で噛んでいると、天然の覚醒剤成分が五臓六腑にしみわたる。イエメン男の90%、イエメン女の25%は、この植物麻薬の中毒患者である。

 イエメンで耕作可能な土地のほとんどが、この Khat の栽培のために利用されている。ただでさえ乏しい水は、ほとんどその畑のために費やされている。

 Khatをやめれば禁断症状が出る。だが、それを治療する方法を、イエメン政府も、米国も、持ってはいない。
 大衆は〈現状でいいじゃないか〉という態度。Khat を常習していると、なんかどうでもよくなってしまうのだ。

 そして、唯一、この現状を改革可能なのは、アルカイダの怒れるピューリタンかもしれん。やつらはこの麻薬には手を出さないから――。

 ……というのだが、本当か? 「アルカイダ=イエメン庶民」という構図があるのなら、ラリったメンバーだって多いだろうに。
 この記事には書いてないけど、ソマリアでブラックホークが墜落したとき、襲い掛かってきた住民も、この木の葉を噛んでラリっていたんでしょうね、たぶん。地域ぜんたいトリップ状態かよ!

 さて拙著『「自衛隊」無人化計画』が書店発売になってから10日を過ぎましたが、ここには日本の現状を変える方法がすべて書いてあります。
 昼間っからマリファナ吸ってふらふらしているような若者は一人も居ないといわれるニッポンのみなさま、どうぞインフルエンザにお気をつけてお過ごしください。

本土からの核撤収+不真面目MDという“現行”米支密約をこそ暴け!

 『NYT』の「Op-Ed」欄にゴルバチョフが「Two First Steps on Nuclear Weapons」という意見を09-9-24に寄稿。
 大意を摘録すれば……。
 ―― Dmitri Medvedev は昨年11月に言ったではないか。もしポーランドへのABM配備をアメリカがやめるなら、ロシアもそれに対抗した新たなSSMを配備することはやめることができると。オバマは今回これに応えただけである。
 ロシアは前から言ってきた。イランが長距離SSMをつくっている証拠が一つも無い。アメリカもとうとうそれに同意したのだ。イランは今後10年ICBMはつくれない。
 米露2国が核軍縮しないために、もし5~10ヶ国の核武装が許容されるというなら、どうしてそれが20~30ヶ国に増えちゃいけないんだ? と世界は思っているぞ。
 ゲイツは、 SM-3 missiles が将来は長距離SSMを迎撃できるようになると言った。また、米露はMD協力できるといった。然らず!
 米露のゴールは、 mutual deterrence の現状を、 minimum nuclear sufficiency for self-defense に低めることであるべきなのだ。

 兵頭いわく。ロシア人の本音を翻訳すれば、〈もともと反露で凝り固まっていて、しかも立場が強くなれば何をしでかすか分からないポーランド人なんかに危険な武器を与えるなよ。つまりポーランド人は朝鮮人と同じさ。「RD-170」エンジンを20年がかりで完成したオレ達は、イランに核ICBMをつくる能力などないことを確信しているよ〉となるのだろう。

 オマケ。きのうの「ロシアの声」は、イランがIAEAに第二の濃縮ウラン工場を申告したとか言っていましたな。

 次。同日、同じ「Op-Ed」(社説対向ページのこと)に、KENNETH ADELMAN 氏が「A Long-Term Fix for Medium-Range Arms」という寄稿。
 これがトンデモ論文だ。阿呆は日本の鳩山だけじゃないと分かって皆安心だね。世界中にいるわけだ。そういう阿呆たちは、ただ実務派からスルーされるだけなんだなぁ……と確認ができるように思います。

 以下、アデルマン氏いわく。
 ――先週オバマ氏は東欧のABMの楯計画を撤回し、より小型の迎撃手段を on ships and planes 〔艦船と航空機だと!?〕に搭載する変更案を決めた。
 しかし、提案したい。
 中距離ミサイルなんてものは全面禁止してしまえば良いのであ~る!
 1987にレーガンとゴルバチョフは intermediate-range nuclear forces treaty で中距離核を禁止した。これを世界中に適用すれば良いだけだ。
 あのとき米ソは、陸上から発射する射距離500km以上5500km以下のSSMおよびCMを相互に禁じた。
 オバマとMedvedev はこれを全世界190カ国に要求すれば良い。
 もちろんイランや北鮮は聴く耳を持たないだろう――。

 ※ここで兵頭のツッコミ。その2国だけのわけがないやろ。

 ――しかし100カ国以上がこの条約に署名し、テストと開発と配備をやめれば、幸先は良かろう――。

 以下、兵頭いわく。
 これからフランス設計の原潜を造らんとするブラジル含め、ヤル気と能力のある数十カ国はすべて除外した100カ国な。笑わせるんじゃねーぜ。

 寄稿者アデルマン氏はレーガン政権時代の軍縮担当だった人らしいが、これほどの「井の中の蛙」とは驚きだ。米露以外の何も見えんのか。
 INFは米ソ2国間だからこそ成り立ったという地政学が分かってない。
 22年前のINFではシナは局外者であった。極東ではロシアはSS-20をなくし、シナはSSMを増強した。ロシアが対支の中距離核バランスでは不利に陥っているのだが、もともとロシアにはウラル以東の都市を核ミサイルから守ろうという発想はなかったのだ。

 たとえば露支間では射程4000kmもあれば完全に戦略核なのだ。ということは、もしかりに多国間版INFができたら、シナは射程5500kmオーバーのミサイルを増やすだけだ。その結果どうなる? ヨーロッパや中東、オセアニアが、シナ本土から、大量の核弾頭で脅かされることになる。シナは戦略核の上での世界覇権国になる堂々たる口実を得られる。もちろんそれに英仏も対抗をせざるを得ない。5500km以上飛ぶミサイルが数カ国で増強されよう。実質、世界的核軍拡に終わるだけだ。

 ある後進国が、宇宙観測ロケットや長射程SAMを開発するとする。やがてそれが射程500kmを越える。どうやって区別するのだ。SM-3だってこのまま大型化すれば潜在的SSMだとイチャモンをつける国が出てくるだろう。現にロシアはGBIがポーランド軍の核SSMに化けると疑った。

 次。Schmitigal 氏と Le Pera 氏による「Army Testing Fire Resistant Fuels for Combat Vehicles」という記事。
 路上爆弾にやられて炎上する車両が増えてきたので、ぜったいに火災事故や燃料タンク爆発を起こさないディーゼル燃料やJP-8〔飛行機用じゃなくて陸上車両用〕を米陸軍がまた本腰で研究することになった、と。

 今のディーゼル・エンジンは、一部の燃料がインジェクターからまた燃料タンクに戻ってくる。それで油槽内の油温が非常に高くなり、そのために弾丸を一発くらっただけでも炎上しやすいのだ。〔いやー、知りませんでした。〕

 そこで研究されているのが、燃料の中に純度の高い水(量としては燃料に対して10~20%だという)と乳化剤を加えて混濁せしめる方法。
 この研究はずっと前からあったが、立ち消えになっていた。
 1990s末から複数のメーカーが水混濁ディーゼル油に挑戦してきた。酸化窒素などの排出微粒子を減らす効果があるのだ。
 2002に陸軍は、燃料タンク内に防爆機能のあるメッシュを入れる試験を開始。成果はかばかしからず。
 2002-10からは米環境省も、水混濁燃料油研究をプッシュ。
 欧州も2003-1からそれを製造しようと努力中。

 そして米陸軍は2006-5、イラクとアフガンの炎上に懲りて、この計画を再スタートさせたのだ。
 こんどはディーゼル(軽油)だけでなくJP-8でもやる。
 ディーゼル油より揮発しやすく着火点の低いJP-8ジェット燃料が米陸軍の戦場燃料として使われていることも問題視されている。Adding to this IED threat was the fact that JP-8 aviation kerosene, a slightly more volatile fuel having a lower flash point minimum requirement than diesel, was being used as the Army’s battlefield fuel.

 被弾貫通をうけたときに油槽内の燃料が霧状に飛び散らないようにするには、長い連鎖のポリマーが燃料中に存在すればよい。これで飛沫による初期爆発は抑制できる。
 しかしポリマーの連鎖はディーゼルエンジンのインジェクションの際に剪断されてしまう。〔兵頭いわく。だったらインジェクションのあと油槽に戻さないようにすればいいだけじゃね? ミニ・ガスタービンで燃やしたらどうだ。〕

 そこでベンチャー企業複数が、インジェクションで剪断されてもポリマー連鎖が再度くっつくような成分を研究中。これでディーゼルエンジン搭載車両の油槽の鎮火性を保てる。

 オマケ。「FBI Says Corrupt Border Officials Accepting Bribes Expose U.S. to Terrorist Risk」という、 PIERRE THOMAS 氏による09-9-24の新聞記事。
 メキシコ国境のテキサスなどの州のシェリフが腐敗しているというので、FBIが囮捜査してみたら、150ドルの賄賂で不法移民を導き入れまくりだった。テロリストだって簡単に入って来られる状態となっている。ヤバイ。
 また2008に合衆国は、シナからの不法移民2285人をとっつかまえた、と――。

 FBIという中央権力がなかったら、アメリカ合衆国とて、安全を保つことはできぬようです。

 もう移民など一人も入れなくとも、ロボットが、日本の介護保険問題と不景気をすべて解決します。移民はストを打ち、賃上げを要求し、諸手当を要求し、生活保護と老齢年金を要求し、日本社会に、さらなる負荷をかけるだけです。ロボットは、何も要求しません。
 詳細は、拙著『「自衛隊」無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』(PHP刊)をどうぞ。すでに地方の書店でも手にとって見ることができます。

小籌か、浅略か、はたまた……

 AFPの09-9-23報道。英ブラウン首相はトライデントSSBNをどうやら4隻体制から3隻体制に減らすつもりらしい。英外相は、これは予算面の考慮が理由ではないと強調。ちなみに英国保有の核弾頭数は、世界で五番目。
 兵頭いわく、おそらくSLBM用の保有弾頭数は削減しないでストックしておくのだろう。

 またブラウン氏いわく、北鮮とイランに核武装をやめさせるため、原発支援すべきだ。
 NPT精神は、核保有国の核削減も要求しているが、英国は independent nuclear deterrent【独立的核抑止力】も維持する必要があるのだ、とブラウン政権は信じている。

 兵頭の蛇足。これは、近づいた米露交渉(ReSTART)への下地づくり。
 さらに蛇足。米国はイランがシャハブの斉射でイスラエルを叩く意志を察知して地中海にイージスを出すことにした(そしておそらくサード用移動Xバンドをイラクともう一箇所、どこかに前方展開させて警報リンクをとる。トルコはイスラエル防衛のためなどには米軍に協力をしないだろうから、残る候補地はアルメニア???)。シャハブは明らかに弾頭分離型のSSMだ。というのは、発射後100秒で爆発する事故を時に起こしている。これはちょうどノドン級のSSMの弾頭を分離する直前にスピンを与えるタイミングなのだ。これに加えて「斉射」だから、ABMは何発あっても足りない。そこで〈面倒くせえ。だったら先に核攻撃だ〉とイスラエルが決心してしまうと、それを口実に世界中に核武装国とミニ核爆弾が拡散することとなり、まわりまわって米国の大都市が核テロの的にされる確率が増える。だからポーランドどころじゃなくなっているのだろう。

 次。AFPの09-9-23報道。「Israel To Supply Radar Systems to South Korea」。
 これは二件あって、ひとつは韓国が開発中のジェット戦闘攻撃機用のレーダー。米国製にはしないのだというところに、属国に甘んじているどこかの国とは違った正常な計算を感じますね。まあしかし、輸入品である限りは、あの宇宙ロケットと、おんなじことになるでしょう。

 もうひとつは、北鮮の弾道弾を早期警戒するための、「Green Pine Block-B」レーダー・システム。
 韓国内での運用開始は2012年で探知距離500kmとか言っているが、これは「北京上空までは捜索しません」というジェスチャーだけ。

 しかしこれで韓国が大きなBEAMS/PAVEPAWS を設置する予定がないことがハッキリしたんですから、日本は宮古島に最大級のXバンド・レーダーサイトを造って対米外交上のアドバンテージをとりましょうよ。

 次。kris osborn 氏による09-9-22記事。
 ジェネラルダイナミックスが5年がかりで開発していた GPS-guided 120mm 迫撃砲弾改造キットがついに完成した。
 これは在来品の迫撃砲弾の信管を外し、誘導キットをねじ込むだけでOK。もちろんキットにはフィンがついており、それで落下コースを修正する。座標データのインプットは、発射前に行なう。

 兵頭いわく。この技術が、アフガンでの不発弾回収からロシアとシナへ漏洩するのは時間の問題だぜ。そしたらどうなるか? 110~130ミリ級のロケット弾がGPS誘導弾に化けるだろう。120ミリ迫撃砲は重すぎるのでとても個人ゲリラには運搬できない(牽引トラックが必要)。ところが140ミリ未満のSSRは、簡易使い捨て単発ランチャーともども、数人で担いで機動展開することができるのだ。つまり典型的な「戦場非秩序化兵器」だ。(戦場秩序化兵器と戦場非秩序化兵器の違いについての考察は、兵頭の『日本の防衛力再考』かその少しあとの旧著を再読して欲しい。武器援助や武器輸出を文民政府が判断するときの倫理として重要な概念です。)

 支那事変中、日本軍を最も苦しめたのが、ドイツ製82ミリ迫撃砲だった。これは射程が1km以上あり、日本軍がこいつで奇襲的に乱打されたあと、発射点を特定してそこへ歩兵中隊をさしむけようとしても、シナ兵は悠々と迫撃砲を分解して数人で背中に負ってスタコラ逃げ去る余裕をかならず得られるのだった。正規軍の歩兵の「一挙躍進距離」のほんのすこし遠間から撃ち込めるというところが、ゲリラの重火器としては常に重宝するポイントなのだ。
 今、アフガンやイラクでゲリラが81~82ミリ迫を使わないのは、上空からの監視&反撃がキツいのと、正規軍がすっかり車両化されて、一挙躍進距離が数kmに伸びたからだ。しかし簡易ロケット弾との組み合せなら、話は違ってくる。かつてのシナ軍の乱撃とは違い、GPSで1発必中なんだから、深刻な事態となることだろう。

 ゲリラがこれを持ったら、米国のGPSサービスも停止するかどうにかしなくちゃいけなくなるよね。
 早く日本は、日本独自の準天頂衛星群による〈国内専用ガラパゴスGPS天国〉を構築しようじゃないですか。

 次。「韓国軍:M1・カービン小銃を米国に逆輸出」という『朝鮮日報』の記事。M1カービンだけで64万丁もストックしているらしい。
 まだ国産アサルトライフルで更新していなかったのだね。
 この記事を読んでふと思ったのですが、たしかM1カービン用の銃剣は「両刃」ですよ。ダガーナイフ類似形の。ということは、日本国内で売ってる(売っていた?)M1カービンのモデルガンやレプリカエアーガンについている(ついていた?)擬製銃剣も、とうぜん「両刃」でしょう。あれを持っている人は、みんな、処分したのかな?

 アメリカはレーガン時代、なんであんなに景気がよかったんでしょうか? 
 それは「小さな政府」のおかげではちっともない。「SDI」を推進したDODという巨大機構のおかげです。大成功した「レーガノミクス」の正体は「SDI」+「日本大蔵省の朝貢」に他なりませんでした。もちろん、それは「一回性」で、二度と再現できない。だから後継政権(父ブッシュ)がワリを食ったのです。
 そのSDIは、「アポロ計画」(JFK政権による)の経済効果面での再現を狙ったものです。
 そのアポロ計画は、「マンハッタン計画」(FDR政権による)の経済効果面での再現を狙ったものです。米軍はWWIIでたったの40万人しか戦死せず、1000万人もが復員してきたのに失業はゼロでした。しかしこれまた「一回性」の政策なので、ケネディ政権は別な手を考える必要があったわけです。(そういや夕方の横田AFNでトルーマンの再選が意外だったという話を紹介する歴史教育テープが流れてて感心しました。三沢AFNは、夜明け後から日没まで継続して聞けるようになりました。)

 この辺をわかりやすく解説しましたのが、拙著最新刊『「自衛隊」無人化計画』(PHP研究所 ¥1300-)です。

 もう鳩山内閣もできたのだし、アメリカの属国は辞め、日本人の幸せを追求しましょう。それには、ロボットの開発と「原発10倍計画」が、最も近道です。『「自衛隊」無人化計画』を、お読みください。

そのバスには乗り遅れろ!

 オーストラリアのラジオ放送が僻地同胞のために短波の英語ニュースを送信しているのは、外交戦略というより国土事情からの当然の措置だろうと思われるが、北京放送の海外向け英語報道の努力はおそるべきものだ。24時間、必ずどこかの周波数で北京発の英語版宣伝放送が聴取できるようにしている。

 太平洋地域向けのVOAはこれと勝負する気がまったく無いようだ。放送を止めている時間帯がある。また出力をケチケチしているせいか、他のノイズに負けて、感度も明度も悪い。

 BBCの東アジア向け放送が唯一、24時間体制をとっていて、極東の電波空間において北京のライバルだと言えるが、サイマルで送出している周波数の数が北京放送より少ない。(つまり、その日の電界状況により全部が聴こえにくくなってしまう確率がそれだけ高い。サイマルの少なさと出力の小ささは、端的に動員予算の困窮度の関数であろう。)また、送信所の位置の差のせいなのか、しばしば、感度・明度で北京放送の最良の周波数に負けている。

 こんなことになっているとは、新調短波受信機の性能限界を試みるまで、迂闊にも気づかずに過ごしていた。

 おそらくオーストラリア人は、この北京発の、大出力ゆえにヤケに近くに聞こえる英語版短波放送に、すっかり魅入られてしまったに違いない。
 なにしろ米国の属国でしかない日本のNHKの国際放送などとは、報道し得る内容がぜんぜん違う。シナ人がアメリカ人とだけ張り合い、ロシアやインドなど歯牙にもかけず、全世界の経営に関わっていることを、ニュースの読み上げによって印象づけることは簡単なのだ。オーストラリア人は、この英語ラジオ報道上のシナ人の国際プレゼンスを無視していることはどうしてもできないと思ったのだ。

 平壌もけなげに英語放送の努力を払っている。時間帯とサイマル周波数の多さは、すくなくもタイやベトナムの対外放送よりは多額の予算をはたいていることを間違いなく示しているが(予算に余裕さえあらば北京放送並の24時間シフトを組みたいのであろうことも想像に難くないが)、いかんせん、あの金正日宣伝を英文化すると、ほとんど精神病の放送局としか聴こえないのだ。英語圏住民に対するPR力は、ゼロだろう。原稿書きの労力、アナウンサーの才能も含め、せっかくの国家資源をドブに捨ててるようなもの。おなじ平壌発でも日本向け日本語放送の方がまだ正常に聞こえる。

 意外だったのは、韓国の国際英語放送のショボさ。時間帯も限られ、サイマルも少ない。出力も低い。内容には、北鮮を含む他国と張り合おうという目的意志のようなものが感じられない。下手な発音でお国自慢をしても英語圏に対しては逆効果だと悟っているのか?


 さて夕方の三沢のAFNの聴こえ方だが、函館では、15:45くらいから、17時頃まで聴こえ、その後しばらく混信で聴こえないが、なぜか22時台前半頃に、また聴こえることを確かめた。ラジオは、ICF-EX5で、外部アンテナなどはつながずに、だ。
 夕方の横田のAFNは、同じくICF-EX5で、17:00前後から聴くことができるものの、17:43にはもう聴こえなくなってしまう。19時頃には、また聴こえるようになるが、それから徐々に混信がひどくなって聴き続けられなくなる。

 DE1103でまた気づいたこと。フリーズしてリセットをかけても、いちど入力してある周波数メモリは不揮発である。(もちろん、全消去も可能。)
 もうひとつ。シナ製のニッケル水素電池は定格が1.25ボルト。日本製電池の規格は1.2ボルト。この違いは何? 電圧が不安定なので規格に「余裕係数」の下駄を履かす必要があるのか?

 1.25ボルトを4本直列につなぐと、5ボルトになるはずだろう。ところがラジオの裏面には〈4本の単三電池で8.0V〉と表記してある。どういうこっちゃねん?
 附属の英文オペレーションマニュアルにも、〈外部電源はDC8V〉だと書いてある。しかるに、輸入業者で附けてくれている日本国内用アダプターは6V。

 この辺りがどうにも不安であるので、電池は日本製のニッケル水素電池(パナソニックHHR-3XPS、2400ミリアンペア)にして、パナソニックの充電器を別に買ってきて充電しつつ使うことにした。いまのところそれで何の問題もない。

地方書店でもそろそろ売ってますよ:『「自衛隊」無人化計画』

 09-8-27にAFPが大意こんな速報を伝えました。
 〈ポーランド人は察した。アメリカは別な基地案を探している。軍艦か、イスラエルかトルコにABMを置くつもりだ。バルカンも候補だ。〉
 この記事は、「U.S. to Scrap E. Europe Missile Shield Bases」というタイトルで、ディフェンスニュースかどこかに、短く掲載されていました。

 なんとまあ、正確な速報だったことでしょう。ポーランド政府のリークなしでこんな速報は飛び出しません。いかに同国政府が憤激したかが分かります。

 この「トルコ」というのは露領コーカサスのことで、米軍の移動式Xバンド・レーダーをロシアが受け入れるという話らしい。

 09-9-17のAmy Butler氏の記事によると、ゲイツ長官およびカートライト統合参謀次長の結論として、〔計10発のGBI配備を予定していた/私註〕2015までにイランは欧州を攻撃できるミサイルは持てまいが、〔イスラエルに対する/私註〕一斉SSM攻撃はあり得る。それを迎撃するには安価で展開弾力性もあるSM-3系の方がふさわしい。GBI×1発は $70 millionもするけど、SM-3の Block IA なら $10 million だし、IB でも $15 millionだからねぇ、――と、東欧人にとっては納得のできない理由を挙げています。

 イラン政府は前々から、〈俺たちはイスラエルを攻撃できる中距離SSMは開発するけど、欧州まで届く射程は追求しない〉と表明していたわけです。それを今からアメリカは信ずるのか。

 バトラー氏の記事は、ロシアがGBIに核弾頭が載ることを懼れていたことも教えてくれます。
 ロシア人とポーランド人は永遠に和解できないでしょう。

 しかし短距離SSMではない高速の中距離SSMを確実に迎撃しようと考えれば、ABMの方もどんどん大型化・長射程化するのは、過去のABM史に鑑みても当然な趨勢でしょう。SM-3系だって軍艦というプラットフォームの枷が外されれば、どこまで大型化してもおかしくない。小型の核弾頭は直径が15センチあれば収納できてしまうものです。ロシアのいいがかりは、そっくり明日のシナも採用できることを、日本人は認識しておくべきでしょう。

 オバマ民主党政権がイスラエルと比べてポーランドなどは優遇しないという態度を明白に示したことに対し、朝野を挙げて怒りを表明しているポーランド人の態度は、小国民の手本です。

 これに対してチェコ人は、同じ小国民でありながら、ポーランド人とは対極的なヘタレっぷりをまたしても遺憾なく発揮しているようです。
 APのVanessa Gera記者による「U.S. missile defense shift a betrayal」という記事によれば、チェコ外相は今回の決定変更を承けて、次のことを米国に頼みました。 一、NATOメンバーである中欧諸国のため、ウェストポイントの分校を建てちくり~。 二、チェコの科学者をスペースシャトルで国際宇宙ステーションへ連れて行っちくり~。
 ……こら、あきまへんわ。

 william h. mcmichael 氏の09-9-17記事によれば、ロシアが南部の Armavir に独自に配備している防空警戒レーダーも米軍情報網に組み込まれるだろう、とのこと。
 あのへんは米国のグローバルなBEAMSにとっての大きな穴になってきたので、カートライトは早く埋めたくてたまらないのでしょう。「ゲイツ=カートライト」コンビのBEAMSに対する優先順位はかなり高いと見た。

 だったら、日本の民主党政権は、早く〈宮古島のレーダーサイトを国産の超強力Xバンド・レーダーで建て替える〉、と表明することです。そして〈十勝平野にはOTHを建設する〉とも表明することです。これで米国に対して弾道弾実験追跡情報の恩を売ることができる。その一方で「海兵隊は沖縄からすぐ出て行け。あとは知ったこっちゃねえからそっちでどうにかしやがれ」と要求してもカートライトは呑むでしょう。海兵隊のカートライトが参謀次長であり且つXバンド・マニアである今のうちが、大チャンスだと言えましょう。

 フィンランドも小国ですが、米国のために巨大Xバンド・レーダーの常設基地を提供したことで、たいへんな厚遇を蒙っています。参考とすべきでしょう。


 さて、ソニーが1985年に完成している遠距離中波局受信ラジオICF-EX5の底力について、わたくしは日々、発見を続けております。
 先回、810キロヘルツの横田基地AFNを昼夜ともに函館からではICF-EX5で受信できない、とリポートしましたが、撤回します。
 夜のうちはダメなんですが、夕方と朝は明瞭に受信し得ることを確認しました。(ひさびさにオン・ズィ・アワーのAPレディオ・ニュースを聴きました。)
 コツは、ICF-EX5本体の長辺を「南東←→北西」の方位に固定すること。そして、室内の照明器具やら電気製品を極力OFFにしてノイズを拾わせないこと、のようであります。室内のどこにラジオを据えるかによっても、感度・明度が画然と変わります。

 この「方位」とノイズ抑制のコツを掴んだあとは、「DE1103がAFNを受信できるときにICF-EX5がそれを受信できない」ことはまったく無いことが確かめられました。その逆はアリ。ですから、中波受信に関しては、ICF-EX5がやっぱり最強なのだ。

 1575キロヘルツの三沢AFNも、夜の間はダメなんですが、薄明時から朝7時半くらいまでの間、ICF-EX5で聴くことができました。こちらの局の場合は、ラジオ本体の長辺を「北東←→南西」の向きに合わせると、良好です。次は夕方に確認してみます。

 ちなみに09-10-18に三沢航空ショウ。日米曲技飛行の競演だそうですけど、みなさん、どうしますか?

 ところで、安物のラジオでも受信できる「ロシアの声」の先日の欧州MD政策変更についてのニュースで、フランスとドイツとEUもこんどのアメリカの決定を大歓迎しているぞ、と、大いに宣伝をしていましたね。
 しかしインターネットを見れば、ポーランドだけでなく、リトアニアもハッキリと失望感を表明しています。そういうことはロシアの国際放送では一切報道しない。わかりやすすぎる宣伝ラジオ局だ。

 あと、北京からの日本語放送によれば、09-10-1のパレードでは五十数種類の兵器が登場し、そのうちいくつかは初披露ですと。ナンチャッテ「早期警戒機」も出てくるらしい。
 まあ、マニアが見れば、どれとどれがハリボテで、どれとどれが劣化コピー品かってことは、分かるのでしょうけどね。

 沿海州から樺太、千島、カムチャッカにかけては、インターネットや衛星放送が普及しているとは到底、言えますまい。彼ら住民のラジオ依存度は、かなり高いと見た(長波ラジオ局まである。きっと離島僻地と漁船向けでしょう)。
 そこでわたしは民主党新政権の総務大臣にご提案したい。稚内と羅臼に、国内のいくつかのAM/FMラジオ放送を中継して出力100kwくらいで送信する施設をつくったらどうですか。(もちろん国際短波放送サービスのあるNHK第一は不必要でしょう。)これで、圧倒的な日本の存在感が、北方領土全域を覆うことになるでしょう。またその放送塔が、北方領土から望見できるランドマークにもなるでしょう。

樋口幹さま、ありがとうございました!

 先般、函館から130kmも離れた三沢基地から送信されている、出力わずか0.6キロワットの中波米軍放送(1575kHz)が聴けそうな、性能に定評のあるMW受信用ラジオの喜捨を呼びかけましたところ、さっそく1台の差し入れを賜りまして、わたくし感動をしております。

 頂戴したお品物は、ソニーの「ICF-EX5」。中波受信用の内臓バーアンテナの長さが、他社製品の追随を許さぬ18センチもあり、さらに混信回避用の高度な機能まで備わっていて、これで受信ができなかったら、まず諦めなさいと言ってもよさそうな、電池式ポータブルラジオ中の最高機種です。

 で、結論ですが、昼間はまったく聴こえません。日没後になりますと、確かにうっすらと聴こえて参ります。強度が低くて、混信のひどいときはロシア局や、どこかの「NHK第二」にマスクされてしまいますが、混信がひどくないとき、神経を集中すれば、音楽やアナウンスを聴き取れるだけの明度があります。さすがだと思いました。
 夜が更けるにつれ、聴こえなくなり、未明にまたスイッチを入れてみると、弱いながらもハッキリと聞こえます。夜明け前の混信がないときの状態は恐るべきものと思いました。


 他方、810キロヘルツの横田からのAFNは、出力が50キロワットあるはずですが、昼、夜を通じて、函館からICF-EX5では聴くことができません。ちょうど方位的に正反対にあるロシア局からの混信がひどすぎるようです。

 通信の世界では、「某町からは某局は普通に受信できぬ」という情報も、大いに貴重で役に立つのであります。
 そういう書き込みがインターネット上に不足しておりますために、みんなで無駄をやってしまうわけでありましょう。
 そこでわたしはここに書き込んでおきたい。
 北海道地区にお住まいの皆様、「ひょっとして1万5000円前後のラジオで三沢や横田のAFNを昼間から快適に聴けるのでは?」と希望的想像をたくましくするのは、御止しになったほうが善さそうですよ。

 なおちなみに、百均ショップで買ってきたテレビ用5mイヤホンをバラして10m線とし、室内に張りわたしてICF-EX5の外部アンテナ端子へ螺子止めしてみましたが、その効果は、FMおよび日本短波放送の受信で僅かにあるような気がする程度。
 ネットでダウンロード&印刷できたICF-EX5のマニュアルを読みますと、外部アンテナがMWにも効くように読めるのですが、ICF-EX5のMWの感度にはなんら影響がないようです。(なお我が家は木造で、近くに3階建て以上の鉄筋構造物もありません。)

 これにてキッパリと見極めもつきましたから、「ラジオ喜捨のお願い」は只今をもちまして終了といたします。あらためまして樋口様には深く御礼申し上げます。もちろん、この貴重な高級ラジオは、末永く情報収集に活用いたします。

 ところでわたしは皆様からの喜捨が待ちきれず、ひょっとしてグアム島の短波のAFNが受信できるかもしれぬと思い、DEGEN(徳勁)社製の「DE1103」の輸出仕様機を、新品送料コミ¥9400-ほどで買い求めてしまいました。
 こちらの使用感報告もしておきましょう。

 この製品はシンセン市のシナ企業製で、がんらい「愛好者3号」と称し、短波受信の性能の高さを誇り、中波もかなりの感度で受信できると、無線マニアの間で熱い評判になっていたものであります。(内臓バー・アンテナの長さは13cmのようです。)
 そして、インターネット上のリポートによりますれば、回路の心臓部品は日本製のようです。
 この「DE1103」は、発売されてから数年にもなるようですが、いまだにこの価格でこの性能を上回る短波受信機は出ていないんだそうです。
 つまり、〈性能自慢なシナ製品〉。これって珍品ですよね。おそらくはシナで唯一なのじゃないかなと思います。それでこの際ついでに確かめてみたくなったという次第です。

 ソニーの「ICF-EX5」は、短波帯は「日本短波放送」(NSB、旧名「ラジオたんぱ」)だけが固定水晶で受信できるようになっており、それで価格が1万5000円前後に抑えられてあったようです。もちろんそれですと、ハワイやグアムにあるAFNの短波局は、受信はできません。

 わたしの「DE1103」は、注文してから配達されるまでに9日かかりました。梱包には、日本国内の100Vから6ボルトへ変圧してくれる交流アダプターと、外部アンテナ端子にジャックで差し込める10mワイヤー・アンテナと、FM聴取用のステレオイヤホンが附属していました。

 結論を先に申しましょう。「愛好者3号」は、短波AFNの受信用機としては、期待はずれです。

 ハワイやグアムの短波は、電源を電池のみとして、夕方、夜、そして早朝に、複数の周波数を順番に試してみましたが、それらしき信号の兆候すら、聴き取ることはできませんでした(SSBに切り替えてもダメでした)。
 もはやこれらを受信するためには、庭に高い鉄塔を建てて巨大アンテナを設備する必要があるのかもしれません。わたしはさすがにそこまでする気は無いのであります。

 VOAなどの日本向けの英語放送、それから台湾や北鮮などからの日本語放送を聴くだけでしたなら、どこのホームセンターでも2000円台で売られているオールバンドラジオ(もちろん、短いロッドアンテナのみ)でも十分に受信はできます。1万円の投資をわざわざする価値はどこにもありますまい。

 ところが、驚くべき発見もありました。これは、あくまで電源として電池を使用している時だけに限られるのですが、「愛好者3号」は、むしろ中波受信力が凄いのです。
 なんと一時的にですが、昼間、三沢のAFNらしき中波を拾うことができました。(夜はまったくダメ。また、MW受信時に附属の外部アンテナを差し込んでいると、余計な電波を拾いすぎてノイズが甚だしくなり、むしろ有害のようです。)
 また、横田のAFNも、昼間、激しい混信ノイズの陰にかくれがちながらも、時々聴こえるようです。日没後は、方位正反対のロシア局が強烈で、まったくマスクされてしまいます。が、夜明け前の810キロヘルツ横田は強く入ります。
 韓国のソウルのAFNらしい中波放送(1530kHz)も、昼間、瞬間的に聴こえることがあります。
 大したものです。

 しかしAFNを聴く価値はそもそもどこにあるかと申せば、それは普通の番組の途中に挿入される軍の広報テープ(これはVOAなどで流されることはない)や、臨時番組や、臨時のアナウンスなんであります。
 それは、何時何分に放送されるか、予期することができません。
 ですので、常時途切れなしに漫然とBGM状態にして聴いていられるくらいの受信感度と明度が、一日の随時に得られないのであるならば、その受信機は、初めから使えないのと同じようなものであります。

 夜中の3時によく聴こえる、とか、昼間は途切れ途切れにかすかに聴こえる、という程度では、よほどのヒマ人でない限り、役立てようがありません。混信ノイズが多すぎますのも、聴き苦しく、すぐに疲れてしまいます。

 もし函館から見て方向的に真後ろに位置するロシアの中波局や、同一周波数の国内局がなければ、三沢のAFNをもっとクリアに受信できるのかもしれません。
 まあ、1万~数万円ていどの投資では、快適な受信は無理だったのだなぁと察しがついただけでも、今回は有意義な収穫があったと思っております。

 あと一点、驚きのリポートを付け加えましょう。「愛好者3号」によって初めて、わたしは青森の民放FMを受信できました。(昼間です。夜はなぜかダメ。)「ICF-EX5」でも、この局は(昼夜ともに)聴けません。
 オフ・ザ・シェルフ(ありあわせ)の要素部品の組み合せで、ソニーやパナソニックをも凌ぐオリジナル機能を叩きだしたとは、DEGEN、なかなかやりますわ。
 ひょっとして、英国サリー大学に留学してアマチュア無線を極め、2000-6-28にロシアのコスモス3Mロケットで「清華-1」衛星をうちあげた技術者たちのお仲間が、同社には集っているのかな?

 ただし「DE1103」には、大きな不便もあります。やはりシンセン市の徳勁[DEGEN]電子有限公司で製造されている容量1300ミリアンペアの単三電池×4本に充電中のとき、AMの受信性能が、ホームセンターの2000円級の最低価格ラジオ(非充電電池式)よりも低下してしまうことです。
 インターネットには、ACアダプターをつないだ状態でもノイズを拾わない――とか書いて褒めちぎってあるのですが、みんな回し者ですか? うそをつけよといいたい。充電ならびに電池節電のためにACアダプターをつないだ状態では、ローカル局以外、ほとんど受信ができなくなってしまいます。

 ビデオカメラのリチウム電池のようにすぐに充電が済んでくれるのなら、2時間ぐらい待てばいいので文句もありませんけども、このラジオはニッケル水素の1300ミリアンペアを一杯にするのになんと13時間もかかりやがるのです。つまりその間は、DEGENが売りとしている遠距離局受信の目的には、まったく使えぬわけ。しかも、1晩中充電したはずなのに、4時間くらいでバッテリー切れとなったりします(これはひょっとするとニッケル水素の学習特性に固有の問題で、何度も放電させているうちに次第に改善される可能性があるのかもしれません。またリポートします)。

 要するに、本体とは別に、外部で充電できる専用の充電器でも買えということかもしれません。
 台湾あたりのメーカーが、こうした点を改良したもっと使い勝手の優れた製品を出してくれることを期待します。手回し発電機付きとかね。

 ついでに、マヌケな感想。BBCの日本語放送って、いつの間にか、無くなっていたのですね。では、シンガポール中継局からの英語放送しか、今はないのか。これもインターネット発達の結果ですね。ジョン・ニューマン氏よ、いずこ。

 それから、夕方のモンゴルの日本語放送と、朝のイランの日本語放送は、「愛好者3号」でも受信できない。要するにこれらは、庭に鉄塔アンテナを建てているBCLマニアだけが聴いている特殊放送ということ?
 それと、平壌放送は、むしろ2000円級の安ラジオの方がよく聴こえてしまうのは何故なんだ?
 いずれにせよ、5000円前後級の中途半端な機能の日本製ポータブルラジオは、もう商品の生命がなくなったと理解しました。
 また、ロシア、シナ、北鮮の3カ国からの中波放送が受信できるICF-EX5に、海外短波局の受信機能が省いてある措置は、妥当なのだということも納得ができました。

いよいよ発売日です。みなさん、書店に出掛けましょう!

 PHP研究所から9月17日発売の兵頭二十八著『「自衛隊」無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』(税別¥1300-)は、本日の昼以降に、おそらく本屋さんの店頭に出ているだろうと思います。

 民主党政権がこの本に書いてある政策を採用すれば、日本の将来はバラ色でしょう。
 しかし民主党政権がこの政策を採用しないならば、野党である自民党に検討してもらうことになるでしょう。

 それにつけても参考になる、andrew chuter氏による、英国保守党の「影の国防大臣」である Liam Fox 氏へのインタビュー。09-9-13のアップ記事を見ましょう。

 英国では1997のブレアの大勝いらい、保守党は野党であり、労働党が与党であり続けています。
 しかし労働党の対米べったり路線が、近年、アフガニスタンでの英兵の犠牲を増やしているために、来年の総選挙では久々に保守党が政権を取り返すのではないかと見られています。
 この保守党の雌伏期間の活動を、自民党も見習うべきでしょう。

 フォックス氏いわく。
 まず、おまえはいったい何を国益と考えるのか。
 次に、その国益に対する脅威は何かを整理せよ。
 次に、その脅威から英国を防衛するためにはどんな能力が必要なのか。
 次に、それを実現するにはどんな装備計画が可能なのかを考えるべし。

 ……こういう基本の作業をじぶんでやっている防衛大臣が、日本には、いませんでしたね。

 またフォックス氏いわく。
 英国の核抑止政策は維持する。核拡散時代には当然だ。
 その装備としては、ミサイル原潜から発射するSLBMがベストだ。
 航空機から発射する核弾頭付きの巡航ミサイルなど、話にならないよ。(a nonstarter、つまり出走しない馬に等しく、見込みのない賭けである、と。)

 ……巡航ミサイル大好きだった某氏がこんど防衛相に就任しなかったのは、良かったんじゃないかとわたしは思います。

 防衛装備調達庁を部分的に民営化し、それを、役人ではなく、民間の工業家に仕切らせようという構想に、Fox氏は、大賛成。
 いわく、政府の装備品調達の問題は、年功序列の昇進(Buggin's turn)を待っている役所内の官僚たちの身の上などよりはるかに重要なことなのだ、と。

 労働党政権は、中小の軍需企業をサポートするDIS(defense industrial strategy) という政策を推進している。Fox氏は、これは保守党としても評価できる政策で、ウチらが政権をとったらもっと良いDISを考える、と。
 ……これですよ。日本に必要な政策は。それを書いた本が『「自衛隊」無人化計画』です。将来の防衛大臣になりたい人とその秘書は、みんな読みなさい。

 オマケ。 william matthews 氏による09-9-13の「Targeting Laser Efficiency」という、これまた分かりやすい記事。
 あるエンジニア兼経営者が、2003年以降、人間の呼気中にアンモニアが含まれていないかを、レーザーで探知できるようにした。これは腎臓病の発見を容易にした。
 しかし医者たちはそのような高価な検診機を買おうとはしなかった。リースのみ希望した。だから彼は、売り先を考えた。空気環境管理にうるさい半導体工場が有望だった。しかし2007の世界不況でチョン。
 そんなときDARPAから提案があった。爆弾/毒ガス探知機に使えないかと。
 二酸化炭素レーザーは、たしかにほとんど誤探知が無くて優秀。だが問題は、このレーザー発生機は常に冷却している必要があるので、その冷却装置のために重さが150ポンドにもなり、歩兵は持ち歩けない。これを15ポンドに減らさにゃならん。

 そこで、量子励起電子(quantum cascade)レーザーとした。これなら超小型、かつ冷却不要。
 発生するのは、中赤外線。これが化学剤検出にはちょうどいい。
 どの波長で、その物質の温度上昇が起きるか。それを赤外線カメラでモニターすれば、敵が空中に撒いた毒ガス成分は特定できる。なんと150m先からも特定が可能。

 このレーザーは、敵からの赤外線ロックオンを欺瞞してしまう波長にもピッタシ。敵ミサイルの赤外線ホーミング・シーカーを盲目化させることも可能――だそうですわ。

さいきんのビデオの進化に驚く

 1980年代なかごろのビデオカメラは、撮影後に「編集」をすると、カットの継ぎ目のところで白いノイズが入った。「これではとても鑑賞には耐えない。やはりスプライサーを使って1コマ単位で簡単キレイに編集できる光学8mmフィルムの時代は当分、続くであろう」と予想していたものだ。

 今のハンディカムはテープすら要らず、それでいて録画時間はとんでもなく長い。ちっぽけな電池1ヶで2時間以上とか、もう信じられん。な~んにも考えずに、だらだらひたすら回しっぱなしでもいいわけだ。

 ところがこっちの頭の中には、昔、リール1本が3分であった時代の、残量をシビアに気にする癖が染み付いているために、あたかも11年式軽機関銃を引き金テクニックによって3点バースト射撃するような撮影になりがち。――いかぬ!
 しかもズームが12倍にもなりやがるので、「シャシンは足で撮れ!」という鉄則もツイ忘れそうになる。――いかぬ!

 そして北海道弁で疑問が湧く。「機械はこんなに良くなっているというのに、なんで日本の映画とTVドラマのつまんなさは1980年代と大差がないのさ?」

 さて、「SDB II Fixed-Price Development Contract」というAmy Butler氏の2009-9-14寄稿記事を読み、F-22が「テロリスト殺し専用機」に生まれ変わろうとしていることをワシは悟っただよ。

 米空軍のSmall Diameter Bomb II (SDB II)は、重さ250ポンドの細長い無推力の投下爆弾でありながら、ミリ波レーダー、イメージ赤外線パッシヴシーカー、セミアクティヴレーザーホーミング用のシーカーをむりやり詰め込んで、しかも投下母機とデータリンク。

 深夜、豪雨や砂嵐にまぎれてこっそり移動をしようとするテロリスト容疑者の高速四駆をほぼ直撃してしまおうというわけか。

 なるほど、ゲイツが「対テロの役に立たん」と調達を打ち切ったF-22は、これによって面目を取り戻すわけだな。
 「テロリストのクルマが動き出したぜ」というスパイの密告通報無線をうけて、最も早くその上空に到達できるのはスーパークルーズ可能なF-22だろうしな。

 超音速で爆弾をリリースするという複雑すぎる事象のテストに今、手間取っているようです。

 ちなみに中東ではすでにストライクイーグルが、これの初代のSDBを運用中である、と。
 ということは、空自は当分こいつは運用ができないのに、韓国空軍はもうこれを使えるということだな。日本は米国の属国から早く抜け出さないと、たいへんなことになる予感……。韓国軍と日本軍を均衡させようというのが米支の方針かもよ。
 もちろんSDBIIは将来のF-35の主武器になるのだろうが……。

 記事には、米空軍がレイセオンに AGM-88 High-Speed Anti-Radiation Missile (HARM)をアップグレードさせたがっている、とも書いてある。これは敵の防空基地攻撃用兵器だが、どうも、現用品には、味方を誤爆する欠陥があるらしい。

 もうひとつ。USMAN ANSARI氏が09-9-13に寄稿した「First Sword Class Frigate Arrives In Pakistan」という記事。
 シナが3隻つくってパキスタンに引き渡すフリゲートの1隻目が到着した。4隻目はカラチの造船所でつくる予定。

 兵装はぜんぶシナ製だ。といっても主砲からしてロシア製のマルパクだ。
 HQ-7という艦対空ミサイルは、フランスの旧クロタールのコピー。天安門事件前に輸出された80年代前半の技術。

 対潜装備は、対潜ロケットと短魚雷のみ。アスロックの同格品が、シナには無いのか。マレーシアすらフランス製潜水艦を持とうとしているのに、いったいシナ空母は近隣諸国の潜水艦から、どうやって自衛をするつもりなんだ?

 1機搭載するZ-9EC艦載ヘリは、C-802対艦ミサイルの超水平線発射の補助に使うらしい。稼働率は、低そうですなぁ。
 ちなみにパキスタン海軍は1970年代の英艦のおさがりを使っているけれども、いちおうハープーンは持っているという。
 こんなレベルの国が核武装しているのに、はるかに国民の教育水準の高いイランはまだ核武装できていないのだ。

 岡田斗司夫さんの『いつまでもデブと思うなよ』(2007-8刊)を読んだ。この本は現実に人を救ったに違いない。このメソッドで文字通り生命の危機を脱した人がいるに違いない。まさしく快挙にして義挙。世の著述家が願って果たせぬ徳行だ。そして、全先進国世界に対する福音ではないのか?
 ところで、刊行から2年過ぎているのだが、ひょっとして岡田メソッドは、イチロー選手のような〈頭の非常に良い男〉にしか実行ができないのではあるまいか、とも、ふと思った。頭に素質がないと、痩せられないとしたら……? 新潮社がこれを英訳しない理由も、あるいはその辺か。

 拙著『「自衛隊」無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』(PHP、9/17刊)は、全日本の貧乏人にとっての福音です。買い求めましょう。

書店さん、『「自衛隊」無人化計画』の著者は兵藤ではなく兵頭でっせ

 日本の領土を占領している敵国である韓国からダーティなカネを受け取って選挙を有利に戦ったような国会議員には、キッチリと刑務所に入ってもらう。これが、正常な国家のあり方です。
 このわたしの考え方にご賛同いただける方、いますぐ「JSSEO」(日本安全保障倫理啓発機構)を検索し、ご支援ください。

 さて、2009-9-9に英文サイトにアップされていた「United Arab Emirates, China, India and a plane load of “weapons”」という記事。
 アラブ首長国連邦からシナへ飛ぶ途中、インドのコルカタ空港に給油のため立ち寄ったC-130内に、無申告の武器が満載されていたため、72時間拘留されたと。
 積荷の詳報はなされていませんが、ノリンコが2009-1に輸出したLD-2000という、30粍ガトリング砲CIWSと短SAMを組み合せてトレーラーに車載した(米海軍のC-RAMの陸上版のコンセプトコピー、中味はたぶんジャンクの虚仮脅し)システムの返品かもしれないという疑いが……。
 米国製のハープーンやマヴェリック・ミサイルの違法対支転売かとの疑いもあったようですが、72時間で釈放されたということは、どうやらその線では無さそうですね。
 ノリンコの宣伝いわく、この防空兵器は、マッハ2までの巡航ミサイルに対抗できる、と。すごいねー(棒読み)。シナがロシアからせっかくマルパクした巡航ミサイルも、これさえあったら怖くもないってことですかね。わははは。

 1989の天安門事件でEUは対支武器禁輸をしました。
 おかげで、兵器級エンジンが手に入らなくなり、新型対戦車へりZ9とZ10、高速攻撃艇022型(ロースルロイスのウォータージェットを積む気だった)や新式潜水艦の完成が、不可能になっているそうです。

 ところが Jeremy Lemer 氏の「China invited to arms fair despite embargo」という記事によると、英国は、そのシナ軍の将官10人を、来週の大規模な兵器見本市に招待したということです。もちろん外相と国防相も賛成して。
 そして同時期に大臣がひとり訪支して、英国製品やサービスに対してシナ市場をもっと開放してくれと頼むという。なるほど。

 パクリ帝国シナは、いったい何処を目指しているのだろうか? 知的所有権を無視し続ける以上は、経済に関して、西側先進国モデルじゃないことは明らかです。
 そして、軍事に関して、ソ連モデルでもない。ロシアは兵器の実験をちゃんとしてますよ。だから失敗だって報じられる。アメリカは最もたくさん実験をするから、最もたくさん開発停滞が報じられるわけです。これが西洋科学精神です。統計の上に確かな技術が建設されている。
 ところがシナは、実験をほとんどしない。当然、失敗の報道だって少ない。そんな兵器にいったいどんな信頼性があるんだ?
 ここが肝腎なのですが、シナはハッタリだけで世渡りする気なのですよ。ソ連とは別コースを進むことに決めたのです。

 米国とは直接対決しませんという、高いレベルでの机の下の密約があるんでしょう。代わりに、真の対米対決は、イランやらビルマやら、第三世界総動員で、やらせようというんでしょう。(トルコ軍がシナ製の射程400マイルの多連装ロケットなどで8-30にパレードしたそうです。NATOにまで工作がしっかりとくいこんでいやがります。)

 だから米軍の三沢基地も嘉手納基地も岩国基地も、もう要らないのです。米軍にとっては、横須賀と佐世保と、あとは中国の弾薬庫が利用できりゃいい。
 航空自衛隊も、これからは戦力半分くらいでいいだろうという判断を、ゲイツ氏はしたんでしょう。

 みなさん、米国の属国でいることは、1945年から1990年までの対ソ防衛上は、安全・安価・有利な政治でした。
 しかし、ソ連亡き今、1970年代以来の米支戦略密約が続いている以上は、米国の属国でいることは、対支の間接侵略防禦の上でも、対韓の直接侵略防禦の上でも、危険・高価・不利な政治になってしまっているのです。

 これではいけないと思う方、MDなんかやってる場合じゃないと思う方、シナ軍と戦う可能性ゼロとなった海兵隊に追い銭など無用であると思われる方、売国政党などには期待せず、どうかJSEEOを、ご支援ください。

今日は幼稚園の運動会でビデオを回すという労働が待っているだよ……

 三沢からF-16が消えるそうですね。共同=東京新聞によれば。
 ここはやはり、三沢のAFN(米軍放送、中波)を聴かねばなりますまい。

 そこでお願いです。北海道内で三沢の微弱な1575kHzを聴けてる人、そのラジオの商品名を教えてください! また、ご不要な旧タイプの高感度AMラジオがあったら、JSEEO事務局止めで喜捨してくれませんか? (噂によりますれば、ソニーの ICF-EX5 が一番で、それに次ぐのがパナソニックの RF-U99 ……とか……。)

 ビジネスウィークの電子版に、「Why China's Chip Industry Won't Catch America's」という Vivek Wadhwa 氏の記事が載っていました。
 要するに知的所有権を尊重しないからダメなのさ、という総括ですが、かえすカタナで日本批判までやってやがる。
 「工場を抱えない設計専門の企業」が日本にはひとつもないから、PCと携帯電話で、世界制覇の競争力を獲得できなかったんだよ、との御託宣。
 こじつけもいいところだ。日本人がインターネットをつくれなかったのは、日本にはDARPAがないからです。新著『「自衛隊」無人化計画』(¥1300-)を、よく読みましょう。

 ところでこの記事によると、メモリーチップからとっくに手を引いてしまったはずのインテル社がマイクロプロセッサー工場を満州に建設中だって? エライことになってるようですが、さすがにインテル社では心臓部プラントの移転を拒んでいる気配だ。

 Douglas Barrie 氏の「U.S., Saudis Deal For Additional Eagles」という2009-9-10記事。F-15 C/D が古くなってきたサウジは、新しく72機ものストライクイーグルを調達する、だと!
 属国じゃない独立国は、自由闊達でうらやましいこった。

 同じ日の、スタッフライターによる記事。レイセオンが次世代のイージスのためのレーダーSPY-5を完成した。こんどのはXバンドですと。

  Bill Sweetman and Paul McLeary 氏による「Some UAV Makers Do Better Than Others」という09-9-10寄稿記事。
 ボーイングの子会社が1000機目のUAVを完成。
 ボーイングが学習したこと。小型無人機を開発するのは、小さい(子)会社の方が良い。
 無人機のちっこいやつは、もう将校ではなく兵隊が操縦している。米陸軍の手投げのRQ-11なんか、ぜんぶ兵隊が操縦中。〔自衛隊がこれに追いつくのは、2020年くらいか?〕
 米海軍はUAV化に比較的消極的だが、米陸軍は全速で導入中。ついにアフガンで、09-8-14に、陸軍所属のMQ-1Bウォリアーがヘルファイアを発射した。空軍でもCIAでもなく、陸軍が無人機で空対地攻撃開始ですぜ。
 もう攻撃局面での歩兵銃の出番は完全になくなるね。アフガンではあと5年でなくなると予言しておきましょう。

 おしまいに訂正。きのう打ち上がったH-2Bに使われていたSRBは全部日本国内製でした。かつてアメリカ製を輸入して使ったことがあったのはSSBとかいうミニ固体補助ブースター。このふたつはまったく別モノでした。すいません。

新装備はベンチャーに頼れ

 今日あたり、PHP研究所さんの『「自衛隊」無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』の見本が刷り上り、取次店のコンピュータに登録されてくるはずだ。
 つまり、そろそろ、オンライン予約が可能になるでしょう。
 みなさん、ご注目をよろしくお願いします。


 さて、例によってわかりやすい〔つまり英作文に関して、とてつもなく才能がある〕william matthews 氏の09-9-7寄稿記事。
 Harbor Wingというベンチャー企業が、無人沿岸監視帆船を完成している、と。

 帆船、ですぜ!

 艇長は50フィート。幅 40 フィート。
 複合素材の三胴艇で、荒波でも安定。
 デザイナーは副社長の Mark Ott。

 動力はなんと風力。もちろん硬性の翼型帆。可変フラップ付き。
 硬性翼型帆は水平と垂直とあり、水平部では揚力を得る。
 深さ10フィートに、可変水中翼あり。
 風速25ノットあるとき、速度15ノットが可能。そこで水中翼を効かせられる。水中翼の使える状態では30ノット航走まで可能になる。

 無風時には電池モーターを使う。リチウム・イオン電池。
 帆走時にスクリューでも充電できる。もちろん太陽光発電パネルもあり。
 緊急時用として、小型ディーゼル機関と燃料300ガロンもついている。

 30フィート長に縮小した試験艇がハワイ沖で2007に走っている。
 マスト高は60フィート。その頂上にIRビデオカメラとレーダー。
 ソナー付きというところがUAVとは異なる。
 3ヶ月間、無補給で活動継続可能。
 操縦は米本土からやればいい。ちょうどアフガンで作戦中のプレデターのような感覚で。
 3ヶ月後にドック入りしてメンテ。
 メインコンピュータは、坑内採鉱作業機用の頑丈なものだ。

 1隻300万ドルでつくりたい。これはセンサー類は除く。
 掃海、麻薬密輸船の見張り、対潜、鯨モニターその他ニッチ用途にも使える。

 兵頭いわく、海賊対策にも使えるというのだが、こいつを拿捕されたり乗っ取られたらどうするんだろう? 自爆機能も必要かもね。
 しかし、10億円たらずの研究開発費を米国防総省からもらっただけのミニ企業が、こんなすごい製品を完成したのだよ。

 それにくらべて米国の巨人軍需メーカーのていたらくは……以下の記事を見よ! ゲイツが何に怒っているのか、なんとなくわかってくる。

▼米国防省の調達・技術・兵站のボス、Ashton Carter 氏へのインタビュー。2009-9-7の記事。取材記者は John T. Bennett and Vago Muradian の両氏。
 以下、その情報要素の意訳。

 カーター氏はハーバードの教授だったのがゲイツに引き抜かれた。
 カーターいわく。時間はカネだっちゅーのが分からんのか。約定された納期を守れない開発、5年計画が10年に延びるとか、10年の契約なのに15年かかるだとか、もう、許さん。
 それは余計な支払いを意味しないと言うかもしれないが、ちゃんと納税者には大きな損をさせているのだ。それに人々は気づかない。

 ワシの上司であるゲイツ様の最大の問題意識は、イラクとアフガンの米兵たちの保護だ。防爆装甲車、道路偵察、基地防護、飛行機やヘリを幼稚なAAから防護する新案、負傷者の迅速救護、とくに精神的にやられちまった兵たちのケア。これらを10~15年計画でやれるものか。いますぐやらねばならないんだ。

 アフガンでは 路上爆弾対策がとにかく急務だ。
 いま全速で調達と配備を急いでいるのは、アフガン派遣軍向けのMine Resistant Ambush Protected-All Terrain vehicles だ。

 イラクからはタイムテーブルにしたがってさっさと撤退する。そしてアフガンにとりくめというのがオバマ大統領の方針だ。〔※それほど米国の世界経営に占める「核テロ」対策の優先順位が上がった。シナ軍なども最早どうでもいい。〕問題はイラク用につくったクウェート内の補給基地だ。
 これをぜんぶ米本土に戻すのか。アフガンに送るか。今のようにクウェートに置いておいて将来の不期事態に備えるか。また、新生イラク軍にも使わせるか。

 まあしかし、次世代の爆撃機と、TSATは、やっぱりキャンセルできないだろう。市場では簡単に得られない国内メーカーの特殊スキル人材を温存させることには意味があるからねえ。
 空軍の空中給油機は、ヨーロッパ製を買う可能性もある。〔※特殊スキル人材の温存と関係ないから。〕

 兵頭いわく。ひょっとして米国の巨大兵器メーカーの幹部は、冷戦以後、大型プロジェクトをわざと引き伸ばしているのではないか?
 1945年に鹵獲した「V-1」号をたった3週間でエンジンまで完全コピーできた米国人にしては、さいきんの新兵器開発速度は、手緩すぎるぜ。
 おそらく、F-22が計画どおりにもっと早く完成していたなら、ゲイツ氏の態度も変わったんでしょうなぁ、と思わせるような部下カーター氏のインタビュー記事であります。

 日本の未来は、ベンチャー軍需企業にしかないのでは?

 そう思った人は、兵頭 二十八・著の最新刊『「自衛隊』無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』を、購読しましょう!

小林孝則さま

 このたびは小生の存じませんでした資料2点を御恵与くださり、詢にありがとうございました。昨日受領し、早速ナナメ読みしましたが、有意義な内容と承知しました。さらにこれから精読致すつもりです。
 (著者の方についてもしご存知なら、後でこっそり教えてください。)

 今後ともJSEEOを宜しくお願い申し上げます。

愛媛県の田中華寿雄さま

 このたびはいろいろなコピーを添えてのお手紙を頂戴しまして、どうもありがとうございました。
 お元気そうで何よりと存じました。

 以下、雑談ですが、残念ながら「巡航ミサイル」はサダム・フセインという独裁者相手に全く政治的に「響かない」兵器だってことが証明されてしまっているのですよ。政治的に効いた例が一つでもあったら教えて欲しいものです。韓国も台湾も持ってますけど、それで日本は何か脅威を感じているでしょうか? 亜音速が超音速になったって同じことです。大昔に旧ソ連は超音速・大射程の空対地核ミサイルを大型機に吊るして、さんざん日本を嚇かしていましたよね。

 それに対して「対艦弾道弾」の方は、政治的にシナに対して効くということが証明されたじゃないかというのがわたくしの見解です。
 北京は、「対艦」の名目ではなく、「弾道弾」の政治的な意味に腰を抜かしたのでしょう。
 関連の記事は過去の雑誌『正論』や『Voice』に書きましたので、そっちを御高覧賜れば、と思います。(ネットに無料で書きこんでいますのは、しばしば、活字媒体に使わなかった余りの「チラ裏」メモです。)

 シナは、朝鮮半島とその領空を、日本海から発射する巡航ミサイルに対する「政治的な阻塞気球」と見立てて活用することもできます。弾道弾ならば、途中に韓国や北鮮の領空がいくらあったって、関係なくなります。この指摘も、活字で幾度か致して参ったところでございます。

 シナがつくる空母如き、日本の旧型潜水艦の長魚雷1本で、あるいはP-3C×1機から発射できるハープーンの4発でも、御陀仏でしょう。新兵器などひとつも必要ではありません。
 問題はそんなところには無いのです。もしも明日、もしくは来年か再来年、日支開戦となってしまった暁に、自衛隊側がワンサイドゲームのようにシナの張子船を次々と沈めてしまうのは確実なんですけれども、その後が政治的にたいへんに困ったことになるんです。

 つまり、北京指導部は、数千~1万数千もの水漬く屍、シナ人水兵の犬死にに関して、何らかの外交的政治的な補償(オトシマエ)をつけなければならなくなるのです。さもなければ、すっかり権威失墜した中央に向かって、シナ全土で暴民の叛乱が起きてしまうからです。
 そしてその時、彼らの手には、唯一使えるその手段としては、核弾頭付きの中距離SSMしかないわけですよ。

 ここに於いて、平素からの「ホワイト・プロパガンダ」が重要になるわけです。「日本人は南京で3000万人もの民間人を虐殺したんだから、いまわれわれが水爆ミサイルで日本の地方都市の10万人くらい殺し返したってかまわんだろう」という暴論に、いささかの有効性も見出させては、日本人民の福利にはならないと思われます。
 と同時に、MDみたいなニセモノではない抑止力も必要ですよね。そうは思いませんか?

 エルベ特攻隊の本につきましては、わざわざコピーをお送りいただきましたが、何ヶ月か前の月刊『正論』に2頁弱の書評を載せたと思いますので、折あらばそちらを査閲なされると面白いのではないかと思います。また、桜花の話は次の『表現者』にでも書こうかと思っていますので、お暇な時でもございましたら、読んでやってください。

 どうぞ皆様、インフルエンザにお気をつけくださいまし。

擬古文の研究

 いったい二世三世議員がなぜ生まれるのかといえば事情は単純で、親父の借金を子が返すと貸主に約束することができるからである。それが日本の伝統的な信用創出術なのだ。
 衆議院議員選挙がかつて中選挙区制だったとき、選挙を一回乗り切るだけでも、おっそろしいまでの資金が必要だった。支援者や貸主に対するアカウンタビリティー(ケツ持ち)保証を息子がやりますからとハッキリ約束しない限り、誰もカネや労力を貸してくれなかったのだ。

 数千万円から数億円の借金を背負った候補者は、中小企業の経営者と同じくらい必死になる。その代わり、彼の頭の中は、借金返済のことだけでいつも満杯だ。

 が、何代も政治家を続けるうちに、借金返済のお釣りが出るようになって、ついに借金フリーに成り得た「ジュニア」たちも現われる。
 ところがそうなってみると、こんどはこの人たちには「殺るか殺られるか」という闘争者のオーラが亡せてしまう。安倍氏、福田氏、麻生氏、鳩山氏……みんな去勢されている。しかも彼らは、バックのどんな選挙区民に対しても、もはやアカウンタブルな感情など背負ってもいない。

 これでは日本はやっていけなくなるぜ、と思うのなら、完全小選挙区制か、完全大選挙区制にするしか道はなかろう。
 完全小選挙区制とはイギリス型だ。
 候補者個人のマニフェストをパンフレットにして全戸に配り、さらに個別訪問をして丹念に口頭説明をするが、街宣カー連呼などは禁止される。
 一人の候補者で選挙区内の全戸を個別訪問できるくらいの小さい選挙区としておくなら、数億円の選挙資金などは当然無用となるわけである。貧乏人の倅の新人にも、当選のチャンスが平等に与えられる。

 現行の日本の衆議院議員選挙制度は、資金力不要な候補者本人による個別訪問を禁じてしまっている一方で、資金力で優劣が分かれるに決まっている諸活動を大々的にゆるし、比例区復活まで可能としているのだから、まったくイギリス型でも何でもない。「孫まで三代で借金返済」予定の候補者か、閨閥リッチか、特定組合組織エージェントが、勝つようにできているのだ。

 資金力不要の選挙CMの最良の媒体はインターネットだ。(コミュニティFMは、私人による電波妨害が簡単にできてしまうので、理想的ではあるまい。)
 逆に、資金力にモノをいわせる大衆工作が最も確実に巧めるのは地上波アナログTVである。
 とすれば、公示から投票までの間、政治がらみのTV・ラジオ・新聞の私的広告は一切禁止とし、インターネットは逆に選管も立候補者に対してウェブサイトを貸与/提供するというのが筋であろう。次の参院選はそうしたらいい。

 滋賀県の渡辺透氏が『亟書』という兵法書をお書きになってJSEEO事務局に送ってくださった。せっかくなので、自民党の教訓となりそうな三つのポイントをご紹介する。

【24ページ】
 「敵亡ぶや、君の威は高し。而して将の権は低めらる。よって、君は敵を憎み、将は敵を愛す。」〔原文を短縮改変〕

 ※中共はソ連ではなかった。シナ人は西洋文明を継承できないことが、最新の見掛け倒しのパクリ兵器の数々から、米国政府の奥の院にはもはやハッキリした。シナの20発のICBMすら米国にとってはなんら脅威でない(ただし内外の愚民どもにはコレ秘密ね)。とすれば、シナが民主化(=西洋化)しないでこのままでいてくれることが米国の国益に適う。とすれば日本はシナを刺激しないように対IRBM迎撃能力を持つべきではない。東京は「東風3/東風21」の前には、丸裸でいるべきだ。日本には短距離SSM用のMDだけ買わせておけ。それには、北九州までしか届かぬ北鮮のノドンが、東京まで届くかもしれないという偽情報を信じさせておけ。対北京牽制が必要なら、それは直線距離が近い韓国空軍のハマリ役だ。日本にF-22など売る必要はなく、逆に韓国軍のストライクイーグルで日本の旧型F-15と「低レベル均衡」させておくのが将来的に好都合じゃわ……。
 米国の敵が将来の核テロリストしかなくなったとわかり、つまりソ連だけでなく中共というリアル脅威大国もじつは居なかったのだと認定されたことによって、冷戦時代からずっと飼われていた日本という走狗は、いよいよ鍋で煮られる運命に陥ろうとしているのである。2009の政権交代が、このピンチから日本を救出した――と、思いたい。

【52ページ】
 「強たる所以は, 其の強を信ぜざるに有り. 賢たる所以は, 其の賢を信ぜざるに有り. 久しき所以は, 其の久しきを信ぜざるに有り.」〔原文ママ〕

 ※己れの無知に常に自覚的になれる者が真の知者なのである、とソクラテス先生がおっしゃっていることを、東洋人よりも早く西洋人は理解している。「属国」の現実に感覚麻痺している自民党はいまや有害であるから野に下れ。そこで目を醒ましやがれ。

【80ページ】
 「敗れざるは変易ゆえなり。しかれども、勝ちに因りて変ずるは難し。敗けに因りて変ずるを可とす。」〔原文を短縮改変〕

 ※強い者が生き残るのではなく、変化する者が生き残れる。政権交代がなければ、属国日本は変わることができず、冷戦後の宗主の無体な搾取からは生き残れなかったであろう。

【101ページ】
 「衆を一とするは、衆志を一とするにはあらで、衆欲を一とするに有り。」〔原文を短縮改変〕

 ※このたび国民が民主党に権力を与えたのは、属国のくびきから自由になりたかったからで、日本の法律で日本領土と明記されている竹島を軍事占領している法破壊者の敵国民に裏日本の自治体の行政権をくれてやりたいからではない。北方領土を占領しているロシア人に北海道の条例をつくらせるか? 同じことだ。

 2007年にコリン・グレイ教授も『戦略の格言』という著書(奥山真司氏の訳あり)で、古今の名言40をとりあげるという試みに挑んでいる。こういうのは物事を整理して一から考え直す良い訓練になるので皆さんもやってみるといい。
 (ただし、JSEEO事務局に送られてもどうしようもないから、ご自分のウェブサイトで公開なさるのが「吉」だろう。)

告!『「自衛隊」無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』

 お待たせしました! PHP研究所から兵頭二十八の完全書き下ろしの最新作:『「自衛隊」無人化計画――あんしん・救国のミリタリー財政出動』(本体価格¥1300-)が、間もなく発売されます。
 いますぐ、書店へ予約しちまいましょう!

 ちなみに公式の発売日は9月17日であります。

 16日の内閣首班指名に続き、いったい次の防衛大臣が誰になるのか知りませんが、まずはこいつを一読して肚を括れ。話はそれからだ(w)。
 日本人が「属国ボケ」から離脱するのは、今この秋を措いて無いのです。

 なぜ日本で完全国産できていて火星探査の実績までもある固体燃料ロケットM-Vが、自民党政権下で調達中止とされたのか?
 なぜ日本が完全国産できていた、固体補助ロケットSRB(ほとんどSLBMなみのサイズ)は、いつのまにか米国製品を使わねばならぬようになってしまったのか?
 なぜ戦後の通産省の国産ロケット路線はいつのまにか米国製ロケット要素を輸入する方針に変更となった上、再突入体の研究をしないことまでも米国に約束して今日に至るのか?

 財務省と経産省と文科省は、以上が米国からの命令であることを知っていながら、国民に対して正確な説明をしようとしません。役人にすっかり行政の牛耳を執られてきた自民党の国会議員たちも、この「属国」の実態を打開しようとする気概はなく、私的利権漁りだけに汲汲としてきました。共産党および旧社会党系の議員たちは、日本がSSMを持たないことが「祖国」ソ連の国益になるので、以上の方針に大賛成してきました。

 中共は年に2ダースくらい、対米攻撃用のICBMを量産できるはずなのに、どうして80年代末から、1基の増勢もしないで今日に至るのでしょうか?
 答えは、「米支戦略核密約」が存在するからです。その米支密約の一要件は、アメリカが東京をシナの非力なIRBMに対して丸裸にしておくという保障に違いないでしょう。

 なぜ米国は西欧に対しては2015年までにイランのIRBMを迎撃できる「GBI」を展開しようという努力を始めているのに、日本に対してはいまだにシナからのIRBMを迎撃できる「GBI」の提案をまったくせず、短距離SSMにしか当面対応ができない各種の新規の無駄なMDの開発にばかり、カネと時間をひたすら吸収させようと誘導し続けているのでしょうか?

 それは、シナが中期的には「失敗国家」になるだろうから、それまで日本は無防備の方が良いと判断しているのです。それを判断するのは本来、日本人のはずですが、「属国」環境に馴れてしまった家畜の哀しさ、その判断ができる人材が、国内には尽きてしまったのです。

 8-29総選挙で、幸福実現党が全国では45万票もあつめながら国会に1議席も得られなかったことは、じつはわたしたちにとって他人事じゃありません。現行の選挙制度が続く限り、全国に散在する少数派の良識を、国会で1人の代理人に主張してもらうことも不可能なのです。

 ではどうすればこの八方塞がりは打開できるのか?
 答えは、「日本安全保障倫理啓発機構」です。

 JSEEOを、よろしく。

◎読書余論 2009-9-25 配信分 の内容予告

▼佐藤堅司『世界兵學史話(西洋篇)』S11-7
 ナポレオン通の著者による、特濃の講義。しかし古書としてはかなり入手難だろう。そのエッセンスを知ろうじゃないか!

▼中村光夫『戦争まで』中公文庫S57、初版S17-7
 ヒトラーの強欲には限りがないと、いよいよ察したとき、フランス市井人たちはどのように開戦へ気持ちを整理せんとしたかを現地でリアルタイム観察。
 ヨーロッパは〈世界の都会〉なんである。だから「ヨーロッパ精神」で共同体をつくることができる。にもかかわらず、ヒトラー式体制が隣国に登場すれば、もはや戦争しか解答は無かったのだ。そして、ドイツ人はパリを敗戦まで完全に温存した(この模様はWWII中の遣独潜水艦の生存者のリポートでも確かめられる)。
 やはり、真のヨーロッパ共同体はあったのだ。独仏は大国同士、そうとうに馴れ合っていたのだ。アジアでは、到底考えられぬ話だろう。
 ポーランド人、スウェーデン人、トルコ人などの留学生が見せる小国人っぷりは、いずこも同じかと思わせる。

▼防研史料 『研究実験成績報告』S14-12-25
 海軍の糜爛性ガスの実験。

▼防研史料 『爆弾第59回実験実施方案』S17-12-19
 1号爆弾の「特填」「特薬」に関する資料を含む。

▼防研史料 『航空関係軍備 3/3』
 桜花を吊るせば鈍重かつ燃料不足となる一式陸攻をロケットアシストで離陸させる方法を検討していた。
 「連山」の次に「泰山」が計画されたこと。

▼防研史料 『官房軍務局保存記録、施策関係綴』第二復員局 S17-7~S20-8

▼防研史料 『航空関係』S13~S18 航空本部長
 源田實は、米の艦爆が艦偵を兼ねていたという事実をMI敗戦後も悟っていない、ということが歴然とする資料。つまり航空参謀が敵機動部隊編制の基礎知識を有していなかったという重大欠陥が、帝国海軍にはあったのだ。
 また、ミッドウェー空襲の前々日に南雲司令部は変針のために電波を輻射していたことが、この戦中のリポートで白状されている。

▼防研史料 『航空関係資料 消耗』
 S18-4-1時点で早くも「桜花」の発想が海航本内にあったと分かる資料。

▼防研史料 『兵器整備状況(航本系)』S18-1 航本第四部

▼防研史料 『黒木大尉(機)の特攻に関する意見』by黒木博司
 機とは、兵科将校ではなく機関科将校(=技術屋)だという意味です。

▼防研史料 『桜花の試作実験に関する命令 及 計画書(4種)』

▼防研史料 『特攻機桜花訓練所の急設』別府明朋
 この辺の資料の内容の一部は拙著『日本海軍の爆弾』で利用済み。

▼防研史料 『桜花二二型 四三型 試作経過概要』by三木忠直

▼『偕行社記事』No.725(S10-2)
 「将校刀に就て」という記事が興味深い。

▼司馬遼太郎『韃靼疾風録』中公文庫(上・下)1991、ハードカバー1987
 天才的作家が『中央公論』という媒体の衒学色に染まり、どうすりゃこんなつまらん小説を書けるのか、と問いたくなるほどの惨憺たる作品を連載しちまった。が、シナ人とモンゴル人の違い等に関する価値ある情報要素も埋まっていたのだ。

▼イザベラ・バード著、高梨健吉・訳注『日本奥地紀行』2000、原1885“Unbeaten Tracks in Japan”、初訳1973
 直江兼次がドラマ化されているようだが、庄内の農村が天国のように見えるのに対し、会津の農村は対照的に底辺そのものの貧困であったことが本書では証言されているぞ。
 アイヌ人の金髪についての証言。そして言う。「開拓使庁が彼らに好意を持っており、アイヌ人を被征服民族としての圧迫的な束縛から解放し、さらに彼らを人道的に正当に取り扱っていることは、例えばアメリカ政府が北米インディアンを取り扱っているよりもはるかにまさる、と私は心から思っている」
 ※それだけ松前藩が外道の極北であったわけ。すべての疑問は金田一京助を読めば氷解する。ちなみに『SAPIO』9/9号の小林よしのり氏は「義経神社」に興味を惹かれたご様子だが、金田一によってとっくに否定されているフィクションです。

▼大川周明『日本二千六百年史』2008毎日ワンズ、原S14-7
 蘇我氏は、信仰ゆえに亡ぼされたのではない。帰化シナ人と結託して日本を乗っ取ろうとしたためだ。天皇に抗せんとした反逆中核は、すべて帰化シナ人だった。※この辺を竹越與三郎の名著『二千五百年史』と比べると、数等品下ると評せざるを得ない。竹越のは文体は古いが内容が遥かに開明的で、折口信夫にも決定的な影響を及ぼしたわけだと納得できる。明治人は恵まれていたよ。
 宣教師はスペイン国王の偵察員であり工作員であった。日本国は兵力多く、直接侵略が不可能。それで、貿易を餌に信者を増やして間接侵略しようと決めたのだ。
 もし井伊大老が条約調印を強行しなかったら日本は米国と戦争になって、列強によって植民地化されていただろう。

▼蝋山政道・他『各国官吏制度の研究』S23-9プレブス社刊
 本書は意外にも戦中になされていた研究である。なんと日本では、M20以降、官吏制度のよしあしについて学問的に研究することが、政府によって禁止されていたのだ。そのような著述は発禁をくらうことになっていた、という。
 兵頭おもえらく、帝大で比較官吏制度研究が不自由でありすぎたことが、おそらく戦前日本の政治的エリート層をして、憲兵による軍部統御術を思いもつかせず、吉田茂のような恐軍病患者を生んでしまったのだ。
 蝋山氏は本書の中で、英米流の近代「官吏制度」と、「官僚制度」とを峻別する。後者の官僚制度とは、役人が議会や政党と無関係に国家の権力を握ってしまうファッショ政治だ。
 2009の政権交代により、ようやくこの官僚制度の解体が射程に入ってきた今こそ、この研究は再読してみる価値がある。
 たとえば戦間期のフランスで、帰化人を官吏として採用する場合に設けていた数々の制限。今後の日本ですぐにも参考になるだろう。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は200円です。
 バックナンバーも1号分が200円で、1号分のみでも講読ができます。
 2008年6月25日号以前のバックナンバーのコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net
 の「告知板」をスクロールすれば、確認ができます。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。