TOP PAGE


« 2010年02月 | メイン | 2010年04月 »

明日発売の月刊『正論』クロスラインでは新原発の話をしています。

 桜林美佐さんが民放ラジオで与那国島リポートをやってくれたらしい。インターネット放送の「Radiko」でもアクセスできるらしい。「フジサンケイビジネスアイ」では「防衛産業」についての連載もなさるらしい。ご活躍を祈ります。

 AFPが2010-3-29に、「Drones May Ship to Pakistan 'Within a Year': DoD」という記事を配信しています。
 ワシントンは12機くらい非武装の無人機を援助するつもり。1年以内に。機種は未定だが Shadow が有望。ScanEagles の線もわずかにあるが、目下はシャドウが一番だ。
 米国は、2008からいままで、100回近い無人機による攻撃をパキ内で実行。それによって830人以上が殺されている。非戦闘員多くを含む。
 シャドウのサイズは、長さが 11フィートで、翼長が 14フィート。
 パキじしんの所有する無人機は、能力がシャドウにも及んでいない。※つまりイタリア製ファルコじゃだめってこと。
 パキ軍人いわく。「無人機は自軍で所有して運用するんじゃなけりゃ、士気にかかわるよね」。

 次。
 2010-3-29アップの記事「Researchers equip robot sub with sensory system inspired by blind fish」。
 プレキシグラスとアルミでできた80×30センチメーターのロボット深海探査機の Snookie は、視界の利かない深海で深海魚と同じ lateral-line【側線】 system により、魚や両生類を探知する。
 ミュンヘン工科大学の Van Hemmen 教授の着想。
 サソリは8本脚。その足にセンサーとなる毛が密生している。そこから入る振動信号を脳が処理して、暗闇でも獲物を知る。側線も似たようなもの。メキシコの洞窟内に棲む、目が退化した魚、 Astyanax が特に参考になる。
 Snookie は機体外部に6基のスクリューを有する。
 これが洗練されていけば、海に沈んだフライトレコーダーの捜索ができるのではないか。
 液体槽やパイプの内側の点検ができるのではないか。
 レーザーで外周環境を探る今のロボット・センサーよりも、側線システムの方がスウォーム化には向いている。他のロボットのレーザーで盲目化されないからだ。

 次。
 2010-3-28配信記事。「Pakistan to buy 7 submarines」。
 シナはタイについでこんどはパキにサブを売るかも。
 パキスタンはドイツに続いて、仏、支とも交渉に入った。
 シナは安さで勝負。1隻 $230 million だという。

 次。
 Mark Thompson 記者が2010-3-30に載っけている記事「EMP: The Next Weapon of Mass Destruction?」。
 米国に対するEMP爆弾によるテロを 鷹派の Heritage Foundation が警告。議会に 3月23日(1983にレーガン氏がスターウォーズ=SDIをブチ上げた日)を「EMP Recognition Day」とすべし、と迫った。

 1平方mあたり100キロボルトのEMPは、ほとんどの最新兵器を役に立たなくしてしまう。この値の2倍の攻撃をロシアは可能なのだとFoundationの仲間の一人は主張。

 40マイルの高空で炸裂させるEMP兵器を、HEMP(High Altitude Electromagnetic Pulse)という。米海軍は、このHEMPから艦隊を防護する研究にすでに乗り出している。
 ※トヨタの車載チップが耐EMPを何も考えていないので宇宙線を受けて暴走した可能性がある、とワイヤード日本語版が伝えていますね。Thompson 記者の記事も、EMPテロがあった日にはトヨタ車は動かなくなるので人々は原爆の爆心地から避退することができない、と脅かしています。トヨタは〈米軍に協力しろ〉という圧力でも受けているのでしょうか?

 次。
 Christopher Szabo 記者の記事「South African Army doesn’t discriminate against soldiers with HIV」。
 南ア陸軍は、HIVの兵隊も差別しない。ただし海外派遣部隊には、混ぜない。派遣先(たとえばスーダン)で病死するのが予期できるのに、派遣なんてできない。
 なにしろ同国のHIVの割合が大きすぎ。5000万人の人口のうち、530万人の HIV-positive people がいるのだ。

 次。
 ミリテクに、ロシアのT-95の話が連続UPされていました。
 まず「Russia May Unveil New 'Super-Tank' In Summer 2010」という2010-3-30の記事。RIA Novosti の報道をもとにして Staff Writers がまとめています。
 試作中の「品番195号」は重さ55トンで速度は毎時65kmに達するかもしれない。
 主兵装は滑腔の152ミリ砲で、誘導弾を発射できる。その場合の交戦距離は6000~7000mにも達する。
 乗員は3名で、砲塔部は無人。
 いまの主力である「T-90」は、「T-72B」をベースにしたもので、年産100両。これはトータルで1500両以上、整備されるだろう。

 そしてもうひとつ。RIA Novosti military commentator の Ilya Kramnik 記者による「Russian Tanks: Today And Tomorrow」という記事が、2010-3-29にミリテクにアップされています。
 いまやロシア唯一の戦車製造事業者であるUralvagonzavodのCEOに独占インタビューした。
 げんざい、露軍には、T-90は500両しかない。ただ、毎年60~100両の新生産分を納入されている。
 今月、General Alexander Postnikov は、2010年のロシア軍のT-90の調達予定数は261両だと公表した。
 T-90 の輸出はいろいろトータルでまもなく1000両になろう。いちばん買っているのがインド。他には、アルジェリア、トルクメニスタン、キプロス、リビア、サウジアラビアも買う。

 露軍保有の古いT-72も近代化改修が続く。最新バージョンは「T-72BA」。操縦手席の底面に増加装甲。だが、納入される部品の品質で泣いている。
 予算不如意の中、T-95は全要素をメーカーの自己資金で新開発して完成した。一般公開は2010夏の軍イベント中になるだろう。

 政府は、露軍の現有戦車2万両(予備も含む)は多すぎるとみなし、「一線現役2000両、予備保管分5000~6000両」にまで削減していく方針。

 ※公開が夏だというので、それまでいろいろな「T-95」想像ができるのが楽しいですね。わたしも参加してみましょうか。乗員3人のうち少なくとも1人は、車体の末端に置かれるのではないでしょうか。昔の「S戦車」みたいに後ろ向きではないでしょうけどね。主砲は低圧砲ではないでしょうか。砲弾設計用や車載用のコンピュータ・ソフトに弱点を有する彼らは、APFSDSでの射程&命中率競争から脱落することを決めているとしてもおかしくはないでしょう。そう思うもうひとつの理由は、十数年前にクビンカの戦車博物館で見かけた、「コッパーヘッドの戦車砲弾バージョン」の試製品の展示モデルです。カッパーヘッドというのは1980'sに米軍で試みた、セミアクティヴ・レーザー誘導式155ミリ榴弾です。NATOの砲兵隊にソ連戦車をピンポイント破壊させようとしたものでした。ところがロシアはそれを野砲用としてではなく、戦車砲用の直径で模倣していた。あそこまで漕ぎ付けた努力を彼らはまだ捨てていないだろう。あれを増口径し、低圧砲を組み合せて、6000m先の目標に彎曲弾道射撃をすれば、トップアタック(敵戦車の薄い天蓋部への下向き攻撃)になるので甚だ好都合でしょう。152ミリの低初速砲弾の弾殻の中に、7~8kgの猛性炸薬を充填することができれば、外れて至近弾になった場合でも、敵MBTの履帯くらいは損傷させてやることができます。122~130ミリ級の榴弾では、至近弾で敵MBTの履帯は切れません。これが一足飛びに152ミリを選択している理由だとわたしは勝手に想像をします。2000m未満の至近距離で米軍のM1と撃ち合いになったら? いろいろと変わった砲弾をそのためにつくるだろうと想像しますが、ロシア人は西部劇式の決闘に勝つことはあきらめているんじゃないですか。そのような状況に陥ってしまった時点で戦争は負けじゃないかと。だって米軍のMBTが祖国に侵入してくる情況ならば、きっと制空権だって奪われていますよ。そんな最悪事態で、唯一、M1に一矢を酬いてやる方途は、あくまで地形・地物に隠れ潜み、彎曲弾道の152ミリ榴弾で反撃することだけかもしれません。WWII末期の帝国陸軍の「砲戦車/自走砲」(なかんずく四式十五糎自走砲「ホロ」)の発想がリバイバルするしかないでしょう。もちろん、そんな悲観的な将来予測ばかり彼らはしているのでもないでしょう。これからのAFVは、対テロ任務の市街戦がこなせなければ、国民の税金を投じただけのベネフィットが認め難い。肉薄軽量で比較的L値の小さい砲身ならば、砲耳にハイ・アングル射撃のストレスをかけることも楽になります。152ミリ榴弾は、ビルの特定の部屋を即座に無害化してくれる、たのもしい道具となるでしょう。市街地に布陣して対ヘリ交戦もしなければならないと考えた場合も、高角射撃ができることが重宝でしょう。

 次。
 2010-3-26アップ記事「Gulf Stream Turbines Seeks Investors for Ocean Current Generator」。
 地球自転のコリオリ力が生み出しているきわめて安定した海流の運動エネルギーを、水中に沈めた回転羽根からとりだして発電しようという試み。
 発電コストは風力タービンの半分以下にできるという。
 Gulf Stream Turbines LLC 社は、まさにこの夢の実現のために 2009 に設立されたという。
 ※海洋発電がそんな生易しい世界じゃないってことにつきましては、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』を、ひとつご参照ください。

〈そら玉〉四季報

 キャパシタ内臓のソーラーLEDは2006末から、道路埋設用として市販されていたようです。これがもうそろそろ、ガーデニング用や防犯用にも普及してくるのではないかと直感します。キャパシタは電池と違って交換の必要がありませんので、ソラ玉を完全密封構造につくることができ、その分、低価格で耐候性のある商品が生まれるでしょう。
 キャパシタの値段が、ある一線よりも下がれば、従来の電池利用式の比較的短寿命のソラ玉商品は、あっという間に市場から姿を消してしまうかもしれません。というわけで、このあたりで、久々に〈そら玉〉のエンデュランス・テストの中間報告をやっておかないと、機会がなくなるかもな……、と思った次第です。

 なお、防犯用ライトにご関心がおありの向きは、拙著『予言 日支宗教戦争』(並木書房)の149頁以降を、どうぞご参照ください。

 まず〈¥1000しないで買えたソーラーボール〉ですが、電池は非常に好調で、いったい交換なしで何年光るのか、見当がつきません。なぜ、〈寿命は1年くらい〉などというバイヤーの意欲を殺ぐ宣伝を、メーカーのオーム電機はしているのか、解しかねます。(ちなみに電池交換はできないタイプ。)黄色単色よりも、マルチカラー変化バージョンの製品が、優秀です。

 ただし、電池よりも先に、ケーシングの透明度が、徐々に悪化してきてしまいました。要は、耐紫外線仕様になっていないということで、廉価版のそら玉では、大なり小なりこの劣化がある。
 電池がキャパシタにかわった場合、商品の現役寿命はやたらに延びることになるわけですから、この紫外線対策が重要な課題となるでしょう。

 そこへ行くと英国スマートソーラー社の製品は、高いだけあって、球形ケーシングの紫外線対策は万全のようです。まるで変色していない。しかも相変わらず、日照時間の短い冬の晩でも、朝まで点灯してくれやがるのです。さすがの一言。こいつの電池をキャパシターに変えたら、そのまま売れるでしょう。
 (それ以上に驚異的なのが、やはり「商品X」。まだ1本が生きているように見えます。すでに3本はダウンしてしまったのですが……。おそるべし!)

 ニッケル水素電池を使った、「縦長の傘型歯車」みたいな外形をしたソーラーLED(イスラエル製?)を仕掛けている民家が町内にあるんですが、未明に散歩をして通りすがると、灯いていないときがあります。これも、英国スマートソーラー社製品(ただし電池2本型に限る)には、及ばないようだな、とお見受けしました。

 ところで2010-3-28の朝鮮日報ウェブ版に、「ソーラーカーの普及への課題とは」という有意義な記事が出ています。東海大学ソーラーカー研究チームを取材したものです。
 東海大のでは、リチウムイオン電池を使っているようです。これはキャパシタには代えられないのでしょうか?
 また、最新の国産太陽光発電パネルは、紫外線や赤外線を受光しても発電ができると書いてありました。それはシャープ製だという。
 そこで兵頭思えらく。シャープは、このパネルとキャパシタを組み合せた、田舎の住宅の庭用の超高性能ソーラーLEDを市販すべきです。それが、〈発電パネルはもうここまで進化しているんですよ!〉という庶民向けのPRになるでしょう。

 次。
 Nicole Dyer 記者の 2010-3-29付け記事「How It Works: Taser's Electrified Shotgun Slug」。
 逃げる犯人から35~65フィートという間合いは、容疑者からは物を投げつけられるが、警察官の方はテーザーが使えぬ距離である。そこで警官は銃を使いたくなってしまう。

 このジレンマを解決したのが、12番ゲージのポンプ・アクション・ショットガンから発射できるテーザー・スラグ弾。
 ふつうのテーザーは アーク放電で5万ボルトだが、この新商品 XREPは 皮下に電極を刺すので500ボルトで可いのだ。

 メーカーの技師いわく。電圧は問題ではない。皮下に流す電流が、生体の神経信号そっくりな波形になっていれば、容疑者の筋肉は、本人の随意に動かせなくなってしまうのだ。ただしその波形は企業秘密。

 発射されると、スラグ弾殻は翼を展張して100フィートの飛翔を安定させる。
 容疑者の体表にピンが刺さると、弾殻は脱落し、ピンとワイヤーが残る。
 容疑者が、おのれの体表に刺さったモノをひきぬこうとしてワイヤーを手で掴むと、やはり感電する。しかも、パルス電圧によって指が縮こまるので手も離せなくなる。
 弾丸内の電池は20秒間、信号を出し続ける。つまり容疑者は20秒間麻痺する。

 昨年、発売したのだが、すでに4度、現場警官によって対人使用されて、いずれもうまくいっているという。
 メーカーでは目下、米軍の擲弾発射機から200フィート発射できるバージョンも開発中。

 次。
 Nathan Hodge 記者による2010-3-29記事「China Testing Ballistic Missile ‘Carrier-Killer’」。
 シナが、DF-21/CSS-5 を使った対艦弾道弾(ASBM)をまもなくテスト?
 シナは2009-11に国営公式軍隊テレビ(7チャンネル)でアニメ式に誇示している。
  1995~96 Taiwan Strait Crisis がきっかけで開発開始したものだ。

 次。
 NYTのEditorial、2010-3-28アップの「Finding Natural Gas, Safely」という記事。
 Marcellus Shale は、米国の東部から西部まで広がっている。
 問題はそこから天然ガスを取り出す技法。「Hydraulic fracturing」法は、水やら砂やらを化学剤とともに高圧で地下に潅いで、堆積中からガスだけ取り出してやろうとするもの。
 これは必然的に地下水汚染をもたらしてしまう。
 ある日とつぜん、大都市の上水系に毒が混ざり込むかもしれないのだ。
 ※それよりも、NYを地震が襲わないか?

 次。
 bruce rolfsen 記者による2010-3-28記事「USAF Releases New Plan To Replace Pave Hawk」。
 米空軍は、100機ある シコルスキーの HH-60G Pave Hawk rescue helicopters を新設計のヘリで更新したい。
 片道402kmを無給油で往復できるものとしたい。
 荷物としては 負傷兵×2名 を想定。パイロット×2名。ガナー×2名。レスキュー要員×3名。

 次。
 APのJEAN H. LEE 記者による2010-3-29アップ記事「S Korean defense min: Warship may have struck mine」。
 艦長は助かっている。
 あるいは朝鮮戦争時代の機雷かもしれぬ。
 最近では、北鮮の機雷が1984にみつかったことがある。
水兵が水密ハッチを閉めたとして、内部の酸素は69時間しかもたない。
 米艦×4も捜索に協力。

 次。
 おくればせながら、『Make:Technology on Your Time』のvol.9(オーム社発売の日本語版で、奥付は2010-1-26とあり)を読みかけております。P.W.シンガーの“Wired for war”の、とおりいっぺんの紹介(byキース・ハモンド)が載っていますね。果たしてNHK出版はこれを訳刊するだろうか?
 記事では、ペナン島の「ファイアー・ピストン」にまず感心したところです。

 おしまいに、昨日届いた『朝雲新聞』#2906号に、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』の新刊紹介が載っていました。どうもありがとうございます。

買わない新兵器を共同開発してもいいんだとデンマークの国防相。偉い。

 まずAPの2010-3-28付けニュース。
 NYの人権団体いわく、コンゴで数年間も報道されざる大虐殺が進行中。
 叛乱軍は何人かの住民の、口【原文でlipsとあるが英語のリップは日本語の唇よりも広い範囲である】と片耳を切り取って、他の住民に対し、「ここで起きている事態を他所では語るなよ」と警告している。
 多くの男性住民は、木に縛り付けられてナタや斧で殺されている。ある3歳の少女は焼き殺された。
 反抗的な子供たちは、誘拐された別な子供たちが、円く囲んで鈍器で撲殺処刑するように、叛乱軍は強要する。
 叛乱軍はもともとウガンダに源を発し、コンゴの北部国境にやってきたものである。

 次。
 william matthews 記者が2010-3-29に載っけている「Visible Progress for Laser Weapons  Yet Energy-Beam Munitions Remain Years Away」という記事。
 超音速巡航ミサイルから艦を自衛するには自由電子レーザーしかないとボーイング社は言う。しかし自由電子ではまだ14キロワットの実験が過去になされているだけだ。
 Northrop Grumman は米陸軍のために、ミサイル、ヘリ、無人機、ロケット弾、迫撃砲弾、野砲弾、子弾をすべて撃破できる地対空レーザー砲(半導体レーザー)を開発している。
 テキストロン社は、同社の新しいThinZag laser(半導体レーザー) を F-35 に搭載すれば、敵機や敵ミサイルや地上目標を破壊できるという。
  Northrop と Textron は 半導体レーザーの 100キロワット の出力の壁をすでに越えたと主張。
 レーザーが100キロワットあれば、物体はすぐに壊せるのだと陸軍は認める。
 1970年代いらい、化学レーザーとガスレーザーが破壊兵器用として実験されてきた。が、それは軍用に向かぬと分かった。前者は重すぎ、後者はガスが有毒すぎたのだ。
 しかし15年の歳月と $4 billion の予算を投じ、ついに Boeing は「メガワット級」の化学レーザーを 747ジャンボ機に搭載して空中から標的ミサイル×2を撃墜するテストを2010-2-11に成功させた。
 しかし現場では、化学レーザーには将来性はなく、むしろ半導体レーザーだと言っている。
 テキストロン社は90年代初めから半導体レーザーにとりくんできた。そして2010-2にマサチューセッツの実験室で初めて100キロワットを出した。同社の人いわく、あと5~7年しないと、こいつは兵器にはならん、と。
 ブレークスルーは2つ考えられる。
 ひとつは、壊れやすい neodymium 結晶の代わりに、Nd:YAG(neodymium yttrium aluminum garnet)を浸潤させた薄い透明なセラミック板を媒体にして近赤外線レーザーを発生させること。
 Northrop Grumman は、同社こそが2009に最初に半導体で100キロワット・レーザーをつくったのだと主張。迫撃砲弾くらい迎撃できる自信あり。
 ボーイングの自由電子レーザーは実験室すら未だ存在しない。米海軍が資金を出してくれたら、その実験室をつくるという。
 電磁石列で強磁界をつくって電子を加速する仕組み。軍艦の大発電力を使えるならば、実用になる。
 だがレーザーは、霧、砂塵、煙によって弱められる。
 しかも、そのエネルギー源はものすごく発熱するから、戦場で探知され易い。
 いまやスタンドオフの兵器で戦う時代なのに、相互直視位置関係でしか交戦できないのもイタい。

 次。
 星条旗新聞の 2010-3-28記事「Abrupt end of college tuition help angers military spouses」。
 2009からペンタゴンは、イラクやアフガンへ動員されている将兵の配偶者に対して、太っ腹な学費援助を提供してきた。
 それが、とつぜん予告なしに打ち切られてしまって、いろいろな大学に通っている配偶者9万8000人がパニック。

 次。
 ディフェンス・ニューズの Vago Muradian 記者による、デンマーク国防相Gitte Lillelund Bech(41)に対するインタビュー記事。2010-3-29アップ。
 同大臣の前任者は、デンマーク軍特殊部隊の戦術について詳しく本に書きすぎたため、辞任を余儀なくされたという。
 新大臣は元、議会の外交委員長。41歳。

 同国のF-16は2016から退役開始する。2020までに全機が引退する。ピーク時に48機を保有していたが、これから30機にまで減らす。
 新機種での更新分を、グリペンにするのかF-18にするのかF-35にするのか、彼女は選択しなければならない。
 デンマークはF-35の共同開発国だが、それを買わないというオプションもあると彼女は明言。
 政府が買わなくたって、国内メーカーにとり、国際共同開発に参加するということは、未来の利益になるのだ。※じつに良いことを言うじゃないか!

 同国はアフガンに大使館を新築した。これこそコミットメントの宣伝だ。デンマークはアフガンに兵700を派遣している。アフガンでは兵隊こそが「大使」だ。
 アフリカの角に駆逐艦も出している。海賊母船×3も拿捕した。コペンハーゲンには世界最大級の造船所もある。

 北極海が、政治的にも気候的にも熱くなりつつありますよね――との質問に対し……。
 いや、グリーンランド(デンマーク領)で共同宣言してるから、ロシアとは友人だ。
 だが、あと50年でカナダ沿岸の北極海「北西航路」が開通するだろう。※この航路の戦略的な意義については、拙著『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』をご参照ください。

 それじゃ「気候変動」を真に受けているのか? ――との質問に対し……。
 グリーンランドに行ってみよ。そして10年前の写真と現状を比べてみよ。間違いなく融けている。氷河が融け続けている。以前なら不可能だった、野菜の栽培すらいまや同地において可能になっているのだ。
 地球の温暖化が問題なのではない。大規模な気候変動に政治が対応することが求められているのだ。

 次。
 2010-3-25アップの記事「More economical process for making ethanol from nonfood sources」。
 廃材木、トウモロコシの実以外の部分、寒冷地向き牧草(switch grass)などのセルロースを、触媒を浪費せずに効率的にエタノールへ変え得る発見をしたと、在米のインド人研究者が全米化学学会で発表。
 新工程により、必要な触媒の量を10分の1にできる、とのこと。

次は『地獄のX島~』がNF文庫になります。

 夏までには書店で見られるでしょう。あまりに分厚いのでPHP文庫では断られていたのですが、さすが光人社です。ツカは400ページoverです。
 他方、『日本海軍の爆弾』の方は、スケジュール上の順番が後退しました。しかし、年内にはこれもNF文庫化されるでしょう。お気長にお待ちください。

 次。Michael Bruno 記者による「Obama, Medvedev Agree on Start Terms」という記事。2010-3-26付アップです。

 米露が4-8に調印の予定。プラハという場所が象徴するように、MDは認められる。
 それだけでなく、conventional Prompt Global Strike capability を米国が開発することもロシアは認めたらしい。
 そのなかに、たとえば、ICBMの弾頭に通常弾頭やらなにやらを搭載する案も含まれるかどうか、気になります。

 7年以内に、弾頭数は双方 1,550発とされ、BM等の運搬手段は、実配備700基or機、控え100基or機になるか。リミット内でどう按配するかは、両国の自由。
 「米露はこのとおりまじめに核軍縮をやっているので、他の国〔イラン〕は核武装するなよ」というメッセージにもしなければならないので、たいへんですよね。日本の閣僚などとは、心配のレベルが違います。

 ニュースでもっとも関心をひかれましたのが、検証システムへの言及。なんと、米露はテレメトリーを交換するという。
 ゲイツ氏はマスコミに、テレメトリーは重要でないと言ったようですが、欧米マスコミの方では、その逆にこれがとてつもなく重要なのだとよく理解しているように、わたしはお見受けします。日本のマスコミとはレベルが違います。

 兵頭思えらく……。これはフィンランドのXバンドレーダー基地や北太平洋の海上移動式Xバンドレーダー(やコブラデーン固定網)がものすごく有効で、ロシアが飛翔実力データを隠すことにもはや意味がなくなったと観念し、いくつかの秘匿努力を投了してしまったことを示唆するでしょう。
 そしてこれから始まるのは、米空軍のリストラだと思います。すでに人員削減案が発表されています。ソース省略。F-16の延命措置も指示されました。ソース省略。

 次。
 Pinaki Bhattacharya 記者の「Navy outlines plan for N-sub」という記事。2010-3-24付のアップ。
 アクラ級の『Chakra』が、10年間インドにリースされるため、8ヶ月以内にインドにひきわたされる。※きっともっと遅延するでしょう。既往から推して、賭けが成立せぬくらいに、このことは確実です。

 この原潜は、シナ海軍がうようよしている海域でのインド空母の護衛に使う。

 ただしロシアは、潜水艦から発射して水上艦を攻撃する Klub という長射程巡航ミサイルは、インドに売ってくれない。これは国際輸出規制にひっかかるからだ。※ロシアも日本も加わっている米国主唱のMTCRは、巡航ミサイルも高性能無人機も規制しています。日本はアメリカから買えば可いんだという人は甘い。シナなどはMTCRに加わっていなくとも、遵守しなければ米国からイヤガラセを受けます。

 次。
 Lisa Abend 記者が タイム誌のウェブ版に載っけている「Meat-Eating Vs. Driving: Another Climate Change Error?」という記事。2010-3-27アップ。
 FAOは、酪農に起因する炭素排出は18%で、それは自動車由来の15%を上回るのだ、というデータを2006頃に出していたが、それは不誠実な計算をしたものだ――という反駁がいまになって噴出。
 片方にはライフサイクルコスト通算を適用し、片方には適用していなかったのだ、と。

 もちろんわたしもこの比較値を信用して『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』を書きました。議論のなりゆきを注目したいと思います。

やはりトウモロコシではなくカメリナが来ました。

 Graham Warwick 記者が 2010-3-25 に載っけている「A-10 Flies Biofuel, DoD Wants it Now」という記事。

 3月25日に、米空軍所属の1機のA-10が、エグリン空軍基地で、90分間飛行した。その燃料は、カメリナに水素を添加した「HRJ」というバイオ油を、JP-8と半々に混ぜたものである。この燃料は、この夏に、F-15、F-22、C-17でも試される予定。
 他方、海軍は、海藻由来のHRJを半分〔JP-5と〕混ぜた燃料でF/A-18を飛ばすテストを4-22に計画中、だと。

 カメリナって何だ? と思った人は、拙著『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』をご購読ください。
 米空軍は、バイオ燃料の実験をあくまで納税者向けパフォーマンスとしてやっているだけだというのが、わたしの想像であります。カメリナでは、米空軍の所要量には足りないのです。しかし、環境団体は、大喜びする。そのへんの事情も、突っ込んで書いてございます。

 次。
 拙著では、風力発電は見込み薄だろうという見解を披露しているのですが、それを揺るがす試みが欧米では次々となされています。

 マリンニューズに2010-3-25載せられた「Keppel German Offshore Wind Newbuild」という記事。
 ドイツのCuxhaven沖110km(独経済専管水域内)に浮かべる風力発電基地を建造するぜ、という。タービンは5メガワット。それを80基。2013以降にこれがうまくいったら、独本国の電力網に電気を供給する。※つまり海底直流ケーブルか?
 32名が常駐する、浮かぶ鉄の島で、2011末にできあがる見込み。

 関連して。
 Rena Marie Pacella 記者が2010-3-26に載っけている「 How It Works: The Next-Gen Wind Turbine」という記事。
 GEのスーパーソリューション?
 ギアがないタービンと永久磁石と、なんと176フィート長の回転翼。
 こいつは、強風が吹きつけたときは、羽がたわむことによって、破壊を免れる。この構造なら、羽を50m以上の長さにして最大の効率を追求することができるのだ。
 げんざいオランダとノルウェーでパーツごとにテスト中。
 発電機のリング径を大にし、低速回転時の起電力を高めた。したがって、在来型では必要だった、内部の「増速ギア」を追放できた。これで注油メンテナンスの必要も減った。
 ネオディミウム(neodymium)の永久磁石を、コイルの中で回転させる。

 ※台風の来ない国なら、これもアリでしょう。

 次。
  Bill Sweetman 氏が 2010-3-26にブログで、韓国対潜艇の沈没原因を想像。ひょっとして北鮮のミジェット潜と衝突して弾庫で砲弾が爆発か、とか、いろいろ考えられる、と。
 北鮮はミジェットサブを32隻も持っている。他には古い明級を22隻。

 ※対潜型だとすると、爆雷でしょうかね? それとも、艦内の反抗的な水兵が……???

本日は「読書余論」の配信日です。(詳細は3-1を見よ。)

 さいきんのポピュサイは絶好調だ。Clay Dillow 記者が2010-3-24に載っけている「 DARPA Bounces Smart Radar Off Buildings To Track Individual Urban Vehicles From the Sky」という記事。
  高層ビル群の蔭に入ろうがまるで関係なく、大都会のなかで、目当ての1台の車だけを追跡し続けることができるUAV搭載レーダーを、DARPAが開発中だと。
 反射波を利用する Multipath Exploitation Radar。これは LIDAR を使って、反射コースを逐次に計算するのだ。

 レーダーの周波数はKuバンド。似たような外形の車両でも、わずかな違いさえあれば混同することはない。
 ※おそらくこれから犯罪者は、何の特徴も無い、街で一番たくさん多く走っている型の自動車に乗って移動することを好むようになるだろう。

 一瞥600平方マイルの捜索追跡を可能にしたい。
 将来は、1機のUAVから、同時に複数の自動車の連続監視を実現したい。※つまりは、対人用の Gorgon Stare や ARGUS-IS の対車版というわけだ。

 ノーバウンド直達波と、バウンドした屈曲到達波の、戻り信号の切り替えつなぎをどううまく処理するかが課題。そのあいだ、動いたり止まったりしているはずの標的をロックオンし続けなければならないので。

 次。
 デンジャールームの Nathan Hodge 記者の2010-3-23リポート「Nazi Rocket Barge, Sunk」。
 いわゆるナチ秘密兵器話だが、米国の核テロ対策専門家はこうしたアイディアがアメリカの敵によって復活させられる可能性にも敏感なのだ。

 ナチは射程のみじかいV2を submersible barges から発射してNYを攻撃しようとした。その案では、発射時にバージを浮上させることになっていた。

 別な案は、キャニスターチューブを潜水艦が水中曳航し、発射時に、それを垂直に立てるものだった。
 ※もちろん海面下から発射するわけではなく、チューブの上端を釣りの浮きのように海面上に露頂させるのだろう。

 次。
 ディフェンスニューズがAFPの2010-3-23の記事「Romania To Purchase Secondhand F-16s」を載せている。
 古いミグ21しか持っていないルーマニア空軍が、NATOとのインターオペラビリティ確保のため、セコハンのF-16を24機買うことにした。
 24機で、なんとたったの8億ドルで済むという。

 ※中古のリースならもっと安いだろう。シナ軍相手なら当面それで十分だ。

 次。
 ビル・ゲイツ氏の支援するテラパワーにはどのくらい見込みがあるのだろう?
 概略似たようなものであるらしいCANDLE炉を発案提唱されている東工大の関本氏は、同炉が、原研で開発中のHTTRのようなブロック燃料を用いた高温ガス炉にならば、ほとんど技術開発無しに適用可能である、と主張(ttp://www.nr.titech.ac.jp/~hsekimot/CANDLE050418.pdf)。

 ――理論的な見込みがあることは分かった。あと100年くらいは、ウラン資源の枯渇問題なんて気にしなくてもよくなりそうな予感を抱きます。

 さてそうするとハードルは、これらの理論を現物にどうまとめるかですよね。

 シビアに中性子に曝されてなおかつ100年耐えられるような材料は、まだこの世にありません。
 負の出力反応度係数を得る設計が確立するのも、いつになることでしょうか。
 相当に時間と、ゲイツ氏の私財じゃ足りぬくらいのカネもかかる話じゃないかと思われますが、そこらの政府のムダなプロジェクトの数々にくらべれば、数千倍も夢があるのでわたしは好感します。

それはコレリではなくホメロスの『オデュッセイア』だからだ。

 図書館から借りた子供の絵本の中に、女子パウロ会著〔原案は山口道孝氏?〕『ちいさなチャンタラ』(1992刊)というのがあり、12年前〔つまり1980?〕のタイの難民キャンプ(収容されているのはカンボジア人)で、恐怖体験のあまり頭の毛がぜんぶ抜け落ちた子供がいたと書いてあった。

 もしそのあとから頭髪が再生するようなことがあったとしたら、それは全部白髪になってしまうのだろうか?

 これに関連してウィキペディアの「白髪鬼」を参照したら、マリー・コレリの“Vendetta, A Story of One Forgotten ”のプロットを近年の多くのドラマ脚本が借用しているのに、誰もコレリのクレジットを表記していない、と苦情らしいことが書いてある。

 トロイア遠征軍に加わった地主の主人公が難船し、ものすごい辛酸の後に帰館してみると女房は別な男と出来ており、復讐を決意するが、そのとき老犬アルゴスだけが変貌している元主人を識別して歓び啼いて息絶えた――という話を、ホメロスは紀元前8世紀に吟じているのだ。
 後世の小説家が似たようなストーリーを書いたとして、冥界の詩人は「オレの話がこれほど世界的に有名である以上、クレジットなんざ要らねェ」と言うだろう。

 もし生きたまま埋葬されてしまったら……という怪談も、誰が初出かを詮索すれば果てしがなかろう。それは人類が埋葬の習慣をもった時から存在している想像であるはずだ。

 いっつも不景気な面で地上波TV漬けの地下人どもをより一層の厭世観・絶望感に長らくも誘導してくれた霊界功労者のNHKのアナウンサー氏がやっと都落ちするというニュースが、たまたま飛び込んできた。これでGNPもちっとは上向くだろう。

 次。
 ポピュラーサイエンスに Elizabeth Svoboda 記者が2010-3-23に載っけている「 Does Geothermal Power Cause Earthquakes?  A new energy method could trigger a risky side effect」という記事。
 スイスのバーゼルで2006-12-8に、30回以上の地震が起きた。最大 Richter scaleで3.4 だった。引き起こしたのは、地質学者の Markus Haring だった。
 彼が、地熱発電の蒸気を得るため、地下数マイルの熱い岩盤中まで縦坑を穿って高圧水を注入したのが、引き金だったと認定された。この岩盤は、地震断層と近かったのだ。
 バーゼル市当局は Haring を訴え、建物が蒙った損害 900万ドル を請求した。
 無罪放免となったのは2009-12である。が、注水によって 5億ドル の損害をともなう大地震も起きるおそれもあったと看做され、彼の地熱発電計画は永久に禁止になった。
 これを承けて、米国でも、西部州(California, Idaho, Nevada and Oregon)を中心とした地熱発電の「40倍増計画」(それにより全米の電力総需要の1割を地熱でまかなわせる)には、新たな吟味が必要となった。

 ある専門家いわく。過去に地震があった土地では、地熱発電の新事業は止めた方が無難だ、と。
 Haring いわく、イノベーションは「無代」ではありえない、と。

 次。
 ポピュラーサイエンスに Stuart Fox 記者が2010-3-23に載せている「Breakthrough Low-Power Desalination and Purification Technology Brings Clean Water To Remote Villages」という記事。
  MITで、被災地で海水から飲用に耐える真水をつくる道具を考案したと。太陽光発電パネルまたは電池を電源とする。
 8インチ幅で連結されている1万個の「蒸留チップ」が、電気的に水と塩を分け、毎時4ガロンの真水をつくってくれる。ただし総電力は数十ワット必要。
 塩をとりのぞくついでに、その海水を汚染している血液やら、さまざまな蛋白質からなる異物も、やはり電気的方法で、かなりの程度、除去してくれる。
 フィルターを用いないところが売り。つまり高圧をかけなくてよい。上から海水を潅ぎ、下から真水がしたたり落ちてくるのを待つのみ。

 ただし商品化までにはあと2年はかかるという。
 ポータブル・サイズで実現した次は、中東砂漠国の国民需要をまかなうほどの巨大なプラントも構想する。

在沖の海兵隊はJP-8をつかっているという話。

 沖縄の海兵隊の車両の燃料はJP-8だとほぼ確認できました。
 ヘリコプターは未だ不明です。
 この件に関しましてはひきつづきリサーチを進め、可能ならば『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』の改訂版に反映させます。(改訂版が出せない場合、当ブログが最新補正情報であります。)

 なお、拙著最新刊は、書店のいつもの「軍事」の棚ではなく、ビジネス書の棚にある場合が多そうですので、併せてお知らせをしておきます。

 次。
 デンジャールームに Katie Drummond 記者が2010-3-22に載せていた「Inventors Design Less-Lethal ‘Taser Me Elmo’ Rifle」という記事。

 火薬ではなく、水素を燃焼させて銃弾を発射する特殊銃が完成途上にある。
 2年前にペンタゴンから着目されて資金を援助されてこのライフルを開発したのは、なんとオモチャのメーカー。

 水素の量を変えることで、殺傷力を自動調節できる。
 ただし作動はポンプアクション。2発を1秒内で射てる。重さは6ポンド強。

 水素を爆燃させるので、完全無煙。むろん火薬残渣ゼロ。
 自動測遠機と連動した安全機構がついていて、近すぎる相手には自動的に最も弱いパワーで射ち出す。
 いままでの非殺傷型兵器は、遠距離目標に対しては無力であった。また至近距離目標に対しては危険すぎた。
 米軍の将来戦は、外国の民間住民の間での銃撃戦が多くなると予想される。そのさい、この機能が役に立つ。

 尤も、こいつが実用化されるまでの道のりは、まだまだ遠いらしい。

 次。
 テクノバーンが、ある夢物語を紹介している。
 2010-3-21の「New 'smart' roof reads the thermometer, saves energy in hot and cold climates」という記事。

 米西海岸である技術者が考えた。白い瓦は夏の太陽熱を反射してくれるが冬は寒い。逆に黒い瓦だと冬の太陽熱を吸収してくれるが、夏が地獄だ。このジレンマをどう解決できるか……と。※しかし白色は黒色と比べて「輻射」も少ないのでビル内の熱を外部に放熱しないというメリットは十分にあると思うんだが……。

 彼は新案を得た。飲食店が捨てる、ポテチや鳥唐揚用の油を原材料とし、油を液状ポリマーにしてから固化する。秘密の工程により、製品は、匂わないし、不燃性だし、無毒でもある。耐候力は数年ある。

 このコーティング剤は、受ける赤外線の量を引き金として、反射モードと吸収モードを自動的に切り替えてくれる。
 彼が、アスファルトの屋根板にコーティングして実験したところ、夏は屋根の温度を、それがないときよりも5割以上低くし、寒いときには逆に8割も暖かくしてくれることがわかった。※寒いときには熱を断熱せずに伝導するということかい? それは省エネ上、逆効果にならないのかな? 特に日射が得られない曇天や夜間や日蔭はどうなる? それとも、コーティング剤そのものが蓄熱をするということ?

 彼いわく、このコーティング剤は、3年間は商品化できない見込みである、と。※わたしは眉に唾をつけておくことにしました。

 次。
 ミリテクに2010-3-19にスタッフライターの記事「Army Fast-Tracking Precision Mortar To Afghanistan」。
 山岳戦用の決め手となる、終末誘導できる120ミリ迫撃砲弾を、2010末までにアフガンに送る。
 これなら、たった1~2発で任務は終わる。よって破片や爆圧等による好ましからぬ福次毀害も抑制される。

 この新弾薬は、 Accelerated Precision Mortar Initiative (APMI) といい、GPS誘導だ。
 CEPは10mほどとなる。ちなみに無誘導の120mm迫撃砲の精度はCEP=136mである。
 そのため従来は1目標の制圧に、120ミリ迫撃砲弾を8~10発撃ち込むことが必要だった。
 APMIはこれから安全性を確認するテストに移る予定。

書店主さま、『日本経済新聞』の1面下にサンヤツが出ました。

 3月23日(火)朝刊に載った広告を見てご来店されるお客さまがたに対して、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』を適宜にご案内いただければ、まことに幸いであります。

 次。
 ポピュラーサイエンスに Eric Adams 記者が2010-3-19に載せている記事「 A Naked Engine For Cleaner Flights」。

 ターボファン・エンジンでありながら、外側のダクト・ケーシング(カウリング)をとっぱらってしまえば、空気流が3倍になる――という、飛行機用の省エネ・エンジンの着想を、GE社は1983年に得ていたのだが、イラン危機が去って油価がまた下がったため、その試製品はお蔵入りとなっていた。

 その案が、復活しそうだ。すでに2009-9からGEは1/5モデルで風洞実験を始めている。
 燃費は最良で 26%も節約になる。
 もちろんタービンブレードを、可変ピッチとするのである。

 ただしこの「flying Cuisinart【算数教育用の色つき棒】」が、たとえばボーイング737のような中型旅客機に搭載されるのは、早くても2020であろうという。

 次。
 グリーンエナジーニューズに Bruce Mulliken 記者が2010-3-19に書いている「SAVING ENERGY WITH WALLPAPER」という記事。
 ドイツの壁紙メーカーの Saarpor社が、「Climapor」という特殊断熱壁紙を売り出した。 expandable なポリスチレン(EPS)の中に、グラファイト(黒鉛)を飽和含浸させたもので、厚さは4ミリ。それで、室内の熱を外へは逃さなくなるのだ。
 この4ミリが、断熱効果では、68ミリ厚の煉瓦壁、もしくは210ミリ厚のコンクリート壁にも匹敵するという。

 ※たしか北の湖関がじぶんの相撲部屋に土俵を新設するとき、黒鉛を埋めたとかいう話をずっと前に聞いた覚えがある。冷たくなくなるわけですね……。

 次。
 『海上保安新聞』2010-2-4号。
 南鳥島のロランCの213m鉄塔が2010-1-24に「倒壊作業」を終えた。支線6本を火薬で破砕して倒した。運用は2009-12-1に停止されていた。もともとは米コーストガードのものでH5に海保が引き継いでいた。

 兵頭いわく。このまま米国の「GPS属国」になりたくなくば、日本独自の地上系ナヴィゲーション網として「GALAPAGOS」(Ground And Litoral Accurate Positionning And Geomorphic Observation System)を建設すべきだ。全国のNHKの電波塔を使えば、日本領域内限定で民間1m精度が提供できるはずである。

 続いて同じ『海上保安新聞』の2-25号。灯台や灯浮標などの航路標識用のLEDが、湿気で劣化することが判明。同庁は平成元年からLEDを採用しているが、H8年度に、劣化し光度が低下したものがみつかった。

 ※まあ日進月歩の世界ですからね。今後はだいじょうぶでしょう。

 次。『MAMOR』2010-5月号。
 24頁に「…例えば毎年6月から9月の間、全国の水際障害中隊が北海道の北端・手塩町の訓練場に交代で集結し模擬の障害を構成する『水際障害構成訓練』や、実物の地雷の取扱要領や威力を体感する『水際障害実爆訓練』を毎年行っている」とある。

 手塩海岸とは驚いた。冷戦時代に、〈ソ連軍が上陸するならここしかない〉と勝手に断定されていた場所だ。オレが所属していた第二師団は、その湿地帯で全滅することをいちおう運命づけられていたのだ(運がよければ音威子府から上富良野までも退がってくるが、それ以南への後退は許されず。つまり上富良野演習場附近が「ハラキリ場」だとされていた)。なつかしいね。今ふりかえれば、とんでもない集団妄想だったけども。そんなところに、いまだに全国から集って訓練をしなきゃならんとは……。
 この集合訓練はもう西日本でやらなきゃ意味ないっしょ。

 『MAMOR』最新号には、長嶋昭久氏のインタビュー記事も併載されている。同代議士は防衛省の「事業仕分け」担当だった(この記事じたいは有益)。編集部では、それを強く意識したことと察するが、たとえば「無人機研究システム」が2009-12-15に硫黄島で自動着陸したことを紹介しつつ、その4機のうち1機が2010-2-9に墜落して喪われたことには一言も触れていない(p.57)のは何故だ? 本誌は広報誌のはずだが、これでは、一般読者の方ではなく、長嶋氏の方だけを見て編集をしたと疑われ、この雑誌そのものも「仕分け」されちまうかもよ。

 ところでオレも雑誌を只で貰っておいて、こうして記事に噛み付くのもちょっとためらわれるのだけれども、三流なりに「評論家」を名乗ってロボット兵器の本も書く者として、本誌 pp.44~45 の「技本リポート」の「携帯型小型偵察ロボット」には、一言しておかざるを得ない。このプロジェクトの同誌での紹介は、これで二度目だからだ。

 今号の記事には、1年前にボウリングの球ていどのサイズだった試作モデルが、げんざいは、直径110mmにまで小型化されていると紹介されている。そして正直にも「階段を昇ることはできないが、小さな段差ならば乗り越えることができる」とも書いてある。さらに今後、もっと小型にするという。

 手短に論評しましょう。記事1回だけなら「まあこれもイタいかもしれないけど記念品です」で目こぼしOKだったが、2回プッシュしてきたとなると、次年度以降もこれに税金を使いたいというPRなわけで、アウト・オヴ・ヒューモアのステージに入りました。

 世界の屋内偵察用ロボット・デザイナーは、この分野のベンチマークである「PacBot」を凌ぐ長所をどう出すのかに心肝を砕いている。
 PacBot は、兵士ひとりが背中に担ぎ、窓から投げ込まれ、強い落下衝撃に耐え、いかなる着地姿勢からも起き上がり、特許を取ってある2+2本の履帯システムを駆使して、リモコンで階段も苦も無く昇降し、浅い水中も進み、動画を電送してくる。有線にすれば、トンネル内探索もしてくれる。かなりな汎用性があり、現在では対IED装備をいろいろととりつけて、米兵の死傷の危険を減らしてくれている。
 このベストセラー偵察ロボットを凌ぐ長所を、別コンセプトで追求するのは、申す迄もなく、容易なことではない。
 イスラエルのあるメーカーは、蛇型ロボットとして、狭い地下空間の探索に特化させた(もともと日本の大学で先鞭をつけたコンセプト)。また米国のあるベンチャーは、小型ロボットにジャンプ力を付加して、高さ数mのフェンスを飛越させようと模索中だ。また各国の複数のメーカーと(日本のも含む)大学研究室では、いっそ、屋内探索用には超軽量の機械羽虫を実現するのがよいとして、競作にいそしんでいるところである。

 技本の試作品は、「ボール状」を売り物としているように印象されるが、それは運搬中と投入時までのことであって、実際の偵察任務形態は「4×4」のタイヤによる自走式に異ならない。愚生疑うらくは、この2人の技官に支払っている数年分の給料をタミヤのRC部門に与えて、「ミニ四駆」よりも小さい耐衝撃ラジコン・カーを納入させた方が、おそらくはより行き届いたパフォーマンスをより廉価に得られるのではあるまいか。技本は、それをコンテインする金属製のクッション入り球形カプセルだけを設計したらよいのではないか。

 技本の試作ロボットが、「84mmカールグスタフから発射して道路上を猛スピードですっ転がりながらビル陰の敵情を瞬時に3D撮像してくれます」だとか、「直径5cmも切って、ビルの3階の窓ガラスに人力で投げつけられます」といった極限マシンにまで洗練されて登場すれば、それは世界を驚かすであろう。だが、マイクロ・マシンの設計・製造は、極小予算と最低設備しかあてがわれていないであろうこの2名の技官には、不可能だろう。

 役所が自家でクローズドに完結させちまわないで外注(公募)した方がよいことは沢山あるが、これは現時点で間違いなくその一つだと、記事を読んで痛切に思った。
 長嶋議員、お手元の見本誌をお確かめ下さい。ご奮闘を祈り上げます。

正誤表の「2」。

『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』の
○214頁の最終行
 豪雪や防風や塩害
  ↓
 豪雪や暴風や塩害

  ――以上です。

 次。
 APのHEIDI VOGT 記者が海兵隊に密着して決死的リポート。2010-3-20の「Taliban adjust, wage bomb attacks in Afghan town」という記事は……。
 Marjah は2月に米軍が占領する前は、南部アフガンで最大のタリバンのアジトだった。そこでは占領後もしぶとくIEDが仕掛けられ続けている。ある海兵隊中佐がひきいる大隊は、Marjahの最初の30日で120発のIEDに遭遇。
 敵の戦術が進化しつつある。
 たとえば、前に一回爆発したクレーターに仕掛ける。これなら疑われにくい。
 道のまんなかに decoy bombs が埋められていることもある。そしてホンモノは道の脇に埋めてあるのだ。

 そしてついにアフガンでもモコン式起爆がみられるようになった。水溝に爆弾を浮かべて上手から流し、米軍車両の近くにきたところで、携帯電話のようなもので爆発させたケースが1件ある。

 破片入りIEDと、スナイパー(単独)の連携もあった。

 同じ記者が19日には「Marine patrols still meet snipers in Afghan town」という記事を星条旗新聞に載っけている。この記事で興味深いのは、アフガン(政府軍)兵は、ターバンをつかって捕虜を後ろ手に縛るということ。

 さて、『ナショナルディフェンス』誌の2010-4月号には、Stew Magnuson 記者が「JIEDDO Chief Seeks Help as Roadside Bombs Plague Afghanistan 」という記事を載せている。

 JIEDDO というのは、Joint Improvised Explosive Device Defeat Organization の略だ。2006に設立され、フロリダのFORT LAUDERDALEに本拠がある。このたび、そこにあたらしく着任したボス、 Army Lt. Gen. Michael Oates が、アフガンのIEDを無力化する新発明を公募中だと。

 中将いわく。
 〈零細企業でもイイ! 個人でもイイ! 外国人でも構わん! どんな思い付きでもイイ! 新案技術でなくとも、何かうまい回避戦術のようなものでもイイ! キミのアイディアを JIEDDO web portal まで送ってくれ! 郵便でも電話でもイイ! 提案の書式/フォーマットなどは気にしないでくれ!〉

 兵頭おもえらく、これからアフガニスタンは急速にまた対人地雷が撒かれる戦場となって行くだろう。つまりカンボジア化ですよ。
 いまこそ奇麗事ではない日本人の「国際貢献」潜在力を誇示するチャンスだろう。

 その志ある者は、JIEDDOのOATES中将殿宛て、今すぐアイディアを送れ!

『「グリーン・ミリテク」が日本を生返らせる!』全国書店で発売中。

 サンデータイムズに Tom Coghlan 記者が2010-3-18に載っけている「Tehran accused of arming Taleban with weapons and explosives」という記事。
 イラン政府がタリバンにプラスチック爆弾、手榴弾、技術文書を援助している。
 過去1年間で10トン以上のそうした広義の兵器類がイラン=アフガン国境で押収された。うち1.5トンは過去1週間の話だ。
 アフガン政府の分析によれば、それら禁制品の6割は、イランの闇市場で入手されたのではない。まさにイラン政府から供給されている。
 米中央軍のPetraeus将軍も、米連邦上院外交委員会に対し、イランがアルカイダのため作戦基地も提供していると警告。
 2007にアフガン派遣NATO軍 Dan McNeill 司令官は、イラン領内からアフガンの Farah province へ持ち込まれた路肩爆弾を英特殊部隊が押収したと公表。これはトラックのコンヴォイで搬出されているので、イラン軍やQuds(イラン親衛隊)が承知していないわけがないのだよ、と。

 次。
 こんどはアワビが人々の生活を救うらしいぞ(笑)!
 深海で3年育った頑丈な巻貝の構造を防弾ヘルメットや極地のパイプラインに適用できるんじゃないかという話がちょっと前に紹介されていたが、こんどは鮑貝。
 ポピュラーサイエンスに Jeremy Hsu 記者が2010-3-18に載っけている「Lightweight Ceramic Coatings Based on Abalone Shells Could Form Tough Armor for Airplanes」という記事。

 ヘルシンキ大学が、アワビの真珠層(nacre)を人造することに遂に成功した。このコーティングは、物体表面を粉砕させぬ力が強く、しかも耐熱である。
 ヘルシンキ大学は、この人造物質を、ペンキのようにして、ただ物に塗れば可いというだけにしてくれやがったのだ。
 するとたちどころに、ナノサイズの「皿」が積層している構造が、物体表面を覆う。

 ただしこの素材は応力構造材とはならない。つまりモノコックボディや桁を代置できるものではない。

 以下、兵頭余談。防水でしかも耐火力のある耐粉砕・耐剥離被覆なら、屋根瓦やブロック塀の表面に塗ると好さそうだ。
 それは何を意味するか? 原野に土地を買って、誰でも、レゴブロックのように、じぶんの家を、ぜんぶで50万円もせずに建てることができるようになるに違いない。
 いまでもクソ田舎に行けば、塀用のコンクリートブロックで以って、車庫とか、稀には平屋住宅を1軒造ってしまっているケースにお目にかかる。(じつは長野の死んだ親父もその手で車庫兼倉庫をまるまる1棟、手作りしてました。)

 塀用ブロックなどは耐候性にはかなり疑問があったものだが、こんなすごい被覆材をスプレーできるようになれば、石が玉に変ずる。建材革命に違いない。
 ホームセンターで軽トラを借り、ブロックを一山買って来て、現地に運び、そこでじぶん一人でミニ山小屋、もしくは一人用カプセルホテル、または大型の犬小屋のようなものを組み上げれば可くなる。
 2階建てはさすがに難しかろうが(土管を巧みに組み合せれば集合カプセルホテルなら可能か)、一戸建て住宅なら楽勝だ。
 屋根をトタン葺きにすれば地震で圧死する虞れも無い。真珠コーティングで熱反射率が高まるから九州の夏でもそんなに暑くあるまい。もはやコジキ生活も怖くないってことだ。全日本人への朗報だ。

 さらに考えてみた。このスーパー耐久塗料は、内装(内壁)にも使えるはずである。とすると、その全面を「液晶」化もできるはずである。そうなったらどうなるか?
 部屋の壁と天井が、すべて「モニター画面」になるのだ。究極のバーチャル環境だ。
 たとえば片方の壁には図書館の「開架」が映し出されている。そこから書籍の背表紙をバーチャルに引っ張りだすと、キンドルが展開。

 この環境下でフライトゲームをすれば、おそろしいことになろう。

 次。
 Chris Dade 記者の「March of SS veterans face protest in Latvia」という記事。2010-3-16にリガ市で、ラトヴィアの元ヴァッフェンSS部隊×2に所属していた老人たちと、そのサポーターたちが誇らしげに行進した。
 1994から「ラトビアの日」が祝われている。それは1944にソ連軍の同国侵攻を防いだ日なのだという。
 もちろんモスクワは大不快。
 2200万のラトビア人口の3割がロシア系である。

 次。
 AFPの SHAUN TANDON 記者が2010-3-17に星条旗新聞に載せている「U.S. Says Okinawa Base Needed To Defend Japan」という記事。
 シーファーが米議会に対し、〈在沖の海兵隊は、ハイチとインドの間で、米軍がすばやく展開できる地上兵力なのである〉と訴えたと。

 兵頭いわく。沖縄基地問題の本質がいちばんよくわかっているのは、防衛施設庁でも外務省でもなく、大蔵省だろう。というのは、かれらは「基地地主」たちが毎年いかほど日本政府から受領し、それを元手にどんな商売をしているかも、税務署を通じて把握しているからだ。

 本州の米軍基地と違って、沖縄の米軍基地は、地主の合意なしに米軍によって強制占拠された。それが沖縄返還後も基地として供用されることになったので、日本政府としては、本州の米軍基地ではありえない破格の「地代」を、地主に対して毎年支払い続ける責任を負っているのである。

 だいたいどのくらいの額かというと、地主1人につき、1年に300万とか500万。1つの在沖米軍基地ごとに、多数存在するこの地主たちは、まったく何の労働もせずに、米軍関連施設(それは滑走路や兵舎とは限らない)がそこにあり続ける限り、毎年毎年、未来永劫、子々孫々、数百万円という額を、キチンと政府から振り込んでもらえるのだ。
 まあ、沖縄県の所得水準と物価水準を、かんがえてみてくださいよ。

 その金を産む土地をある日、そっくり米軍が返してくれたとして、そこにサトウキビなんかを植えつけてみたところで、次の年、300万円の純益が保証されぬことは間違いない。台風銀座での農業には、それなりの苦労がつきものだ。
 よほど良好な特別な立地で、宅地やホテル用地として転売できるほどならば、それによって、億単位の一時金が得られるかもしれない。が、さっそく所得税対策に頭が痛くなるだろう。それを元手に新事業? 失敗したらどうする? 何が哀しくて、そんな不安定生活や心労生活に、いまさら突入する必要があろうか。

 この沖縄の「基地地主」たちこそ、21世紀の「両班」階級なのである。平安時代の任地に下向しない門閥貴族の○○守たちである。あまりにもうしろめたいので、口では彼らは「米兵の犯罪がこわい。騒音が困る。〔よって米軍基地には反対かも…〕」と匂わすかもしれない。しかしそれが本心と独立であることを、大蔵省は承知しているのだ。それどころか、米軍基地を永久に現状のように存続させてくれそうな政治家たちを、彼らが心底応援していることだって、大蔵省は知っているだろう。沖縄県内で移転のために新たに手当てされる米軍用地は、敵軍による強制占領ではないので、新たな「基地地主」は生まず、旧基地の返還にともなう古い「基地地主」の「株」を抹消することになる。

日浦さま

 版元から直送してもらった『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』が、「部屋番号不明」とかで、もどって来ちゃったそうであります。
 部屋番号と、できればお電話番号も、小生までお知らせください。
 よろしくどうぞ。

 他にも「引越し先不明」で新刊の献本がもどってきちゃった方が複数おられます。が、このケースにつきましては詮索をしないことにいたします。この場を借りてこのごろのご無沙汰をお詫び申し上げるのみです。どうぞお元気で!

薩摩硫黄島の意味。

 『大日本国防史』の地の文の執筆が、ようやく「鹿ヶ谷」まで来ただよ。小松さん、元寇のマンガ部分は終わりましたか? 今回は締め切り猶予はありませんよ!

 それで「きかいがしま」を調べていたら、またしても今までの史家の盲点を発見しただよ。
 この火口から船着場までは、数kmしかないだよ。ということは、九州にやってくる宋の商船にとって、「鬼界ヶ島」の硫黄こそが、最も低コストで輸入のできる硫黄鉱石だったわけでござんすよ。

 だから貿易と海防の両面戦略で厳島や兵庫港も整備し、福原に遷都まで考えていたほどの清盛としたら、この「きかいがしま」を、忘れられた過疎島として放置していたはずなんか絶対にないんですよ。

 かならずや、交易船とシナ海軍の監視のための信用できる「手下」を常駐させていたはずなんすよ。標高700mから大隅海峡を監視できる絶好の望楼ですよ。鉱山業者ももちろん働いていたはず。
 だから、安心のできる流刑地ともできたんですよ。

 ……ここから先は、『大日本国防史』ができたときのお楽しみに。

 ちなみに俊寛が1年で釈放されなかったのもとうぜんの話で、彼は法勝寺の数百人のゴロツキの頂点に君臨する暴力団組長みたいなもんだったのですぜ。経済ヤクザのドン。しかも36歳だ。他の2人は、戻ってきても動かせる「組織」の無い小者級だったから赦免したまでです。(小生は吉川英治の『新平家物語』をあざやかに記憶していますが、あれほどありえない俊寛像はない。平曲の「足摺の事」を書いたのは、彼の永久追放を快しとする、敵対寺院の坊さんでしょう。)

 さて、ミリタリーテクノロジーの「Bigger, Badder IEDs in Afghanistan」という記事。記者の署名がみあたらん。
 イラクでは、IEDは個人行動として仕掛けられているという。家のドアから、ふっと出てきて、道路脇にリモコン爆弾を置いて行く。
 イラクでは、the explosively formed penetrator (EFP) shaped charge device が多用されているという。※本当ですかね。

 かたやアフガンでは、すべてが組織的行動。軍隊式の命令に従ってIEDが埋められているのだ。埋める者もプロのゲリラ。だが無線は使わないで踏み板で起爆する。
  しかもこのごろはアフガン独特のIEDとして塩素酸カリ製が登場。
 アフガンのIEDは金属ケースを用いないので探知が至難。とうとう米軍は、対地雷ローラーを使うようになった。

 次。
 チャイナディフェンスブログに2010-3-15に転載された、Kang Juan記者の「China gains Sea of Japan trade access」という記事。初出は 『globaltimes』で3-10らしい。

 北鮮は、日本海側の羅津港の「第一埠頭」を、シナに10年間リースすることにした。
 この港は豆満江の河口からは15km離れている。※手持ちの地図ではとてもそのようには見えないんだが……。
 シナ船は豆満江を通って日本海に抜けられるのだが、これまでは北鮮政府が阻止してきた。
 羅津は、冬も氷らない。4万トンの貨物船まで進入できる。

 琿春市(満州の朝鮮人自治区)から物産を大連経由で対日輸出するのには3~4日もかかってしまう。しかし豆満江~羅津(そこは琿春から48kmであるという)を使えば、新潟港まで10時間しかかからないのだ。

 シナ国境から羅津までの道路は延長50kmで、状態は悪い。このため羅津の能力がフルに活用されてこなかった。
 ちなみにロシアは過去50年間、羅津を原油輸出港として利用してきた。

 これとは別に、鴨緑江をまたいでシナの丹東と新義州を結ぶあたらしい鉄橋の建設も10月から始まる。
 いま架かっている鉄橋は1937完成で、あれはてている。

 ※新潟市がブームタウンになる日も近い?

 次。
 記者不明の「Murphy's Law なんたら」という2010-3-16の記事。
 軍拡説得の最良の武器は FUD (Fear, Uncertainty and Doubt)だ(笑)。

 シナの軍艦があまり外洋に出てこないのは故障が多すぎるからだ。
 潜航中にディーゼルエンジンを回し続けて乗員が窒息したこともあった。
 金持ちのシナ人は2割。すなわち3億人。のこりは皆、不満を持っている。
 1941の日本と今のシナが違うことは、核兵器をもっていることだ。

 末筆ながら 都築有さま。ブログで拙著をご紹介くださり、どうも有り難うございます。

クケケケケケケ……。ワンカップ&ワンパック・フリッパー。

 英文ウィキを見たらあのフリッパーの声は鳥の声を加工したものだったらしい。牡イルカは喧嘩で体表が傷だらけなので、TVでは牝イルカ複数頭を使った。ただしテイルウォークは牡イルカしかできなかったという。余談です。まるっきり。

 デンジャールームにNathan Hodge記者が2010-3-12に載せている記事「Stopping Afghanistan’s Fertilizer Bomb Factories」。
 マクリスタルがカルザイに対して硝酸アンモニウム農薬を禁止するよう働きかけている、だと。ソースは Lt. Gen. Michael Oates, Director of the Joint IED Defeat Organization だそうだ。
 しかし、隠匿硝安の摘発を続ければ、敵はIEDの材料を塩素酸カリウム(マッチの材料でもある)の肥料に切り替えるだろうともいう。
 こうした物質は金属を含有していないので簡便な探知機ではとらえられぬ。それらの成分探知を容易化することがIED予防の肝になるだろう、と。

 ちなみに……
 ハートロッカーとかいう映画に関係して2010-3-8にはNathan Hodge記者が「The Real-Life Baghdad Bomb Squad, Revisited」という記事を載せていた。それによると、イラクでは 6発の155ミリ砲弾、1発の500ポンド航空爆弾、爆薬を詰めた古タイヤ、それからプロパンガスのボンベ×2 を、まとめて埋設してあったIEDもあったんだと。
 旧イラク軍はソ連系の152ミリじゃなかったかなあ……。

 次。
 ハイチで米兵のマラリア感染が止まらない。星条旗新聞にSeth Robson記者が3-14に載せている「Troops with malaria could face punishment for disobeying orders」という記事。
 ドキシサイクリンという抗生物質を毎日飲まねばならず、しかも、上半分が防蚊網になっている棺桶状の蚊帳寝袋で寝なければならない。
 このきまりを守れないので2人の海兵隊員と10人の陸軍兵士がマラリアになっちまった。

 イラクやアフガンはマラリアの巣窟でなくてよかったですなぁ。

 次。
 NYTのネットだけオピニオン欄、DAVID BROOKS & DICK CAVETT記者の2010-3-12「Is the U.S. Following in Rome’s Footsteps?」という記事の中で、23歳の青年がF-22の整備の仕事にありついて、その時給は25ドルらしい、と書いてある。
 どうも整備を外注しているらしい。

 次。
 ロイターの3-12記事。「US natural gas rig count up for 11th straight week」。
 米国の天然ガスの採掘リグが増え、ガスの値段が底に達している。
 天然ガスの値段のピークだった2008-7とくらべると、今は6分の1以下。

 ……そしてこの先どうなっていくのかに興味のある方は、大きな書店で『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』をご購読ください。お金のない人は最寄の図書館の「図書リクエスト・カード」に記入しよう!

装甲8×8の新「NBC偵察車」がカッコよすぎる件について

 今日配達された『朝雲』新聞#2904 の1面写真には唸らされた。
 このスタイルをもとに、逆に、J-MRAP/耐地雷・耐伏撃パトロール車を、こしらえられるではないかと思った。

 ちなみにこれって浮航性ですか?

 同紙の別の記事によると新明和工業は「US-2」を政府の了解の下に海外で売り込み活動している最中らしいのだが、この「NBC偵察車」も「特殊救急車」とか命名して、輸出をしたらどうでしょう。

 次。
 ボーイングの「ファントム・アイ」とやらについて、おなじみの Amy Butler 記者などが一斉に記事に書いている。
 高度2万m以上を、連続無着陸で4日間飛ぶ、すごい偵察機をかんがえている。
 液体水素燃料を、フォードのピックアップトラック用エンジン×2に送り込む。ノッキングやバックファイア問題も解決した。※これは「燃料電池」ではないので、要注意。
 先行する無人機、グロホやプレデターとは市場競合しない。
 スピードはその両者の中間。
 重量軽減のため離陸は台車による。着陸は首車輪およびソリによる。まだ実験機なので、サイズは小さめ。
 機体は複合素材。極低温燃料槽だけアルミ合金。
 2011-1に初飛行予定だとか。

 次。
 Nathan Hodge記者の2010-3-11記事「Let Troops Get Their Drink On, Senator Says」。
 米兵は、イラクとアフガンでは、酒、賭け、ポルノ所持の3つが禁止だ。
 西欧同盟軍はビールとワインが許されているのだが。
 Petraeus将軍は ストレス発散手段として ランニングを選好するような人物だ。アルコール解禁はありえない。
 だがそんな米軍も例外的にビールが許可されている特別日があった。それが、スーパーボウルの日。※この日の前後はテロ警戒がたいへんだったでしょうな。

 で、酒絡みのちょっと古い記事。John M. Glionna記者による2010-1-26LAタイムズ「Trying to tame Tokyo's adult playground」。
 六本木はいまや米国人にとっては危なすぎるぞ、という、滞日米国人に対する警告。ナイジェリア出身者の「bar touts【しつこい客引き】」には、ついて行くな。
 酒に眠り薬が入っていて、翌朝、カードの残金がない状態で放置される。
 すでに米大使館は、4万人いる在日米国市民に対して警告済み。
 2004には、ヘロイン入りのコカイン吸引で、外国人ビジネスマン×4人死亡。ヤクは六本木で売られたものだった。


 なお、本州の地方中核都市の大書店では、今夕あたりに、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』が並んでいるだろうと思われます。どうぞご覧ください。

都内の人は 本日 夕方に 書店を覘こう! 新刊の 発売日ですから。

 また感想を聞かせてくれぃ。

 次。
 地味なニュースです。
 Low Ee Mien 氏が2010-3-9にアップしている記事「China crude oil imports exceed 50% of total consumption, hits energy security alert level」。

 2009のシナの石油消費に占める海外依存率は52%だった。ふつうこの数値が50%を超えればそれは一国のエネルギー安保上の危機だと認定される。

 シナは2009に 「204 million tons」=「1495 million barrels」を輸入した。 国内での石油生産は、「190 million tons」=「1393 million barrels」であった。

 予測では、2010には輸入依存率が54%になるだろう。
 2020にはそれが64.5%になるだろう。

 ……というのですが、2020にはシナの国内油田は枯渇して全滅でしょうね。つまり依存率90%になりかねない。大慶などは「水攻法」でまだ掘り出し続けているみたいですが、回収されるのはほとんどが水で、そこに油がちょこっと混ざっている、という状況のようです。大陸棚をやたらに掘ってみたくなるはずだ。イランからパイプラインを引きたくなるはずだ。

 もうシナが他の先進国と直接の戦争ができなくなったのは明らかです。日本のネット右翼論壇は、トラック2周分は遅れているでしょう。

 悩める北京政府高官におススメしたい。本日発売の『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』を一読しなさい。正しい方向がハッキリするでしょう。

正誤表

 版元のメトロポリタン・プレスさんから直接郵送をお願いしてある先には今日・明日に『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』が届けられるかと思います。

 ミスプリや誤記が現在6箇所みつかっております。(毎度恐縮です。)

○48ページ 8~9行目
航行のためにはJP-5を必要としませんが、空母搭載機がF-76を
  ↓
航行のためにはF-76を必要としませんが、空母搭載機がJP-5を


○56ページ キャプション
選んだ写真とわたしが考えたキャプションの内容が一致していませんでした。申し訳ありません。このキャプションを全部、以下の文で差し替えます。
「自動車メーカー各社は、あらゆる代替エネルギー利用の可能性を模索している。写真の試作モデルは1999年に燃料電池ユニットを搭載していた。」


○66ページ キャプション
バイオ・エタノールの原料としてを収穫できそうな養殖海藻として
  ↓
バイオ・エタノールの原料として収穫ができそうな養殖海藻として


○84ページ 10行目
内陸奥地に分散された「人民公社」で長期抗戦すれば
  ↓
内陸奥地に分散された『人民公社』で長期抗戦すれば


○152ページ 下の写真のキャプション
選んだ写真とわたしが考えたキャプションが一致していませんでした。申し訳ありません。キャプションの最初の一文以外は抹消します。すなわち、二番目の「米国軍需企業は~」以降、「~尽くされている。」までを、トル。


○180ページ 4行目
高高度長距離偵察用に特性エンジン
  ↓
高高度長距離偵察用に特製エンジン


 以上です。お詫びして訂正いたします。

 これ以外にもお気づきの点がございましたら、随時、お知らせください。
 小生のこのブログおよびメトロポリタンプレス社のHP上で逐次にご報告申し上げます。
 重版時にはすべての誤記を修正できますことを期し度き所存であります。


 ところでRichard Whittle記者が2010-3-5付で載せている「Spec Ops Needs Faster Helos」という記事によれば、MH-6、 MH-60 Black Hawk 、 MH-47 CはNight Stalkersという夜間ミッションをこなしているところだが、V-22 オスプレイはこれには使えぬという。理由は、オスプレイには、従来型のヘリのようなホバリングがうまくできないという欠点があるため、アフガンの前線基地に帰ってくる最後の着陸の段階で、マズいことになるのだという。標高1200m(4000フィート)以上ではもう苦しいのだそうだ。

 ――てことは山岳救助用にはV-22はほとんど使えないのか……?

前田日明氏のこと

 自民党の憲法改正推進本部が、改正草案の「国民の義務」の項目に関して「民主主義国家における兵役義務の意味や軍隊と国民との関係について、さらに詰めた検討を行う必要がある」と公表した――と共同が昨日報じていますが、そのような舌足らずな公表を自民党が本当にしたのならば、相変わらずアタマの悪い組織だと評するしかありません。

 民主主義国家の国民には「国防の義務」がある――とまずメタレベルでの定義の確認から作業を始めないから、共同ごときに足をすくわれるのです。
 なにゆえかその大上段の確認・定義をしないで、すぐに兵役はどうするなどという枝葉末節に言及して行く。それでは「1946マック偽KEMPOH」の最大の問題点を自民党幹部は把握していないと白状しているに等しい。民主主義がそもそも分かっていないと疑うことが可です。「自由も民主主義も分かっていない党」と改名なさるのがふさわしいだろう。

 この報道に続いて、前田日明氏が民主党の夏の参院選の1次候補リストに入らなかった、という2010-3-4付の別な報道を聞知しました。わたしは、あの前田さんは、自民党や民主党よりも民主主義が分かっているのだなと直感をしました。

 前田さんは在日だったんですが、日本国籍を取得しています。
 その上で零戦のファンだっていうんですから、わたしは好感しているのです。
 韓国人が日本国籍を取得するということは、日本国家のための国防の義務を負いますということなのです。国防の義務を果たしましょうという成人であって、はじめて参政権は行使できる。あたりまえの話じゃないですか。これは古代アテネいらいの民主主義の基本原則なのです。

 サラミス海戦以前、民主制アテネで参政権を行使できたのは、装備を自弁し戦場で敵と闘う義務を負っていた有産階級の成人男子だけでした。外国人や、重装歩兵につきしたがう奴隷たちには、参政権は与えられなかったかわりに、戦闘の義務もなかったのです。(ちょうど江戸時代の日本の町民に従軍義務がなく、したがって武士たる藩士が戦争しているのを弁当をパクつきながら遠くから見物していればよかったのと類似です。)

 ところがサラミス海戦でペルシャ海軍を撃攘するのに、無産階級市民の水兵たちが決定的な貢献を果たしてくれました。それで、以後はアテネでは、貧乏な男子にも参政権が与えられたのです。もちろん、外国人居留者にはアテネを防衛するために死ぬ義務などはなく、よって、志願兵としてアテネ軍に加わって大活躍するなどせぬかぎりは、ひきつづき参政権も与えられませんでした。

 日本で男子普選が実施されたのは日露戦争の後です。それ以前は、一定以上の納税をしないと、選挙権はありませんでした。しかし日露戦争では、わずかな税金しか払っていない男子も、国防に決定的に貢献してくれた。それが内外に劇的に証明されましたので、いまや無産階級男子にも参政権が与えらるのは当然だと、山縣有朋すら説得されてしまったのです。

 余談ながらスイスではなんと1960年代まで、女子に参政権があるとは憲法にひとことも明示されていませんでした。同じ「国民皆兵」を謳ってもスイス国民はスウェーデン国民と違って、女には国防の義務は課さないのだという男子の気概があったこととそれは表裏をなしていました。(さらに余談ですがアルプス地方からの移民であるシュワルツェネガー加州知事は、このスイス人式の発想を鞏固に保持しています。パブリックにはオープンにしないだけです。)

 民主主義国家ならば国民には国防の義務がある。それは国防の義務を負わない外国籍住民には参政権は与えてはならないという原則と一体です。
 民主主義国家ならば国民には国防の義務がある。それは有事の国家総動員規定や徴発規定以前に、平時に自国を敵国に売ったら罰するという「国家叛逆罪」の法律表現を導き出さねばなりません。

 1946マック偽KEMPOHは、この国民の国防の義務を明確に否定し、したがって代議士を含む公務員にあっけらかんと「国家叛逆」を許してしまうという点で、到底、民主主義国家の憲法の体裁を、成していないのです。
 こんな偽憲法を奉戴している限り、日本はいつまでも、他国から、民主主義国なのだとは、みなしてもらえないでしょう。

 しかし自民党も民主党も、この常識を常識とはしていない構成員が過半であるようにお見受けいたしますから、党名から「民主」という文字は除くべきであります。

 在日韓国人1世の多くはWWII直後に大韓民国の兵役を逃れるために日本に密入国してきた「非国民」です。終戦後しばらく、日本の海保(の前身組織)が、GHQから火器武装を禁止されていたために、半島からの漁船等による大量の密入国者を、水際で阻止しようがありませんでした。大韓民国が民主主義国家であるならば、彼らには大韓民国のための「国防の義務」が当然にあります。それを彼らは果たさずに、「外国人徴兵」のありえない唯一の外国であった日本国内に潜伏したのです。そして、日本国籍を取ればやがて日本政府から徴兵されるおそれもあろうと考えて、ずっと韓国籍のままで過ごしてきたのです。ダブルの非国民なのだと呼んでも彼らは反論できますまい。

 しかも大韓民国は竹島を占領する不法行為を堂々と日本国に対して続けています。その大韓民国に対して原則として国防の義務を負う筈の在日韓国人は、日本政府からは、好ましからざる外国人と定義されねばなりません。好ましからざる外国人に参政権などを付与することは、〔普通の国ならば〕国家叛逆を構成します。

 他方、在日朝鮮人は、平壌政府からの指令により、日本国籍を取得しようとしませんし、日本人と同じ参政権をよこせという要求もしていません。これは、北朝鮮に対する国防の義務を、日本に居ても負い続けていることを、彼らが自覚しているからです。それを「立派な態度」と褒める日本人もいますが、とんでもないことです。彼らは有事のさいには北朝鮮のために日本国内で破壊工作活動に挺進しますと誓っていると疑えるのです。すなわち在日韓国人以上に、在日朝鮮人は、日本国政府にとって好ましからざる外国人でしょう。すぐに国外に退去するよう促すのが民主主義国家として当然の措置であり、それを怠る公務員は、〔普通の国ならば〕国家叛逆罪を構成します。

 いずれも好ましからざる外国人である在日韓国人や在日朝鮮人に対する過剰な優待政策を日本の公務員(内閣閣僚も含む)が続けられるのは、1946マック偽KEMPOHのおかげに他なりません。
 この偽憲法の無効宣言を衆参両院の出席過半数で決議すれば、日本には憲法典として「五箇条の御誓文」だけが残ることになります。(なぜなら1946-1-1に昭和天皇が五箇条の御誓文の全文をご確認あそばされ、御誓文以後に導入された明治憲法および教育勅語がすでに無効であること、さらに近未来に押し付けられること必至であったマック偽KEMPOHも国際法違反につき無効であることを、秘めたる宣旨として遺言されているからです。)

 そのとき初めて日本は名実ともに民主主義国家となり、国家叛逆罪が明文で規定され、日本国に対して国防の義務を誓わない在日半島人はすべて好ましからざる外国人として国外へ追放されるでしょう。

廣宮さま、新刊頂戴しました。有り難う存じます。

 『さらば、デフレ不況』という新著(三橋氏とのご共著らしい)を本日拝領いたしました。御礼申し上げます。

 まだ目次だけのナナメ読みですが、廣宮さんの前著『国債を刷れ!』を既読の人には、目新しい衝撃的な内容ではなさようですね。

 この時期にせっかくこの主張をあらためて反復されるというのであれば、おふたかたには是非、池田信夫氏の主張が間違っているという反駁を当方のようなトーシローの前に明示してみせて欲しかったと思うのですけども、それがどこかにあるのかないのか即座にわかりませんのが、いささか遺憾であります。大衆は水掛け論合戦にどこまでも付き合う集中力をもっていないと思います。

 もうひとつ目に付いてしまった大不満。これは是非、一言せねばならない。「太陽光発電、風力発電、地熱発電等の普及促進」(p.179)などをやれば、それが将来の生産性や供給能力を高める投資になる――といった、なんとも中小企業的なスケールの小さい〈成長戦略〉を語るのは、もうナシにして欲しいと思いますねえ。オバマ大統領は、そんな中途半端な話をしてるんじゃありませんよ。

 では何が大国日本の根っからの成長戦略になるのか……という話は、不肖この兵頭が『「自衛隊」無人化計画』や『もはやSFではない無人機とロボット兵器』で既に述べています。また、代替エネルギーの何に目があって何に目がないかについても3月11日発売の拙著『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』でしつこく解説しますのでそれをご参照ください。いや、ご両所はご多忙なのでとてもそんなもの読んでられないというのは分かります。それこそまさに、現役の政治家が自著を読むだろうといかなる著者も期待してはならない理由なのですよ。

 これはもちろん自戒ですが、いそがしい現代人はとても万能人たり得ないので、おのれの無知な分野についてよくよく敏感でなければなりますまい。あの池田信夫氏だってときおりブログのなかで、ミリタリー研究家にはガックリくるような浅薄な戦史研究の本なんかを引いて得々としていらっしゃいますよね。それでは逆に権威が下がっちまうと指摘する経済学ファンが、まわりにはいないということでしょう。結句、じぶんで気付くしかないのです。著作はどんな人が読むかわかりません。どんなしょうもない読者も一分野に関しては著者以上の専門家のはずなのです。となると、類似のマネをじぶんで他の分野に関してやらかしていないかどうか、でき得るかぎり気を配るしかない。それがきっと、広い世間への文章の訴求力を増やすことにつながるのでしょう。そしてひとたび、著作で世論に影響を与えられるぐらいに「出世」を遂げれば、それすなわち「政治的資本」となって、一著述家の身分で政党や国会を動かしてやれるのかもしれない。精進するのみです。

◎読書余論 2010-3-25配信分の内容予告

▼原口氏雄『星と兵隊』S18-9
 太陽は今後、小さくなり、かつ、温度は低くなる一方である。

▼太平洋協会ed.『太平洋の海洋と陸水』S18-12
 なぜ江戸時代、漂流が多かったかを説明。

▼R・P・ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん』岩波現代文庫、上・下、2000、原1985
 ファインマンはマンハッタン計画の末席に連なっていた。この天才にして、末席だったのだ。日本が米国に負けたのは要するに日本全体の動員頭脳が平均して米国側よりも悪すぎたからであるとシンプルに呑みこめる本。

▼小山内宏『ここまできた日本の核武装』1975
 これが、東大の固体ロケットのミュー・シリーズがICBMになる、と最初に指摘した文献か。

▼『国産ロケットH-II 宇宙への挑戦』

▼SIPRI編『French Nuclear Tests in the Atomosphere』1974
 これは国会図書館の蔵書であったか? 未読の人は、今でも読む価値大。

▼R.S.Norris他著『Nuclear Weapons Databook vol.V British, French, and Chinese Nuclear Weapons』ウェブスタープレス1994

▼J・A・フィリップス・他著『ホームメイド原爆――原爆を設計した学生の手記』1980

▼ジョン・マックフィー『原爆は誰でも作れる』S50

▼ベルトラン・ゴールドシュミット『核開発をめぐる国際競争』毎日新聞社1970

▼吉羽和夫『原子力問題の歴史』

▼核戦争防止国際医師会議『プルトニウム』1993

▼W・オーバーホルトed.『アジアの核武装』サイマル出版会1983

▼青木日出雄『よくわかる核兵器の本』S59

▼『プルトニウム燃料産業』

▼田畑正美『非の論理――核の選択と未来戦略』日本工業新聞社S53

▼猿渡良一『改訂 パイプラインハンドブック』S53

▼三好徹『史伝 伊藤博文 下』1995
 伊藤を斃したのはカービン銃であり、安のピストルではない。

▼深作安文『倫理と国民道徳』大5

▼野口昂[たかし]『爆撃』S16-12
 B-24なら、グァムから東京まで往復できる、と開戦前から知られていた。※だったら開戦前からマリアナを要塞化しとけよ、という話。

▼仲摩照久『万有科学大系 続篇第十三巻』初大14、S6repr.
 当時各国最新の珍種軍用機の紹介が面白し。

▼佐原六郎『世界の古塔』S47

▼渡辺義雄『日本の塔――信仰とその象徴』毎日新聞社S57

▼川添登『日本の塔』S39

▼村田治郎『支那の佛塔』冨山房S15

▼川上哲治『常勝の発想――宮本武蔵「五輪書」を読む』S59
 ※約束だな、星。二軍へ行け。

▼大松博文『なせば成る!』S39-12
 ※いまやなさんとしても成し得ないのが高身長系競技の日の丸勝利だろう。

▼オ・ア・チェルニコワ著、樹下節tr.『スポーツマンの心理学』S35

▼中谷重治『体育運動の起源と発達』S4-12

▼高見沢忠雄『オリンピツク競技の組織的研究(トラツク篇)』大13-10

▼荒木直範『体育ダンスと社交ダンス』大12

▼エム・イリイン著、矢島順吉tr.『山と人間』S18-4

▼堀川豊水『雪と文化』S17-2

▼利倉幸一&坂東蓑助『舞踏芸話』S12-2
 長唄の囃子でも、「トツタン」の間という。もちろんオリジナルは能楽。この用語について調べないと『五輪書』が理解できない。

▼カール・ディーム編『オリンピックの回顧』1976、初訳1962、原1936
 クーベルタンの略伝。勝ち負けはどうでもよく、競技することがだいじだというのが彼の信念。

▼古廣紀代子『わたし流、プレッシャー物語』1988
 高3後半から実業団までがつながっていないと、女子選手に脂肪がついてしまって、世界の第一線から脱落する。※実業団が運営する「スポーツ高校」を創ればいいジャマイカ。卒業と同時に入団、あるいは半永久留年。

▼斉藤正躬『オリンピック』1964

▼ダフ・ハート・デイヴィス著、岸本完司tr.『ヒトラーへの聖火』1988、原1986

▼V・シムソン&A・ジェニングス著、広瀬隆tr.『黒い輪』1992

▼鈴木良徳『続・オリンピック外史』1982
 ※オリンピック関係の本を網羅的に読めば、この世界の秘密らしいことはドーピングも含めてぜんぶ既知にすぎなかったことを痛感するだろう。知らぬのは、4年に1回熱狂して、あとは忘れてしまう庶民だけなのだ。あらゆる醜聞は報道側にとってはとっくに織り込み済みである。たとえば国際フィギュアスケート業界の課題は、いかにして世界の消費市場を拡大するか、に尽きる。そのためには、日本人の次に韓国人に金メダルをとらせるのは予定されている。とうぶんアジア人へのメダル・サービスが続くはずで、次はおそらくシナ人だろう。

▼ヤルウリス&シミチェク著『古代オリンピック』1977

▼出口林次郎『世界体育史』S2-6

▼名倉弓雄『江戸の骨つぎ』S49
 撃剣興行について。

▼石原忍『日本人の眼』S17-5

▼桑木彧雄[いくお]『アインスタイン相対性原理講話』大10-7

▼堀江利和ed.『徴発必携』M16-7-20版
 徴発令の参考書。

▼服部保善『徴発事務通覧』M17-3

▼高平鳴海監修『世界格闘技 関節技事典』1998

▼夏目漱石『三四郎』春陽堂文庫S25、原M41-9-1~12-29朝日新聞
 当時の大学での陸上競技が描写されているので貴重なのだ。

▼太田黒敏男『銀行金融の知識』S13-2

▼ピエル・ブートゥルー著、河野伊三郎tr.『数学思想史』S18-2、原1920

▼小野満智子『新美人法』M41-2

▼松川弘太郎『関東兵衛 第一~第四』S9
 方言の話。

▼佐藤堅司『孫子の体系的研究』S38

▼東方文化学院京都研究所『東方学報』第四冊、S9
 「李【小里】法経」について。

▼プラトン『国家』藤沢令夫tr.(岩波プラトン全集11) 1976

▼紀田順一郎『「大漢和辞典」を読む』1986

▼佐々木克『戊辰戦争』中公新書1977

▼『日本の名著 西周 加藤弘之』1972
 琉球式の外交主義では人民は守れぬと西が説いている。

▼鹿野政直ed.『日本の名著37 陸 羯南 三宅雪嶺』S46
 軍艦の砲弾の単価と砲身命数についての証言あり。

▼『芳賀矢一選集 第六巻 国民性・国民文化編』国学院大学H1
 日ユ同祖論は誰が初出なのか。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は200円です。
 バックナンバーも1号分が200円で、1号分のみでも講読ができます。
 2008年6月25日号以前のバックナンバーのコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net
 の「告知板」をスクロールすれば、確認ができます。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。