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晦日だがそろそろ缶詰が届くかもしれぬと期待している事実について。

CHRISTOPHER P. CAVAS 記者の2010-4-28記事「 Fuel Factors Less Than Price For LCS」。
    米議会の予算局の最新の試算では、 Littoral Combat Ship (LCS) のトータル・ライフ・サイクル・コストに占める燃料費は、せいぜい11%にしかならぬと。
 当初の調達予算を通すときの海軍の説明は、それは64%にもなるから単艦価格が高くともペイするのだ、ということだったのに……。

 アラバマ選出上院議員(共和党)は、今2つあるLCS案のどっちを採用するかの基準は、トンあたりの燃費によって決めるべきだと主張中。その主張が、この数値によって弱められた。

 海軍当局は、この夏の二者択一に際しては、燃費ではなくて、ライフサイクルコストを主な判断基準にすると言い続けている。

 なぜアラバマ州か? じつは、アルミ船殻で三胴のLCSの1案は、アラバマ州モビルに本社がある Austal USA 社の試作品だからだ。ライバルは、Lockheed Martin LCS のウィスコンシン工場なのである。
 ※一見アラバマには海が無いように見えるが、アラバマ川河口のMobile市が立派な港。ウィスコンシン州も海とは接していないが、五大湖運河を通って巨船が大西洋へ抜けられる。

 もうひとりのアラバマ選出上院議員(共和党)も、ウチのフネの方が高速時の燃費が良いんだ、と叫んでいる。

 じつはまだロクに比較データは集っていない。ロッキード製の USS Freedom (LCS 1) は1年以上前から就役しているのだけれども、 Austal USA 製の1番艦となる USS Independence (LCS 2) は、ほんの1ヶ月前に造船所から出てきたばかりで、本格的なテストを行なえていないからだ。

 試算では、艦艇を3種類に分けた。低燃費艦、中燃費艦、高燃費艦。
 低燃費艦では生涯コストに占める燃費は8%、中燃費艦では11%、高燃費艦では18%である。

 その艦艇が作戦用として廃用されるまでのトータルコスト(燃費や修理費等を含める)に占める艦そのもののお値段の割合は、低燃費艦だと66%、中燃費艦だと64%、高燃費艦だと58%である。

 LCSは、将来の四半世紀、米海軍の1/5を占めるかもしれぬ艦種。

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 David A. Fulghum 記者の2010-4-29記事「Afghan War Demands Flexible Weaponry」。
  アフガンで活躍が期待される偵察用の5機種。

 まず、MC-12W Liberty は、すぐに出動してくれる ISR aircraftだ。Vader を搭載する。アフガン戦争以前には、夜、雲の上から敵の兵隊ひとりひとりの動きを監視できるレーダーは存在しなかった。※湾岸戦争のときからあるジョイントスターは、風に揺れる鉄条網にすら反応したらしいが、問題は識別能。ようやく最近、人間1人1人を電波で撮像し、トラッキングまでできるようになった。ちなみに20年以上前には自衛隊にも古い対人レーダーがあったが、それにはPPIやオシログラフすらついておらず、ヘッドセットで音の変化を聴いて、対岸の島や霧の海岸で人が動いているかどうかを判断するという、オホーツク監視所用のモノだった。通信隊員に対するマニュアル教育だけが惰性でなされており、現物にはお目にかかれなかった。

 E-8C Joint Stars は、イラクにおいて post-mission analyses を可能にしてくれた。データを遡って検討できるのだ。 GMTI(ground moving-target indicator)のrecordings を、IEDの炸裂時から逆ら遡れば、誰がいつ仕掛けたのかも、わかるという次第。

 EC-130H Compass Call electronic attack aircraft は、いま14機飛ばしているが、数が足りないので5年以内に4機増やす。
 海軍はEA-6Bが退役するので four squadrons of EA-18G Growlers を投入する。
 これらの機種は、敵がIEDを無線で起爆させようとする指令コマンドや、打ち合わせ行為を、電子的に妨害する。〈いま、米軍車両が通りかかった〉〈よし起爆しろ〉といった敵の無線連絡通話を妨害することも有効なのだ。

 MQ-9 Reaper remotely piloted strike aircraft についてはいうまでもない。
 アフガンでは今、リーパーのようなRPA(remotely piloted aircraft)用の飛行場の建設需要がとても大きい。キミがもしアフガンの田舎に出張してそこに平地を造成してコンクリートを打設できますよ、と申し出るなら、キミは即日、大金持ちとなれるだろう。

 RPAを1機、戦闘哨戒任務(CAP)につかせておくためには、120名の地上支援員が必要だ、ということも分かってきた。

 米空軍は今、600名弱のRPA用パイロットを擁している。
 しかし米空軍の目標は、RPAを常時65機飛ばすこと。つまり、それ用のパイロットは1400人も必要だってことだ。

 さいきん、ネヴァダの Creech AFBに行ってきたが、MQ-9 Reaper を飛ばすってことは、地上の巨大なネットワーク接続なしでは不可能なんだと理解した。※それゆえ、「無人」機というミスリーディングな用語も避け、空軍はRPAと呼び換える方針なわけか?

 企業も完全にISR需要を理解している。いま空軍は、週に1回は、電子メーカーから新型のISR製品のプレゼンを受けているよ。

 この夏の後半には、いよいよ Gorgon Stare をMQ-9に搭載できる。※はるか高空から、広域を監視しつつ、同時に、怪しい個人を徹底追尾できるという赤外線「張り込み捜査」システム。それも、同時に10人以上も。
 これで1機のリーパーの働きは過去の10倍となるだろう。

 最後は、 Global Hawk Block 40 unmanned surveillance aircraft, which also will carry a ground moving-target indicator (GMTI) だね。
 ※これについては項目だけ揚げておいて、具体的言及なし。おそらく携帯電話を傍聴するミッションや、UAV信号の空中中継に従事中ではないかと想像。

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 2010-4-29のストラテジーページの記事「Top Gun Rises From The Dead」。
  米海軍が中古のF-16を州兵空軍から購入する。目的は、F-18パイロットに、シナ軍戦闘機との空戦をレッスンさせるため。

 Russian MiG-29 と Chinese J-10 は、要するにF-16モドキだから、都合が良いのだ。
 すでに海軍は26機のF-16Nを late 1980s に買っている。
 しかし金属疲労が来たため 1990s に廃止。
 それで16機をまた買いたかったのだが10年近く、待たされた。

 海軍は、F-5s も、敵機役として買っている。これは12トンあり、だいたいMiG-21と近いのだ。
 2年前、スイスから 44機のF-5E を買いつける契約。買ったあとでちょっと改造することは無論である。
 The F-5 is normally armed with two 20mm cannon, and three tons of missiles and bombs.
  MiG-21 は 9.5 tonある。※写真だけ見てると、F-5の方が軽そうに見えるよね。
 そして、 can carry 1.5 tons of bombs.

 WWII中は、敵機のクセは戦地で学べばよかった。だがWWII後は、ベトナムにパイロットを送り出す前に、ロシア式の飛び方をする「敵機」を相手に訓練させとく必要があるのだと痛感された。それで海軍がトップガン教程を4週間、課したところ、大成功。すぐに米空軍も Red Flag schoolで追随した。

 その後、トップガンはドッグファイト志向、レッドフラッグは電子戦志向と、性格が分かれた。
 1980年代にソ連のパイロットの技倆が落ちた。経済難から訓練飛行時間を削られたのだ。その間、米軍パイロットは逆に訓練飛行時間を増やした。フライトシミュレーターも飛躍的に高性能化。
 米露のパイロットの技倆の懸隔がハッキリしたので、ついに、トップガンもレッドフラッグも、1990年代末に予算を削られた。

 現在の米軍パイロットの想定敵手は、シナ人パイロットである。

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 Bryan Walsh 記者の2010-4-28記事「Offshore Wind Power: Is It Worth the Trade-Offs?」

 いよいよ Cape Cod in Massachusetts 沖に米国初の海上風力発電塔をつくることに。
 平均183 megawatts を発電し、ローカルに供給する。
  130 wind turbines を 24 sq. mi. に布置する。
 場所はNantucket 海峡で、 about five miles from shore である。
 しかし景観を破壊するというので9年も揉めてきた。 $1 billion のプロジェクト総額に引き合わない、とも。

 そこで羽根の径は小さくされ、さらに陸地から遠い場所にされた。つまり、より小さく見えるように。
  National Renewable Energy Laboratory は 90,000 MW を 米国はoffshore windsから得られると試算している。

 有利な点は、大都市のすぐ沖につくれるから、送電ロスが小さい。
28州ある米国の「海あり州」が 78% of the country's electricityを消費している。
 ただし、建設コストや維持費は陸上の風力発電塔の2倍だ。

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 サイエンスデイリーの2010-4-29記事「Crude Oil No Longer Needed for Production of Plastics」。

 毎年世界で 130 million kilo〔単位は何だよ?〕 の ethene【エチレン】が生産されている。これが、プラスチックになるのだ。ただし原料は、原油である。
 原油がなくなってしまったらどうするか?
 オランダ人が答えをみつけた。
 天然ガスからとればいいんだ(w)! そして将来はバイオガスから。

 従来、天然ガスからエチレンを得るためには800℃にも加熱する工程が必要だった。結果、製品は価格合理性ゼロだった。

 しかし、天然ガスからは、 syngas、すなわち一酸化炭素と水素の混合ガスもつくられる。この工程は熱を必要とする。
 だったら、天然ガスからエチレンをつくるときの熱を、syngas製造にすぐ転用してしまえば、トータルでコストは合理化されよう。もちろん、うまい触媒が必要だ。

 プラントの廃物利用バイオマスからメタンを取り出す試みも。メタンは天然ガスの成分である。
 それができるようになれば、化学肥料の原料として天然ガスを使う必要もなくなる。

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 Nathan Hodge 記者の2010-4-29記事「Pentagon Doles Out Sweetheart Deals for Wartime Supplies」。
  ホワイトハウスの計算によれば、1人の米兵を1年間、アフガンに配備するのに、 $1 million が、かかっているそうである。

 国防兵站局はあっさりと白状した。キルギスとアフガンにある米軍基地に航空燃料を $1.4 billion で補給するという随意契約を、うさんくさい外国企業×2社を指名して(競争入札せずに)結んだと。
 キルギス暴動には、こういう不明朗なカネの流れもかかわっているんだ。このカネがキルギス政府を腐敗させたのだ。

 兵站局はまた、英国のHesco Bastion社とも単独指名契約している。このメーカーの sand-and-soil-filled が中東と中央アジアのすべての米軍基地のperimeter【陣地外辺】で見られる。※土嚢のこと? それともコンクリートブロックのこと?  defensive barriers とも書いてある。

 一社契約は、けっきょく高くつく。実例がいくらもある。

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 admin 記者の2010-4-29記事「Helium-3 Shortage Could Mean Nuke Detection ‘Disaster’」。
    helium-3 isotope は、ヘリウムガスの中に 0.0002 %以下しか存在しない。
 こいつは中性子に対して特別に敏感だ。だから核物質(特にプルトニウム)の探知機には不可欠だ。

 核爆弾の威力を増強してくれる素材であるトリチウム(三重水素)が崩壊するときに Helium-3 は得られる。
 1988に米国内のトリチウム生産は終わってしまった。ところが、トリチウムの半減期は12年だ。だから逼迫してきた。
 しょうがないので古くなって解体する核弾頭からヘリウム3 を回収して間に合わせていたが、9-11以降は大不足。

 このガスは 76,000 liters per year要る。しかし生産量は 8,000 liters annually であり、米国内の在庫は 48,000 liters未満になっちまった。

 2004 から 2008にかけて 25,000 liters の helium-3 が毎年ロシアから輸入されていた。しかしロシアは輸出を停止した。
 ヘリウム3は、炭化水素の埋蔵探知にも使える。つまり石油掘削会社もこれを必要としている。

  boron trifluoride が安価な代替品になるのではないかという研究も進んでいるが……劇物である。
  lithium-loaded glass fibers や、 cesium-lithium-yttrium-chloride(clickと呼ぶ)も考えられている。いずれも実用化はされていない。

今日まで乾パンは届いていないという事実について。

 KEVIN McGILL and CAIN BURDEAU 記者の2010-4-28記事「Crews to set fire to oil leaking in Gulf of Mexico」。
  ミシシッピ河口から20マイル東のメキシコ湾上で爆発した採油リグからの漏出油にコーストガードは火をつけるつもり。このままルイジアナ~マイアミの自然湿地に漂着するとえらいことになるから。
 延長500フィートの、焼却作業用コラル(浮き柵)で漏出油を包囲し、それをそのまま沖合いまで曳行し、着火して半日で焼いてしまう。

 Deepwater Horizon と名付けられていたリグ(Transocean Ltd. の所有にして、BPが運用)が先週、爆発して海没し、その海底に開けたドリル穴からは毎日 42,000 gallons の原油が海水中へ噴き出し続けている。
 11人の作業員が依然、行方不明。爆発原因は未解明。

 1995にもSan Jacinto River で油漏れ事故があり、浮き柵を使って焼いたことあり。
 専門家いわく。海洋汚染を防ぐためには、焼いてしまうのがいちばんいいんですよ。
 点火には、 jelled gasoline と、油に浸したボロ布を用いる。
 浮き油が燃え尽きたあとには、固化したタール・ボールが残る。これは網で掬い取る。

 油浮遊域は、目下、「100 × 45」miles の範囲におさまっている。
 潜水ロボットを深度5000フィートへ投入し、 shut-off device を作動させようとしたが、これは失敗した。

 BPのリグ・オペレーター氏いわく。 relief well を至急掘り、噴出圧力を緩和させるつもり。ただし、この作業には何ヶ月もかかる、と。

 もうひとつの提案。巨大な逆さ御椀を漏出孔の上にかぶせて、浮いてくる油をいったんそこに溜め、ポンプで海面上の回収船が吸い取る。実施には2週間かかる。

 この災害による損害総額は top $1 billion まで昇るだろう。
 代替リグの値段は $700 million である。
 BP によれば、漏洩対策のために目下、1日に $6 million がかかっているところ。
 減圧用シャフト工事の費用は、 $100 million になるだろう。
 コーストガードは、かかっている費用を発表していない。

 次。
 ナショナルディフェンスの2010-4-22記事「Not-So-Secret Weapon in the War on Drugs: Sensors Than Can Infiltrate Jungles」。
 マイアミから南極大陸まで担当する U.S. Southern Command の司令官いわく。南米のジャングルは偵察しようがない。
  コロンビアでは、半没艇の建造工場から、10フィート離れれば、もう視認することは不可能という密林だ。
 いまのところ一番成功しているのは、 Army’s A-160 Hummingbird unmanned helicopter. こいつはDARPAが開発した樹冠透視レーダーを積んでいる。

 過去20年間、南米から北米へのコカイン密輸の25%のみが摘発されてきている。
 敵の輸送手段は8割が高速艇と半没艇。
 この半没艇が海に出る前に探知したい。そのためのハードウェアが必要だ。
 半没艇は、長さ 60 to 70 feet 、積荷は 10 tons of cocaine、 ディーゼル・エンジンで5000浬走る。昼は微速にし、夜間に速度を出す。

 2008 に SouthCom は 76 隻の半没艇を捕捉した。
 しかし2009には 52 隻と成績ダウン。理由は不明。

 次。
 ストラテジーページ 2010-4-28記事「U.S. Army Picks A 120mm Winner」。
 数年ごしの比較評価の末に、米陸軍は、 GPS guided 120mm mortar shellのメーカーとして、米国の ATK system 社を選んだ。他の競合メーカーは、米国内に1社、そしてイスラエルの1社であった。
 ※むかしは迫撃砲弾のことはBombと書いて、野砲弾のShellとは区別をしていた。今は迫撃砲も高性能化・多機能化したので、Shellと書くのがふさわしいのだろう。

 ATK社は2006からこの砲弾の開発にとりくんできた。誘導システムは、螺子式にとりつけられる弾頭の信管部(ここには誘導回路はあるがGPS装置は入っていない)と、より大きなGPS受信装置と動く小翼である。

 これらのキットを、従来からある迫撃砲弾にねじつけるだけで、GPS誘導弾にできる。レーザー誘導式ではないから、小さな目標を直撃しようというのではない。あくまで、GPS精度での地域狙撃になる。だいたい6m以内に集弾するという(要求されていたのは10m以内)。
 目標のGPS値は、金属のプローブを信管に差し込んで入力する。

 最前線の迫撃砲チームは、手元にたくさん弾薬があるわけではないし、後方から弾薬を届けてもらいにくい場合が多い。しかしこのGPSキットが普及すれば、もはや、弾薬の推進に苦心する必要はなくなる。わずか数発の発射で、仕事は終わるのだ。

 米軍はすでに3年前、レーザー誘導の迫撃砲弾をイラクとアフガンにテスト用として送り、1年前にテストした。
 これは「XM395 Precision Guided Mortar Munition」といい、20年間も開発を続けてきたけれども、遅れに遅れていたもの。重さ 38 pound で射程は 7.5 kmあり、レーザーで指示した点から1m以内に落下する。

 ※日本の内地の湿度だと6kmも離れたら、戦車のような大きな目標でも、肉眼で識別するのは至難である。7.5kmは、直接照準交戦距離としてはover Maxであり十二分である。この迫撃砲の口径を150ミリにupすれば、そのまま対戦車兵器。もはや先進国同士の戦争で有人AFVに活躍させようなんて気違い沙汰だと知れるだろう。

 XM395の欠点は、高価かつ複雑すぎること。
 また、レーザーで目標を照射する役割の兵隊は、かなり敵に近づく必要があり、その兵隊が危険であると分かった。※うっかりすれば、レーザーの照射源に味方の砲弾が落ちてくることもあるのかもね。それに、敵もフルスペクトラムの監視手段で、レーザーの照射源を簡単に発見し、そこに火力を志向してくるだろう。

 120mm mortar round の中には、だいたい 2.2 kg の炸薬が充填されている。これならコラテラル・ダメージは十分に小さい。
 155ミリ榴弾だと、炸薬は 6.6 kg である。これはコラテラルが大きい。
 120ミリ迫撃砲弾は、無誘導の場合、最初の1発は、照準点から136m以内に落ちる。レーザー誘導だと1m以内、GPS誘導だと10m以内だ。

 米陸軍はこのGPS型がもっとも重宝だと期待しており、今年の末までにはその砲弾を受領し実用する。

 次。
 Noah Shachtman 記者の2010-4-27記事「Pentagon’s Mach 20 Glider Disappears, Whacking ‘Global Strike’ Plans」。
  Falcon Hypersonic Technology Vehicle 2 (HTV-2) は、予定では、発射から30分後に、4100浬(7600km)先の海面に落下するはずだった。
 信号がとだえる前に、大気圏内でマッハ20での機動を何度かさせることに成功した。

 “prompt global strike”には3案がある。
 ひとつは長射程のICBMの核弾頭を通常弾頭に換えるもの。

 もうひとつは、ICBMより短射程だがマッハ5以上で飛ぶ巡航ミサイル。これは2009-12に X-51 Waverider でテストする予定だったが、2010-5に延期されている。

  HTV-2 が三番目の案である。これのメリットは、弾道がBMのRVとは歴然と異なるために、ロシアの早期警戒レーダーがアメリカからの核攻撃だとは錯覚しないこと。

 関連して。
 AFPの2010-4-28記事「DARPA-crafted Glider Falls Short In 1st Flight」。
 次の実験は2011の前半だ。

 米空軍は、低軌道の偵察衛星が敵に破壊されてしまったときに偵察を行なえる機体も開発中。※それがいま周回しているやつだ。

 次。
 JOHN REED 記者の2010-4-27記事「USAF Broadens Plans for Next-Generation UAV」。
 MQ-9 Reaper の後継機とする米空軍の MQ-X 構想。次世代の tactical UAV はどうなる?
 cargo hauling や aerial refueling もさせたい。中型サイズで。
 あたかも今のC-130 のような多目的用途機にしたいのだ。
 sense-and-avoid も必要。
 計画が具体化しはじめるのは2014以降で完成は2020以降か。

 次。
 Paul McLeary 記者の2010-4-27記事「Enemy Adapts To Counter-IED Tactics」。
 2年前、米第25歩兵師団の第2ストライカー戦闘団がバクダッド北郊で発見したIEDは、155ミリと122ミリ砲弾と雷管とをプラスチックで包み、そこから指令起爆用電線が畑の灌漑用水路沿いに伸びているというものだった。
 その後アフガンでは、肥料や化学剤から合成したIEDが登場し、今年はその数が昨年の2倍になりそうだという。
 原料の肥料は大別して2種。塩化カリウム【 potassium chloride】と硝安【 ammonium nitrate】である。
 その起爆装置は、踏み板、もしくはトリップワイヤを用いた初歩的なものが大宗だが、有線指令式も見られる。

 イランのIEDは、サダムの弾薬庫からの流出品だけが材料ではない。イランがシーア派に渡した武器があるのだ。

 タリバンとは別に、Haqqani という組織があり、これはアフガン東部に蟠居している。2008にインドのカブール大使館を爆破し、2009-2にはカブールを襲撃せんとし、2009-12には Camp Chapman in Khost Province のCIA基地を壊滅させた。

 彼らは硝酸アンモンの肥料を多用するので、マクリスタルはカルザイにねじこみ、硝安肥料のアフガンへの輸入を禁ぜしめてしまった。硝安をアフガン国内で生産することも禁止である。
 ところがそれでもIEDは減らない。

 そこでとうとう登場したのが、“Self-Protection Adaptive Roller Kit (Spark)”……要するに、自動車の前にローラーをとりつける。
 イラクの電波妨害装置より後退したような印象だが、アフガンでは、こっちの方が有効なのだ。

 ビーチクラフト・キングエア350ERを原型とするC-12双発機を路上爆弾警戒任務用に改造したのがf MC-12W ISR aircraft。これも道路偵察部隊に連携させている。

だれか「魚の缶詰」をめぐんでくれる者はいないか? 本当にいないか?

 Denise Ngo 記者がサイエンスデイリーの記事を要約した2010-4-27アップ記事「Injection of Melanin Nanoparticles Could Make Human Body Radiation-Resistant」。
   Albert Einstein College of Medicine of Yeshiva University の研究で、メラニン色素で、シリカ(砂)の微粒子を数層にコーティングしたものをネズミに注射すれば、骨髄が放射線に対してプロテクトされるので、正常細胞を損傷せずに癌細胞にもっと放射線を当てる治療ができるようになりそうだという。
 骨髄が放射線でいためつけられると白血球や血小板の数が減ってしまうのがこれまでの大問題だったが。
 肝臓、肺、脾臓を通り抜けられるくらいに微細なシリカのナノ微粒子にメラニンを塗布し、注射すると、骨髄にべったりとまといつく。しかるのちに放射線照射。

 この注射をされたネズミは、白血球と血小板の回復が、注射されないネズミよりも早かった。つまり骨髄は放射線から遮蔽されたのだ。
 この加工粒子は注射後24時間経っても骨髄に残っているが、それは食細胞が除去してくれる。
 動物実験を続け、3年以内に、癌患者に対してこれを試す。
 博士いわく、これは宇宙飛行士を宇宙線からも守ってくれるだろう、と。

 次。
 Clay Dillow 記者の2010-4-27記事「 Japan to Launch Solar-Sail-Powered Craft Out Beyond Orbit for the First Time」。
 JAXAは5-18に「宇宙ヨット」を打ち上げる。
 名前は Ikaros (= Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation of the Sun )。
 髪の毛よりも薄く、46-foot の広い「帆」を展張し、太陽からの光子を受けて飛翔を続ける。帆の角度を変えることでコースも変える。
 成功すれば、日本初の金星探査機もこの方式でなされる。
 日本は2015までに月面に装輪式ロボット車両を送り込む。

 次。
 Nathan Hodge 記者の2010-4-27記事「Black Sea Drone Wars: the Sequel」。
 ロシアとグルジアの間の争点になっている、分離運動中の republic of Abkhazia の上空にグルジア空軍が無人機を40回以上も飛ばしてきているとロシア政府が非難。

 Abkhazia は 1992~1993 の内戦で、グルジアから分離した。ところが、それを国家承認しているのは、いまのところ、 Russia, Venezuela, Nicaragua and Nauru だけなのだ。 ※つまりグルジア側とすれば主権問題で、領空侵犯ではないわけ。それにしても何故ナウル?

 Abkhazia にはロシアが軍事的な保護を与えている。※現代の「満州国」。

 2008にロシアとグルジアが戦争になる数ヶ月前、黒海上空でロシアの有人戦闘機がAAMでグルジアの無人機を撃墜した。その被撃墜映像は公開されている。
 ※つまりこれをグルジアが公開したってことは、その空域は自国領空であったという自信があるということか。

 次。
 AFPの2010-4-27記事「Taiwan Exercise Focuses on Possible China Assault」。
 台湾軍の滑走路をシナ軍が数波の爆撃機とSSMで奇襲攻撃したのを即座に修理するというシナリオの演習を実施し報道陣に公開。
 台湾東部の Hualien 市郊外の基地で。
 ※SSM数百発くらいでは台湾の空軍基地は有事に麻痺せず、よって台湾を武力で征服することは不可能であると内外に印象づける演習。

 また、4機のミラージュが6分で緊急発進できることもデモ。

 次。
 Graham Warwick 記者による2010-4-26記事「DARPA Investigates Hypersonic Glider Loss」。
 ロックマートとDARPAが開発した HTV-2 は、4-22のVandenberg AFB, Calif.からの最初の打ち上げ直後に喪失していた。

 Orbital Sciences Minotaur IV Lite booster の第三段はまちがいなく正しい角度になってクラムシェル・フェアリングを開いて HTV-2 を大気圏の最上層に放出した。
 しかしその9分後、テレメトリーは途絶えた。

 予定では、大気圏再突入後、いったん上昇し、太平洋を滑空で横切って、 Kwajalein Atoll の北方海面へマッハ20で突入・自爆する予定だった。途中で何度かのSターンもさせる予定だった。
 この宇宙グライダーは、9000浬離れた目標を、2時間以内に通常爆弾で攻撃しようという、「prompt global strike weapon」のひとつである。

 第二回の発射テストは2011に、マッハ25での機動を試す予定であった。

 スペースシャトルとの違いは、地表にアプローチするときの降下角度が浅いこと。シャトルが40度で突っ込むのに比べ、 HTV-2 はもっと滑空率が大である。

 一体成型の高負荷 carbon-carbon aeroshell でできた機体は、高熱に耐えてくれる。※BMのRVと違ってフラックスに頼らない。つまり受けた熱の大半をまた宇宙へ輻射することで融解を防ぐ。
 さすがに、機首と翼前縁は、滑空中に1~2インチも減ってしまう(摩擦で燃えてしまう)。
 この焼蝕の具合をつきとめるのも課題。

 次。
 ストラテジーページの2010-427無署名記事「Naked Trucks Everywhere」。
  米陸軍は37セットの車載型 Backscatter radarsを追加発注し、アフガンに運ぶ。
 このレーダーは現地人のトラックを外部から検査し、武器やゲリラが隠されていないかを判別するもの。
 すでに過去7年に 300 セット 以上のこの radars がイラクとアフガンの米軍によって使われてきている。

 こいつの仕組みは、昔のレントゲン撮影のようなものとは違う。
 バックスキャターの基本原理は、冷戦時代に敵のBM発射や爆撃機の離陸をできるだけ遠くから探知しようとして考えられたOTH(超水平線)レーダー用に考えられた。
 ※その当時のバックスキャターOTHは、巨大な地上局を2局、何千キロも離して建設し(しばしばその1局は同盟国内へ設置)、その2局の中間を敵のBMやボマーが横切ることで電界がかきみだされるという現象を利用しようとしたもの。

 だが、いまのバックスキャターは軽量化し、ヴァンの中に車載されている。名付けて "Ruggedized Detection Imaging Modules" (RDIM) という。

 X線で透視することにより、トラックの中に在る有機物と無機物とが識別できる。
 また、現地人が衣服の下に爆弾を巻いているかどうかが見える。
 数秒で、写真レベルの像が得られる。
 よって、米兵は現地人の服の上から手で触れてみる必要はなくなる。「その機械の前に立ってみろ」と、遠くから命令するだけでよくなる。よって検問の哨兵に対する自爆テロは無効になる。

 機械は、1セットが $1.3 million dollars する。
 維持費は、 over $10,000 a month である。
 米軍は2005からこいつを買い始めた。そしてすばらしい機能であることをすぐに認めた。

 VIP警護用として南米や中東の諸国がこの装置を買ってくれているので、量産効果により、Z Backscatter の単価は、4年前の1/3に下がった。

 次。
 Mark Thompson 記者がタイム誌に2010-4-26に載っけている記事「The Navy Goes in Search of a U.S.S. Prius」。
 全長 844-footの U.S.S. Makin Island は、ガスタービンと電気モーターのハイブリッド強襲揚陸艦だ。
 調達価格は $2.5 billion であった。
 なんと機関科員は、在来艦の半分の12人で済んでいる。

 かつての蒸気タービン軍艦は、いったん罐を冷やしてしまえば、数日かけて蒸気圧を上げないかぎり出航はできなかったものだが、このフネは、機関が冷えた状態から1時間以内で出航ができる。

  Makin Island's electric power comes from a pair of diesel generators. 電気は2基のディーゼル発電機から得る。※ようやくこの記事により、主機のガスタービンやその余熱では発電はしていないらしいと見当がついた。

 camelina oil は 1ガロンあたり $65 である。※この記者はジェットA-1と海軍用JP-5燃料の区別はつけていないように見える。
 そのカメリナはモンタナで栽培したものだ。

 いま、米海軍の艦艇の 17% (空母と潜水艦)が核動力である。
 そして海軍長官いわく、もし長期的に原油価格が1バレルあたり $150 になれば、すべての軍艦を核動力とするのが経済的になる、と。

 ※余談。可倒式の風力発電塔の塔それ自体を起電機の梃子とすることができるのではないだろうか? つまり、ただの1本の長い直立円筒を、地表面の高さに位置したユニバーサルなヒンジによって支え、そのヒンジの下の地下空間には、円筒の延長としてのアームが直結されており、アームの先にはカウンター・マス(対錘)がぶらさがっている。風が円筒を横に押せば、地下部分のアームが動揺するから、その運動エネルギーをジェネレーターで回収できる。台風並の強風にさらされれば、塔は、〈柳に風〉と倒れるだけで、破壊はされないだろう。

誰か乾パンをめぐんでくれる人はいないか? この月末を乗り切りたい。

 Tristan Plank, Scott Scheff and Angelia Sebok 記者がナショナルディフェンス2010-5月号に載っけている記事「First 100 Days of Deployment Critical to Soldier Survivability 」。

 「兵隊になってから最初の5回の火力交換戦闘を経た」よりも「ひとつの前線に配備されてから100日が過ぎた」の方が、その兵隊が「死なないやつ」と化したかどうかの見積もり基準として適当であることが、ちかごろ解析された。
 この研究のスポンサーは例によってDARPA。

 元にしたデータは、イラクとアフガンにおける過去3年間の米英軍の陸軍および海兵隊の戦死者2000名。その40%は、戦地に配備されてから3ヶ月以内にやられていた。だから100日。ただし1ヶ月目は比較的死なない。2ヶ月目から増える。

 理由の一仮説。ローテーションにより、ある部隊が、ある部隊と、持ち場を交替したとする。この変わり目では、それまで利用してきた現地人からのタレコミ情報は得られなくなる。それゆえ危険がハネ上がる。

 また、なぜか陸軍の兵隊は、外地の戦場に展開してから「6ヶ月目」に戦死が急に増える。これは海兵隊、海軍、空軍の兵隊だとみられぬ現象だ。

 そしてまた、「10ヶ月目」にも小ピークがある。
 その考えられる理由は、疲労、慢心【complacency】、無気力戦術【stale tactics】だ。

 敵ゲリラも、そのくらいすれば米軍のパターンに慣熟してしまう。

 集められた兵隊の代表的な声。訓練はもっとリアルにする必要がある。敵ゲリラがある戦術を使ってきたという情報が上がってきたら、即座に、それに対抗するためのリアルな訓練を考え、それを遅滞なく現地において味方部隊に対して施してやらねばならない。ゆっくりやっているヒマはないのだ。

 結論。部隊を交替させるタイミングや方法は工夫せねばならぬ。間歇的な現地での訓練によって兵隊たちの気分をひきしめさせよ。1部隊が得た戦訓はすぐに全部隊に伝えろ。

 次。同じくナショナルディフェンスの2010-4-22記事「Gathering Storm May Sink Navy Shipbuilding Program」。
 米海軍長官が演説した。毎年10隻のペースで、建艦するのだ。海軍は、計画艦の仕様を途中で変更することはやめる。だからキミたちは、安んじて造船所のインフラに投資し、工員を訓練し、艦船の単価を下げて欲しい。

 米海軍のゴールは2020までに「320隻艦隊」を実現すること。今は286隻だ。ちなみに1988には米海軍の艦艇は 594 隻もあった。

 軍艦は、いまや、1隻平均で a billion dollars を超えてしまっている。米海軍は、年に10隻を調達するために、毎年 $15 billion 必要だと見ている。
 ところがそいつを少なくとも6箇所以上の巨大造船所に分散して発注するものだから、各造船所では、能力をフルに発揮できない。結句、非効率となり、単価は上がるはずである。
 造船会社は、能率のために投資をしても、それを回収できないことが見込まれる。

 1造船所に対して2年で3隻なんていう少ない発注量では、水上戦闘艦の巨大造船所を2社以上維持させて競争させていくという国策は達成不可能だね――とある経営者。

 ゲイツは3月に、オハイオ級の次の新SSBNは箆棒な価格になりそうだから海軍は少し方針を改めないとそれだけで海軍予算が尽きるぞ、と警告。

  Littoral Combat Ship については当初、米海軍は、2タイプを買ってみるつもりだった。しかしその予算はなくなった。安い方を選択するしかないだろう。

 次。
 ナショナルディフェンス2010-4-22記事「 Drone Wars: U.S. Aircraft Need Smaller, More Precise Weapons」。
 アフガンとパキでは Nearly 1,000 people がUAVにより過去2年間に殺された。これはまずい。反米感情をもたらす。
 そこで、軍が今関心をもっているのは、より小型のUAVによって、特定の1人のゲリラだけを、都市の中で精密に狙い撃ちして殺せないかということ。住民へのコラテラル無しで。

 空軍の MQ-9 Reaper は、 AGM-114 Hellfire missiles, GBU-12 Paveway II bombs そして GBU-38 Joint Direct Attack Munitions をミックスして携行できる。
  MQ-1 Predator は two laser-guided Hellfire missiles である。
 陸軍のSky Warriorは Predatorをベースにしたものだが、ヘルファイア×4発だ。

 米陸軍としては、殺さずに捕虜にできる精密誘導爆弾が欲しいのである。路側に地雷を埋めている敵ゲリラ3人に対してそれを1発発射すると、3人とも捕虜にして尋問ができる、そんな弾薬が理想的だ。
 それにはまず、弾頭重量が 10 pounds 以下のものを開発して欲しい。さらには、非殺傷性の弾頭を。
 だから陸軍は今、 2.75-inch diameter laser-guided rocket を Shadow または Sky Warrior UAVから発射させることを検討中だ。

 次。ストラテジーページの2010-4-26記事「Pam And Lam Get Fired」。
 米陸軍のNetFires (or NLOS-LS) missile systemは2004から開発開始されたが、ついに計画放棄された。
 海軍は LCS (Littoral Combat Ships)がVLS (Vertical Launch System)を収めるほどには容積に余裕がないので、陸軍が開発したこいつを積むつもりでいたのだが……。陸軍がブン投げたこのミサイルの開発を引き継ぐなんてことは予算的に今の海軍には無理。

 NetFires には2種類のミサイルがあった。2つとも、寸法と重量は同じなのだが、用法を2つに分けていたのだ。
 主力と考えられていたのが、 PAM (Precision Attack Missile)。直径 178mm で、重さ 55 kgで、射程は 40 kmだった。

 ※毎度思うんだが、わが川重が開発した、直径160mm、重さ60kg、射程不明だが光ファイバ誘導の「Type 96 多目的誘導弾システム」をベースに改造したらダメなの?

  PAM は上から落下して目標を攻撃するミサイルで、弾頭重量は 13.2 kgである。戦車の上面装甲は薄いから、これですべての戦車に対応できるとされていた。

 PAM は 1.3×1.9×1.3 mのコンテナから垂直に発射される。
 このコンテナに入った状態で工場から出荷され、部隊が受領するのだ。
 15発入りのコンテナ全備重量は1トン。
 それをトラックや舟艇に搭載する。

 キモは、このPAM container をワイヤレスの戦場インターネットに接続するということ。
 LCSの射撃管制士官は、敵の情報をUAVやら衛星から画像として得る。その敵の画像をスクリーン上でクリックすれば、PAMのコーディネーターが、それを攻撃するための最適の位置にある最寄のランチャーからPAMを発射してくれる、という、お気楽コンセプトだった。
 最終誘導はミサイルの内臓センサーによる。つまり、ロックオン後はパッシヴである。※なるほどこれは要求が高すぎる。採用しても、味方撃ちや、民間人殺しがあり得るよ。96式ならばそれは回避できるが。

 もうひとつ、ジャングルや錯雑地に潜んだ、視認しにくい状態の敵車両を攻撃するため、2番目の NetFires missileとして、 LAM (Loitering Attack Missile)があった。
 これは mini-cruise missile ともいうべきもので、45分間、ターゲットが見つかるまで上空を飛び回る。
 内臓のレーザー・レーダー (LADAR) で敵車両を発見すると、落下命中する。こっちの弾頭は、戦車を吹っ飛ばすには不足なのだが、それ以外なら無力化できる。
 米海軍では、このLAMを、150km離れた敵魚雷敵を駆逐できるよう、沿岸戦闘艦に装備しようと考えていた。

 LCSは 3,000 ton だが時速 90 kmで疾走する。
 しかし固有兵装は、1門の 57mm gun と数門の機関砲だけ。
 よって、 NetFires の追加が必要だったのだ。
 ちなみに乗員はタッタの15人以下。※軽巡洋艦サイズで15人ですぜ! 拙著にも書きましたが、これはもう「ロボット兵器」に分類されるべきでしょう。
 LCS は広々とした cargo hold を1箇所備えていて、そこに後付けすることによって、掃海艦にもなるし、火力支援艦にもなるし、ASW艦その他にもなるのだ。
 また、1機の Black Hawk sizeの helicopter (MH-60)も標準搭載。その格納庫もある。
 後部の吃水ドックからは、密かに無人潜航艇を泛水させることもできる。

 次。
 ワシントンポストの2010-4-26号にJoby Warrick and Peter Finn記者が寄稿した記事をNathan Hodge記者が要約している記事「Targeted Killing Lite: Inside the CIA’s New Drone Arsenal」。
    CIAが欲しているのは、ヴァイオリンより小さく、35ポンド以下の軽いミサイルだ。そして Pakistan’s South Waziristan provinceのタリバンの親玉のアジトの家に命中させ、中の数人を殺す。他の住民には迷惑をかけない。そんなちょうどよい機能のミサイルをUAVから発射させたいのだ。※なんだそういうことだったのか。今までは、ヘルファイアはピエゾ信管で屋根の表面で爆発してしまうし、レーザー誘導250ポンド爆弾の遅働信管付は家丸ごと飛散させてしまうので、不都合だったわけだな。だったらヘルファイアの炸薬を減らして信管を遅働にして弾殻を複合素材で強化すればよいのではないか?

  AGM-114 Hellfire は、もともと重戦車破壊用なので、理想的ではない。重さも100ポンドもある。これで民間仕様の4駆車を攻撃すれば、コラテラルがものすごいことになる。

 ロックマートが開発した精密誘導爆弾 Scorpion は35ポンド。
 その弾頭は Battleaxe と名付けられており、成型炸薬と破片と強化ブラストをぜんぶ追求したもの。
 しかも、it throws out fragments of reactive material which explode on impact, making it especially effective against unarmored vehicles and other soft targets. ※「反応物質」とは何なのか具体的に書いて欲しい。これでは分からん。ひょっとして、劣化ウランの破片を飛び散らせることにより、その破片がまた別な車両の鈑金を貫通したときに、内部に焼夷効果を発揮してくれる、ということなのか? しかしそれなら explode という動詞は不適切である。

 Scorpion は GBU-44 Viper Strike のライバルと考えられていた。こっちは、滑空爆弾で、RQ-5 Hunter drone でのテストも実施済み。

  Thales Lightweight Multirole Missile は Thales’s Starstreak/Starburst anti-aircraft missiles の要素を用いたもので、重さ 28 pounds.

  Raytheon’s Griffin missile はJavelin man-portable anti-tank missile と AIM-9X Sparrow air-to-air missile の要素を組み合せ、重さは45 pounds.

 米陸軍は、 Advanced Precision Kill Weapon System (APKWS)も開発。これはいわば “smart” 2.75-inch rocketで、ありふれた Hydra 70 rockets を、ミサイル化しようというものである。こっちはもうじき量産に入る。

 次。
 『Guardian』紙の記事を2010-4-26にJeremy Hsu記者が要約。「 Get on the Beef Train: Amtrak Unveils First Biodiesel Commuter Train, Powered By Animal By-Products」。
  アムトラックが、米国初の、バイオディーゼルの汽車を公表。燃料は牛肉の副産物を利用。20 percent biofuel と 80 percent diesel を混ぜた燃料だ。
 Oklahoma City と Fort Worth の間を試験走行する。

 しかし批判者はいう。トウモロコシで牛を太らせ、そこから油を絞るよりも、トウモロコシを直接にバイオ燃料化した方がずっとエコだろ、と。

 次。
 Clay Dillow 記者の2010-4-26記事「 The Army Wants Olfactory Sensors That Can Smell Potential Perps At A Distance」。
  個人の体臭を識別し、その接近を偵知したり、その足跡を数日後からでも辿れるようにするという研究を米陸軍がやっているんだと。

この月末にわたしにインスタントラーメンを恵んでくれる人はいないか?

 Amy Butler 記者が2010-4-23に載っけている記事「USAF Eyes Low-Yield Munitions」。
 米空軍は、500-lb. MK 82 bomb の弾殻をスチールではなく複合素材とすることで、破片効果を最小にし、衝撃的爆圧による殺傷だけを発揮させる新型爆弾を開発して実戦配備しようとしている。
 MK 82 は、Boeing 製の Joint Direct Attack Munition kit をとりつけることで、precision-guided weapon ともなる。

 米海軍は既に、500-lb. 爆弾にコンクリート〔の粉?〕を充填することで、Low Collateral Damage Bomb とならないかどうか、 2007 に1発〔リアル戦場で?〕試してみた。こちらはブラストそのものを抑制しようとした。〔ということは粉ではなく、コンクリートを錬って内壁に貼り付けたのか? なぜケーシング自体をセラミックかコンクリートにしない? それではハンドリング中や高機動中や被弾時に割れる惧れがあるから? だったら低速の無人機専用にすれば可いだろう〕

 この新しい500ポンド爆弾の外形は、先行している 250-lb. Small Diameter Bomb Focused Lethality Munition (FLM) に倣ったものになるだろう。

 FLMは、複合材の弾殻と、高密度の充填物〔セメントの粉と書かないところをみると、酸化鉄粉のようなもの? だがそれでは重くなりすぎるだろうから、やはりセラミックのマイクロ・ペレット/ウィスカーか? アルミ粉だと強力焼夷弾になっちまうだけだし、理想は水/氷を使うことか〕を組み合わすことで、衝撃爆圧の及ぶ半径を抑制する。

 要塞ではない一般的な建造物に投下して、その中に立て籠もっている敵ゲリラだけを爆殺し、建物はほとんど壊さない、というのがFLM開発のゴールである。※というか、その建物のすぐ近くに展開している味方歩兵に破片を当てないというのが目的でしょう。

 空軍は250発の FLMs を買っている。
 用途に応じて、500ポンドと250ポンドを選択できるようにしたいのだ。

 次。
 Mark Franchetti記者が2010-4-25に載っけているサンデイタイムズの記事「Doctors sterilise Uzbek women by stealth」。
 ウズベクでは病院が勝手に不妊化手術をする。初産のさいにconsentなしで、という実例あり。

 この命令は、20年間独裁している Islam Karimov から出ているという。目的は、貧困層人口を減らすこと。ウズベクは2800万人も人口があって、中央アジアでは最も人口密度が高い。

 国家の指導による不妊化手術は2003から大々的に始められた。
 2005にはいったん緩和された。猛反発されたので。
 しかし2010-2からまた再開。すべての医師は、月に最低2人の婦人に対して不妊手術を施せ、と。
 目標を達成できぬ医師には罰金その他が待っている。

 かくして2010-2から今日まで5000人の女がコンセントなしで不妊化手術された。
 具体的には、帝王切開のついでにやってしまうという。この噂が広まったので、産婦たちは敢えて自宅分娩を選好するようになっている。

 医師たちが、2人の子持ちの貧しい26歳のところへわざわざやってきて、病院に検査に来るように言い、卵管に嚢腫があるからすぐ手術しないと死ぬ、と脅かした。そして術後に、「不妊化手術したよ」と告げたケース。

 また、3人目の子供を帝王切開で産んだときに勝手に不妊化手術されたケース。※ウズベキスタン政府の方針としては多産家庭から狙い撃ちをしているのだろう。

 United Nations Committee Against Torture によれば、カリモフが権力を掌握してから、婦人平均生涯出産数は4.4児から2.5児に減ったと。
 カリモフは72歳だが、同国内の弾圧はすごいことになっている。国政を批判した2人の男が、イスラム・ゲリラのメンバーだとして逮捕され、熱湯をかけられ殺された。

 2005には Andijan で軍警が民衆に発砲。これを報じていらい、Sunday Times の記者は Uzbekistan には入国できない。

 カリモフ大統領には2人の娘がいる。若い方の Lola(31)は、ユネスコ大使であり、head of a children’s charity である。
 もうひとりの Gulnara(38)は、最近、駐スペイン大使になった。ハーヴァード大卒で、格闘技のエキスパートで、宝石デザイナーであり、多くの慈善団体を支援し、「ウズベクのプリンセス」と呼ばれている。
 ※世にトンデモの種は尽きまじ。

 次。
 ディフェンスニューズが2010-4-26に載せている「Michael Holm  President and CEO, Systematic」に対するインタビュー記事。
 デンマークには防衛企業は50社以上ある。
 Systematic社は、デンクーク最大手の、軍用ソフトの民間会社。
 設立は 1985 で、つくったのが Michael Holm である。最初は従業員は2人だった。今では450人だ。
 英国、米国、フィンランドに支社あり。

 米国主導の International Traffic in Arms Regulations [ITAR] にはガッカリしたね。
 F-35は3000機作られると考える。そのうちデンクーク空軍は40機を買う予定であったが、25機に減らされる可能性もある。
 ロックマートは明言。デンマークがF-35を買わなくとも、計画には何の支障もないのだ、と。

 2008以前には軍需のブームがあった。今は大不況。
 各国軍は、標準化された、リスクのない、特注品ではなく「出来合い(吊るし売り)」の低廉な兵器を、求めるようになっている。ソフトウェアでも。
 新ソフトの開発期間は3年以下をめざさないとダメだね。

 米国に武器を売るときは、米国企業と組まないとダメ。 Foreign Ownership, Control and Influence [FOCI] company は、米国では排除される。

 わが社の製品はデンマーク内でつくられているから、 ITAR-protected ではない。よって、対米輸出以外の輸出にはあまり制限がない。

 北極海の資源開発競争が予期されるので、グリーンランド(デンマーク領)の領海警備にこれからいくら予算をつけるべきかが、頭の痛い課題となるだろう。

 サーブ社にスウェーデン政府が資本を出しているわけではないが、サーブという会社はスウェーデン軍が製品を買うから成り立っている大企業だ。
 デンマークには、そのような〈親方政府〉な企業はひとつも存在しない。

 「joint Nordic defense procurement」は「遠すぎた橋」のようだ。
 デンマークは、英国の EH101 ヘリを選んだ。
  Norway, Finland and Sweden は NH-90 を選んだ。

 わが社の軍用センサーの技術はヘルスケア分野にも転用できる。たとえば絆創膏に使い捨てのセンサーを差し込んでおき、ワイヤレスで患者の状態をモニターするとかね。

 次。
 WILLIAM MATTHEWS 記者が2010-4-26に載っけている記事「Man-hunting Radar  VADER Is Latest Weapon in Fight Against Roadside Bombs」。
  高度25,000 feet の空の彼方から、夜中に道路に地雷を埋めに来るゲリラを見張る、対人レーダー。それがVADER。
  Northrop Grumman は開発に 18 months、実験に 22 ヶ月かけたよ。

 コンセプトとしては、Joint Surveillance Target Attack Radar System (JSTARS) と同じ。ノースロップはこいつは 1980s につくった。ただし見張る対象は敵軍の戦車やTEL/MELだった。

 米陸軍の Warrior drone にこいつを搭載すれば、36時間も空から連続して見張ってくれるのだ。その飛行高度が2万5000フィート。

 詳細をメーカーは語っていないが、JIEDDOによれば、合成開口レーダーであることは間違いなし。
 歩兵を探知できるだけではなく、「地雷を埋める」という行動をしている人物を特にあぶりだして注意喚起してくれる。
 そのソフトウェアは、機載である。地上処理ではない。

 モードは2つ。高解像度のスチル写真を合成開口レーダーで撮影する。
 もうひとつは、動いている人間をリアルタイム動画で捉え、その人物の位置をスクリーン上で強調してくれる。このモードでは、動くものならば、車両や動物や舟艇でも探知。
 レーダーの反射波に、ドップラー・シフトが生ずるので、動くものだけ、区別ができるのだ。※てことはノロノロと這って動けば見つからないわけだな。また、高反射形状の、その場で自転する「案山子」や、電動車椅子をたくさん放てば、囮となるわけだな。

 UAVがとらえたイメージは、地上に転送され、地上でモニターできる。その画像はモノクロだが、動く物については、ドットが画面にインポーズされて識別を助ける。

 VADER system はヘルファイアとほぼ同サイズのポッドに納まっている。
 つまり長さ約 5 feet だ。
 陸軍の Warrior UAV が吊下することができる。ウォリアは長さ 28-footで、ウィングスパンは 56-foot である。

 Special operations forces は、こいつを Hummingbird 無人ヘリ でも運用させたいと思っている。ハミングバードは滑走路は要らないのだが、燃費は良くないので、滞空時間はウォリアの半分だ。

 アフガンにおけるIEDの数は、2009-3には429個が報告されたが、2010-3には989個である。つまり増える一方。

 次。
 NYTに PAUL THEROUX 氏が2010-4-24に寄稿している「Troop Therapy」という記事。
 ボーイスカウトのリーダーが少年たちに対する性犯罪で摘発されたが、ボーイスカウト団体は基本的に良いものであり、宣伝したい。
 オレはボストン郊外のオタク少年だったが、リトルリーグなんぞには脇目もふらず、ボーイスカウト活動にいそしみ、いまではマッチョマンでライフセーバーの実績だってあるぜ。
 伝統的に、ホモセクシュアルと無神論は、ボーイスカウトでは禁止だった。 しかしそのような人々もとっくにメンバーになっていたのである。
 世の中には、11歳のホモ少年だっているんだ。差別しないでいれてやれ。

 米国では、ボーイスカウト団体は、少年たちに野外で銃(.22口径のライフルらしい)を撃たせてくれ、火を起こさせてくれ、夜営もさせてくれる。
 ここに入ると自然にネイティヴ・アメリカンを尊敬するようにもなる。

25日は「読書余論」の配信日です。

 米国の失業も深刻らしい。
 Steven Gray 記者による2010-4-24記事「Fixing Detroit: A Laboratory for Saving America's Cities?」。
 デトロイトは米国で11番目に大きい街だが、予算の逼迫のため、この夏には公立学校の1/4を閉鎖する。

 ※学校の先生が失業すると、中産階層の崩壊とか騒がれそうだが、インターネット授業で代替できるような内容が多すぎるだろ。

 次。
 ストラテジーペイジの2010-4-20の無署名記事「Wonder Watch For Snipers」。
 弾道計算機つきデジタル腕時計が発売されたよ。
  "5.11 Field Ops Watch"という名で、値段は $240 だ。
 電池は1年以上もつ。
 ハンター向け商品だが、

 2009から米陸軍と海兵隊は、携帯型弾道計算機を供給。
 重さ 17 ounce のTrimble PDA type device で、ソフトは Horus Vision 製。値段は2000ドル。
 距離2000m以上での狙撃を可能にしてくれるものだ。
 Blue Tooth と WiFi も対応。
 使用する狙撃銃の型、的速計測、距離計測、風速などを反映して計算してくれる。
 前のデータも保存できる。
 The marines have ordered 1152, and the army 6500.

 だが多くの狙撃手はすでに個人で市販品を調達していた。
 たとえば a commercial PDA に CheyTac ballistic software を入れたもの。
 こいつは、Kestrel 4000 という、wind/temperature/atmospheric pressure sensorsを PDAにつなげて使う。
 これを使えば、人間くらいの面積の標的ならば2000mでの命中を期すことができる。
 銃につける照準スコープが、光学のみの非電気式であっても、対応する。

 もっと経済的な方法もある。わずか12ドルの BulletFlight software を、ショップで iPhone に入れてもらうのだ。そして狙撃銃のrail〔スコープなどを後付けできるマウント〕には25ドルの専用計測器を取り付ける。すると、こいつが、wind, temperature, humidity, altitude and barometric pressureを勝手に計測して入力してくれる。50ドルの iPod 専用保護ケース、それから150ドルの iPod Touch (8 gigabyte version)も必要だ。液晶画面に、キミの銃のスコープの目盛りをいくつ変更すればよいかが、表示される。ただし、キミの銃の型、それから発射する弾丸の重量は、前もってキミが入力せねばならない。

  iPod Touch の screen は輝度を最低に調節できるから、暗夜にキミが浮かび上がってしまう心配は少ない。300m以上離れた敵からはまず見えないだろう。※これは甘いね。敵もノクトビジョン付き双眼鏡ぐらい使うだろう。

 イラクやアフガンの米兵のために、IPods で使える言語翻訳ソフトもつくられている。

 次。
 ストラテジーページの2010-4-24記事「Pilots Shot Down By F-35s」。
 デンマークはジェット戦闘機のパイロットを新規に訓練することをやめてしまった。
 米国で訓練を受けるはずだった12名が、すでに職種転換。
 なんとなれば、48機のF-16を30機まで減らすことになったので。

 またデンマークの周りには特別脅威を感ずる隣国がないので、F-35でリプレイスするときには更に機数を減らしたい。
 戦闘機パイロットは、育てるのに5年かかる。その訓練費用は1人につき数百万ドル。

 F-35は自重27トンで、武装は、25ミリ機関砲と、機体内に収納される4発の空対空ミサイル(またはAAM×2+爆弾×2)。加えて、機外には4発の爆弾+2発のAAMも余計に吊るせる。兵装は総計で6.8トンまで。機外兵装がゼロの状態でのステルス性は高い。

 開発コストは当初見込みの3倍になっている。この調子だと、ぜんぶで5000機を製造すると考えた場合の単機のコストは、嵩んだ開発コストが均分で上乗せされるとして、$130 million になるだろう。

 総生産機数の6割が米国以外のユーザーへ売られるはずであったが、これほど単価が上昇しては、買わぬという国も出てくるだろう。
 イラクとアフガンでハッキリしたことは、精密誘導爆弾が進歩すればするほど、必要な飛行機の機数は減って行くということ。

 ※オランダとベルギーは小国ながらも過去の被侵略の歴史が重いのでF-16/F-35から「B61」水爆を運用するオプションは捨てられない。しかしデンマークやノルウェーなどになると、もう予測し得る将来、どこかの国から侵略されることなんてないと高をくくっているので、F-35の調達を止め、F-16の定数も減らす可能性があるでしょう。こんな調子で外国がF-35を買う機数を減らしていけば、その分、いま暴騰中の開発コストの上乗せ分担は、新参バイヤーの日本が肩代わりをせねばならなくなります。すると1機のF-35は、駆逐艦1隻よりも高額になってしまうでしょう。日本の空自のF-4の更新は、中古の米軍F-16のリース(プラス、リーパー級UAVの模倣コピー)でも十分すぎるくらいです。

 次。
 Noah Shachtman 記者の2010-4-23記事「Obama Revives Rumsfeld’s Missile Scheme, Risks Nuke War」。デンジャールーム。

 通常弾頭の戦略弾道ミサイルは、ラムズフェルド時代に発案されたものだが、こんなものをつくったらWWIIIではないか? なぜならその発射はロシアやシナからみて、ホンモノの核弾頭付き弾道弾と区別がつかないからだ。

 ※分かってませんねこの人は。だからこそ「De-MIRV」(全ICBMの単弾頭化)を米国だけが率先してやりますよとニュークリアポスチュアリビューで約束しているんじゃないか。その検証方法は新条約のプロトコルを読めば分かるが、ロシア人を十分に安心させるものである。米国の(直前に検証済みの)サイロからICBMがイランに向けて1基発射されてロシアの上を飛び越しても、それは単弾頭なのだから、ロシアは焦って反応する必要はない。

 この構想、ブッシュ(子)政権が何度も予算要求し、そのたびに議会が予算を拒否してきたという来歴がある。

 ただし、ラムズフェルドは、通常弾頭の運搬手段としてSLBMを使うことを提唱していたのだが、オバマ政権の“Prompt Global Strike” plan は、ICBMに切り替えた。※技術的にトライデントで不可能だからではなく、米国SLBMは基本MIRVな上に、一部を単弾頭化したり通常弾頭化してもそれをロシア人に信じさせることが難しいから、偶発核戦争の引き金になりかねないと判断されたのでしょう。精度的にはトライデントで十分なのです。

 次。
 TOBIN HARSHAW 記者の2010-4-23記事「Will Wall Street Be Saved by Porn?」。
 ワシントンのSECで金融機能の崩壊を阻止するための重大な責務と強大な捜査権をもたされている最上級職員が、1日に8時間もポルノサイトを閲覧し、ダウンロードに励んでいた。
 彼は、HDの空きスペースがなくなってしまうと、CDやDVDに焼くようになり、そのディスクが彼のオフィスの段ボール箱をいくつも満たしていた。
 ※高画質動画ならともかくも、スチルでHD一杯って、あり得るか? 要するに1点1点を選ばずに、サイト全部まるごとを片端から保存していたということなのか?

 この職員、画像検索に Google images を使っていたのだが、Sex とか Pornography という単語が入っているウェブサイトはSECの設定したフィルターで自動的に弾かれてしまうので(月に16000回の彼のアクセスがその機能によって弾かれていたという)、very graphic〔これは血みどろショッキング映像によく使われる形容詞〕と呼び換えて韜晦しようとしていた。

 ※なるほど、このフィルターがあるから、ひとつのエロサイトから別なフレンドリーなエロサイトへ、リンクでホッピングしていくブラウジングは不可能だったのか? だとすれば、ますます驚異的な忍耐力or集中力と評すしかない。

 この職員は14日間の停職中。
 SECには彼のクラスの高級局員は17人居り、その年俸は、 $222,418 である。

 以下、それについての読者の声。
 SEC職員を全員女にすれば解決さ。
 APによると、過去数年で、33人のSEC職員のポルノ閲覧疑惑の捜査があったらしい。
 こうした不良公務員を、米国政府はクビにすることはできず、ただ退職を促すことができるだけのようだ。

鎖鎌の謎について知りたき人は本日、都内の大書店に赴くべし。

 光人社NF文庫『地獄のⅩ島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』は、今日あたりから都内書店の文庫コーナーに出ます。その最終章「忍者道具で戦争に勝てたか?」は、鎖鎌に関する薀蓄を傾け尽くしたものです。

 それにしても江戸の大名は南蛮から吹矢を輸入しているのに、どうして「ファイアー・ピストン」は輸入しなかったのだろう? 吹矢の筒を切削加工する過程で、ファイアー・ピストン(=ディーゼル・エンジン式点火具)の原理は必ず発見されたはずなのに……。

 次。
 KATE BRANNEN 記者が2010-4-23に載っけている記事「U.S. Army Asks to Cancel NLOS-LS」。
  Non-Line of Sight Launch System が、とうとう、評価の結果として、キャンセルされた。 Future Combat Systems programの一部として、 Raytheon and Lockheed MartinのJV会社が担当していた。
 このミサイルはNavy's Littoral Combat Shipにも搭載が見込まれていた。

 2010-1-26~2-5の実射テストが悪い成績だった。6回のうち4回が外れた。
 これを改善させるためにさらに予算をつける(その場合、開発期間は1年以上延び、旅団戦闘団の近代化スケジュールに間に合わない)か、計画中止かを決める必要があった。

 陸軍の2011予算要求によれば、 Precision Attack Missile は1発 $466,000もする。レイセオンは3月、この単価を量産によって $198,000 に下げられると訴えていた。陸軍は 9,942 発を調達したかった。

 「高すぎますね」と Lt. Gen. Robert Lennox は4-15の上院 Armed Services air and land forces 小委員会で、議員の質問に答えた。

 米陸軍は、前線からの要求に即座に応じて車両上から発射し、目視できない位置にいる敵を、全天候下で撃破できるような弾薬を求めている。

 次。
 Jason Paur 記者による2010-4-23記事「Air Force Launches Secretive Space Plane; ‘We Don’t Know When It’s Coming Back’」。
 スペースシャトルをひきつぐ、すごい宇宙兵器がケープカナベラルからテスト打ち上げされた。

  Atlas V の頭部には、Air Force’s unmanned and reusable X-37B が。こいつは半世紀もかけて開発された。詳細はまったく明かされていない。

 空軍は X-37B はspace weaponではないし、 space-based drone to be used for spying or delivering weapons from orbit と釈明しているが。

  全長29 feet の X-37B は、Sシャトルのざっと1/4である。
 電池とsolar arrays〔ガリウム砒素らしい〕 を搭載しているので、軌道上で最長9ヶ月〔アレス・ブログによれば270日〕、作戦できる。

 Vandenberg Air Force Base in Californiaに自動着陸するのではないか。

  X-37 は SR-71みたいな一つの仕事しかできないものとは違う。
  ボーイングの Phantom Works が1990年代半ばに、NASA向けに設計。シャトルによっても打ち上げ得る、という構想だった。※マトリョーシカだね。
 それが2004に米軍に計画が移管された。

  前史あり。1960sに Air Force and Boeing は X-20 Dyna-Soar space planeを企画した。テスパイは Neil Armstrongだった。が 1963にキャンセルされた。

 従来の人工衛星よりも即応的に、かつ機動的に打ち上げて、重要関心箇所を偵察させることができる。※旧ソ連のコスモス偵察機みたいに早上げ可能というわけか。あきらかにイラン用だな。衛星よりもさらに低い高度を選べるからカメラは小さくて可い。しかも衛星と違って、空力機動を使えば、着陸前の最後の周回でもう一度、同じ上空を通ることもできるかもしれぬ。そして、ディエゴガルシアに着陸……。

 耐熱タイルは新世代のものを使用。
 最終的には、帰還から再打ち上げまでのインターバルを15日にまで短縮したい。
 2機目の X-37B は2011打ち上げ予定。

 ※アレス・ブログによれば、この打ち上げの1時間前に DARPAが HTV-2 を打ち上げ、マッハ20で大気圏を飛行させ、太平洋に降着させた。こっちは偵察用ではなく、地球の裏側を大急ぎで攻撃するための兵器らしい。次回テストは2011という。

 次。
 Jason Paur 記者が2010-4-22に載っけている記事「Navy Converts Biofuel Into Noise to Celebrate Earth Day」。
  22日にカメリナ由来のバイオ燃料をJP-5に半分混ぜた無改造のスーパーホーネットが45分飛んだが、6月までにこの種のテストがあと14回予定されている。そのなかには、バイオ燃料による初の超音速飛行も含まれる。

 3月に空軍は1機の A-10 を Eglin Air Force Base から飛ばした。その燃料は Camelina based biofuel と traditional jet fuelの混合である。※こっちは、JP-8ではなく「Jet A1」と混ぜたのか?

  F/A-18 E and F models にもこの blended biofuelsを試す。
 2009に Navy Secretary の Ray Mabus は計画公表。1空母艦隊を2012までにバイオ燃料でlocal operations に投入。さらに2016までには fully operational にする、と。

 次。
 Jeremy Hsu 記者が2010-4-23にまとめた記事「100-Year-Old Trick Squeezes Fiber Optic Speeds from Copper Wires」。
 2/3マイルまでの距離なら、銅線の電話線によっても DSL speeds を100 megabits per second (Mbps) にできることが立証された。
 これは光ファイバー・ケーブルの 50 Mbps speeds を凌ぐ。
 10年以内には、距離の制約もとれる見込み。

 基本原理は1886にJohn J. Carty(のちAT&T副社長)が提唱した。
 電話線は、「往き」と「帰り」の2本撚り線で1組である。
 カーティは、この撚り線の2組、すなわち計4本の線を駆使すれば、そこに三番目の信号を乗せてやることができると考えたのだ。すなわち1組を2本とも「往き」に、もう1組を2本とも「帰り」に使えば、区別ができようから。

  DSL vectoring というノイズ消しの技術も有用。
 複数本の銅線を bonding して単線のように用い、 bandwidth を拡充する技法も併用する。

この月末の泥棒対策には『予言 日支宗教戦争』をどうぞ。

  Kent Harris記者の2010-4-23記事「Ash has lingering effects on AF jets」。
  英国の Lakenheath基地の米空軍のF-15が8日間の地上待機をやめて22日に飛行再開。
 脅威だった高高度の灰が薄らいだため。
 しかし英国 Mildenhall の KC-135 はまだ飛行再開できていない。

 在独の Ramstein and Spangdahlem air basesでも22日に正常化。ただしアフガンやイラクとの往復フライトが多い Ramsteinでは、まだスペイン経由を選ぶこと多し。23日にはこれも元に戻す。
 Spangdahlem では A-10 and F-16 の training sorties を実施。

 F-16s at Aviano も22日夕方に飛行再開。

  Ramstein, Sembach and Kapaun 基地では、そこからの差出し郵便物を26日まで受け付けない。再開で大混雑のため。
 雑誌や電気商品のような雑貨はふだんから船便で米本土から欧州の基地へ送られている。

 次。
 サイエンスデイリーの2010-4-21記事「Researchers Create 'Sound Bullets': Highly Focused Acoustic Pulses Could Be Used as Sonic Scalpels and More」。
 音の弾丸ともいうべき、強力な音のパルスを物質中の一点へ精密集中させられる、非線形の音のレンズを大学の研究室がつくったよ。
 これは医療診断や非破壊検査に使える。
 レンズは21列×21行の、巾9.5ミリのステンレス球などから構成されている。
 Newton's cradle という科学オモチャがある。横一線に相接するように並べて吊るした球列の端末に、振り子球の打撃を加えれば、列の反対側端末の球が弾かれて振り子式に横へ飛び出す。

 この仕組みを応用すると、 Solitary waves 、つまり後続波がともなわない、冒頭の振幅1往復だけで切断された音を発生させることができる。
 これは音の歪みを起こさせずに、きれいな波形のまま、強力に増幅させやすい。

 このような球列装置多数を、空間のある一点に収束する如く照準し、発生させた音が同時にその一点に届くようにする。

 将来、この集中音のパルスによって、人体の深いところの癌細胞を、非侵襲的に、外部から狙い撃ちに破壊できるようになる。※いま既にある結石破壊装置を、より研ぎ澄まそうというわけか。

 特定の細胞を高温化してやるという hyperthermia therapy 治療法にも、将来は、この音パルス集中銃を用いることができよう。この音はかなりのエネルギーを伝達でき、しかも極精密照準可能だから、隣接の健康細胞に対するコラテラル・ダメージはゼロなのだ。

 橋梁、船舶、航空機の構造に微小なヒビが入っていないか、非破壊的に検査するのにも使える。※X線よりは気易そうだ。

 次。
 ミリテクのStaff Writersによる2010-4-22記事「Boeing Team Supports Upcoming Biofuel-Powered Flight Of US Navy FA-18」。
 4-22は米国の「アース・デイ」なのて、海軍がデモする。
 メリーランドの Naval Air Station Patuxent River からはF-18が、カメリナ油とJP-5を半々に混ぜたバイオ燃料で飛んでみせる。

 ボーイングはまた、5機の民航機、4種のエンジンでも、バイオ燃料を試す。

 次。
 ストラテジー・ペイジの2010-4-22無署名記事「Why Leakers Are Never Identified」。
 米首都では、ほんらい秘密であるべき話をリークして報道をさせるという流儀は1900頃からみられる。
 そのうち6割は、「誰が違法なリークをしたのだ?」と捜査が始められることすらない。
 1995以降、リークをした廉で訴追にまで至っているのは、タッタの2件のみである。

 次。
 ストラテジーペイジの2010-4-22無署名記事「Troops Prefer Radio Shack」。
 4年前、国防総省は 135,000 portable GPS receivers を支給していた。いま、その数は over 200,000個 だが、将兵は依然として民用のGPSの方を選好している。
 歩兵にとっては、軽い方が有り難い。電池も民間機の方が長くもつ。

 過去4年で、米陸軍は、10万台以上の、 early 1990sから使っていた PLGR GPS 受信機を、新しい $2,300 するDAGR (Defense Advanced Global Positioning System Receiver) によって更新してきた。この新型の重さは、0.45 kgあるが、ちょうど a standard two-clip ammo pouch の中に入れておける寸法 (16.5×8.7×4cm)なのである。

  DAGR は、初回の現在地割り出しを、スイッチを入れてから60秒以内にしてくれる。バッテリーは12時間連続使用可能。

 もちろんアンチ・ジャミング機能あり。Precise Positioning Service (PPS)が使えるので。
 ただしイラクでもアフガンでも、歩兵がGPSジャミングされた例は一件も報告されていない。だから、兵隊たちは、もっと軽い市販品を携行し、DAGRは兵舎に置き去りにして出る。

 DAGR のディスプレイは 43×58mm である。
 nearly 40 inches of waterの耐水。

 陸軍は25万個の DAGRを発注したが、まだ古い PLGR も車載用としては役に立つ。米陸軍は、国外で作戦中のすべての車両に、GPS装置を載せる意向。
 1990~91の湾岸戦争が、米陸軍のGPSの使い始めだった。まだコンステレーションが完成していなかったため、夕刻の数時間はダメだったが、それ以外では、ハンディ受信機でも25m精度を得られた。
 砂漠ではこいつが命を救った。用意された地図は不正確で、しばしば兵隊を一層混乱させるだけであった。
 当時の装置は、SLGR (Small, Lightweight GPS Receiver, or "Slugger") と呼ばれた。最も軽いものでも1kg近くあった。
 1991-2末までに、Some 4,500 GPS が湾岸の将兵に支給されている。そのときでも将兵は、市販の民用機を数百個、買っていた(親が買って送ったものもあり)。それは1台 $4,000 もしたのだが。

 2000年にはGPSの市販品は数百ドルになっていた。そして今では携帯電話の中に入っている。

 次。2010-4-22記事「Third Attempt To Replace The M-109」。
 半世紀使っているM-109自走155ミリ砲のリプレイスとして米陸軍は、 XM1203 NLOS-C を考えていたがこれは2009にキャンセルされた。
 今、検討されているのは PIM (Paladin Integrated Management program)だ。
 要するに、900両ある M109 Paladin self-propelled 155mm howitzersを、概略同じもののままアップグレードし、新造してもらったそのマイナーチェンジ品を、これから数十年、使おうというのだ。
 ただし、シャシには、 M-2 Bradley infantry vehicleを流用する。
 a new engine control system も採用する。

 また、XM1203 の半自動ランマー&閉鎖機も採用する。
 ただし自動装填にはしない。つまり砲側員は、装薬と90ポンドの砲弾を、あいかわらず腕力で取り扱う必要がある。
 ランマーさえ自動化すれば、人力で桿を押し込むのとは違って、薬室内の装薬の位置が、毎回、寸分たがわずピタリと同一になるので、燃焼特性がバラつかない。よって、精密修正狙撃が可能になるのである。

  NLOS-C は、8種類の戦闘車両をファミリー化する試みの第一号となるはずだったが、 FCS (Future Combat System) program そのものが議会にアピールせず、2009にキャンセルされてしまった。
 7年前の2002に、Crusader SPがキャンセルされたあと、半年で急いでツギハギ細工されたのが、 NLOS-C だったのだが……。
 クルセダーはM1戦車と同じエンジンを使い、自重45トンで全自動装填という贅沢なものであった。※これがラムズフェルドに拒否されたことでシンセキ陸軍参謀長の現役キャリアは終わり、退役軍人庁に転出した。

 初期試作のNLOS-C は Crusaderの autoloader を転用する予定だった。また hybrid-electric engine を使う予定だった。自重23トンで、たった2名によって乗り回される。(M-109は5名である。)
 しかしイラクの現実から防護力を強化した最終バージョンは、自重27 tonsに増えてしまった。
 車内には155ミリ砲弾×24発が即応分としてあり。

 2名でいったいどうやってメンテナンスや、24時間警備や休憩をするのか?
 これを解決するために、1両のXM1203自走砲に、複数個のチームを、車付兵として割当てる方式が考えられた。ここ数年、空軍のほとんどの飛行機と、海軍の一部の艦艇でも、この方式を導入して、24時間×1週間の不眠不休の連続作戦を可能にしているのだ。
 PIM は乗員4名となる

 NLOS-C は、GPS guided Excalibur shell が無意味化したのである。
 この魔法の砲弾は2年前から導入され、砲兵のすべてを変えてしまった。
 なにしろ、いままでの砲弾準備量の1~2割で、戦争ができるようになったのだ。

 対テロ作戦では、そもそも M-109 にすら出番は少ない。重宝しているのは、牽引式の軽量な M777 である。もちろん、 Excalibur shellを使う。

 PIM は数ヵ月後に試射を行なう。調達は 400 両以上だろう。 Excalibur shellのおかげで、古い M-109も寿命が延びるだろう。

 次。
 ナショナル・ディフェンスの2010-5月号、Grace V. Jean 記者の記事「Improvements to Discontinued Humvees May Last Another 20 Years 」。
   デビューから25年。 humvee は、その座席底鈑がフラットでIEDの爆圧に対して構造的に弱すぎるため、ますます兵隊から見捨てられつつあり。とはいえ数が厖大すぎて、すぐに装甲車では更新できない。

 そこで陸軍と海兵隊は、こいつが装甲車JLTVで完全更新されるまでのあと20年は、装甲強化で凌ぐつもり。

 ただしボルトで後付けする増加装甲は断りたい。重くなって走れなくなるのだ。
 海兵隊が、V字形断面の底板にしたものを、アバディーンでテストさせている最中だ。※アーチ・ダムと同じ理屈で、力の来る方へ彎曲していれば、面が凹ませられずに済む。「爆圧を逸らす」効果もある。確か1960年代のM48中戦車は、舟底型のhullではなかったか?

 V字底にして全体をモノコックのカプセルにする。これが軽量化と耐IEDを両立させるすぐれた方法である。ハンビーもこれにしなければならない。

 陸軍は、15万台の humvees をもっている。製造はインディアナに本社がある AM Generalだ。
 1/3は装甲が強化されている。
 1/3=6万台はrecapitalization待ち。※長期酷使後の大修理のことらしい。
 1/3は、経済的に使用できる限界寿命とされていた15年を超えている。

 陸軍は2011までに、新車の humvees の調達を打ち切る。

 fiscal year 2011 contingency operations budget の中で米陸軍はハンビーのrecapitalization用として $989 million を要求している。

 カプセル化は、同時に、燃料系を乗員区画と完全に分離する設計にできる。つまり、爆発で火災が生じても、乗員は焼き殺されない。
 最近のハンヴィーはアルミ・ボディである。※知らんかった……。
 溶接鋼板のモノコックなら、横転したときも潰れない。
 バッテリーも、カプセルの外(リア)に取り付ける。
 ディフェレンシャル・ギアなどのパワートレインが装甲で覆われることが放熱に悪影響を及ぼさないか、アバディーンで確認中。

 海兵隊は2020までに 25,000台の humvees を要求。
  5,500 両のJLTVsも買うが。

高田純先生、『核と刀』をご恵贈くださり有り難うございました。

 Jennifer Svan and Kent Harris記者による星条旗新聞の記事「Military resumes Europe flight operations」。
  アイスランドの灰を避けるため、欧州の米軍機は Naval Station Rota and Moron Air Base in Spain を南回り迂回路基地として利用している。
 ブルガリアでは今週から演習が始まるのだが……。
 Spangdahlem Air Base in Germany planned では米空軍は21日に2機の A-10 をとばしてテストをするつもり。
 northern Italyにある  F-16s at Aviano Air Base は20日から飛行再開。 英国の Lakenheath and Mildenhall はまだダメである。

 次。
 2010-4-20の記事「Gates Blasts Defense Export-Control Infrastructure, Vows to Streamline」。
 できれば武器輸出は、 a single licensing agency に決めさせるようにしたい。※これを日本でやろうとすれば、MDで省益利権を拡大できた外務省が猛反対してすぐ潰すだろうね。

 それは重要技術を敵国はもちろん同盟国にも渡さずに米国の優越を維持するためにも必要なのだ。

 ちょっと前の実例だが、英軍所有のC-17がオーストラリアで何時間も足止めされたことがあった。というのはオーストラリア軍がC-17を修理するためにはまず米国にその許可をとってからでなければいけないと米国の法律が定めていたからだ。
 英や濠のような、米国にとってのすぐれた同盟国に、なんでそんな面倒な規制をかける必要があるんだ? ――とゲイツ。

 次。
 Noah Shachtman 記者の2010-4-19記事「Seeing Tongue, Spray-On Skin, Transplanted Hand: Top Officer Encounters Military’s Extreme Medicine Wing」。
 傷痍軍人に対する再生治療の最前線がすごいことになっている。

 スプレー・ガンで幹細胞や表皮復活元種細胞の溶液を噴霧すれば、腕一本分の火傷跡も再生する。

 1950年代に海軍で両眼を失明していたシュルツ老人は、サングラス型の集光メガネからのデジタル信号を脳の視覚領野まで特殊な回線で接続するという手術により、このたび、おぼろげな視力を復活した。明暗や、セメントと煉瓦の違い、芝生と舗装道路の違いならば、識別ができるようになった。

 2007にイラクで訓練中に右腕を失った兵隊に、 a cadaver【解剖用の死体】からとった右腕をくっつけたら、治ったぜ! ※フランケンシュタインかよ!
 これにはとうぜん、免疫抑制剤カクテルの投薬が必要である。9ヶ月にして、患者マロニーは、TVゲーム機をいじれるまでに復活した。

正誤表

 NF文庫版『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』のミスプリがいくつか発見されました。

○394ページ、6行目
 地雷の振動ではなく、空中を伝わる音
  ↓
 地面の振動ではなく、空中を伝わる音


○126ページ、うしろから2行目
 ところがら
  ↓
 ところから


 ―――以上、訂正してお詫びします。

 次。
 Nathan Hodge記者の2010-4-20記事「As Volcanic Cloud Drifts, Air Force Medical Flights Continue」。
 Air Mobility Command いわく、 top-priority aeromedical evacuation missions on C-17 Globemaster IIIs は1便も阻止されていない、と。
 毎日1便、患者を米国に運んでいる。
 米空軍の空中給油機は、拠点をドイツからスペインに移した。

 次。
 Nathan Hodge記者の2010-4-19記事「Volcanic Cloud Disrupts Military Operations」。
 灰の影響は英国内の飛行基地が深刻で、米軍人のための郵便が遅配になっている。
  Afghanistan or Iraq の負傷兵はいままで Landstuhl Regional Medical Center in Germany に空輸していたが、北米へ直行させる。
 これは空中給油が必要なフライトになる。

 次。
 Jeremy Hsu記者の2010-4-19記事「 South Korea Developing Underwater Search-and-Rescue Robot Crawlers」。
 レスキューやサルベージ用に2016 までにつくる。海底を数マイル歩く。
 これに対する韓国政府の出費は5年間で $18 million になる。

 6本足での歩行スピードは、 98 feet per second であり、泳ぐ速度は 59 feet per second である。※???
 海面下3.7マイルの海底を歩ける。
 浅海用は2012に、深海用は2015にできる。
 黄海は黄河の泥のために視界が悪いので捜索はソナーに頼るしかない。

 なお、米国の水中ロボットグライダーは2009末に大西洋を無人で潜水横断している。

 次。
 Jeremy Hsu記者の2010-4-19記事「 Congress to Address Helium-3 Shortage Hurting Scientific Research and Nuclear Security」。
 プルトニウム密輸を探知する機器のための中性子源として、あるいは、極低温をつくりだすための helium-3 需要が急増し、ついに払底。
 いままでの貯蔵は、水爆に不可欠なトリチウム(放射性の水素である)の崩壊時に得られていた。
 ところが、冷戦が終わったように見えた1988をもって米国でのトリチウム=水爆原料の製造も、また終わってしまっているわけだ。
 核物質探知機の代用物資としては lithium and boron が可能だが、感度は helium-3 より落ちる。
 そこで米政府は2003から、核兵器級のトリチウムの製造を1民間核工場にさせていた。オバマの2010予算では、これとは別に、Tennessee Valley Authority 社にも、トリチウムを新たに量産させようとする。

ディーゼル・エンジン搭載のプロペラ旅客機が復活するぞ!

 アイスランド噴火から数日経つが、どうしてジェット機が欠航せねばならないのか、スッキリと理解できる記事を見かけぬ。どの記事も隔靴掻痒の感がある。どうやらじつは Nobody Knows Nothing なのかとワシにも分かってきたよ。
 特に〈機体に灰が積もるからまずい〉とか余計なことを書いている記事。おいっ、だったら砂塵だらけの田舎国や、ゴビ砂漠から来る黄砂の中は、飛行機は飛べないじゃないか。

 レシプロ機なら大丈夫なのか? ――についても明快な解説が欲しいところだ。おそらくフィルターの性能次第では飛べるはずだ。ピトー管にも詰まりそうなのが怖いけどね。

 アイスランドの噴火がもっと長期化した場合は、ひょっとすると「ディーゼル旅客機」が、復活するかもしれません。そういう話に興味のある人は並木書房の『もはやSFではない 無人機とロボット兵器』の第一章と第三章を読んでください。

 まず、ポピュラーサイエンスにClay Dillow記者が2010-4-19に載せた記事「 Why Can't Planes Fly Through Volcanic Ash? NASA Found Out the Hard Way」から。

 フィンランド空軍の F-16s が大気状態を観測するために飛んでいるところだが……。
 じつは過去にNASAが偶然に得たデータがある。
 2000-2のことだ。1機のNASA のDC-8がスウェーデンに向かっていた。と、アイスランドの Hekla火山の噴火ガス中に突っ込んでしまった。
 操縦席からはガスなどは視認できず、機体の調子も悪くなく着陸した。ところが地上でエンジンを点検して驚いた。

 タービン・エンジンのファン・ブレードが、丸鑿で掘り取られたようになっていた。 
 冷却部品は、煤のような乾燥粉末の泥べたの凝結によって詰まってしまった。複雑な機械内部はシリカ質のガラスでコーティングされてしまっていた。

 そして飛行中のデータ・レコードを見たら、エンジンは華氏2000度近い高温に達していたことが判明。The in-flight data showed that the engine hit nearly 2,000 degrees Fahrenheit, enough to melt silicate rocks. 〔高度1万mで灰そのものが熱かったのか、灰がブレードの小さな冷気孔を塞いでエンジンのクーリングが悪くなったのか、この原文の書き方だと、分からぬ。高速回転のブレードに衝突し、コンプレッスされ、燃焼に巻き込まれたことで、初めて高温となってガラス化したのではないのか?〕

 だからシリカ鉱物質が溶けたのも不思議はないのだ。
 幸運にも、このDC-8は、熱い灰を比較的に少しだけ、かぶったのだ。だからエンジンの部品がサンドブラストで磨かれたようになって、一時的に気流の通り抜けが良くなり、ターボチャージ状態となった。〔ブレードの冷気孔が削られて拡大したということか? それを譬えるのならば、インタークーラーと言うべきじゃないのか? ディロウ君、もしかしてキミは自分でも理解できぬまま解説記事を書いているのでは? 本当に灰は、熱い状態で浮遊していたのか?〕

 だがもうちょっと多めにかぶっていたら、高度3万フィートでの深刻なエンジン停止に見舞われたろう。
 hot ash plumes はパイロットには目視できないために、飛行は危険なのだ。
 ※もし空中の灰そのものが最初から熱いのだとしたら、IR前方センサーで探知できることになる。ランターンのような警報センサーを搭載した軍用機ならば、遠くから熱灰塵を見て避けられることになるのか???

 次。
 サイエンスデイリーの2010-4-18記事「Volcanic Eruption in Iceland Unlikely to Have Global Effects」。

 University of Colorado at Boulder の atmospheric scientist の Toon先生は、2000にNASA機が Hekla山爆発の雲中を飛行してタービンがひどいことになっちまったときの調査に加わっていた。そのときはエンジン交換のためにseveral million dollarsがかかったそうである。

 シリカ系および玄武岩質のガラスを含む噴雲がちょうど国際線の高度である3万フィートに達しているのが痛い。
 ゴミは雨が降れば大気中からは除去される。成層圏まで達してしまうと雨では除去できなくなる。※つまり赤道近くの火山の噴火だったら熱帯積乱雲の強力な上昇力が加わるので灰が成層圏まで達して地球気象にとって長期の影響があり得たわけだな。

 噴火ガスに鉱物質が大量にまざっているわけは、シャンペンのコルクを抜いたときのように溶岩の上昇中に気泡が生まれ、それが地表ではじけたときに細かな粒子が飛び散って、そのまま大気中へ吸い上げられるのである。

 NASA's Aura satellite を見る限り、今回の二酸化硫黄の量は今のところ大した脅威ではない。

 ベンジャミン・フランクリンは1783のアイスランド噴火について書き残している。欧州は夏中、ロンドンのスモッグ状態になった、と。

 次。
 APのAviation WriterであるSLOBODAN LEKIC記者が2010-4-19に載っけている「NATO: F-16 fighters damaged by volcanic ash」という記事。

 ある西側外交筋いわく、数機の NATO F-16 が噴火灰の中をパトロール飛行し、うち1機がエンジンにダメージを蒙った。
 どうやらベルギー空軍機らしい。
 4-15から連続5日間、欧州の民間航空は麻痺している。

 ジェット・エンジンのファン・ブレードにある微小な冷却孔を、そこで熔けたガラス質が塞ぐから、エンジンが過熱してしまう。※さすが航空記者。この解説こそが必要なのだ。灰そのものが熱いなんていうおかしな解説はしていない。

 NATOの幹部は太鼓判。アフガン作戦には無影響だ。
 NATO所属のE-3Aのうち2機は、ドイツの基地からイタリーに移って、そこから、いつものパトロールを続行中である。

 次。
 AFPのLORNE COOK記者が2010-4-19に載っけている記事「U.S. Official Warns Of Ash Damage To Military Equipment」。
  NATO chief Anders Fogh Rasmussen によると、1機のF-16が灰でエンジンをやられた。

 ガラス状となるのはエンジンを通過するときに高温になるからである。Ash from volcanoes can be turned into a glass form at high temperatures when it passes through a jet engine ※この記者も適切に解説している。亜音速飛行ならば、機体表面を熔けたガラス質が〈コーティング〉するようなことはないのだろう。だが超音速飛行をすれば、主翼前縁はかなり熱い筈だ。

 two AWACS radar planes を Germanyから late last week に Sicilyへ移動させた。

 NATOはまた、アフガンへ兵員や危険物を空輸するための上空通過の許可をロシアから得た。※もしも今、スコットランドにタリバンの拠点ができたら、NATOが使える対地攻撃用飛行機は、ガソリン・レシプロのプレデターだけってことか?

宇宙ニート5省

  嗜好に悖るなかりしか
  無職に恥ずるなかりしか
  気分に欠くるなかりしか
  惰性に憾みなかりしか
  自省に亘るなかりしか

 旧海軍兵学校5省(参考)
  至誠に悖るなかりしか
  言行に恥ずるなかりしか
  気力に欠くるなかりしか
  努力に憾みなかりしか
  不精に亘るなかりしか

 次。
 ポピュラーメカニックのDouglas Fox記者の日付不明記事「How Volcanic Ash Threatens Airplanes」。
 世界第三の貨物ハブ空港アンカレヂの風上100マイルには、Mount Redoubt 火山がある。
 1989-12にアラスカのこの火山が噴火。あわや大惨事が起きそうになったことあり。
 12-15のこと、KLM flight 867便 は、その Redoubt の噴火開始から90分後に、噴煙の雲に包まれた。それから60分後に、747の四基のエンジン全部がシャットダウンしてしまった。
 乗客245人とともに 13,000 ft 急降下したところで、なんとかエンジンの再始動に成功し、アンカレヂに緊急着陸したのであった。

 FDAは火山噴火から10マイル以内の飛行を規制している。
 北太平洋のアラスカからカムチャッカにかけて、162の活火山がある。

 赤外線センサーを積んだ人工衛星は、火山の下のマグマ溜まりの変化を探知できる。
 また、オゾンをモニターする Eos-Aura 衛星は、火山が噴き出す硫黄や二酸化炭素のガスを探知できる。
 また、 POES(= Polar Orbiting Environmental Satellites)も、火山灰の雲を見張ることができる。

 しかし、雲や、火山の吐き出す湯気が、衛星の観測を邪魔する。
 困ったことに、火山銀座であるアリューシャン近海は、年に300日は、雲りか霧なのだ。

 1970年代からこのかた、噴火の灰で飛行機のエンジンが止まった例は、8機が報告されている。
 最近では、2006に小型の調査用ジェット機がパプアニューギニア上空を飛んでいたとき。
 また1991の比島のピナトゥボ火山噴火では、2機の民間の「747旅客機」の、それぞれ1基のエンジンが止まってしまった。

 国際便にまで双発機が増えてきたこの頃、リスクは深刻になっている。
 四発機が、生きている1発だけで緊急着陸、という話すらよくあるからだ。
 2008には、アンカレジやアリューシャンを 557,000 flights が飛んだ。これは1990より21%増えた。

 知られている6例の、火山灰によるエンジン停止事故は、過去12ヶ月に集中して報告された。うち5機は、2008-3のチリの Chaiten 火山の噴火によるもの。うち3機はエンジンがダメージを受けた。1機は修理に $2.5 million もかかった。

 2009-8のアラスカの Kasatochi 噴火のあと、1機の民間旅客機が、カナダ上空で、客室の与圧が抜けるという事故を、2度、起こした。水滴に灰が溶け込んだ雲が犯人なのではないかと疑われ、調査中である。

《X島》の文庫本は443頁になりました。今週末発売だよ!

 マリタイムニューズの2010-4-16記事「NAVSEA Removes Fuel from Sunken WW II Era Ship」。
  米領サモアのパゴパゴ港に1949-10-7に沈んだ米軍艦『Chehalis (AOG-48)』の油槽内から油脂を抜き取る作業をすることに決定。
 同艦の沈没原因は、ガソリン・タンクの爆発であった。沈底深度は160フィート強。
 ※サモアがどうして半分米領なのかについては、既著の中で書いた気がする。……が、タイトルが思い出せん。

 同艦は Patapsco-class の gasoline tanker であった。
 艦内のタンクはいつくかに別れている。その揮発油の残留量だけでいまだに十分な環境への脅威たり得る。

 ※この記事では、舶用軽油を diesel fuel marine といい、舶用重油を black oil と呼び分けているのか、それとも、この両者は同じなのか……釈然とせぬ。当時、軽油を舶用に使ったとすれば、それは高速魚雷艇のための補給物資? いずれにせよ日本語表記の「揮発油」「灯油」「軽油」「重油」は、誤解混同の余地がぜんぜんないので、素晴らしいですわ。

 『Chehalis』内のディーゼル槽については、抜き取り作業は楽なのだ。hot tap法、つまりいきなり隔壁を切開してヴァルブをとりつけてポンプで吸い出せばいい。だが、中味がガソリンとなると、溶断作業が爆発を招きかねないことと、燃料油がホース内を移動したり、底の深い回収タンクへ落下する際に生ずる静電気の放電ででも爆発事故が起き得るため、難がある。

 吸出しホースの先をダイバーが船倉内に挿入する。ホースは常にアース放電されている。
 そして航洋型バージのタンク内に、落差数インチで回収するつもり。

 次。
 2010-4-18記事「Let Me In, Dammit」。
  早く入れろ、馬鹿野郎! いりちくり~!

 アフガンではようやく、 M-ATV (MRAP-All Terrain Vehicle) が普及してきた。しかし初陣につきものの「要改善」箇所もわかってきた。

 出入り口扉(側面に2箇所、後面に1箇所)のラッチが、外側から開けようとするとき、ときどき動かねえことがありやがる。

 この不具合によって死んだ兵隊はまだいないが。兵隊たちは、3つのうち、外から開くドアを探しもとめて、右往左往せねばならない。いくつかの部隊では、所属のM-ATVの半数以上にこの問題があるという。

 メーカーでは、すぐに修理します、と言っている。

 車内には収納スペースがなさすぎるので、電子器材で窓の視界が塞がれてしまう。

 FO(砲兵の前進観測所)用としては、操縦席の前と横の窓の面積が小さすぎるのは大問題。一目で広域を見回すことができないのだ。
 そこで機転の利くFO将校は、必要な電子端末類一式を前席から後席に移設してしまい、後席のより広い窓から観測をするようにしている。
 しかしほとんどのFOたちは、旧型だがいろいろと余裕がある MRAP をひきつづき選好することで問題を解決している。

  M-ATV は単価が $587,000で、重さは 15トン の 4×4である。独立懸架で不整地機動をしやすくしたのがウリである。
 底板は V shaped の装甲トラックだ。
Payload は 1.8 トンで、銃手を含めて5名の passengers を乗せられる。
 最高速度は 105 km/時。内部燃料タンクだけの路上航続距離は515kmである。ハンマーより、チョイおおきいクルマだ。

 道路を走らないことによりIEDを避けようというわけだが、アフガンの不整地は、装軌車すら、ヘタにころがすと履帯が脱落するくらいの、ひどいところだ。

 次。
 2010-4-15アップのこれまたミリタリー・コムの無署名記事「Swedes Screwed By Chinese」。
 シナ人に盗られたぜ、とスウェーデン人。
 このたび、 Swedish Bv206 all-terrain vehicle の完コピ品をシナ軍が臆面もなく公表した。

 救急車仕様としてあるが、いつでも本来の多用途仕様にできるもの。
 it looked just different enough to be a copy. China is infamous for the boldness with which it copies foreign military equipment designs.

 英海兵隊は何年も前から Bv206 を買ってアフガンへ持ち込んでいる。
 なにしろ道路がないという国なので、これは装軌車しかあんめえと結論を出したのだ。

  Bv206 は無装甲。そのかわり雪原や湿原でも、2.5トンを運べるのだ。より大型の BvS10 なら5トンを牽引できる。

 前後に2台の小型装軌車が連結されており、パワートレインでもつながっている。
 前車は自重4.9トン、後車は3.1トンだ。
 旋回半径は 47 foot である。
 前車には4名が乗れる。後車には8名。
 そのままで水上浮航に移行することができ、浮航時の速力は5km/時。だから上陸作戦に使うことができる。※なるほどシナ軍が目をつけるわけだな。
 路上では最高65km/時である。

 Viking (BvS10) の単価は $890,000 である。
 カナダ軍は補給車として Bv206 を使っているのだが、その幅広の履帯の接地圧が低いために、なんと、対戦車地雷を爆発させずに通過することができることを発見した。
 ※こりゃあ旧軍の「湿地車」をリメイクして米軍に売るしかないですね。

 同車は、民間により、極地のみならず熱帯地でも、駆使されている。
 メーカーがシナに文句をつけたかどうかは不明。※シナはいちばん弱い国から順番に踏み倒そうとする。戦前ならデンマーク。こんどのカモはスウェーデンか。

 次。NYTのEditorialに2010-4-17に載った記事「Arizona Goes Over the Edge」。
 メキシコからの不法移民の数に怒り爆発したアリゾナ州が「警察国家」化を志向。すごい法律が通るかも……。
 ※アリゾナ=メキシコ国境は、なにしろ地形がまっ平で、河川境界のようなものがないし、無人の荒野だから、万里の長城でも建設せんことには、密入国を阻止しようがないようだ。

 この新法では、警察官は、その場で即座に不法移民ではないことを証明できぬ者を、すぐさま逮捕できる、とする。キミが有色人種で、財布を家に忘れて外出した場合、トラブル必至だろう。

 しかも、アリゾナ州の各自治体の官吏や公務員が、不法移民の摘発にどうも不熱心じゃないかと州民の誰彼に思われたなら、その公務員は州民によって告訴さるべし。
 ※じっさい、末端のシェリフが賄賂をとって密入国ブローカーと結託しているという報道もあり。

 アリゾナ州議会下院は共和党が優勢であるが、すでにこの法案を可決し、州上院も通過。あとは共和党知事のJan Brewerの署名をまつばかりなのだが、彼女がサインするかどうか不明。

 現場警察官は、この新法を歓迎していない。有限な警察資源を、重要ではない仕事にとられてしまうからだ。

ウォーターハンマーは竜骨もヘシ折る。対策は「柔軟竜骨」か?

 JOHN T. BENNETT 記者の2010-4-15アップ記事「Obama Administration Renews Export Control Reform Push」。
 米政府が法律を改正し、米国兵器企業の対外輸出を緩和する。
 ただし、米国の軍事的優越を担保するユニークなシステムは、新法によっても輸出はきびしく制限する。
 それ以外のシステムは、同盟国が相手ならば、どうぞご自由に売ってください――となる模様。
 ※その一方でフランスが4隻のミストラル級をロシアに売るのはやめさせようとしてるけどね。

 次。
 Paul McLeary 記者の2010-4-15記事「U.S. Port Security Is A Global Issue」。
 米本土の港湾に入る荷物の1割未満しか「核物質・化学剤・薬物」スキャンはされていない。
 全数検査ができるように、至急、設備を整えたい。
 だがこれは難問だ。準備は、船が入港して荷おろしを始める数日~数週間前から始めねばならない。
 米国の港湾は、年に15 million 個ものcontainers を扱っているのだ。
 インポート業者の過去の履歴をデータベース化しておくと、その荷物が臭いかどうかは見当がつく。これがまず基本。

 Secure Freight Initiative (SFI) は、2006-12に、本土防衛庁とエネルギー省(核物質担当)の合同で、 pilot program として、積荷の全数スキャンを開始。その最初の3つの港湾は、「Puerto Cortes,Honduras」「 Qasim, Pakistan」「Southampton, England」であった。後日、これに「 Busan, South Korea」「 Hong Kong」「 Salalah, Oman」「 Singapore」の4港が加えられている。
 現在もそのうち5港では SFI を実施中。
 ただしGovernment Accountability Office (GAO) 【会計検査院】は、ほんとうにスキャンできているかは怪しいもんだ、と低く評価している。

 冷凍品や液体の商品をスキャンする場合はスキャナーのパワーを上げなければならない。

 これまでいちばん成績が良いのは、American Science and Engineering Inc. 社製の Z Backscatter Van (ZBV) という荷物スキャナー車。
 すでに 450台の ZBV systems が47カ国の 80の税関に対して売られている。米国の港湾では22台買われている。
 こいつは基本的にレントゲン車。
 生物兵器、化学兵器、核兵器、麻薬、密航者を探知してしまう。

 コンテナ港として北米では最大にして世界では8番目であるロサンゼルス港。ここが $3-million 出して買った新兵器は、コンテナ船が入港して岸壁に着くまでの間に中味をスキャンしてしまう、全長55フィートのレントゲン船。
 探知機は半没させられる。
  Eurocopter AS350 B2 helicopter にスキャナーポッドをとりつけて、上からも走査する。※船員はX線浴びまくりかよ。

 また、付添い人なしで船舶や港湾施設に立ち入りしてよいという資格を、すべての港湾出入り業者/労働者について、過去を審査して、与える。もちろん生体ID付きで。すでに2009-4から一部で開始中。
 問題は、そのカードの「生体ID」を読み取る機械の仕組み、および、その読み取り機を港湾当局者にもたせることについて、コーストガードがレギュレーションを決めかねていること。
 ※紫外線LEDでなきゃ読み取れない特殊IDをイレズミすりゃいいのよ。

 爆装スピードボートがテロに使われた場合の対策も考えられていない。2000-10の USS Cole は、Yemeni port of Aden に投錨していたところを狙われた。※この爆装ボートが「まるレ」艇みたいに敵艦舷側に爆雷を落とすタイプであったら、ウォーターハンマーでコリア舟みたいに撃沈できていたかもしれないのだな。

 本土防衛庁はまたコースガードと合同で、Predator B drones を2010末から飛ばすことに決めている。

 次。
 David Goldstein 記者の2010-4-16記事「Contractors failed to train Afghan police to adjust AK-47 sights」。
 アフガン人は、AK47およびM16系列の自動小銃に「照準規正」(照尺と照星を銃身の癖に合わせてアジャストしておいてやること。陸自ならば武器隊が専任。戦車砲のボアサイト調整とは違って、兵隊が勝手にやっちゃいけない。電子照準器時代になれば、個人でやるしかなかろうが…)が必要であることをまったく知らなかったことが判明。どうりで治安の成績が悪いわけだと。
 8年間、巨費を投じてアフガン政府警察を訓練してきたが、米国人教官の誰もそのことに気が付かなかった。※その無能警官の給料の半分は日本の納税者の税金からだぞ。日本から教官を送り込めよ。あと、64式小銃もな。

 次。
 KATE BRANNEN 記者の2010-4-15アップ記事「U.S. To Send Hummingbird UAV to Afghanistan」。
 米陸軍は、米特殊部隊コマンドから、1機の ボーイング製のA160 Hummingbird 垂直離着陸UAV を借り、それをアフガンで使うつもり
 自重2500ポンドのこのUAVに、 グラマン・ノースロップ製の Vehicle and Dismount Exploitation Radar (VADER) をとりつける。これは地表で動いている車と人を追跡探知できる。
 陸軍としては、できれば数機、買いたい。

 次。
 Anne Gearan 記者の2010-4-15記事「Pentagon to adopt uniform rules on guns」。
 基地内で、軍人の私物の銃器をどう管理するか。
 昨年のフォートフッドの13人殺し(with 私物ハンドガン×2)を承け、ペンタゴンの方針決定。
 ゲイツは6月までに暫定しろと求めていた。
 基地にもちこむ場合はMPに対して登録しろ、とかになる。
 ※米国議会では、本土テロ予防絡みで、セミオートマチック銃器の規制法の話がもちあがっているが、銃団体が猛然とロビイングをしていて、規制賛成派議員へのイヤガラセがすさまじいらしい。

民間のUAV実験飛行場を造るなら、沖大東島あたりでしょうか。

 KATE BRANNEN 記者の2010-4-15アップ記事「U.S. Army Unveils UAV Road Map」。
 米陸軍は、現存のヘリコプターを、無人でも飛ばせるようにしたい。
 というか、〈基本「無人機」で「オプションとして有人操縦も可能」な機体〉――としてしまいたいのだ。これが米陸軍の新しい「UAVロードマップ」である。

 まるごと新しいヘリを調達するのではなく、既に使っているアパッチ、チヌーク、ブラックホークを、無人機にアップグレードするのだ。最初はブラックホークからになりそう。
 ソフトウェアの整備にあたっては、共通のオープンアーキテクチャーを目指す。地上管制もコミで。
 離着陸と、単純飛行中の管制は、極力、全自動化してしまいたい。
 搭載武器の運用のみ、人間がリモコンで管制する。
 ※アパッチが30粍・チェインガンで暗夜に中東人(一部武器携行)を撃っている動画を見ました。米軍のROE遵守を内外に印象づけ、武装回転翼機の必要性も併せて宣伝していると思いました。ところで、これは10年以上前の湾岸戦争のときからの教訓ですが、闇夜、開豁地でいきなり機関砲で撃たれたなら、今日では、その場に伏せるのは利口じゃないようです。むしろ、めいめいバラバラの方向に走り、遮蔽物に飛び込むべし。それが不可能ならば、仰向け大の字に寝て死んだフリをするしかなさそうです(ただし数年後の機載カメラでは、体温がいつまでも低下しないことから死んでないことがバレる可能性あり)。もちろん、武器は手から離すべし。

 次。
 David A. Fulghum 記者の 2010-4-15記事「Non-Stealth Teamed With Stealth Air Wing」。
 米空軍は F-15C をアップグレードすることにより F-22 の作戦を楽にしてやりたい。
 それにはレーダーを APG-63(V)3 というフェイズドアレイ(AESA) にする。
 これを装備したF-15CがF-22に先行して飛び、レーダーを使い、あとから行くF-22は、ギリギリまで電波放射をせずに済むようにする。奇襲ができる。
 F-15Cの方が搭載燃料が多く、滞空時間が長いので、これが合理的。

 MDの一環としてこれら空軍機を抑止に役立てる。※米空軍もいよいよリストラの危機に直面したので、必死だね。こうでも宣伝しないと「オバマ=ゲイツ」コンビから次に何をカットされるかわからない。

 空軍いわく。 筒体を長く改造したアムラームの直撃によって、敵の弾道弾を撃墜できるかもしれない???

 AIM-120C-6 と AIM-120D は、レーダー反射の小さな巡航ミサイルを撃墜するのに最適化されている。※つまり国産のショボい飛行機にでも最新のAESAレーダーと最新のアムラームを装置すれば、シナ、韓国、台湾軍の巡航ミサイル攻撃から日本列島はとりあえず防衛できるわけ。

 米空軍はこの夏に6機のF-15Cに AESA radars を搭載してみる。
 こうすることで、F-15Cは2030年まで現役でいられるだろう。

 次。
 Andy Nativi 記者の2010-4-15記事「Support Ships Take On Multiple Roles」。
 International Maritime Organization regulations は、モノハル(単殻)のタンカーを捨てるように要請している。
 2015には、一重底の商用タンカーは禁止される。
  ※事故時の原油流出→海洋汚染を防止するため。ちなみに、二重にしたって火災を防げるわけじゃないので、海賊の小型ロケット砲による大型タンカー/LPG&LNGタンカー攻撃は、有意義です。ブリッヂを銃撃されたり洋上で船火事を起こされる確率が高い紛争海域への航海に、民間の船員組合が同意するわけがありません。

 ただし、各国の政府の船、つまり海軍の補給艦等は、このレギュレーションの適用例外だが、まともな政府なら遵守するだろう。
 その代わり、ダブル・ハル船になると、搭載容量はとうぜんに小さくなってしまう。

 軍用の特殊船をつくっているとコストがかかってしょうがないので、民間タンカー等に「軍艦グレー色」をそのまま塗って使えという声もあり。
 ※商船タンカーは馬力が小さすぎるんですよね。高速を出す必要がまったくないので。そこをどうするかですよ。艦隊行動ができないんだから。

外務省はF-16リースを真剣に検討すべし。硫黄島基地の大拡張もね。

  Graham Warwick記者の2010-4-13記事「Start-up Proposes Radical Remake for OH-58D」。
 メーカーが提案。カイオワを二重反転ローターにする案。
 米国の明野ともいうべき Fort Worth, Texas で近々、予算化を訴える。
 今の4枚ブレードを、3枚×2のコアキシャルにする。
 シングルローターよりも、同直径のコアキシャルの方が5%、必要な動力は少なくて済む。
 しかもテイルローターを動かさなくてよいので、それだけでも従来より10%の動力節約になる。
 同じエンジンを使うが、これであわせて15~20%の動力節減となるのだ。

 テイルブームは縮め、機体軸に回転軸が並行なダクテドファンをそこに左右2個並べて取り付ける。
 このダクテドファンはピッチ可変。それゆえ、左を推進に、右を逆進に、といったワザも使える。ホバー力も生むことができる〔ダクテドファンが首を振るのかどうかはこの記事からは判明せぬ〕。

 巡航飛行のとき、ふつうのヘリは機首下げの姿勢で飛んで行かねばならないのだが、このダクテドファン付きならば、機首下げの必要がない。逆に、じゃっかん機首上げの姿勢で前進できる。これは燃費を節約する。
 しかも巡航時はメインローターをアイドリング気味にしておればよい。ますます燃費は良くなるのだ。※そんな良いものなら、なぜいままで誰も試みなかった?

 燃料満載&完全兵装して、巡航で240浬、3.1時間の滞空ができるだろう、と。

 次。
 Mark Thompson記者の2010-4-13記事「Is the U.S. Army Losing Its War on Suicide?」。
 2009夏までのアフガン作戦で、米兵は761人戦死した。
 ところが、同じ期間に、817名の米兵が自殺している。過去5年、自殺兵は右肩上がりで増えている。陸軍が調べたら、率としては、2006の数値は2001の2倍である。民間ではこの期間に自殺率は増えていない。

 何度も繰り返して戦闘部署につけられることが、自殺の引き金のようだ。
 解決策は、兵隊ひとりあたりの、前線に配置される頻度を下げ、本国で過ごす時間を延ばすしかない。だがそれには陸軍の定員を増やすか、前線張り付けの兵員を減らすしかない〔つまり不可能〕。

 2009には160人の動員中の陸軍兵士が自殺した。2008には140人、2003には77人だった。
 3人に1人は、前線配備とは関係ない部隊の者だった。2/3は、戦闘地域においてか、もしくはそこからの引き揚げ後の自殺である。

 頻繁な前線配置が、ある兵隊の人間関係をバラバラに破断する。これが原因の一つだろう。※旧日本軍のような「郷土聯隊」建制ならばこの問題は無いわけか? 中隊長を父と思い、先任曹長を母と思う「擬制の家」は、今日の米陸軍にはありえんということだな。

 ここ数年、米兵たちは、イラクやアフガンの前線から本国に戻って1年で、またイラクやアフガンに征かねばならなかった。最近、それが2年近くに延長されようとしているところだ。だが専門家いわく、本国で過ごすインターバルが3年間は無いと、1年間の戦闘配置ストレスは解消し難いだろう、と。

 戦闘経験は、死はおそろしいという観念を稀薄化させる。それがまた自殺を容易にしてしまう。
 自殺兵の半分は、武器を用いている。前線配備中の自殺例に限れば、93%は軍の武器を用いての自殺である。

 空軍を退役した自殺専門家は、これは『キャッチ22』だ、という。※あのつまらない小説か。映画もくだらなかったが、WWII中の米兵がイタリアで売春婦に不足していなかったという事情だけは納得できた。

 次。
 Paul McLeary記者の2010-4-12記事「Watt-Rich Vehicles Will Boost Capability」。
 まさか、こんどは「野外原発車」?
 米陸軍が、部隊に随伴し、1メガジュールを発電できるトラックの開発を検討中。これだけの電力があれば、「電磁砲」が実現する……だと!?
 しかもそれだけの電力があれば、水でも燃料でも、部隊の自前でつくりだせるのだ。次の補給まで30日間あっても、だいじょうぶになる。そのような技術が、早ければ8年後には実現するだろう。

 軍用車両は今の2倍の電力を消費するようになる。歩兵の電池負担は今の半分の重さにしなければならない。

 BAE Systems 社は、すでに本格的な車載発電所を、 Paladin Integrated Management (PIM) howitzerのために開発している。その次世代バージョンは、30kwを車載で発電できる。70kwも射程内にある。

 いまや、装甲車やトラックがアイドリング中でも、その電子器材をフルに働かせ続けるに足る電力が供給できなければならないのだ。

 次。
 4-6発表のニュークリア・ポスチュアー・レビューと4-8条約のプロトコルのPDFをようやくナナメ読み完了。これだけの情報を開示しようとする米国……。指導者層の法哲学上の素養が日本などとは段違いであると思わざるを得ない。
 ALCMはあと10年で退役する。次世代のALCMをつくらねばならない。
 SSBNが海に出ていない時期をつくったり、ICBMのアラートを緩和して一部を敢えて休ませたりはしないほうがよいと結論。なぜなら、またアラートに戻る前に攻撃したいと相手が思ってしまうから。

 大統領がICBMにプロンプト・ランチを命じたくなるようなインセンティヴを減らす、新しい、サバイバビリティの高い配備の流儀を模索する。

 米国のICBMをデ・マーヴしてシングル・ウォーヘッドのみにするから、、米露のどちらの指導者も、自国の核をプロンプト・ランチしたくなるインセンティヴはなくなる。※阿呆のマクナマラの呪い、いまここに解ける……!

 TLAM-Nは危機のときに前方展開させる核だった。だが、ICBMとSLBMでも抑止は十分だというのが結論。※のみならず、オハイオ級×4隻をSSGNにコンバートしたりしてしまったものだから、これがロシアに疑心暗鬼をもたらし、軍縮交渉の大きな障碍となってしまっていたのだろう。たぶん、米海軍の次世代の水中発射巡航ミサイルは、魚雷発射管からは発射できない大きなサイズとされるのではないか?

 NATOの非核国は、核運用できるようにしてある飛行機の所有によって、核攻撃をうけたときに、米国の核弾頭の運搬を分担できることになっている。
 ※具体的には、ベルギーとオランダのF-16、独と伊のトーネイド。つまりこの4国は、ロシアが核攻撃してきた暁には、アメリカからB61水爆(サイズは直径33センチで重さ320kgにすぎぬ。イールドは戦術型だと170キロトンで、核トマホークよりも強力。しかも超音速で投下したり、地面に寝かせてから起爆させるモードも選択可能)をゆずりうけ、自国の戦闘機に吊るしてロシアと戦えるのだ。B61は、約480発が米本土と欧州にあるとみられる。これをあと十数年は維持したいというのである。したがって、もし日本がF-16をリースで装備すれば、シナが日本を核攻撃した場合に、米本土のB61を貸してもらえるかもしれないのである。

 アジアには、常時前進配置済みの核兵器は無い。冷戦終了後〔'92年〕、水上艦と、ジェネラルパーパス潜水艦からは核弾頭を下ろした。
 ゆえに、いまでは、セントラルな〔つまり米本土やハワイの〕戦略核兵器や、危機時に再度前方展開される核兵器〔これはB-2とB61しかあるまい〕に、アジア同盟国の核抑止はかかっている。
 だから、前方展開されている通常兵器が総合抑止に果たすべき役割が大きくなってきた。

 戦略核重爆撃機(B-2とB-52H)は、危機時に、それを前方推進展開させることによって、同盟国のために核抑止をするぞという米国の決意の対世界的なデモンストレーションになるのである。
 B-52Hの何機かは、非核専用にコンバートするであろう。

 ロシアはNATOの近くに多数の戦術核を置いている。アメリカは少数の戦術核を、西欧と米本土に置いている。
 よって米国は西欧の戦術核爆弾を維持すべし。B61爆弾を延命すべし。
 B61は、F-35とB-2で運べるように維持する。
 ※こう宣言された以上、これからシナ政府が全力で日本のF-35取得を妨害にかかるのは間違いないだろう。外務省内の北米局とチャイナスクールの闘争がみものだ。硫黄島に危機時にいつでもB-2を受け入れられるようにしとかないと、日本は外見的に見捨てられますぜ。SSBNは出航してから帰投するまで、いちども浮上も寄港もしないんだから、ポラリスいらい、「米国が日本に核の傘をさしかけていますよ」というPR力はゼロ。そのうえにトマホークの時代がとっくに終わったというのに、外務省北米局の目が醒めないのだ。なぜかというと、レギュラスの時代(1955~1964)以来、米艦内搭載の核巡航ミサイルについては、その艦が敵国のスパイの目に見える「寄港」をしてくれるありがたさに加えて、格納の特性から外見的にいちばん曖昧であるために、「持ち込み」に関しての国会答弁をやすやすと乗り切ってきたという〈便利な核の傘〉の幸福な記憶が彼らを支配しているからなのだろう(レギュラスは渤海湾の外から北京を核攻撃できる射程があった。嘉手納には長射程のメイスが地下シェルター式に展開していたのに、佐藤栄作が核抜き復帰を公約したために撤去されてしまった)。日本にどういうわけかトマホーク信者が多いのは、外務省北米局が対支/対北鮮の観点で〈入信勧誘〉していたからだったのかと、ようやく見当がつく。

 SLBMのW76弾頭を延命作業させるための予算をつけよ。
 ICBM用のW78弾頭を延命作業させよ。
 TLAM-N、つまり核付きの海洋発射巡航ミサイルは、リタイアさせるべし。そのようにNPRは結論する。
 ※ストックパイルのW80弾頭の延命予算についてNPRは無言及である。空中発射型巡航ミサイル用(B-1とB-52Hが運用)のMod1はB61と同じようなものだから無言及でもよいのか? 海洋トマホーク用のMod0は起爆コアのプルトニウム240を極限まで減らした、ガンマ線を出さない(したがって潜水艦の水雷室に長く保管していても水兵に健康被害が及ばない)特殊なものだから、これを延命する予算をつけないということは、もう海洋発射核トマホークの復活はあり得ないわけ。空中発射巡航ミサイル用の弾頭を海洋発射用に密かに転用することは、水兵の健康上の理由もあって、アメリカでは許されないのだ。

 既存の弾頭を、既存のシステムとは違う新任務用には使わない。
 ※B-2用に既にあるB61の地下侵徹型とは違う、ラムズフェルドが欲した新型マイクロニュークも、もうつくらない。

 次。
 別宮暖朗先生のご新著『帝国陸軍の栄光と転落』(文春新書)、半分読んだところですが、最高に面白いです。これを企画した編集者もさすがだね。

中年過ぎたら、腰を屈めるときには必ず息を吐け。

 星条旗新聞が伝える。
 Erik Slavin 記者の2010-4-13記事「Navy mulls changes to physical fitness exams」。
 米海軍は、annual physical readiness test(体力検定)の内容を一新する。

 ながいあいだ、水兵たちの筋トレの主メニューであった sit-up (仰臥位から手を使わないで上体を90度立てる、激しい連続的な起き上がり運動)が、もうじき廃止される。理由は、これが腰痛(背骨の継ぎ目のずれ)を引き起こすと認められたため。 ※ちなみに自衛隊ではこれはなかったのではないか。

 多くの体操専門家は、より背骨に負担をかけないような腹筋運動(stomach crunches と書いてあるのだが、不詳)を推奨している。※静的な足上げ腹筋運動がよいかもしれませんね。

 sit-reach、すなわち尻をついた状態での伸膝前屈(足爪先に手で触る)も、米海軍は廃止すべきかどうか検討する。※これよりも、自衛隊体操にある、立った状態で左手先を右足爪先に、また、右手先を左足爪先に触れるという、交互の斜め前屈の方がマシでしょう。そのさい、腰痛持ちは、「体屈させるときは、必ず息を吐きながらする」という大原則を、「心手期せずして」励行したがよい。これを忘れると突然ギックリきて後悔先に立たず。

 2009-12の民間専門家会議では、いまの米軍式フィットネスが frontal muscles【胸筋と腹筋と大腿筋か】 ばかりを鍛えようとしていることが問題視された。
 背筋、および 他のcore muscles【インナーマッスル?】を鍛えずにそれをやれば、体を故障させる。

 現在米海軍は、水兵たちに、その性別と年齢に応じた、 push-up(腕立て伏せ)と sit-up の standards を課している。
 ※プッシュアップも腰痛にはよくないでしょう。40歳を過ぎたら、両膝をついて、片腕づつに交互に体重を乗せるという、変則的な腕立て伏せに変更すべきではないか。これなら、適度な負荷と、腰痛予防が両立するでしょう。

 持久力の検定では、水兵たちは、1.5マイル走か、固定自転車漕ぎか、無限ベルト・マシン上で走るかの、三択ができる。
 1.5マイル走より、マシンの方が楽だと思ったら大間違い。逆なのだ。後2者で体力検定に合格するためには、非現実的なまでの激走をしなければならない。というのは、走った距離ではなくて、12分間で燃焼できたカロリーが測定されるためだ。

 米海軍では、4年間に3度、この体力検定テストに失格した水兵は、任務から外されてしまうことになっている。

 次。
 NYTになつかしのウィリアム・ペリーWILLIAM J. PERRY(1994 ~97の国防長官)氏とジョージ・シュルツGEORGE P. SHULTZ(1982 ~89の国務長官)氏が寄稿している。「How to Build on the Start Treaty」、2010-4-10付け。

 こんどの条約は、米露関係にリセットボタンを押したものだ。歓迎だ。
 次なるステップは、おびただしく残っている戦術核兵器の削減だ。しかもモスボールではなく、解体せねばならない。

 ロシア官僚と話をしたが、これ以上の削減は彼らにとっては難しそうだ。
 ロシアは東にも西にも、敵性隣国を抱えているからだ。※水爆1000発持っているシナとあれだけ長い国境を接していたら、さすがにこれ以上の削減は無理か。

 それと、米露の通常戦力が非対象すぎる。
 MDと中距離核も考えねばならない。
 イランのミサイルを邀撃するならロシアが地理的に最良の位置だ。

 1987のINF全廃は有意義だった。が、今日、ロシアは中距離核戦力で抑止しなければならない敵対的隣国を新たに抱えている。これにアメリカは同情すべきである。
 ※よくSS-20の極東分までバラしたもんだと感心していたが、やはり心穏やかではなかったか……。シナが東風21その他を増強すれば、ロシアもINFを放擲する可能性が大ですね。それを理由にワシントンは北京に「もう核増強するなよ」と詰め寄っている最中でしょう。それを公然化/公文化させるのが、次のステップでしょう。三沢のF-16撤収も、その環境準備でしょう。

 次。
 Catherine Mayer記者の2010-4-19〔?〕の米『タイム』誌記事。※12日もしくは9日の誤り? 「Defense of the Realm: Britain's Armed Forces Crisis」。
 アフガン出兵は英本土のテロを抑制するという英政府の説明だが、英国内ではどうも不人気だ。
 2003~09に英兵は179人、イラクで戦死した。またアフガンでは2001いらい、280人が戦死している。
 この両地域にはもっか、英兵が9500人、送られている。

 英仏はSLBM潜水艦のパトロールを共同分担しようではないかという話し合いを始めている。2-3の『緑書』もいわく、英は軍事予算逼迫の折、もっと仏と協働すべし、と。

 戦後のMalaysia、それから Sierra Leoneでも英国軍人は経験を積んだ。

 2003の Basra 統治が米軍の他地域よりもうまくいったのが自慢だったが。
 2008 にはシーアのゲリラに翻弄された。
 Basra から英軍は2009に final withdrawal した。
 マレーシアがうまくいった理由は、あのときは英政府が現地の英軍を本腰を入れて支援したから。

  "One of the keys to learning is to recognize that you don't know everything.
 2003~2004にイラク人捕虜の尋問で英軍が数人を殺している疑いがある。

 2009夏の米軍大増強以前の英軍のアフガンでのモラールは最低に下がっていた。死傷の3/4はIEDによるものだった。

  Kosovoに行った時は、教室からつまみ出すべき bully boys が誰なのかはハッキリしていて気分は楽であった。しかしイラクでは、敵が曖昧で、英軍の果たすべき役割が分からなかった。

 英陸軍の定員は10万2070人で、それに今は570人不足しているだけである。
 英防衛評論家の Malcolm Chalmers はこれから6年間で全英軍の総定員が2割減らされるのではないかと予測。
 先回の大削減は、1994に British Army of the Rhine【西ドイツ派遣軍】を 規模で半分の常備軍にしたときだった。

 サンドハーストの陸大を2002-4に出てすぐイラクに1年間行かされた大尉いわく。4万人の街を、16人の部下と数両の装甲車だけで治安回復しなきゃらなかった。いま、30歳の教官となり、その経験をサンドハーストで若い者に教えているところ。そいつらは Helmand に行く。

 サンドハーストは 1812 からある。仏ではサンシールSaint-Cyr、独ならDresden にmilitary academy がある。

 次。
 2010-4-11記事「Robo Chopper Rules Two Oceans」。
 米海軍フリゲートが東太平洋でさいきん MQ-8B helicopter UAV を使って麻薬密輸用高速ボートを追尾している。

 過去半年、フリゲート艦の USS McInerney (FFG-8)に、 MQ-8B (formerly the RQ-8) Fire Scout を載せて試験してきた。すでに110回の発艦/着艦と600時間の飛行をこなした。McInerney はこんどは太平洋に移る。

 この機体はそもそもリトラル戦闘艦用に開発されたのだが。リトラルの方が遅れているので、海軍は、これを他の艦にも積むことにした。

  Hellfire missiles を発射できる。
 滞空は  MQ-8B は8時間。しかし5時間が通例である。
 速度は時速 230 km。
 操縦可能距離は 230 km。これは陸地でも海上でも。
 基本的に、2人乗りの小型民間有人ヘリSchweizer Model 333を無人機に改造したものである。
 最大離陸重量は 1.5 トン。
 艦上ではローターを畳む。すると MQ-8B は、長さ 7.5 m×高さ3mのスペースに収納できる。

 ペイロードは 273 kg (600 pounds)である。よって、 106 pound のHellfire なら1発、 44 pound の Viper Strike missiles なら複数発を吊るせる。

 MQ-8B UAV の納入価格は $8 million である。これには予備部品と、地上管制設備が含まれる。
 ソフトウェアは、自動の着艦と発艦を可能にしている。

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 christopher p. cavas and COLIN KELLY記者による2010-4-9アップ記事「Independence On Its Maiden Voyage」。
 リトラル戦闘艦の2番目が処女航海。
 なんと44ノットまで出せる。

『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』文庫版は24日売りか

 光人社のNF文庫の最新ラインナップです。4月24日(土)以降に都内の書店発売ではないかと、現時点では予測がされております。

 この本の「聞き手」は、むろん実在はしません。が、冒頭に紹介されている、東北地方でサバゲーをやっている集団は、執筆当時、実在していました。じっさいに会津でお目にかかったことがありまして、その話をマクラに使わせてもらったというわけなのです。あの方々は、今、どうしておられるだろうか……。

 次。
 『朝雲』#2908号で、「第303坑道中隊」が3-25に、満12年で廃止されていたことを知りました。あの「坑道掘削機」を'91頃に勝田で最初に見たときの強烈な印象は忘れ難い。装備としてはまだ施設科の中に残るのでしょう。

 国内の炭鉱がほとんど閉鎖されてしまった中で、あの種の坑内用有人ロボットがピカピカの状態でスタンバイしているところなんて、もう陸自の施設部隊の中だけなのかもしれません。

 陸自で「303」とか「101」(空自だったら202とか404)とかナンバリングされている部隊は、全国で唯一つ、そこだけに存在するようなユニークな部隊です。さすがに、〈地対艦誘導弾を北海道北部の山奥のトンネルから発射して、いったい誰を迎え撃つつもりなんだ?〉という話になっていたものと推測します。需要は沖縄方面にあると思うんですけどね。訓練場所が確保できないんでしょう。やっぱり米軍にヤンバルから出て行ってもらうのが先か……。

 これから求められる陸自の新装備の一つが、軽量可搬な「穴掘りロボット」になるでしょう。UAVでこれだけ諸外国に遅れをとってしまったら、歩兵が地下に隠れて抵抗するしかないですよ。大きなAFVからソフトスキンまで、リーパー級UAVからのヘルファイア/マヴェリックを遁れる術はないでしょう。

 というわけで『地獄のX島~』で提起した島嶼防備の智恵の数々は、南西諸島の自主防衛がクロースアップされているUAV時代の今こそ、再読の価値が出てきたようであります。「砲兵隊用観測機」をUAVと読み換えてみてください。

シナは南米に核兵器を拡散させる気か?

 兵頭いわく。来たる4-12にワシントンで40カ国会議があり、そこでは、テロリストの手に核が渡る可能性を極小化するための「命令」が米露から全世界の諸国に下されそうだ。
 そのためにはまず4-8に米露間で手打ちをし、かつまた、核削減躬行の姿勢を公示しておく必要があった。

 おそらくシナはボリビアやベネズエラなどを通じて南米のどこかにポータブル原爆の製造工場をつくらせたいのだろう。ゲイツがNPRの中で「拡散を図れば核攻撃する」と脅しているのは、「シナの手先になるなよ」と南米人を脅かしたものなのだろう。

 こういう背景を熟知しているのだと思われる米『TIME』誌の記事から見て見ましょう。

 Eben Harrell 記者の2010-4-8付け記事「Rescuing a Potential Nuke from the Chile Quake」。※蛇足ですが米国の日付に1日を加えたものが日本の現在の日付です。

 先のチリ地震で焦ったのは、NNSA(U.S. National Nuclear Security Administration)の職員である。
 サンチャゴの原発やら、1950's~に実験用名目でチリが集めた高濃縮ウラン(HEU)が、ドサクサまぎれに盗み出されないうちに、それを回収して、米国東海岸の港にもってこなくてはならないからだ。
 San Antonio港は津波で使えなくなったので、北隣の Valparaiso港から搬出することにした。

 4-12からの大会議では、全世界のよけいなHEUはすべて米か露にあつめるという構想が打ち出される。
  In the mid-1950s の米国の Atoms for Peace 政策は、非核国が核武装しない代わりに、平和利用用の HEU を与えようというものだった。
 International Atomic Energy Agency (IAEA) の創設に続き、ついで、 Nuclear Nonproliferation Treaty of 1968.
 たとえばチリは  HEU を、80年代にかけて、米国のみか、仏と英からも調達した。
 国連のP5は、50カ国に20トンもの HEU を 50 カ国に配給したものだ。そこには、Australia, Jamaica 、 Vietnamも含まれている。
 ちなみに米と露は、2 million kg の HEU もっている。これには核兵器も含まれ。

 過去にこのようにしてさんざん世界へバラまかれたHEUをすべて米か露に回収してくる。これが NNSA の仕事なり。
 すでに2,692 kgの核分裂物質を 37 国からとりかえし、ひきつづいて、1,900 kg以上をとりかえそうとしている。
 オバマ政権はこの仕事のために大きな予算を要求中。

 しかし多くの後進国は、 HEU-fueled research reactors が国威を向上させていると思っている。
 HEUの大量保有国であるカナダと南アは、これが医療用のアイソトープに必要だと言い張って、米からの供出要求に抵抗している。
 ロシアも、仲のよくないウクライナから HEU をどう引き揚げようかと苦悩中。
 2007-11にに南アで事件あり。南アの核研究施設 に 賊が押し入り、警備員を射殺してコントロールルームにまで入ったが兵器級のHEUは盗らず。目的と正体は謎のまま。
 1992にはロシアの核技師が1.5kgのHEUを密売しようとして Podolsk 駅でつかまった。

 ハーバードの Graham Allison氏(former Assistant Secretary of Defense who recently served on the Congressional Commission on the Prevention of WMD Terrorism)は、米国の大都市でテロリストの原爆が炸裂するのは2014より前かもしれんぞ、と叫んでいる。

 チリの港は麻薬をはじめヤバイ物質の密輸トンネルとしてよく利用されているようだ。
 NNSAは船まで持っている。パナマ運河はHEUの通過もOKだ。

 次。
 冷戦史家のCAMPBELL CRAIG氏が2010-4-8にNYTに寄稿した「Just Like Ike (on Deterrence)」。

 核を非核国に対しては使わないという方針転換をさいしょに決めたのは、1957のアイクだった。
 批判派は、それではソ連と戦争できなくなる、と言った。
 だが、相互確証破壊が、以後冷戦期のポリシーになった。

 アイク以前、キッシンジャーなどはアルマゲドン派であった。つまり、「限定核戦争」というものが可能じゃないか、と彼らは言ったのである。※これに基づいたのがペントミック師団で、陸自の第七師団は日本唯一の「ペントミックもどき師団」だったと思われる。だから「30ロケット」が「オネストジョン」の核弾頭運搬機能を密かに有していたとしても不思議はないのだ。

 アイクはそう思わなかった。1発でもどちらかが使えば、それは究極までエスカレートするだけだと見た。

 こんどの調印に、ボルトンなどはさっそく噛み付いている。
 だが、オバマはアイクと同様の政治リスクを敢えて取りに行ったのだ。

 次。
 クリントンとブッシュの2政権でNSCスタッフだった Peter D. Feaver氏が2010-4-8にNYTに寄稿している「Obama’s Nuclear Modesty」。

 既に核保有している国がアメリカを chemical, biological or cyber-attackした場合、アメリカは核で報復するオプションが残された。

 大量破壊兵器を模索する非国家、要するにアルカイダだが、それに対しては核を使うかもしれない。これもオプションに残された。
 そうしたアブナイ団体が活動している国はどうなる? 非核国でも、そこは核攻撃されることになる。
 ※つまり米国は日本国内の朝鮮総連や北鮮シンパ、無闇やたらな核拡散主義者である北京の手先たる日本人グループを日本領土内において核攻撃することもじゅうぶんにあり得るということだな。

 非NPT国に対しては、核で脅すことも辞さない。
 また、NPT違反国にも核攻撃はあり得る。シリアはそれに含まれる。
 それと、遵守の定義だ。イランはNPTを守っていると主張するに決まっているが、そこをどうする?
 また、ある国がNPTを遵守しているのかどうかについて、国連安保理やIAEAの判断にアメリカ政府が拘束されちまうのか?

 例外条項がある。たとえば将来のすごいバイオ兵器。これを使った場合は、NPT遵守国だろうと容赦しない。
 アメリカを非核兵器でとんでもなく破壊した敵にも、アメリカは核報復するかもしれない。ただしその規模・程度の線引きは、あくまで米国政府が決めるのだ。

 自分に手枷を填めたことで、米国の核抑止力は少し弱くなった。
 ※つまり米国指導者層は、いまや抑止力の最大追求でなく、核不拡散をこそ最重要使命に選ばねばならない瀬戸際に来ていると意識しているのだ。

 だが、誰もが、イランや北鮮が核武装路線を捨てるわけがないと、思っているだろう。

 次。
 『Voice』の2010-5月号への長島昭久氏(防衛政務官、代議士)の寄稿。
 沖縄の海兵隊は、2012-10以降、いまのCH-46をV-22にリプレイスしていく。これにより環境アセスメントの前提が変わってしまう。
 長島氏はもともと研究者として米軍再編について検討し、嘉手納基地に普天間基地を統合するのがベストな解決策だと考えてきた。
 だが米国側が一枚岩だと実感させられたので、「二段階論」に変えている。
 すなわち、10年かけて沖縄を自衛隊だけで守れるように強化し、その段階で、アメリカの海兵隊に撤退を促すのだ。
 与那国島は、2010-2の米QDRに書いてあるシナの「接近拒否戦略」も考えあわせたなら、「いまのような無防備に近い状態で済まされるものではないだろう」。
 社民党の福島党首も、自衛隊を合憲と認め、原発を容認する方向にあると聞いている。
 ※長島氏は、米軍、特に海兵隊に沖縄から出て行ってもらうために、自衛隊で先島群島を強力に守りたいと考えている。じつに正常だ。大賛成だ。

 次。
 2010-4-8の「Solar Powered Wavepiercer Cat」という記事。
 2010-3-31に世界最大の太陽光発電だけで走るカタマラン船「Planet Solar」がキールの造船所から進水した。
  長さ 101.7 ft で、巾 52.5 ft で重さは85トン。船体もプロペラもカーボンファイバー。
 設計はニュージーランドの LOMOcean Design
  lithium ion battery が 20キロワットを発生し、7ノット出せる。
 これは25馬力の船外機相当である。
 ソーラーセルの面積は 5,380平方フィート。

 次。
 Jeremy Hsu記者がポピュラーサイエンスのためにまとめた2010-4-9記事「 Molten Metal Batteries Yield 20 Times More Current Than Lithium-Ion」。
 熔かした金属の電池がリチウム電池の20倍の電流を達成。
 熱くて携帯電話には使えないが、電力網のバックアップにはなる。

 この電池は常に700℃を保たねばならぬ。熔けたマグネシウムが上層、アンチモニーが下層である。中間層は、その混合物になっている。
 充電すると、中間層で分解が起きる。放電ではその逆。
 船のコンテナ・サイズで、1メガワット。これは100ワット電球×1万個を数時間点灯できる電力。
 リチウムよりはるかに材料費が安い。
 ※これは地熱かHTTRで加熱したらどうだ?

 いくつかの都市では硫酸ナトリウム電池をバックアップ電源にしている。その最大のものはテキサス州のプレシディオ市にある。

 次。
 同じ記者による2010-4-9のまとめ記事「 Power-Seeking Flying Microdrone Would Scavenge Solar and Thermal Energy Day and Night」。
 太陽光の他に、大気中の熱を吸収して夜でも飛行を続ける超軽量のUAV。
 DARPAが契約したのはAurora Flight Sciences社。
 この機体の名前は Skateという。畳んで背嚢に入れておき、取り出してブーメランのように投げればよい。ビルの中にまで入って偵察してくれる。
 将来の発展型として、薄いリチウム電池のフィルムそのものを翼にしてしまいたい。その上面はソーラーセルにし、下面は赤外線受光発電素子【infrared photovoltaic cells】にして、夜間の充電に役立てる。
 スケイトは40ワットの電力が必要だが、その95%は太陽光から得る。5%は空気熱(=赤外線)から得る。
 コウモリのソナーにヒントを得た航法支援装置も組み込みたい。

 ※技本の二人組はこういう記事を見て欲しい。

 オーロラ社は、前にもExcalibur という、ヘルファイア×4で武装して垂直に離陸できるドローンを試作した。また巨大なOdysseusという太陽電池式飛行機もDARPAから受注して作っている。

 次。
 グリーンエナジーニュースの2010-4-8記事「CARBON FIBER FOLLOWS ALUMINUM IN FULL GREEN CYCLE」。
 米国アルミニウム協会は、運輸省のあたらしい省エネ指針を歓迎。スチールの代わりにもっと自動車やトラックにアルミ合金を使えば、自動車を小型化しなくとも燃料の節約になると強調。
 衝突を緩衝する機能はアルミの方がある。
 車体が10%軽くなるごとに、燃費は 5 ~ 7 %よくなるのだ。

 ハイブリッド車やディーゼル車をアルミ合金でつくれば、燃費は 13 %よくなるであろう。
 アルミは金属屑の再利用コストが安い。ボーキサイトから作るのにくらべてわずか5%のエネルギーで済むのだ。

 アルミの精錬工程の初期段階には、地熱が利用できる。アイスランドにはすでに2つのプラントがあり、3つめも建設中である。
 ※これが本当ならアルミを製造するときのエミッションは製鉄業よりもはるかに減るわけか。あとは電力をどこからとるかだね。

 アルミの他には、炭素繊維が有望だ。
 SGL Group は Moses Lake, Washington に炭素繊維工場をつくり、BMW社がそれを使って Megacity という街乗り用の電気自動車をライプツィヒで2015までにつくる。FRPをさらに炭素繊維で強化したCFRPを採用するのだ。
 この工場は水力発電で電気を得る。しかも会社は、炭素繊維のリサイクルにも配慮するという。

モスボール1万発以上あれば千発位の削減など屁でもないわけだ。

 Stuart Fox記者の2010-4-8記事「Chinese Government to Build 215-MPH Bullet Trains in California」。
 シナ人が大陸横断鉄道建設に投入されたのは1860sだったが、またカリフォルニアにシナ人が鉄道を建設しにやってくるかもしれない。
 米国一人口の多いカリフォルニア州の知事が、本年後半にこの問題で訪支する。
 シナとGEの売り込みは……。まずシナの弾丸鉄道の技術をGE社にリースする。列車の部品の8割は米国内でGEがシナのノウハウを用いてつくる。2割はシナから輸入。
 この製造のために、GEは、加州 Fremont のトヨタ工場をコンバートするかもしれない。GEとトヨタは自動車に関してはパートナーである。

 すでにシナは4000マイルの高速鉄道を国内に敷設し、今年だけでもそれに1200マイルを追加する。
 ただしこの契約、未だ決定した話ではない。加州は、日、独、韓、スペイン、仏、伊からも、別々に高速鉄道納入のオファーを受けている。

 シナはこれから10年で、北京とロンドンを弾丸鉄道で結ぼうという提案もしているところだ。
 シナは、ヴェネズエラとサウジアラビアとトルコにおいて、弾丸鉄道を建設している。さらに、ドイツ、イラン、チェコにも売り込み中。

 次。
 JONATHAN WEISMAN記者の2010-4-8記事「Obama, Medvedev Sign Treaty to Cut Nuclear Arms」をみて、昨日の疑問が解けました。
 次の交渉は、配備数の上限をそれぞれ1000発づつにまで減らそうと狙うだろうが、米国はモスボールの核弾頭で優っている――とあります。 Those talks would aim at bringing nuclear weapons caps to 1,000 or below, and would include Russia's advantage in tactical "battlefield" nuclear weapons and the U.S. advantage in mothballed nuclear warheads, still functional but not counted under the caps because they are not deployed.

 つまりお互いに1万発以上のバッファーがあるから、シナの弾頭数を気にしないで、2国間の「削減」交渉ができるのですね。
 ということは、重爆撃機とF-16、特に後者の意義は今後、相対的に大きくなるでしょう。飛行機は何度でも反復出撃できるので、じっさいには1550発の上限を超えて、空対地巡航ミサイルと重力投下爆弾(それはB-61だけでなく、モスボールの多種類の水爆を利用できるはず)をさいげんなく敵地へ運搬できるわけです。米国内の条約批判派は、ここを指摘して新聞に投書したりしていますね。日本の新聞の投書欄とは、質が違う。

 関連して。
 Nathan Hodge 記者の2010-4-8記事「New Nuke Treaty: Trust, but Verify」。
 条約本文と、プロトコルとの二部建てだが、後者が重要だ。査察検証について定めているからだ。
 そのプロトコルいわく、両国のICBMは、すべて人工衛星から見えるようにしておかなければならない。
 ※つまり地下トンネル機動式などは、ゆるされない。囮サイロ設置や真サイロの念入りな秘匿も許されない。おそらく次は北京にも同じ要求をつきつけることになるんじゃないか。

 なお、露外相は、もし米国がMD能力を顕著に向上させたらロシアは条約から抜ける、と6日にマスコミに対して語った。

 次。
 David A. Fulghum 記者の2010-4-8アップ「Cyber-Warriors Begin Training」。
 これはわが空自幹部必読の記事と思いました。

 空軍の中から一粒選りでサイバー適材1000人(下士官を半分含むか)をあつめて、サイバー戦の特訓中。もちろん、サイバー戦のルールや遵守手順も叩き込む。

 空軍長官Donley氏いわく、戦略空輸部隊の拡大テンポは鈍るし、戦術空軍は削減されるので、空軍の今の若い下士官と将校が、中年以降に就くべきポストがなくなってしまわないように、何かあたらしいキャリアコースを開拓しておいてやらないといけないのだ。サイバーもしくは、UAVオペレーターだね。C-17の製造が終わるので、その予算を回せばいい。

 敵のネットワークに入り込んで撹乱するには単に敵の電気信号を模倣するだけではダメで、自然なタイミングや送り先というものを考えなくてはいけないのだ。だから敵の癖を理解する行動科学の素養のある将校【behavioral scientists】も混ぜている。

 初代学校長いわく。
 このサイバー戦学校は、軍人だけをリクルートしていては追っつかないので、民間からも適材をみつけてくるつもりだ。
 将来のサイバー戦闘は、軍人だけではなく、軍と契約した民間人や、連邦政府機関の文民も、その任務を分担することになるだろう。

 いま、空軍では、新兵が4年で staff sergeant [E-5] に昇進することは難しい。
 サイバー特技兵を、 warrant officer【下級准尉】または専門技術将校(specialist limited-duty officer)にとりたてて、長く空軍で働いてもらうインセンティヴを与えたい。たとえば多くの米陸軍のパイロットは、 warrant officers【下級准尉】だね。

 また2010-2-24に空軍は公式に決定した。remotely piloted aircraft (RPA)に携わる者には、その給与に奨励報償金を加算する、と。
 ※さもなきゃUAV分野に良い人材が集らない。よほどの変わり者以外は、誰しも有人機で飛び回りたいだろうからね。思うに、五体不満足な傷痍軍人をUAV要員に積極採用してはいけないのか?

 その報奨手当の額は、現行の「飛行勤務手当」と等しい。
 いま、米空軍には、400人のRPAキャリア将校がいる。これは数年以内に1000人に達するだろう。

 発電機は、コンピューター・コードの数行の変更で、破壊され得る。
 F-16のフライ・バイ・ワイヤは、強いマイクロ波照射で神経崩壊する。

 2007にイスラエルがシリアの北鮮製核濃縮施設を破壊したときには、飛行機が爆弾を落す前に、シリアの防空は麻痺していた。空からのネットワーク破壊が行なわれていたという。

 次。
 Rebecca Boyle記者の2010-4-8記事「 Navy Submarine Runs Eternally on Thermal Power from Ocean Currents」。

 米海軍研究所が資金を提供した、無人潜航ロボット「SOLO-TREC (Sounding Oceanographic Lagrangian Observer -- Thermal RECharging)」は、海水の熱をエネルギー源にして、動き続ける、ほとんど永久機関。

 多数の筒の中にワックス状の物質が充填されていて、海面近くではそれは膨張する。海水温が下がったり、深度を増したときには、それは収縮する。熱によって位相が徐々に変わる物質なのだ。
 その収縮時に、油圧モーターが回る。そのモーターは発電機を回し、バッテリーに充電する。そして電動ポンプが、フロートの浮力を変化させて、機体を浮かんだり沈んだりさせる。

 この熱エンジンの設計は、ジェット推進研究所とONR。重さ180ポンドで大型のスクーバ・ボンベのような機体の設計は、カリフォルニア大のスクリップス研究所。
 すでに2009-11に初回のテストは成功していた。

 今週、SOLO-TRECは、深度500mまでの430回のダイブをやってのけ、その都度、1.6ワットの電力を生じた。GPS受信機と通信機をつけておけば、大洋のどこを漂流していても位置を把握できる。

「まあ座れ」党に、一票!

 これからマヌケな質問をするので、詳しい人は答えを教えて欲しい。

 NYTのEditorial欄、2010-4-6付けアップの「Mr. Obama’s Nuclear Policy」という記事によると、げんざい米軍は500の戦術核兵器(弾頭とは書いてない)を保有している。そして、対するロシアは3000以上の戦術核兵器(弾頭とは書いてない)を保有している――とある。

 また、同記事にもあるけれども、現在、米露両国は、戦術と戦略あわせて2万発以上の核弾頭をもっているとされる。そして、2010-4-8のプラハ調印では、配備されている戦略核弾頭の数を、双方、いまの 2,200 発から 1,550発に減らす。これは、NYTでなくとも、他の報道でも皆、同じことが書いてある。

 さて、そこで試みに、2万発から、現在の米露の戦略核弾頭数だという「2200発×2国」(=4400発)を引いてみると、15600発となるだろう。

 その15600発からまた、現在の米露の戦術核弾頭数と思われる「500発+3000発」(=3500発)を引くと、12100という数字が残ってしまう。

 この、米露あわせて12100(発?)という、「戦略核でも戦術核でもない現有の核弾頭(核兵器?)」は、いったいぜんたい、どんな形でどこに存在しているのか? 工場や倉庫の中の、すぐには使えない「素材」「部品」あるいは「中古保管品」のような形なのだろうか?

 次。
 おなじみネイサン・ホッジ記者の2010-4-7アップ「Nuclear Upgrade for the Pentagon’s Gajillion-Dollar F…」。
 米政府は、F-35に核兵器を運用させるという計画を公表した。

 今回のリビュー、ふだんめったに議論しない核抑止部門に照明を当てた。
 すなわち、欧州に配備している戦術核兵器だ。
 ゲイツは6日、これらの戦術核はNATOの重要な防盾として残される、と言った。
 ただしその数量はこれから考えなくちゃならん、とも。

 その非戦略的核兵器のひとつが、「B-61」である。これはイールド可変式なのだ。
 そしてリビューによると、米空軍は、この投下式核爆弾の兵器としての寿命を最大に延ばし、F-35から運用できるようにする計画であるという。

 またリビューいわく、米空軍は、F-16のように、通常爆弾も核爆弾も運搬できる「dual-capable fighter」を、F-16の退役後も持ち続けたい。すなわちF-16の後継機であるF-35にもそれをさせたいのだ、と。

 げんざい、F-35は、完成が遅れ、開発コストがみるみる膨れ上がっており、かつまた、量産と配備までのスケジュールも、遅れに遅れそうである。
  2015までに米空軍はそれを戦力化できそうにはない。ほんらい2013には初配備のはずだったのに……。

 『Inside Defense』 (subscription only) が4-6に報じたところでは、ペンタゴンは連邦議会に対して、F-35の納入単価が、 $158.1 million にまで高騰し、新記録を塗り替えそうだと4-1に通知したらしい。

 次。
 DAVID E. SANGER and THOM SHANKER記者が2010-4-6にアップしている「Obama’s Nuclear Strategy Intended as a Message」。
 50ページからなる“Nuclear Posture Review”でいわく。
 冷戦時代から引き継いだ核兵器は、自爆テロリストや、核武装を目指す非友好的体制に対して 適当なaddress【構え】にならない、と。
 イランと北鮮に対しては “outliers”【離層、戸外に寝る人】 と呼び、ブッシュ時代のような “rogue states”とは言わず。
 これすなわち、今後の態度によっては核のターゲットから外してやってもよいぞよ、というメッセージを込めている。
 非核国が、化学兵器、生物兵器、サイバー兵器をもっていても良いが、ルールに従わずにそれを使うなら、または、拡散をさせるなら、米国は all options are on the table である。

 拡散しようとする国には、核報復もあり得る。“The message we’re sending here,” he said, was that countries that “actively pursue a proliferation agenda” would not be immune from any form of American retaliation, including nuclear.

 しかしもしNYでバックパック核爆弾が炸裂し、その兵器DNAから原材料国を特定できるとして、それに対する「核報復」をどこにするのか? 絶対確実に犯人を証明できないなら、核報復などできまい、と。

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 Jeremy Hsu 記者による2010-4-7アップ「Air Force Calls for Reusable Booster Vehicles for Military Space Planes」。
 宇宙飛行機を打ち上げると、180度ターンして無人操縦で発射基地近くに戻り、滑走路に着陸するという、再使用可能な、有翼の宇宙ブースターを、空軍は、今年から開発する。
 この Reusable Booster System (RBS)は、プロジェクト名Pathfinder である。
 戻るとき、ただの滑空にするか、ジェットエンジン等を使うかは、未定。
 2035までには実用化したい。

 類似のモノのテストが4-19に打ち上げられる予定の Boeing X-37B だ。こいつは、宇宙軌道飛行機も、再使用型ブースターも、どっちも、戻ってくる予定。
 もちろん、とうぶんは Atlas または Delta rockets が打ち上げ機であり続ける。

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 2010-4-6の記事「France Backs Away From The Chinese Threat」。
 インドと米国は圧力をかけ、フランスがパキスタン軍のF-17戦闘機用に進歩したレーダーや電子装備を供給せぬようにさせた。
 米国の懸念は、パキに供与されるフランスの技術が、すべてシナへ渡って、シナがコピー品を作って世界に拡散させるであろうこと。
 パキは軍事技術情報を第三国に洩らさないという約束を破ることで悪名高い。
 インドはフランス兵器の大得意先なので、インドの要請をフランスは蹴ることは不可能だった。
 パキはシナからさらに42機の JF-17 を追加で輸入するつもりだ。その単価は、 $14.3 million である。
 この飛行機はパキ国内でも組み立てられており、やがては1機が $12 million にコストダウンするであろう。なお、エンジンはロシア製の輸入(MiG-29と同じRD-93エンジン)。他の主要部品はシナ製 FC-1 の輸入。
 古いMiG-21や Mirage IIIをリプレイスしたがっている国々にとって、この価格は魅力的だ。

 パキが最初にJF-17 を買ったのは3年前。
 シナはこの機体を Super 7 fighter として20年間も開発してきた。ロシアがカネが無くなって途中でブン投げた「MiG-33」プロジェクトを引き継いだものだ。

 13トンの JF-17 は、むかしパキに売られたF-16とは互角だろうが、最新のF-16の性能にくらべると8割ほどの性能だろう。
 JF-17 は 3.6トンの兵装を搭載できる。空戦任務よりも爆撃任務向きの機体。
 作戦半径は 1,300 kmである。
 シナはすでに J-10 があるので、自国軍用としては採用してない。

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 2010-4-7の記事「Forbidden Weapons Won't Go Away」。
 対人地雷は 1999 Ottawa Convention で多くの国が放棄したが、いまだに毎年5000人以上がひっかかっている。
 うち2割は死亡する。被害者の9割は男性である。
 被害者の1/3は、警察官もしくは軍人である。

 オタワの合意に加わっていない国が製造した地雷や、ゲリラの手製地雷が使われている。
 1999合意から数年以内で、15カ国以上が、 over 25 million landminesを処分した。※日本の場合は海洋投棄したと聞いている。白老の弾薬庫の人にかつて取材して聞いたところでは。

 the largest manufacturers of land mines は、 Russia and China である。この2国はオタワ合意に署名していない。

 シナ製地雷は世界の闇市場で入手可能になっている。
 China is believed to have a stockpile of over a hundred million land mines (mostly anti-personnel). その中から、古くなって廃用する寸前の物が、市場に出回り、1個5~10ドルで売られるのだ。

 コロンビアでは左翼ゲリラが、社会主義独裁政権をつくろうとして40年間も活動している。そして対人地雷をしかけまくっている。シンパでない市民に対しても使っている。
 ゲリラたちはシナ製中古地雷すら買えないので、手製地雷を作っている。だいたい1個3ドル未満でできる。そのつくりかたはインターネットで調べれば誰でも知ることができる。

 コロンビアでは対車両用の大型手製地雷も増えてきた。泥道で、乗客満載のバスが、それにひっかかるようになるだろう。よってコロンビアでの地雷犠牲者は、今年から急増すると予想されている。

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 2010-4-6の記事「Tanks In Afghanistan」。
 カナダとデンマークは、数十両の Leopard II tanks をアフガンに持ち込んでいる。
 こいつの120ミリ砲は、タリバンの砦をぶっこわすのに最適だぜ。IEDにも強いしね。
 装輪装甲車の護衛にも活躍する。

 しかるに米軍はアフガンに戦車を持ち込んでいない。Despite those advantages, the United States did not bring in tanks ※うかつにも知りませんでした。

新入生諸君、「読書余論」を申し込もう!

 まずNathan Hodge記者の2010-4- 6記事「Nuke Review: Deploying, De-MIRVing, and De-Targeting」。

 なんと、すべての米国のICBMは、単弾頭化される。
 ※これが、ロシアに対し、もう先制攻撃はしかけませんという、この上ない約束になる。もし1本が偶発発射されても、ロシア側は冷静に見守ることができる。と同時にこれは、もはや米国のICBMサイロが外国からの先制攻撃で芟除されるような事態はありえなくなったという米国の大自信の表明だ。ちなみに、弾頭を単発化すると、ミッドコースのバスの仕事も単純化されるので、命中率と信頼性は極限まで向上するだろうと考えられます。

 もし許可のない、または事故によるICBMまたはSLBMの発射が起きた場合には、それは必ず大洋中に落下するようにプログラム中である。ICBMの場合は、それは北極海だ。

 米国はヨーロッパ域に、戦略兵器ではない核兵器をいくつか、前方展開しておきたい。それは少数だけ残すであろう、とリビューは書いている。
 重爆撃機からだけではなく、戦術用戦闘攻撃機からも運用できる核兵器を前方展開する能力も残すべし。同時に、「B-61」核爆弾の現役年数を極限まで延ばすべし。

 関連して。
 Stuart Fox記者の2010-4-6記事「In Sharp Turn, Obama's New Nuclear Strategy Ends U.S. Warhead Development」。
 化学兵器や生物兵器で攻撃されても、その敵国が核武装していない場合は、米国は核による報復や反撃はしないという、新たなガイダンスが公表された。
 しかし例外とするものいくつかある。敵が、今日存在しない、遺伝子工学を使った将来型の生物兵器を使った場合。または、ならず者国家である場合。※するとベネズエラはヤバそうだな(w)。

 前のブッシュ(子)大統領が開発させたがっていた、イランや北鮮に対する外科手術的先制核攻撃に用いることのできる特殊な地下侵徹式マイクロ・ニューク弾頭の開発は、これで、なくなった。

 その代わり、すでに保有している米軍の核弾頭の機能を永く保たせるための研究にはカネをつぎこむ。

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 Bettina H. Chavanne記者による2010-4-6記事「Pentagon Rolls Out Nuclear Posture Review」。
 核兵器の開発よりも、原発インフラに巨費を投ぜよという米国の大方針が明瞭に打ち出されたのである。2011予算では、$5 billion もが、ペンタゴンからDOE(エネルギー省)へ移される。
 エネルギー省の、核非拡散のための予算も増やされる。
 New Strategic Arms Reduction Treaty (New START)は、米国の兵器庫から、 Tomahawk(nuclear-equipped, sea-launched cruise missile)を抹消させる。

 次。
 Lisa M. Novak記者の2010-4-7記事「Navy considers smoking ban aboard submarines」。
 何ヶ月も艦内の循環空気を吸わねばならぬ乗員の健康のため、艦内での完全禁煙に踏み切るか。
 ペンタゴンの2008調査によると、軍人喫煙率は2002には34%だったが、2008には31%である。
 非喫煙者がその煙でどのくらい害を受けるかどうかも米海軍は調査したが結果は未公表である。
 2005の海軍方針のよると、軍艦内の喫煙室は換気を良好にし、見張り所から遠いところに設けなければならない。寝台室、食堂、休憩室、体育室を喫煙可能な場所としてはならない。換気能力を超えぬ人数しか同時に利用させてはならない。
 スモーカーは、タバコが手に入らなくなったら、何でもする。ある潜水艦乗りは、1箱を60ドルで戦友から買っていた。頭の良い水兵は、大量に買い込んでから乗艦する。

 次。
 JOHN REED記者による2010-4-5記事「DoD Report: Other Countries Leveling Space Playing Field」。
 これから通信衛星の世界的な需要と供給が増す。すると使える周波数帯が制約されるようになるだろう。電波の出力や、カバーする地表域が、制限されるようになるだろう。

 次。
 Amy Butler記者による2010-4-6記事「GBI Test Failure Result Of Two Problems」。
 2010-1-31の迎撃実験失敗の原因が2つあったと判明した。
 第一原因は、標的ロケットLV-2(古くなったトライデントC-4ブースターを転用したもの)がマーシャル群島の Kwajalein Atoll から 3:40 PSTに発射されたときに、chuffing を起こしたこと。
 チャフィングとは、自動車エンジンがバスンバスンと息をつく音を模した名詞だ。
 今回の場合、固体燃料の燃焼速度・燃焼圧が変化してしまったのだ。
 古い固体ロケットではよくあること。なにしろ LV-2 に転用している Trident C4 boosters は、製造してから25~35年も経過しているのだ。

 チャフィングは、あり得ることとして織り込み済みの現象のはずであったが、今回は、標的の複雑なチャフィングのために、SBX(Sea-Based X-band radar)のボーイングの予測ソフトウェアがパンクしてしまったのだ。

 SBXは、標的ロケットの筒体、ノーズコーン、囮、弾頭、その他一切を同時に視野にとらえていなくてはならない。すべてを計算しなくてはならないのだ。
 今回は、標的のチャフィングを無視するアルゴリズムが働かなかったと反省されている。
 ※てことは速度がブースト途中で何度も変わる「ムダに多段式」BMをつくれば、ミッドコースで迎撃不可能ってことだな?

 第二の原因。
 Exoatmospheric Kill Vehicle (EKV) の機能不全。
 あきらかに、〔複数ついているうちの〕1個のスラスターが機械的故障を起こしていた。コネクターが不良品だったのだと思われる。

 次。
 RIA NovostiのТарас Литвиненко記者の2010-4-3記事「Russia's Black Sea Fleet may lose all warships by 2015」。
 黒海艦隊の主要な艦艇は艦齢30年を超えており、2015までに戦力としては消滅するであろう。
 すでに艦底が錆びて穴が開きかかっている状態。
 1982建造のディーゼル潜水艦×1、その他が、さいきん除籍されている。
 当面、新顔艦艇が黒海艦隊に入るという計画はない。年々、減る一方。
 ロシアは「20380計画」型コルヴェット艦を大量生産すべきである。これはバルト海と黒海で、沖合いの油井、ガス油井や油送船を守るために特に設計された艦である。
 すでにその第一艦は2008-10にバルチック艦隊に所属した。第二艦も進水しており、第三、第四艦は建造中である。
 しかし、造船所の能力に余裕がなく、これを大量生産できない。
 どこも、何年も先まで、外国から受注したフネの予定で一杯なのだ。熟練工が他にいるわけでもないから、能力の急拡大は無理。
 希望は、ウクライナの造船所でつくったもらうことだ、と。

 次。
 ディフェンスニューズの Vago Muradian 記者が、シンガポールの国防相 Teo Chee Hean氏にインタビューしている2010-4-5記事。
 氏は、元海軍長官であり、2003から現職。
 同国は、1年前から軍医を中心にアフガンに将兵40名を派し、ソマリア沖では海賊討伐戦に参加中。
 ゲイツはアジアに年に1回は来ている。
 現在のシンガポールの国防費は about 4.5 percent of GDPだ。
  G550 という早期警戒機もつくった。
  Terrex という歩兵戦闘車もつくった。

 グローバルホークを買うか、もしくはシンガポール内の基地に受け入れるつもりは?
 ――可能性は否定しない。
 ※朝雲新聞で、先月下旬に都内でグロホの実物大模型展示があったと知りました。水面下でそうとう話が進んでいるのか。

 古くなっているはずの フォッカー哨戒機は、無人機または有人機で更新するつもりか?
 ――更新はせねばならない。機種は未定。

  F-15SG の導入中だが、F-35の評価もせねばならない。
 アフリカの角での海賊退治で学んだこと。協同作戦が必要であること。沖合いだけでなく、沿岸の陸地を攻略せねばならない。敵は陸上を拠点に活動しているのだから。

 シンガポールの国防費は米ドルにして $8.2 billionである。
 国軍は、常備5万5000人だが、即応30万人動員できる。

 次。
 AFPの2010-4-5報道。「U.S. Warns Venezuela On Weapon Proliferation」。
 ワシントンはベネズエラのチャヴェスに詰問した。「おまえ、ロシアから top five billion dollars もの大量の兵器を買って、ラ米の周辺国に拡散させる気だろ?」
  Chavez は、隣国(仮想敵国) Colombia の麻薬ゲリラ組織に武器を渡している――と米国から非難されている。

 スペインの裁判所は、ヴェネズエラ政府がスペイン国内で、コロンビアのFARC rebels 、およびバスク分離運動集団 ETA による、コロンビア政府高官たち(President Alvaro Uribeを含む)を暗殺せんとする計画を幇助した――と主張している。

 2009にも米国政府は、ヴェネズエラがなんでロシアと宇宙事業で協同しようとするのかと問うた。ヴェネズエラは産油国なのに、国内での電力供給すら満足にはできていないのだ。

 次。
 Jeremy Hsu記者の2010-4-5記事「 Process That Converts Cotton to Boron Carbide Cou……」
 ボロンカーバイドは防弾着の挿入プレートや戦車装甲として既に使われているが、ついに、それを繊維(ナノワイヤー)化してTシャツにできるようになった。
 自動車や飛行機の材料になる日も遠くない。

 木綿のTシャツを、ボロン粉末とニッケル触媒の溶液に浸し、燃えてしまうのをアルゴンで防ぎつつ摂氏1100度に加熱してやる。
 すると木綿繊維が炭素繊維になり、さらにボロン・カーバイドに変わる。

 この繊維は紫外線も遮断してくれる。

 次。
  Clay Dillow記者の2010-4-6記事「 Solving the Mystery of the Green LED For Pure, Efficient White Light」。
 いままで、赤と青のLEDはあった。が、緑のLEDがなかった。それができた。gallium nitride に indium を混ぜたらグリーンができた。
 これにより三原色がぜんぶ揃った。さらに研究を進めて、10年以内に、白色照明を革命的に低廉にしたい。

 次。
 Matthew Cox記者の2010-4-5記事「Marksmanship changes to prep GIs for war zone」。
 米陸軍は、正確な狙撃だけ重視してきた従来の小銃教育を変更する。もっとたくさんタマを発射し、ジャムをすぐに直し、弾倉を確実に交換できるような訓練到達目標に変える。それが今日の戦闘では死活的だからだ。

 いままで兵隊の小銃検定は、40個のポップアップ標的に40発発射して23発が当たったらマークスマンに認定していた。

 これをどう改めたか?
 まず射撃位置は、バリケードの背後から、とする。
  reload がすばやく確実にできるか、を見る。
 すぐに move in a tactical setting できるか。
 そして、標的が倒れるまで、発射し続けなければならない。shoot until the targets are “dead.”

 こんご、Benning 基地では、歩兵の新兵は730発、非歩兵の新兵は500発射つことになる。従来は 300 発くらいであった。
 冷戦期いらいの歩兵射撃訓練メニューは、〈友軍は、圧倒的な数の敵から攻勢を仕掛けられる〉という対ソ戦のシナリオを想定し続けていた。これを見直さねばならぬと、2007年から検討が始められていた。

 .223のタマ1発ではアフガン人は死なないことが8年の経験でハッキリした。2発以上当てねばならない。

 小銃兵には、複雑化した照準器材のゼロ規正ができるスキルも要求される。

善通寺の駐屯地跡はどうなっちゃうのか、知りたいんですけど。

 ナショナルディフェンスの4月号が充実していた。
 まず Sandra I. Erwin 記者の「How Much Does the Pentagon Pay for a Gallon of Gas? 」から見て見ましょう。

  Defense Logistics Agency は、軍用燃料を、 $2.82 per gallon で買っている。しかし、平時でも海外に船舶で燃料を輸送すると、その給油時の油価はガロンあたり13ドルとなる。
 空中給油機で給油する燃料は、ガロンあたり42ドル。
 陸軍が有事に戦域で部隊に給油するとなると、なんと100~600ドルになる。
 ヘリで運べば、1ガロンが400ドルだ。
 じつはペンタゴンは、「fully burdened cost of fuel= FBCF」の算出法を決めていない。
 この問題は、2008年に原油1バレルが140ドルに跳ね上がったとき、ようやく認識された。
  DSB studies はペンタゴンに、何か兵器を買うかどうか決める前に、その兵器がいかほどのエネルギー消費を要するものであるのかを、考えるべきであると提唱。
 ある作戦の終了までに必要な燃料コスト次第では、その作戦の完遂が不可能になってしまうからだ。
 イラクのゲリラがIEDでタンクローリーのコンヴォイを狙うという戦法を発明したことにより、米軍が将来のある戦争の勝利のために不可欠とする燃料量は、予想のできないほどに大きくなってしまった。※WWIIで油槽船を狙われた日本軍みたいなもんだ。

 いまや米軍は、前線までの燃料の配送をゲリラのIEDから護衛させるためにだけ、やたらに余計に兵員や装備を増派しなければならない。
 在イラクの米軍指揮官たちは2006に、指揮下の部隊を「燃料の呪縛」から解放して欲しいと国防総省に懇請するようになった。

 〈戦争をするのに、南極大陸の次に不便な土地は、アフガニスタンだよ〉とアシュトン・カーターはこぼす。燃料だけでなく、何を運ぶのにも、インフラが未整備なので。
 飛行場も道路も、イラクとは桁違いに低密度にしか存在しない。しかも海港がなく、土地は平らではないのだ。
 ※もっと不便なヒマラヤで中共軍はインド軍に勝利しているではないか。先に道路をつくらないからこういうことになるのだ。

 国防総省が買っているエネルギーの75%は、作戦と輸送のために消費されている。

 国防総省は毎日、30万バレルの石油を消費する。それは米国全体の1日消費量2100万バレルの、約1.5%に相当している。

 伝統的に国防総省は、石油や電力を、ありふれた安いものとみなしてきた。なにしろ米軍の後方組織は装備が充実し人はプロ揃いだったから。

 兵器調達の決定には 「energy KPP(=key performance parameter)」の概念を導入すべし。つまり兵器が要求するエネルギー・コストをこれまで以上に重視せねばならぬ。

 燃料補給部隊の護衛は、将来最大のカネ喰い要因となる。

 海兵隊の Gen. James Conway は、 DSB reportを引用して、アフガンでは燃料が $400 a gallon だという見積もりを語った。※この記事を読んでやっと気付きました。海兵隊がアフガンの車両にJP-4を使っているのではなく、海兵隊の将軍が引用した資料が、なぜかJP-4についてだけ言及していたのでしょう。しかし他の米国の資料では、海兵隊がその所属飛行機にJP-4を給油していると読めるものもあります。ひきつづき、調べてみます。

 取材によると、アフガンでの燃料コストは1ガロン400ドルよりは低そうだ。現在、陸軍が、正確な燃料コスト算定をしている最中である。

 ある兵器を買うと決める際には、それによって補給の手間・面倒・継続コストがどれほど増すことになるのかかについてアカウンタブルでなくてはならない。

 国防総省が消費する燃料の半分は、空軍のジェット燃料である、と海軍の男が言う。ただし、海軍機は空中補給をしばしば空軍のタンカーから受けてるんだけどね。その海軍機が消費した燃料は、帳簿上は、空軍が消費したことになってしまう。

 陸軍いわく。同じ車両でも、誰が運転兵かによって、消費燃料がぜんぜん違ってしまう。新兵よりも、操縦のうまい老兵は、35%も燃料を節約してくれることが分かっている。

 前の国防総省の燃料担当者だった Paul Bollinger 氏いわく、〈国内の代替燃料の生産者と長期の契約を結ぶことのできる政府の窓口をつくるべし〉と。
 海兵隊は、ヴァージニア州のクアンティコ基地内に「experimental forward operating base」をこしらえて、業者にいろいろな新案を持ち込ませて展示した。
 1個中隊規模の基地。そのエネルギーと水の需要をどう満たしてやれるかという試み。

 次。
 Sandra I. Erwin 記者の「Marines Take Unusual Steps to Reduce Fuel Demand 」。
 アフガンでは海兵隊員は1人あたり毎日20ガロンの水を必要とする。
 前線の小部隊の基地が自給自足できる発電機と浄水器をつくってくれ、と海兵隊の Gen. James T. Conway が要求したのは2009のことだった。
 さっそく、Marine Corps Warfighting Laboratory が、 Quantico, Va.の海兵隊基地に、アフガンの前哨基地を模倣した試験場をつくった。
 そこに、頼まれたメーカーが、ソーラーパネルや風力発電装置、浄水器などを設置した。そして3週間、デモンストレーション。

 海兵隊の要求は切実であり、ペンタゴンの正規調達ルートではなく、今すぐ、じかに、こうした設備を買い付けたがっている。

 〈すでに軍隊には、軽油、ガソリン、ジェット燃料で動く発電機がたくさんあるのに、どうしてソーラーユニットのために $50,000 も支出する必要がある?〉――という疑問は、石油がいままでのように安いという兵隊の誤認に基づいているから、司令官はその誤認を改めさせるべし。

 コロラドの研究者Lovinsいわく。典型的な米海兵隊の戦闘旅団は、「more than a half-million gallons」の燃料を毎日必要とし、その大部分は発電用途なのである、と。

 1台の典型的な 60キロワット発電機は、毎時 4~5ガロンを燃やす。その燃費は1年では $700,000 となる(アフガニスタン現地における算定油価である1ガロン= $17.44 をあてはめた場合)。
 アフガンの前哨基地1箇所にある複数の発電機に1年間給油すると、 more than $34 million となる計算なのだ。

 海兵隊員は、背中に担げるか、ハンヴィーで牽引できるか、ヘリでスリングできるモノ以外には、頼りたくないと思っている。
 そこで、アリゾナの  NEST Energy Systems社いわく。「hybrid power trailer」を提案しますよ。これなら海兵隊さんの発電費用は40~70%も節約できまっせ。太陽光も風も利用できるシステム。しかも基地の既存の発電機につないでおくと、電力の需要のないときにはその発電機を自動で停止させます。再スタートも自動でしますよ。
 今まで、発電機が、基地の電力需要に関係なく、24時間回りっぱなしというのがよくないのです、と会社の者。
 重さ 4,500 pounds なのでハンヴィーで牽引できまっせ。

 元海兵隊員で、今は 加州のShift Power Solutions of Encinitas社の者いわく。逆浸透膜の浄水器で 2,500 gallons a day 可能です、と。
 しかもシステムはスーツケース4個分のサイズ。

 次。
 Austin Wright 記者の「Non-Metal Structure Lightens Military Truck 」。
 軍用車両の車体全部を非金属の複合素材で構成するという実験。すでに実車の走行試験中で、6月には評価が下される。
 アリゾナのTPIコンポジット社。車体が軽くなれば燃料消費も減るだろう、と。必要とあらば、増加装甲を後付けできる。
 複合材は、ファイバーグラス、炭素繊維、バルサ木材、そしてレシン樹脂の混合。※燃えるな、こりゃ。

 複合素材の値段は、鋼鉄製よりも高い。
 この実験車両の開発資金を出したのは、米陸軍の「Tank-automotive and Armaments Command Life Cycle Management Command」である。

 次。
 Grace V. Jean 記者の「Making Metals Lighter, But Stronger Than Steel」。
 スチールよりも軽いアルミやマグネシウム合金で軍用トラックはつくれないものか? ネックは、強度を追求する場合、鋳込み成型したり、部品に加工するのに、スチールより手間がかかりすぎることだった。
 University of Wisconsin-Madison の Xiaochun Li 教授は、溶けた合金の中に微小なセラミック粒子を混ぜ、鋳物の強度を2倍にする、簡単な方法を発見した。

 ポリマーやプラスチックでやっていたことを、金属でもやるというわけだが、これまでの問題は、溶けた金属の中では粒子(赤血球よりも小さい)同士がくっつきあってしまい、まんべんなく拡散してはくれぬことであった。
 それを、毎秒2万サイクルの超音波で cavitation のあぶくを発生させることにより、みごとに解決。あぶくが崩壊する時に生ずる衝撃波を利用するわけだ。

 溶解金属中にあらかじめこのような粒子を混ぜてしまうと、湯流れが悪くなって、鋳物はつくりにくくなる。従来なら、攪拌鋳造【stir casting】という特殊設備が必要だった。

 だが、これからは、まず粒子抜きで流し込んでしまい、そのあとから粒子を追加投入して、超音波を照射すればよくなるのだ。
 研究室では、重さ2ポンドのインゴットをつくったところだ。
 研究室は国庫補助も受けたし、オシュコシュ社とも協同中。

 粒子を混ぜた特殊鋳物が固まった後でドリル加工しようとしても、刃は立たない。しかし、新しい手法によれば、ドリル加工を予定する部位にのみ、粒子をまぜないようにすることもできる。

 次。
 「Mini-Robot Employs Fiery Darts to Neutralize IEDs」という記事。
 イスラエルのメーカーRafaelがつくった。
 鉛筆サイズの小型焼夷ロケットにより、70mくらい離れたところからIEDを破壊処理してしまう。弾頭は爆発性ではないので、そこから破片は飛び散らない。このロケットは試作段階で、2011に実用化を見込む。

 ロケットは長さ 20 cm である。貫通力はそこそこある。そして貫通後に内部で発火する。
 焼夷剤は titanium-boron-Teflon combinations である。
 照準はレーザーポインターで正確に測る。
 Rafael 社はレーザーでIEDを処分する Thor も開発中。

 次。
 Grace V. Jean 記者の「Software Helps Soldiers Cope with Electronics Clutter Aboard Trucks 」によると、iRobot社の爆弾処理ロボットPackBotは、パナソニックの Toughbook ラップトップPCで操縦されている。

 次。
 Austin Wright 記者の「Device Detects Liquid Explosives in Bottles 」。
 もう4年以上も、米国の空港利用者は、重さ3オンスの容器を越える液体を機内には持ち込めないでいる。
 が、ロスアラモスの研究者が、「 Department of Homeland Security」のために、空港利用者が持ち込む手荷物中の液体成分が液体爆薬なのかどうかを識別可能な磁気カメラを試作。病院のMRI(核磁気共鳴装置)類似だが、試製品はもっと巨大でしかも高額だ。研究者は、政府から$14.5 millionをもらって2010中に洗練する。
 課題は、この機械には液体ヘリウムが必要なこと。これは空港内ではかなり扱いにくい。
 目標は、これをX線スキャナー装置に並置すること。
 ※これはイイ。いずれ、人体そのものを液体容器にする「人間爆弾」もできるかもしれないしね。

これはよいまとめ記事。「米陸軍航空隊の大軍拡」。

 2010-4-4にアップされていた「The Growing Threat Of The U.S. Army Air Force」という記事。
 2009に米陸軍は、量産品の Sky Warrior MQ-1C UAV を受領しはじめた。
 2008に、すでに2機の prototypes が Iraq にテストのため送られている。それは成功し、現在、4機の MQ-1Cs が Iraqで作戦中。
 そして、より小型である「 Shadow 200」にとってかわりつつあり。

 さらにあと数ヶ月以内に、4機の MQ-1C が Afghanistan に配備される。
 いま、MQ-1C の値段は、$8 million である。しかし量産が進むと、納入単価は $6 million まで下がるであろう。

 サイズはプレデターよりも少し大きくなっている。そして、以前に「シャドウ200」がやっていた任務を引き受けている。※シャドウは車載カタパルトからその場で打ち出すことができるのだが、プレデターは1500m級の滑走路から離陸させるしかない。陸自が導入する際のネック。

 スカイウォリアがシャドウと大きく異なるのは、ヘルファイアなどで武装できること。

 陸軍が固定翼機からミサイルを発射できるようになるのは、じつにWWII後の1948に米陸軍航空隊を米空軍として分離独立させていらい、初めてのことである。
 空軍の将官たちはもちろん大反対した。その反対する空軍将校たちをゲイツ国防長官はことごとく左遷し、いよいよ米陸軍は、固有の「固定翼航空隊」の建設に邁進する。

 米陸軍の「戦闘旅団」が、ちょくせつ、これら固定翼武装UAVをその編制中に保有し、旅団長がそれを自儘に運用する。
 これは、米空軍がUAVを前線の部隊や海外基地には分属させない(必要に応じて米本土から分遣させて、あくまで本土から手綱を握る)のとは、異なった管理方法だ。

 げんざい米陸軍は、シャドウ級以上の大型のUAVを、約200機保有する。そのほとんどは、重さ350ポンドの「シャドウ200」である。
 より小さい、手投げ式のマイクロ偵察UAVならばすでに数千機、ある。
 ※もちろん、AA訓練用の標的機はそれらとはさらに別に数百機あるだろう。

 米空軍は、米陸軍のマイクロ固定翼UAVには文句をつけてこなかった。飛行高度がヘリコプター並に低く、空軍機の高度と重ならないからである。

 シャドウ200は、夜間も偵察ができ、レーザー指示照射が可能である。しかし、非武装である。
 が、これから2015年までには、米陸軍は、ヘルファイアを発射できる固定翼UAVを500機以上も、整備するであろう。

 4年前、米陸軍は目立たぬように20機のプレデター・カスタム(スカイウォリア・アルファと呼ぶ)をメーカーに発注した。それらはイラクで対IED任務で活躍している。

 Sky Warrior Alpha は自重1トンあり、450 pounds のセンサーと、300 pounds の武装が可能である。そしてそのうちに数機は、複数発の Hellfire ミサイルを発射可能であった。
 スカイウォリア・アルファは公式には「I-Gnat ER」という。その母体は、プレデターの「Gnat-750」およびその改善品の「I-Gnat」である。「I-Gnat」は1989から存在する。

 スカイウォリアはプレデターと見分けがつきにくいが、デザインも機能も別物であり、「従兄弟」と呼ぶべし。

 「MQ-1C Sky Warrior」は自重 1.5 トン、内部搭載センサーは重さ 300 pounds 、それに加えて、機外に、500 pounds のセンサーもしくは武装を吊るせる。
 滞空時間は最大36時間。
 最大速度は時速270kmだ。
 ウィングスパンは56フィート。機体長は 28フィート。
 ヘルファイア・ミサイルは4発吊下可能。(プレデターは2発だ。)
 もっと小型の70ミリ・ミサイルならば12発搭載可能。※以前にヘリから発射していたような無誘導のロケット弾を赤外線イメージ誘導式に改造したもの。ゲリラのSUVならこれで十分だという。
 離着陸は自動。

 オリジナルの MQ-1 Predator は、自重1トン、機体長27フィート、翼長49フィート。
 ハードポイントが2つあり、たいていは1発107ポンドのヘルファイアを計2発吊るす。
 プレデターの最高速度は 215km/時、最高巡航速度は毎時160km、高度限界は2万5000フィート、典型的な作戦飛行では離陸から着陸まで10~12時間である。

 陸軍の「スカイウォリア中隊」は115名からなる。
 各12機のスカイウォリアと、5つの地上管制局を装備する。
 米陸軍は、すべての戦闘旅団(combat brigade)内に、1個の「Sky Warrior company」を設ける方針である。
 米陸軍は、総数で最低500機のスカイウォリアを調達希望。

 米空軍は、Predator (MQ-1)を、米陸軍が開発させた Sky Warrior (MQ-1C) で更新するのはいさぎよしとせずに、より大型の「Reaper(MQ-9)」を買うことに決めている。

 リーパーは、自重4.7トン。全長36フィート、翼長66フィート。
 見た目は、プレデターと似ている。

 ハードポイントは6箇所。
 1,500 pounds の兵装を搭載可能。
 ヘルファイアなら最大8発。
 サイドワインダーやアムラーム、マヴェリックなら最大2発。500ポンド投下誘導爆弾も最大2発。※アムラームとは初耳だ。プロペラ機からアムラームだと……!? ちなみにUAVからスティンガーを発射しても敵ジェット戦闘機には勝ち目がないことはイラク上空で一度証明されています。だからサイドワインダーなのか?

 最高時速は400km、最長で15時間滞空できる。
 A-10はリーパーで更新されるであろう。※すでに「アヴェンジャー」というジェット推進の無人機ができているので、その調子次第では、今後どうなるか分かりません。F-16の対地任務を引き継ぐものがあるとしたら「アヴェンジャー」でしょうが、対空任務まではさすがに無理とみて、米軍はF-16の延命に乗り出しています。

 わが日本の自衛隊のUAVが諸外国からどれほど遅れてしまっているかにつきましては、拙著『「自衛隊」無人化計画』(PHP)、『もはやSFではない 無人機とロボット兵器』(並木書房)、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』(メトロポリタン・プレス)の、ロボット三部作をご覧ください。
 この3冊で、過去の経緯と、近未来の課題のすべてを、最短時間で把握できます。
 ただわたしにはどうしても分からぬのが、自衛隊/防衛省の中の誰が、UAV導入に消極的なのか、です。

 米軍の場合は、元CIAのゲイツ氏が米空軍に対抗し、説き伏せ、捻じ伏せた結果、今日があります。F-35の単価暴騰をきっかけに、空軍リストラ圧力が一層強まる予感がします。

レアメタルのブームが終わる。ウランも含めてね。

 「China donates 2.6 million U.S. dollars to the Bolivian military」という チャイナディフェンスブログが2010-03-31 に載っけている記事によると、北京は南米のボリビア軍に対し、37台のバス、21台のヴァン、40の船外機 を援助。

 前にもシナは、2007には34台のトラックと5台のバスと3台のヴァンを、また2009には2隻の〔湖用の?〕パトロールボートを、ボリビア政府に贈っている。

 ※いったいなんでそんなことをするのかというと、自国の打ち上げた人工衛星を全地球的に追跡する拠点を欠くシナは、地球の裏側に位置する、南米でもかなり貧乏なボリビアに目をつけ、同国内に施設を建設・運営しているという次第なのです。そのショバ代でしょうか。次々と打ち上がるナビ衛星の「北斗」や、シナも出資した「ガリレオ」をモニターするのに便があるのでしょう。ちなみにかつて弾道弾のテストをモニターする施設は、南太平洋の貧乏島嶼国上に求めたと記憶しますけども、今どうなっているのか不詳。

 2010-2-10のボリビア政府発表によると、同国はシナの援助を得て、国内の衛星通信網も充実させるという。

 関連してUPIの2010-3-31記事「Bolivia opts for Chinese military equipment」。
 げんざい、ロシアはベネズエラに対し、またフランスはブラジルに対し、巨大兵器セールスをプッシュ中。
 またシナは、ボリビアが麻薬組織を監視するための低軌道偵察衛星をうちあげるのを手伝うよ、と申し出た。

 ボリビアとパラグアイは1930'sに戦争した。原因は、国境の「グラン・チャコ」の一帯で石油が出るというルーモアだった。
 けっきょく、石油はまったく発見されなかった。
 ボリビアはパラグアイに領土をとられっぱなしである。またチリには1883の戦争で、太平洋につながる部分の領土をとられてしまった。

 ※じつに北京はいいところに目をつけたわけだが、地下資源も無いとすると、その投資は回収できるだろうか? それと、海なし国のボリビアには、政治的にクリティカルな重い資材は搬入できないよね。だからバスとかトラックどまりになっちゃうのか。ちなみに戦間期に「泰平組合」は、ペルーに相当量の日本製兵器を輸出しました。そのときに作ったと思われる豪華カタログが、並木書房さんから復刻されています『日本陸軍兵器資料集』(宗像&兵頭解説)だと思っています。

 次。
 サイエンスデイリーの2010-4-3記事「Plastic Electronics Could Slash the Cost of Solar Panels」。
 テキサス大のシナ系研究者たちが発明。 indium tin oxide (ITO) よりも安価なプラスチックでソーラーパネルが作れるようになるかも。
 炭素をベースとした導電性プラスチックで、これをいろいろなものの表面に、インクジェットのようにしてふきつければ、それがトランジスターになり、ソーラーセルになる。
 透明金属たるITO用のレアメタル原料は、薄型テレビや携帯の液晶と用途競合するので、こんご、高額化の一方だろう。
 だが、この新プラスチックがITOを値崩れさせるかもしれない。将来、可撓性のディスプレイにも応用されよう。また、子供が耳の病気になると酸化窒素化合物が出てくるのだが、それを検知して変色する医療用のセンサーもつくれるだろう。

 ※兵頭いわく。いままでぜんぶは燃やせなかったウランやプルトニウム等も「ほぼ完全燃焼」させてしまう将来型ミニ原発は、原発燃料の世界的な供給不安を払拭することになるでしょう。東芝が先鞭をつけてくれれば、世界を救った企業と呼ばれるでしょう。同様、産地が偏在していたレアメタルの「代用品」が、次々と発明されています。シナ偏在のリチウムの代用品としては、日本人が、ありふれたマグネシウムが使えるんだと提唱をしています。そして頼もしいことに、米国の大学で研究している多数のシナ人やインド人が、リチウム以外のレアメタルの安価な代用品を孜々として発見し続けています。つまりは、在外のシナ人が、北京政府の思惑をチャラにしてしまっているのです。

 次。
 ANTONIE BOESSENKOOL 記者が2010-4-2にアップした「Carter: DoD Focusing On Safer Resupply Techniques, IED Detection」という記事。
  ペンタゴンの調達のボス、Ashton Carter 氏は、アフガン作戦のために、何種類もの補給用の無人ヘリが欲しいと公言。
 けっきょくIEDを避けるには当面これしかないのだと認識。
 食糧、水、補給物料を、GPS誘導されるパラシュート〔パラフォイル?〕で投下することも考える。

 兵頭いわく。「無人輸送用モーター・グライダー」が、むしろ合理的かもしれませんね。往路は、最初にロケットアシストでむりやり2万m弱まで上げて放してやる。空荷になる帰路は、自力で離陸。片道飛行としてしまっても構わないくらいに、安く作ればよいだけです。胴体が、そっくり基地の倉庫になるでしょう。

 カーター氏またいわく、今年の夏からは、いよいよ飛行船搭載カメラによる監視を始められるかもしれない。
 イラクにある350の前線基地は削減が進んでいる。イラクの米軍車両は、ピーク時の 41,000 台から 29,000台に減っているそうです。

乞食の天国をつくりたいな。

 william matthews 記者による2010-4-1記事「New Treaty Could Trim U.S. Bombers' Nuclear Role」。
 4-8調印予定の The new START treaty の成立によって、米空軍の核爆撃機は縮減圧力にさらされる。
 保有総投射手段は800まで許されるが、そのうち即応配備してよいのは700だけだ。今ある米国のICBMは450基。SLBMは336基。核運搬可能なB-52は44機。核運搬できるB-2は16機だ。
 このトータル846から、投射手段を一線配備700(+予備控置100)までに減らさねばならん。ICBM/SLBMは減らせまい。サバイバビリティは今でもすでに、BMの方がある。そして当然、BMの方が即応性がある。とするとB-2とB-52を減らすしかない。※モスボールになるか?

 たぶん爆撃機は20機ぐらいに減らされるだろう。※つまりB-52はゼロ?
 B-52にも長所がある。B-2よりもたくさんの核弾頭を運搬できるのだ。
 B-2は16発だが、B-52は20発搭載可能。よって全B-2は256発を運搬でき、全B-52は400発を運搬できる。

 現在の抑止はBMが担っており、爆撃機はバックアップにすぎぬ。なにしろ敵国に達するまでに数時間もかかるのだ。BMは30分強で届く。
 ※SLBMは、敵岸に近づくことで、発射から落達までの時間を著しく短縮し、奇襲性を高めることができます。つまり敵のABMの対応や、敵のICBMの「被爆前発射」を、困難にしてやることができるのです。また、かつて「パーシングII」がもっていたような終末誘導機能は有しないRVを投射するSLBMの場合は、射点が敵に近いほどCEPも小さくなります(現在の自艦位をGPS等によってICBM基地並に精密に知り得た場合)。そもそもトライデントは、ソ連の都市ではなくICBMサイロを、わがSLBMの先制攻撃で正確に芟除することを企図して、ナヴスター衛星とセットで開発されたシステムでした。たんなる報復用第二撃のためならば、あれほどのシステムは必要としないのです。もはや戦略空軍もICBMも米国は必要とはしないのだと言いたかった、リッコーバー提督の組織対抗意識の産物だったのです。今日でも、ミサイル原潜が敵国に近づけば近づくほど、奇襲性と精密性のメリットがあることに変わりはなく、おそらくシナ軍のICBMサイロに対しては、米国トライデントSLBMは、インド洋北部もしくは西太平洋から発射するつもりであろうと考えられます。むろん、米海軍は原潜のパトロール・コースを公表することはありませんが。

 次。
 2010-3-31記事「India to Orders Israeli UAVs Armed with Missiles」。
 インドはイスラエルから武装型を含むかなりのUAVを買ってパキ国境に2011から配備したい。これはアメリカがパキスタンに武装型プレデターを売り渡す可能性に備えておく措置。
 買い物リストには、 Searcher-II とか「killer」 というUAVも含まれている。これは自爆型の対レーダーUAVである。ロイタリングして敵目標を探す巡航ミサイル。
 インドはイスラエルに、地上管制装置や通信システムも発注している。
 インドとイスラエルが費用折半で共同開発中の無人武装ヘリもある。

 次。
 イスラエルの DEBKA が2010-4-1に報ずるところの記事「ME【中東】 game-changer: US nuclear shield for Saudis, Gulf emirates」。
 3-31に西側で、サウジアラビア領海内から先週、米海軍がトライデントSLBMをテスト発射したと報じられた。これはサウジと米国の合同演習中であった。

 米国防総省は4-1に否定したけれども、サウジの安全保障ソースは、報道を肯定している。
 着達点はペルシャ湾だったらしい。※発射はあり得るとしても、そんなところに落とすか、普通? あらかじめ、着弾海域を演習艦艇で取り囲んでおいたのか?

 これはイランを牽制しサウジをなだめるためである。
 発射の場所は公表されず。潜水艦のタイプも、成否も同様。サウジと米の合同演習の規模も非公表。

 1基のミサイルから複数の弾頭が落ちた。となると、発射されたのは米海軍のトライデント以外にあり得ない。
 サウジには核の傘がさしかけられているよと米国が強調するためのものだ。
 米サ合同演習は、3-29にやると予告されたが、3-29にはまだ始まってはいなかった。
 ※もしこの話が本当だとしたら、それが意味するところは、サウジ政府が今、ものすごく本気でイランに対抗する核武装を急いでいる、ということでしょう。だから米国としては、ここまでして宥める必要があるのでしょう。

 中東核戦争が起きれば日本と世界はどうなるか、その予想は拙著最新刊『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』に書いてあります。お読みください。

 関連して。
 DEBKA の 2010-3-28記事「 US researchers postulate Israeli tactical nuclear strike on Iran」。
 3-28にNYTが載っけた予想記事。イスラエルは、サウジ国内の砂漠に勝手に秘密の給油基地を設置して、そこを中継点に使って対イランの長距離往復空爆を実施するのではないか。
 そのさい米国は、サウジ政府を蚊帳の外に置くために、イスラエルの作戦完了まで、サウジ人がその秘密基地に近づかぬように邪魔をするのではないか。
 イランはサウジの石油工業の中心都市であるダーランにBM(非核)攻撃するだろう。そしてホルムズ海峡には機雷を撒くだろう。

 最近のシミュレーションによると、イスラエルが対イラン空襲を始めてから8日目にしてイスラエルはイランの空軍と海軍を全滅させてしまう。
 ※もしも米国がイスラエルに代わって、分散して地下に設けられたイランの核工場を破壊しようと思ったら、BMを高い弾道で発射してごく精密に命中させる必要があります。サイロ攻撃と同じです。サウジ近海から発射されるトライデント・ミサイルなら、確かにこの任務には向いているでしょう。また、各RVの可変イールドを最低に設定して、地表爆発モードで発射するという方法ももちろんあります。この場合は、SSBNをイラン近海まで寄せる必要はないでしょう。

 次。
 APのJOSEF FEDERMAN 記者による2010-4-2記事「Israeli unveils tank-defense system of the future」。
 イスラエル軍が Trophy システムを完成した。敵の対戦車ミサイルが味方の戦車に達する前に、能動的にそれを撃墜してしまう、戦車の個別自衛システムだ。1セットが20万ドル(戦車1両につき)。
 戦車の両側面にとりつける。レーダーで飛来物を探知。そして小型の爆発物を投射して飛来物を迎撃する。
 リロードは自動。
 当たりそうにないロケットには反応しない。※ではスウェーデンの「ビル」のようなオフセット攻撃だったら?
 爆発によって味方歩兵を傷つける可能性は1%である。
 すでに何両かの Merkava 4 tanks には試行的にとりつけ済み。
 年内にさらに数十両に取り付ける。

 2006のヒズボラとの1か月戦争でイスラエルの戦車乗員は19人以上戦死した。
 2006いらいの数年の抗争でレバノン人は1000人くらい死に、イスラエル人は159人死んだ。結果的にイスラエルは撃退されたと見なされている。

 これとは別に、APC用の対ミサイル防御システムあり。Iron Fist といい、来年からの実用化が期待されている。こっちはジャミングによって敵ミサイルのコースを逸らす。それがダメだったときは、衝撃波を発生させる。

 また、Iron Dome は、短射程のカチューシャ・ロケットを迎撃する。この夏、ガザに配備予定。
 ガザ沖には Protector という無人警備艇もテスト航行中。

 ※「トロフィー」や「アイアン・ドーム」が有効だとなったら、湾曲弾道の榴弾の野戦における価値も劇的に変わってしまうことでしょう。先進国軍隊を相手とする場合の装備と、ゲリラ相手の装備とを、別建てに考える必要が生ずるでしょう。

 次。
 Katie Drummond 記者の2010-4-1記事「Pentagon Wants Troop Poop Porta-Reactors」。
 DARPAが計画中の、海外軍事活動用ミニ原発は、several years 単独で稼働し続ける。
 そして、汚泥をとりこんで、その場で車両用燃料を合成してくれる。
 バルカン半島の米軍基地は、そのゴミや排泄物を焼却するためだけに、毎年6万5000ドル分の石油を燃やし続けている。
 いま、アフガンにいる米兵は、1人が、1日に 22 gallons の燃料を消費している計算である。
 ※ミニ原発はまだカタチにすらなっていないので、情報も出尽くした感じですね。

背に腹は代えられねえ。

 『大日本国防史』は数巻のシリーズになる見通しです。いろいろすいませんです。あっさりとまとめるつもりが、ハマり込んでしまい、1巻では文字量がとうていおさまらなくなりました。vol.1は「壇ノ浦」までです。
 ただちに vol.2「鎌倉時代~」篇に作業は突入しています。これを脱稿するのは1~2ヶ月後でしょう。併せて、お待ち下さい。

 それから『イッテイ』は増補改訂してデジタル商材にします。「ポッドキャスト28」でいずれご案内できる予定。※貯金が急速にゼロに近づく中、カネになる仕事を優先する必要がありまして、新音源を供給できないのがもうしわけないです。なにしろ録音機のマニュアルを読むだけでわたしの1日の「可処分時間」が終了してしまうのです。誰か素材を提供してくれんかなぁ……。

 NYTの電子版。GARY J. BASS 記者が2010-3-31に載っけている評論「When Israel and France Broke Up」。
 往年のフランスとイスラエルの蜜月は、武器貿易を柱としていた。
 アルジェリアの叛乱を鎮圧したかった仏には、イスラエルの対アラブ姿勢が頼もしかったのだ。1956のスエズ動乱では仏・イはいっしょに戦った。
 イスラエルの核武装、そして空軍建設に関して、仏はイスラエルを決定的に助けた。
 1959に大統領になったドゴールも後援した。ドゴールはベングリオンを西側世界における現代の偉人だと見ていた。そして仏国内の非ユダヤ人もイスラエルを応援していたのだ。
 が、1962にアルジェリア戦争が終焉してから、ドゴールはアラブとの関係改善に舵をきる。
 1967年、エジプトがあきらかに侵略的な動きを見せていたが、フランスはイスラエルの行動を抑制させるため、中東への武器輸出を禁じた。
 しかし、同年6月5日のイスラエルのプリエンプティヴ攻撃で始まる「6日間戦争」は、フランス製の飛行機で勝ったようなものだ。
 その数ヵ月後、ドゴールは演説し、フランスはイスラエルを見捨てるといわんばかりのメッセージを発した。
 仏の対イスラエル武器禁輸は恒久的なものとなった。アラブの石油がそれほど必要だったのだ。
 このドゴール氏の取り消し不可能だった1967声明を、ナタニエフは、オバマ氏には言わせないように、せいぜい気をつけるがよいぞ。

 次。
 2010-3-31の記事「Diet of contaminated insects harms endangered meat-eating plants」。
 虫たちが、重金属(特にゴミ由来のカドミウム)に汚染されている。そのため、世界中で食虫植物の数が減っている!

 次。
 2010-3-31記事「American industry's thirst for water: First study of its kind in 30 years」。
 米国で1ドルする砂糖を生産するには、270ガロンの水資源が消費されていることが判明した。
 犬猫用フード1ドル分のためには、水200ガロンが使われている。
 1ドルの牛乳のためには、同じく水140ガロン。

 次っ。
 Vivienne Walt 記者による2010-4-1記事「Afghanistan's New Bumper Drug Crop: Cannabis」。
 世界のヘロインの9割はアフガンの芥子からつくられている。
 しかし国連によると、アフガニスタンは今や大麻ハシシュ樹脂の最大の産地(2009において1500~3500トン)であるようだ。アフガン農民はそれによって2009には $94 million の収入を得た。
 2010のアフガンでの米兵とNATO兵の戦死はもっか 139 名である。
 敵ゲリラに資金を提供しているのは、アフガンの麻薬事業者だ。
 アフガン南部は土地が豊饒で、モロッコの畠における量の3倍の大麻の反収を収穫可能。
 アフガン農民は、小麦などを植え付けるよりも3倍の収入を大麻栽培によって得られる。
 大麻は、芥子よりも収益性が良い。まったく粗放栽培で可いからだ。
 道路が危険すぎるので、南部の農民は、穀物などを栽培しても、それを市場に輸送して売ることなどできやしない。これも一因。ケシや大麻なら、犯罪組織の方からトラックで集荷に立ち寄ってくれるので、安全でもあるのだ。
 ※頓馬なことに、芥子【オピウム】と大麻【cannabis】はぜんぜん違うものなのだと、この記事によってわたしは初めて明瞭に認知しました。いままでの記事紹介では混同してたかもしれません。大麻はアサだから花【ポピー】は咲かないのか……。

 次。
 ScienceDaily が2010-4-1にアップしている記事「Improving Fuel Economy of Tractor-Trailers, Buses, Work Trucks」。
 米国の牽引車やバスやトラックにはいままで燃費に関して連邦の指導がなかった。これを改める。なにしろ米国の輸送交通用の燃料の26%を消費しているのだ。
 トレーラー牽引車ならば新型ディーゼルの採用で2020までに2割の燃費向上が可能。空力を洗練すれば11%の燃料費が削減できよう。ゴミ収集車やバスのような、停発進をくりかえす車両は、ハイブリッド化で35%燃料消費を抑制できるはずだ。

ミニ原発で「水から石油をつくりだす」――だと!?

★「読書余論」コンテンツの予告中で「平岡煕一」とあるのは「平岡煕」のあやまり。煕一氏は父親の方であります。

 さて、衝撃の事実が判明した。
 レジスターという媒体が報じた話を Jeremy Hsu 記者がまとめて2010-3-31にアップしている、「Mobile Nuclear Reactors Could Provide Power and Jet Fuel for Military, DARPA Says」という記事。

 空母の原子炉は、海水中の水素や炭素を利用してJP-8を作ることもできるはずである。※海軍機はJP-5の筈だが、このさい細けぇこたぁどうでもいい。

 同様に、アフガンの最前線の米軍基地の下水溜の水からも、軍用ジェット燃料JP-8(それは車両も走らせる)がつくりだせる。基地用に軽量可搬原発さえあれば。
 そうなれば、もう、JP-8をタンクローリーで輸送する必要がない。したがって、IED攻撃は無効化される!

 DARPAの皮算用。ポータブル原子炉を前線基地に据えれば、5~10メガワットの電力を使い、毎日1万5000ガロンものJP-8を現地製造できるであろう。これはチヌーク・ヘリ×何十機もが運ぶほどの量である。

 もちろん、現在は、そのような小型原子炉が実用化されていない。これを実用化するのが、先だ。

 兵頭いわく。ビル・ゲイツが飛びついたのも、「小型原発で下水から石油をつくり出す時代が来る」という未来にだったのか!
 石油成金の地球支配は終わり、原発ベンチャーの時代が来るのか!
 是非、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』で、事情をお確かめください。

 次。
 Leo Shane III 記者が2010-3-31に星条旗新聞に載せた記事「Obama announces plan for oil drilling off U.S. shores」。
 メキシコ湾の米国海岸では過去20年間、油井のドリリングは厳しく規制されてきた。しかし米国の法律が変わった。
 これからどんどん、大西洋とメキシコ湾での海上天然ガス採掘を拡大するぜ、とオバマ政権。
 ただしアラスカのブリストル湾では環境団体が大反対。

 オバマ氏いわく、これから頼りにするのは、再生可能な国内産エネルギー(renewable, homegrown energy)でなくちゃならないんだ!

 A-10でカメリナとジェット燃料を半々混ぜて飛んだパイロットの証言。調子には、何の違いも無かったね、と。

 近来、米空軍は、2.4 billion gallons のジェット燃料を毎年消費している。 しかし、空軍が米国内空域で消費するのに必要な燃料の半分、約400 million gallonsについては、2016までに「代替燃料」を充当したい。
 米海軍の目標も似たようなもので、そっちのゴールは 2020である。
 なお米空軍は2012までに、使用する全機種で代替燃料が可能かどうか確認するつもり。

 米海軍は4-22に、F-18を、半分バイオ燃料使用のものとしては初めて、超音速で飛ばしてみる。
 また、米政府は政府機関用に5000台のハイブリッド車両を調達する。
 兵頭いわく。脱石油時代が、間違いなく到来しつつあります。真相を、『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』で、お確かめください。

 次。
 Clay Dillow 記者が2010-3-31に載っけている記事「Modified Secreting Cyanobacteria Are Like Tiny Biofuel Factories」。
 アリゾナ州立大学が、光合成するシアノバクテリア【藍色細菌】でブレークスルーの手掛かりを得た。
 細胞壁/膜をぶちこわさずにバイオ燃料成分を効率的に抽出できる。つまり、卵を産むニワトリを殺さないで済むわけだ。
 バクテリアは食用農作物と土地を競合しないし、遺伝子操作は簡単だし、安い。ところが、そこから燃料を取り出す工程にカネがかかるので、競争力がなかった。
 研究者の一人の〔シナ系の?〕 Xinyao Liu 氏。いわく。thioesterase という酵素を使う。それがタンパク質から脂肪酸を分離してくれる。分泌の量は酵素によって3倍になった。

 次。
 おなじみ David A. Fulghum 記者による2010-3-31アップ記事「U.S. Navy Wants To Field Cyber-Attack System」。
 戦術級のサイズのUAVにフェイズドアレイ(electronically scanned array =AESA= emitter)をとりつけて、敵艦隊に対し、データ・ストリームを流し込んでやれ。
 艦隊通信ネットワークにもぐりこむためには「キー」が必要だが、波形等を似せることでそこを突破すれば、防空システムを大混乱させられる。
 つまり、ジャミングとハッキングを組み合せたものが、次世代ジャマー(NGJ)の機能となるのだ。
 それが可能な最初のポッドは、もうすぐ EA-18G Growler の古い「ALQ-99 jammer」を更新するであろう。
 またF-35の機関砲スペース内にもとりつけられるだろう。
 B-52を改造して200マイル以遠から電子攻撃をしかけることも検討中だ。

 次。アメリカにはネトウヨはいないものの田舎のカタギ州に反民主党の武装市民団体が増えてほとんどナチ一歩手前だぜという報道。
 ABCテレビの番組の梗概。RYAN OWENS と ELY BROWN 記者による「In Idaho, a Militia Trains ... for What?」という記事。2010-3-30アップ。

 ミリシャ(民兵)の団体で、Hutaree という組織が警察を襲撃しようと計画していたとして逮捕された。それに関連してアイダホの別な団体を取材した。
 North Idaho Lightfoot Militia は、メンバーは100名以上。そしてメンバーは、失業者が多い。昨年、こうした失業者を吸収して米国ミリシャは急拡大した。だがきっかけは、黒人大統領の当選だ。

 その成員いわく。オバマ民主党はヘルスケア法案で米国を全体主義・社会主義にしようとしている。そこからは独裁者が出てくる。それに反対するのだ。
 タダの医療なんてものはこのアイダホ州では許せんのだ。

 またいわく、ソ連の憲法は宗教の自由は認めたが、人民武装の権利だけは許していなかったろ、と。

 次。
 やっぱりイランの核技師は米国CIAによって亡命を手引きされていた。
 APの2010-3-31記事「Iranian nuclear scientist defects to U.S.」。
 科学者の Shahram Amiri 氏は、テヘランの Malek Ashtar 大学 で働いていた。去年の6月にメッカ巡礼中サウジで行方不明。イラン政府は米国が誘拐したと非難していた。
 やはりそれはCIAが長年準備した亡命だったのだと、このたび判明。

 ※つまり米国政府は、イランが核武装しそうかしそうでないのか、かなり正確に掴んでいるんですよ、だからトラストミーですよと、こんどの米ソ新条約やこれからの空軍削減に反対しそうな連中に、ちょうどよいタイミングでメッセージを発したわけ。

◎読書余論 2010-4-25配信予定分 の 内容予告

▼防研史料 『支那軍の特性』S6頃?
 傳作義の毒ガス使用について。

▼防研史料 『重慶軍戦法ノ参考』S18-9
 じつはシナ軍の手榴弾偏愛スタイルはソ連赤軍直伝か。

▼茅原郁生ed.『中国の核・ミサイル・宇宙戦力』2002-7
 シナ人いわく、背丈にふさわしい服を着るべし。つまり大国なら軍事力を持てと。

▼『新 日本古典文学大系 32 江談抄 中外抄 富家語』1997
 牛車には、横向きに乗るものである。平治の乱に敗北した宮廷貴族による、意外なしきたり集。

▼篠原節・瀬戸弘幸『ヒトラー思想のススメ』1990-12転展社pub.

▼星野常富著、坂部裕郎訳『武学拾粋』1997、原・嘉永6
 心気を鎮めていない者は、口論になったときに「真暗」になる。※梶原一騎の告白を裏付ける。幕末まではフィジカルな喧嘩とオーラルな口論とは区別をされていなかった。それは無段階的に遷移するもので、最後は、刺すか刺されるか、だから。そこまでの覚悟をするなら、選択は「空手」ではない。

▼リタ・グリムズリィ・ジョンスン著、越智道雄tr.『グッド・グリーフ』1991、原1989
 チャールズ・シュルツがまだ生きていたころに刊行された立身伝。ドイツ系で、WWIIにも従軍。高等教育を受けず、プロのマンガ家になってから、ウッドストックが描けるようになるまで6年以上かかった。やはり、単純なものほど難しいのだ。『ピーナッツ』の死後続編はシンジケートとの契約によって絶対にありえない。しかしキャラクター商品は出続ける。

▼木村菊太郎『小唄鑑賞』S41
 89式中戦車を生産した「汽車製造(株)」をつくった平岡煕一について詳しい。平岡はベースボールも輸入した。
 伊藤博文は自分が暗殺されることを予期した小唄をM42-10渡満の前日に作っていた。

▼木村菊太郎『芝居小唄』S35

▼山中与三郎『プル子よ さらば』2005
 日共が、再処理とプルトニウム利用に反対した。ATR(ふげん)は科技庁が推し、CANDU炉は通産省が推した。※通産省のこの選好だけは偉かった。確信犯だからだ。いまは当時の面影なし。

▼丸谷才一『新々百人一首』1999

▼片山与三吉『小倉百人一首評釈 附 早取法』S3-12
 カルタ必勝戦術のハウツー。

▼尾崎行雄・推薦、田川大吉郎tr.『銀行国営論』S6-8
 底本は豪州人フランク・ロック著“Nationalizaiton of Credit”
 英のコモンロー「法律は人に不可能の事は強いない」。※つまり9条はコモンローによっても無効である。

▼Woods Hutchinson著、大日本文明協会・抄訳『文明と保健』大13、原1914
 南北戦争で北軍の20万人の新兵の身体測定がおこなわれている。
 40歳までは、体重は多いほうがマシである。40歳をすぎれば、それは逆になる。

▼フリッツ・フォン・ベーリング『バイエル創業五十年史』S13-8

▼平間洋『ミネルヴァ日本評伝選 福沢諭吉』2008-5
 『雷銃操法』はいつどのように書かれたか。五箇条の御誓文も、諭吉の『西洋事情』から影響を受けていること。

▼小野&千田tr.『中国古典文学全集 金瓶梅』上中下、平凡社S34~35
 シナの経済ヤクザについて知りたくば、必読の古典。ナンバ歩きなど無いことがこの挿絵の「ナンバ」から逆に知られるだろう。

▼森田俊彦『陸上戦技』S18-10
 戦術の話ではなく、フィールド&トラック競技の戦時呼び変え

▼南満鉄(株)産業部pub.『北支那経済綜観』S13-5

▼手塚正夫『支那重工業発達史』S19-9

▼ジョン・スチュアト・ミル著、戸田正雄tr.『ミル経済学理1』S23
 昭和以前に一度も訳されなかったのは何故?

▼長岡清治『旧夢 会津白虎隊』大15-9

▼原正男『国民性伝説』大6-2

▼加藤咄堂『民衆と宣伝』大9-10
 シナ人の「暴戻」はその屠殺文化にある、と、紀 惟貞が指摘。

▼桃 裕行『上代学制の研究』S22

▼久木幸夫『大学寮と古代儒教』1968

▼児玉幸多ed.『改訂新版 図説 日本文化史大系・9』1968

▼『海俊宗臣著作集・7』S55

▼瓜生敏雄『動乱と警察』S58
 S23-4-24の神戸の北鮮人暴動。S24-6-30の日共系暴動。S25-7-11の小倉の黒人兵暴動……など。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
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