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◎「読書余論」 2012年1月25日配信号 の 内容予告

 はじめにごあいさつ
  2011年をサバイバルしたみなさまに心より新年のお慶びを申し上げます。
 いやホントにわたくしも経済的に生き残れた……というのが実感です。
 旧年は、おかげさまで『【新訳】戦争論』も世に問うことができました。あの津波後の出版苦境の余波の中でひたすら自室に閉じ篭もってこの大作をリリースできたのだなぁと思いますと、なんだか、産卵後の鮭になったような気分で、フラフラしてます。あとは余生ですわ。しみじみ思います。
 2012年は3月過ぎに草思社さんから1冊、おもしろいものが出ると思います。
 運がよければその前に『箱館戦争』が元就社さんから出てくれるでしょう。さっそく初詣はこの願をかけに「北海道東照宮」に参ります。
 そのあとの企画ですけど、ネタはいっぱいあるんですが、とにかく最近「遅筆」になりました。ですから企画はよく選ばないと……。ジジイにふさわしい有意義なものを厳選したいですね。

 では以下、例によりまして「読書余論」の次号の予告。

▼西郷従宏『元帥 西郷従道伝』S56-4
 孫による決定版資料。名前の読みは間違いなく「じゅうどう」であって「ツグミチ」等はすべて誤りだという。その理由がまた面白く説得的だ。
 鳥羽伏見戦での桐野の居場所にも言及している稀少な資料。
 あと余談ですがどうも西郷隆盛はクラウゼヴィッツの『戦争論』のエッセンスを何かで読んでいたように思えてならないんですよ。征韓派の中で、隆盛の理論だけが、シャープすぎるんです。ロシアとは戦わずして和睦できるという甘っちょろい板垣や副島なんぞとは別次元で、もう同日の談ではないのです。蝦夷で防禦すれば必敗だから、こっちから半島沿いに出て行ってウラジオや尼港でロシア軍と決戦し、それによって北海道を保つと言ってるんですよ。これはもうクラウゼヴィッツなんですよ。ということは朝鮮はシュレジエン地方だというつもりなんですよ。彼だけになぜそんな雄渾な「軍略」の把握が可能だったのか? これからの長期的な研究課題にしておこうと思っております。

▼池田史郎「久米邦武遺稿『葉隠巻首評註』について」(『日本歴史』H1-3)

▼谷中信一「『逸周書』研究(四)――その兵法思想について」(『日本女子大学紀要 文学部』H5)

▼山内盛彬『琉球の舞踊と護身舞踊』1963
 「ヌンチャク」ではなくて「ヌンチャグ」なのね……。

▼内田知雄「孔子および孟子の兵戦思想」(『同志社法学』1954-12所収)

▼内田知雄「荀子の兵戦論」(『同志社法学』1955-3所収)

▼湯浅邦弘「『司馬法』に於ける支配原理の峻別」(『島根大学教育学部紀要(人文・社会科学)』H2-12所収)

▼西田龍雄による書評:林英律著『夏譯《孫子兵法》研究』上下冊(『東洋學報』1995-10、(財)東洋文庫pub.所収)

▼細見古香庵『古作 茶の湯釜』S39
 「クサリガマ」の初出を確かめようと思って閲覧したのだが……雑学の宝庫でござったは。ちなみに西郷従道も茶坊主出身。

▼『ルソー全集 第十一巻』1980、白水社pub.
 ピュグマリオン。なんと作曲まで手掛け、その演出の影響はモーツァルトに及ぶ。

▼村山修一『天神御霊信仰』1996

▼真壁俊信『天神信仰史の研究』H6

▼無名氏著『侠骨木戸少佐』M26-8
 インディジョーンズとゴルゴ13の原型がここにあった。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。

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