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MIL短報【2013-6-30作文】

※兵頭のPC端末を機種変更してから「ブログ人」へのログインができぬ状態が続いています。MIL短報は臨時にこちらへ掲載します。

一。
 Michael Welles Shapiro 記者による2013-6-29記事「Navy, shipyard sign $745M Enterprise inactivation contract」。
  1961-11-25に就役した原子力空母『エンタープライズ(CVN65)』は退役と決まって2012-12-1に原子炉を止めた。
 いよいよ解体(核物質完全除去)作業にかかる。その費用はおよそ $750 million だと。総額は上方変動する。「コスト+インセンティヴ」契約方式なので。オーバーした金額の負担は、海軍と造船所で折半することになる。
 請け負う造船所は、ニューポートニューズで海軍御用をつとめる Huntington Ingalls Industries 。げんざい、米空母を建造できる唯一の造船所なのだ。

 ビッグEは米軍の最初の核動力空母である。これ以前に解役された核空母は無い。したがって、空母用の廃炉作業も、これが最初のケースとなる。前例が無いのだ。

 作業は2018-9までかかる見込み。専従する労務者は常時1000人以上という体制。
 ただし原子炉の解体ができる場所はニューポートニューズではない。その段階になったら、ビッグEは曳航されて太平洋のワシントン州ブレマートンにある Puget Sound Naval Shipyard に運ばれる。その海軍工廠で8基の原子炉をバラす。

 原子炉を取り出すためには船殻をオープンカットしなければならない。取り出された原子炉部分は、艀に載せられて揚陸され、ワシントン州東部の沙漠へ運搬される。そこは連邦エネルギー省が管轄する、原子炉のゴミ捨て場である。そこに最終的に埋められる。

 エンタープライズは、ノーフォーク海軍基地にあったが、6-20に曳航されてニューポートニューズに着いた。
 エンタープライズに姉妹艦は無い。エンプラの次の級はニミッツ級である。
 キューバ危機にもエンプラは出動している。
 出力は20万馬力。
 米海軍の4隻の原子力空母だけが、「ジェット機の着艦40万回」を記録している。その1艦でもあった。

 2012-11まで作戦任務。12月に退役。
 2500人のクルーは、今は1300人に減らされている。

二。
 ストラテジーページの2013-6-29記事「The Unreported Revolution In Air Combat」。
  米軍戦闘機の過去10年のすごい進化は目立たないところ、ヘルメットマウント照準システムにある。
 めだたないのも道理。過去10年、米軍機と外国軍機との間に「空戦」というものが発生していないからである。しかし進化の凄さはすべてわかっている。
 というのは、米軍の戦闘機は、その空戦訓練中、いつ武器の発射を決断したか、いっさいを電子記録にとられているからだ。1970年代から、その記録が全部残されている。もちろん、部外秘だ。
 その統計をとって、分かったこと。とにかく「決心」のタイミングが早くなってきている。
 したがって、今、ヘルメットマウント照準システムをもっていない他国空軍とのドッグファイトになれば、米軍パイロットは、万に一つもおくれをとることはない。

 現在の究極のシステムは、JHMCS(Joint Helmet Mounted Cueing System)である。※「ジョイント」が付くと、それは空軍と海軍の共用であることを示す。
 これは昨年に導入された最新バージョンだが、パイロットの目玉の動きを器械が探知して、パイロットが何を攻撃したいのかを器械が判断してくれる。そのさい、パイロットの首やヘルメットがどの方角を向いていようが、関係ない。両目が焦点をあわせている対象物だけを、器械は察してくれる。そしてそのまま瞬時に空戦ミサイルのロックオンと発射が可能なのである。

 いぜんのJHMCSは重量配分のバランスが悪くて、パイロットの首がえらく疲れたが、その問題も、昨年バージョンでは改善された。

 この「JHMCS II」は、初代より安価になったが、それでも a million dollars します。
 ※エンジンや機体はおいそれとは設計も量産も成熟もさせ得ない。しかし、電子ハードウェアとソフトウェアは、日進月歩で進化させることができる。そしてその面での進歩は、エンジンや機体の性能、パイロットの空戦技倆をほとんどどうでもよくするだろう。これは「数十年経ってはじめて2代芽が育つ裸子植物の針葉樹はなぜ毎年繁殖する被子植物に進化スピードと多様性で負けるか」と同じ機序なのである。日本がもし有限の国防資源を、進化の光速な電子ハードウェアとソフトウェアに集中してつぎこんでいたなら、米軍よりも先に「JHMCS」やその他のガジェットを豊富に手にできたことは間違いない。軍事政策の総括リーダーシップというものがなく、軍事評論界にも視野狭窄のオタクしかいないために、今日の不振・凋落があるのだ。

 JHMCS はまた、バイザーに飛行上のクリティカルな情報をシースルー・モニターのように現示してくれるので、パイロットは計器チェックのために下を向く必要が激減する。これは、常時、四周を警戒していられることを意味する。
 ヘッドアップディスプレイと違い、横を向いていても可い。これは進歩だ。
 歴史をさかのぼると、最初にヘルメットマウンテドサイトを考えたのは、南アフリカのメーカーだった。それは1970年代であった。
 アンゴラを支援していたソ連軍機が、このサイトを実装した南アの戦闘機によってしばしば撃墜された。
 そこでソ連もこのヘルメット照準システムを独自に考えた。これは完成したが、秘密であった。
 ※この推定情報にもとづいて米空軍プッシュのもとに製作された映画が、クリント・イーストウッド主演の『ファイアー・フォックス』である。

 ソ連崩壊後、元東独のパイロットが、このソ連のシステムを使ってNATOのF-16を空戦試合で翻弄してみせた。これに米空軍が驚愕した。

 イスラエルのエルビット社は、ソ連の開発動向を、ユダヤ人移住者チャンネルによって掴んでいたので、はやくから DASH (Display and Sight Helmet) の必要性に目をつけ、開発資源を突っ込んできた。だから米軍と米企業は、エルビットと協定して JHMCS の実用化を加速させたのである。

 ただし初期のJHMCSは2kgもあり、これにGがかかると17kgと同じことなので、パイロットは疲労困憊した。それで6年前、米空軍は、パイロットの首の筋肉を鍛えるジム・マシーンを、空軍基地に多数設置したほどだ。
 こんかいの「II」が軽量化した意義は、だから大きいのである。

MIL短報【2013-6-29作文】


一。
 ストラテジーページの2013-6-28記事「The Navy Follows The Army」。
  米海軍は、32隻保有しているLCU(Landing Craft Utility、大発のさらに巨大なもの)のリプレイスを考え中。
 すでに船齢40年以上で、急速に動かなくなりつつある。
 LCUは平底で、浅い海岸を航行でき、砂浜に乗り上げて船首ランプドアを倒して、そこから車輛を吐き出すことができる。
 いま、用いられているのは『LCU1600』型で、排水量380トン。荷物は125トン積める。それでたとえば戦車2両+兵員400名を運べる。
 LCUは固有乗員13名で操縦される。
 最高速力は20km/時にすぎない。
 海上には、連続10日間、補給なしで居続けられる。

 更新する新型だが、名称は『SC(X)(R)』(Surface Connector Replacement)という。
 設計はまだ確定していない。いろいろ考えている。
 しかし軍事予算は厳しい環境なので、いまのLCUの無難な発展形となるだろう。

 じつは海軍とは別に陸軍も『LCU1600』をもっていた。それを陸軍は、34隻の『LCU 2000』で更新している。
 この新型は、排水量 1,087 ton、荷物は 350 tons(すなわちM1戦車×5両、もしくはコンテナ24個)載せられる。
 乗員13人は変わらないが、海上に27日間、無補給で居続けられる。

 クウェートや日本の米陸軍は、沖合いまでやってきた米海軍の輸送艦から重い荷物を受け取るのに、この『LCU2000』を「艀」として活用している。
 おそらく海軍も『LCU2000』で我慢しなくてはならないだろう。
 なお、陸軍の『LCU2000』はかれこれ20年くらいも使っているのでそろそろリファービッシュが必要だ。その工事のあと、さらに25年くらい、使われ続ける予定。

二。
 Oren Dorell 記者による2013-6-28記事「US Ospreys and air tankers put Iran in Israel's reach」。
  米国はイスラエルにいろいろな高額な兵器を只でプレゼントし続けなければならない変な立場にある。
 オスプレイを進上することも既定路線だが、国民納税者にどう説明するのか、ずっと考えていた。
 このたび、良い理由がみつかった。
 イスラエルの特攻コマンドーをイランの地下核工場までオスプレイで運べるじゃないか!
 それには航続力が不足だが、空中給油機もついでにプレゼントすればいいじゃん!

 ちなみにオスプレイは8機、渡される(米国負担金額 $1 billion)。またついでに、イスラエルのF-15のレーダーを米国製のAESAに換装してやる工事費用 $500 million も米国納税者がまるまる負担する。※この記事はわれわれを安心させる。というのは、イスラエル国産のAESAなどぜんぜん頼りにならないことが如実に伝わるからだ。イスラエルがこれまでシナ人にどんな国産技術を売り渡したかしらないが、それは中共空軍機のレーダーを、ほとんど改善していないと推定できよう。

 イスラエルが破壊したいのは、イランの Fordow の山の地下にあるウラン濃縮プラントだ。
 岩盤が厚すぎて、米軍最大のバンカーバスターでも貫徹できない。
 そこでどうすべいかイスラエル軍内であれこれ相談中だが、オプションの一つが、特殊部隊が突っ込んで爆薬で破壊する、というもの。

 米国からオスプレイなどをイスラエルにプレゼントするという決定は、6-15にイスラエルの Moshe Yaalon 国防相が訪米したとき公表された。
 しかしこの他に、公表されていない相談がいろいろある。

 Yaalon 氏いわく。これならまちがいなく実行されかねんなとイラン人も信ずるような軍事オプションをイスラエルがもしも手にしていないならば、イラン政府が核武装政策を自発的にやめるわけがなかろう、と。

 イスラエルに渡されるタンカーは、 Boeing's KC-135 "Stratotanker" である。オスプレイの作戦レンジは無給油なら 426-mile だが、空中給油機と組み合せることで、無限化する。

 また、戦闘機から発射して敵地上の防空レーダーを破壊する戦術ミサイルも、米国はイスラエルに供与する。

 2007にイスラエルがシリアの原発を空襲して爆破したとき、地上に1人の特殊部隊員が潜行していて、レーザーでターゲットをスポッティングして、爆弾を誘導していた。
 同じことがイランに対してもなされるはずだ。先にレーザー・スポッター要員を敵地に送り込まねばならない。それにV-22が活用される。※わけがない。それなら固定翼機からパラシュートで降下させた方が早い。というかイスラエルの工作員はすでにイラン内に散在していて、オートバイを使った核技師爆殺などもやっているほどなので、あらためて目立つ空から人を送り込む必要などない。リアリズムから関心を逸らすためのディスインフォメーションだ。

 最もありそうな使われ方は、コンバット・レスキューだ。イラン領内にもしもF-16が墜落したら、そのパイロットは何としてでも連れ戻さなければならない。
 ※コンバット・レスキューでは、搭載力はあまり問題にされず、スピードはあればあるほどよく、航続力は死活的に重要である。三自衛隊でオスプレイを最も必要とするのは、北京空爆ミッションを想定する空自の筈だね。搭載力重視の陸自ではなく。

 今、スーダンとエリトリアが、イランのための海軍基地をつくり、そこから戦術ミサイルをガザ地区へ送り込もうと画策している。このミサイルの輸送を途中でおさえるためにも、V-22は役立つ。

 アメリカは、イランにずっと近いUAEとサウジに最新型のF-16爆撃機を売り渡すことで、イランの核武装に対するアメリカなりの回答にしようとしている。
 ※イランがアゼルバイジャン領を併呑しようと工作員を浸透させているので、ロシアが同国政府に戦車などの兵器を援助してイランに対抗させようとしている。イランはどうする気だよ?

三。
 Dianna Cahn 記者による2013-6-28記事「Ashland sets sail from Virginia to Sasebo for ship swap」。
  後尾泛水ドックと、広いヘリ甲板を持つ、上陸作戦艦『Ashland』が佐世保にやってくる。そして、いままで佐世保に常駐していた『Tortuga』は修理のため米国に戻る。
 これは「船体スワップ」と呼ばれる交替の方法で、乗組員たちが、そっくり乗務艦をとりかえる。『トルトゥガ』のクルーはひきつづいて佐世保で『アシュランド』に勤務する。

 『Ashland』はドックで2年をかけて諸設備を近代化したばかり。同じ工事が、『トルトゥガ』にもこれからなされる。

 『アシュランド』は、東海岸のJoint Expeditionary Base Little Creek(ノーフォーク?)を出港し、パナマ運河を通り抜け、サンディエゴと真珠港に寄港して、日本にやってくる。
 この乗員たちは片道6週間かけてまた同じルートを、こんどは『トルトゥガ』で戻ることになる。
 『トルトゥガ』はかれこれ7年も日本に居た。

 『アシュランド』はしかし、4~5ヶ月しか配備されない予定だという。
 ※フィリピン国防相は、スビックだけでなくクラークも米軍のために再び基地化すると言明した。海兵隊もみずからの有用性を示すためには比島に集結しとかないとな。

四。
 ストラテジーページの2013-6-28記事「The Threatened Egyptian Dirty War」。
  エチオピアが工期6年でブルーナイルにダムをつくると下流のエジプトでは水位が下がって舟運にさしつかえるからゆるせん、戦争をしかけてぶっ壊すという話になっている。
 ところがエジプト軍は兵站力が弱い。長期戦ができない。そして、補給手段の頼りは、やはりナイルの舟運なのである。これは航空機によって簡単に阻止されてしまう。

  6-3報。ケニア軍は、偵察用の無人機を取得するであろう。これは米国と日本からの支援によって、実現する。このUAVは、また、警察活動にも使用する。小火器の密輸を取り締まる。
 北ケニアでは、南スーダンやエチオピアやソマリアから、牛泥棒団が越境してきて、牛を強奪して行く。
 UAVは野生動物保護にも役立てられる。

MIL短報【2013-6-28作文】


一。
 Manuel Mogato 記者による2013-6-27記事「Manila plans air, naval bases at Subic with access for U.S., officials say」。
  米海軍高官によると、フィリピン政府は、かつて米海軍の軍港があったスビック湾と、その付属の海軍用飛行基地のキュービポイントを、再建して米軍に提供することを決めた。
 これは南シナ海での対支作戦基地とするためである。

 ※ヘンダーソンの再建が先かと思っていたら、スビックの話が先に公的に浮上した。これはスノーデン逃亡幇助に対するオバマ政権からの対北京報復第一弾である。米国中枢は、いままでは「対支」をあからさまに言うことは憚ってきた。もはや憚らない。

 シナ人が不法占領中のスカボロ礁までは 124 nautical miles の距離に一大米軍基地が再建される。
 コストは 10-billion-peso (=$230 million) を見込む。

 スビック湾は、水深が深い。しかもジャングル高地で囲繞されている。位置はマニラ市から80km。米西戦争いらい米海軍は94年間、ここに居座っていた(日本軍に追い出された2年間を除く)。しかし冷戦後、もう脅威はなくなったと勘違いした比島国会が増長し、腹を立てた米海軍は1992に、巨大乾ドックをも含むすべての設備投資をぶっこわし尽くして撤収した。その後、同地区は経済特区に指定されていた。

 その後も米軍艦や米機は、メンテナンス等の理由でスビック&キュービに立ち寄ることはあった。

 基地用地と区分されているのは、広さ 30-hectare (74-acre) である。

 米国がタダでくれてやったハミルトン級のコーストガード船×2隻も、スビックが母港である。(2隻目の引き渡しは数週間後。)

 木曜日、米比両軍は、スカボロ礁近くで合同演習を開始する。
 そして来週、ブルネイでは、ケリー国務長官が参席する東南アジア+中共の年次会合が開かれる。

 ことし、すでにのべ72隻の米軍艦(潜水艦含む)がスビックに寄港している。2012には88回、2011には54回、2010には51回の米軍艦寄港があった。

 Cubi Point Naval Air Station は、FedEx Corp の民間カーゴ機が、米海軍航空隊撤収後、利用していたが、その後、利用を止めた。同基地は2009に「スビック湾国際空港」と改称された。
 米海軍は、この飛行場の一部をまた軍用に戻したらどうかとアキノ政権に提案中である。

 米陸軍特殊部隊は、2002以降、比陸軍の基地内に分散同居して、南部のアブサヤフらと戦っている。
 また、米海軍の哨戒機は、旧クラーク基地の一部分である、現在の比空軍基地内に、同居常駐している。

 これは米軍が排他的に専用の基地を保持するのではなくて、比軍の基地を米軍が「間借り」したり、アクセス権だけを持たせてもらうという利用形態であるため、比島の国民感情も悪くしない。これからどんどんこのスタイルでプレゼンスが拡大するだろう。

二。
 ARAM ROSTON 記者による2013-6-24記事「Will Congress Let USAF Abandon the Global Hawk?」
  南アジアでは、6月は、雨期(約半年)の始まりである。
 台風も来る。台風はハイパワーなので、天候の変化が速まり、予測がし難くなる。これは極東での対支〔記事では対北鮮と書いてあるが、これはお約束で、対支の符牒として軍事記事では使われる〕の偵察飛行に代価を強いる。

 グァム島に3機配備されている無人高高度偵察機グローバルホークだが、同機だけの、厳しい運用規則が特別に課せられている。まず、雷雲の上は絶対に飛んではならぬ。また、基地からの上昇と、基地への降下の途中で、雲に突入してもいけない。その場合、横に避けなければならない。
 これは面倒な規則である。これがため、少しでも悪天候が予期される日は、そもそもグロホを、飛ばせないのだ。
 昨年などは、ある1ヶ月まるまる、離陸ができない時節もあったほどだ。

 この成績実態が、ワシントンで、「脱グロホ」運動をプッシュしている。
 というか、これをわざと仕組んでいるのは、有人偵察機U-2をなくしたくない空軍の一派なのだ。
 U-2ならばこれしきの雲は関係なく、毎日でも偵察しますよ、とアピールしたいのだ。じっさい、そうアピールしている。
 そして、今18機、持たされているグローバルホークを、ぜんぶ、沙漠の廃品飛行機置き場に並べてしまいたい、というのが米空軍人の国益などどうでもよい私的な願望である。彼らは無人機そのものを忌み嫌っている。飛ぶ趣味をぶちこわす存在だからだ。
 1年半前から彼らはこの姿勢を露骨に示し、グローバルホークの追加調達を拒絶している。

 空軍内にも、グロホを買えよという勢力はある。メーカーのノースロップ・グラマン社との腐れ縁を持った連中だ。
 かたや、U-2の運用継続と追加調達を叫ぶ連中は、そのメーカーたるロッキード・マーチン社との腐れ縁を有しておること、いまさら申すまでもなかろう。

 U-2で高度7万フィートを北西に向けて飛び、そこから機首を右にすると、パイロットは、空がとつぜんに真っ暗になる直前、緑色の「燐光」のフラッシュを視認する。不思議な地球の現象である。
 これは7万フィートまで行かないと体験できない。U-2の場合、パイロットは、宇宙服を着て搭乗する(1955当時のU-2と違っていまでは与圧コクピットなのだが、それが破裂した場合パイロットの命がないので、ひきつづき、宇宙服が常装)。空軍パイロットは、こういう超常体験が面白いので、U-2を捨てたくないのだ。国防とか安全保障とは何の関係もない、個人の興味の話なのである。

 U-2は、2年前、ゲイツ長官により、終了プログラムが開始された。いまや空軍人は、それに全力で抵抗する気満々だ。

 グロホは連続32時間も飛行し続けられる。U-2にはとてもそれは無理である。

 グロホの偵察センサーに対する高性能化の要求は、とどまるところがない。そのため、次々と、ペイロードが大きくされ、エンジンが強化され、発電量も増やされた。そうやって型が新しくなるにつれ、単価は雪ダルマ式に膨張してきた。
 もともと単価 $35 million でできたのが、いまじゃ $220 million である。これは諸装備の不断の開発コストが按分されて上乗せされるため。

 2012-1に空軍は、グロホ計画を終了すると決めた。
 すると全米の15州に散在するグロホの下請け企業が議員を通じて大反対を始めた。

 2013 National Defense Authorization Act は議会を通過している。これにより空軍は、RQ-4 Block 30 Global Hawk をすくなくも2014年末まで運用し続けなければならない。
 1機のグロホも、沙漠の廃物飛行機置き場へ送ることは許されない。

 さらにこの6月、下院軍事委員会は、新しい defense authorization bill を可決した。これにより、グロホを廃品にしたくてたまらない空軍は、2016まで、グロホを運用し続けなくてはならなくなった。

 以下、U-2とグロホ・ブロック30の比較(U-2派の説)。
 U-2はエンジン推力が 17,000 pounds と強力で、高度 65,000 feet へタッタの30分で上昇ができる。
 かたやグロホは、推力が 7,500 pounds と弱いので、6万フィートに昇るのに4時間がかりである。

 グロホは32時間連続滞空できるが、U-2はマックス14時間、ふつうは10時間でパイロットの疲労限界になる。
 ただし、韓国上空は無人機に開放されていない。その空域は、有人機しか飛行することは許されていない。

 U-2の上昇限度は、公称で7万フィートだが、じつは、7万5000フィート近くまで行ける。
 グロホは6万フィートである。
 領空侵犯しないで100マイルも敵地を覗き見したかったら、1万フィートの高度差は、でかい。

 グロホはセンサーを3台(SARレーダーと、光学と、シギント)積む。U-2は2台(シギントを欠く)である。

 U-2は2000年型のホンダ・アコードのようなものだ。つまり、すでに代金はぜんぶ払ってしまっており、しかも、これからも走ってくれる。グロホは新型車であり、金食い虫である。

 運用コストについての両陣営の争い。グロホ・サイドはいう。グロホはパイロットの教育に必要なコストが断然に低い。また一回の滞空時間が長いということは、各部にストレスのかかる離陸と着陸の回数・頻度が小であることを意味する。これは機体の寿命を長くする。

 U-2とちがってグロホには、急にあらわれた雲を適宜に回避するセンサー&知能が無い。
 ただしノースロップグラマンは、雲をカメラで見て避ける装置を後付けできる、と主張している。 $7 million だという。

えっ、盥と洗濯板 知らないの? 川の水 只だから どんどん使って!【2013-6-27作文】

※兵頭のPC端末を機種変更してから「ブログ人」へのログインができぬ状態が続いています。MIL短報は臨時にこちらへ掲載します。

一。
 ストラテジーページの2013-6-26記事「The War Against Invisibility」。
  沿岸で使う限り、原子炉を搭載しない電池動力の潜水艦はきわめて探知し難い。
 米海軍は半世紀前から核動力の潜水艦しか所有していないが、ポスト冷戦の電池潜水艦対策はずっと研究してきた。
 2005~2007には、そのためにスウェーデンから潜水艦を借りて、米国にとっての「最悪シナリオ」を実演してもらい、米海軍のSSNなどがASWの腕試しをした。スウェーデンはたった5杯しか潜水艦を持っていないのだが、クルーごと、リースをしてくれた。乗員以外の民間技師も数十人ついてきてサンディエゴに寝泊りした。

 ゴットランド級のスウェーデン潜は長さ65m、1500トンと小型で、乗員は25名である。
 その前には、米海軍は、豪州の潜水艦を相手によく訓練していた。しかしゴットランド級はAIPである点が、最悪シナリオにふさわしかった。

 イランと北鮮にはAIP建造能力はない。したがって最悪シナリオとは、中共のAIP潜水艦が密かに米国近海に接近し、そこから米本土を核攻撃する可能性に関係する。

 米海軍の最新ASWには、音、磁気、熱だけでなく、匂い(海中の化学物質)を追跡するものまでがある。
 現在米海軍は、環境団体に圧迫されている。南加州沖が潜水艦の訓練場なのだが、低周波ソナーを使うとクジラが死ぬからやめろと環境団体は文句をつけている。それでは中共の潜水艦を中共沿岸で探知できなくなる。

 今日、39ヵ国が、400隻の diesel electric 潜をもっている。
 うちシナが50隻、イランが3隻(+ミジェット潜航艇×25)、北鮮が20隻(+ミジェット50隻)。

 3国の大型潜のうち半分は古すぎるし、うるさすぎる。
 3国のミニサブの半分も、同様だ。

二。
 ストラテジーページの2013-6-23記事「Tardy Terrier Finally Arrives」。
  車外からリモコンしてロボット工兵にもできる装甲工兵車を、英陸軍が受領開始。
 開発に14年間かけた。
 この装甲ブルドーザー「テリアー」は自重30トン。従来装備していた17トンの FV180 をリプレイスする。
 ※土工車輛はあるていど自重がないとふんばりが効かないので、押したり引いたりする作業で力を出せない。さりとて重くしすぎたり履帯を特殊な形状にしすぎると、こんどは自走機動に不便。痛し痒し。

 しかし多くの国では、用済みになった大量の戦車の一部を、装甲工作車に改造する。砲塔をとっぱらって、装甲キャビンに換え、ドーザーブレードなどを追加するのだ。
 ※戦車は足回りが走行本位なので、サスペンションが効きすぎて土工作業には不便。しかし原理上、じぶんと同じ重さのモノまでは、押したり引いたりできる。

 テリアーは、最近の先進国軍隊の工兵車輛が皆そうであるように、リモコンで無人作業をさせられる(陸自のは、できない)。車外には5個のビデオカメラがあり、全周視界を得られる。モデルによっては、デモリッション砲を装備し、障害物破壊用の爆薬を投射できる。固有武装は、機関銃のみである。

三。
 M.L. JOHNSON 記者による2013-6-26記事「Head of Vietnam-era draft lottery dies at 88」。
  ベトナム戦争中、米国は選抜徴兵制度を敷いたが、その選抜の公平性と透明性を確保する方法を考えた男、カーチス・タール氏が88歳で死去。

 ニクソン大統領が、彼を Selective Service System の長に任命したのは1970のこと。
 それに先立つ1969-12のロッタリー式ドラフトから、タールの提案方式は実行されたのである。
 ※ドラフトとは徴兵のこと。これで思い出すのは、むかし、読売巨人軍の役員が不透明な箱に手をつっこんで紙片を一枚つまみあげると、それが必ず、入団前から最も騒がれた選手を指名できる切符であったこと。あんなの少しも公平でも透明でもなかろう。

 米国でもこのロッタリーの導入前は、どの若者を徴兵し、どの若者をしないかは、地域のドラフト委員会が密室で恣意的に決めていた。それは不評だった。

 どの若者が、徴兵されるか(徴兵されれば必ずベトナム行きとも決まっていなかったが、高率で行くことになった)を決めるのに、タール氏の発明したロッタリー方式なら、「情実が関与している」とか「イカサマだ」といった不平は起こり得なかった。

 では、彼が発明した公平な方式とは?
 プレキシグラス製の透明な多角錐ドラムの中に、365枚の紙片が入っている。その紙片には、「1」から「365」までの番号が書いてある。
 このドラムの回転軸は、横に寝ている。ドラム全体をレバーで手動回転させると、穴から紙片が1つづつ、落ちて出る。
 これを365回、公開の会場にて、繰り返す。(やるのは12月。)
 この籤引きの結果、「1月1日」から「12月31日」まで、1日ごとに、まず、ランダムナンバーが割り振られた。

 さて、1年365日のすべての日について、ランダムに籤引きされたナンバー(とうぜんそれは「1」から「365」まである)がひとつづつ割り振られた結果、たとえば、「5月1日」には「100」というランダムナンバーが、籤によってたまたま割り振られたとしよう。
 これで、翌年の1年間に関しては、「5月1日」生まれの徴兵適齢者は、ランダム番号「1」~「99」に籤で割り振られた誕生日の若者全員よりも、後に、召集される順番がまわって来る――という方式なのである。

 すなわち、某年度に徴兵される新兵さんは、まず「1」に該当する誕生日の若者全員。それでも定数に足りなければ、こんどは「2」に該当する誕生日の若者全員。それでも定数に足りなければ、「3」……、と、どんどん召集して、これを定員充足するまで続ける。

 ゆえに、何番までの若者が入営するかは、年度によって、変動することになる。
 じつは、1970年にはもうベトナム戦争からの足抜き路線は決まっていた。だから徴兵員数も、さいしょから漸減トレンドだった。
 1970年には、「ナンバー1」~「ナンバー195」の該当誕生日の若者だけが召集された。
 そして1971年には、「ナンバー1」~「ナンバー125」の誕生日の若者だけが入営した。
 ついに1972年には、徴兵は必要がなくなった。もはや志願兵だけで、米軍は充員できるまでに、兵力が縮減されたのだ。

 タールは1973まで政府(国務省)にポストを与えられ、海外の軍事プログラムに関与した。それから、私企業や大学を渡り歩いた。

 1970~72に発送された召集令状にはタールの署名がしてあった。だからその時期に徴兵されたアメリカ人は、みんな、タールの名前を忘れていない。

 タールは1924に加州で生まれ、WWIIでは陸軍に入営して欧州戦線で闘った。除隊後、スタンフォード大を卒業し、ハーバードで経営学修士。それからスタンフォード大で論文博士。その論文は軍隊に焦点を当てていた。

 1963にはウィスコンシン州のローレンス大学の学長。
 その時期、同州知事に行政面での協力を求められ、そこから共和党に認知され、ペンタゴンに呼ばれた。そこで、選抜徴兵の長になった。

 ※米軍は駐韓米軍の費用の半分を韓国政府が持てと要求しているそうだ。同様の要求が日本に来ても不思議はないね。

MIL短報【2013-6-26作文】


一。
 Ellen Nakashima and Greg Miller 記者による2013-6-24記事「U.S. worried about security of files Snowden is thought to have」。
  スノーデンの支援に奮闘しているウィキリークスは、スノーデンは中共にもロシアにも秘密文書のコピーは手渡していないと強調した。

 そしてウィキリークスはスノーデンの文書にもアクセスしたいと希望している。
 ※亡命を決意した段階であらゆる情報をどこかにストアして海外に持ち出せるように準備したことは当然に想像されるよね。日本でNSAに協力していた「機関」はその構成員の名簿がぜ~んぶバラされることになりやすぜ。個人情報とともにね。こういうことがあるから日本の警察は内閣に秘密情報を見せたりしない。お利口です。秘密を共有する人物が一人増えるだけで、その秘密はもう壁新聞で張り出されたと同じだと覚悟しとくのが斯界の教養だ。

 すでに英紙『ガーディアン』のコラムニストの Glenn Greenwald は、スノーデン提供情報にもとづく記事を連載し始めている。次に何が飛び出すか、皆、戦戦兢兢だ。尚、米国ではWP紙が、英のガーディアンとこのテーマでの提携関係にある。

 しかしグリーンウォルドは請合う。スノーデンはすべてをバラして合衆国の諜報資産を壊滅させるようなマネはしませんよ。

 NSAのプリズムは、すべての人の電気通信の発信元と着信先、その通話時刻や通話時間や通話回数をモニターしている。内容は調べない。しかし、テロ関係者と頻繁に長時間連絡をとりあっているような通信者がソフトウェアで浮かび上がれば、こんどはその通信内容の精査にかかる。
 ※今日のメモリーの性能向上と値下がり趨勢により、全世界の通信内容を全部傍聴して記録し続けることは、NSAには不可能ではない。その記録を、あとから仔細に調査することができるはずである。

 米国政府の元情報関係職員だった人いわく。持ち出したデバイスはハードディスクでしょう。それがシナ人に一回渡されてコピーを取らせたとしたら、すべておしまいです。シナ人がそれを得たとすれば、今はロシア人も同じモノを得ていますな。

 スノーデンはラップトップを持っていたろう。その中にもHDがある。ウィキリークスのアサンジによると、そのラップトップは旅行の前に、親しいジャーナリストたちの機関に預けられたと。

 ※朝永三十郎は大正5年の『近世に於ける「我」の自覚史』でこう書いた。――今次戦争(WWI)ではどの国も、自己を弁護し他を責めるのにあたり、常に正義・人道の如き善の理想に訴えた。それを偽善と呼ぶか? 「偽善の行なはるゝといふことが頓て善の力を示すではないか。善に力のないところに偽善の必要はないではないか」。

二。
 Randal Yakey 記者による2013-6-25記事「Hawkeye III data transfer system helps Marines」。
  この記事は、米海軍の双発艦上早期警戒機ホークアイとは関係ない。
 民間の、滞空時間の長い安価な飛行機にも搭載できる、無線中継装置。その通信機の名前が「ホークアイIIIライト」なのだ。
 海兵隊の広域通信中継用に、商用衛星の周波数帯をふつう通りの感覚で、海兵隊が専用回線として、地球のどこでも使える。
 衛星を使わずに、安価に、飛行機が空中中継局となって、最前線の海兵隊部隊と、はるか後方の海兵隊司令部を、データリンクしてくれるのだ。
 これを使った通信訓練は5月からもう始められている。

 「ホークアイ3ライト」は単価 $400,000 のシステムだ。

 米軍は衛星通信にかなり依存しているが、軍専用の回線だけでなく、民間回線も借り上げている。しかし地球のどこかで大災害などが起きると、この回線は混雑して通信速度が落ちてしまう。

 「ホークアイ3ライト」ならこの問題が無い。
 「ホークアイ3ライト」は、民間衛星通信や民間放送衛星と同じ周波数帯も送信したり受信したりできるから便利である。

 装置の重さは200ポンド強。機内のどこでも、小さなスペースに押し込める。専従操作員は、たった2名で可い。

 ※ストラテジーページによると中共はアフリカ各地の専制政府に総額 $13 billion もの事実上の賄賂を渡して原油を掘らせて貰っているのだそうだ。ヤク中患者がクスリ買いたさに金額を忘れるのと同じ飢渇発狂症状。よほど困っちまってるのね。現地作業員はいっさい使わないでシナ人だけで掘り且つ運ぶというのがシナ流。同時に、商人もドッと入り込んで、その国のマーケットをチープなシナ製品で席捲してしまう。ネオ・コロニアリズムだと。

三。
 お知らせ。
  7月20日の「函館未来塾」のミニ講演は、同塾のメンバーのお知り合いの人しか呼べないイベントだそうです。
 という次第で今回は、一般の方々へのご案内をいたしません。
 申し訳アリマセン。

MIL短報【2013-6-24作文】


一。
 LYNN BERRY and SYLVIA HUI 記者による2013-6-23記事「WikiLeaks: Snowden going to Ecuador to seek asylum」。
  米国との犯罪人引き渡し協定があるにもかかわらず米国からの逮捕要求に香港当局は応じなかった。

 スノーデンは、日曜日の、GMTで13時に、モスクワに到着した。そこからスノーデンはキューバ経由でエクアドルに飛ぶという。
 エクアドルはそのロンドン大使館内にジュリアン・アサンジをかくまっている。
 ※香港からモスクワへ飛ぶアエロフロート機を途中で米軍は邀撃できない。香港からちょくせつにエクアドルを目指せる民航機は無いし、無理に飛んでも太平洋上で米軍にインターセプトされるのは必定。ちなみに、ガラパゴス諸島はエクアドル沖にあるエクアドル領土である。

 キューバには月曜に着く。
 モスクワからキト(エクアドル首都)への直航便は無い。
 モスクワにはエクアドルから外交官たちが着ていて、スノーデンにいろいろと法的助言を与えている。これをウィキリークスのスポークスマンが語った。
 米国務省はスノーデンのパスポートを無効にした。それは香港を発つ前であった。ただし、国家や航空会社は、パスポートの無い人物を大目に見て世話することはできる。

 米国と香港の間の犯罪人引き渡し協定は、政治犯を除外している。また香港自治政府は、外交と防衛については北京の指図に従わねばならない。

 ロシアの外相 Sergey Lavrov は、スノーデンが望むのならロシアに亡命しても可いと言った。露米間には、犯罪人引き渡し協定そのものが無い。

 キューバ政府は何も発表していない。
 『South China Morning Post』紙によると、スノーデンは、中共の携帯電話会社複数と、2箇所の大学のハブでNSAが盗聴していたと言っている。
 同紙は6-12にインタビューしたと。

 中共は人口 1.3 billion 人で、巨大携帯会社が複数ある。「China Mobile」社は世界最大の 735 million 人のユーザーを誇る。それに次ぐ「China Unicom」社の携帯ユーザーは 258 million 人である。それに次ぐ「China Telecom」社のユーザーは 172 million 人。※億人規模というところがスゴい。

 これらの携帯会社はすべてNSAにユーザーのデータを抜かれている。
 また、通信ハブのある二つの大学とは、北京にある「Tsinghua University」と、香港にある「Chinese University」だそうである。このハブを通過するデータをコピー保存する作業は、今年から始めたそうである。
。※いまやビッグデータを盗聴し分析するという時代なのですね。個人の会話などどうでもええんや。

 スノーデンによると、NSAは、シナの「ネットワークの背骨」に注目している。そこに盗聴の焦点を絞っている

 ※3月23日に荒地にタネを直播したノラボウ菜が1株、トウ立ちして開花し始めた。これをさらに放置し続けると来年はどうなるのか、観察を継続したい。

二。
 来月、「函館未来塾」(塾長は髙木幹雄さん)主催で、〈幕末の箱館戦争の現代への教訓〉についてミニ講演をすることになりそうです。いまの段階では、7月20日(土)の夕方6時からの予定。詳細は続報を待て!

MIL短報【2013-6-23作文】


※兵頭のPC端末を機種変更してから「ブログ人」へのログインができぬ状態が続いています。MIL短報は臨時にこちらへ掲載します。げんざい、「ウインドウズ7」を一から勉強しているところ。もうやめようよ、全人類をくりかえし浦島太郎化し続けるマイクロソフト社の生涯精神支配戦術に従うのは。

一。
 Jayne O'Donnell 記者による2013-6-22記事「Window blind cords in military housing have led to deaths」。
  窓のブラインドの引っ張る紐。これが幼児の縊死事故を招いている。
 1996年いらい、ブラインドの紐で窒息し、死亡したり、病院にかつぎこまれた子供の数は300人に近い。
 うち10人は米軍人家族関係で、うち6件が死亡事故だった。
 米軍人の基地附属住宅にはいろいろな規則があって、それが問題解決を阻止している。

 米海軍の最高先任下士官である Phil Coppedge 曹長も、艦隊勤務で家にいなかった2009に子供がブラインドの紐に首を絞められた。

 ペンタゴンの阿呆な規則のせいで自宅の1歳児の生命が危うくされているときに、米兵はアフガニスタンで職務に専心できるのか?
 ※それがどんな規則なのかこの記事ではサッパリわからねぇ(w)。

 ノースカロライナ州キャンプレジューンでは過去五年で三件。軍が契約している住宅保守会社は、規則どおりにちゃんとやっていた。

 窓ブラインドに関する安全設計の連邦規格は1996まで無かった。それ以前には年に16件もの死亡事故があった。
 ループの紐や、長い操作コードに子供の手が届かないようになっていれば、多くの事故は防がれたはずだという。

 ※けっきょくこの記事では、事故が具体的にどのように起こっているのか、わからない。オレの長野の実家の子供部屋の窓はブラインドだった。1970年代前半だが、あれがそんなに危なかったんかい? 巻き上がっているブラインドのロックを外した直後に紐から手を放せば上から一気にブラインドが下まで落ちるように展張するということはあったが、それで頭を打ってもカスリ傷だし、窒息事故にもなるまい。1歳児が長い紐をひねくりまわすように遊んでいて、からまる、ということなのか、それともバネ仕掛けで紐も巻き上がるようなメカが90年代前半にはあったのか……? 余談ですがブラインドは(縦型でないと)埃掃除がたいへん。ということはキミの部屋のカーテンもじつは埃だらけのはずなんだよ。

二。
 Larry Rulison 記者による2013-6-22記事「Tech Valley terror target, a new possibility」。
  水曜日にFBIが、ひとつの未遂事件について公表した。
 原発メーカーのジェネラル・イレクトリック(GE)社の元労働者が、「殺人放射線」兵器を組み立てて、それでテロをやらかすつもりだった――というのだ。

 しかしテロリストがテロをたくらむ前から、放射性ガスが「実験室」から漏れ出すという事故は起きているのだ。
 たとえば1979年夏、8グラムの6フッ化ウランの気体(ウラン濃縮工程で登場する有毒ガス)が実験室外に漏れちまった。この実験はGEと Exxon Nuclear 社が、政府のプロジェクトとして進めていた。
 ※先日の筑波の高エネ加速研の換気扇回し事件は、よそからやってきていた、世間を騒がすことについての自戒意識がぜんぜんない大学ノリの研究チームが、漫然とやらかしたみたいですね。日本では「会社」よりも大学の方が、よほどテロの温床かもな。

三。
 ストラテジーページの2013-6-22記事「Defiance」。
  6-21に中共はロシアと、25年の原油輸入契約を結んだ。総額 $270 billion。前払いは $70 billion。
 またこれとは別にシナはロシアの北岸、つまり北極海の広大な天然ガス鉱区から20%のガスを得る権利を購入した。※それで砕氷船に注力する必要があるのか。

 なおシナのストックマーケットは過去5週間で13%下落中。

 6-10にニカラグァ政府は発表。中共から資金を得て、アメリカ支配のパナマ運河に対抗して、もう1本の運河を掘る、と。
 この運河の工期は最短でも11年になり、コストは最少でも $40 billion になるだろう。

四。
 Jeremy Herb 記者による2013-6-21記事「Obama nominates new Pentagon inspector general」。
  予備陸軍の特務曹長の階級を有する男 Jon Rymer が、オバマ大統領から、DoDの「インスペクター・ジェネラル」に指名された。上院の承認を期す。

 ※インスペクター・ジェネラルは外国のいろいろな官衙にある。役目は、部内の「運営」とは離れた立場から「管理監察」して組織外の人々のオンブズマンのように働くことで、調査の強権が与えられるのが普通である。旧軍では「教育総監」がコレであった。ただし山縣有朋は、参謀本部と対等の強権は与えたくなかったので「教育」という限定的な言葉を付けた。たしかに、諸部隊が「コンバット・レディネス」に達しているかどうかをみきわめて、君主や大統領に報告するのもインスペクター・ジェネラルの仕事ではあるのだが。米軍では、犯罪調査、悪事の告発への対応調査、将兵個人から寄せられた不平への対応調査、部外からの非難への対応調査、不正、無駄遣い、いじめなども調査する。たぶんライマーの最大の課題は、米軍内の強姦事件の恒常的多発とその隠蔽体質をなんとかしろということになるだろう。解決は簡単だ。部内性犯罪の「報告」に関してはチェインオブコマンドを機能させない。部内性犯罪の親告は、直属上官に対して為してはならぬ、とするのだ。告発はかならず、いきなりインスペクタージェネラルに対してしなさい、と決めたらいい。あとは上から下へ調査を及ぼす。

■なんでファイアフォックスをクリックしたとき通信が立ち上がらず、いちいちなんとかメールを送受したあとでないとブラウジングに移行できないのか??? いつになったらPCは家電


※兵頭のPC端末を機種変更してから「ブログ人」へのログインができぬ状態が続いています。MIL短報は臨時にこちらへ掲載します。

一。
 Wyatt Olson 記者による2013-6-21記事「Exercises with Indonesia show growing ties with largest Muslim nation」。
  第82空挺師団の第1旅団戦闘チーム(BCT)がインドネシア国軍と合同演習。
 「ガルーダ・シールド」演習は、名目は、インドネシア軍が国連平和維持軍として活動するための準備だとなっており、訓練は「模擬都市」を中心におこなわれている。
 空挺部隊の降下兵は、いかほど年季を積んでいる下士官であろうとも、かならず本番前日に「降下前」訓練を全員でやる。

 インドネシア軍から抽出された精鋭100名も、いっしょにジャンプする。そして廃ビルを敵陣に見立てて、擬砲火を使った攻撃。
 ※インドネシアは実は空挺大国である。あのように多島でしかも道路が整備されていないところでは、国家統一のための頼りにできるユニットは空挺部隊だけだ。2億人も人口があれば、良い人材だって集まる。

 降下90回の米軍曹長いわく。同じイスラム圏でもイラクやアフガンとはぜんぜん違うねインドネシアは。若いイラク女やアフガニスタン女はオレたちが歩いていけば隠れてしまったものだが、こっちではオレたちを見物しに集まってくるからね。
 家族ごといっしょに写真に写ろうとするし。

 1975の東チモール進攻とその後の住民弾圧は米国の不興を買い、米国は武器禁輸を続けた。
 31年間君臨したスハルト大統領が1990年代に権力失墜すると、インドネシア軍は東チモールから撤収し、対米関係は改善に向かった。米国は2005から武器輸出を再開した。

 米陸軍はさっそく1名の空挺隊員をインドネシアの陸軍大学校に入学させ、2006に彼は卒業している。
 米陸軍は、中東からの足抜け後、7万人の兵力を、太平洋コマンドの麾下にシフトさせる計画である。欧州もガラ空きにする。

 82空挺師団は、先にはインド陸軍と合同演習したし、これからエジプト軍や南アフリカ軍とも演習の予定がある。

 今回の演習では480個の落下傘を、ノースカロライナ州のフォート・ブラッグ基地から、フェデラルエクスプレスで郵送してもらわなくてはならなかったという。

 インドネシア陸大卒の米空挺隊員いわく。おどろきましたよ。降下して落下傘をまとめて道路に向かって歩き出したら、ワラワラと住民が出てきて、わたしのヘルメットや荷物を持とうとしてくれるのですからな。われわれは、歓迎されています。

二。
 ストラテジーページの2013-6-21記事「China Losing Its Cool」。
  6月10日の事件。北鮮の 北 Hamkyung 道 では、警察が、ふたりの男を躍起になって探している。
 この2名の男は、白昼、混雑した往来で、ひとりの武装警察官をメッタ打ちにして殺してしまったのである。
 しかし目撃者は一人も出てこないという。
 警察がコケにされる時代が北鮮では到来した。警察官は、恐れている。

■けっきょくユーチューブのノロノロ再生はさほど改善しなかった。したがって引き続き動画は見ない。【2013-6-21作文】

一。
 Matthew M. Burke 記者による2013-6-20記事「Poor leadership, planning led to USS Guardian hitting reef near Philippines, report finds」。
  木曜日に米海軍は調査報告の結論を出した。
 1月にフィリピンで座礁し、離礁できずに解体された、佐世保軍港所属の掃海艦『USS Guardian』の失敗始末。艦長がすべて悪い、と。
 『ガーディアン』は新鋭艦ではなかったが、まだまだ働ける $212 million の米軍資産だった。それがスクラップ化した。

 2種の海図があって、その記載には異同があった。艦長も航海長らもそれに注意しなかった。手続きの無視もあった。そもそもちゃんと「見張り」をしていれば浅瀬は見えるものだ。みんな怠けていた。

 160ページのリポートはトホホなものである。
 深夜のスル海でリーフに座礁したとき、艦内にドッと海水が流れ込んできた。
 乗員79名はパニックを起こし、何名かは艦長命令もないのに助かろうとして即座に海に飛び込んだ。視界内には1艘の救命艇も存在しないにもかかわらずだ。そこは Tubbataha reef という珊瑚礁であり、人体が珊瑚礁の堅いところに当たれば大怪我もしかねないものだが、さいわい、誰も怪我はしなかった。
 艦は『アヴェンジャー』級である。
 艦長は、少佐 Lt. Cmdr. の Mark Rice である。
 副長 executive officerは、大尉 Lt. の Daniel Tyler であった。

 スビック湾を出港する前の航海プランが杜撰でなかったら、この危険は最初から避けられたものだ。プランがそもそも、どうやっても座礁するにきまっているリーフの上を航海するというものだったのだ。
 彼らは、詳細度の粗い coastal digital chart(沿岸デジタル海図)に依拠した。それはもう一枚の「全般デジタル海図」と一致しないところがあった。狂っていたのは、沿岸デジタル海図の方であった。

 タイラーは訊問にこう答えた。「コース計画時に、セフティ・チェックにかけたのであります。しかしコンピューターは危険を表示しませんでした」。
 嘘である。この予定コースと決めて、デジタル海図ソフトの「セイフティ・チェック」機能を走らせてみれば、コンピュータは、このコースには危険があるというポップアップ警告を即座に画面に出してくれたはずである。タイラーは、それを無視したのだ。

 デジタル海図システムは、リアルタイム警告も出してくれるはずだ。1-17の午前2時25分に座礁は起きたわけだが、その前に、ソフトウェアが、座礁の危険があると、音声でも画面表示でも警告を発してくれていたはずである。同艦の当直たちは、それを無視したか、コンピュータの警報が見えもせず聞こえもしない場所でなにかをしていたにちがいない。

 しかも、水兵が交代でブリッヂで「見張り」に立つことになっているが、この座礁の直前には誰も見張りをしていなかった。一人の見張りが、次の見張りがまだ上番して来ないのに、下番してしまったからだ。

 当直将校(officer of the deck)は、航海計画よりも本艦がトゥッバタハ礁の南小島に接近していることに気づいたが、そのまま漫然と進行させた。服務規程(Standing Orders)では、このようなときには、自艦の正確な位置を測定し直す必要があった。

 報告書はまた附言する。もしも彼らが Tubbataha リーフを避けたとしても、すぐに同艦は、Pearl Bank 付近で座礁してしまったであろう。すなわち、当初計画がもうどうしようもないのだ。
 ※こういう阿呆な事故を南洋海域で一件も起こしていない旧海軍はさすがだよね。

 2-22から3-29にかけ、長さ 224-foot の同艦をサルベージするのに $45 million を要した。2-15、同艦は米海軍の艦籍簿から除籍された。艦の退役式は3-6に佐世保で行われた。

 『ガーディアン』のクルーは、5-2にそっくり、佐世保に来着した同型掃海艦『USS Warrior』の乗員になった。※それをペルシャ湾から操艦してきたクルーは、他の便で米本土へ戻った。

 『ガーディアン』の元クルーたちは、失格水兵の烙印を押されているので、これから、みっちりと、きびしい訓練や検閲や服務教育をうけなければならぬという運命が待っている。

 世界遺産のリーフを破壊されたフィリピン政府は、米政府に $1.4 million の罰金を払えと言っている。

 艦の幹部将校たちは、いろいろな文書とデータを保存する義務がさだめられているにもかかわらず、座礁前も後もそれをしていなかった。だから食い違う「証言」だけで真相を究明しなければならなかった。

 海軍も教訓を得た。さっそく、掃海艦の航海中の当直配置規定が変更されている。

 なお、6人の『ガーディアン』乗員が、そんな中でも英雄的に活動したという。ダメコン担当の下士官は首まで浸水につかりながら破孔を塞いだ。またレスキューダイバーたちも何名かの乗員を溺死の危険から救ったとされる。

二。
 「読書余論」は絶賛配信中。知らない人はまずhttp://www.budotusin.net/yoron.html を見よう!

■もう20日ですなあ。【2013-6-20作文】

※5年以上前から使い続けていたわが通信用デスクトップ(OSはXP)は年来、Uチューブ動画の視聴すらハナから諦めるほど万事が低速であったが、このごろはスチル写真のグーグル検索にもやたら時間ばかり喰うようになってしまい、こりゃもう切り換え時だと観念しました。電源投入後の通信の立ち上がりからして、遅過ぎてイライラする。運良く、先月に、宇都宮のある親切な方から新鋭のラップトップ(OSは7)を頂戴しています。有り難くこれに通信端末を変えることに致しました。しかし問題がひとつあって、新しい機械からは、なぜかMIL短報にログインができない。「ブログ人ユーザ名」からして入力がいきなり弾かれてしまう(よってパスワードにも進めない)。ログインができないので、どうにもあっちには書き込めんのです。目下この問題の解決に努めております。解決するまで暫時、こちらにアップロードして臨時的処置といたします。ご承知を願い上げます。

一。
 William Cole 記者による2013-6-19記事「DOD studying moving 2,700 Marines from Okinawa to Hawaii」。
  米国防総省は、沖縄海兵隊2700名をハワイに移転させる可能性について、三つの研究を進めている。
 ただし実現するとしてそれは2026年の話であり、しかも、引越しにかかる費用は $2.5 billion だそうだ。

 DoDいわく。
 ハワイのカネオエ湾にある海兵隊基地を、引越しの受け入れ先としてはどうかという「Marine Corps Base Hawaii Optimization Study」という研究がひとつ。
 もうひとつは「Oahu Land Use Study」といい、オアフ島の国防資産に着目する。
 三つ目は、カラアロア地区(以前に米軍施設があったが今は空地)に引っ越させるというもの。

 このうちカネオエ案は難しい。すでに過密だからだ。ついこの前、900人の海兵隊航空隊の将兵が引っ越してきたばかり。ヘリコプターとオスプレイを装備する部隊だ。

 三つの研究ともに、今年の12月には報告をまとめる。
 しかしそれは大作業の始まりにすぎない。GAOによれば、沖縄からは1万人以上の海兵隊員を引越しさせることになるのだ。

 今月GAOが出したリポートによると、沖縄からは、海兵隊員4700人がグァムへ、2700人はハワイへ、800人が豪州および米本土へ移り、日本には15000人が残ることになる、という。これは今の米政府の、「太平洋リバランス」政策である。

 火曜日現在、カネオヘ湾基地には 7,525 人の海兵隊員が所在する。
 また 1,734 人がハワイの Camp Smith に、そしてハワイ諸島内の他所には 97 人の海兵隊員が居る。

 キャンプ・スミスには、米軍の太平洋コマンド司令部もあり、いま、そこの司令官は、Samuel Locklear III 提督である。提督は3月に連邦下院の軍事委員会に対し、沖縄海兵隊員のグァムへの引越しは2020までに完了し、ハワイへの引越しは2026に完了すると明言した。

 グァムの工事にともなう環境への影響の調査は2015までに終わる。そのあと、こんどはハワイでの同様の調査が始まる。

 GAOのリポートまたいわく。上記のハワイ移転、グァム移転、および沖縄から豪州へローテーションで海兵隊の小部隊を派遣する費用は、〆てざっと、$12.1 billion だろう、と。
 そして、この経費の分担は、米国が $9 billion であり、日本政府が $3.1 billion であると。

 いまは放棄されているが、2011の計画では、8600人の海兵隊員を沖縄からグァムに移すとし、そのカネは $29.1 billion もかかり、これを米日で分担するという話であった。

 ※2011と2013のあいだに何があったかというと、グァムをいくら強化しても南シナ海への平時の睨みが利かないと認識された。中共は原油にしか真の関心はなく、したがって台湾に進攻する気などもないと、おそまきながら、米国中枢は理解できたのである。オレも1冊、解説本を書いたしね。もちろん北京が国内暴動抑制のために原油の存在しない東シナ海でミニ戦争を起こすことはアリだが、それ(戦争)への対処はむしろ米国にとって簡単であり、どこに基地があろうとなかろうと、構わない。

 2012にある高官いわく。
 海軍航空隊の古い基地があるオアフ島の Barbers 岬 や、おなじく SEAL Delivery Vehicle Team 1 が所在する Parl City 半島 には、余分な海兵隊を受け入れる余地がありそうだ、と。
 しかしこの「オアフ研究」は、その後の検討で、良くないと判定された。

 再配置にさいしては、米海兵隊が Air-Ground Task Forces を、ハワイとグァムと豪州に、創設することにもなると GAO は言う。

 このAGタスクフォースとは、「指揮エレメント」を中心に、「地上戦エレメント」(歩兵、重火器、野砲兵)と、「兵站エレメント」と「航空エレメント」がさいしょから合体しているものである。
 ※陸自がこれを勉強しようとするのはよいことだが、オスプレイではなくUS-2を大量装備したほうが、あらゆる面で日本の対支防衛は、有効になる。

二。
 ストラテジーページの2013-6-19記事「The Plan To Stop China」。
  フィリピンの国防省幹部が、日本の防衛省幹部および米国防総省幹部と合議した。
 テーマは、南シナ海でいかにしてシナ軍の「やり口」と対決するか。
 この「やり口」とは、中共の軍艦や軍用機は前面に出さずに、それらのバックアップのもとに、中共の漁船、商船、沿岸警備艇が、周辺国の海上主権を繰り返し侵犯し、周辺国を脅迫し、他国領土に対する不当な主張を既成事実化し、国際法を踏みにじろうとする戦術である。

三。
 Leo Shane III 記者による2013-6-19記事「What is the civilian-veteran divide to you?」。
  イラクやアフガンから帰還して除隊した米軍の元兵隊たちは、つぎのような行動基準で、米本土のシャバの就職先でも、毎日やっている。すなわち、「所属チームを失敗させない」「所属チームにとって最も良いことは何かを優先して行為を選択する」「そのためには自己犠牲も厭わない」「自分が判断し命令して失敗したら、その行為の責任は当然のように自分で被る(アカウンタビリティ)」。
 以上の「徳」は、軍隊経験の無いアメリカ市民は、とっくになくしているので、ヴェテランズは、この文化ギャップに悩むことになっている。

●「読書余論」 2013年6月25日配信号 の 内容予告

▼防研史料『明治20年~30年 陸軍兵器本廠歴史前記』

▼防研史料『独伊派遣軍事視察団報告資料 航空 其一(1/7冊)』S16-7-20調整 by原少将
 ※海軍の原忠一だろうと思われる。他の6冊は あとで。

▼『偕行社記事 No.318』M36-7~『偕行社記事 No.335』M37-4
 ※『偕行社記事』は#336(M37-4)を以ていったん休刊となり、日露戦争後にまた復活する。

▼『偕行社記事 No.337』M39-4~『偕行社記事 No.352』M39-12
▼『偕行社記事 No.400』M42-10~『偕行社記事 No.407』M43-2

▼小山内 宏『予言 太平洋戦争』新人物往来社S49pub.
 アメリカは真珠湾から3ヶ月にして、鉛筆のキャップに金属を使うことを禁じ、ズボンの折り返しや、チョッキもやめさせ、陶製のコインすら試作して、総動員に備える態勢を整えた。

▼防研史料・陸軍兵器学校ed.『兵器生産基本教程 十三 発動機 其ノ一』兵器航空工業新聞社出版部S18-12pub.、3000部印行
 本書は旧軍AFV研究のためには特筆されるべき貴重書である。

▼陸軍兵器学校ed.『兵器生産基本教程 六 銃器』
 これもスゴイ一冊である。

▼防研史料『陸軍本廠歴史附録 満州事変業務録 巻一』S6-9-18~S7-3-31 内地で戦車を運ぶ貨車は「チキ」である。

▼防研史料『兵器廠歴史別冊』S11年度

▼防研史料『陸軍兵器本廠歴史別冊』S12年度
 払下げ銃には、いろいろな刻印をした。

▼防研史料『陸軍兵器本廠関係歴史資料綴』S14年度

▼防研史料『昭和15年度 陸軍兵器廠 歴史』
 どうも工廠でコルト拳銃やブローニング拳銃をわざわざ摸造したのだとも解釈できる記載がある。
 また昭和通商は、95式軽戦車×50両を、タイか汪兆銘に売った。

▼防研史料『昭和15年度陸軍兵器廠歴史附録』
 砲弾の内塗りにシナ産の漆を用いていたことなど。

▼防研史料『昭和17年度陸軍兵器廠歴史』S17-4~17-10

▼『講話筆記 第8号』M41-4
 沙河滞陣中の脚気問題。

▼『講話筆記 第9号』M42-2
 榴弾の中に黄色薬はどのくらい入れたのか。

▼『講話筆記 第12号』M43-9
 小銃部品のナンバリング・ポンチングについて。

▼軍事討究会編輯『軍事 第2巻第3号』大15-3
 月刊誌で、シブい内容だ。

▼雑誌『軍事界 第4号』金港堂 M35-8 pub.
 コサックの槍のスペックなど。

▼菅 晴次『技術報国五十年の回顧』S42
 第一次上海事変では、歩兵学校に試験研究用に配備してあった、ヴィッカースTKに砲が無いので、平射歩兵砲を改造し、砲眼を急造して、戦車にとりつけた。

▼山縣 保二郎『小銃と火砲』三省堂S5pub.
 足利義晴が1549に、東山慈照寺の大嶽に築城したときは、二重壁の中に石を入れて、鉄砲の用心とした。

▼防研史料 陸軍技術本部『蘇軍1915年式 擲弾筒 説明書』S16
 WWIで使用したものだが撃発方式はまったく十年式擲弾筒と同じ。

▼防研史料 南部麒次郎『三年式機関銃に就て』

▼『唯物史観 第33号』十月社、1988-11pub.
 秀吉が男女とも撫で斬りにしろと命じた文書はない。「山本豊前守安政父子戦功覚書」にそう書いてあるだけ。
 いちばん古い耳塚考は、M42の『史学叢説』第二集、「京都大仏殿ノ塚ハ鼻塚ニシテ耳塚ニ非サル考」by星野恒 である。

▼齋藤 訓之[さとし]『農業をはじめたい人の本』2010-7

▼井上健ed.『植物の生き残り戦略』1996-4
 蕎麦は黍と同様、蒔いて75日後には収穫できる。しかも冷涼地ほど生育も実りも良い。開墾地の焼畑に1年目にまず蕎麦を植えれば成功する。
 実が熟す前に霜害にやられたら、葉や花が食べられる。未熟の実にも栄養あり。
 耕地の外にソバがエスケープしても、なぜか3年で消える。だから野生群は存在しない。

▼今村壽明『化学で勝負する生物たち――アレロパシーの世界(I)(II)』1994

▼井上 雅央[まさてる]『イノシシ シカ サル これならできる獣害対策』2008-12
 獣害の責任はほとんど農民自身にある。第三者からみれば「餌付け」しているも同然。だからどんどん被害が拡大する。

▼蓮実香祐『「植物」という不思議な生き方』2005-11

▼鮫島 惇一郎『北海道の自然 3 草と樹』S52-7
 無人島の蝦夷の大島(松前沖)。アイ泊の近くの弁天の洞窟には飲み水があるが、かつてそこに人骨が11人分ころがっていたという。

▼石井吉徳『知らなきゃヤバイ! 石油ピークで食糧危機が訪れる』2009-9
 人類は年間300億バレルも石油を使っている。これは北海油田全体よりも多い。
 日本の農業は、1キロカロリーの食糧を生産するのに、石油10キロカロリーを使う。
 地球にふりそそぐ太陽エネルギー17万7000テラワットのうち、たったの150テラワットが、植物の光合成によって固定される。世界の農業はそのうちのたったの12TWをバイオマス生産している。この12TWは、もっか消費している化石燃料のカロリーと同規模だ。したがって、農産品やバイオエネルギーでいまの石油の代替燃料を得ることは到底無理。
 レスター・ブラウンによれば、SUV車の25ガロン=95リッターの燃料タンクにエタノールを満たすには、204kgのトウモロコシが必要。それは、人間が1年間生きられるカロリーと同じなのだ。
 日本で年間に捨てられる食料は2000万トン。うち家庭からが半分。これらを捨てないとすれば、それだけで自給率は5割以上になる。

▼荒澤 勝太郎『北海道植物歳時記』北海タイムス社S58-5pub.

▼アリス・M・コーツ著、白幡tr.『花の西洋史〈草花篇〉』1989-11、原1956
 古典的名著で、多くの園芸解説書がここからパクっている。その一方で、この名著をよく読まないで間違った説を再生産している専門家も多いと分かり、嘆かわしい。

▼西井一夫ed.『毎日ムック シリーズ 20世紀の記憶 第1次世界大戦』1999-3
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

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