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しらねえのか 雷電 !?

日本陸海軍 失敗の本質 が増刷決定。
 ご報告まで……。

御礼とお詫び

 新刊『人物で読み解く「日本陸海軍」失敗の本質』(PHP文庫)の山下源太郎のところで、ラサ島探検時点での『武蔵』の艦長が不明、と書きましたら、〈それは海兵2期の 沢 良煥 だ〉と教えていただきました。井上先生、どうもありがとうございます。

 この沢氏が澤太郎左衛門の親類なのかどうかは、わかりませんでした。

 ところで今月18日の『新潮45』には、特定外来生物の話は載らないことになりました。都知事選と、偽作曲家事件の二大ネタが入るために、ページが足らなくなったようであります。
 予告が違ってしまいまして、相すみません。

日露トップ交渉の会場には「鹿部」(しかべ)を Recommend しとく。

 どうせ天然ガス・パイプラインの話をするのだろう。だったら日本側も、「津軽海峡横断パイプライン」の敷設負担があることを「御付の者」によく見せてやるとよい。

 鹿部のロイヤルホテルやゴルフ場のあるところ、このあたりは冬季は論外だが、秋季の機微な交渉には適切である。
 まずAFJ空港という小規模飛行場があって、ここを借り切っておけば、VIPは車両移動を一切しなくて済む。(東京から2時間弱余裕。)

 また、近くの北海道駒ヶ岳の裾野には、地元の陸自(函館・28普連)の管轄する、ふだんほとんど使わない広大な演習場があるので、そこに一時的に必要な施設をいくらでも随時工事できるし、大型ヘリコプターを何十機でも待機させておくこともできる。(テロ警備の万全。)

 だからとにかく集中できるのだ。交渉と無関係なよけいな面倒や、騒々しさが無い。

 サハリンの利害関係者が出張で往復するのにも、ほど近くて便利である。サハリン住民から遠いところで重大な決定がなされることを、サハリン住民は面白くは思わないだろう。

 この交渉では、「サハリン~稚内のパイプ敷設のカネを日本側が出せ」という要求をロシア側はしてくるに決まっているが、それに応じてしまったらアウトである。
 藤和彦さん(日支関係はWWI前の英独と似ているとかいうダボス演説のレトリックは この人が出処じゃないの?)が十年以上前から力説している話が本当なのだとすれば、大泊から稚内までの海底パイプラインの敷設費用を全額ロシア側が負担した場合にのみ、このガス売買事業は、両国が信じてもよいものになる。

 日本側は、とりあえず稚内から東京まで、高速道路の地下に生ガス・パイプラインを延々と敷設しなければならない。ところが、大沼公園から函館までの高速道路はまだ完成していない。日露の交渉妥結が確実なら、未着工の区間部分については、基礎部分の施工を考え直す方が合理的である。

昨日の読売新聞の「PHP文庫 2月の新刊」広告は もうご覧になりましたね?

 兵頭 二十八著『人物で読み解く「日本陸海軍」失敗の本質』は、今、本屋さんの文庫コーナーに並んでいます。
 特に 東京都の知事選挙に投票しようという方は、都内の書店で この本の中の「石原莞爾」だけでも目を通して欲しい。

 信じていいことと、疑うべきことの区別が、よくわかるでしょう。

 以下、余談。

 中共中央は、国内で反日デモを組織すると、三日の後には反政府デモになってしまうという懸念から、大衆動員がもはやできなくなった。
 かわって打ち出した戦略が、中央統制のしやすい在外の外交官たちに、反日宣伝を競争でさせること。

 これは、「世界で一番働かない外交官は日本の外務省職員である」と中共が公認してくれたにも等しいだろう。

 敵のいちばん無力な部分に集中攻撃をかけ続けろ、というのは、かけひきのイロハだ。
 日本の外交官は、シナ人の宣伝に反論はしない。日本の役人は、「後腹」の傷むイニシアチブは絶対に取らない(事実の記録に名前を残したがらない)からである。国内向けに、なにかやっているような印象操作だけが、記者クラブを通じて遂行され続ける。国際政略の世界では、これを「無能」と呼ぶ。

 これではわが国の他の安全保障セクターがいくら努力しても、ハナから無駄だ。逆にいうと、日本外務省という叛逆隠蔽集団がなければ、とっくに尖閣には公務員がローテーションで常駐していたから、シナ人は最初から手も足も出しようがなかった。陸自の海兵隊化という世紀の無駄遣いも必要なかった。(AAV7が上陸できる海岸線は、世界の海岸線のうちたった17%にすぎない。そもそも揚陸艦が敵が守備する海岸線に3.7kmまで近寄れると思っているのか。対戦車ミサイルすら届く距離で、機雷掃海も不可能だろう。)

 ソチ五輪後に、駐モスクワの米国大使を降板することが決まったマクフォール氏を見るがよい。彼は着任いらい、赴任地のメディアからの取材を積極的にことごとく受け、すべてロシア語で応対してきた。ロシア国内では彼のツイッターに6万人のフォロアーがおり、フェイスブックには1万3000人以上のお友達登録がある。
 いったい日本の在外公館の外交官で、マクフォール氏の万分の一ほどでも、赴任地で広報活動に邁進している者がどこにいるのか?

 防衛省は、対支と対韓の軍備を整えるのに、北鮮をダシにつかうのは、そろそろ止めたがよい。嘘が積み重なりすぎると、不利な自縄自縛になるから。郊外で木炭自動車が走り回っているような国がどうして戦争など始められるものか。二度目と三度目の「核実験」とやらで、核分裂が起きたことの鉄板の証拠になるキセノン133やクリプトン85がどこかの機関によって検知されているか? 北鮮は20年以上も「核武装」には失敗中なのであり、いまは「北鮮後」や「中共後」を考えなければならないときである。

「読書余論」 2014年2月25日配信号 の 内容予告


▼防研史料 陸軍兵器学校ed.『刀剣、小銃、拳銃、擲弾筒 修理法の参考』S17-3
▼防研史料 陸軍兵器学校ed.『十一年式軽機関銃、九六式軽機関銃、九二式重機関銃、九七式車載重機関銃 修理法ノ参考』S17-3
▼防研史料 『昭和7年度 陸軍造兵廠歴史』
▼防研史料 『昭和8年度 陸軍造兵廠歴史』
▼佐藤正『日本人長所短所論』大2-4
▼渋沢栄一『処世の大道』S3-9
▼五十嵐 力『戦記文学』S14-8
 江戸以前のダイジェスト。

▼米本新次『分類対訳 英米警句 俚諺集』S10-6
▼三田村鳶魚『捕物の話』中公文庫1996
 与力には、転勤も転役も無い。幾代たっても、それより上昇はできない。不浄役人だから。大塩平八郎は、それでブチキレたのだ。

▼田代 衛『米国独立百五十年記念●府万国博覧会 日本産業協会事務報告』
▼小林和子『株式会社の世紀――証券市場の120年』1995
▼『大塚久雄著作集 第十巻』1970
 講義草稿の「企業集中論」。

▼玉置紀夫『日本金融史』1994
▼奥村宏『無責任経営「銀行の罪」』1966
▼真渕勝『大蔵省統制の政治経済学』1994
 ある人いわく。ヒトラーの初期の侵略政策の成功は、高揚したドイツ・ナショナリズムのおかげではない。逆である。ドイツの周りの国々の「弱まったナショナリズム」が、ドイツ人の増長や、たてつづけの侵略を、招いてしまったのだ。

▼加来耕三『大警視川路利良』H11-12
▼防研史料『昭和9年度 陸軍造兵廠歴史』
▼防研史料『昭和6年度 陸軍造兵廠歴史』
▼『偕行社記事 No.754』S12-7
▼雑誌『TIME』誌の1995-8-21号記事「Onward Cyber Soldiers」
 週刊『タイム』誌で軍事系記者として活躍しているマーク・トンプソン氏が、今から20年近く前にサイバー戦争の梗概を書いていた。わたしはリアルタイムでこれを読んで刺激され、そのコピーをとっておいたのだが、このたび紙コピーを処分するにあたって、内容を摘録しておく。
 この記事では「原発を暴走させる」「停電させる」「運河の機能を混乱させる」といったケースには言及がない。このことが逆に、米国政府がひそかに何をいちばん怖れていたかを物語っているように、兵頭には思われる。

▼三康図書館資料 石井茂兄ed.『大日本陸軍写真帖』S2-11〔竹別/396/D〕
 東京タワー下の三康図書館にはとんでもないレア資料が多数所蔵されている。そのうち、「竹田宮文庫」は、戦前に陸軍から宮家に贈呈されていた写真帖などがそっくり図書館に寄託されたものと思しい。旧軍の写真を見慣れた者にも、初めて見るようなショットが多くて眩暈すら覚える。どこかの馬鹿が意図的に毀損したり、何かの事情で散逸してしまう前に、完全な複製の用意と、できればインターネット上へ資料写真ぜんぶをアップロードされることを、切に望む。

▼三康図書館資料『鹵獲独逸飛行機台覧記念写真帖』大10-3〔竹別559/R〕
 休戦媾和後に船便ではるばる日本へひきわたされたWWIのドイツ最新兵器の数々のうち、航空機だけを列挙したもの。

▼三康図書館資料『大正四年十二月 大礼観兵式写真帖』〔別/竹390/T〕
 青山練兵場への引込線というものがどんなものだったのかが、「還幸」という一枚によく写っている。レールは複線であった。そして、枕木ではない方式で、レールが固定されていた。

▼三康図書館資料『陸軍軍人服装図』M24-10-28〔竹396/T〕
 4色刷。兵科・階級別に、ほとんど網羅してある。重要文化財だこれは。
 二等監督、一等軍吏、一等書記……。そんな職分があったのか。珍、また珍!

▼三康図書館資料 海軍省恤兵係ed.『支那事変記念写真帖 自昭和十二年七月 至昭和十四年七月』S15-11
▼三康図書館資料『写真帖 遊就館』
 「明治二十七八年戦役 北清事変記念品」として10バレルのガトリングあり。※三笠公園にあったのはコレか?

▼『破竹 海軍経理学校 第8期補修学生の記録』S47-11
 トラック島では、古い60kg爆弾を、投下演習と称して水中爆発させ、漁をしていた。

▼セシル・ブロック著、飯野紀元tr.『英人の見た海軍兵学校』内外書房、S18-8
 著者は江田島で3年、英語教師をやっていた。1939夏にこの原稿は書けていた。しかしWWIIが始まったので本にしなかった。しかし1942-1に日本は英国の敵となったから出版を決意し、3月に英国で刊行したという。

▼平沢勝栄『明快! 「国会議員」白書』2000-11
 警察内部情報は公明党へは漏洩しまくりである。部内いたるところにスパイがいる(p.154)。
 自民党はもともと憲法調査会でも外国人には選挙権を与えないという方針だった。それが急に風向きが変わったのは「公明党と韓国に対する遠慮」(p.201)。
 在日韓国人のなかには創価学会の信者多し。韓国には数十万人といわれる創価学会の信者。『大白蓮華』という学会の雑誌で池田は「日韓関係」ではなくて「韓日関係」と書く(p.202)。
 2000-9の所信表明演説で森総理は拉致疑惑について触れようとした。だが河野洋平外相が強く反対し、原稿から消された(pp.224-5)。そして10月には北鮮へのコメ支援50万トンが正式に決まった。
 地方参政権を付与しろと金大中が再三、日本に要求する。朝鮮総連がいみじくも述べているように、これはあきらかな内政干渉である(p.243)。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
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