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「難民」と「流民」は分けるべし。

 Eric Haun記者による2015-10-27記事「Wartsila Debuts Mobile LNG Power Generation」。
  巨大なバージ(艀)にLNGタンクと「再ガス化装置」を載せて繋留し、沿岸にLNGタンクやLNG受け入れ基地を建設できない制約のある土地に対して、前浜から天然ガスを供給できるようにする、という新案。

 ※これはイイ。東京湾の臨海工業地帯で空地ができてしまったようなところに小規模なLNG発電所だけを建設すればいいわけだ。そこから送電ロスほぼゼロで大工場群に格安で給電してやれる。陸上パイプラインのための土地買収費用も要らない。もともと工場の岸壁なんだから、新規の漁業補償コストも発生しない。なんでこんなことをいままで思いつかなかったのだろう……。福島第一原発跡地だって、この方式を使えば、ちゃんとしたLNG発電所として復活できるじゃないか。

 また、天然ガス火力発電装置も別な巨大バージに載せて隣に並べて浮かべれば、250メガワット級の洋上発電所も可能である。
 ※この方式はダメである。日本の海象を舐めてはいけない。津波にも弱いし、漁業補償も発生するから。既存の臨海工業地帯に限る。

 メーカーによると、平底のバージを使うメリットは、水深がごく浅い前浜にも浮かべられること。自走船舶ではないのでエンジンも要らず、建造費は最少になること。曳航すれば簡単に場所を移せること。したがって、転売価値も高いこと。

 このコンセプトは、シンガポールで今月27日から30日まで開かれているガス技術コンファレンスでプレゼンされています。

 次。
 George Jahn記者による2015-10-28 記事「Austria building fence along parts of border with Slovenia」。
  オーストリー政府は28日、一部の国境にフェンスを築くと発表した。
 オーストリアに流れ込む難民のほとんどは、スロヴェニアから来る。
 そのスロヴェニアも、フェンスを作る用意があると言っている。

 ドイツでは、シリア難民は受け入れるけれども、アフガン人は本国へ送り返す、と内相が声明した。

 オーストリーはこのフェンスのことを「テクニカル・バリアー」と表現している。計画策定に10日かかる。着工をいつするかは、未定。
 ※「テクニカル」には、「法律規則によって成立する」の意味あり。だからテクニカルノックアウトは、「規則上の看做しノックアウト」。テクニカルファウルは、「身体接触は無くとも規則に反した行為」。テクニカルエリアは、「ルールで決められたコーチの立ち位置範囲」となる。

 すでにハンガリーは国境にカミソリ・ワイヤーをはりめぐらせた。※なぜか陸自が持っていない装備である。テープ状の極薄鋼板の両縁にパンチでフックを成形したもので、旧式鉄条網よりもかさばらず、はるかに切断は困難(旧式鉄条網は日本刀でも斬れた)。
 難民問題を他国へ押し付けるのかという批判を覚悟で。

 ハンガリーが国境を閉ざしたので、イスラム流民はクロアチアやスロヴェニアに回ってそこからオーストリーに入ろうとしている。

 小国は大規模流民の面倒など見られたものではない。ゆえにスロヴェニアの高官も、クロアチアとの国境にフェンスを作りたいと既に漏らしている。

 ドイツ政府が今や受け入れを渋り始めたために、オーストリー内に皆滞留することになってしまう。これが困ったこと。

 次。
 Stephen Wrage記者による2015-10-26 記事「The History of No-Fly Zones Doesn’t Bode Well for Syria」。
  シリアに「ノーフライゾーン」を強制すればいいじゃないか、という声がある。
 これは、上手くは行くまい。

 うまくいったという前例としてよくひきあいに出されるのは、かつてのサダム時代のイラクだ。
 米国は、国連決議を取った上で、イラク空域を南北に分けて、「ノーザンウォッチ」作戦と「サザンウォッチ」作戦を実行した。

 ノーザンウォッチは、トルコのインシルリク基地を借りて、そこから米英軍機が離陸してイラク北部を監視飛行した。ただしトルコはソーティ数をきびしく制限した。1ヵ月に18日以内とか。

 サザンウォッチの方は、サウジ領内のサルタン王子基地、および、ペルシャ湾内の空母から戦闘機が発進した。
 2つのノーフライゾーンはかれこれ10年以上も強制し続けたが、その間、米英軍機の被撃墜は1機も無し。パイロットの死傷もゼロであった。

 サダムのSAM部隊は、誘導用レーダーを照射すると対レーダーミサイルが上から降ってくると知っていたから、サダムの命令によって渋々とSAMだけ発射していた。それらはじつは無誘導だったので、1発も当たらなかったのだ。(警戒レーダーは作動させてもよかった。) ※この正確な報道は当時はされていなかった。情報統制によって対イラク戦争が誘導されたのだ。

 ところが〔イスラエルにそそのかされた〕G・W・ブッシュ〔のとりまきたち〕が、ノーフライゾーンをやめて地上部隊をイラクに突入させた。おかげで米軍人4000人以上が戦死することになり、いまもって地域はムチャクチャなありさまで、混乱はシリアにまで拡大している。

 過去、国連が許可したノー・フライ・ゾーンは4つ。前述のイラクの南北、ボスニア、そしてリビアである。

 飛行禁止強制が、その領空に本来主権をもつ専制政府による一部住民の虐殺を止める場合と止めない場合がある。ボスニアでは止められなかった。

 ミロシェビッチはノーフライゾーンの下でも地上部隊をスレブレニカ市に進めることができ、8000人のボスニア人をそこで殺した。

 サダムの場合、ザグロス山地が障壁となってクルド人を守ってくれた。
 カダフィの場合、砂漠が障碍だった。だから地上軍を使って反政府派の弾圧はできなかった。

 シリアでは、もはや殺す側と殺される側を分離できない状態なので、ノーフライゾーンは意味がないだろう。
 ※この記者はなぜか書かないのだが、シリアにノーフライゾーンが適用できない理由は、イスラエル軍機による随意の対シリア領報復爆撃が不可能になってしまうからである。おまけに今ではロシア軍がアサドに「傘」を提供している。

ロシアは超長期的には地球温暖化で農業が好転するのに、短期的には乞食国家化が目前に迫る。

 ストラテジーペイジの2015-10-27 記事「Syria: Russian Backed Advance Stalled」。
   シリア人は反政府ゲリラといえども同じシリア人(アサド兵)とはガチで戦いたがらない。しかし相手がロシア人ならばやってやろうという者は多い。

 反政府ゲリラは、住民の楯が無効と知ったので、露軍機が爆撃しはじめたらいったん避退して、露軍機が去って地上からアサド兵が前進してきたらすぐにまた旧陣地に復帰して防戦するという戦法に変えた。これでアサド軍の前進はできなくなった。
 ゲリラが旧陣地にもどるのは、決まって夜である。昼は爆撃があるから。

 アメリカは2014年前半から「TOW」対戦車ミサイルを、信用のおける反政府ゲリラの一部に少量づつ供与しはじめた。
 米軍からTOWが供給されているのはFSAであり、露軍機が爆撃しているのもFSAである。
 ※ということはいかなるゲリラにもスティンガーは供与しないという方針をオバマ政権は自主決定しているわけだ。

 露軍が地上戦闘に参入したのに対抗して米政府はこのTOWの供給数を増やし、いまではランチャー数100基を越えたようである。その成果としてアサド政府軍のAFVが連日、10両弱、撃破されている。

 TOWの弾薬は空中投下によってもゲリラに補給されている。
 米露のとりきめによって、露軍はこの米軍輸送機を、空中からも地上からも攻撃しないことになっている。

 シリア政府軍と露軍は、イドリブ県近傍、およびアレッポ市周辺で、非ISの反政府ゲリラを、集中的に攻撃している。

 国連報告によれば露軍のおかげでこの地域からあらたに12万人の難民が発生した。その中にはイスラムテロリストがますます多く混在し、難民キャンプにトラブルを持ち込んでいる。
 ※日本がイスラム系難民を受け入れるとしたら、それはまず東京都内としなければならないだろう。人口が減りつつある地方に押し付ければ、地方自治体の有権者バックグラウンド比例が短期間で激変してしまうからだ。異教徒難民は、人口がふだんでも増えているようなメガロポリスの中心部で受け入れるしかないのだ。東京はもうすでに特亜人だらけなんだから苦しゅうないだろ。

 イスラエルとロシアも、シリア上空における紛争回避のための合意を取り決めているが、露軍とイラン軍の飛ばしているUAVに関しては、その合意の範囲外である。トルコであれイスラエルであれ、それらのUAVが領空侵犯すればどんどん撃墜するつもりである。

 イランとしては、イスラエル国境近くに飛ばすイランのUAVを露軍が保護してくれることを強く望んでいる。

 トルコ軍は、シリア領内のクルド族が国境に近付いたら、銃撃して追い返している。
 トルコ政府は、シリア北部にクルドの国ができることを拒否したい。

 次。
 Matthew Bodner記者による2015-10-26記事「Russian Military Spending to Increase by Less Than 1% Next Year」。
   ロシアの2016年度の軍事費は、計画の時点でも0.8%しか増やせないことが判明した。

 プーチンは2011から露軍の予算を著増させることで保守派の支持を買おうとしてきた。2020年までに露軍は完全に近代化されるはずだった。しかし2014からロシア政府の金庫が空になった。計画は頓挫したのだ。

 プーチン政府は2015年度軍事予算として3兆3000億ルーブル(=520億米ドル)を計上し、じっさいには5%減じて3兆1000億ルーブルをはたいた。これは2014年度に比べるとそれでも26%増しである。

 しかし2011から毎年狂ったように無理を重ねてきた軍拡は、2016には停止する。
 TASS通信が10-24に報じたところでは、2016年度の軍事予算の概算要求は3兆1450億ルーブル(=500億米ドル)。それはロシアGDPの4%くらいを意味する。

 軍事費の内訳だが、増えたのは軍人への俸給分で、軍事インフラへの投資分は減ってしまっている。
 ※人件費分が拡大されなければ専制国家の軍隊が政府を熱烈に支持することなどあり得ないので、これは政治的に当然である。

 露軍は9-30からシリアで空爆を開始したが、これまでにその作戦に要した費用は、9500万ドルから1億4000万ドルと見積もられている。

 新装備に回るカネは非公表だが、軍事予算総額の三分の二ではないか。
 2015年の場合、すでに2兆ルーブルは装備品調達に使われた。

 ロシア政府はこれから間違いなく、文教予算、ヘルスケア予算、社会保障全般を、減額して行く。※おなじことは中共にもあてはまる。

 次。
 Loren Thompson記者による2015-10-26 記事「Next-Gen GPS: Success Hinges On Sticking With Troubled Ground Control Program」。
  現在GPS衛星は40機が軌道上にある。
 北米の中緯度地方の住民は、常時、そのうちの9機からの信号を受信できる。
 GPSの精度は、電離層のその日の具合によっても悪化させられる。信号到達が微妙に遅らされるのだ。

 2000年に連邦議会が予算を付けたGPSの高性能化。32機の第三世代GPS衛星を打ち上げ、地上にはOCXという制御局を1箇所設ける。
 ロックマート社製のその衛星は2017に初号機が上がる。レイセオン社製の地上基地はもっか建設中。

 GPSのこれまでの地上局(加州とコロラドの米空軍基地内にあり)は、そのソフトウェアの言語が、古めかしいフォートランやJovialであるため、セキュリティが無いも同然と思われている。これらの言語は、サイバー戦争をまったく予期しなかった時代の産物だから。じっさい、ハッカーの攻撃は頻繁にある。

 地上局は何をするのかというと、GPS衛星の軌道位置がズレた場合にそれを修正したりするのである。※のみならず、対支戦争が起きたときに西太平洋域だけGPSを狂わせたり、「北斗」の信号をジャムしたりするのだ。すでに米海軍では、兵曹でも六分儀を使って天測航法できるよう、帆船時代の訓練を再開した。海自はおそらく、何もやっていない。

 しかし地上局のシステムが安全かどうかの確認テストにはものすごい手間がかかる。テスト項目は126あり、その最大のものは1万ステップの信号のやりとりを要する。
 ということは、この第三世代のGPSは、納期には間に合わないし、必ず予算オーバーもするだろう。※F-35と同じバターン死の行進……ってか?

 米国内では、野心的すぎるOCXはこのさい放棄して、フォートラン依存の旧ソフトウェアで新世代GPSをコントロールしようじゃないかというオプションが真剣に検討されている。※生物は漸進的に進化してきた。ところがこの頃の米軍は、いきなり飛躍的にシステムを「理想化」しようとする。納期に間に合わぬ理想システムは、国家国民を滅ぼすだけだ。

 しかし旧ソフトでは、最新のハッキングに耐性ある「M-Code」は使えないし、民間用の精度向上技法も実施不可能になる。
 ※各国それぞれにオリジナルな航法衛星と航法システムと航法言語を持てということだね。生物が多様化してサバイバルしているように、航法方式も多様にしとかないと、ひとつのハッキング技術だけで全滅しちまう。だからわたしは言ったのだ。ロランとオメガを廃止してはならぬ、と。NHK地上局を同時に航法基地にしなさいよ、と。

あの肖像を見て、まず「若い!」と思わなきゃ、どうかしてるだろう。

 Vanya Eftimova Bellinger記者による2015-10-23記事「A Portrait of Clausewitz as a Young Officer」。
  これまでよく知られているところの、クラウゼヴィッツ(1780~1831)のたった一枚の肖像画は、画家の Wilhelm Wach によって1830年代の前半に描かれたものだった。
 すなわち死後の製作である。

 この記者(♀)によれば、その肖像は陰気で老けているという。※いきなり、まったく同意できない。現存肖像はクラウゼヴィッツの若いときの姿のイメージを夫人が画家に頼んで描かせたものだと想像ができる。なぜならクラウゼヴィッツはロマン主義の申し子であって、その精神は死ぬまでも若々しかったからだ。あれが50代の円熟した思想家風に見えるか? そう見えないようにわざと描かせているんだと、なぜ察することができぬ?

 今回発見された肖像(スケッチ)は、若い。
 この肖像画は Bernd Domsgen と Olaf Thiel が見つけ出した。2人はクラウゼヴィッツのホームタウン(Burg bei Magdeburg)でクラウゼヴィッツ協会に所属している。

 この2人は昨年、クラウゼヴィッツの家系図を完成した。クラウゼヴィッツ夫妻には子供はいなかったから、残存する親戚係累の残存者に総当りした。

 彼らは屋根裏や地下室を捜索してくれるよう片端から頼んだ。おかげで、大発見があった。

 このスケッチ画は3インチ×4インチの小さいもの。背面には「陸軍少将、軍事執筆家Carl フォン クラウゼヴィッツ少将、1780年6月1日ブルグ生まれ、1831年11月15日ブレスラウ没」と書き込まれてあった。※カールはCで始まる。Kとするのは間違い。これはピーター・パレットも結論している。

 この書き込みの没DATEは誤記だろう。公式にはクラウゼヴィッツは11月16日に死んだことになっている。

 過去のドイツ軍の軍装について詳しい、ドレスデンのブンデスヴェー軍事史博物館に勤務するゲルハルト・バウアー博士いわく。
 これが描かれたのは、1808年から1810年までの間じゃろう。しかし断定は不可能じゃ。カラー(襟)の肝腎な徽章が、無いでのう。
 19世紀のプロイセン陸軍においては、襟章や袖章〔の模様と色〕で所属聯隊と兵科が分かるのじゃ。
 推量するに、このクラウゼヴィッツは参本勤務将校の制服を着用しておるのじゃろう。

 将官たちと、その幕僚たちだけが、組み紐素材の肩章と、右肩の飾緒(fourrageres フーラジャー)を付けていた。※この記者は参謀と司令官の違いが分かっていないようだ。飾緒は参謀の印であり、参謀には軍隊の指揮権が無い。東條のようにそれを無視した不法軍人も多かったが、参謀が勝手な指揮ができないように正面からよく目立つ印で飾る意味があったのだ。

 おそらく上着は青地に銀ボタンと銀襟章であろう。そして襟と袖は臙脂色(深紅色)だろう。
 このことから推定して、スケッチが描かれたのは、1807年のフランス国内における捕虜生活を終えてプロイセンに帰国した時ではないか?

 クラウゼヴィッツはアウグスト親王(現王の従兄弟)の副官職も、引き続いて兼務していた。親王は陸軍省の軍事改革委員会のメンバーになっていた。

 と同時にクラウゼヴィッツは、シャルンホルストの私設秘書のような仕事も引き受けていた。

 1809年の前半にクラウゼヴィッツは親王の副官は辞め、シャルンホルストの専属になった。

 バウアー博士によれば、1810-8にクラウゼヴィッツは少佐に進級している。それにともない、左肩の肩章は変わらねばならぬはずだという。

 しかしスケッチにはその兆候が認められない。
 だからバウアー博士は、スケッチが描かれたのは1810年の前半より前であり、且つ、1808年より後だろうと見積もるわけだ。

 もしそうであれば、ここに描かれたのクラウゼヴィッツの年齢は28歳から30歳ということになる。

 作画者の署名は、無い。
 マリー夫人はアマチュア画家で、軍事博物館には彼女が1816年に描いたグナイゼナウの肖像画が掲げられているほどなので、可能性として、ある。
 しかし、夫人がクラウゼヴィッツの命日を間違えるだろうか? ※軍の公式記録と、夫人が思い込んでしまった日付と、1日ずれることぐらいあるだろう。

 マリー夫人には、対象人物を実際以上に格好よく描いてやる、プロの画家ならばある、サービスの心得というものはなかった。肖像のグナイゼナウは、疲れた腫れぼったい目をしている。プロ画家なら、絶対にそんな風には描かないものである。プロ画家は、人物の目を生き生きとさせる等の技巧を熟知しており、必ず肖像画にはそうした商売的な技巧を使うものなのだ。

 新発見のクラウゼヴィッツ・スケッチも、同じ商売技巧の無さが看取される。だから画家はマリー夫人であろう。すなわちこのスケッチは、クラウゼヴィッツの「生き写し」の絵なのである。

 マリー夫人が描いたとするならば、さらに製作時期は絞り込める。すなわち、1809年後半から、1810年の半ばまでの間だ。

 そうだとすると、ではなぜマリー夫人は、公的には、クラウゼヴィッツの暗い印象の肖像画だけを流布させたのだろう?
 ※だからその見方がおかしいんだって。疲れ果てた50歳代の男じゃなくて、40歳以前の若い青年将校のイメージだけを夫人は世に残そうとしたんだよ。なぜなら『戦争論』は情熱がほとばしった叫びの書なんだから。いまのところそれを理解してるのはオレだけだが……。

 ピーター・パレットが『クラウゼヴィッツとその国家』に収めているマリー夫人の書簡。それはクラウゼヴィッツの死の直後のものだが、マリー夫人の認識ではクラウゼヴィッツの一生は苦労のしっ放しであり、大成もできなかった。
 ※この記者はマリー夫人の伝記を最近書いたようだ。やがて邦訳も出るかもね。

 次。
 Kelsey D. Atherton 記者による記事「Video Shows Bomb-Carrying Condom Balloons In Syria」。

 ISは、阻塞気球代わりに「コンドーム+水素+手榴弾」を空に飛ばしているという。新たなる防空兵器。

 コンドームはふくらますとほぼ無色透明なので、パイロットは視認できないで衝突してしまう可能性がある。

 このビデオ動画は「ロシア・インサイダー」というサイトにアップロードされた。
 撮影場所はイドリブ郊外だという。そこはISではなく、ジャバト・アルヌスラの支配地なのだが……。

 ちなみにWWIIの日本の気球による爆撃では米国本土で6人が死んでいる。
 また、欧州でWWII中に使われた阻塞気球は、そこから吊り下げたスチール・ワイヤーによって、敵機の低空攻撃を不可能にするものであった。

ビビリの中共が アメリカの本気に叩頭九拝で御赦しを乞うというウォーミングアップを開始中。

 James Kraska 記者による2015-10-19記事「What Would Reagan Do About China’s Violations of the Law of the Sea?」
  1982年のUNCLOS(Law of the Sea Convention)について。

 中共は本土海岸からの領海線を勝手に直線的に引いている。これはUNCLOSの「article 7」違反である。

 中共は、満潮時に水没する洋心の浅瀬を基準に領海を主張している。これはUNCLOSの「article 13」違反である。

 中共は、パラセル諸島の領海線の引き方でもUNCLOSの「article 47」を蹂躙している。

 そして1974に武力行使によってベトナム人を殺傷してパラセル諸島を占領したことは国連憲章の「article 2(4) 」違反である。

 中共は、その領海における無害通航について他国に勝手な制限を課そうとしており、これはUNCLOSの「article 19」と「article 21」の違反である。

 中共はそのEEZ内に関して、他国の艦船航空機が公海を合法的に自由に利用することを拒否しており、これはUNCLOSの「article 87」違反である。

 中共は、近隣諸国の領海およびEEZにおいて、それら主権国の正当な権利を強奪しつつある。UNCLOSの「article 56」違反である。

 中共は外国の軍艦および軍用機が有するその国旗国の主権を侵犯している。これはUNCLOSの「article 32」と「article 95」の違反である。

 中共は、海上の人工構造物の周囲に中共の領海があると主張したがっているようだが、これはUNCLOSの「article 60」違反である。

 中共は、東支那海において日本の大陸棚を、そして南支那海においてベトナムとマレーシアの大陸棚を、いずれも中共のものだと主張している。これはUNCLOSの「article 83」が求める義務に違反している。

 中共は、そのEEZ内に外国が海底ケーブルやパイプラインを自由に敷設することを妨害している。これはUNCLOSの「article 112」と「article 113」の違反である。

 中共は国際紛争仲裁裁判所に出廷する義務があるのに、フィリピンからの要求を無視し続けている。これはUNCLOSの「article 288」と「article 298」の違反である。

 ところでレーガン大統領は1982のUNCLOSには署名しなかった。
 理由は、深海底の採鉱権について不満があったからだ。
 しかしそれ以外の趣旨には賛成しており、1983年3月10日には海洋の航行権と飛行権について強調する大統領宣言を出した。これは同条約署名に代わる米国としての国際公約で、このレーガンの1983宣言を、それ以降の大統領も継承しているのである。
 深海底の採掘権に関することを除き、米政府もUNCLOSの諸規則を、他の署名国と同様に遵守している。

 1983レーガン宣言では、海洋法についての相互主義が謳われている。他の沿岸国がこれを守るなら、米国も尊重するよ、と言っている。

 中共のように法の支配を無視するアウトロー国家が登場した以上、われわれはレーガン宣言の「但し書き」部分を、改めて援用するしかなかろう。
 すなわち、中共が周辺国に対してしているようなことを、米国も中共に対してしてやるまでだ。

 次。
 Michael Peck記者による2015-10-19記事「Get Ready, China and Iran: American Naval Super Mines Are Coming」。
  米軍の最新式の「クイックストライク」機雷は、本体に滑空用の主翼が備わっていて、B-52Hから高空からリリースすれば、40海里先まで飛翔して着水する。この実験は2014-9-23に成功している。

 航空機から撒布される沈底機雷である「クイックストライク」は前からあったものだが、いよいよそれにJDAM機能が結合されたわけだ。

 もっと正確に述べよう。クイックストライクに、JSAM-ERが結合されたのだ。「GBU-62B(V-1)/B クイックストライクER」というのが正式名称だ。
 高度3万5000フィートから落とせば、40海里前に落ちる。

 航空機から機雷を撒く技術は、米軍は1943から実用化した。その基本的制約は2014までも同じであった。ようやくその技術に革命が起きた。

 制約というのは、敵戦闘機がやってくるかもしれない敵国沿岸を、大型機が低空で飛行しなければならなかったことだ。

 着水ショックで機雷が壊れないようにするためには、パラシュートで減速させねばならない。それをもし高空から投下すると、パラシュートが横風に吹かれて各機雷の着水点は甚だしく散開してしまい、敵船舶が必ず通る、最も有効なポイントに、精密に機雷を並べてやることができなかったのである。

 そのためB-52は機雷を撒くときには高度500フィートを320ノットで飛行しなければならなかった。これはF-18やP-3を使って撒布するときでも同じである。
 もし敷設ポイントがずれてしまったら、再度やり直し。危険すぎる。じっさい湾岸戦争でも、機雷を撒いていた米軍機が1機、やられた。

 「GBU-62B(V-1)/B Quickstrike-ER」が使えるようになったことで、これからはB-1にも大いに機雷を中共沿岸に撒いてもらうことが可能になるのだ。

 ちなみにクイックストライクは1983からある比較的ローテクなもので、ただの2000ポンド爆弾に、音響/磁気感応信管とパラシュートをとりつけただけである。
 JDAMキットは単価2万ドルである。

 機雷投入ポイントを計画するときは、そこで敵艦船が1隻沈むことによって、爾後、深度の十分な航路が使えなくなる、そういうところが狙い目。海南島は、この手で封鎖できる。

 また沈底機雷は揚子江などの枢要な兵站内水にも撒かれる。

 イランの場合はバンダル・アッバスが最初に機雷撒きの対象になる。
 ロシアの場合は、バルト海の一番奥の「フィンランド湾」(サンクトペテルブルグの前浜)に沈底機雷が空から撒かれる。

 機雷戦の専門家氏いわく。次の段階は、この「Quickstrike ER/JDAM」にエンジンをとりつけて、「機雷ミサイル」にすることでしょうね。

 ※日本がやるべきことも明らかだろう。「SSM-1」ランチャーから多連装「機雷」ロケットを射出できるようにし、南西諸島のすべての島嶼に平時から展開しておくことである。また対ホバークラフト用としては「連繋機雷」を同じくロケット投射できるようにすることだ。

 将来的には、シナ、ロシア、北鮮も、機雷に翼を付けて飛ばすようになるだろう。それに対して米海軍には、11隻の『アヴェンジャー』級掃海艇しかない。計画では32隻のLCSに「掃海キット」を搭載できるようにするというのだが、まったくこの開発は失敗している。重掃海ヘリの「シー・ドラゴン」も古過ぎてよく墜落する。

 ただし中共が機雷を撒けば、それを中共自身、除去する能力がないので、シナの貿易は全部ストップするのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-10-19記事「The Endless Toyota Wars」。
   ISはハイラックスを買い集めるために幾ら使っただろうか? 中東ではおよそ2万ドルで売られている車だが、ISがそれを入手するには、輸送途中での検問所役人への賄賂など、余分なカネが必要なので、おそらく2013年から〆て1億ドルははたいたのではないか。

 トラタはかれこれ半世紀くらい、中東でハイラックスを売っており、それゆえ、定評がある。
 ハイラックスの2004年型モデルは、全世界に500万台売れた。そのうち2割以上は、中東で売れたのである。

 トヨタのハイラックスの最初期型は、1968年製。
 そこから数えて、今のモデルは「8代目」ということになる。
 2015年に、「7代目」の生産は終了した。

 自重が1.4トンで、燃料1トンと荷物1トンなどを積める。
 燃料タンクは76リッター=20ガロン入り。舗装道路ならこれで1000km走れるのだ。
 しかし満載荷重で不整地を走るなら、その距離は三分の一に縮む。

 「テクニカル」と通称される改造車は、荷台に14.5ミリ機関銃の三脚をボルト止めし、さらに10人もの兵隊が鈴なりに運ばれる。

 最初にこの種の改造車が大活躍したのは、1970年代にリビア軍が機甲部隊でチャドに侵攻したときだった。
 これを迎え撃ったゲリラたちは、ハイラックスを使って、リビア軍を退却させたのであった。

その名は ひひみ。

  Al Mauroni 記者による2015-10-16 記事「Don’t Fear the Dirty Bomb」。
   さいきんの民主党のディベイトでヒラリー・クリントン候補は、核物質がテロリストの手に渡るのが一番やばい、と発言した。
 前後してAPが、モルドヴァの犯罪組織が核物質をISに売ろうとしたと報じた。
 大衆は、わけもわからず放射能を恐れるものだ。※この記者は、米空軍の非通常兵器研究室の室長。

 だが、スリーマイル島や福島第一からの放射性物質漏れによって、急性放射能症で死んだ人間は誰もいない。
 チェルノブイリですら、数ヶ月内の放射能症による死者は30人未満だった。
 チェルノブイリで被曝して寝込んだ130人のうち多くは、何年もかかったが、復活している。

 オバマ大統領は2010年に「米国の安全にとって最大の単独脅威は、テロ組織が1個の核兵器を入手してしまう可能性であろう」と発言している。

 記者はこの見解に賛成できない。米国にとっての最大の脅威といったら、ホンモノの水爆ミサイルで米国をいつでも核攻撃できるロシアとシナにきまっているではないか。……が、この話は今回のテーマから外れる。

 放射能について一般人よりも正確な知識を持つくせに意図的に無知な大衆の恐怖をいたずらに煽り立てるようにして特定政治機関の目的に好都合ならしめんとする連中。この嘆かわしいやつらに読者は気をつけて欲しい。こやつらは米国の本当の課題から目を逸らさせる。

 この煽動屋たちは、「放射能」と「核分裂物質」の区別をわざとあいまいにして話を進める。

 そして、ひとつの論説の中で、放射性素材を通常火薬で環境中に飛散させる仕掛けにすぎない「ダーティ・ボム」と、ホンモノの小型核爆弾とを、並列併記して、読者に印象上の混同を誘う。
 あたかも連続TVサスペンスアクションドラマの『24』のように、幾つものテログループが、NYCやLA市内で小型核爆弾を炸裂させるプロットがリアルに進行中であるかのように思わせるのだ。

 たとえば前の上院議員のサム・ナンらは、「ニュークリア脅威イニシアチブ」というNPOを結成していて、いまから2ヶ月前、『ワシントン・ポスト』紙の社説対向ページ(オピニオン欄)で読者を脅した。いわく、市中で商業利用されているアイソトープなどの放射性物質をすぐにも全面禁止(代替品を開発させて)しないと、米国は危険な放射性物質によって数十億ドルの損害を受けることになるだろう、と。

 サム・ナンらに言わせると、いままで米国でダーティボムによるテロが起きていないのは「奇蹟に他ならない」のだそうである。

 たしかに、放射性のセシウム、コバルト、イリジウム、アメリシウム、トリウム、バリウム、トリチウム、その他いろいろなアイソトープは、市中で大量に使われているので、放射能被曝を気にしない泥棒がどうしてもそれを欲したら、盗むのは簡単であろう。
 じっさい、なんらかの核物質が盗まれたという報告は、毎年、数百件もある。

 しかし、人類史上、ダーティボムはまだ一度も爆発してないのだ。

 ※「ダーティ・ボム」はすでに二度、人口密集地の真上で炸裂していると思う。リトルボーイもファットマンも、設計未熟のために、数キログラム単位の核分裂物質が、連鎖反応を起こすことなく、ナマで飛散してしまった。しかしウラン235やプルトニウム239やそれらの同位体の微粒粉末の吸引が原因で死んだ者は1人も確認されていないようである。半減期がやたら長いということは、放置状態で単位時間あたりに崩壊する原子もやたら微少であるということだから、それだけでは即死者は出ないのが尤もなのだ。もちろん風評被害を狙った「印象テロ兵器」としては適しているけれども、そのことがテレビや映画で正確に説明されることはない。

 別な論者のジョー・チリンチオネは言う。――ISが放射性物質を入手するのは時間の問題だ。アメリカからの攻撃を抑止するために、彼らは核武装を指向する。核爆弾がつくれないならば、ダーティボムがその代用になるだろう――と。

 それはおかしくないか? 米国はテロ組織とは数十年来戦争している。なぜアルカイダが先にそれをやっていないのだ?

 ISは旧イラク軍の残党である。旧イラク政府が数十年間国力を傾けて努力しながら造り得なかった原爆の研究に、新生イラク政府軍と一進一退の攻防を続けつつゲリラ組織のISが成功してしまうってかい?

 チリンチオネは原爆とダーティボムの違いをちゃんと知っている。ダーティボムに人を殺す力がほとんど無いことも知っているのだ。しかし、数グラムのセシウムかアメリシウムをダーティボムに挿入すれば、市街の数十ブロックは数週間、人が住めなくなる、などと唱える。

 放射性の重金属の粉末を火薬の力で数マイルの範囲に拡散させた場合、拡散モデルを使えばわかるが、それによる住民各人の増加脅威は「数ミリキュリー」である。
 これは健康上無視できる量であることをチリンチオネは知っている。にもかかわらず、パニックを起こした住民をエバキュエーションさせないと行政が集中砲火を浴びるので行政もパニックにつきあってとりあえずエバキュエーションを命じておけ、と言いたいようだ。

 米政府は福島第一原発事故のとき、そこから50マイル以内に住んでいる米国人に対してエバキュエートを命じた。それには「恐れ」以上の合理的な理由などは無かったのである。
 この命令が為したことといえば、日本政府が該当区域の住民数百万人と事後復旧の段取りについて相談する仕事を、いやがうえにも困難化したことであった。

 核テロについてまじめな参考書を欲している人は、Michael Levi か Brian Jenkins が書いたものを購求するとよいだろう。オススメである。

 真の確率を公平に考えるなら、世界に数千発ある既存の核弾頭が、非国家集団の手に渡る恐れの方が、ずっと高いはずだ。その殺傷力こそ、ホンモノであろう。

 しからばなぜ米国のメディアは、脅威のぜんぜん低いダーティボムの話ばかりをするのか? それを敢えて売り込むライターがおり、それによって恐怖を感ずる大衆がおり、それによって儲かる雑誌・新聞・テレビ会社があるからである。

 CNNも、数グラムのセシウムを自動車爆弾に仕込んで炸裂させればニューヨーク市は何ヶ月も閉鎖される、などと煽っていた。とうてい信拠に値しない「専門家」が、メディアには出てくるのだ。

※有能な劇画の『いちえふ』に豆知識が書いてある。いわく。甲状腺癌は潜在的に多くの人が持っている。症状の無いまま一生を終える人もいる。福島ではすべての子供を精査したので、ふつうなら見つけられずにいるものがすべてカウントされた。環境省は比較対照のため、青森、長崎、山梨の3県でも調査している。その結果は、福島の子供たちの甲状腺異常と有意差がなかった。また福島で見つかった子供の癌細胞の遺伝子異変を解析した検査結果も、チェルノブイリ事故での遺伝子異変とは違うものであった――と。要するに沃素131が原因の癌じゃないということだろう。

想定戦場海面が、中枢的経済活動地帯に膚接しているというのが、中共の地政学的な最大弱点。

 Paul Dibb記者による2015-10-15 記事「Why the PLA is a Paper Tiger」。   やたら中共軍の「強さ」を騒ぎ立て、米軍の能力を過小に印象付けようとする……。この近来の風潮は、80年代に「ソ連軍はまもなく米軍を追い抜き圧倒する」と騒いだ脅威論とおんなじだ。

 中共軍は近代戦争を一度もしたことがなく、法螺百万言の「最新装備」類は一度たりとも実戦で試されたことがない。その将兵はプロフェッショナリズムからは遠く、既にあらゆる脆さが露顕している。

 シナ共産党は、経済恐慌や外交破綻を一回やったらその支配力はゼロになる。既に人民からの支持という土台が無いからだ。

 シナ経済は、他国との自由貿易とサプライ・チェーンに根底から依存するようになってしまっている。したがって今シナ軍が海上で戦争をおっ始めたら、シナ経済もシナ社会も崩壊するだけ。

 中共には友達もいない。近隣で味方になってくれそうな国家は、非力で影響力の無いところばかりである。中共は戦略的に世界で孤立している。

 中共軍の最後の戦争経験は1979のベトナム侵攻である。このときも、現代戦争とは思えない惨憺たるレートで死体の山を築いた。

 中共軍将兵の宣誓は、中共という党を防衛すると謳い、シナという国家を防衛するとは謳っていない。中共軍は、封建的な党与臣従的私兵にすぎず、近代国家の「国軍」ではないのだ。

 だからこそ人民の福利などそっちのけで党内出世のための賄賂授受も横行する。昇進人事は金権次第という軍閥軍隊だ。

 帝政ドイツも帝政ロシアも戦後のソ連も、ふんだんにカネを突っ込んで海軍軍拡したものだが、どだい海洋強国には脱皮し得ない運命を、確認しただけに終わっている。俄かに急膨張させられているだけのシナ海軍が、どうしてその範疇外たり得るのか?

 豪州のコメンテーターたちは、中共軍のA2ADの宣伝の片棒を担いでいるかに見える。
 彼らコメンテイターは、同じ時間を使って米軍が、超音速飛翔体、レールガン、ステルス技術、無人機、サイバー攻撃術の分野で中共などの遥か先方を走り続けていないとでも言う気か?

 これらの分野で中共軍はどうみても米軍よりも20年以上、後落している。

 中共の防空体制は穴だらけであり、西側先進国からの空襲を阻止することはまったくできない。

 中共はソ連の戦闘機用エンジンをコピーしようと30年間努力して、いまだにマスターできていない。

 東風21の対艦バージョンとやら。それはこれまでに一度も、海上を30ノットで動く標的に命中したことはない。実験ですら。

 また、遠洋の米空母を攻撃するためには、OTHレーダーや海洋監視衛星群をフル稼働させて標的の居場所と進行方向と移動速度をリアルタイム把握する必要がある。しかし米支開戦となれば、それら無防備なISRアセットは、簡単に米軍の手によって破壊され、盲目化されてしまうのである。

 そして米軍の知る限り、シナ軍はこれまで一度も、洋上を監視する衛星からデータを地上に送り、それをもとにして陸上または航空機から洋上の移動目標をミサイル攻撃するという実験を、したことがない。そんなものは存在しないのである。

 東風5BがMIRV化されたとか言うけれども、それはロシア人が40年前にやっていることをようやくシナ人が真似しているということを意味する。むしろそれがいままでできていなかったことに驚いてよいだろう。

 シナ軍将官やシナ人学者が、中共は核戦争を戦う能力があると豪語する。だが海岸部の経済活動帯に密集して暮らしている数億人の有能な稼ぎ手たちの保護については、何らの対策も取られていない。シナ経済を支えている東部大都市民は、軍隊によって最初から見捨てられているのである。

 ※なるほど中共は豪州人を脅かすために東風5などというポンコツの多弾頭化を宣伝する必要があったのか。非核のBMに対しては豪州は全く安全ですからね。もしも近々中共が亡びないのならば、豪州こそ核武装する必要がありそうだ。そのためには日本は協定を結んで全面協力するべきだろう。 ところで英語メディアでは米海軍がいよいよ南支那海でのFONをやるぞという方向での記事が相次いでいる。オバマ政権もさすがにシナに対して無為のまま次の大統領選に突入すれば民主党の未来候補は確実に敗れ去ると計算して、肚を括ったか? 

 次。
 Rob Taylor記者による2015-10-15記事「Australia Security Worries Arise Over China Port Deal」。
  中共の企業(山東 Landbridge グループ)が豪州北岸のダーウィン港を長期借り上げする。豪州政府はそれを認めるつもり。

 その場所は米海兵隊がときどき使う軍港の部分(飛行艇の離発着場もあるという)とは分け隔てられているので特に問題はないという。

 Shandongランドブリッジ社は昨年、豪州のガス会社を買収している。
 ランドブリッヂ社は、米ドル換算で3億6600万ドルを払い、港を99年リース借り上げする。同社は港湾機能を近代化する工事もしてよい。

 中共と豪州は6月に自由貿易協定をとりかわしたので、このような投資も可能になったのである。

 しかし10-13にはベトナムの漁船が中共軍によって沈められたらしく、海を捜索中であるというニュースが飛び込んできた。

 平時に豪州へ出入りする貨物船の三分の二も、南支那海を通っているという。

 アッシュ・カーターは今週、ボストンで豪州のペイン国防相(♀)と会い、FONを海でも空でもやると言った。

 ※別ニュースでは、豪州の貿易相が、米海軍によるFONに豪州軍は相乗りしないと声明したと。 またイランのミサイル用トンネルが地下500mにあるという映像報道がイランからは出てきた。今の核シェルターの相場値は、深さ500mなのか……。

シナ人には除去不能な数万の機雷は日本とシナ大陸の腐った関係を永遠に断ってくれる。これほど素敵な free-barrier は他にあるか?

 Lyle J. Goldstein記者による2015-10-14記事「Old-School Killers: Fear China's Sea Mines」。
  湾岸戦争ではイラクの機雷により米艦『トリポリ』と『プリンストン』は中破させられている。
 そして数年前、シナ軍雑誌『兵工科技』におもろい記事が出た。
 青島の潜水艦学校の教授のインタビューだが、話のテーマは専ら機雷だった。
 この教授氏は、1988にイランの機雷で孔があいた米フリゲートの『サミュエル・B・ロバーツ』を例示した。
 同教授いわく、シナ潜1艦で、機雷50個を撒ける。これは外装式の撒布機をとりつけた場合だが。
 『現代艦船』というシナ海軍雑誌の2015-8月号には機雷戦の短い話が出ている。
 それはシナ国防大学校の研究を引用している。台湾が独立宣言したら、機雷6000個前後で近海を封鎖するという。それには開戦から5日前後かけるという。
 それに続く第二フェイズでは、機雷7000個を撒くという。
 合計数は、米軍がS20に「飢餓作戦(オペレーション・スターヴェイション)」でB-29を使って西日本の沿岸に撒いた数と近似する。

 この阿呆雑誌は、1日に2000個のペースで、機雷を、シナの艦船や航空機から撒き続けることは簡単だとする。

 第一列島線に、水上艦、潜水艦、漁船によって一定数の機雷を撒き続ければ、米海軍の東支那海への進入は阻止できるのだという。
 機雷撒きのために動員できるシナ艦艇とシナ軍用機の合計は500。これには漁船はカウントされていない。

 ※シナ軍を語る者がいつも間違える(あるいはごまかす)ことがある。この記者氏も例外ではない。奇襲開戦の最初の30分間は、彼らはやりたいほうだいができる。その時間帯に限れば、潜水艦が既に米軍から追跡を受けていようとも、漁船がいかにボロだろうとも、かんけいは無いからだ。しかし1時間目以降、彼らが自由にできることなど何もなくなる。まして米軍相手の本格戦争では……。

 2014年に大連の海軍大学校の男が、機雷のように水中に仕掛けておいて、敵水上艦が通りかかったらポップアップして海面上で対艦ミサイルを放出し、レーザー・センサーで捜索して攻撃するというウェポン・システムの実現性について記事を公表している。
 これならば、発射から命中までの時間があまりにも短いため、米空母にも対応はできんだろうというわけだ。

 ※軍艦のいちばん弱い艦底を狙えるチャンスをわざわざ捨てるとは……。CAPTORの技術はロシアすらコピーできなかったものなので、中共にはとうてい無理だと諦めてるんでしょうね。しかし、対空母戦闘で大事なのは、その空母を沈めることじゃなくて、とりあえず甲板を使えなくしてやることなのだと認識をしているのならば、偉い。ここに気付くのが遅れたのが、「空威研」と大西瀧治郎の失敗だったんだから。

 さらに、この機雷が放出するミサイルは、対艦用だけでなく、対空用も考えられるとしている。それで米軍の対潜哨戒機を撃墜してやるのだ。

 ※「機雷戦」は地政学的に中共自身の自殺戦略となること必定なので、メディア工作隊はもっとネット上でシナ人に向かって、〈砂盛島の「領海」に「主権国の権利」として機雷を敷設しなさい〉――とそそのかすべきである。それで米支戦争となり、中共はすぐに亡びてくれる。誰もが幸せになれる未来が待っているだろう。

ますますますます。(益々増す枡であり、他の意味ではない)

 Kyle Mizokami記者による2015-10-13 記事「No, Toyota Is Not Supplying ISIS With Pickup Trucks」。
  マグレブ砂漠からユーフラテス流域まで、アラブの戦場はトヨタの白いピックアップトラックが支配している。これは事実。中東でいちばん人気のトラックはトヨタ。これも事実。テロリストグループは、現地でいちばん人気のトラックを漁って奪い取り、ごきげんになって乗り回している。それが単純な現実なのだ。

 ところが謎の宣伝実行部隊が、英文のインターネット世界を舞台にして、トヨタとISがあたかも直結しているかのようなイメージ毀損工作を展開中である。
 ※それをやって得するのは誰か? フォルクスワーゲン社か中共政府しかないだろう。その両方でもあり得るけどね。

 ど腐れイラク政府の駐米大使が言った。リビアとイラクとシリアのISが使用しているトヨタのトラックは、しばしば「新車」のようだ、と。つまりトヨタがISにハイラックスを直納しているのだという「トヨタ陰謀史観」にイラク政府まで乗ってきた。
 ※おのれらの腐敗堕落が現地混乱の原因のすべてであるという真実から米国納税者の批難の矛先を逸らせるためには、何でもやるのだ。

 ハイラックス(Hilux)は、米国内では「Tacoma」の名で売られているものである。だから、ビデオに出てくるISのトヨタトラックが最新モデルであるかどうか、米国人視聴者にも判断ができるはずだ。それらはみな、13年以上前のモデルだ。

 ISが乗り回しているのは「中古車」である。いずれも13年から15年以上前のハイラックスである。
 しかし日本国内で乗られていた中古車だから、状態が良い。
 なぜ日本国内向けのハイラックスの中古車が彼らの手に入ったかというと、それはトヨタではなくて日本政府の政策が関係している。
 日本政府は2009年に、13年以上前の古い型の乗用車やトラックを新車に買い換えた国民に対しては2500ドルのキャッシュを提供することを決めている。
 日本政府はまた、最新の排ガス規制基準を満たしているエコカーを新規購入する消費者にも1000ドルを補助している。
 この結果、おびただしい中古車が日本国内で発生しているのだが、その転売市場は日本国内には無い。それらはみな、海外へ売り飛ばされ、中古のトヨタトラック供給過剰状態をつくったのだ。

 『ウォールストリートジャーナル』紙が2004年〔sic.〕に見積もった数値によれば、日本から100万台の中古車が輸出された。

 その何割が中東に出回ったかは知らないが、日本人が最も好む自動車の塗装は「白色」であるから、とうぜん輸出中古車も白いのが多くて不思議はない。

 それにたまたま、中東でも、駐車中の太陽光線の反射率が高い白色~明色系の自動車塗装は好まれている。他の塗装色よりも車内の昇温が抑制されるから。
 黒旗をかかげているISとても、黒色塗装のピックアップトラックを8月のイラクで運転しようとは思わない。これも事実である。

 過去5年のうち、地震津波にやられた2011年を除いて、トヨタは世界最大の自動車販売実績を有するメーカーである。ウェブサイトのDoDBuzzによればトヨタは2012年に中東へ683900台の車両を売っている。またABCニュースによると、2013年~2014年にトヨタはハイラックスとランドクルーザーをあわせて3万1000台、イラク国内で販売した。
 ※だから「スキ車」をリバイバルしておけば地震津波すら追い風になるんだ。

 ピックアップトラックは、その荷台に6人くらいの兵隊を載せられるし、重火器も運搬できる。便利で有用なピックアップトラックの「徴発」にISも励むのは尤もだ。励んだ結果、いちばんたくさんあつまったのはトヨタ製の白いピックアップであり、いちばん愛用されるのも、トヨタ製の白いピックアップとなるのだ。これは統計学だろう。

 ISは人口まばらな土地を数百マイルも機動しなければならない。彼らの組織内には、自動車整備工はあまり多くないである。されば、命を預ける車両はメンテフリーの定評がある、信頼性の高いものでないと往生する。となったら選好されるのはどこ製だ? 一択だろう。

 ※この反論記事を「ポピュラー・メカニクス」のウェブサイトに載せさせた〔のであろう〕米国トヨタの宣伝担当者は有能である。このテーマに関しては、他のネット媒体よりもずっと効果があろう。
 しかしこの陰謀ルーモアの根は深い。中共はあらゆる「いいがかり」案件で韓国人を焚きつけることで「日米離間」にまでもって行けると睨み、画策しきりである。同じように中共は根性が腐り果てているVWを応援して反トヨタ工作を燃え上がらせることで、まわりまわって「日米離間」へ誘導することができると期待しているだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-11-13 記事「Born To Run From South Korea」。
  韓国の若者たちの間の新しい流行は、「韓国国籍離脱」である。徴兵を逃れるには、これがいちばんなのだ。
 2014年だけでも、4000人の若者が韓国国籍を捨てた。

 ※日本のコミュニストたちも、「国防の義務」を果たすのがいやならばサッサと日本国籍を捨てたがよい。国籍離脱の自由は憲法で保障されているぞ。

 2010年以降だと、総計1万6000人以上の韓国の青年が韓国籍を捨てることで兵役をまぬがれている。

 ちなみに韓国で二等兵に徴兵されると、月給は121ドルである。
 このため4割の新兵は、毎月実家から送金してもらうことで遊興費(特にネットカフェ利用代)を得ている。

 ※伊東寛氏著の『サイバー・インテリジェンス』(祥伝社新書)が面白かった。ミッドウェー作戦のAF電報の話じたいがカバーストーリーだという仮説(p.153) に同意したい。しかしそもそもMI作戦では敵の劣勢空母艦隊に出てきてもらわないといけない事情があったので、こっちが6隻固めていないという手の内を意図的に晒しているんですよ。わざわざまっぴるまの大湊から2隻を北方へ出航させることによってね。それをやれば必ず国内のスパイ網がアメリカ側へ通報してくれるはずだという前提が、GFの高いところにはあったんだ。

昭和17年の10ドルは、今の1万5000円にも相当した。

 ?記者による記事「During World War II, Sex Was a National-Security Threat」。
 さいきんも米軍は、性病が軍隊破壊活動の筆頭だと認めているが、かつてもそうだった。

 第二次大戦に米国が参戦して大動員が本格化した1942年前半、連邦政府は、全米の陸軍基地が所在する自治体で、計数百人の娼婦を、性病保菌者であるという理由で強制隔離した。この娼婦たちは「カーキー・ワッキーズ」「グッドタイム・シャーロッテス」「キャンプ・フォロワーズ」「パトリオチューツ」と呼ばれた。※最後のは造語で、辞書には見えない。

 ペニシリンは1943年から実用になったが、軍隊に優先的にまわされたので、銃後の国民は古くからある砒素系薬物の静脈注射が頼りだった。これは毎週1回、1年間も続ける必要があった。
 ※映画の『第三の男』には闇ペニシリンが出てきた。

 淋病は当時から、錠剤だけで症状を抑制できた。しかし投薬インターバルは注意深く守らないと利かなかった。

 兵士が性病に罹患して軍隊の機能を低下させてしまうという大損失をなくするべく、1941年、FDR政権は社会防衛局を創設した。目的は、軍事基地周辺での売春を撲滅すること。その長には、エリオット・ネスが就任した。アル・カポネを禁酒法違反で刑務所送りにした辣腕である。
 ※ピンク産業もイタリア系マフィアが仕切っていたことと関係があるのか。

 同年、「メイ法」が議会を通過・成立。軍事基地近くで売春婦が客を誘うことは爾後は連邦法違反だということにされた。
 この法に基づき、ヘルス・ワーカーたちが酒場を夜な夜な探索し、セクシーすぎる外観の女が混じっていないか、目を光らせた。

 軍隊の近くにキャンプフォロワーがいるのはあたりまえだと黙認してきた伝統は、米国では、1941~42年をもって、全面的に終了したのである。それは性病対策が理由であった。

 ネスは全米に、「迅速治療センター」を開設させた。梅毒にかかっている街娼を強制収容しては、数週間、治療薬を静脈注射する。

 『米国梅毒史』の著者、パラスカンドラいわく。監視役人たちは当初、軍隊の門前町や軍需工場近くの盛り場を重点捜査してプロの女を見張ったが、戦争が進展するにつれて、アマチュアの、ただし貞淑謹厳ではないと見える女をしょっぴくようになった。

 取り締りの場所は、バーからダンスホール、しまいには繁華街近くのバス停に移り、バスから降りてくる女を待ち構えていて訊問するに至った。

 性病チェックを拒否しても、取り締まり役人が強く疑った女については、裁判所は強制収容隔離命令を気軽に出した。

 駐屯地のまわりをうろついていたという理由だけで、役人は女を拘留できた。理由は、浮浪罪。その上で、性病検査か強制収容かを迫る。

 隔離というのは、医者でない役人にも可能な行政なのだが、梅毒治療の場合、そのうえで静脈注射が必要である。それは外科的医療行為なので、法的にうるさいことを言うなら、役人が市井人に強制することはできないはずのものであった。

 しかし役人が、静注による治療を受けなければ無期限に隔離収容を続ける、と通告すれば、女たちはその治療に合意したのである。

 迅速治療センターでは、街娼たちに社会更生を促すこともした。具体的には、治癒後に軍需工場に就職させてやるのだ。それもまた、米軍の最大の敵、性病を遠ざける良法だと彼らは信じていた。

 米軍の駐屯地内ではコンドームは手に入った。他方、WACについては、禁欲生活が当然だという内規が適用されていた。

 次。
 ?記者の記事「Gary Sinise to Receive 2015 Sylvanus Thayer Award」。

  ウェストポイントの卒業者でつくっている同窓会は、俳優のゲイリー・シニーズに「シルヴェイナス・セイヤー賞」を与えた。
 理由は要するに、彼が演じてきた米軍軍人・退役軍人たちの姿が、兵役の愛国性について全米を感化するところ大であったから。
 ちなみにウェストポイントのモットーは「義務、名誉、祖国」である。

 プレス・リリースによると、この人はとことん米軍に入れ込んでいるのである。
 早くも1980年代にベトナム復員兵たちを励ます催しをシカゴのステッペンウルフ劇場で主宰していた。
 その後、「ダン中尉バンド」というパフォーミング・チームを作って内外の米軍基地の慰問までやってきた。
 また「Gary Sinise Foundation」という基金を創設し、軍人の援護に貢献している。

有害無益の「外務省利権」スキームを特殊法人行革の次に「仕分け」しておかなかったツケはこれからも国連機関の店名でまわってくる。

 APの2015-10-10記事「China starts operating lighthouses in disputed South China Sea island chain」。
  中共は砂盛島のひとつHuayang Reef上に、高さ164フィートの灯台を2基建て、このたび竣工した。Huayang灯台と、Chigua灯台という。

 次。
Brendan McGarry記者による2015-10-9記事「Third Fleet May Help Enforce Freedom of Navigation in South China Sea」。
  第三艦隊の司令官ノーラ・タイソン中将(♀)は、砂盛島周辺でFONをやるのにいつでもウチは手を貸すわよと言っている。
 第三艦隊の司令部は、サンディエゴのロマ岬基地にある。横須賀の第七艦隊だけでは手に余るというなら、南支那海まで出張しますわよ。

 国防総省高官David Shearの上院軍事委員会での証言によると、南支那海で最後にFONをやったのは2012年であった。このとき米艦隊がスプラトリーの12海里以内に入った。

 実行したのはLCSの三番艦である『フォートワース』。そのすぐ後から中共フリゲートの『Yancheng』がついてきた。

 太平洋艦隊司令長官のハリス大将の皮肉。メキシコ湾がメキシコのものでないのと同様に、南支那海はシナのものじゃないですね。

 第三艦隊と第七艦隊は、日付変更線で縄張されているが、いつでもその線を超えて加勢にかけつけるであろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-10-10記事「Another KillDozer From Russia」。
  ロシア企業は21トンの民間仕様ブルドーザーB10を装甲して25トンの装甲ブルドーザーとしたものをこれから輸出する。ソ連時代には40トンのBAT-2という装甲ブルドーザーがあった。それはWWII中のBAT-Mの改良型だった。

 イスラエルは1960年代から民間用のD9ブルドーザーを装甲して62トンにしたものを使っているが、どうしても最前線での防弾は不十分だと認定せざるを得なかった。その結論として2009年に、D9装甲ブルドーザーをリモコン化したのである。

 D9は市街戦では絶対に必要な装備である。というのは、ビルの壁を爆破して歩兵がすぐに内部に突入できるようにしてくれるからだ。
 壁に爆薬を押し付けるという作業をしてくれるのである。

 D9はIEDの爆風にも耐えてくれるし、RPGが3発以上も命中してもストップしない。ただ、デカいので敵火の好目標になる。自前のMGでいくら反撃したとしてもドライバーの死傷は回避できないというのがイスラエルの経験からの結論だ。

 D9のリモコンタイプは2006から密かに開発され、2009にガザ地区へ初投入された。「ブラックサンダー」と名付けられた。
 ※てことは日本政府がこいつを緊急輸入していたら福島第一原発はもっと早く片付けられたんじゃ……?

 米軍は2003年前半にイスラエルから装甲D9(有人型)を9両買い、クウェートとイラクで、道路上の障碍物排除や、破壊された道路の修復に使用した。米軍はこれを市街戦には投入しない。したがって無人型は必要ない。

 ちなみにD9はそもそも米軍がベトナムで使っていた。だが非装甲だった。その後、35トンのブルドーザーに装甲した小型のD7というのに代えていた。

北極海航路はロシアの北極圏を「ハートランド」ではなくしてしまう。それはロシア人の精神を解放するだろう。

 ストラテジーペイジの2015-10-9記事「Rickety Russian Railroads Revealed」。
  ロシア国内の鉄道網が酷い状態であるとロシアのメディアが認めた。冷戦以後、個人のモータリゼーションに沿って道路ばかり建設していたので。

 戦時に200個師団以上も動かさねばならなかった時代は去り、今は最大でも旅団が数十個。だから鉄道維持は重要ではなくなった。

 2013年のロシア鉄道部隊の報告。ロシア国内の鉄道は、1万5000人の部隊を、1日で1000km運送できる。平時の通常運行ならばせいぜい600kmなのに。

 2010年、露軍は、お蔵入りしていた「装甲列車」を2両、現役復帰させた。

 その前に装甲列車が最後に稼動したのは、冷戦後のコーカサスでゲリラが鉄道を爆破するようになったとき。
 さらにその前だと、1970年代に緊張したシナ国境での警備任務であった。

 今日の露軍の装甲列車は、後続連結車両に、AAG車(ただし用途は対地砲撃)、通信車、電子戦器材装備車、鉄道工兵客車、UAVオペレート車(空中からゲリラを警戒)、そして複数のAFVを載せた無蓋無壁の長物貨車という陣容で出動する。

 ロシアの鉄道工兵は陸軍所属ではなくパラミリタリーである。だから「鉄道隊」とでも言うべきか。総勢は現在でも10万人あるらしい。それがちゃんと仕事ができていないようである。

そろそろVW勢力によるトヨタ車のイメージ毀損工作が始まるだろうなと思っていたら、始まった。ドイツ人は朝鮮人と同じか?

 ROBERT BURNS記者による2015-10-8 記事「US: Several Russian cruise missiles landed in Iran」。
   米国防総省の人いわく。露軍が発射した26本の巡航ミサイルのうち4本はシリアの標的に到達せず、イラン領土に墜落したと。これはイランからの情報に基づく。
 ※ロシア製巡航ミサイルが6~7本につき1本は故障するのだとしたら、中共製ミサイルはもっと調子が悪いはずだ。朗報だろう。ちなみにトマホークの故障率は、10本に1本。

 次。
 Harold C. Hutchison記者による2015-10-8 記事「Russian Amphibious Ships In The Mediterranean」。
   『ミストラル級』2隻は、サウジが金を出してエジプトが買うことになった。
 ミストラルの最高スピードは時速35kmにすぎぬ。
 仏軍は、3隻を運用中。

 エジプトは近年、フランスから24基のラファール戦闘機を買っているし、フリゲートも今年1隻買っている。
 仏式コルヴェット艦をエジプト国内で建造してもらう契約もあり。

 もっと前だとミラージュ2000、ミラージュV、回転翼機ガゼル、練習機アルファジェットもエジプトは買っていた。大得意先なのである。

 そして今後、もしサウジとイランが戦争になった場合には、エジプトは、サウジを助ける義務も負ったわけだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-10-8 記事「Super Reaper Arrives On Time」。
   両翼下に増槽を吊るすことで滞空時間を延長した「MQ-9 リーパーER」の米空軍への納入が始まった。空軍は38機発注していた。
 主翼も延長されており、エンジンも強化されている。

 次。
 Franz-Stefan Gady記者による2015-10-8 記事「Japan’s Largest Company Is ISIS’ Car Maker of Choice」。
   なぜかくもたくさんのトヨタ製のピックアップトラックがISの手にあって愛用されているのか?
 ABCニュースは、ISの駆使している多数のトヨタ製トラックがいかなる経路で調達されたものか、米政府が調査を開始したと報じた。

 調査するのは財務省内のテロ資金源担当局。トヨタは調査に全面協力する。
 ハイラックスとランドクルーザーが問題になっている。これらは2011年にはイラクで6000台が売れた。2013年には18000台が売れた。2014年には13000台が売れた。

 なかでもピックアップトラックであるハイラックスのISビデオへの露出が突出している。ISの勢力拡大にハイラックスが大貢献しているのである。
 荷台に12.7mm重機関銃を据えた火力支援車として攻撃作戦に随伴している。
 2010年に、対ゲリラ戦の専門家デビッド・キルカレンは言った。ハイラックスこそは、現代の乗馬歩兵なのだ。重火器をすばやく最前線火点に進入させられる。また味方歩兵をすばやく敵の防備の弱点へ迂回機動させられる。そこで歩兵は荷台から飛び降り、即座に戦闘加入する。

 ※キルカレン証言だけはまともなものだが、他の数名のはまるでいいがかりだ。とうとう「始まった」と思わざるを得ない。トヨタはこの誹謗中傷を跳ね除けるためには、イラク政府軍にハイラックスを数百台単位でプレゼントするのがまず悧巧というものだろう。ともかく、キルカレン以外のこの記事に登場する「証言者」とこの記者と編集部がぜんぶVWのカネに転んだのだとすると、敵(ドイツ人)の宣伝はこれからもかなり執拗であろう(このたびABCを動員させたのは広告代理店だ。広告代理店が「証人」も用意し、番組をつくらせた。そして大手テレビを引用するかたちでこのようなクズ記事をネットに立てさせた。もちろん大元の広告代理店にカネを出して蔭から総合作戦を指揮しているのはVWの「参謀」たちであると疑うべきだろう)。トヨタはまた、米軍の新型軍用車公募にも必ず参戦しておくべきである。メーカーとしてハッキリ米国の安全保障グループの一員となっていないから、こんな露骨なイヤガラセの的にされるのだ。あ、それから「スキ車」はいつリバイバルするんですか?

 次。
 Chris Baraniuk記者による記事「UK firms develop drone-freezing ray」。
  妨害電波を照射してドローンを墜落させる装置を英国の会社がこしらえた。

 UAVを侵入させたくないエリアにこの装置を展開する。
 まずレーダーで探知し、赤外線でロックオンして追随照準する。
 ついで、指向性のアンテナから、妨害電波を照射する。これは受信するUAV側としては大出力なので、操縦者とドローンの間のリンクは遮断される。
 最短25秒で墜落となる。
 操縦者は、墜落原因は機械故障だと錯覚してくれるだろう。
 すでに英米仏にて、政府の人、立会いの下、実験済み。

珍未来のアポロジスト

 Alber Aji and Nataliya Vasilyeva記者による2015-10-7記事「Russian warships fire cruise missiles into Syria」。
   カスピから巡航ミサイルを発射すると同時にアサド政府軍が地上攻勢。
 ロシアからの発表によればミサイルは1500km近く飛翔した。イランとイラクを航過し、北部のラッカ、アレッポ、北西部のイドリブに着弾。

 イドリブにいるのはISではなく、アルカイダ系のヌスラ戦線である。
 4隻の軍艦から発射した。計26発。

 ミサイルは「カリブル」である。トマホークのロシア・コピー。これが実戦デビューとなった。
  ※満州から発射して1500kmならば名古屋に到達してしまう。ますますF-35工場なんてつくるべきではない。日本の軍需工場は豪州に移転するのが正しいのである。

 イドリブではアサド軍が市街を猛砲撃。
 しかしゲリラは政府軍を撃退した。

 イドリブでゲリラが発射した対戦車ミサイルはどうみても米国供与のTOWである。

 カーターはISのことを「ISIL」と呼ぶ。

 次。
 Thomas Gibbons-Neff記者による2015-10-7記事「These are the cruise missiles Russia just sent into Syria」。
   露軍機のCASはハマ市の攻防で使われている。

 巡航ミサイルは、「カリブルNK」。
 全弾、ねらったところから9フィート以内に命中したと。

 ゲリラの訓練場、弾薬倉庫が狙われた。
 ジェーンのビニー氏によると、これは実戦での初使用。

 ジェーンの専門家、ジェレミー・ビニーによると、このような目標の攻撃にわざわざカスピから巡航ミサイルを発射する必要はなかった。
 飛行機からの投弾の方が破壊的だし、地中海から発射すれば近い。

 つまりこれは「ロシアは弱くない」という誇示が目的であった。発射艦は小型のコルヴェットだろう。そういう弱そうな露艦でもポテンシャルがあるんだぞと証明しておきたかった。

 発射艦隊の旗艦『ダゲスタン』は2000トンである。おそらく発射した艦でいちばん小型のものは、全長230フィートであろう。

 ※10-7はプーチンの63歳の誕生日であった。その日、プーチンはアイスホッケーをしてみせていた。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-10-7記事「Cold War Masking Makes A Comeback」。
  露軍機が9月前半にシリアに進駐したときのレーダー欺騙テクニックがわかった。
 戦闘機は、巨大輸送機にぴったりくっついて飛ぶ。もちろんトランスポンダーはOFFにしておく。

 航空管制用のレーダーぐらいならば、これでごまかせてしまうのである。
 この手口を「マスキング」と称する。冷戦中にソ連機はいつもこれをやっていた。

 ロシアの潜水艦もマスキングを使い続けている。軍艦や商船の底にぴたりとはりついて移動することで、西側のSOSUSに探知されないようにしているのだ。

 SOSUS (SOund Surveillance System) にもいろいろあって、大西洋北部のネットワークはCAESARといい、太平洋北部のものはCOLOSSUSという。他にインド洋など幾つもの仕掛け拠点があるが、多くは非公開。

 このSOSUSの固定聴音器のデータ解析だけでも、敵潜の現在位置を、直径100km以内の円内に絞り込めてしまう。調子のよいときには直径は10kmまで縮まる。もちろん、聴音データは陸上基地から衛星経由で対潜センターへ転送してそこで解析してもらう必要があるが。

 SOSUSは深海では使えない。仕掛けてある大陸棚からせいぜい500kmまでしか聴音はできない。したがってロシア潜は、出港後、そこまで大型船の下にくっついて移動し、深海域ではじめて自由行動に移る。

 米海軍のグローバルなSOSUS網の大きな穴が、韓国沿岸域である。SOSUSの高額な維持費用を韓国政府が出そうとしないのだ。

 次。
 Aaron Mehta記者による2015-10-6 記事「State Department OKs Spain Buying MQ-9 Reaper Drones」。
   スペイン空軍が、MQ-9リーパーのブロック5を調達できることになった。米国務省がOKを出した〔と議会に報告した〕。
 リーパー×4機と、予備部品その他サポート含めて2億4300万ドル。
 すでに英国、フランス、イタリア軍がリーパーのユーザーである。これにスペインが加わった。

 ※米軍はシリア上空ではMQ-1を運用していて、過去1週間で3回、ロシア戦闘機がそれに貼り付いて姿を見せ付けた。

 次。
 Franz-Stefan Gady記者による2015-10-7記事「Japan to Offer Australia Its Top-Secret Submarine Technology」。
   シドニーで開かれているシーパワー会議に参席した日本の代表イシカワ・マサキは、蒼龍級よりでかい潜水艦の技術を100%すべて豪州の潜水艦建造所へ移転するであろうと地元メディアに語った。

 ウェブサイトの「パース・ナウ」が報じているところによると、溶接技術、ステルス技術、戦闘統合システム、リチウムイオン電池、台風状態であっても使える潜望鏡の技術が含まれる。戦闘システムは米国製とする。

 数百人の豪州職工を三菱重と川重に連れて来てモックアップの溶接をしてもらう。それで稽古をつける。

 潜水艦はすべて豪州で組み立てる。しかしオプションとして、第一号艦だけは神戸でつくるという可能性は残っている。

 豪州の南岸、やや東寄りにあるアデレード市に、豪州潜水艦会社(ASC=Australian Submarine Corporation)が所在する。潜水艦は、そこで建造しなければならない。オフザシェルフの輸入ではダメである。

 ※中共本土の海南島の対岸あたりから豪州東南岸までは7500kmもある。この距離で非核弾頭のIRBMを何千発発射しようともほぼ「無駄射ち」であり、シナ政府が破産するだけである。この「間合い」が、これからの豪州を、アジア屈強の軍需産業拠点に変えるであろう。日本はそこに投資せよ! このASCを買ってしまえばいい。川重と三菱のふたつとも神戸にあるのは脆弱でいけない。第三の拠点をアデレードに置け。

 ライバルのティッセンクルップ・マリン・システムズ社はすでに20ヵ国に対して160隻以上の潜水艦を売っている。同社は『HDW級216型』を豪州に提案しており、日本を一歩リードしている。

1981年頃のソウルナンバーで、歌い出しが「〔I'm ?〕ランニングハ~イ」という黒人男声の素っ頓狂なメロになっているもの、ご存知の方は情報を下さい。

 ストラテジーペイジの2015-10-6 記事「Russia: Putting On A Show In Syria」。
  ロシアは8月からアサド支援を公然とおっぱじめた。国連がアサドに武器を供給してはならぬと決議したことも公然と蹂躙して。
 でかいのは空軍用の戦闘機の供給。アサド空軍は2011いらい七割をなくしているから。

 そしてヒズボラにとっては、露軍の到来はビッグ・リリーフ。
 レバノン人も、ヒズボラによるアサド支援なんて、やめてほしかった。
 アサドは、レバノンがシリアにとっての失地だと見ている。だから両国はそもそも敵なのだ。
 アサドはレバノン人に優しかったことはいちどもない。そんなアサドのために助力するなんてレバノン人にはまっぴらだ。それをイランが命令してやらせていた。

 しかし露軍が本腰を入れるとわかって、9月末にヒズボラは、イランとアサドへ通告した。これからは、レバノンにアルカイダとISが入ってこようとしたときにだけ戦闘する。他の任務からは手を引く、と。

 アラブのメディアは誰もロシアの悪口を言わない。
 ISに公然と真正面から喧嘩を売ることをしたのはいまのところロシアだけ。アラブのどの国にも不可能だ。

 サウジのイエメン空襲、ロシアのIS空襲の流儀こそが〔イスラエル人に言わせれば〕正しい。コラテラルダメージなど気にしては現代の悪質なゲリラには勝てないのだ。

 シリア分割の構想がロシアにはある。
 ロシアは、ダマスカスから海岸にかけての「シリアのハートランド」を「アサドの国」として分離させて保ちたい。
 ロシア軍はシリアのタルトゥス港と、そこから北へ85kmのラタキア飛行場を押さえている。そしてどちらでも拡張工事を始めた。

 ロシアは、送っているのは義勇兵/志願兵だと言い張っている。
 ロシアはウクライナ派遣軍をシリアに転用することを考え始めた。


 モスクワは、ウクライナと東欧で、侵略や脅迫の悪役のイメージができてしまったので、シリアでは善人ぶりたい。

 ISは2013からあらわれた。シリアではそのときからみつどもえである。

 シリア内のゲリラはトルコ国境沿いで作戦することを好むのでロシア空軍機はどうしてもトルコ領空に入ってしまう。ロシアはこれについてトルコに詫びている。ゲリラはトルコ領土にも入って行く。それを追う。

 トルコ国民は、意図的でなくても領空侵犯機は撃墜しろと怒っている。トルコ国民とロシア人は昔からの仇敵である。

 ロシア軍機はもっか、1日に20ソーティしかできていない。
 おそらくこれはやがて100ソーティにはなろう。
 シリア軍のなかにはロシア語ができる者がたくさんいるので、地上からCASを呼ぶのは簡単である。

 ドンバスでは露軍の活動は鈍った。あきらかにシリアに努力をシフト中なのだ。

 ロシアのインフレは止まった。15%の線で落ち着いた。これは彼らにはグッドニュース。
 65ルーブルが、いま、1ドルである。ルーブルの価値も下げ止まった。これは、ロシアに対する国連制裁の効果が限度に達したことを意味している。

 しかしロシアのGDPはひきつづき縮んでおり、国内失業率はひきつづき上昇している。

 ウクライナ軍からは1万6000人が、昨年いらい、脱走しているという。武器をもったまま逃亡した者も多い。そんな相手だから、露軍としてはそっち方面は手を緩めてもだいじょうぶだ。

 シリア西部ではロシアはUAVを偵察に飛ばしている。

 イスラエルとロシアの合意。イランがシリア内でヒズボラに武器を渡そうとしたら、イスラエルはそれを空爆する。ロシアはそれについては邪魔しない。
 また、シリア軍やシリア内のゲリラがイスラエル領土を砲撃したら、やはりイスラエル空軍は報復爆撃を加えるが、ロシアはそれについても傍観する。

 ちなみに、ヒズボラがレバノンに持ち込みたがるハイテク武器はロシア製のSAMやSSMである。

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 Thomas E. Ricks記者による2015-10-5 記事「There’s a reason America’s vets can’t find work but not what Ben Bernanke thinks」。
   完全志願制に移行して50年近く。いまや米軍の新兵に、知能テストで下位40%に属す阿呆は一人もいない。

 ところがそれでありながら、米軍を中途除隊した者の再就職は、うまくいかない。

 これについて、ベン・バーナンキ(前の連邦準備局長)の御託宣はこうだ。
 ――優秀な18歳の若者が、民間会社に入って10年経つと、再就職のためのスキルがすごい身についている。しかし18歳の若者が軍隊に入って10年経つと、再就職のためのスキルがほとんど身についていない。
 のみならず、民間会社で10年勤続した者のサラリーは、軍隊に10年勤続した者のサラリーよりもずっと良い。
 つまり、米国軍隊は、若い兵隊たちを軍隊内部でロクに教育していない。多面的に技能を与えたり才能を伸ばそうとはしていないのだ。だから除隊後に彼らは再就職できずに失業者になってしまう――。

 統計によると、9-11以後、米軍退役者の年収は、中央値よりも11%高いことがわかっている。つまりバーナンキは事実を間違えている。
 しかし再就職に失敗して失業している元軍人の率は、軍歴の無い者よりも、3割高い。

 真因は何か? 元米兵は、IQも高いし仕事スキルもあるのだが、ただひとつ、ジョブ・サーチのスキルだけがないのだ。

 およそ軍隊では、上官がすぐ下の部下を雇用するという風習がない。たとえば連隊長が、自分の部下としたい大隊長を自分で面接して採用する、ということはできないのである。海軍でも空軍でもそれは同様。
 だから軍人たちは、何十年、軍隊の飯を食っていても、「就職面接」のスキルだけはまるで身につかないのである。それがなくとも出世ができてしまうから。

 お役所の中ではセクハラ野郎が繁茂する。理由は、上司には部下を雇う力も解雇する力もないからである。ゆえに不徳な行為を止めさせる力も無い。

 将官クラスになれば自分の参謀は選べる。それ以下では、選べない。

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 APの2015-10-6 記事「Ex-UN General Assembly head among 6 held in bribery scheme」。
  前の国連の大幹部だったJohn Asheが、その任期中、中共の土建業者らから50万ドルの賄賂を貰って、アンティグァでの開発プロジェクトを斡旋していたことが発覚した。アッシュは米連邦捜査当局により逮捕された。

 贈賄者は、シナ人のNg Lap Sengである。
 こやつは個人所有のジェット機で米国内に現金450万ドルを持ち込もうとしてバレた過去がある。米国内にも豪邸を構えている。

インドネシアの鉄道工事はすべてシナ人苦力が担当する。シナ軍がジャワ島を占領する日も近い。

 ?記者による2015-10-5記事「SHOOT FIRST」。
  クンドゥズの病院を10-3に空襲して「国境のない医師たち」を爆砕したのはAC-130だった。この機体は他の航空機とは異なったROEに従っているのである。

 AC-130はたっぷり1時間以上、この病院を攻撃し続けた。
 武装は、25ミリ機関砲、40ミリ機関砲、105ミリ榴弾砲。

 クンドゥズの住民は30万人である。
 この医師団はパリに本拠がある。仏語で「Medicins Sans Frontieres (MSF)」と称す。クンドゥス市にはもう四年間も居たのである。

 この医師団は9-29に米軍に病院の所在を通知していた。その病院にはスタッフは180人いた。

 襲撃は真夜中の2時8分に始まり、途中で15分間の休憩をはさみながら、3時15分まで続いた。
 攻撃は病院のメインのビルに集中してなされ、周辺の建物は狙っていないようであった。

 被害者の証言。一連の爆発のあと、飛行機が旋回している音が聴こえましたよ。中休みがあり、また一連の爆発。その繰り返しです。

 患者10人(うち3人は子供)とスタッフ12人が死んだ。他に37人が負傷。
 ベッドが燃えたことによる焼死者が含まれる。

 残った患者はスタッフが別の市へ自動車で転送した。悪い舗装の道のりは数時間。

 とうぶん、医師団は、クンドゥスでの活動を諦める。
 米軍の発表。そのビルから米軍に対して発砲があったので、爆撃したのだと。

 米空軍は総計28機のAC-130を世界各地に展開している。
 AC-130は、無辜住民のコラテラルダメージを回避する一法として開発された精密攻撃用のシステムだが、今回まったく裏目に出た。

 米軍のROEには「CDE」が含まれる。コラテラル・ダメージ・エスティメイション。
 この手続きを履行する義務のある筆頭の将校は、エアー・コントローラー、すなわち空襲を地上から要請する係であるJTACである。

 エアコントローラーがまず住民の安全を請合わねばならない。その上で爆撃許可が出るのだ。
 ただし、この2009年のCDEには例外規定があった。固定翼機の場合、その武器が105ミリ砲未満であれば、そうした手続きは無用である、ということにされているのである。

 つまりAC-130搭載の40ミリ機関砲と25ミリ機関砲は、「シュート・ファースト&インテロゲイト・レイター」のノリで発射できるのだ。

 特に、友軍が敵火にまさにさらされているという情況下では、AC-130の25ミリと40ミリの発射基準はとても緩くなるという。これは元乗員の『デイリー・ビースト』に対する匿名証言だ。

 次。
 Thomas Gibbons-Neff記者による2015-10-5記事「Top U.S. general: Afghan forces requested airstrike that hit hospital in Kunduz」。
   アフガンにいる米陸軍のジョン・キャンベル将軍いわく、この爆撃要請は、アフガニスタン政府軍が出したものだと。

 第一報では、病院から米軍が銃撃を受けたといっていた。そうではない。病院から銃撃されたのはアフガン軍だった。

 アフガン軍のスポークスマン氏いわく。それは「ストロング・ポッシビリティ」だと。

 AC-130のロイタリング高度は、だいたい7000フィートである。その高度で旋回しながら地上の一点を精密に銃砲撃する。
 だいたい3門の火砲を胴体の片舷に突き出している。105ミリ砲と、40ミリ機関砲と、もうひとつは25ミリまたは30ミリの機関砲。

 他のジェット攻撃機ならば攻撃目標についての地図か座標が必要である。しかしAC-130は基本的に目視で照準するので、地上のリエゾン将校は、目標についての方角と距離を無線で伝えるだけ。

 だから、国境なき医師たちが自分たちの所在についての地図や座標を米軍にあらかじめ通知していても、それは何にもならなかったわけだ。

 AC-130は敵地には進攻しない。そういう飛行機ではない。
 また、昼間も作戦しない。AC-130は、夜だけ作戦する。
 クルーは12名前後。ナイトビジョンを通して目標を確認する。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-10-5 記事「The All-Seeing Giraffe」。
   スウェーデン製の地上移動型小型対空警戒レーダー「ジラーフ・アジァイル・マルチ・ビーム」に英国がカネを出して性能を改善させる。

 ジラフはトレーラーから麒麟の首のようにフォールディング・マストを延ばして、地表から13mのところまで小型レーダーを持ち上げ、超低空でやってくる敵経空脅威を探知するシステム。

 やってくるものが巡航ミサイルであっても、ジラフ・レーダーがあれば、着弾まで20秒の予期余裕時間を稼げるという。

 オーストラリア軍は、アフガニスタンにジラーフを持ち込み、ロケット弾によるゲリラ的奇襲の警報に役立てている。

 ジラフは1977年に登場した。※季刊『MARCH』とかあの辺の媒体で初見したという記憶があります。これからは対UAVだね。

 いまではバージョンが8つあり、小型艦艇用もある。
 陸上型は6×6トラックの荷台にシェルターコンテナとして搭載できる。

 探知レンジは軽量型だと100km、重量型だと350km。探知高度は軽量型だと6000mまで。重量型なら2万mまで。

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 Matthew Bodner記者による2015-10-5 記事「Russian Warships Could Strike Inside Syria」。
  ロシアはシリアのラタキア空軍基地に「クラスカ4」という電波妨害システムを持ち込んだ。これは西側航空機の搭載レーダー、兵装誘導電波、通信電波、無人機、なんでも役に立たなくしてしまえる。※GPSジャマーが当然に含まれる。カーターはこのことを予期して、これからは超精密INSの時代になるぞと今年四月に言明している。自衛隊は何か対策しているのか?

 クラスカは2012年に初登場した。半径150kmから300kmまで電子ノイズで覆ってしまえる。
 クラスカをゲリラ相手に用いてもあまり意味はない。これは西側空軍の活動を妨害しようという設備である。

豪州東南海岸ほど通常弾頭のSSBMから安全な土地は無い

 David Winning and Rob Taylor記者による2015-10-4記事「Australia in Advanced Talks to Buy Light-Armored Vehicles From France’s Thales」。
   豪州の新首相、マルコム・ターンブルによる初の兵器調達契約は、フランスのThales社製の軽装甲車「Hawkei」のノックダウン製造と決まった。

 交渉は米国等の複数のメーカーを相手に2011年後半からスタートしていたが、最終的にフランスが競り勝った。契約総額は米ドルにして10億6000万ドルほどか。

 この装甲車は、メルボルンから100マイル近く離れた廃金鉱の町、ベンディゴ(Bendigo)の工場で組み立てられる。

 豪州では、鉱山ブームが去ろうとしており、政府は国内失業率を下げるための対策を次々と打ち出さねばならない。兵器の完成品輸入などもっての外なのである。

 昨年後半、デビッド・ジョンストン国防相が閣外へ去った。その原因は、彼が豪州の「ASC造船会社」について、外国と競って水上艦や潜水艦を国産する能力は無いと発言してしまい、それが有権者を怒らせたためであった。

 ※安倍氏と旧通産省の阿呆どもは、トニー・アボットとジョンストンの2人の政治生命を終わらせてしまったんだという自覚があるのだろうか? 『蒼龍』案件の不用意なプッシュさえなければ、親日的なアボット=ジョンストンのコンビはずっと続いていたんだぞ? とりかえしのつかねーことをしやがって。

 軽装甲車は最大1300両を調達するでああろう。地雷耐性がある。

 ベンディゴでは、Thales社の「ブッシュマスター」APCも製造している。これは豪州陸軍が採用しているだけでなく、オランダ軍や米軍に対しても輸出されているのだ。※日本も要人輸送用の4×4APCを豪州から少数、買うことにした筈。おそらく同工場製だろう。

 ※豪州から兵器の注文を取る方法は簡単である。三菱重工と三菱電機と石川島播磨が、豪州内に工場を新設して、そこで兵器を製造し、修繕する――と言えばいいだけなのだ。そもそも日本は中共からの通常弾頭SSMの有効射程内にあるのだから、ハイテク武器製造工場は、どんどん豪州へ移転させるのが、軍事的に正しい政策だ。F-35の修理を対支の有事に名古屋で続けられるわけがないということが常識でわからなければいけない。武器工場にも「疎開分散」が必要なのだ。豪州内でのシナ人スパイの対策は、エシェロン同盟の米英が代行してやってくれるから心配しないで可い。まもなくマラッカ海峡も南支那海も商船が通れる海面ではなくなる。日本の軍需工場が豪州東海岸にいまから拠点を築いておくのは、地政学的にものすごく正しいことだ。豪州拠点の子会社は、米国DARPAのプロジェクトにも好きなだけ参加ができるだろう。また、この子会社がボーイング社からF/A-18の製造&改造権を買い取って、豪州空軍をはじめとする世界のスパホ・ユーザーに、F-35とは違う実用的オプションを提供することだって、できるじゃないか。日本もそれを買うことができるじゃないか。戦略的な保険を考えましょう。

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 ストラテジーペイジの2015-10-4記事「Indian Military Trucks Carry The World」。
  インドは90年代に経済を開放的にして西側技術をとりいれ、いまや旧ソ連が喪失した第三世界の軍用トラック市場を奪いつつあり。とにかく単価が安いのだ。

 インド・メーカーのもっかのヒット作は、6×6のクロカン仕様トラック。軍用にも民用にもなる。
 オフロードで5トン、路上だけなら7.5トンを安全に積める。
 オプションでユニックもあり。
 運転室内にはエアコンが備わっている。第三世界ではこれは重要。

 つぎにインド・メーカーが狙っているのは、HEMMTの市場だ。
 1980年代に米陸軍が8×8のHEMTT(Heavy Expanded Mobility Tactical Truck)を採用していらい、第三世界軍も、そのスタイルを欲するようになっている。しかしHEMTTは1台30万ドルするし、西側メーカーの類似品も同様。だからインドにチャンスがある。ちなみに米陸軍は今HEMTTを1万4000台装備している。自重19トン。

 重量物運搬用のHETというのが米軍に2000両あり、70トンのM1戦車を運ぶトレーラーである。
 HEMTTの最新型A3は、ディーゼルエンジンで100キロワットの発電をし、その電力でモーターを回して走る仕組みである。
 停車すれば、そのまま車載発電機となって、災害出動部隊を支援できる。2005のハリケーン・カトリナでもこいつが病院に給電したものだ。
 ※そしてインドも豪州と同じで、外国製兵器の直輸入は、これからはほとんどできなくなる。国内事情が、それを許さないのだ。

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 ストラテジーペイジの2015-10-3記事「Silent Robots From The North Threaten South Korea」。
  8月22日から24日にかけて北鮮が韓国領空にUAVを飛ばしてきたのが探知され、韓国の戦闘機と軍用ヘリが離陸したものの、その迎撃には失敗した。韓国はこの事実をずっと非公開にしていた。

 今回のUAVはやや大型で、中共製の超古い「D-4/ASN-104」がベースのものらしい。
 ASN-104は中共の最初期のUAVで、重さ140kg、ペイロード30kgといったところ。滞空は2時間しかできない。
 北鮮は1990年代にこれをコピーした。
 また北鮮は90年代にロシアからDR-3というジェットエンジン付きのUAVを買い、これを元に巡航ミサイルを造ろうとしたが、失敗している。
 「プチェラ 1T」というロシア製の無人機も北鮮は買っている。中共のASN-104級と同格のもの。

まさか大発の護衛戦闘艇タイプがカタマランで復活するとは……

 Kyle Mizokami記者による2015-10-2記事「This Hybrid Tank-Boat Is Either Pure Genius or Pure Folly」。
   インドネシアの造船所、PTルディン社は、「戦車艇=タンク・ボート」を開発した。
 カタマラン艇体の上に、105ミリ砲塔を載せて、30ノットで航走できる。名付けて「X-18 火力支援艇」。しかし人呼んでタンクボート。

 インドネシアは、1万8千307個の島嶼から成っているので、とにかく海上機動できない軍備は無意義である。

 艇の長さは18m。クルーは4名。プラス、最大20名の兵隊も便乗させられる。
 艇尾には、モーター付き小型ゴムボートを1隻積載。これで気軽に上陸もできる。

 ※突然思ったが、水上に浮かぶカモメやアヒルや雁鴨類とそっくりにこしらえた超小型自爆ロボットは、有意義なのではないだろうか。海岸付近に碇泊している敵舟艇に対し、隠れて近付くのではなく、堂々とゆっくりと水上を接近して行けば、敵兵も疑えない。またこれをあらかじめズラリと汀に並べておいたならば、敵の上陸用舟艇も接近をためらうであろう。フロッグマン対策ともできるだろう。

 主砲はコッケリル社製。副火器は、12.7mmのリモコン銃塔だ。
 ※この銃塔こそ、伸縮タワー式にするといいだろう。そして12.7ミリのガトリング・タイプがおすすめだ。舟艇の利点は、準備弾薬量についてケチケチ悩まなくてよいことだ。

 推進器はウォータージェット。航続距離は900海里。米東海岸でいうなら、首都ワシントンからマイアミまで片道を走れる。〔東京から沖縄本島ぐらいか?〕
 タンクボートの吃水はわずか80cmなので、河口デルタを遡ることも、また珊瑚礁帯の上でも、不自由がない。

 だが「戦車」という渾名は適正ではない。このフネの外鈑は、せいぜい7.62mm弾しか防げないからだ。「水上自走砲=ガン・ボート」とでも呼んだ方がいいかもしれない。

 105ミリ砲という武装にも疑問がある。直射火器であるそいつが有効な距離にまで敵へ近寄るということは、逆に敵から返り討ちにされる危険も大きいということだから。
 ※むしろレーザー誘導のできる中口径の迫撃砲の方が、多用途任務には適するのか?

 しかし、PT Ludin社はすでにUAEからこのタンク・ボートを100隻も受注した。
 対岸40マイルにあるイランから襲来するスウォーム・ボートの攻撃から、海際の首都ドュバイを防衛するために、役に立つかもしれない。

 ※わが90式戦車は、トレーラー輸送の便のために砲塔を簡単に車体から外せるようにできている。この砲塔を専用の艇体に嵌め込めるようにして、尖閣防衛用もしくはホルムズ警備用の「タンク大発」に生まれ変わらせてはいけないのか?

 次。
 ストラテジーペイジの2015-10-2記事「Korea: Surviving The Myth」。
  十月は北鮮人民には憂鬱だ。毎年、国家から命ぜられるタダ働きの量が増やされる。10-10が北鮮建国記念日であるためだ。

 タダ働きでもなにがしか生活の向上に役立つのならば納得もできようけれども、全土に3万5000箇所もある金日成の立像清掃が主な仕事内容だというのだから、とてもヤル気など出たものではない。しかし三代目は一代目と似ているといわれて意識しているので、その清掃をおろそかにする者は容赦しない。

 北鮮の正規の携帯電話中継塔以外の電波を妨害してしまう装置は2012年からシナ国境沿いに展開され始め、この頃ではかなりのエリアをカバーできているという。
 中共内の電波塔から、韓国製の音楽およびTVショーをダウンロードできる。北鮮当局はこれを禁じたくてたまらない。最近、3人の北鮮人が、携帯電話にそうした韓国製コンテンツをダウンロードしていた廉で処刑された。

 北鮮には結婚式をやたらに見栄を張って派手に催すという古い奇習があったものだが、当局は1990年代にその禁止を緩和し、高級官僚一家が新築ホテルの大宴会場で盛宴を公開的にみせびらかしても可いことにしている。

 9-14に中共政府は、非軍用の核関連物資の授受をルーズにするなという命令を出した。じつは2009に中共は韓国から、原発を1基輸入している。古くなった旧ソ連製よりは安全だろうというので。
 メーカーはドーサン重工業。出力は600メガワット。2012に運開した。
 現在、中共には21基のリアクターが稼動中である。またそれとは別の28基の原子炉が建設中/計画中である。
 核物質をとりあつかう研究施設は、中共全土に50箇所ほどもある。

 それでも、シナの全発電量のうち、原発が占めている比率は、まだたったの2%だ。2020年までにこの比率を6%まで増やすことにシナ政府は決定している。
 ちなみに韓国では原発が全電力の29%を発生させている。米国では20%、フランスでは74%という。

 次。
 Anton Zverev記者による2015-10-2記事「Deadly Russian rocket system spotted in Ukraine for first time」。
  サーモバリック弾頭を装着した多連装ロケット「ブラティノ TOS-1」を露軍はウクライナに持ち込んできた。はじめに可燃性の液体微粒を雲状に拡散させてからそれに点火するという弾頭。街区まるごとの吹き飛ばしなどに向いている。

また一人 キチガイ増えて 秋の空 (最後の季節の言葉を折々に更新すれば周年使えます)

 Robert Potter記者による2015-10-1記事「China’s Nuclear Submarine Distraction」。
  グスタフ・アドルフス王がスウェーデンの威信にこだわって建造させた巨艦『ヴァサ』号は、トップヘヴィーのために処女航海の数百mにして転覆してしまったものである。
 げんざい、中共の海軍技術の根本弱点は、洗練された舶用のリアクターが造れないことだ。したがって核動力の空母はおろか、核動力のSSN/SSBNすら実用水準のものをこしらえることができない。

 中共は対米ASWの主力として特にSSNを増やしたい。しかしこのリアクター技術の未熟のため、ひきつづいて『キロ級』コピーのディーゼル潜を増やすしか手がないというのが実情だ。したがって潜水艦の質的レベルに関しては、ベトナム海軍ともあまり違いが無いのだ。

 『93級』のSSNは騒音レベルが1970年代のソ連原潜よりも大であった。これでは使いようがないので、5隻で調達は打ち切られた。

 次に『95級』のSSNが開発されたが、やはりそれよりも25年も前のソ連の『アクラ』級よりも騒音が大であった。だから『95級』も大量生産へは移行し得なかった。騒音が大きければ、対米ASW任務には使いようがないのである。

 分析屋のクリステンセンは不思議がる。なぜ中共は、すでに投資が成功している陸上型の長距離核ミサイルを増勢しないで、その能力も実績も欠けているSSBNにこだわって空しい投資を続けているのだろうかと。

 答えは単純。プレステイジ(面子)のためである。

 シナ人は、ただの海軍ではなくて、「超大国の大海軍」を展示して見栄を張りたい。そのためには、かつて米ソが持っていたのと同じアイテムをそろえてみせなければ気が済まないのである。

 次。
 FoxNewsの2015-10-1記事「Army tests remote-controlled weapons systems for base security」。
  米陸軍のプレスリリース。いま実験中の「遠征部隊用の監視塔」というもの。三本柱の上にリモコン兵装塔が載る。
 火器は、12.7㎜機関銃でもいいし、ラプア狙撃ライフルでもいい。
 タワーは自在に伸縮昇降させ得る。火器の射界も360度、指向できる。

 これを、遠征先のキャンプ内のたった2人のオペレーターが、離れた安全な場所から操作する。

 ※無人のロボット銃塔(ガン・ポスト)は、これまでにも各国で試作されている。しかしいずれも、設置位置が低かった。誤射や流れ弾のことを考えると、あまり推奨できないシステムであった(味方も危ない)。だが、このように銃の位置を地表から8mくらいも持ち上げてやれば、「遠距離狙撃」に適した無人銃塔システムができるわけだ。密集歩兵が雲霞の如くバリケードへ押し寄せて来る……なんていう朝鮮戦争式チャルメラ・チャージは今日ではほとんど想定され得ないのであるから、この方が合理的なのだろう。まさにコロンブスの卵だ。

「インドネシア鉄道事件」には日本政府としてどのようなオトシマエをつけておくべきなのか?

 大規模建設プロジェクトや、高額兵器を、日本政府のプッシュのもと、技術の遅れた諸外国へ輸出することで外貨をがっぽり稼ぎ出そう――などと目論めば、それは必然的にダーティ・ビジネスへのコミットになる。(旧)通産省の阿呆どもにはどうしてもそこがわからない。というか、それはどうでもいいことだと思っている節がある。

 ところがこれはどうでもいいことではないのだ。「ダーティ・ビジネスには関係しない」というのが、日本の有権者が信じている日本の自画像なのだから。
 明治維新いらいのナショナル・アイデンティティの「真・善・美」を、(旧)通産省は汚そうとしているのである。

 ビジネスの引き合いから、その途中の努力から、さらには納品の完結のその後々までも、作って売る我も心地よく、買う彼もまた大満足するという関係を、われわれ日本人は理想視している。それは追求してみる価値のある現代人の幸福ではないのか? 日本人の「特権」はそこにあるのだ。

 インドネシアの地政学的な立ち位置を、(旧)通産省の阿呆どもは理解していないから、ここでレクチャーする。
 タイとインドネシアは、がんらい「親支」である理由はないが、すくなくとも、スプラトリーの島嶼領有の対支係争に関与しないという政策を選んでいる。
 これは、北京から見て、この2国が、南支那海の「違法領有」を狙うさいに、「トロイの馬」として利用し易いことを意味している。
 すなわちシナは、タイとインドネシアを籠絡してしまうことで、マレーシア、ベトナム、フィリピンという、スプラトリーをめぐっては明瞭に「反支」である3ヵ国に、背後からいやがらせの揺さぶりをかけることが可能になるのだ。否、長期的には、軍事作戦基地として利用しようとも考えているであろう。

 現在の日本は、反支連合を唱導しなければならぬ立場に、否応なく置かれている。日本は、セルフ・プリザヴェイションの保持のためにも、フィリピン、マレーシア、ベトナムを糾合して中共に対抗するようにしなければ、アジアの自由は甚だ危うい。

 そこで日本政府がこれから取るべき地域政策は、おのずから方向づけられるのである。
 具体策を延べよう。
 カリマンタン島(ボルネオ島)の西半分にあるマレーシア領を縦貫する「軍用鉄道」を、日本の援助で敷設することだ。
 じつはインドネシアは、カリマンタンのマレーシア領やブルネイ領にある油田を、昔から欲している。じっさい過去に侵略を試みたこともあった(兵頭の旧著『極東日本のサバイバル武略』に詳しく書いてあるはず)。

 そして中共もまた、南支那海から続いているカリマンタン西岸の地下油田が、欲しくてたまらないのだ。
 その中共はいまやインドネシア政府との結託関係に入ったのだから、ボルネオ島における軍事緊張が次第に高まることは必定である。

 中共とインドネシアによる将来の非望を抑止するためには、カリマンタン島のマレーシア領の軍事インフラの整備に日本が注力してやらなければならないだろう。もしその企図の抑止に失敗すれば、こんどは日本兵が直接にシナ兵と戦わなければならぬであろう。軍用鉄道援助は、そのような事態を避けられる上策なのだ。

 軍用鉄道であるから、むやみに高速仕様にする必要はない。ディーゼル機関車が牽引する広軌列車でいい。なまじ電化などすると、ゲリラの浸透攻撃で簡単に機能停止させられてしまうから、むしろまずいのだ。
 ただし、燃費のよさや低公害性にはこだわってみる価値はあるので、JR北海道が計画して予算不足から頓挫した、新型ディーゼル機関車を、このさい国費で完成した上で、気前よくマレーシア政府に援助してやることだ。
 この複線と並行して、石油と天然ガスのパイプラインを敷設し、軍用飛行場も併設すれば、インドネシア以外のすべての国がニコニコするだろう。これが、日本国らしい、今回の一件への「おとしまえ」のつけ方だと思うが如何。

 同様の軍用鉄道は、マレー半島のコタバルからアロースターまで、タイ国境に沿って敷設することもできる。シナに籠絡された国には、当面、明るい未来がないということを、日本の力でわかりやすく見せ付けることが、必要なのではないか?
 そのぐらいの意地すらも示さないのだとするならば、これから日本国、日本政府、そしてわれわれ日本人は、アジアのあらゆる方面において、舐められるばかりであろう。それは誰を幸せにするだろうか?

「読書余論」 2015年10月25日配信号 の 内容予告

▼防研史料 『射撃爆撃班業務実施報告』大8
 三年式改造航空機用機関銃は、モ式までならともかくも、より高速機では風圧のため旋回もマガジン交換もできなくなってしまい、不適であった。

 南部はプロペラ同調装置(螺旋機貫通射撃)にも挑んでいた。

▼防研史料 青木喬大佐『消耗戦略ト航空用兵』S18-1
 陸海は互いの重点が別々で、互いに「遊兵化」している。大乗的一元化を。

▼Bryan Cooper著『The Story Of The Bomber 1914-1945』1974
 専用の航空用爆弾はZeppelin用にドイツで発明された。横に寝せて格納する方式もドイツ人が考えた。
 ※WWIIにドイツが使ったSD 1400 kg 徹甲爆弾 や SD 500 kg E 徹甲爆弾 は、逆テーパーがついている。日本海軍の80番5号は、これらの模倣にすぎないのであろう。

▼防研史料 『陸軍航空後方業務沿革史』S22-3 第一復員局
 ※陸軍の航空用MGや爆弾の生産に関しては決定版資料。
 トラブルの主なものは、「ホ103」装備の隼が腔発事故を起こすこと、「ホ5改」の四式戦への装着不具合、そして、2式複戦用の「ホ203」の生産不振。
 陸軍のMGは、足りぬどころか、本土空襲中も生産数が落ちずにむしろ過剰で、一部をAA用に転用した。

▼防研史料 『「チェッコ」五三式 「ブルノ」社(ZB五三)重機関銃説明書』S16-2

▼防研史料 『一九〇九年式「ビッカース」機関銃 説明書』S12-8

▼防研史料 『「ホッチキス」二十五粍機関砲 説明書』S16-8 陸技本
 ※ホチキス系は射撃を中止するとボルトが後退位置でホールドされ、待っている間に薬室が空気冷却される。これを南部系のLMGでもすべて踏襲し、冷却に関してはチェコ系より良好だった。

▼防研史料 『「ビッカース」十二粍七 D型 高射機関砲 説明書』S12-8

▼防研史料 『「ホッチキス」十三粍二 高射機関砲 説明書』S14-3
 追随射撃をしないことの説明がされている。

▼防研史料 『「エリコン」二十粍野戦機関砲説明書』S12-8 陸技本
 エリコン20ミリには、閂子が無い。撃発の間、ボルトはロックされず、惰性前進か後退かの過程にある。そのかわりボルト先端は注射器ピストン状で、薬室内へ奥深く潜入し、薬莢の破裂やガス漏れを防ぐ。

▼防研史料 『「エリコン」二〇粍基塔式 SLaSS型 高射機関砲 説明書』S16-7
 ※WWII中の米軍艦の舷側にズラリと並んでいたやつ。

▼防研史料 『外国兵器諸元調査表(20~25粍級)(高射機関砲)』第一陸軍技術研究所第一科 S17-10
 ※調査官は、陸軍大佐の胴金義一、他2名。航空用は載せず。

▼穴山篤太郎tr.『百科全書 第十三冊』有隣堂 M16-10
 英国に、常備陸軍というものは、いつどのようにしてできあがったのか。

▼内務省地方局『感化救濟事業講演集 上』M42-3
 英国には「感化船」があり、少年犯罪者を海員水夫にしてしまう。

▼『村田銃保存法』M21 東京府平民・小林又七pub.
 「駐梁」には輸入した「スウェーデン鉄」を使っていた。

▼大小田八尋一『ミグ25事件の真相』2001-8
 自衛隊は、ソ連の原潜が小樽に強行入港すると考えた。
 長官の坂田がぼやぼやしており、三木総理へは、警察、運輸、法務、外務についで五番目に報告したことになってしまった。
 L-90部隊は、味方のC-1×3機を、敵襲と錯覚して、点検射までしていた。

▼永田年『鉄筋コンクリート設計法』S11-6

▼吉村岳城『琵琶讀本』S8-7
 島津藩主の日新齋は、雅楽琵琶の柱を2つ減らして4つにし、柱と柱の間を指で圧することで音階を作り出すように変え、撥を大きくした。薩摩琵琶の撥は緊急時の護身用を兼ねたので、大きい方がよかったのである。

▼土肥一夫・監修『海軍 第九巻 駆逐艦 海防艦 水雷艇 哨戒艇』S56-9 つゞき
 日本の沈没駆逐艦の約半数にあたる70隻に関しては、1人の生存者もいない。全員戦死認定である。1艦には平均、230名が乗組んでいた。

▼経済雑誌社pub.『国史大系第十六巻 今昔物語』M34 つゞき
 ※今回は巻第25。

 陣幕を二重に引き回すと、矢はその布を通らない。
 香取神社は昔は「梶取」と書いた。すぐ前が海だった。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

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 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

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