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In 1941, they forced to out Matsuoka Yohske from Konoe's Cabinet for bad intention with Germany. Now we hope not Susan Rice remain the same.

 Dan Lamothe and Thomas Gibbons-Neff記者による2015-12-30記事「Why success against Islamic State in Ramadi hints at US military strategy to come」。

 22万人都市のラマディは2014-5にISに占領されたが2015-12にイラク政府軍が奪回した。

 イラク政府軍は、浮橋を架けて渡河するスキルまで米軍から教えられた。
 地雷原啓開用のホース状爆薬投射機も米軍から貰っている。それを使ってラマディに突入した。

 さらに装甲ブルドーザーを活用して、自爆トラックが味方第一線の翼側に対して突っ込んでこられないようにいくつも土盛り防壁を築いた。
 自爆トラックのことは、VBIEDという。※ヴィークル・ベイスト?

 次の目標はファルージャ市で、もう包囲済み。その次はモスルだ。

 次。
 Jonathan E. Hillman And Cheryl Miller記者による2015-12-29記事「At Last, Some Campus Sanity: ROTC Gains」。

 ハーバード大キャンパスにROTCがとうとう開設される? ※……かのような写真が添えられているが記事にはハーバードのROTCの話は無い。

 今年、コロムビア大学からは、1970年以降では初めて、ROTC課程卒の海兵隊少尉が誕生している。

 またイェール大では、今年はROTC課程の海軍少尉が2名、輩出した。これもニクソン政権時代以来、久々だ。
 もっか、イェール大は、アイヴィーリーグ中で最大規模の海軍ROTC課程受講学生41名を誇る。
 イェールにはポール・ケネディ教授がいて、その軍事史の講義は学生に人気である。

 ブラウン大は、ベトナム戦争以来、キャンパス内にはROTCを置かせないことにしているが、2015年の決定で、学生が校外で海軍ROTCもしくは空軍ROTCに参加することは公許した。

 米軍が縮小されるのだからROTCも縮小しろという声がある。15人未満の将校しか配属してないような大学はROTCを整理しろという声も。だがDoDはそれには反対している。国軍の将校人材は全国の多様な地域から求めるべきであるからだ。

It's not a landmark. It's only another re-start of extortion and doing nothing about ABM systems and raising many clamors and giving us a good reason to abominate Koreans as anti-modern confucianists.

 ヴォイス・オヴ・アメリカの2015-12-28 記事「Japan-S. Korea Deal Could Help Efforts to Counter Pyongyang」。

 国務省の月曜日のブリーフィング。
 日本政府は800万ドルを「公式な詫び」として支払うことで韓国政府と合意した。

 ※これが本当だとしたら、儒教圏人に対して日本政府が反近代的な譲歩をしてしまったことになる。わずかな譲歩を「地位の上下の確定」だと看做すのが儒教圏人である。駆け出しヤクザが最初に小さな「不法」から周囲に認めさせる努力をするのと似る。しかしヤクザの世界には対等関係は成立し得るが、儒教圏には2者間での地位の対等という発想は全く無い。儒教圏では、どちらが上なのかを常に示さなければならない。この800万ドルはその「物証」になってしまう。儒教圏では地位が上となり得た側はそれ以後、下位者に対してどんな無体な要求もできるし、下位者と約束したことなどすべて破っても許されてしまう。したがって日本国の安全はこれから著しく損なわれるであろう。韓国への譲歩は、やはり儒教圏国である中共と北鮮を韓国以上に対日増長させ、彼らもまた日本との約束など尊重しなくなるだろう。これは日本の国益の長期の毀損であり、安全の破壊である。結果的に米国の安全も低下することを誰かがスーザン・ライスに知らせなくてはならない。それには良い方法がある。

 国務省コメント。
 米国と、米国の同盟国である日本および韓国との間の協働にとってのいかなる障碍も、米国の安全保障国益にとっては、戦略面での邪魔である。

 国務省による背景説明の大意。――いまは北朝鮮をなんとかするのがアメリカにとっての最優先テーマなのだ。そのためには6ヵ国協議体制を分断させてはならない。そのためには日本と韓国は互いに揉めずにアメリカの防衛のために最大限の協力をしなさい――。

 ※われわれの答え。「お断りだ」。

 このVOAの記事には、オバマ側近のスーザン・ライスがわざわざしゃしゃり出てコメントしている。

 ※スーザン・ライスは国務省の人間ではない。ただの側近である。これで察することができる。大使がテロに遭わされた米国務省がこんな案件に熱意を示すはずがなかったのだ。米国務省は日本の馬鹿役人よりも儒教圏人の正体を知っている。これはすべてライスのさしがねなのだ。だとしたらわれわれ日本人にはこのスキームをぶっ壊すチャンスがまだある。
 東京の米国大使館(駐日米国大使閣下)宛に、多数の一般国民が手紙/eメールを出すのが、日本を救う最短の近道であろう。
 大使館の仕事は、その国で収集した「アメリカの評判」をDCの国務省に報告することである。その報告に材料を提供してやる努力が、いままで、日本人には、足りなさすぎたのだ。街頭デモに参加するほどの問題意識をもっているならば、米大使館にメールを送るべきである。
 メールは日本文でもかまわない。大使館にはそれを翻訳するための雇われ人がいるのだ。しかし米政府要人に政策を反省させ再考させるという「威力」の点では、学者や評論家ではない庶民が時間をかけて書いたことがよく伝わる「拙い英文」、それも便箋にまさるものはない。逆にマイナスのインパクトを与えるのは「同一コピペ文」の大量電子発信である。そんなことをするぐらいなら何もしないほうがマシだ。また、DCの国務省やホワイトハウスに直接それを送るのも無駄である。彼らの仕事は他国の庶民の手紙を読むことなどではないからだ。まさにそれを仕事としているのは現地の大使館員なのだ。そしていうまでもなく、米国のマスメディアにも、アマチュアの日本人の意見を斟酌している時間のある暇人はいない。よって差出先は「東京の米国大使館」一択となる。
 何を書くか。
 およそ「約束」は近代国家同士の間でしか有効ではないこと。
 日本人は、儒教圏三国を「近代国家」だとは思っていないこと。
 相手が「近代国家」でない以上、どんな約束も無意味であること。その実例。
 儒教圏国家に一度わずかな譲歩をすると、彼らは二度とこっちの言い分など聞かなくなり、次の理不尽な要求をエスカレートさせること。したがってアメリカの思惑とは逆の方向に事態が進むだろうこと。
 これは儒教圏には「上下」の安定だけがあって、「平等」「対等」は永続しない関係だと儒教圏人が今も信じていることからきていること。
 したがって儒教圏国家相手には寸毫の譲歩もしてはならないこと。その態度こそが自由主義圏による対支抑止力となること。
 韓国からの日本に対する要求は、ただ韓国が米軍に協力したくないための口実に他ならず、その一つを呑めば、翌日に二つ目の要求が出てくるだけであること(これは国務省がライスの壁を突破してオバマに上奏説明したくてたまらないことなので、下手な英文で書いてやれば、大使館員がちゃんと適宜の英文になおしてDCへしっかりと勧告をしてくれる筈だ)。
 日本人は韓国人とは協力ではなく絶縁をしたいと心底願っていること。
 日本人は日本の自衛隊が朝鮮半島で作戦することに反対していること。
 日本人はそもそも自衛隊が韓国軍と協同作戦することにも反対すること。
 日本人は北鮮が核ミサイルなど持ちそうもないと思っていること。
 以下略す。
 日本に些細なものであれ対儒教圏譲歩を強いると、米国はまわりまわって安全ではなくなる――ことを分からせる。大勢の庶民によるその説明が大使館経由でDCに届けば、米国は今後このような愚かしい斡旋を企てないだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-12-23記事「The Young And The Doubtful」。
 北鮮では、新興のカネモチ階級で投資のできる者たちを「ドンジュ」と呼ぶ。
 北鮮の金満階層は人数にして100万人。率にして北鮮人口の4%であろう。しかも、増えつつある。

 2015においてロシアが北鮮に対する最大の食料援助国になった。
 ロシア人は、北鮮内に、チェーンストア、立ち食い屋、タクシー会社をつくっていいことになった。
 ※中共が今後北鮮にどのような圧力をかけてもムダだ。ロシアが中共になりかわって北鮮のパトロンとなりつつあるのだ。6ヵ国協議など、オバマ政権が何かやっていますというポーズ以外の何の意味もない。そして、各国が実質何もやっていなくとも、北鮮はそもそも軍事的にとるにたらない脅威である。

 漂着した北鮮ボートは、割り当てを満たすために無理に遠出して燃料が尽きた漁民なのであろう。ちなみに北鮮漁船には無線もGPSもなにもないのである。

 北鮮がシナに12-22に外交団を派遣した。あきらかにこれは詫びのためだ。先の公演団によるゴタゴタについて。
 公演団が引き揚げるとき、三代目は、それと関係ない百人以上の在支北鮮人も帰国させた。

 ※北鮮は不完全きわまる装置型原爆しか製造できていない。5キロトンすらも発生させ得ていない。その弱点を補うため、装置内に大量の「中性子ブースター」を装填すること考えているようだ。これは「強化原爆」といわれるもので、フランスでも過去にこの技法でまず69キロトン、最終的にはもっと実現したはず。米ソのように装置型として実験するだけなら400~500キロトンまでもいけるが、それは投射不能。いずれにしてもまともな原爆に中性子ブースターを加えるからこそ大出力になる。北鮮の場合はまともな原爆がそもそもできていないから、中性子ブースターをいくら突っ込んでも20キロトンも超えられないのではないか。もちろん「水爆」とは違う。運搬も発射もできないシロモノだろう。過去、日本の無責任マスコミが、北鮮に核兵器があるあると根拠もないのに騒いできたものだから、ついにライス如きのさしがねで韓国軍と自衛隊のABM連携をとらせる前段階の「2度目の最終合意」(この表現をブログで書いている人、偉い)を、年末の繁忙期を狙って駆け込みで呑まされる羽目に陥っているのだぞ。「北鮮脅威論」をメシの種にしている人々はいつ反省してくれるのか?

新刊のおしらせ

 PHP文庫の『隣の大国をどう斬り伏せるか――超訳 クラウゼヴィッツ「戦争論」』は、気の早い書店さんでは、この年末から棚に並ぶことと思います。
 本体700円。税別。

 2011年の新書版を全面校訂したもので、内容には、いくつか追記したところがあり、また、削除したところもあります。
 版型は新書より小さくなっているのにもかかわらず、絶妙の編集によって、読みやすさが増しています。

 月刊雑誌の『SAPIO』の新年号にも記事が載ります。この号も、年末からコンビニに出るのではないでしょうか。

 今年に出た本でいちばん個人的に〈表彰〉してやりたいのは、大久保潤・篠原章氏共著の『沖縄の不都合な真実』(初版2015-1、新潮新書)です。
 隔靴掻痒の情報しかなかった沖縄県のド腐れ構造について、この新書1冊で全部呑みこめた。霧が晴れたような読後感です。
 これをサラリと出してくれた新潮社さんも偉いよ。あ、そうそう、『新潮45』に連載中の平山周吉さんの江頭先生の話ね。近年、毎回これほど居住まいを正して読まされてしまう記事もない。江藤淳の話を書くならば、生前の江藤淳の担当編集者さんたちをぜんぶ取材しないとダメです。それを最初にやらないとダメです。それが「まず外堀を埋める」作業なんだ。たぶん平山さんはそれをやってくれるだろう。そういう熱意を初めて感ずる人だ。江頭先生は担当編集者氏たちにはディープな話をいろいろしておられた。だから、何であれ、とにかくいちばん事情に通じていらっしゃるのは、それら担当編集者さんたちを措いては、誰もいない筈。これは愚生の確信でござる。だからその人たちが知っていても話さないことがもしもあったりしたりしたら、それは何故かは分からないけれども、わたしごとき「通行人F」レベルの分際の者としては、無条件に尊重しておくもの也と、わたくし分別致し候。

潜水艦用VLSチューブには、乗員脱出用のカプセル(またはビニールバッグ)も装填できるようにすればよい。

 ストラテジーペイジの2015-12-17記事「Counter-Terrorism: The Case For Keeping Moslems Out」。
  日本にはほとんどモスレムがおらず、その結果、日本にはイスラムテロは起きていない。この事実から、各国はイスラム教徒の入国制限を正当化できると考えている。

 サウジアラビアやUAEやカタールなどのGCC諸国はスンニ派イスラム国であるが、そのGCCですら、イスラム難民など決して受け入れようとはしない。彼らの政府に言わせると、その理由は「国家の安全のため」だそうだ。イスラム教国じしんが、イスラム教徒はただそれだけで危険であると公式に認めている。

 ヨーロッパ諸国の経験。
 祖国での紛乱から逃げてきたというモスレムたちの犯罪率はその人数比からみて異常に高い。刑務所はそんな彼らで一杯だ。
 フランスのモスレム人口は10%だ。ところがフランスの刑務所の受刑者に占めるモスレム人口は60%を超えている。

 米国、カナダ、アンザックは、なりたちが「移民の国」であり、住民のあいだに、自分たちはしょせん全員がマイノリティだという感覚がある。この4国ではモスレム移民も居心地がいい。

 しかし欧州では余所者は警戒される。
 欧州では、単にその国内で生まれただけでは市民権は与えられない。

 先祖が余所者ではないかどうかが問題にされ、言語を完全に習得してその国の文化を身につけたとしてもなお、移民たちが同国人として受け入れられたという感覚は持てないのが欧州である。

 さらに移民のイスラム教信仰集団には、すべての近代国家が許容できない問題がある。
 彼らは、異宗教がマジョリティである地域に、宗教的な少数派として暮らすという現実に納得ができないのだ。
 説教師たちは、そうした感情を肯定し、「この国の連中こそがわれらのイスラムに改宗すべきなのだ」と言う。そして、その宗教的に正しい未来が早く実現するためには、暴力に訴えてもかまわないというラディカル説教師があらわれて、テロの煽動をし始める。
 さらに説教師はこうも言う。「この国の異教徒たちはお前たちにいつも正しいイスラム信仰を捨てさせようとしている。宗教の敵だ」と。

 イスラム教世界では、イスラム教を捨てて他の宗教に転向することは、今日でも死刑級の犯罪なのである。
 つまり近代国家ではとうぜんに認められている「信仰の自由」が、かの集団には無い。信仰の自由を認めないと公言している「違憲」集団を、近代国家は受け入れられるのか?

 若い移民のイスラム教徒は、自分たちは多数の異教徒たちから現に圧迫されているので、それに犯罪でやり返しても宗教的に正しい行動になるのだと信じて、刑務所行きの犯罪を繰返している。彼らの説教師がそれを止めないどころか、助長するのである。

 移民の両親は、息子に、暴力グループに入るのはやめろと止める。しかし説教師の方は、ハディースとコーランの章句が根拠なのだと請合うのだから、親の諫言などは効力が無いのである。

 この問題は、イスラム教圏の中ですら何百年も解決不能の問題になっている。多数派のイスラム宗派の中で、少数派のイスラム宗派は、決して満足をしないのである。ちょっと監視をゆるめると、彼らは暴力テロを始める。だから、国内に紛乱の無いイスラム国は、かならず、警察国家である。西側自由主義諸国は、警察国家にはなれないので、日本式の移民シャットアウト政策を選ばないならば、初めから苦労は約束されたようなものなのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2015-12-17記事「Making A Living In the Caliphate」。
  イラク、トルコ、ヨルダンでは、元IS戦闘員で、そこを辞めて脱走してきた者たちを多数、訊問することにより、貴重な「ビッグデータ」を収集しつつある。
 多くは、シリア人とイラク人だ。
 やはりというか、動機はすべて「カネ」であった。

 シリアでは内戦が四年続き、労働者の半数もが失職したままである。誰も、遊んでいては暮らしていけないのだ。

 そしてそこには「労働市場の法則」が貫徹していた。IS外で職さがしするより、ISインサイダーとして特殊技能を揮った方がインカムが多い場合に、彼らはISに加入した。さなき場合は、彼らはISを辞めるのである。

 建設業、輸送業、通信業のスペシャリストは、月に1000ドルをIS内で貰うことができる。ただし、スンニ派教徒でなければ、「カリフェイト」には受け入れられないけれども。
 医者や他の一部の特技者には、もっと高給が支払われている。

 ISは社会福祉事業集団でもある。まったく何の特技ももちあわせていないクズ兵士でも、ISの基地に居れば、月給50ドルがもらえる。これは非IS地区にて土方をやる場合の給与水準に等しい。ただしISの経理係殿は、その兵士に女房がいれば35ドル、子供がいれば1人について50ドルの扶養手当も、追加してくださるのだ。

 爆弾造りの特技兵、特にそれを特攻自動車にセットできる軍人には、月に基本給だけで1000ドル以上が支払われる。
 自爆特攻兵を訓練するスキルを有している将校も同様である。

 自爆特攻は、シリア人でもイラク人でもない、余所者のイスラム教徒が与えられる仕事だ。

 多くの新参の外国人兵は、最低生活費+50ドルからISキャリアをスタートしてもらう。才能や働きが認められれば、昇給も応談。
 こうした兵隊の俸給の総額は、月に500万ドル以上となっているはずだ。

 カリフェイトだろうが天国だろうが、世俗の市場法則からのがれることだけはできない。モノが無く、カネがあれば、必ずインフレになる。
 そしてIS圏内よりもIS圏外の方が生活必需品の価額が低くなったとき、給与だけでは暮らしていけなくなったIS兵士は、脱走するのだ。

Such Dream Drunkers

 Bill Gertz 記者による2015-12-15記事「Chinese Submarine Practiced Missile Attack on USS Reagan」。
   2015-10月に日本海の近くでシナ潜が米空母『レーガン』に対して対艦ミサイルの発射手順を途中までとっていたとDoDの匿名職員は明かした。

 これは中共も2014に合意している、多国間規定である「海上における不測の交戦発生を避ける取極め」、略してCUESに対してのシリアスな違反である。

 2014合意では、避けるべきアクションとして、「近くの艦船や航空機に対しての砲銃身の指向、ミサイル発射器の指向、火器管制レーダーの照射、魚雷発射管の開門などの模擬の攻撃」が明記されていた。

 米海軍が米議会の関係スタッフに対してこの事件が起きたのは10月24日だったと教えたのは、ようやく最近である。翌25日には砂盛島に対する『ラッセンズ』のFONが実施されている。

 オバマ政権は、この事件の詳細を世間に話さないように海軍に命じている。詳細が知れれば米国海軍と中共軍との間に敵愾心が燃え上がるので。

 そもそもこの事件の第一報は『フリー・ビーコン』の11月3日記事だった。
 「宋」級と「元」級のSSKは、二種類の対艦ミサイルを、魚雷発射管から運用できる。そのひとつはYJ-82で、射程22マイルである。

 12隻あるロシア製「キロ」級SSKのうち8隻は、「クラブ」(棍棒)という対艦ミサイルを発射できる。射程は137マイルである。比較的新しい「商」級SSNも巡航ミサイルを発射できる。

 『レーガン』は他に4隻の水上艦を随伴していた。
 ※事件の起きた現場は「日本海の南端」とも「その付近」とも書かれていてハッキリしない。ウラジオストック沖なのか黄海の入口なのかで、えらい違ってくるのだが……。

 この事件の数日後、ロシアの戦略爆撃機×2が『レーガン』の1マイル以内を高度500フィートでフライパスした。F-18複数がただちに発艦してインターセプトした。
 ※その現場はウラジオ沖だろうから、『レーガン』は対馬海峡を南から北へ抜けたのか。シナ潜は黄海入口で張っていたのだとすると話の辻褄が合う。

 次。
 Richard D Fisher Jr記者による2015-12-15 記事「China advances sea- and land-based nuclear deterrent capabilities」。
   「タイプ094」、別名「JIN」級のSSBNが最初の抑止パトロールに出た。

 「094」級は2004に一号艦が進水した。
 しかるに2015-12まで遊弋航海をしたことがなかった。
 「094」級の基地は海南島の「ヤロン」湾にある。

 ペンタゴンが確認している「094」級は4隻。
 しかし前の太平洋コマンドの司令官のロックリアーは2015-4-15に議会で証言して、中共は「094」級を8隻揃えるつもりではないかと。

 「094」が搭載するのは「巨浪2」を12基。そのレンジは8000km弱だと考えられている。いまのところ弾頭は水爆1発である。

 これとは別に陸上の車載ICBMである「東風41」の試射が2015-12-4におこなわれた。弾頭が水爆2発のMIRVであった。その第一報は『ワシントン・フリー・ビーコン」の12-11記事。
 知られている限りでは5度目のDF-41のテストである。東風41は固体燃料。

シナ語で「クレディビリティ」は「信度」。

 Lyle J. Goldstein記者による2015-12-13記事「How to Sink a U.S. Navy Carrier: China Turns to France For Ideas」。
   ※記者は米海大の助教授でシナ海軍専門家。シナ文も読む。

 2015年前半、一瞬だけネットに現われてすぐに消された意味深情報があった。それはフランス国防省がUpしたに違いのない話で、仏SSNの『サフィル』〔サファイア〕が、演習で米空母『TR』戦闘群に対して放たれたという。
 その結果、『サフィル』は戦闘群の半数を「撃沈」してしまったというのである。

 おそらくこの結果が広く知れわたるのがマズいと判断され、削除されたのだろう。
 しかし中共軍雑誌の『兵工科技』2015年第8号は、このネタを全面フォローした。シナ潜水艦学校の「教授」が詳しく語っている。

 この教授いわく、WWII中にすくなくも17隻の空母が潜水艦により沈められていると。うち8件は米潜の仕事。

 フォークランド紛争ではアルゼンチン軍の魚雷が失敗しているという。その理由は海中の状態が〔音響面で?〕都合が悪かったからだという。

 この記事から推定できることは、中共海軍はフォークランド紛争から重大なヒントを得た。それいらい、対艦巡航ミサイルの開発に熱中したのだ。

 フォークランド紛争では英SSN『コンカラー』がアルゼンチン軽巡『ヘネラルベルグラノ』を雷撃可能距離で15時間、まったく気付かれずに追躡し、英海軍省からの攻撃許可を受信したところで、あっさり撃沈してしまった。

 教授の仮説では、フランスのルビー級は2670トンと世界最小のSSNである。このサイズゆえに、米ASW(特に輪形陣に先行して護衛していたはずのロサンゼルス級SSNのソナー)に感知されなかったのだろう、と。

 じつはシナ海軍界が仏製小型原潜を褒めたのは今回が最初ではない。昔からずいぶん高く評価しているようなのである。それがシナ沿岸の浅海面に適合すると考えているようだ。

 ルビー級は水中で25ノットまでしか出せない。しかしそれは欠点ではないとシナ人たちは見ている。※30ノット出しても自艦のノイズでパッシプソナーが聾状態になる。攻撃後の離脱にしか、そんな速度は役立たないのだ。

 空母戦闘群がデカい艦隊であるがゆえに、遠距離からその位置の見当をつけることは楽になるだろう。つまり、艦隊であることが、ステルス要求に背反しているのだ。

 教授いわく。水中から対艦ミサイルを発射すると、確かに射点はバレてしまうが、その連射の発射ブラストは海水を大攪乱するので、現場海域はノイズだらけとなり、発射プラットフォームはその音響的攪乱を烏賊の墨として、針路も深度も変更して居場所をくらましてしまえるはずだ。
 ※シーホークから撒くソノブイのアクティヴ・モードは気泡に感度を妨害されるだろうか? ディッピングソナーのピンガーは? そこが知りたいところだ。

 教授のもうひとつの仮説。『サフィル』艦長は、海水の塩分濃度が急に変わる境界層、海水温度が急に変わる冷水塊、「午後の効果」などを巧みに利用してソナーによる被探知をまぬがれたのだろう。
 ※その仮説では、同じく海中をうろついているロサンゼルス級がなぜあざむかれたのかが説明されない。これは『キティホーク』事件でも謎の一つなのだが……。兵頭の仮説を言おう。ロサンゼルス級がまじめに仕事をすると、ほとんど「演習」にならなくなってしまうので、米SSNだけは演習中に「情況外」扱いを命じられているのではないか。すなわち米SSNは仏SSNを常時こっそりと探知はしているのだけれども、攻撃も通報も存在証明もしてはならないルールなんじゃないか? そして『キティホーク』事件でも、シナ潜水艦が発射管ハッチを開く音がしない限りは、米SSNはピンガー警告すらもしなくてよいぞとあらかじめROEが決められていたのではなかったろうか。

 次。
  Ashley Halsey III記者によるワシントンポスト紙の2015-12-14記事「That drone under your Christmas tree will have to be registered with FAA」。
  米国ではこのクリスマス中に70万台ものミニ・ドローン飛行機が、プレゼントされる見込みである。
 そこでFAAはこの年末からはオモチャでも登録を義務付けることにした。
 空撮ドローンにはプライバシー侵害等の懸念がある。これは旅客機にも爆撃機転用の可能性や墜落リスクがあるのと同じことである。

 市場アンケート調査により、米国人の三人に一人は、「空撮ドローン」を将来所持することに関心があることが分かっている。このオモチャの数は、来年以降も爆増することだけは確実だろう。

 米国人の82%は、自宅の裏庭にもし他人の空撮ドローンがやってきたなら許さないと思っているようだ。※道路に面した表庭は、かまわないらしい。
 そして47%もが、私人が空撮ドローンを所有すること自体を禁ずるべきだと思っていることもわかった。

 このたびのFAAによる新規制では、オモチャといえどもドローンのオーナーはそれをFAAに登録し、登録番号を取得しなければならない。そしてその登録番号を、ドローンに貼付しなければいけない。
 FAAのドローン登録ウェブサイトは、2015-12-21にオープンするであろう。

 登録料金は5ドルかかる(3年間有効)。ただしウェブサイトがオープンしてから30日以内に登録した人には、この料金が特別に免除される。

 登録申請者は、姓名、住所、eメールアドレス を知らせるだけでいい。

 しかし、ドローンの操作中には、必ずFAA発行の登録証も身につけていなければいけない(機体に番号を貼っているだけではダメ)。

 ドローンを他人に譲渡した場合は、新たなオーナーが、あらためて自分で登録をしなくてはならない。

 今回の登録対象のドローンは、重さ0.5ポンド以上、55ポンド以下までである。
 55ポンドを越えるドローンは、FAAの通常の航空機登録が必要となる。

 飛ばすさいの初歩的な心得。高度400フィート以下を守れ。常にドローンを操縦者が目視できる空間で飛ばすこと。有人機には近寄せないこと。群衆、スタジアム、スポーツ競技場の上は飛ばさないこと。もし空港から5マイル以内で飛ばしたいときには、事前にその空港から許可を得ること。

 違反者は、FAAにより、そのドローンを没収されてしまう。

 ドローンを登録をしなかったり、不適法な飛行をさせた者は、科料2万7500ドルは、まず覚悟して欲しい。それがよほど悪質で、刑事裁判となれば、最大で罰金25万ドル以下または3年以下の懲役も待っている。

木があるために森が見えない。

 2015-12-10記事「The Real Story of the French Resistance」。
 新刊紹介である。
 ロバート・ギルディー著『日蔭者戦闘員』(Fighters in the Shadows)はフランスのレジスタンスについて仔細に調べた新刊だ。多数の生存者インタビューあり。

 フランスは6週間で敗北した。ブリッツクリーグ1940-6。
 フランス国民はまさか仏軍が負けるとは思っていなかったという。

 その後、フィリップ・ペタン元帥のヴィシィ政権は、ホロコーストに協力する。数千人のユダヤ系フランス人が死の収容所へ送り出された。

 そんな異常事態の占領が4年も続いたのだから異常事態のレジスタンスも起きた。異常が普通になったため、フランスレジスタンスはWWII後もしばらく消えてなくならなかった。

 ドゴール体制になってから、レジスタンスのおかげでフランス人は戦後に胸を張れるのだ、と宣伝されている。それは嘘だ。

 ドゴールが1940-6-18にロンドンから放送して武装抵抗継続を呼びかけたのは事実だが、D-Day以前に彼ら自身でフランスを解放しつつあったとは到底言えず、且つまた、どうもD-Dayに合わせた同期的サポートもロクにやってなかったらしい。したがってあくまで連合国とドゴールが外からフランスを解放したというのが真相である。

 米英軍の撃墜されたパイロットを救出するネットワークに協力するとか地下新聞を出すとかも含め、なんらかのレジスタンスに参加したフランス人は、D-Day以前において、トータルで仏国内居住人口の2%だった。

 レジスタンスに加わった者たちの動機の、小さくない部分。彼らの兄弟や父親が、第一次大戦でヒーローではなく、むしろその逆だった。それに負い目を感じていた。その家系的な不名誉を挽回しておきたいと思っていた。

 地下組織を大きくするにはリクルートが必要だ。しかしそうするとスパイも入り込みやすい。

 外国人も大勢加わった。第一次大戦の結果として郷土から逐われてしまった者。ドイツやソ連の支配下からの逃亡者、特にポーランドのユダヤ人。西欧の共産党員。スペイン内戦で敗北した共和派軍(アンチ・フランコ)の残党。

 この連中の動機の方が生粋のフランス人よりも鞏固であった。
 フランス共産党員は外人を都市ゲリラに組織化する活動を熱心にやった。

 シオニストは共産党とは別個に活動した。
 1942-6-16~17にパリで外国籍ユダヤ人の一斉手入れがあり、13000人が逮捕された。

 レジスタンスがドイツ人行政官を暗殺すると、犯人たちはテロリストと呼ばれ、近隣住民がしょっぴかれ、縁坐責任として処刑された。

 1944-8-15には南仏に第二の連合軍上陸作戦が行なわれている。このときにレジスタンスが果たした役割は、よく理解されている。
 しかしD-Dayのときに果たした役割は、特記事項が無いのだ。

 パリ解放後にフランス共産党は人民一斉蜂起を画策したが、ドゴールの方が一枚上手で、それは鎮圧されている。

 次。
 Ben Ho Wan Beng記者による2015-12-10記事「The Chinese Submarine Threat」。
 今、中共には、非核動力の魚雷戦用潜水艦(SSK)は57隻、核動力の魚雷戦用潜水艦(SSN)は5隻ある。
 そのうちつかいものになりそうなのは、商級SSN×2隻、キロ級SSK×12隻、元級SSK×12隻だろう。

 キロ級よりも劣ったSSKである宋級が、非核動力空母『キティホーク』を驚かしたのは2006のこと。

 そして2015-10には、『ロナルド・レーガン』空母戦闘群(CSG)をID不明のシナ潜×1隻がストーキングしたという。

 SSKは敵空母を追躡する能力はない。待ち受ける運用しかない。だから基本的性格は、「動く機雷」である。

 ピーター・ホワースは『おそるべき中共の潜水艦とシーパワー』という本を2006に出している。これがいろいろ参考になる。(Peter Howarth『China’s Rising Sea Power: The PLA Navy’s Submarine Challenge』)。

 米空母打撃群は、SSKの埋伏をおそれて、フィリピン海より内側へは、有事には入らないという。
 したがってシナ潜もフィリピン海まで出てこなければCSGを打撃できないわけだ。
 だがフィリピン海は500万平方kmある。そこでいったいどうやってCSGを発見する気なのか?

 キロ級も元級も、潜航では20ノット、それも短時間しか出せない。ニミッツ級空母は作戦中はしょっちゅう30ノット以上を出す。つまりシナ潜は遠くから米空母に近付きたくとも、置いてきぼりにされる。

 商級は核動力だから30ノット出せるが、大騒音ゆえバレバレで、追躡など非現実的。
 旧い漢級SSNになると、いちおう現役だが、輪をかけてうるさすぎる上に、水中でも25ノットしか出せない。追躡したくても無理。

 衛星から「攻撃キュー」を出してもらわぬ限り、フィリピン海で米空母をシナ潜がとらえるのは絶対に無理である。

 艦上対潜哨戒機だった米海軍のS-3ヴァイキンクは、1991以降は敵潜がいなくなったというので、艦上空中給油機にされてしまった。そして2009にはリタイアさせられた。
 いまや米CSGは、ヘリコプターのシーホークだけに空からのASWを頼っている次第だ。

 対艦攻撃の考え方として、ミッション・キルと、プラットフォーム・キルがある。
 前者は、撃沈などを狙わず、機能不能化だけを狙う。空母は、飛行機を発着させられなくなったらもう無価値なのだから、ミッション・キルでいいのだ。
 ※偶懐。そもそも味方機が敵の輪形陣までたどりつけるかどうかもあやぶまれるようになった1944~45年時点では、敵大型艦の撃沈にこだわるのは利口ではなかった。このミッション・キルの概念があれば、「零戦+30kgの4号爆弾×2、もしくは50kgクラスター弾×2」でよかった。偵察&嚮導機としての「複座零戦」(20mmは卸す。操縦者=偵察士官とすれば三座の必要はなく、士官の戦死レートも抑制できる)と、攻撃任務用零戦の「オール・ゼロ」チームでまとめることができた。これなら商船改装の小型低速空母からも運用可能だし、カタパルト発進もできたし、生産も訓練も一切が合理化され、特攻は必要なくなった。

 中共海軍は、米空母の甲板を損壊させるか、スクリューもしくは舵を破壊することで、航空機発着を不可能にしてやれる。※水中核爆発でもね。

 中共の「航跡ホーミング魚雷」は、スクリュー破壊を狙ったものである。
 中共の「53式魚雷」は炸薬300kgである。
 「54式ホーミング魚雷」は炸薬450kgである。

 ※海自は「Mark 67」のような自走敷設機雷を水上艦から運用できるようにしなけりゃならぬ。しかし、いわくありげな長魚雷を「放流」しているところを他の航空機や艦船から偶然に見られてしまっては面白くない。そこを工夫せんといかん。モノハルの水線下に発射管など設けるのは設計も工作もメンテナンスも面倒であろう。蓋を開け閉めするノイズでも気取られてしまう。ならば、カタマラン船型として、中央「橋渡し」の橋桁裏面から静かに泛水させるのが解法になる。もしくは、ドック型軍艦の後尾からリリースするか……。

 もしシナ潜から対艦ミサイルを発射すれば、西側のISRに位置がバレる。
 キロ級のように発射管が6個ある潜水艦の場合、最大ミサイル連射可能数は5発。なぜなら必ず1本の魚雷はスタンバイさせておく必要があるから。

 ただし商級改型はVLSが装置されている。改型は今3隻ある。
 商級改のVLSチューブ数は未確認である。8基じゃないかとは想像されているのだが。

 イージスは鉄桶ではない。かならず漏れがある。だから過去に誤射事件も起こしているのだ。

 1969-1に空母『エンタープライズ』の飛行甲板で500ポンド爆弾が9個、火災によって誘爆したことがあった。その爆発力は、ロシア製巡航ミサイル6発の命中に匹敵した計算だという。27人が死亡。
 だがなんとカタパルトにもアレスティングギアにも支障はなく、1時間後には飛行作業を再開したのであった。

 フォークランド島で英軍艦『シェフィールド』がやられたときの目撃証言によると、亜音速のエグゾセは外鈑は貫徹したが、弾頭が炸裂しなかった。しかし火災が発生し、艦は大損傷。
 ※いっそ対艦ミサイルの弾頭をさいしょから無炸填と割り切ってしまい、終末加速のキネティックとモーター残燃料による焼夷効果だけ狙うのでもミッションキルとして合理的になるのかもしれない。無炸薬なら弾薬としてのメンテもハンドリングも楽、プラットフォームの安全性も大いに高まる。終末加速はガトリング砲の照準をまずつかなくするだろう(わずかづつでも加速し続けている限り)。ところでKyle Mizokami記者の2015-12-3記事によると、1980年代に米海軍はSM-1すなわちスタンダードミサイル初期型をイランのパトロール艇に5発も撃ち込んだが、その小型艇は沈まなかったという。またハープーンはなぜか垂直ラーンチには不適で、VLSと別個に甲板上に据えねばならず、数を増やせない。そこで、VLSに入れやすいトマホークを対艦型にするとか、SM-6を対艦用途にするとか、いろいろ考えられているという。

ミッション・キルか、プラットフォーム・キルか?

 ストラテジーペイジの2015-12-12記事「Submarines: Reminding Russia And China」。
  米海軍は2015後半から、潜水艦による「自走敷設機雷」の放出訓練を再開した。これは冷戦以来のこと。マーク67「SLMM」という。1950年代のマーク37魚雷をレーガン政権時代に改造したもので、全重750kgで、プリプログラムに従い10km以上駛走したのち、複合感応式機雷となる。深度は180mまで対応する。1991までは秘密兵器扱いだった。
 ※深度180mで爆発しても水上艦は大破すまい。深さ40m以上に播く場合は、こいつの狙いは対潜水艦だと考えていいのか?

 敷設は自走ではないが、攻撃が自走であるロボット機雷として、マーク60「キャプター」もある。いちおう潜水艦からも播けるが、航空機で播くことが多い。CAPTORは深度900mで繋維状態で待ち続け、上を通過する敵の潜水艦の音紋だけに反応してマーク46ホーミング魚雷を放出する。攻撃半径は、着底点から7kmである。

 ※豪州は『そうりゅう』型を採用するしかない。それを「命令」しているのは米国である。理由は、中共が『JIN級』SSBNの遊弋を南支那海で今年から開始した(米戦略コマンドが12-9に認めた)から。たぶんリアル弾頭はついてないが、いつかはつくかもしれないし、射程も何十年もかけて延ばす気だろう。これをいつでも撃沈できるようにしておくのは米国指導部にとり至上命題である。そのためにはシナ潜尾行をじっさいに行ない得ている日本の潜水艦を豪州も採用してもらう必要があるのだ。ドイツ製やフランス製ではASWの頼りにならんというのが米海軍の判断なのだろう。いちおうコンペ形式にしているのは豪州政府としての国内納税者向けのショーにすぎない。すべてはワシントン命令で既定だ。ただし米国の国益と日本の国益はおのずから違う。米国は『JIN級』×4隻が全滅すればそれで危機は去る。しかし日本はそれではちっとも危機は去らない。中共体制そのものを崩壊させない限り、日本人は安全にはならない。だからこそ日本が「Mark 67」のような自走敷設機雷を量産してベトナム、フィリピン、マレーシアに格安援助しまくらなくてはいけないわけだ。ところで中共が『そうりゅう』の豪州取得を阻止しようと思ったらその方法は簡単である。習近平が「調査捕鯨に断乎反対する」と繰り返し演説し、豪州大衆輿論を反日へ誘導すればいい。そうなったら豪州政府にもどうにもならないだろう。水産庁利権が、日本を核の危険に曝してくれるのである。

 次。
 Mike Pietrucha記者による2015-12-9記事「The Case for the Centuryfortress: Defining the B-52J」。
  ※記者は空軍大佐でシードの電子攻撃が専門だった。

  中共が海上に対して作戦するのに使える公式の軍用飛行場は60箇所以上もある。
 これに対して韓国と日本にある米軍の戦闘機用の航空基地は、たった6箇所である。〔だからB-52のような長距離重爆の予算を米国は決して削減してはならない。〕
※このレトリックはひどいね。日米協定により、空自基地や海自基地も随時利用できることになっているのだから。それにフィリピン基地はスルーかよ。こういう書き方をするということは、このオッサンは〈空軍と爆撃機産業のための予算獲得工作員ライター〉ですよと自白しているようなもの。まあ、それをまったく隠してないんだけどね。

 中共空軍に関して興味深いことは、基地が沿岸部に集中していて、奥地にいくと、もう防備努力をしていないこと。※シード専門家が言うんだからこの情報は重視したい。

 そして、攻撃力のリーチが短い。動物にたとえるならば「義足のグリズリーベア」で、近寄ると怖いが、ちょっと離れればこっちは安全だ。

 そして中共は、大陸国なのに、貿易に関しては完全に「島国」で、物料の96%は海の上を運んでいるのだ。空輸や、陸上国境だけで完結している貿易は、重量換算で全貿易の4%しかないのだ。すなわち、海を封鎖すればシナは亡ぶ。

 シナ沿岸を中心とした、貨物船の航路図を見よ。※この挿入chartは素晴らしい。「Figure 1: 2014 Maritime Traffic Density (Marinetraffic.com)」で検索してみることをお奨めする。ニューブリテン島の両端に日本にとっての「チョークポイント」があったとは知らなんだ。ラバウルの意味が、違って見えてくる。

 ハープーンを装備したB-52Gは冷戦期にソ連艦船の大西洋での行動をありえなくしていた。同じことは中共の艦船についても言える。シナの沿岸を少し離れれば、B-52が海を支配する。

 最新のB-52J型では、8基のエンジンの燃費が20%以上改善された。

 これにより、ハワイ、もしくはニュージーランド、もしくは中東の基地から離陸し、南支那海でシナ艦船を沈めて、給油機なしでまた元の飛行基地まで戻るという作戦ができるようになった。すなわち途中無給油で戦闘半径9000海里を実現。※中東といってもUAEだと経路上の陸地が邪魔だしジブチだと狭いから、ディエゴガルシアか。理論上は、ケニアから離陸しても余裕で戻れる。凄すぎ。

 B-52Jには、空対空用のアムラームも搭載できる。※もう空中戦艦。

 いまB-52は年に250時間ほど飛んでいるが、このペースで2050年を超えてなお現役だとすると、主翼の上面は、張り替える必要がある。いちばん疲労する表皮部分なので。

 ダーウィン飛行基地から、3機のB-52Jが離陸し、スル海に達して海上監視を開始するまで3時間。そこから12時間連続で哨戒飛行できる(現場海域までの往復まで含めると連続19時間)。
 AESA方式の側方監視レーダーは高度45000フィートからならば片側260海里も見張れる。それが両側である。それが3機である。

 この3機は、敵大艦隊を発見したら、60発の空対艦ミサイルを即座に発射してやれる。これは海軍のF-18が2個半中隊も出撃しないとできない技だ。つまり空軍のB-52の方が、海軍の「空母+戦闘機」よりもはるかに税金の節約になるのだ。

あれしきで騒ぐのなら1921-11の米最高法院による「日本人の帰化禁止」宣言の「合憲性」を再検討したがよい。

 Sarah Cook記者による2015-12-10記事「Resisting Beijing’s Global Media Influence」。
 記者はチャイナの専門家である。
  万国のライターたちよ。中共の世界宣伝戦略に真正面から抵抗せよ!

 タイ政府は中共の迫害から脱出してきたシナ人の風刺漫画家を中共に強制送還した。この人物は国連基準で言うなら間違いなく「難民」に該当し、中共で逮捕されることは確実なのに。

 ロイターの調査によると世界14ヵ国の33のラジオ局が事実上の中共のプロパガンダを放送している。

 2014年、『リーダーズダイジェスト』誌は、中共の出版屋からの強請に応じ、中共内の拷問や宗教迫害について言及のあったフィクション作品を、その国際版から削除した。

 2015-7にリークされた、ソニーピクチャーズ社幹部のeメール文によれば、同社内では映画『ピクセルズ』からいくつかのシーンを自主検閲で削除した。それは中共政府が好まないだろうからという理由であった。

 2014-6にアメリカ大学教授協会は全米の大学人に「孔子学院」との合意をキャンセルしなさいと慫慂した。ここにカネを出している中共政府はそれを理由に大学のカリキュラムや大学職員としてシナ人を雇用させることについてますます容喙するようになっているので。

 2015-10に全米の12の大手出版社は合意書にサインした。中共外部の著者が英語で書いている原書を中共内において訳刊しているものについて、本当に忠実にノーカットでシナ文に訳されたものが出回っているのかどうか。みんなでそれをモニターして、もし検閲の跡を発見したら公表し、出版業界の倫理を確保するとともに、透明性と表現の自由に資すること。

 次。
 1941-12にもしオアフ島の地上重油タンク26基を全部燃やしていたら、おそらくソ連はドイツに負けていた。これは兵頭の現時点での推論。

 真珠湾の重油タンクについていったいニミッツ元帥は正確には何と言っていたのか、英文ネットで確認しようと思ったら、錯綜しててワロタ。

 数発の機銃弾でも全部燃えた、という発言は、していないようである。ところが英文ネットではそのような「引用」が多々ある。「キャリバー.50が1発で」といった改変バージョンもある。米国では著述家は誰もニミッツの古本にはあたらないのか? いいかげんすぎるぞ!

 和文サイトで確かめられるニミッツ発言(1960年に米国で出版された対日戦回顧の本を冨永中佐らが訳した本にあり。ポッターというプロ伝記作家が原文を整えたと思われるがニミッツはファクツの勝手な改変はゆるさなかったはずだ)の要点は、日本軍がパール軍港の「湾門の近くにある燃料タンクに貯蔵されていた四百五十万バレルの重油を見逃した」。それは「長いことかかって蓄積した燃料」であった。そして当時米国は「欧州に対する約束」があった。だから、もし450万バレルの重油が燃やされてしまったら、米国の「艦隊は数カ月にわたって、真珠湾から作戦することは不可能であっただろう」。

 欧州に対する約束とは何か。これは大量の油脂を英国やソ連に供給中であったことを意味するのだが、ニミッツは1960年時点でも旧時の米ソ関係については口を閉じているように気をつける必要があり、不自然さを避ける配慮とウソを書きたくない誠実さから、英国についても言及しないことにしたと思われる。

 オアフの地上貯油場は、1939秋、ドイツのポーランド侵略開始後に建設された。1941-10時点で迷彩塗装が完全には終わっていなかった。(ものすごいクリアーな空撮写真がある。ビルディングにみせかける偽装がタンク2基については完了しているのがわかる。)
 つまり普請だけなら2年でできたとわかる。しかし1942以降は人夫不足が大ネックとなったはず。太平洋の海軍施設工事は、シービーズがやるしかなかった。

 以下、いろいろ余計情報も混ぜる。
 1941-12時点で太平洋にあった米海軍の給油艦の能力は合計して76万バレルだった。

 ハワイと西海岸の間の航路を日本の潜水艦は狙わなかった。1941-12から1942-10のあいだに、たった19隻の商船が雷撃されているだけである。そのうち15隻は1941-12に狙われた。そしてほとんど戦果はなかった。

 ドイツは12-11に対米宣戦布告し、西大西洋で、Uボートによって391隻の商船を沈め、うち141隻はタンカーであった。おかげで1942年には米国所有のタンカーの四分の一は沈められてしまったという。

 オアフ島の真珠港の潜水艦基地の近くにすべての重油タンクがあった。(これ以外に発電所用などの地下燃料タンクがあった。発電所と変電所はすべて地下化されていて、米海軍は日本機による空襲を1939以降、懸念していたことはまちがいない。)
 海軍用重油タンクはぜんぶで26基あり、北側に10基、南側に16基が配列されていた。

 ニミッツが書けなかったこと。
 ニミッツは1940の少将時代に、海軍ドックと海軍ヤードの総括局長だった。その立場から、真珠湾の地上重油タンクは脆弱すぎると考えて、「レッドヒル」という丘陵地の地下100フィートに、総容量600万バレルの地下タンク群を1940-12下旬から極秘裡に建設工事させていたところだった。30万バレル入りの鋼鈑内貼り式コンクリート製の垂直繭形カプセルが20基。1943年9月にぜんぶが竣工している。

 繭のサイズは天地250フィート、直径が100フィート。
 フュールオイル(重油)が540万バレル。プラス、ディーゼルオイル(軽油)が60万バレル。それが20個の繭に入れられた。

 戦後もその一部は米海軍によって使用され続けている(JP-8用とか水用などにも)。冷戦が終わるまで存在は秘密にされていた。今では英文ネット検索すれば、工事方法まで含めた全容が分かる。

 富岡定俊は正しかった。確かに米海軍は、重油タンクを地下化しつつはあった。

 おそらくは地上の油タンクが半分けしとんだとしても、新設の地下タンクの一部をすぐに代替使用開始することができただろう。
 しかし問題は、タンクの再建時間などではなかったのだ。米国のソ連に対する約束量が多すぎて、太平洋にはいまさら回せぬということだったのだ。

 米国は国策としてまずドイツを打倒し、そのあとで日本という段取りだったから、レッドヒルの地下タンクが次々にできあがっても、ドイツが打倒されるまでは、真珠港には重油はストックされ得なかったとおもわれる。それまでは、ステーションタンカー(油槽船を繋留して貯油タンク代わりにする)でなんとかなるレベルの作戦しか、ハワイからは発起はできない。ただし、豪州の港からは、いくぶんかの作戦ができたはずだ。特に潜水艦作戦には何の支障もなかっただろう。豪州フリーマントルには最大の潜水艦秘密基地があったし、ミッドウェー島にも潜水艦用の貯油槽があった。

 ニミッツが書けなかったこと。450万バレルは、太平洋艦隊を「2年半」活動させられる量の重油であった。2億5500万ガロン。

 近年判明したこの数字をもとに、いいかげんなアメリカ人たちが、ニミッツが〈真珠湾の重油タンクをやられていたら、戦争はあと2年間長引いた〉と言ったとする与太文を勝手に量産している模様である。

 真珠湾では、航空用ガソリンは最初から地下タンクだった。2万5000ガロン入りのスチール製タンクが24個、埋設してあった。水蓄式。
 富岡定俊はここでも正しい。

 当時の7000トン級貯油タンクのスチール側壁厚を検索しようと思ったが、どうしてもヒットしない。ただ、スウェーデン人のマニアのブロガーが、1インチ前後あったろうと推定している。

 貯油槽の側壁は、下ほど厚く、上ほど薄いようである。しかしいくら薄くとも「四分の一インチ」よりは厚かったはずだ。
 仮に最も薄いところが6ミリ鋼鈑だったとしても、日本機の高空からの「銃撃」では貫徹はできなかった。低空に下がれば、潜水艦埠頭に所在したPTボートからの連装12.7mm機関銃で射たれてしまう。これで艦攻が1機落とされている。

 もちろん、艦攻が高いところから6番陸用爆弾か6番通爆を撒けば、26基のうち数基は燃やせた。しかしスウェーデン人も書いているように、タンク1基の炎上で大煙幕が発生し、それ以後は艦爆だって狙いがつかなくなる。

 またタンクは1基ごとに「防油土手」で仕切られていた。たいがいその仕切りの高さは、油が全部漏れ出しても溢れぬ高さである。したがって延焼したかどうかも、誰にもわからん。

 なお米海軍の方針では、すべての貯油タンクは相互に100フィート以上離すことになっていた。

 ソ連へのアメリカの油脂供給は、シベリア鉄道の能力が意外に低いとわかってからは、ペルシャルート1本である。鉄道は米陸軍工兵隊がイラン南岸からカスピ南岸までをあっというまに敷設した。カスピ南岸からは小型タンカーでボルガ川を遡上するルートと、カスピ北東岸からさらに列車に積み換えるルートがあったと想像されるのだが、これも謎だらけ。確実なのは、スターリングラード(ボルゴグラード。今もグーグルアースの衛星写真で三線塹壕がわかる。その南端に、ボルガとドン川を結んだ無名運河も見える。この町の重要さは、町の名前とは全く関係はなかった。ヒトラーがバクーよりもボルガ遮断にまずこだわったのは地政学的に至極まっとうなのだ)までの補給が成り立ったのは、米国がカスピ+ボルガ経由で送り込んだ油脂のおかげである。

 ソ連に送り込んだ油は、英国がイラク油田の分を回した可能性もある(地中海のタンカー航海ができなくなったので、大戦中の英国は必要な油脂のほぼ全量を南北アメリカ大陸から得るしかなくなった。大宗はテキサス油)が、もしカリフォルニア石油を贈ったのだとしたら、米タンカー隊がサンフランシスコ/サンディエゴから豪州南まわりでインド洋へ送ったのだろう(この援助作戦は今日でもまだ秘密が多いのか、ほとんど詳細にはヒットしない)。よってパールハーバーに再貯蓄している余裕がないわけ。

 真珠湾の26基のタンクが全焼したならば、南雲艦隊(の一部でもいい)は、シンガポールに居座ってローテーションでインド洋のタンカー通航をゼロにする作戦を悠々と続行できた。スターリングラードがドイツに確保されれば、ドイツはボルガを下りながらバクーを占領でき(以後は河用バージでボルガ→ドン→黒海→ドナウ→南ドイツと油を搬入できる)、しかも米英からの対ソ援助は遮断できる。それはソ連の対独屈服を意味する。歴史が変わっただろう。

 今書いている地政学の本の中でそんなことも証明できるのではないかとみずから期待している。

1バレルは159リッター。

 Bill Gertz記者による2015-12-8 記事「North Korean Submarine Damaged in Missile Test」。
    北鮮が11-28に元山沖の日本海で実施したSLBM(KN-11)実験の失敗により、「新浦」級潜水艦のセイルが大ダメージを受けた模様。
 この潜水艦の正体は謎なのだが、新浦港で衛星が撮影した写真があるのでシンポ級とされている。

 散らばった破片のいくつかがこっそり米軍によって回収されている模様である。それが分析された。

 三代目はその失敗テストの前日に元山市の靴工場を見物しているから、実験には立ち会ったものと推定される。

 90年代前半にロシアからスクラップとして買い付けた「ゴルフ II」級のセイルと発射筒をコピーしたもので、たぶんセイル内に1本か2本であろう。

 ウィキリークスがばらしてくれた米政府の文書によると、北鮮はセベラル年前にロシアから「SS-N-6」そのものを1基、調達したという。

 次。
 Jose Pagliery 記者による日付不明のCNN記事「Inside the $2 billion ISIS war machine」。
     ISは2014の一年間だけで、20億ドルもカネを集めたことが分かった。

 ISの兵隊は、月給として400ドルから1200ドルを得ている他に、扶養家族手当として、妻1人に50ドル、子供1人に25ドルを貰っている。これは米議会調査課がソース。
 ISは特技あるエンジニアには毎月1500ドルを給付している。これは国連の調査がソース。

 ISは無政府状態の地域を統治して住民から税金を取り立てる術を知っている、歴史上初のテログループである。

 IS支配区には800万人の住民がいる。ここからISは年に3億6000万ドルの税収を得ている。
 いったいどんな名目の税と税率があるのか。それは 所得税10%、事業税10~15%、売上税2%、預金引き出し税5%、製薬調剤消費税10~35% などなど。

 ISはこれらを「ザカト」だと称す。カトリックの「十分の一税」に相等する概念である。

 税金は、小学生以上の住民ならば全員ISに上納しなければならない。小学生は月に22ドル。中学生以上は43ドル。大学生は65ドルをISから徴収される。もちろん内戦以前にはこんな税目はなかった。

 自動車がイラク国内のIS支配区に入るためには、200ドルから1000ドルの通行税を検問の兵隊に払わねばならない。

 支配区内のキリスト教徒は「保護税」をISに納めなくてはならない。イスラム教世界ではこれを「ジズィヤー」と呼ぶ。マフィアのみかじめ料と同じである。

 イラク政府に雇われている公務員が、たとえばイラク北部に住んでいるとする。ISは彼らがティクリト市の近くまで月給を受取りに往復することを許可する。そのかわり、帰路ではその所得税として50%を納めさせる。

 住民が、他地域の家族に会うためという理由で、IS支配区から出ることは、1000ドルの「出発税」を納めれば、可能である。永久に立ち去るならば、家財が全部接収される。

 おそらく2015年のIS歳入は、80億ドルに達するのではないかと、2人の専門家が見積もっている。

 国連のFAOによればISはイラクの小麦畑と大麦畑の三分の一を支配している。そして農夫からは農機具類を奪ってしまい、それを有料で元の持ち主にレンタルしてやるのだ。

 ISは、燐鉱山、燐と硫黄のケミカル工場、セメント工場も接収している。それらの売上高は、合計すると年に13億ドル。

 ISは油井と精油所も押さえたが、メンテナンスのできる技師が足らず、そのため、2014年には5万バレル弱しか生産できなかった。これは平時のフル生産力の半分以下である。それでも1日に160万ドルの売上げになるる

 2014年の原油価格は1バレル80ドルだった。ISは、原油を20ドルで闇ルートに流す。

 ISは敵にだってちゃんと石油を売ってやる。アサド政府は都市に給電するための重油を必要としている。反ISゲリラは、車両のための軽油が必要である。ISはそれらの買い手を断らない。

 つまり昼間はドンパチしているが夜になると売り買いのビジネス・パートナーなのだ。地域のプレイヤー全員が腐っている。

 ロシアは先週、トルコ政府がISから闇石油を毎日150万ドル分も密輸入しつつあるとすっぱぬいた。

 石油精製は固定施設でなければできぬということはない。車載の製油プラントがあるのだ。これで原油を蒸留できる。その能力を合計すると、1日に500バレルの石油製品になるだろう。

 米財務省によると、ISはイラクやシリアの銀行を占拠して、そこから2014年に5億~10億ドルの資金を奪い得たのではないかという。

 中東には個人預金だけを預かる銀行(私設の闇銀行?)があるが、ISはそこには手をつけないという。

 昨年陥落したモスル市には、イラクの国家中央銀行の支店があった。その金庫にあった4億5000万ドルのキャッシュと金塊は、ぜんぶISが奪った。
 ISはその金塊から「ISの金貨」を鋳造中であると発表している。

 ISは人を誘拐して係累から身代金を集めるビジネスも並行して展開中。2014年には2000万ドルから4500万ドルになったはずという。
 フランス、イタリア、スペイン政府は、身代金の支払いを許容している。

 ※ニミッツ提督は、もし真珠湾の450万バレルの重油タンクを12.7mm機銃によって炎上させられていたら、西太平洋域の米艦隊に給油してやることが2年間できなくなり、それだけ対日戦争は長引いただろうと言った。これはおかしい。ならば何故ドーリトル隊は小学校を12.7mm機関銃で掃射する代わりに、徳山海軍燃料廠を炎上させようとは試みなかったのか? 重油はそんなに燃えやすいものではなく、貯油基地には消防隊がいただろう。

「経済発展の不均衡は 恐慌と戦争によってしか均されない」by レーニン

 David N. Livingstone記者による2015-12-4記事「Stop Saying Climate Change Causes War」。
  英国のチャールズ皇太子が11-23にスカイニュースのインタビューに答えて、シリア内戦と気候変動とを結びつけていた。
 5~6年続いた旱魃が内戦の大きな原因だというのだ。

 米大統領選挙に出るつもりのバーニー・サンダースも、その数週間前に、テロリズムと気候変動は直接の関係があると語っている。彼に言わせると、気候変動こそがこれからの米国の最大の脅威なのだそうだ。

 『気候戦争』の著者グイン・ダイヤーは書く。地球平均気温が1度上がれば、失敗国家の数がそれに比例して増える。それが紛争と戦争を呼ぶだろう、と。

 こうしたセンセーショナリズムのさきがけは、2007年放映のナショナル・ジオグラフィックのテレビスペシャル番組『6度で地球が変わってしまうぞ』だったかもしれない。
 このドキュメンタリーいわく。平均気温が摂氏2度上昇すれば、ボリビア人は都市から郊外へ脱出せざるを得なくなる。なぜなら飲み水が足りなくなるからだ。平均気温が4度上がると、世界中で経済破綻と紛争が始まり、暑さから逃れようとする難民が、北ヨーロッパやニュージーランドを目指し始める。1度上がるごとにそうした現象が拡大して行く……んだそうである。

 もっとさかのぼると、1988-6にトロントで開かれたコンヴェンションが、大気変動の科学研究と国際安全保障政策をストレートに結びつけさせた。簡単に言うと、各国政府は軍事政策研究に投じている予算の一部を気候学者の給料に回してください、と訴えた。

 2007年に英国のベケット外相(♀)は国連安全保障会議にて、気候変動問題=安全保障問題だと演説した。

 軍事シンクタンクのCSISとCNASもリポートを出した。いわく。気温が2.6度上がれば、宗教とイデオロギーが社会をモラル革命におとしいれる。5.6度上がれば、終末信仰カルトが勢いを増し、移民とマイノリティは攻撃され、資源をめぐって国内外で紛争が激化しよう、と。

 今日流行のキチガイたちにはちゃんと先輩がいるので紹介しよう。1867年にジョン・ウィリアム・ドレイパーさんは『米国南北戦争の歴史』という本を上梓した。ドレイパーさんは1850年から73年にかけて、ニューヨーク大学の医学部大学院を総攬しておられた御方である。この人にいわせると、南北戦争の原因はただ一つ。南部と北部では気候が違ったから――であった。北部は気候的に奴隷を受け入れず、また気候がユニオニズムに人心を誘導するのだ。南部は気候的に奴隷農業に向いていた上に、気候が人々を分離独立志向にしていたのである……と。

 暴力や不法や反道徳が、ぜんぶ天気のせいにできてしまう。今進行しつつあるブームはこの政治的無責任レトリックに乗っている。

 正気の人々もいる。
 コロラド州立大学の研究チームや、オスロの平和研究所の研究者は、アフリカの内戦はぜんぶ気候が原因だとするきちがい理論に反論している。

ダーク・ルネッサンス

  ストラテジーペイジの2015-12-4記事「Korea: Rooting For The Assassins」。
  三代目を爆殺しようとしたプロットが露顕した――と、ここ2ヶ月間、北鮮内ではもっぱらの噂だ。
 三代目がウォンサン国際空港を視察する予定が、直前になってキャンセルされた。それは、空港建物の天井裏に爆発物が仕掛けられているのが発見されたためだという。

 十年前に北鮮では「三頭の熊」とかいう幼児用の歌謡が作曲されたのだが、さいきん、党幹部のティーンエイジャーの息子たちは、これを「熊三代のつづけて大失敗」とかいうプロテスト・ソングに改変して、その替え歌を流行らせている。

 北鮮の少年たちのあいだでは、文字も文章表現も発音もすべて韓国風にするのが流行している。世界で〈韓流〉がじっさいに存在するのは北鮮内だけのようだ。

 北鮮には結婚仲介屋というのがいるのだが、彼らマッチメイカーたちが感じていることは、いまや北鮮内の社会ヒエラルキーには革命が起こった。
 すなわち、かつては北鮮では、亭主の人気職業としてランキング1位だったのは、秘密警察幹部や外交官だった。それが女たちにとっては理想の旦那だったのだ。だが今では違う。韓国に在住している脱北済みの親戚から定期的にまとまったドル紙幣が送られてくる密輸屋の男こそが、理想の夫像に成り上がった。

 北鮮内での権力関係が逆転したのである。ながらく、北鮮国内では秘密警察がいちばん威張っており、外交官だけが外国文化にアクセスができたのだ。が、それは過去の話になった。今日では、国内では警察だろうと誰もカネモチ(闇屋のボス)には頭が上げられず、カネさえあれば外国のものは何でも手に入る。

 新興カネモチ階級は、賄賂によって、全国民が定期的に強制されているはずの農村や土木工事現場での勤労奉仕週間も、完全に免除される。この免除特権は、ほんらいは、病人と老人にしかないものなのだが。カネが法律となっている。

 2015年上半期の中共と北鮮の交易額は、前年同期とくらべて14%減少した。
 中共から北鮮への投資額は、2013年の実績とくらべて現在は2割未満に落ち込んでいる。これは2013に「核実験」があったため。

 2015-11-11、北鮮は国連制裁にもかかわらず、「防爆仕様の装甲ベンツ」を1台輸入することに成功した。三代目を狙うIEDに耐えてくれる。車内には冷蔵庫付き。

 自動車や大型液晶テレビなどは贅沢品とみなされ、国連は北鮮がそれを輸入することは許さないとしている。しかし三代目はそうした贅沢品をいろいろと輸入して特権階級に配ってやらないと、政治生命が保てない。

 ロシアと北鮮は11-26に合意。相互に、逃亡者を国籍国の官憲が追捕したり、本籍国にすみやかに連行することに、協力する。
 ただし露側から北鮮領へ逃げ込むロシア人などほとんどいないので、これは北鮮人が大量にロシア領へ脱出していることを示している。

 また2015-12-1にロシアと北鮮が合意。ロシアは北鮮に電力を売る。ロシア国内で、北鮮国境までの送電鉄塔の建設を開始する。しかし給電が実現されるのは、今から何年も後になるであろう。

「読書余論」 2015年12月25日配信号 の 内容予告

▼防研史料 軍令部臨時欧州戦争軍事調査部『第二次欧戦調査資料 戦訓及所見竝ニ参考資料 第六輯』S20-4-9

▼防研史料 柴田文三中佐『基地航空作戦ニ関スル戦訓』

▼防研史料 海軍航空本部『戦訓資料(航空)』S20-9-25
 日本の戦闘機第一主義は、「空中戦第一主義」。米のは、「戦闘機万能主義」。すなわち、戦爆であり、戦偵であり、局戦であり、夜戦もこなしたのだ。

▼防研史料 『一八九二来欧州諸国現用野山砲兵』
 原題“L'ARTILLERIE DE CAMPAGNE ET MONTAGNE DANS LES ETATS DE L'EUROPE” これをM26-9-25に訳出。

▼R・M・コナフトン『ロシアはなぜ敗れたか』邦訳1989
▼大江志乃夫『日露戦争と日本軍隊』
▼堀元美『帆船時代のアメリカ』朝日ソノラマ
 ※上巻の途中まで。

▼『海軍 第四巻 太平洋戦争への道』S56
 ※後半。
 第四艦隊が襲われたS10-9-26の三陸沖台風に匹敵するものは、S19-12-18のルソン島東沖で米第三艦隊を翻弄した台風だけだろう。
 台風の目が通過した直後に逆風によって異常な三角波が立つ。このくらいの極限状況になると、もはや乗員には1人の船酔いも発生しない。

 海軍直轄の傍受基地、東京電信所大和田受信所。S12-7-10に北京在勤の米国海軍武官からOPNAV(米海軍作戦部長)宛てのP電=緊急信を傍受した。解読してみると、当夜19時を期して宋哲元の二十九軍の青年士官が現地協定を無視して日本軍を攻撃するという。陸軍省へ伝えてやったが、陸軍省の「副官」が信じずに、握り潰された。

 S15年・海戦要務令・続編・航空機の部・草案。「開戦劈頭における第一撃は奇襲成功の算大なるのみならず、その成果は爾後の作戦の成否に影響する所大なり。先制の利を獲得し敵の不備不意に乗じ速かに敵航空部隊主力を撃破するを要す。」※国際法を破れと規定しているに等しい。作戦あって戦争なし。

▼山内進『北の十字軍』1997-9
 ※マッキンダーのドイツ脅威論を理解するのにこんなに役に立った資料は無いです。そして今日では地球気候変動原因説で十字軍運動の多くが説明できるように思います。

▼三浦權利[しげとし]『図説 西洋甲冑武器事典』2000-2
 ローマの騎兵は、馬鎧を、Cathaphractes(ラテン語で、カタフラクテース)と呼んでいた(p.199)。※これが日本語の「かたびら」の語源ではないのか? 裏をつけない布製衣類の総称として、早いのは『枕草子』33、説教の講師の服装として「かたびらいとあざやかにて」と出る。

▼藤井嘉雄『松本藩の刑罰手続』H5
 江戸時代の武家では、10歳までを「幼少」、11~17歳を「若年」という。
 庶民は、15歳未満を幼年、20歳までを少年、30歳までを若年とした。

 幕府の文書で「以下」とあるときは、現今の「未満」の意味であった。
 量刑が「遠島以下」ならば、遠島は含まれないわけである。

 伊豆七島は、近いところから開発が進んだ。そのため寛政年間には、三宅、御蔵、八丈しか流刑適地はなくなった。幕末にはその三島も取締りが不安になって、文久3年からは蝦夷地と隠岐のみに。

 遠島は絶対的不定期刑であって、受刑者をして社会復帰の期待性をもたせるというような刑罰ではなかった。ただひたすらに「赦」を待つだけ。ただし原則として20年未満では「赦」はありえない。

▼経済雑誌社pub.『国史大系第十六巻 今昔物語』M34
 ※巻第26の続き。
 利仁将軍若時従京敦賀将行五位語。※有名な「芋がゆ」のエピソード。学校の古文の教科書ではわからないが、長芋1本持参を命じられた住民たちは厭々やってるのではなくて、京都の貧乏貴族の客人の様子を見てみんなで面白がっているのである。けっきょく芋粥は彼らが平らげることになるのだから誰も骨折り損とはなっていない。おそらくこの話が古文でよくとりあげられる真の理由は、貴族の時代が終って地方を自力で開発している武士が駘頭してくる、国家社会の変わり目を、マルキスト史観によって示したいのである。前後をカットすると利仁はただの暴君で、住民もただ搾取されている存在のように見える。新興階級が新しく駘頭するのは、それが上下から歓迎されたからこそなのだ。貴族は何の能もないのに収賄によって潤い、農民も生産力余剰の恩恵を蒙っている。そこを読み取らないといけない。

▼大原 雅ed.『花の自然史――美しさの進化学』1999-3
 コウモリと蛾は、鳥よりも遅れて森にデビューした。だから鳥から食われるおそれがあり、それを避けるために夜行性化した。
 植物は、日照の長日化や短日化を15分単位で感知できる。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

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