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時間が無くて推敲してない文章ですが……トランプ・ファンの馬鹿保守が増えそうなので緊急UP。

 米国のシンクタンク、ブルッキングス研究所に所属するトーマス・ライト氏が「Trump’s 19th Century Foreign Policy」というタイムリーな一文を2016年1月20日にインターネット上にアップロードしている。
 このエッセイは、16年11月に決まる次の合衆国大統領の選挙に、共和党の公認候補となって臨むかもしれないドナルド・トランプ候補(この時点で共和党系立候補者中の人気ナンバーワン)が、およそ地政学の教養とは無縁な人物であることをよく教えてくれる。ここで紹介する価値があると思う。

 ドナルド・トランプは思いつきで物を言っているように視聴者から思われがちだけれども、彼の過去30年の発言はいちいち記録に残されており、それを調べると、昔から確信思想のセットをブレずに保持していることが判るのである。彼の世界観は、30年間成長をしなかった。

 よく引用されるトランプの外交ポリシー。
 たとえば、
 イラクの油田はアメリカが支配してアメリカのために使おう。
 在韓米軍は撤収させる。
 メキシコ国境には万里の長城を築いてやる。
 プーチンの強い指導力は賞讃に価する。

 これって要するに、19世紀に戻りましょう、ということである。

 彼が第一に不満に思っていること。アメリカ軍は自腹を切って海外にコミットしすぎている。アメリカ国民の多額の税金がまったく外国のために使われており、アメリカ合衆国には一文の得にもなっていない。そのような税金の使われ方は不愉快である。

 米国は世界経済のせいで不利益を被っている。

 トランプは、独裁者が好きである。独裁政治が好きである。

 米国が主導するリベラルな世界秩序。そんな負担も責任ももう願い下げだ。
 1987年にトランプは10万ドル払ってNYTに全面意見広告を載せた。そこで全米の読者に向けて問うたことと、今、選挙民に向けて演説していることとは、ほぼおんなじだ。

 トランプは突然変異種なのだろうか?
 そんなことはない。彼にはよく似た先達が居る。
 1940年、48年、52年の三度、共和党から大統領選挙に立候補していずれも敗退した保守派のリーダー、ロバート・タフト上院議員と、トランプの志向性は酷似している。

 このタフト氏は1941年、ドイツと戦争中の英国に米国が財政支援することに反対した。
 WWII後は、米国の貿易を拡大しようというトルーマン政権の方針に反対した。
 反共ではあったが、西欧防衛のためにわざわざ米軍が出張してソ連を封じ込めてやる必要などはないと考えていた。西欧は自分たちで防衛すればいいし、それができなければ、アメリカが知ったことではない。だからNATO条約にも反対した。
 すなわちロバート・タフト上院議員は、現代アメリカ政治史上で、集団安全保障に本質的な疑問を投げかけた、最後の大物であった。

 独裁者に親近という点では、飛行士ヒーローのチャールズ・リンドバーグも先達だ。リンディは孤立主義標榜団体を率いていた。

 19世紀にはすべての国が輸入関税を高く設定し、自国だけ儲かれば良いという重商主義の道を邁進していた。


 2015夏にトランプは Bill O’Reilly に向かって言った。メキシコ国境には壁を築けばいい。万里の長城は1万3000マイルあったろ。〔=2万917km。しかしこの数値は中共政府による近年のフカシであり、現存遺構は6259kmしかない。ちなみにメキシコ国境は3145km〕。

 1990に米『プレイボーイ』誌は、もしあんたが大統領だったら、と訊いた。
 それに対するトランプの答え。
 俺はとにかく軍隊を強化するね。そして、ロシアを信用しないと同様に、同盟国だって信用しない。なぜ世界で最も裕福な国〔バブル末期の日本を指す〕を、何の見返りもなく、アメリカが防衛してやらなくちゃならないんだ?
 アメリカは世界一のカネモチ国になった日本を防衛しているが、これは笑いものだ。
 世界の笑いものなんだよ。
 日本だけでなく他の同盟国たちもだ。そのためにアメリカ国民が500億ドルも毎年負担し続けているなんて。これらの国々はもしアメリカが同盟国でなかったならば15分で地上から消え去るような存在だ。それがわれわれからカネを毟り取っているんだぞ。

 トランプは、アメリカが同盟国たちからいいように利用されているのだと昔から信じている。
 合衆国は他国を防衛などする必要はないし、もしそれをするのならば、しっかりと代価をその国から受け取るべきであるという。
 同盟国は、アメリカにカネを払え。防衛してもらっているカネを払え。

 過去、トランプから最も攻撃されてきた外国が日本である。
 1987の 米国民への公開書簡 の中でも、特に日本を問題視した。〔日本のバブル景気は1985から始まっている。〕
 アメリカの財政大赤字を、日本のカネで埋めるべき時だ、とトランプは主張した。

 世界防衛のためにアメリカがしている努力は、これらの国にとっては数千億ドルの価値があるはずだ。そしてこれらの国はその金額以上の利益をこうむっているのだから、数千億ドルをアメリカへ支払うべきだ。

 現在の選挙期間中もトランプはまた「反日本論」を持ち出している。日米安保条約は見直すとトランプは言う。
 誰かが日本を攻撃したら、われわれはすぐ出て行って中共と第三次世界大戦をはじめなければならない。しかしわれわれが攻撃されても日本は助ける必要はないという。これは公平か?

 2013には韓国を攻撃した。
 いったいいつまでわれわれは韓国を無償で北鮮から守ってやるのだ? 韓国人はいつ防衛費をアメリカに払ってくれるんだ?

 現在のキャンペーンでも、NBCのインタビューに答えて、北のキチガイから韓国を守ってやるために2万8000人の米兵を無償で韓国に貼り付けているが、その費用に見合った米国の利益は実質何も無い、と言っている。

 数年前には同様のことを在欧米軍についても言っていた。
 ここで Thomas Wright 氏いわく。しかし同盟国は米軍基地を守るためのコストを負担しているんだが。
 また米軍の事前展開により地域が安定化されているという絶大なメリットがあるんだが。
 危機のたびに米本土から軍隊を派遣していたら、コストはこんなもんじゃすまない。

 トランプが昔から言い続けている台詞。アメリカは勝っていない〔損を得が上回っていない〕ぞ、と。

 アメリカがカネと人を出しながら、その対価を金銭で得ないことを、事業家のトランプは「敗北」と考えるわけである。

 海洋および空、宇宙をグローバルコモンズとしておくためのコストも、トランプは負担したくない。
 トランプにいわすと、FONOPも無料でやるべきではない。

 では被保護国はアメリカに幾ら払えばいいのか。オプラウィンフリーに1988に答えたところでは、クウェートは原油収入の25%をアメリカに払うべきであると。
 そしてもし彼が大統領になったら、これら諸外国からみかじめ料を取り立てまくるつもりであると。

 1987の彼の宣言。これらの被保護国にこそ、アメリカは税金を課せ。アメリカ国民にではなく。

 彼はNAFTAにも反対だしTPPにも反対。
 もし19世紀の関税政策に戻ると、世界経済は降下スパイラルに入る。しかしトランプは気にしない。

 興味深いのは、トランプはロシアと中共を敵だと言っていない。ISやイランは批判するが、露支へは悪口を言わない。
 ※ケリーの最近の本でも中共のことはスルーしてるし、ロシアはすでに獲得した領土を守りたいだけだから「ミュンヘンの教訓」などあてはまらないと主張している。

 トランプは、強くてタフな指導者を愛するのである。
 1990にトランプはゴルバチョフは弱いと批判し、天安門の措置は称揚した。
 これに対してプーチンは2015-12に、トランプが大統領になれば歓迎だと発言。

 TV番組“Morning Joe”での、 Joe Scarborough とのやりとり。
 プーチンは反対派のジャーナリストを殺しているというが、アメリカだっていろいろ殺してるだろ。

 もしトランプが大統領になったら、ロシアに中東テロを鎮圧させ、見返りに欧州をくれてやるだろう。

 トランプは『NYT』記者に、シナ商品には45%関税をかけてやる と言ったが、その後、撤回。

 彼が大統領になったら、バルト海も尖閣もアラビア半島も守らないだろう。 そして日本は核武装するだろう。

 大統領ニクソンは、ブレトンウッズ体制を守るコストを嫌い、単独でそれを破棄した。
 すなわち、スタグフレーションを止めようと、1971に彼は、どの同盟国にも相談なしに、金ドル兌換を停止したのだ。
 これでブレトンウッズ体制は終わった。
 ニクソンもキッシンジャーも、ストロングマンスタイルの政治や政治家が大好きだった。
 しかし中共を「開国」させたことで、地政学的にソ連を追い詰めた。これはニクソンの手柄。

 1940の予備選挙では、国際関係重視派のウェンデル・ウィルキーが予想外に共和党の大統領候補に選ばれた。ウィルキーが勝っていなかったら、タフト上院議員が大統領になっていた。
 ※日本の馬鹿保守が「イギリスの陰謀」とか言ってる選挙ね。けっきょくFDRが続投。

 どうも民主党候補もダメ揃いなので今回、ひょっとするとトランプが来るかもしれない。

 もういちどアメリカは、なぜ健全な国際システムが必要なのか、一から説明されなくてはならない。
 ※というわけで今年は地政学論争が起きる。トランプは「米支密約」を知らない。またスパイクマンが強調した「空軍基地をユーラシアに近い島国に置かせてもらうメリット」、そしてマハンが強調した「海軍基地を敵交通線の近傍に保持することのメリット」も学んでいない。2月末に徳間書店さんからとてもわかりやすい兵頭二十八の地政学を出しますので、ご期待ください。

とうとうセブンイレブンで顔を覚えられてしまった。4日前の未明にドーナッツを褒めたのがいけなかったか……。

 David Archibald記者による2016-1-22記事「American Gripen: The Solution To The F-35 Nightmare」。

 なぜF-35などという失敗計画が続行されているか? それは失敗保険としての「第二案」は当初から用意されなかったためである。他に選択ができないのである。

 DoDは、F-35のコストが高くなる一方なので、調達機数の削減を検討中である。

 米空軍と海軍と海兵隊の現役戦闘機は、1977から1992の間につくられたものがほとんどだ。

 F-22はまだ十歳で若い。しかし1時間飛行させるために42時間の整備時間がかかっている。その整備作業の半分は、レーダー吸収コーティング材(RAM)の塗り直しである。それで稼働率は63%という。F-22のパイロットは、1ヶ月に10時間から12時間しか飛行できていない。理由は、1時間飛ばすのにも5万8000ドルがかかってしまうという高すぎる運用コスト。
 しかしこれは大問題。なぜなら、1ヶ月に最低でも20時間飛んでいないような戦闘機パイロットは、第一線レベルの技倆を維持できるはずがないから。

 というわけで、失敗作F-35の代案としての「F-22の生産再開」は、候補から脱落する。

 F-22のコストは、ロシアやシナと戦う前に、米国人の手で米軍戦闘機勢力を半分撃墜してしまったのだ。なぜなら空軍では新戦闘機を750機調達したいと計画していたのに、コストが上がりすぎたため、187機で打ち止めになっちまったからだ。その上、稼働率6割である。

 米空軍は現状では機数が足りないと思っているので、F-16とF-15を追加調達しようと真剣に考えている。しかしそれも解決にはならない。前の空戦コマンドの司令官、マイク・ホステジ将軍は言った。「F-15とF-16を心ゆくまでリファービッシュできるだけの予算を空軍が貰えたとしよう。それでも、次の5年で、わが空軍部隊は、敵の最新式の有力な部隊に凌駕されてしまうはずだ」。※誰がこんな電波証言を信じるんだ?

 1999のボスニアではF-117の被撃墜率は、F-16よりも高かった。
 ステルス機は、他の電子妨害専用機に支援された時だけ、ステルスだったのだ。

 F-22もF-35も、敵のXバンドレーダー、すなわち周波数が7.0ギガヘルツから11.2ギガヘルツのレーダー波に対して、最大にステルス性が発揮できるように設計がされている。

 ところが今日では赤外線による遠距離捜索&監視技術が進歩してしまい、F-35は60マイル以上も先から、そのエンジン排気熱を捉えられてしまうのである。

 スホイ27系列の最新のスホイ35は、赤外線による遠距離捜索センサーと、Lバンドレーダーを搭載している。

 Lバンドより低い周波数帯のレーダーは、ステルス機を100マイル以上先から探知できる。つまりスホイ35はF-35を相手より先に発見できる。

 1950年代、米空軍は英国の「イレクトリック・キャンベラ」爆撃機をライセンス生産させてもらって、「マーティンB-57」にした。
 この機体がどれほどすぐれていたか。40年間アリゾナ沙漠の「骨墓場」に並べておいたものを近年またひっぱりだしてゲリラの携帯通話監視飛行機に改造したものが、ちゃんとアフガン上空で役に立っているのだ。

 そしてB-57から30年後、海兵隊はこんどは英国のハリヤーに惚れ込んだ。それは1985からマクダネルダグラス社により「AV-8B」として製造された。

 F-35の大問題も、外国機が解決してくれるだろう。
 スウェーデンのサーブ社の「グリペンA」は1988にデビューした。いま、その最新型が「グリペンE」である。

 エンジンは単発。デルタ翼+先尾翼。
 かつて米空軍も「コンベアF-106デルタダート」という三角翼機を持っていたが、1988に退役した。
 F-16をデルタ翼化するXLという良い案もあったのだが、これはF-22に予算を回すために潰されてしまった。

 シミュレーションがある。グリペンEは、スホイ35を、F-22とほぼ同じレートで撃墜できるのだ。
 グリペンEが1機やられる間に、スホイ35を1.6機撃墜できるのだ。同条件でF-22ならば、スホイ35を2機堕とせるという。

 スホイ35は、1対2.4の比率でF-35を撃墜できるという。

 そしてスホイ35は、F-18スーパーホーネットを、1対8の比率で撃墜できるという。この証言者は、先述のホステジ将軍である。※だったらぜんぜん信用できないってことだろ。

 旋回率を比較したグラフがあるのでごらんいただきたい。グリペンの持続旋回率と瞬間旋回率は、米欧露のすべての戦闘機に勝るのである。
 ※この記者はスパホは重すぎて旋回率が悪いので空戦で勝てないと言いたいらしい。AWACS時代にドッグファイト? だったら三葉機時代に戻れば?

 ミサイルは外れるものである。パイロットの技倆が等しいとき、旋回率で「2度/秒」まさった機体は、空戦を支配できる。

 瞬間旋回率の高さは、敵AAMをひらりとかわす機動を可能にする。

 グリペンEには、米国製の「GE F414」エンジンが搭載されている。これはスパホと同じものである。

 スウェーデン政府がグリペンEを調達しているその単価は4300万ドル。いまのところF-35の三分の一以下の値段。
 運用コストになると、グリペンEは、F-35の十分の一以下。

 サーブ社と組んでいる相棒企業は、ボーイング社である。
 ボーイング社は、今セントルイス工場で製造しているスパホの受注が途切れたら、戦闘機企業ではなくなってしまう。なぜ、グリペンEの採用を、提案しないのか。

 じつはF-22のコンペのとき、ロックマート案よりも、ノースロップ案(YF-23)の方が、高速でしかもステルス性が高かった。しかしノースロップ社はB-2を製造することになっていて、同時並行的に戦闘機の製造まではできないだろうと配慮されて、ロックマート案に決まったのだ。※今なら訴訟だな。

 これを復活させるという選択も考えられていいだろう。※結果は目に見えている。あたらしいソフトウェアがやたらに盛り込まれようとし、その結果、永遠に完成しない。

次。
 David Hambling記者による2016-1-15記事「Tomahawk Missiles Will Get Twice As Deadly By Blowing Up Their Own Fuel」。

 多忙すぎて訳しているヒマが無いが、巡航ミサイルやテロに関心がある人はこの記事は必読である!
 巡航ミサイルが燃料半分残して標的に到達したとき、その残燃料のJP-10を瞬時にエアロゾル化して大気の酸素と最適混合させて轟爆させてやり、弾頭のPBXN-107×1000ポンドに加えて、サーモバリック爆弾にもしちまおうというものすごい技術が実現一歩手前に来ている。
 さいきんは三次元ケミカル挙動シミュレーションソフトが向上してきたので、こんなすごいことも現実的に考えられるようになったのだ。

 この技術のどこがおそろしいかというと、普通の乗用車だって、その燃料タンクの残燃料を使うことで、爆薬数トンを搭載した「特攻自爆車」と同じ有力兵器になっちまうんだよ。すべての自動車が大量破壊テロ手段と化す。列車のタンク貨車とか、どうなるのよ? タンクローリーだったらどうなる? 早く対策を考えなくちゃね。

 ちなみにこの記事の中に出てくる「BTU」という単位は、1ガロンの水を華氏1度上昇させられる熱エネルギーのこと。その数値が大きいほど、少容量の燃料で、遠くまで巡航ミサイルを飛翔させられる。この数値が最大である燃料JP-10をトマホークのブロック3は1000ポンド搭載しているのに、到達できるのは800マイルだ。シナ人が造ったパチモンの巡航ミサイルが、それ以上飛ぶわけねえだろうという常識を、読者は働かせてもらいたい。

 ※その他の、注目すべき最近の動き。自衛隊が南シナ海に出張できないようにするための中共の工作が必死レベルになっている。比島に天皇陛下が行幸なさるのにケチをつけるべく、米系コリアンを駆使してまたぞろ「バターン死の行進」の蒸し返しをさせようとしている。また尖閣領海内で小戦闘をおっ始めることで南シナ海どころではなくそうという策動もある。いやむしろそれ、望むところなんですけど。

わたしの名を騙る不法サイトがあるらしいのでご注意ください。わたしはフェイスブックには関与していません。

 わたしの名を勝手に名乗って肖像写真まで載せている違法サイトがあるらしいので十分にご注意ください。わたしはフェイスブックには加入していません。

 フェイスブックは、工作員が個人情報を抜くのにしばしば利用されています(過去記事をご参照ください)。わたしは今後もかかわることはないでしょう。皆様も、偽サイト等にはくれぐれもご用心ください。

  平成二十八年一月一七日  兵頭二十八

さすがに四回も放射性塵が捕捉されないのは怪しいと世界が疑い出した。

 Vanya Eftimova Bellinger記者による2016-1-11記事「Five Things You Didn't Know About Carl von Clausewitz」。

 クラウゼヴィッツはあまり自己の戦場体験については書き残さなかった。しかし親しい知人たちにはかなりのことを喋っていた。
 こうしたことは、ドナルド・ストーカー著『クラウゼヴィッツ――その生涯と著作』の出版のおかげで、知られるようになった。クラウゼヴィッツの個人情報がずいぶん掘り下げられつつある。

 彼の時代、個人史、執筆の習慣について新発見が続いている。どうやら、マリー未亡人や友人たちが、本人の死後、クラウゼヴィッツのキャラクターについては世間に対して隠蔽することにしたようなのである。個性的な軍人としてではなく、純粋な軍事理論家として、歴史にとどまらせたいと、遺族や関係者は、望んだのだ。

 マリー夫人の手紙多数が発掘されている。そこからわかることは、クラウゼヴィッツは「物の整理」の悪い男だった。ゴタ少年だった。大事な書簡、それどころか、参謀勤務将校として絶対にうっちゃらかせないはずの軍用地図まで、どこに置いたか忘れてしまうのであった。マリー夫人はこの亭主の性格については、ず~っと腹を立て通しだった。

 クラウゼヴィッツは、著作中に自分が思いついたことについてマリー夫人と話し合うことがあった。ところが、そうした構想や討論結果などを、きちんと紙に書いておくということはしなかった。

 また彼は自分が書いた草稿にしじゅう手を加えたが、そのやり方がゴタ。余白に書き入れたまま、清書はしない。あるいは、長い「サシカエ原稿」をつくって、やはり、それをそのまま放置。死後に原稿整理する者たちとしたら、どっちの文章を決定稿として採用したらいいのか、どこに何を挿入または差し替えまたは消去をしたらいいのか、判断できない。

 1826年よりあと、クラウゼヴィッツは、公刊されていた『ユルザン公女に宛てたメントノン夫人の書簡』の内容に依拠しながら、スペイン継承戦争についての分析を試みた。
 クラウゼヴィッツは、〈女の言葉だからといって価値が無いわけじゃない〉と弁駁している。しかし別なところでは、このルイ14世の仏宮廷中枢を知っていたメントノン夫人につき、「国家や戦争については何も分かっていない」と評してもいる。

 1815年のベルギーでの作戦の準備にかかっていたときクラウゼヴィッツは、アマチュア画家でもあったマリー夫人に、「当地の田園風景はすべて絵のようです」と手紙を書いている。

 ジョン・キーガンはかつて、クラウゼヴィッツが祖国では受け入れられず、生前に名誉も与えられなかった、と書いたものだ。これは間違いだ。
 1820年代を通じて、彼は陸大の一室にひきこもって執筆していたわけではない。彼とマリー夫人は、ベルリンの錚々たるサロン複数に頻繁に出入りしていたことがわかってきた。クラウゼヴィッツはベルリン政界の中心で意見交換の機会を常続的に持っていたのだ。

 1820年代後半に書かれたクラウゼヴィッツから親戚に宛てた手紙。とうじ、彼の「貴族身分」が国王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世から公式に承認されたのだが、クラウゼヴィッツ本人は、正式身分が何だろうと拘泥はしていなかった。むしろ陸軍少将にして陸大校長という地位は自分には過分だと思っていた。だが、彼の姪の将来のことを考えて、貴族身分の公証を欲したのだということが、手紙から分かるのである。

 1815にグナイゼナウに宛てた手紙。クラウゼヴィッツの部隊は当初、ルマンの市民から歓迎された。しかし、百年戦争いらいひさびさの、徴発、接収、将兵による市民への侮辱が続いた結果、これら住民の心はたちまち進駐軍から離反し、いまや暴動、反乱の気色すら示している――と。

 次。
 ストラテジーペイジの2016-1-12記事「The Quiet War In The Internet」。
   アラブ語のインターネット空間を観察していると、面白い事実が読み取れる。
 ほとんどの書き込みは、スンニ派による、シーア派の悪口なのである。
 まあ、世界のイスラムの8割はスンニで、シーアは1割だから、とうぜんなのだが。

 そして書き込みによれば、イスラミック・テロなどという報道はすべてシーア派のプロパガンダであり、事実無根の嘘デタラメであるらしい。
 もちろん、世界のイスラムテロの90%はスンニ派によって起こされているのが現実である。

 ちなみに、投稿者たちの住所のほとんどは、アラビア半島。すなわちGCC諸国からである。

 この両派の闘争をけしかけているのは、両派の聖職者たちである。かれらは、どぎつい、耳障りなメッセージを、テキストや、音声、そしてビデオ形式で信者たちに配信し、自派を擁護し、他派を攻撃している。

 テロリストは西側諸国内におけるツイッターが最高の宣伝道具だと発見した。テロ扇動の文言が発信されたとき、それにレスするのには、何のおとがめもないのである。これを使えば鉄砲玉もリクルートできるわけだ。
 ようやく米国務省は、これは問題だと認識し始めた。
 そして、アラブ語のできる人材を雇い、「釣り」のレスをさせて、テロリストの捕捉に結びつけるようにしつつある。

 すなわち、スンニ派を嘲罵するレスをわざと書き込ませ、それに釣られて書き込む奴らの発信源をぜんぶ、当局が把握するという寸法だ。

 テロ組織はフォロアーに対し、こうしたツイッター内の異教徒の挑発には応ずるなと警報しつつある。
 しかし、それは無理な注文。ツイッターの本質に反するからである。

 次。
 Thomas Gibbons-Neff記者による2016-1-12記事「New DARPA chip could give US a leg up in electronic warfare」。
   今のデジタル通信は、妨害電波に弱い。そこでDARPAは、超広帯域のアナログ信号を、超高速プロセスでデジタル化して利用できる新チップを開発中。これができれば、ロシアお得意の戦場通信妨害を、ほぼ無効化できる。
 スペクトラム拡散による対妨害は、昔からあるアイディアだが、「アナログ→デジタル」変換の発想は、無かった。
 従来とかく、妨害に強い「冗長通信」は信号伝送量が少ないという欠点があったが、超高速プロセシングのブレークスルーにより、そのネックを乗り切る。
 ※ちょっとまてよ。このチップが完成したら、携帯電話や地上波ラジオ放送だって、まるで違う次元へ突入できるんじゃないか? ……ちなみにわたしはいまだに携帯電話を所持したことがなく、フェイスブックのようなSNSにもノータッチです。

偶懐。

 本日、防衛省より『我が国の防衛と予算(案)――平成28年度予算の概要――』という冊子を拝領。一瞥して、暗然たるものあり。
 陸自の輸送ヘリコプターであるCH-47JA、UH-60JA、UH-60Jについては「整備」とのみあって、「調達」の字が無い。
 その代わりにV-22オスプレイを4機、447億円で調達したいとしている。

 これで「富士重工アパッチ取り消し事件」の真相が見えたと思った。

 アメリカ(これは海兵隊プッシュ案件)から「オスプレイを買え」という《赤紙》が回ってきて、防衛省は、陸自のヘリ予算枠からそれを捻出せねばならなくなった。それで、政治力の弱い富士重工に泣いてもらった――ということなのだろう。あってもなくてもどっちでもいいAH-64Dアパッチのライセンス国産だけでなく、なくてはならぬ名機CH-47系のラ国まで切り捨てたカネで、ティルトローター機の完成品輸入を実現したのだ。もちろん飴も準備された。新哨戒ヘリコプターの開発と、新多用途ヘリコプターの共同開発に、富士重工の便宜を図ってやることだ。
 この真相を今までインサイダーが誰一人、漏らさなかったというのには、感心せざるを得ない。正社員さんはホント、奴隷だね。

 ところで陸自の輸送ヘリは、なにも尖閣有事のためだけに運用されるものではない。殊にCH-47系列は、国内の激甚災害救助のさいに最も頼りにできるヘリコプター戦力であるし、これからも当分、そうであり続けるだろう。
 CH-47を切り捨てて救難能力の劣るV-22を調達するということは、日本国民の福利を犠牲にしようという重大決断である。その決断には政府の説明責任が伴わなければいけないはずだ。しかるに国会でそれを質問する与野党議員が誰も居ない。

 日本は二流国である。こんなことをここで俺に指摘されるようではな……。

ソーラーライト用リチウムフェライト電池の急速普及を望む。これは北国の冬の夜景を一変させる可能性をもっている。

 ストラテジーペイジの2016-1-10記事「How To Escape From North Korea」。
 北鮮が複数の本格的トンネル工事をしているという噂は2015前半からある。
 それは三代目の脱北用トンネルだとわかってきた。
 1本は、シナ国境まで数kmの長さがあるという。
 他の数本は、脱出専用の秘密の飛行場までつながっている。

 かつてはDMZの幅5kmを潜るトンネルというものもあったけれども、今の多くの北鮮トンネルは、山の中腹に穿たれた防空壕だ。兵員や、物資をそこに隠し、米軍の空爆から守る。

 飛行場をどうやって秘密にできるのか? ハンガーとタキシングウェイは山の中腹に穿たれたトンネル部分に隠れているのである。離陸する滑走路の最後の数百mだけがオープンスカイになっている。それだけなら、偽装のしようがあるわけだ。「おつぎはスイスでござい!」※だれかカタパルトで水上機を山腹トンネル出口から直接打ち出す仕組みを売り込めよ。もちろん機内にはゴムボート付き。これでロシア海岸まで辿り着けるだろう。

 三代目の親衛隊は5万人くらいの組織である。この親衛隊の幹部が、隠し飛行場については全部知っている。退職後も特権階級生活が保証されているので、なかなか外部へ秘密をバラす者は探せない。

 次。
 ストラテジーペイジの2016-1-10記事「Prosecutors Are Told To Aim High」。
  中共は毎年10%の成長を30年続けた挙句、とうとうGDP成長できなくなった。もうすでに、終わらない悪夢が始まっている。

 ※中共は「内需」が不足してきたのである。それは2億人の農民をほったらかしにしてきたからである。ゆえに奥地内陸沙漠(年間降雨量400ミリ線よりも西側。これでシナ国土の約半分。面積は日本の13倍)の地中に、「地下トンネル農場」を分散的に建設すれば、この2億農民が仕事にありつき、あと数年の経済成長を支えてくれるはずだ。地下トンネルといっても大深度ではない。オープンカット工事をして、側面を矢板鋼で土留めしてH鋼の柱を立てて天井を鉄材で塞ぐだけ。フィニッシュは自然に飛砂が覆土してくれる。したがって低技術の地元土建屋を集めてありふれた重機・建機を投入するだけでも工事ができる。この政策的な鋼材特需で、シナの鉄製品の在庫はぜんぶ掃ける。水も、積雪山地から鉄管で引いてくる。シナでは地上のビルはすべて30年で朽敗して単なる産廃製造事業に終わるが、かかる地下耕土改造は永遠の国富の基礎となるはずだ。シナの経済フロンティアは沙漠にある。この地下渓谷は、直線状に設計せず、S字にカーヴさせておくとよい。異常気象による万一の洪水ということもあるので。

 シナ人の小金持ちと大金持ちは、手持ちの「元」預金を一刻も早く、米ドル、ユーロ、日本円のどれかに替えてしまいたいと思っているので、この通貨為替についての政府規制が緩められ、事実上のフロート制となれば、「元」は他のハードカレンシーに対して大暴落する。
 するとシナ工業が必要とする外国製部品の輸入調達費が高騰し、シナ人民が必要とする石油と食料の値段も上がる。ますますシナ政府の悪夢は加重されるしかない。
 もしもシナ政府が、34億ドルの外貨準備金を投入して「元」を買い支えようと試みても、1年持たせるのが限度で、1年後には外貨準備は消えてしまう。

 ナイジェリアとスリランカは、JF-17戦闘機を買うことにした。
 同機はパキとシナの協同開発で、シナ軍では使っておらず、これまでパキ軍だけがユーザーだった。
 組み立てはすべてパキ国内。部品の4割はロシアかシナから来る。
 ※エンジンはウクライナ製なのでシナ工場がウクライナに進出するという話もある。ロシアはシナ工場を爆砕できないのでウクライナにとっても保険になるという。

 2015-12-27に土砂崩れ災害の責任ありとされた男が自殺した。
 山東省の鉱山で17人死んだ災害でも、起訴有罪必至の責任者が自決している。

 テレビ報道の画像によれば、サウジアラビアとUAVは現在、イエメン戦線でシナ製のUAVを飛ばしている。プレデターもどきのCH-4。

 中共はパキスタンに65万キロワットの石炭火力発電所を建設してやることを2015-12-21に決めた。現場近くには炭鉱がある。※パキ内の電力供給が不十分なので、軍港も、そこからシナ領まで伸ばして行くパイプラインも、機能が発揮できないのである。

毛沢東が正しかった。中共は、沿岸部ではなく砂漠に「地下農園都市」を建設して人口を内陸へ移転せよ。それだけが経済破滅を止められる。

 巨大トンネルは暗渠水を蒸散させず、トンネル内面の地表には塩も浮いてこない。地中の塩分が水を伴って上昇しようとしても、それはトンネル外(の本来の沙漠地表)へ誘導される。トンネル内の低い人工地層では、持続的に栽培が可能だ。必要な光線は、光ファイバーを使えば得られる。
 この土木工事に、国内でダブついた粗鋼とセメントを全部つっこめば、中共は経済破局を回避できて、穏当な経済成長も続けられ、2億の農民の福利は増進しよう。
 地下空間は気温が一定なので、都市が冷暖房のためにエネルギーをムダに食うこともない。
 これ以外に良い方法があるなら、聞きましょう。

 次。
 Ankit Panda記者による2016-1-6記事「Everything You Wanted to Know About the USS Lassen's FONOP in the South China Sea」。
  マケイン上院議員の公開質問状にやっとカーター長官が答えた。
 いわく。2015-10-27に『ラッセン』はFONOPとして次のスプラトリーの拠点から12海里内を通航した。すなわち スビ・リーフ、ノースイースト・ケイ、サウスウェスト・ケイ、サウス・リーフ、そしてサンデイ・ケイ である。
 この5箇所は、中共、台湾、ベトナム、フィリピンによって領有権が主張されている。
 そのどの政府に対しても米国は通航前の事前通告はしていない。それは国際法上、普通の流儀である。

 このカーター氏の公式回答文書によって、一海軍将官が「無害通航」とコメントして、まるでスビ・リーフに中共の領土主権があると米国が認めているかのようになってしまっていた騒ぎは、沈静化するだろう。

 また、このたびのカーター回答によって重大な事実がひとつあきらかになった。スビ・リーフの12海里内に「Sandy Cay」があるのだ。このサンデイ・ケイは、帰属国こそ定まっていないものの、満潮時にも海面に陸地が出ている。したがって、国際海洋法により、サンデイ・ケイの領有国は、スビ・リーフの干潮時の海岸線を、サンデイ・ケイから発生する領海の基線となし得るのである。

 カーターの手紙の内容は満足すべきものである。しかしFONOPから56日も経ってから出したのは、遅すぎる。あたかも砂盛島も領土になるのだと米国が認めたかのように世界を誤解させた56日間であった。

 次。
 ストラテジーペイジの2016-1-7記事「Infantry: What Women Hate」。
   イスラエルの経験では、女を戦車兵にするのは無理である。必要な筋肉がなさすぎる。少し試みてみたが、それがわかったので、今はまったく排除している。

 もうひとつのイスラエル軍の発見。本隊から離れた、孤立した外哨ポストなどに男女兵を混合配置すると、かれらは歩哨としての監視任務に集中せず、まったく安全保障にならない。

 統計学的な真実。軍服を着て、武器を手にして、同じ荒っぽい作業、活動をくぐりぬけたときに、男よりも女の方が、たくさんの怪我をしている。
 これを社会は許容するか?

 女を兵隊にしろと騒ぐキチガイどもは、「それは大した問題ではない。解決できる」と主張するが、自分が軍隊に居た経験もない連中であり、具体的な解決方法も示すこともない。

 たとえばバスケットボールの世界に詳しい人ならば、次の統計命題に同意するだろう。「女の選手は、男の選手の約10倍、骨折しやすい。筋肉損傷のしやすさでも、それに準ずる差異がある」。
 そして歩兵部隊の戦闘動作は、バスケットボールの激しさに劣ることはないのである。

 歩兵部隊に志願してくる女のほとんどは、訓練開始後、数日以内に脱落する。それはフィジカルだけでなく、軍隊が要求するメンタルにも適応ができないのである。

 男と女では「骨密度」が違う。同じハードワークを続ければ、女の方が先に疲労骨折、もしくは筋骨格損傷してしまうのだ。

 男性ホルモンであるテストステロンは、それが体内に増えることによって、兵士を「決断的」にし、「警戒的」にする。それはまさに歩兵部隊の指揮官に求められている性能である。そして男は女よりも、テストステロンを多く分泌する。

 イスラエルは男女ともに徴兵してきた歴史が長い。その経験で得られた統計値。男の指揮官に遜色ない仕事ができる女の戦闘部隊指揮官の存在比率は、1.6%である。
 したがって、「アイアン・ドーム」のような高射砲兵部隊でも、女の隊員は全体の2%に抑えるというのが、イスラエル陸軍の方針だ。

 イスラエルの法律は、女の兵隊を歩兵部隊のような戦闘職種に配して実戦投入することを禁じているが、近接戦闘にまきこまれるかもしれない部隊に女の兵隊を所属させることじたいは禁止していない。

 ちなみに男の徴兵は3年。女は2年で満期。

 1948年のイスラエル独立戦争のとき、女だけの歩兵部隊はあった。だがそれはすぐに廃止された。交戦しているアラブ軍は、相手が女の部隊だとわかると、ぜったいに降伏などしないで戦意が倍増してしまうと知られたからである。

北鮮はまたしても失敗した。北鮮は「核弾頭」など所有していない。したがって日韓がABMで連携する必要はサラサラ無い。日本は韓国と絶縁しましょう。

 北鮮の「水爆」とやらについては昨年から英文ウェブ軍事ニュースの上にちょくちょく「先行解説」が載るようになっていた。やる前からバレバレのインチキ手品なのだ。

 たとえば『デイリービースト』のゴードン・チャン氏による2015-12-10記事「Did North Korea Super-Size Its Nukes?」
 水爆は原爆と違って、何度も実爆実験を重ねることなくして兵器として「完成」させることなど不可能。
 その実爆実験は必ず探知される。北鮮がいままで一回も実爆実験してないことはあきらかであり、したがって三代目の水爆保有発言はフカシであるかイリュージョンである。

 不拡散の専門家の Jeffrey Lewis いわく。
 原爆を重水素や三重水素(リチウム6)で強化した「強化原爆」だろう。
 平壌は、それを「水爆」と言っているが、それは「水爆」ではない。

 中共は同国の3度目の核実験で強化原爆を試している。
 南アやイスラエルも、みんなやっている。
 強化原爆は、最初の原爆さえまともなものなら、誰にでもすぐにできるのだ。

 物理学者の David Albright も同意見
 彼らは広島級のイールド(15キロトン)すらも達成できておらず、それを実現するために「ブースター」が必要だと考えているのだろう。

 水爆と同じ原料を使うのだが、その反応は核融合ではなく核分裂。したがって「水爆」とは呼ばない。
 南アフリカですら、15キロトン級の広島型原爆を100キロトンまでブーストし得ている。

 ※南アフリカはウランが豊富だったので、プルトニウム型ではなく、ウラン235を贅沢に使うガンバレル型をこしらえられた。今回、観測されたマグニチュードは過去のイールドと同じだった。つまりまたしても北鮮は広島級の核分裂すら起こすことができなかったのである。その理由は推測可能だ。彼らはプルトニウムを2塊に分けてガンバレル型装置でむりやりに爆発させようとしているのだろう。そこにいくらブースターを突っ込んだって、結果は同じこと。

 Albright いわく。数百キロトンでは水爆じゃない。メガトン級になってはじめて水爆なのだ。
 ※そして今回のマグニチュードは、10キロトン未満を意味する。話にならぬ。

 2015-4に北鮮は、核弾頭を小型化したと宣伝した。
 だが北鮮が核弾頭をミサイルに搭載できるくらいに小型化したと言っているのは北鮮が繰り返しそう宣伝しているだけ。外国では誰も認めていない。

The end of INF treaty. U.S. has to make their own Anti-ship-ballistic-missile to deter confucianists' illusion.

 1987年12月に米ソが調印した中距離核兵器相互廃絶条約は、中共や北鮮のような長射程ミサイルのサードパーティが増えたことで維持不能になりつつある。殊に幻想兵器である「対艦弾道弾」と同じものを米国がINF条約の縛りのために製造も配備もできないことは、シナ人の「われわれは米国より上だ」というイリュージョンを増長させてしまい、著しく地域を危険にしている。儒教圏人は「上下関係」についての一面的イリュージョンから戦争を始める。シナ人を増長させないためには米国と日本が「本当に使える対艦弾道弾」を作ってみせ、配備してみせ、演習してみせる必要もあるに違いない。それは軍港停泊中の艦艇に無炸填のソリッド弾頭を貫徹させられる程度の目的機能で十分であろう。それならば大量破壊兵器にもならない。

 次。
 デイリービーストの2015-12-31記事「Now China Wants Okinawa, Site of U.S. Bases in Japan」。
  中共が沖縄支配の野心をあらわにしたのは2013-5。人民日報で2人の学者が、日本による1872=明治5年の沖縄の領有国際登記は侵略だと書いた。

 この2名はそれのみならず、日本がWWIIに敗戦したことで、清国が沖縄の支配権抛棄を公認した1895の下関条約はチャラになったと書いた。

 薩摩は1609に沖縄を征服したが、沖縄が清国へ朝貢するのは認めていた。
 しかし清朝はシナを支配しはじめた当初はじぶんたちはシナ人だとは思っておらず、シナ人もまた満州族をシナ人だとは思っていなかったことは明らかである。

 2013-5の『グローバルタイムズ』(i.e. ニッカンペキスポ)社説のタイトルは「沖縄帰属問題を持ち出せ。それが中共が尖閣を奪い取るための道具になる」。

 しかし中共の外交大学校の教官は、『フィナンシャル・タイムズ』紙に対して、尖閣の領土問題解決のために沖縄帰属問題を持ち出すなら、あとは日本との戦争しかないだろう、と、自国人に対して警告した。

 マイアミ大学の政治学教授で中共が専門のドレイヤーが『デイリー・ビースト』に語ったところでは、中共は沖縄に留学しているシナ人学生組織に対して資金を送り込み、沖縄県民の反米思潮を焚きつける目的に投じている、と。

 北京が東シナ海から南シナ海に注力方向を変更したのは2013以降だった。
 しかし南シナ海で行き詰ってきたので東シナ海でまた騒ぎを起こそうとしている。

 ひとつ確かなことは、太平洋西端の波が、アメリカ大陸の西岸までも打ち寄せて来るのである。

 次。
 Bill Gertz記者による20135-12-31記事「Chinese Defense Ministry Confirms Rail-Mobile ICBM Test」。
 東風41は鉄道機動式であるとシナ国防相が認めた。
 また国防部スポークスマンは、SSBNの遊弋開始を認めた。
 スポークスマンは、2隻目の空母が建造中であると、この場で発表。建造は大連。

 東風41のテストの第一報は、ワシントンフリービーコン。12-21のこと。米国情報部をソースとして、鉄道に発射管がつけられていたと報じた。

 シナ人報道官はそれについて否定しなかった。
 テスト実施日は2回。飛翔テストが12-4。そして鉄道チューブからのコールドランチが12-5。

 2013-11に『グローバルタイムズ』は脅した。巨浪2によってロサンゼルスとシアトルで最大1200万人が死ぬだろうと。※なぜサンディエゴとサンフランシスコを挙げないのか? そこを考えるべし。

 先週、シナテレビは、地下トンネルの中の東風41のコンテナを映した。トンネル&鉄道システムだ。
 シナテレビも、東風41の試射とSSBNパトロールについて12-23に報じた。

 中共国防大学校の教授でもある陸軍上級大佐リ・リによると、ICBMはサイズがでかすぎて路上機動といっても道路もトンネルも使えるところが限られてしまう。地下列車方式なら、衛星から隠しやすく、客車に偽装する手も使える。

 現在シナ鉄道の客車は赤緑白青で塗装されているが、将来はこれをICBM用のミサイル・トレインズと同一の塗装にしてしまうつもり。

 移動速度は、もちろん、鉄道式の方が路上式よりも高速だ。

 政治将校のYin海軍少将によれば、核戦争になったとき、サイロ式ミサイルは6.5%しか生存できず、路上機動式は15%しか生存できない。地下鉄方式なら20%、SSBNなら85%だと強調。

 米国の見積もりでは中共には核弾頭は300個しかない。

 地下トンネル内の列車の写真は、地下貯蔵用キャニスターで、発射用ではなさそうだ。これは第二砲兵の公式新聞の7月号に掲載された。

 東風41は、ロシアが廃棄したSS-24鉄道機動式ICBMがベースである。

 ロシアは、米国のプロンプトストライクウェポンに対抗するため新型の鉄道機動ICBMを開発すると言っている。

 シナはあいかわらず不透明政策を堅持している。船台の上の空母の形が民間衛星から隠せなくなってきたので、公表したまでであろう。

Beijing operated Rice. Rice forced Abe. Now Beijing won. U.S. and Japan lost. Any Japanese trifling concessions to Korea makes Beijing be under illusion that China is certainly stronger than U.S..

Beijing operated Rice. Rice forced Abe. Now Beijing won. U.S. and Japan lost. Any Japanese trifling concessions to Korea makes Beijing be under illusion that China is certainly stronger than U.S.. Americans shall know how confucianists start war by illusions, not by facts.


 Wyatt Olson記者による2015-12-30記事「Hawaii bases imposing under-21 ban on tobacco sales, use」。
 ハワイ州では2016-1月1日から、21歳未満の者の喫煙および煙草購入は、ご法度となった。同地に勤務する将兵もこの州法の埒外には置かれない。
 これには電子タバコも含まれている。
 21歳未満の者に煙草を売ることも犯罪である。

 軍艦に乗っている将兵には適用されない。軍艦の上では連邦法だけが有効だからである。いくつかの軍艦内ではタバコを販売している。

 次。
 デイリービーストの2015-12-30記事「How ISIS Actually Lost Ramadi」。  DoDの人から独自に得た情報によれば、ラマディを奪回したのは普通のイラク政府軍ではなくて、米軍が養成してきた1個のエリートフォースだった。※別な記事によると、この部隊は「CTS」と呼ぶらしい。

 普通のイラク軍(ISF)は、敵の居場所を指し示し、最前線へ通じる後方道路をしっかり確保していただけである。

 今回、シーア派民兵=イラン軍には頼らなかったことは確かである。

 エリート部隊は人数が少ない。いちどに一都市しかできない。だからモスルはあとまわし。

 特殊部隊は、1ブロックごとに前進し、ゲリラと対峙し、米軍機の空爆を誘導し、ISを虱潰しにした。
 爆撃誘導と、前進後のIED排除。これが今回の実質内容。

 だがラマディの三割はまだIS支配中。
 次にイラク人がやらねばならんのは、奪回したビルのクリアランス。これが手間だ。
 このたびイラク側の戦死傷者は50名未満。IS側の捕虜はゼロ。おそらく仕事の8割は、JTACがやった。

 空爆ソーティは、ラマディに対して、2015-7からだと630回。先週だけだと150回。ISは1000人爆死したとみられる。残りは北方へ逃げ出した。

 イラク政府軍が市庁舎に入ったところに住民400人が逃げてきた。他はどうなったのか不明。ラマディは20万人都市だった。
 ラマディは7ヶ月ほどISに支配されていた。

 ※中共がライスに工作し、ライスが安倍に強制した。これは中共の大勝利であり、米日が敗北した。日本の対韓屈譲は、それがごく些細な名目的なものでも、儒教本山の中共をして「シナは米国を操縦できる立場である。シナは米国より強い」と勘違いさせる。東亜の情勢はこれでますます悪化するだろう。

「読書余論」 2016年1月25日配信号 の 内容予告

▼防研史料 『陸軍主要火砲諸元表』S34
▼防研史料 『各種火砲射表 綴』M32
▼防研史料 『野戦砲兵士官手簿』野戦砲兵射撃学校印刷 M36-6
▼防研史料 教育総監部『砲兵学教程』M33
 ※この本は7珊砲について書いている。

▼綿引久太郎『兵器叢談』M31
▼有坂成章・著『砲兵士官須知』M11-9 陸軍文庫
▼垂井明平&横道復生『兵器学(各兵科将校用)』M36-5
▼『兵器学(各兵科将校用)』第2巻 M36-7
▼『兵器学(各兵科将校用)』第3巻 M36-10
▼大江志乃夫『日露戦争の軍事史的研究』1976

▼末国正雄・秦郁彦 監修『聯合艦隊 海空戦 戦闘詳報 8 航空母艦 戦闘詳報 I』1996
 S17-4月9日、トリンコマレー攻撃では、重油槽×1を制空隊が銃撃炎上させている。

▼『9 航空母艦 戦闘詳報 II』1996
▼『第13巻 航空戦隊 戦闘詳報』1996
▼『10巻 基地航空隊 戦闘詳報 I』
 最新式の『プリンスオブウェールズ』が、十数機による雷撃(半数は改1魚雷)、プラス、500kg爆弾×2で沈んだのは、日本海軍にもショックだった。

▼『第11巻 基地航空隊 戦闘詳報 II』

▼横河橋梁製作所『横河橋梁八十年史』S62
 S12-11完成のNHK川口放送所の鉄塔は出力150KWというすごいもので、大陸までも届かすつもりだった。国際宣伝戦の時代だった。

 S44-8、NHKから「放送センター整備工事計画」が発表され、代々木に高さ600mのテレビ放送用巨大自立式鉄塔をつくるというので、各社、研究スタート。……が、NHK当局の都合により中止となった。

▼(株)横河橋梁製作所『横河橋梁五十年史』S35

▼土肥一夫、冨永謙吾、堀元美・他ed.『海軍 第七巻 戦艦・巡洋戦艦』S56-5
 遣独潜水艦がフランスの港に着くまで、日本海軍は、自軍の潜水艦が水中でおそろしい騒音を出す欠陥兵器システムであることを誰もまったく認識していなかった。

 中牟田の乗っていた『孟春』が6-25夜に暴風で擱坐破壊してしまったので、代艦が物色された。明治政府は、横浜で中立の米公使が抑留していた『カガノカミ』を買おうと考え、秋田藩を中立藩だということにして、軍務官が代金の大部分を支出して、買わせ、それを奥羽鎮撫総督が徴発した。これが『陽春』だろう。名前が似ているのは、『孟春』を意識したのだ。

 重心点を下げるとかえってローリングが激しくなる。その場合、艦底にあるものから消費してしまうとよい。

▼『今昔物語』M34
 巻27のつゞき。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。

 電子書籍ソフト対応の「一括集成版」もできました。詳細は「武道通信」で。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
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