TOP PAGE


« 2017年04月 | メイン

坊さんを乗せたタクシー運転士が脳血管障害を突発。行く道が思い出せないのに体面を気にして言い出せず、葬式に大遅刻。

 ……という実話を田舎のタクシーの乗務員さんから数年前に聞かされたのを思い出した。山村地帯だった。けっきょくそのベテラン運転手氏はすぐ引退したそうである。もし飛行機のベテラン機長に同じ症状が起きたとしたら、副操縦士には何ができるだろうか……?

 キングエアー350は、C-130の次に世界で多用されている輸送機だ。1960年代から6000機以上が製造され、老成・円熟している。米軍もC-12、RC-12、MC-12などとしてイラクでもアフガニスタンでも重い装備を積んで運用中。最初は1970年代に米陸軍で採用したが、今では無人のプレデターを重用したくない空軍が大贔屓だ。もちろん、空中で突然分解したなどという話は聞かれないのである。

 次。
 Keith Nightingale 記者による2017-5-21記事「The Higgins Boat: Wood, Steel, and Purpose」。
    ノルマンディー海岸に着達した大発みたいな舟艇は「ヒギンズ艇」と呼ばれる。
 1艇には25人から35人の重装備の兵隊がギュウ詰め。
 ニューオリンズにある工場で発明された、積層合板製の平底上陸用舟艇であった。
 これを設計したアンドリュー・ジャクソン・ヒギンズはアイルランド系で大酒飲みだった。

 1920年代から30年代にかけ、ヒギンズはメキシコ湾岸(ルイジアナ低湿地)の石油掘削業者のために舟艇で物資を届ける零細事業主だった。その商売上の必要から、2フィート未満の吃水の物資搬送艇をいくつも自作していた。

 平底。舳先の落とし倒し扉は、当初から備わっていた。エンジンは強力でなくてはならなかった。動力系は、水中植物がまきつかず、泥や砂をもろともせず、後進も自在なものでなくてはならなかった。

 WWIIが近づくと、ヒギンズは商機を嗅ぎ取った。1939年に比島で伐採されたすべてのマホガニーを彼は私費で買占め、それをじぶんの造船所にストックした。
 政府からの最初の発注はPTボートだった。これには主材としてマホガニーが必要だった。

 真珠湾の直後、彼は米海軍に、自分の設計した舟艇は「突撃艇」にできる、として文書で提案した。米海軍省は、自組織の艦政局が考えたものではないという理由から部外者のヒギンズの提案は採り上げなかった。

 海軍は老舗の造船所に上陸用舟艇を製造させている。しかしそれは欠陥品であることが初期太平洋で証明される。船底断面がV形では、すぐにリーフにひっかかり、海兵隊員たちははるか沖合いから泳いで敵前上陸しなくてはならないのだ。

 ヒギンズは連邦議員に熱心に働きかけ続け、とうとう大統領の注意を惹くことに成功した。1942年である。
 ※FDRは三選を狙っていたから南部の政治家たちを無視できない。

 ヒギンズは複数の試作品、LCA(ランディング・クラフト、アソールト)としてのヒギンズ・ボートを海兵隊の前ですでにデモンストレーションしていた。それについて絶賛した海兵隊指揮官の手紙が、ヒギンズのプレゼンには添えられていて、ついにFDRをも動かしたのだ。
 ※FDRの長男がマキン挺進作戦に従軍していることも少しは関係あるのだろう。そのときは潜水艦とゴムボートだったが。

 FDRは海軍に、ヒギンズと契約せよと命じた。

 最初の量産型ヒギンズ艇はガダルカナルで有用性を立証。海兵隊のヴァンデグリフトも海軍のニミッツも太鼓判を押したので、ヒギンズはさらなる大量発注を米海軍から受けた。

 ヒギンズはミシシッピ・デルタ地区で工場を大拡張させた。
 そのさい、南部の文化とはそぐわない、厳密な掟も創っている。

 まず、白人工員と黒人工員を同じ製造ラインで協働させ、決して分離を許さなかった。
 給与は米国平均より高くし、遠くから優秀な工員が集るようにした。
 男女工員の賃金格差はなかった。しかし労働者が示した能力のみを基準に昇進させた。

 工場内には育児所までも完備させ、子持ちの労働者が仕事に集中できるようにした。もちろん、黒人も分けない。工場内診療所も同様であった。

 ルイジアナの大湿地帯に彼は18ヶ月で8つの工場を新設している。
 大型のLCT(ランディング・クラフト、タンク)から小型の平底艇まで、そこから送り出された。

 1943末までにヒギンズのデザインが、世界各地の沿岸戦場でのスタンダードになった。

 アイゼンハワーは、これらの兵器のおかげで連合軍は戦争に勝てたとして戦後に例示したものの一つに「ヒギンズ氏のボート」を含めた。

 ヒギンズ艇は基本的に木製だが、舳先の起倒式ランプドアだけは、金属板であった。
 そのランプは航走時に閉じた状態では舷側高よりさらに1フィート高くなっており、その部分にはスリットがあって、兵員が岸方を見ることができた。

 ランプは倒して斜板にしたときに車両のタイヤ等が滑らないように表面に畝があった。

Even Ford Model T could run over and kill fat people.

 ストラテジーペイジの2017-5-21記事。
  北鮮製のマルウェア「ワナクライ(WannaCry)」。
 この脅迫ソフトのすごさは、対策パッチの当たってないウィンドウズPCを基地にして、他のPCに伝染していくこと。

 ウィキリークスによれば、ワナクライのツールは、NSA内で「イターナルブルー」と呼ばれていた。それは将来のサイバー攻撃のために秘蔵されていたものだった。

 武器としての使用方法だが、感染は平時にさせておき、敵国との戦争が始まったときに、それを遠隔コマンドによって暴れ出させる。ZDEという。

 今回、150ヵ国の25万台のPCがワナクライに感染し、その1000人に1人は300ドルのランサムを実際にビットコインで払ったらしい。

 かなしいことに、誰一人、犯人から暗号化解除キーを貰った者はいない。
 他方、身代金として支払われたビットコインは「仮想ウォレット」の中に貯蔵されたままである。誰によっても未だ持ち出されていない。その「財布」は管理人によってモニターされていることはいうまでもない。

 興味深いのは、今回のワナクライの被害者の多くは、中共とロシア国内に居る。
 なぜならこの2ヵ国内ではウィンドウズの違法コピー品が大々的に使用されているからである。
 違法ウィンドウズがメーカーによってウィルス対策のアップデートをされることはないし、正規のマイクロソフトパッチを適用しようなどとすれば逆に違法ソフトは不具合を起こしてしまう。
 だから中共とロシアの違法ユーザーたちは、ワナクライを自動で排斥することはできなかった。

 だがそこで疑問が起きる。この両国は北鮮を支援してきたのではないか? その両国を怒らせて北鮮はどうしようというのか?

 ワナクライは遅くとも4月の後半に出現した。もっと早くからあったのかもしれないが。
 過去のウィルス犯罪のパターンからして、ワナクライの変形バージョンがこれから数ヶ月以内に続々と登場するだろう。結果、中共とロシア国内ではさらにこいつにやられてしまうPCが続出するだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-20記事。
  2017前半に世間にバレたこと。これは2014に最初に漏れたのだが。すなわち、米軍のJSOCが、対IS作戦を着々と遂行している。
 特に今年のIS殺傷はほとんどがJSOCの手柄。

 JSOCは、SOCOMの上位司令部である。米軍特殊部隊だけでなく、外国軍特殊部隊も、公然/非公然に統轄している。その外国特殊部隊の中には、なんとイスラエル軍部隊も含まれている。彼ら外国部隊は、襲撃作戦ではなく、IS幹部の所在情報を探って提供している。

 ※どうらやこれが、阿呆のトランプがラブロフに語った内容のようだ。イスラエルが、シリア内のIS幹部の所在をつきとめて米国に教えた。それをトランプがラブロフに教え、露軍が殺すべしと促した。

 次。
 Robert E Kelly 記者による2017-5-20記事「Why America Shouldn't Buy North Korea's Empty Threats」。
   ミサイルは、届くだけじゃしょうがない。1970年代「スローウェイト論争」があった。ソ連のICBMのスローウェイトが脅威だと。だがソ連のICBMのCEPの悪さは、スローウェイトの優越を帳消しにしていたのだ。

 北鮮は、何の目標も浮かべてない海域に中距離ミサイルを落としているだけで、その精度を内外に実証しようという意思を示していない。

 長射程でしかも高精度を実現するミサイル技術のない国が弾道弾で敵国の都市の真ん中を狙うためには、潜水艦によって発射点をできるだけ目標に近づけ、そこから短射程の弾道弾を発射するしかないだろう。
  ※記者のロバート・ケリーは、釜山大学に奉職している国際関係論の助教授である。

 次。
 Rod Lyon 記者による2017-5-18記事「Ballistic Missiles and the “1/2 Rule”」。
    水平に787km飛んだロフテッド試射のやつ、ポテンシャルとして4500km飛ぶだろうというのは、38ノースのジョン・シリングによる推定。
 その根拠は、『The physics of space security: a reference manual』という、公開されているPDFの98ページから計算式が書いてある。

 これをごく簡単に言い換えると、垂直に某km打ち上げることができたミサイルは、同じ重さのペイロードで、水平にはその2倍の距離を飛ばすことができると考えてよいのだ。

 たとえば、仮に最大射程300kmのスカッドをもし垂直に打ち上げたら、高度150kmまで届くはずである。

 今回北鮮は高度2111.5kmを達成した。これを水平にしたら2倍であるから4223kmである。

 ただし、今回は真の垂直ではなく、水平にも787km飛ばしている。だから、水平最大レンジはもっとでかくなる。
 ※ただしペイロードがまったく不明。

 国際法的には5500km飛べばICBMだが、北鮮から5500kmではアラスカ州にまでしか到達はできない。

 NYTのサンガー記者は、今回はRVの再突入実験をこっそりやったんだろうと指摘している。

 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-18記事。
  中共企業は欧州製品をこっそり北鮮に売っている。それが三段式ミサイルに使われている。

 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-17記事。
  SOCOM用のAC-130Jからは、105ミリ榴弾砲は下ろさないことになった。

 じつは2005において、40ミリも20ミリも105ミリもおろせと上から命じられていた。小型ミサイルと小型誘導爆弾に換えなさい、と。SOCOMはそれに逆らった。

 側面には、新たに、30ミリのブッシュマスター機関砲を搭載する(他の自動火器は廃止)。そして105ミリ砲は、側面ではなく、特殊改造した尾部ランプから、後方に向けて発射するようにする。

錐揉み姿勢でほとんど垂直に墜落したと考えるのが、まず合理的。

 まずはじめに釘を刺すが、自衛隊機には平時任務といえどもフライトレコーダーの搭載を一律に義務付けるべきではない。そんなことをしたら、将来のもっと緊急に必要な捜索ミッションやレスキューミッションや連絡飛行が、まったくできなくなってしまうおそれがある。
 民主党あたりの売国工作員が言い出しそうだが。

 墜落現場は「東側斜面」だった。
 茂辺地川の支流に「東股川」と「戸田川」がある。その2つの谷の中間の尾根。尾根の標高は360m。墜落現場はその尾根の東側で、標高は300mぐらいだという。

 茂辺地川の上流が「西股川」。この西股川と東股川が合流したところから下が茂辺地川と呼ばれる。茂辺地川は茂辺地(もへじ)で津軽海峡に注ぐ。茂辺地は国道228号線の走る海岸にある。茂辺地も墜落現場も「北斗市」に属する。

 この茂辺地と厚沢部町を結ぶ道道29号線が「上磯厚沢部線」である。
 道道29号線は、梅漬峠の前後が冬期間、除雪されず、不通になる。10年近くも前に春にクルマで通行した覚えがあるが、その区間は未舗装であった。
 要するに住民ゼロ地帯。熊しかいない。
 渓流釣り師が襲われて上半身を喰われて、下半身だけ川の中に突き立てられて残されていたという恐ろしい事件も、あまり遠くない場所で、昔あったと聞いている。

 墜落地点の南2km、道道29号線の北隣には「茂辺地自然体験の森」が設定されている。

 LR2が緩降下で山に衝突したのならば、谷の西側斜面でなくてはならない。しかるに今回の現場は東斜面だ。
 濃霧の中で機長は機体をUターンさせたのか? 可能性ゼロではないが、まず考え難い。

 運輸省レーダーが失探する前の急激な高度喪失と、東側斜面墜落という現況から、合理的に推理可能なことは、空中で何かが起こり、ほとんどまっさかさまに落下してしまったのではないかということ。

 これが模型のグライダーだったら、主翼や機体が空中で急に折れるなどのイベントがあれば、同様な落ち方をするだろう。

 函館空港の滑走路の西端から墜落現場まではちょうど20kmぐらい。
 羽田から来る国内線のジェット旅客機も、空港上空の風向きが東から西への風のときには、着陸アプローチは、この山地の上空から旋回して行く。もし逆の風だったら、汐首岬の方から旋回して行く。
 つまり墜落の当時は、空港周辺は東寄りの風向だったのだろう。

 「全天候下の捜索・偵察」を迅速に達成できない自衛隊のISRの一大欠陥が、今回はからずも露呈したと思う。各種センサーにかけるカネを惜しみ過ぎだと思う。濃霧中には陸上を偵察できません――ということは、濃霧中では対戦車ミサイルも使えません、ということだろう。

 第一発見者は、地上からの警察隊に、道案内および熊避け対策役として同行した、47歳のハンター氏だった由。

 次。
 Rachelle Peterson 記者による2017-5-16記事「Soft Power U: Chinese Propaganda in American Higher Education」。
  この記者氏には『中共へのアウトソーシング――米国高等教育界におけるCIとソフトパワー』という近著がある。
 孔子学院。略してCI。
 すでに全米の103大学がCIをキャンパス内にうけいれている。

 無料で配られるテキストはシナ共産党のプロパガンダそのもの。天安門事件も法輪巧も出てこない。
 記者は主張する。大学はこれらを閉鎖するべきである。連邦と州は、それらを監視せよ。
 CIとは、米国の大学の講座を他国政府の支配に委ねてしまうものに他ならない。

 欧州諸国では、フランスが「アリアン・フランセ」、ドイツが「ゲーテ・インスティテュート」、スペインが「セルヴァンテス・インスティテュート」を米国で展開している。
 しかしそれらは大学とはハッキリと別個の運営になっている。
 中共のみが、大学キャンパスの中に居座っている。異常である。

 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-16記事。
  5-11に、日米韓艦隊が訓練しているところに露軍のスホイ24が1機、距離150kmまで接近してきたので、韓国空軍のF-16が2機で追い払った。

 ロシアは貨物船でシリア政府軍のために21門の122ミリ榴弾砲M30を届けた。5月5日。この榴弾砲はWWII中のものであり、そして戦後も1955年まで製造された。今でも世界の20ヵ国以上で実用中。

 中共はタイに34両の8×8輪装甲車「VN1」を売る。21トンの「ZBL09」の輸出版。8km/時で浮航できる。主武装は30ミリ自動砲。

 韓国は射程500kmで軍艦のVLSから発射できる対地攻撃用の巡航ミサイルを国内で開発した。基本的に米国製トマホークのコピーだが、目標に命中する直前に飛翔速度が超音速に上がるようにしてある、と、この記事を書いている韓国人はフカしている。

米陸軍も海兵隊に続き、アサルトライフル用のポリマー弾倉の採用に傾けり。

 Sandy Winnefeld退役提督 および James N.Miller博士による『プロシーディングズ』誌vol.143寄稿記事「Bring Back the Nuclear Tomahawks」。
 今は艦内配備はゼロであるところの、米海軍の核トマホークは、トラムエヌという。
 ロシアのINF違反を座視したくないなら、米国は対抗措置として、このTLAM-NをSSNに再配備することだ。
 米海軍の艦艇から発射するTLAM-Nを再配備することは、少しもINF条約に抵触しない。

 しかもロシアは同格品を多数保有しているから、いまさら「軍拡」ともならない。
 レーガン時代のように、いったんこっちが核で強い立場を確保してからでないと、ロシアはこうした問題では屈譲しない。

 トラムエヌは、SSNにだけ搭載するがよかろう。水上艦ではなく。
 対北朝鮮でもこいつが役に立ってくれるだろう。

 ※この記者ふたりとも潜水艦に乗り組んでいたことはないようだ。SSNの水雷室では少しづつ核トマホークの弾頭から中性子が出ている。そして水上艦と違って、すぐ近くに水兵が寝る。その水兵の健康被害をどう防ぐのかの配慮がないのが、この論文のイタいところだ。W80と一緒に寝ている水兵に対する人道問題なのだ。

 次。
 Col. Mike “Starbaby” Pietrucha 記者による2017-5-10記事「The Antiship Mine Gets New Wings」。
   WWII中に米軍は機雷をハンプ越えで蒋介石に援助し、支那軍はそれで揚子江を封鎖した。
 ハイフォン港には1942-11にも機雷が撒かれたことがある。

 ベトナム戦争に機雷を使えばいいという発想は1964からあったのだが、政治家どもは、それは事を大きくしすぎるとして許可しなかった。
 しかしプロ軍人たちにいわせれば、陸路のトラックを空爆するよりも、機雷を撒いた方がはるかに敵の力は殺がれるはずであった。

 そしてようやくニクソンが、1972の敵の大攻勢で気が変わり、許可した。
 その時点で北ベトナムの輸入品の85%はハイフォン港から入っていた。石油に限れば100%であった。

 1972-5-9、A-6とA-7の二種類の艦上機から二種類の機雷を撒く作戦が決行された。作戦名「ポケットマネー」という、ブロケイドの試みであった。

 マーク52機雷は1000ポンド。これをA-6イントルーダーが撒く。
 A-7コルセアは500ポンドのマーク36機雷を撒く。
 1000ポンドは、ハイフォン港内の水道に。500ポンドは港外の水道に。

 結果、この港は、パリ和平協定のあとで米海軍が掃海してやるまで、漁船だけが通航できる海面になった。漁船より大きなフネは、出入りともに止まったのだ。

 ちなみに、同時期に、鉄道を寸断してやった空襲作戦は、「ラインバッカーI」である。

 2016-9のヴァリアントシールド演習で、新型の有翼滑空機雷がデビュー。

 大型のは、スキップジャック(かつお)といい、JADAMの機雷型である。
 小さいのは、「フラウンダース」〔ひらめ。ヒラメやカレイは背びれだけで泳ぐので筋肉が締まっているのだと某回転寿司の解説文に書いてあったが、そもそも回転寿司のエンガワは深海魚じゃねーのかい?〕。

 湾岸戦争で機雷撒き中に撃墜されたA-6。開戦から3日後の夜だった。
 低空・低速・直線飛行。しかもそれを敵前で何度も反復しなければならない。自殺ミッションに等しい。

 ちなみにハイフォン港に撒いたときの高度は300フィート、機速は360ノットだった。

 クイックストライクにとりつけた信管は、磁気/振動波〔サイズミック、語源は地震〕センサー。※前に海自の掃海艇の爆破係のダイバー氏に聞いたんだが、水圧センサーは誤動作が多くて信頼性が悪いという。ではサイズミックとは音響センサーのことなのか? だったら「アクースティック」って書くよね? いまだにここがよくわからねー。

 スキップジャックは、2000ポンドのクイックストライクが同時にJADAMでもあるので、「クイックストライクJ」ともいう。

 500ポンドの「クイックストライクER」は、フラウンダーのこと。
 どちらも展張翼付き。
 投下できる機体は、B-52、B-1、そしてF-18。

 もはや撒布機は、低空を低速で直線に、しかも何度も航過する必要がなくなった。
 JADAMを落とすときの高度、高速でよくなった。
 フラウンダーズの場合、機雷を撒く場所から40マイル手前で、母機は引き返せる。

 1972のハイフォンでは、3機のA-6がストップウォッチで測りながら3線を飛び、4個づつ撒いて、機雷原を構成した。それでもいびつな機雷原になっちまった。

 いまやそんな機雷原ならばたった1機で、上空に進むこともなく、完成できるのである。

 中共は、対外貿易の98%と、国内輸送の約半分(トン・キロ計算)を、海上輸送に頼っている。

 イランは国営タンカー会社をもっていて、それは世界第四位のタンカー会社。世界の海上経由の輸出品の6%は、イラン製品である。そのなかに、1日あたり230万バレルのイラン産原油が。

 ロシアは、サンクトペテルスブルク港だけに過度に依存している。その取扱いコンテナ量は、極東と黒海の全港を合わせた数量よりも大きいのである。しかも2000年から今日までサンクトペテルスブルクの荷役量は6倍に急成長している。そして同港は「フィンランド湾」(広義のバルト海)の東のどんづまりに位置するのだ。
 ※だからロシアはバルト沿岸をどんどん西へ侵略しようとする。米海兵隊もノルウェーに対露の本拠を据えることに決めたようだ。

 商船は軍艦と違って、自前のダメコンはできない。触雷したら、とにかく最寄の港に逃げ込んで、航海続行可能かを確認しなければならない。

 ハーグ協定により、すべての機雷原は、宣言されねばならない。
 ただしすべての宣言された機雷原にじっさいに機雷が仕掛けられている必要はない。

 じっさいに有効である必要もない。一回、爆発するだけで、阻止効果は十分なのだ。もうどんな商船もそこには入って行くまい。

 次。
  Bethany Allen-Ebrahimian 記者による2017-5-8記事「Cheap Chinese Aluminum Is a National Security Threat」。
  スチールだけでなく、支那製のアルミも米国工場の脅威だ。
 米国のアルミ製錬所は、中共がWTOに入る2001年には23箇所あった。今は5箇所しかねえ。

 支那製アルミには370%という懲罰的な関税がかけられているが……。

 支那だけで世界のアルミの半分以上を製造するようになってる。

 アイスランドは火山のおかげで電力が安く、おかげでアルミ精錬業が大繁盛。

 中共の電力はしかし、欧米より高い。ところが政府が輸出補助金を与えているので、生産されるアルミ地金におそろしい輸出競争力があるのだ。

 中共による鋼鉄のダンピング輸出は、製鉄所を有するすべての国に迷惑を及ぼすから、全世界が非難を浴びせたものだ。
 ところがアルミ精錬業は世界の数ヵ国の寡占産業。だから、対支非難の声は小さい。

 ※すなわち多くの工業国にとってはアルミは単純に輸入するものなので、それが安いことは悪い話じゃない。日本は独特で、電力が高いけれども、戦略的な理由でアルミ精錬業が維持されている。

 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-6記事。
  A-1スカイレーダーを復活させればいいじゃんという意見。
 3.5トンの爆装可能だった。
 20ミリ×4門。
 滞空4時間は、A-10より長い。
 最低速度は220kmで、これはA-10とあまり変わらぬ。

 ※中共は最新型の軽ジェット練習攻撃機用のエンジンすら、ウクライナ製AI-222が頼み。そのクラスですら国産にロクなものがないってところから、他のエンジンはお察しだよ。

すべての信号機に監視カメラを埋め込むべきである。

 道路は公共財である。
 公共財を利用する者を、その公共財の法定管理者が、適法な道路利用をしているかどうか監視するのは、あたりまえであろう。むしろ、義務である。
 公共の安全を保つのに公共の監視が必要なのは当然の理[ことわり]である。

 すべての信号機に監視カメラを埋め込み、それを運用するコストは、「公道上の監視カメラ不足のために認定されないで済んでしまう軽重各種の犯罪がわれわれの社会の福祉に及ぼす害」を、下回るであろう。
 (しかも技術の進歩と器材の量産とにより、導入コストは年々下がるはずだ。)

 私道・私有地には信号機は無い。監視社会を憎む者は、私道だけを利用していたらよいのである。

 導入は、日本海の海岸に近い道路から優先的に進めるべきである。
 次の「朝鮮動乱」の結果、北鮮難民が日本に殺到するようなことはない。(すでに既著で何度も書いた通り。)
 しかし、韓国人の犯罪組織は、ドサクサにまぎれて密入国を図るだろう。その対策は今から必要である。

 トランプが習近平に丸め込まれたご様子なので、マスコミが待望する動乱は当面は起きまいと思う。つまり貴重な時間が、われわれには与えられているのだ。寸刻も早く、「サーベイランス・ソサエティ」を実現し、未来の国民的危機に備えよう!

 次。
 Jeffrey Ordaniel 記者による2017-5-4記事「Floating Nuclear Reactors in the South China Sea」。
    中共メーカーが海上繋留式原発を建造開始したと2016-12に宣言している。
 それは2020に完成すると、2017-2に中共政府が確言している。
 記者はそれが南シナ海に据えられると予測する。

 現状では砂盛島の電源がディーゼル発電機しかないので、シナ軍は弱っている。
 200メガワットの小型リアクターにより、砂盛島のみならず、違法掘削海上リグにも給電できるのである。
 そして原発を守るという理屈でますますSAMや守備兵力を展開できる。

 ※民間機は無論だが、米軍機や自衛隊機も、原発施設の上は飛ばないように指導が徹底している。つまり中共は砂盛島にミニ原発を据えてしまいさえすれば、「ADIZだぞ」などと叫ばなくとも、その上空から自動的に「敵機」を追い払ってしまえるのだ。ミニ原発ができるまでのあいだは、プルトニウムを使ったアイソトープ熱発電装置(複数の国の人工衛星や惑星探査機に搭載されている)でも置いたらいい。各国の航空法に与える法的な効果は同じである。どうやらシナ人の巧妙な手口に対して受け太刀にまわるだけで、何の主導戦法も打ち出すガッツは無いらしいことがハッキリしてきたトランプ陣営には、さらなる退却あるのみだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-4記事。
 中共は、ロシアからの石炭輸入を増やしている。北鮮産の代りとして。
 モンゴルやインドネシアも無煙炭をシナへ輸出している。

 北鮮は半強制的な慰問品集めを始めている。国民から、食糧や日用品を寄付させ、それを軍営に届ける。
 前は強制献金だったのだが、現金は途中で政府の役人によってちょろまかされてしまうので、現物に切り換えた。

 ※別な記事では、従来、石炭とバーターで硝安肥料を得ていた北鮮は、肥料の供給も断たれたとある。となると硝安をおびただしく浪費するフェイク発破の「核実験」も少しは控えられるのかもしれない。原爆はTNTと違い、発生エネルギーの半分もが「熱」に化ける。したがって、地中で1キロトン核爆発と同じ「爆圧」を生むためには、1000トンのTNTではなく、500トン以下のTNTがあれば、間に合ってしまう。硝安肥料ならもっと少量でもいいはずだ。発生するガス体積がTNTより多いので、それだけ発破によって土を動かしてやりやすいからだ。

「読書余論」 2017年5月25日配信号 の 内容予告

▼土肥一夫監修『海軍 第三巻 日露戦争』S56-5
 ※明治地政学から日本海海戦の正確な解説まで、叢書の1冊として埋もれさせておくには惜しい巻。唯一、無炸填の28珊砲弾で旅順の露艦が沈んだと誤信している解説者の意見部分だけ、イタすぎる。

 『敷島』『朝日』『初瀬』『三笠』は1万5000トン。これに対抗する戦艦はスエズは通れない。
 この対抗不能性追求戦略が対露戦では、とてもうまくいった。だから戦後、こんどはパナマ通航できない大型艦で米海軍に対抗しようと考える。そうはさせじとアメリカから逆に手枷足枷をはめられてしまったのが、ワシントン軍縮条約。
 ※日本海海戦前に機雷や衝突で沈んでいる数隻の軍艦艦長と幕僚たちはその後、どんなキャリアを歩んだのだろうか? ガンルーム士官たちは自慢できない自分の戦歴を語っただろうか? 特に、鈴木貫太郎と同じくらい長生きした者は?

 追躡[ついじょう]権=Right of pursuit とは。領水内で犯罪を犯した船舶を領水内から追い始めた場合は、そのフネが公海に出たあとで拿捕して裁判にかけてもいい。ただし、フネと関係ない犯罪人が単にその船内に遁入して乗っているという理由では、追躡権は生じない。

 ロシアは1901時点で対日作戦方針を固め、旅順艦隊によって日本が黄海に入るのを阻止し、ウラジオ艦隊で日本の海上交通を破壊し、かつ日本本土沿岸を脅威すると決めた。
 1903-12の権兵衛の推定。ウラジオ艦隊は巡洋艦4隻と駆逐艦により小樽や函館を攻撃し、日本艦隊を二分しようと図るだろう。
 結果として、日本の海軍力を分散させようとしたロシア側が却って各個撃破された。

 病院船も拿捕できる。
 戦時といえども臨検した商船の郵便物を破却することは、国際法違反。

 第一駆逐隊は7月下旬、樺太側および大陸側に作業隊を上陸させて、海底電線を切断した。これは中立国相互の線だと国際法上許されないが、敵国の電纜ならば合法的な交戦権行使と認められるようになっていた。

 加藤高明はなぜ西園寺内閣の外相を2ヵ月で辞めてしまったか。(後任は林董。)
 伊藤正徳の『加藤高明伝』によれば、それは陸軍(事実上は、兒玉参謀総長)の満州支配計画と正面衝突したから。鉄道国有化など争点ではなかった。満州の門戸開放という対米公約を破ることが大問題だった。

 戦時に、中立国が、軍艦を交戦国に売り渡すことは、国際法で禁じられていた。

 中立国船が敵国に対して軍事的幇助(軍隊輸送など)を現に行ないつつある場合は、これを拿捕して没収することができる。
 そして、それを本国港まで送致しているとわが軍艦が現に従事中の作戦行動が失敗してしまうという場合には、それを破壊(撃沈)してよい。

▼デービッド・アッテンボロー著、門田裕一監訳『植物の私生活』1998-4刊
 アフリカのバグルウィードは、チョウやガの生長ホルモンに類する薬物を合成する。これを食べるとイモムシの頭は2つに増え、死ぬ。

 豪州特産のクリスマスツリー。寄生性の木本で、地下の根が「吸根」となって他の植物を襲う。こいつが地下ケーブルに触れると、地下ケーブルのプラスチック皮膜を突破。さらに導管と錯覚した銅芯を「ハサミ」で切断しようとするので、絶縁不良になってしまう。回避策は、最初に首縄状に巻き付いて引き寄せる吸根がつくる「輪」の径よりもケーブル外径を太くしておくこと。

 すべてのサボテンはアメリカ原産。
 米大陸原産のウチワサボテンを他大陸の沙漠に放つと勝手に増殖して手に負えなくなるという。

▼佐藤卓『キナバル山の植物』1991-7

▼かのよしのり『重火器の科学』2014-7
 ロシアのフロッグ7は、射程70kmだが、CEPは500m。
 ※MLRSやATACMSはフロッグの威力を超えてしまっているわけ。

 戦艦大和の46糎91式徹甲弾。装薬360kg、弾丸重量1460kg、着速500m/秒、最大射程42005mまで106秒かけて飛翔。炸薬33.85kg。弾底信管は0.4秒。

 複働信管は、時限式と着発式の2つの機能を持つ信管。
 二働信管は、瞬発式と遅働式の2つの機能を持つ信管。
 どちらも、発射の前に選択する。

▼かのよしのり『狙撃の科学』2013-2
 ロックタイム。引き金を落としてから雷管が叩かれるまでの時間。短いほど、優秀。ウェザビー・マークVは、2.9マイクロセカンド。(1万分の29秒)。
 これに対して六四式小銃は40ミリセカンドで、「論外」のレベルである。

 日米戦争中の38式歩兵銃の口径6.5ミリ弾は、初速760m/秒。
 米軍のM1ライフルは初速850m/秒。
 ところが、450m先に到達する時間は、どちらも0.7秒で同じ。日本の6.5ミリ弾は、空気抵抗が少ない、反動も小さい、よってよく当たる、至高のエコ弾だった。

▼井上雅央『イノシシ シカ サル これならできる獣害対策』2008-12
 害獣は山から来ているのではない。集落が「餌付け」同然の土地管理をしているので、集落周辺で増殖しているのだ。自然状態では猪の子は、5匹のうち1匹しか育たない。しかし放置畑等があれば、全頭が育つ。

 関西では3月から7月上旬までタケノコがある。これがイノシシの餌である。

▼藤原章生『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか』2015-7
 津野田知重(1917~87)は、乃木の幕僚だった津野田是重少将の三男で、1944に東條暗殺を謀って逮捕されている。戦後は電源開発へ。また、日本科学技術振興財団の専務理事。

▼ダドリー・ポープ著、伊藤哲tr.『バレンツ海海戦』S56、原1958「73 North ―― The Defeat of Hilter's Navy」
 ドイツ工業は、スウェーデンとノルウェイの鉄鉱石に依存していた。その鉱石の三分の一は、ノルウェー海岸から海送されていた。ヒトラーとレーダーは、英国がノルウェーに侵攻してそれを遮断すると恐れた。先手をとるため、1940-4-9にドイツはノルウェーとデンマークに侵入した。

 なぜドイツはなけなしの戦艦を、空襲されやすいブレストなどに置いていたか。スペインが枢軸側に立って参戦し、スペイン本土とカナリア諸島の軍港を使えるだろうと踏んでいたのだ。
 ドイツは、まずジブラルタルをスペインのために攻略してやるからと言ってフランコを誘惑していた。フランコは乗らなかった。

 9000トンの『ニューキャッスル』級巡洋艦の『シェフィールド』は燃料を1800トン積む。17ノットの巡航速度で、1時間に8トン消費。30ノットでは、毎時30トン。

 碇泊中の軍艦に長期間閉じ込められていると、ベテランの地位の高い士官でさえも、何をするにも無気力になり、出港を思うと気が滅入るようになってしまう。

 艦が沈むとき、コルクの浮きのついた太い縄を海中に落とす。浮舟の代りになる。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。

 電子書籍ソフト対応の「一括集成版」もできました。詳細は「武道通信」で。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。