TOP PAGE


« 2017年12月 | メイン | 2018年02月 »

トホホホルダー

  Damien Spry 記者による2018-1-30記事「Soft Power Takes a Sharp Turn」。
   中共が豪州政治に影響を与えようとしている総合工作は「ソフトパワー」などという名辞では生ぬるい。「シャープパワー」である……と、米国シンクタンクのNEDは言う。      

 コンピュータと通信を利用したプロパガンダについては、オクスフォード大、スタンフォード大、カリフォルニア大サンディエゴ校などが調査研究を推進中。

 国内向けにそうしたプロパガンダを展開している国としては比島、トルコ、メキシコが含まれる。
 しかしロシアと中共は、国外向けに大々的にやっているところが別格。
 EU、英国、米国の選挙や国民投票が主ターゲットである。

 テレサ・メイ英国首相は、こうしたロシアの活動を「情報の兵器化」だと非難した。連中はブレグジットの国民投票に介入してきたのだ。

 豪州のターンブル政権はSNSを政治目的のために隠密に悪用しようとする活動を禁ずる法律を準備中である。

 中共の宣伝紙は今日では豪州非難の連打。「反支」であり「シナ人留学生叩き」であり非友好だとか騒ぎまくっている。

 中共は、韓国に対してやったように、豪州への旅行者や留学生を減らすことで、豪州経済に打撃を与えることができる。

 次。
  AARON GREGG 記者による2018-1-30記事「Government auditor says background check review process is at 'high risk'」。
   米連邦政府による公務員や契約民間人に対するバックグラウンド審査能力がパンクしている。70万人以上がチェック待ち。その間、機微情報に接する仕事ができない。

 審査は過去の犯暦からまず調べる。
 2016年末には審査待ちは55万人だった。今は70万人を越えてきた。

 これでいちばん困るのが、IT分野で招聘されて単身渡米してきたのに審査が済むのを延々と待たされている外国人。特にインド人。
 いつまでも仕事にとりかかれない。収入にならない。
 さりとて家族が心配でいったん帰国をすれば、バックグラウンドチェックはもういちど最初からやり直しとなってしまうのである。

攻撃型無人機を1機も運用した経験が無い海兵隊を師匠と仰いでいてはダメだ。

 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2018-1-26記事「$86,000 + 5,600 MPH = Hyper Velocity Missile Defense」。
   ペンタゴンのSCO=戦略能力局は、陸軍のATACMSを対艦用にできないか、研究させた部署である。

 そこがいま肝煎りの新兵器。超高速砲弾。
 艦載の5インチ(127mm)砲、またはバレルをやたら長くした十五榴から、初速5600マイル/時(=秒速2880m強)で発射し、落下してくる敵BMを迎撃してやろうという。1発のコストは8万6000ドルで済むだろうという皮算用。

 これがペトリオットだと、1発300万ドル。
 ミッドコース迎撃などはできないが、最下層のABMレイヤーになることが期待される。

 このシステムの長所は、敵国からみてこちらのABMの弾薬準備量を推定しにくくなること。GBIやTHAADは、ランチャーが大型で、敵国はその最多数量を概略すぐに把握できる。
 しかし砲熕兵器はペトリオットよりも目立たないし、1門から何発ものHVP(超高速砲弾)を放てる。
 よってABMを飽和するためには何基のBMを射てばいいのか、敵国は見当がつけられなくなる。

 BM対ABMの戦いは、BM側が圧倒的に有利である。
 まずABMの射撃ドクトリンとして、飛来するBM×1目標に対してこっちから2発を発射せねばぬ。したがって敵はこっちの半分の数のBMを準備するだけでいい。

 もうひとつ。地面の特定点近くに落とせばよいBMの技術は、安価なもので目的を達成できる。それに対して空間の高速移動物体に寸分の狂いなく命中させねばならないABMは高価な技術であってしかも目的を達成できる保証はない。

 しかし砲熕兵器からHVPをつるべ射ちできるのならば、1発に必中を期す必要がなくなるので、こっちも安価に対処できる。
 たとえばHVPの命中率が10%しかないとしよう。それを22発、射ち上げることができれば、命中率は90%になるのだ。

 海軍の5インチ砲用に試作されているHVP砲弾は、単価8万5000ドルである。

 HVPは、海軍においては5インチ砲から、陸軍においては十五榴から発射させるつもり。
 海軍の5インチ砲には、改造の必要がない。
 陸軍の155mm榴弾砲は、バレルを相当に長くする必要がある。試作砲はすでに造られている。

 海軍の場合、5インチ砲装備艦はすべて、ABM任務に従事できることになる。その場合、弾切れの心配はほぼ無い。

 陸軍は、牽引式十五榴のM777やM198、自走砲のM109を装備する野戦砲兵部隊が、ことごとく、ABM兼任部隊に昇格すると思って貰いたい。攻撃力も、部隊自衛力も、アップするのである。だから敵はいっそう、困ることになる。

積雪を意図的に利用する断熱構造を工夫してみる価値はあるだろう。

 ストラテジーペイジの2018-1-24記事。
   天安門の死者については当初、中共の赤十字が2700人と見積もったが、あとでこの数字を撤回している。なにしろ北京政府の公式発表では死者300人ということになっているのだ。

 米国情報機関は、天安門事件の死者は1万人と4万人の間である、とし、それは2014年に発表されている。英国もこれに同意している。

 北京政府の公式見解ではなくとも、個人的に支那政府高官から話を聞けば、たいていは「最低でも1万人」と答えるそうだ。英国政府はこの情報は信頼できると考えている。

 中共軍は、最初の発砲で生き残った広場の群衆に対し、立ち去れば許してやろうと約束し、じっさいには皆殺しにした。
 広場にいた全員を殺せという命令が、上から出されていたのである。

 死体は粉砕しなければならなかった。AFVで轢き、焼き、その上で放水とともに下水孔へ落とし込んだ。

 天安門広場は、何もなかったことにするクリーニング作業のために1989-1-4から1ヵ月以上、立ち入り禁止にされた。

 証人を消すために1990年まで戒厳令が敷かれ、全国に潜伏した生き残りを探し出して逮捕し続けた。

 毎年1月4日前後になると中共政府の検閲努力が強化されるのが分かる。1989蜂起に関する人民のいかなる言及も許さないのだ。

 次。
  Rod Lyon 記者による2018-1-24記事「Two Concepts of Nuclear Sharing」。
       ニュークリアシェアリングには狭義のスタイルと広義のスタイルがある。
 たとえば米軍の戦略爆撃機に対して自国の滑走路を提供したり自軍の戦闘機で護衛をしてやるのは広義のニュークリアシェアリングなのだ。

 Peter Layton君の提案は狭義のスタイルであるが、おそらくシェアできるのはカネの負担だけで、運用は少しもシェアされないことになるだろう。

 広義のニュークリアシェアリングをすでにわが豪州はやっているんである。米軍の戦略指揮管制のために冷戦中から一貫して豪州は貢献を続けている。

 われわれが核の拡散の音頭を取るなら、いったいどこの誰が、中共の侵略から我々を守る手助けをしてくれるのか。

 次。
 Ihor Kabanenko記者による2018-1-24記事「Russian ‘Hybrid War’ Tactics at Sea」。
   ※記者は退役ウクライナ海軍提督。

       2014年いらい露軍は13隻の核動力/通常動力潜水艦を就役させている。

 注目されるのは、核動力潜水艦(たとえばデルタ4級改型)内から放出される深海工作艇。6000mまで潜って海底通信ケーブルを破壊できる。

 ロシア国防省に所属する海洋調査艦(ORV)や捜索救難艦(SRV)も、非武装ながら、海底ケーブル工作に投入できる。

 最新型ORVから放出される有人深海工作艇は深度6000mまで行けて、連続10時間以上、潜っていられる。マジックハンドで、ナット外し、溶接、ケーブルカットができる。

 ORVは米海軍の原潜基地の前までやってくる。何を調べているのかというと、海軍用海底通信ケーブルの主幹を探っているのである。

 2016-10にはシリア沖で活動していた。欧州の海底ケーブルのリンクを確かめていたようだ。

 有人深海作業艇を搭載したSRV艦は、北海、黒海、太平洋に配備されている。太平洋艦隊では『Alagez』『Igor Belousov』である。

 ただし深海作業艇は小さいものなので、大型輸送機によっていつでもどこへでも運んで展開できる。

首都高速のトンネル出入り口には融雪装置を設けるのが当然ではないのかね

 Joseph Trevithick 記者による2018-1-22記事「The US Navy May End Up Flying the Air Force's Unwanted MQ-1 Predator Drones」。
   米空軍がこれから引退させる「MQ-1 プレデター」はボーンヤード送りにしないで、中古品として再活用する。
 まず海軍が引き取り、海兵隊に使わせる。残りは、同盟国が買うだろう。

 空軍が「MQ-9 リーパー」でプレデターを完全置換し了えるのは2018末である。

 現段階で完全に機能するMQ-1は100機以上ある。これが再活用の対象だ。
 もともと非武装のRQ-1は陸軍の所轄であった。1995のこと。しかし1996から空軍の所轄になっている。

 2001年にヘルファイアの発射が可能になり、型番がMQ-1と改まった。

 海軍は、海兵隊のためにMQ-1 プレデターを買い取りたい。その運用はジェネラルアトミクス社の技師を雇い上げて代行してもらう。ただし、決まりにより、民間会社の契約社員は、武装型UAVの運用には関与できない。

 モロッコとUAEは非武装のプレデターを輸入してもよいと米国はすでに承認しているらしい。

 ※海兵隊の装備は陸自も買うという流れがある。わたしの持論は、プレデター級UAV+フラットデッキ艦。いずも改型はUAV母艦にするのが正しいだろう。

 次。
 スターズアンドストライプス紙の記事「NFL rejects Super Bowl ad from veterans group that asks players to stand during anthem」。
   退役軍人協会がNFLの公式プログラム冊子に、国歌の最中は選手も観客も起立するべきであるという広告を載せようとしたら、NFLに断られた。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-1-23記事。

 シリアの露軍基地であるヘメイミムに2017末に落下した82ミリ迫撃砲弾は、普通の迫撃砲ではなくて、ロシア製の「2B9 Vasilek」自動装填(前装墜発)式迫撃砲が発射したものだと露軍は、着弾間隔および破片から結論した。
 砲弾の弾重は3.24kgである。

 同システムは、これを2秒の間に4発、つるべ撃ちできる。4連クリップで装弾される。

 トルコがひそかにゲリラに手渡したと疑われている。

 シリアのゲリラが2B9を使っているフッテージが2014にユーチューブに出たことがある。トルコ情報部がただちにそれを削除している。

 2B9は牽引砲である。2輪の上に乗っており、全重632kg。その砲身の上端に、連射を可能にする落とし込み機構があり、4連クリップの82ミリ迫撃砲弾を最速で連射できる。

 ソ連で1970年から製造した。80年代に中共もそのクローン製品をW99の名で製造開始。

 2B9は2011年より前にシリア政府軍によって使われていた。それがゲリラの手に渡ったのか、それともシナ製が闇市場から調達されたのか、いまのところ不明。

 ゲリラは2B9をピックアップトラックか大型ヴァンに載せ、発射時だけ地上に卸し、1クリップか2クリップ速射したら、すぐに撤収してトンネルかビル街に隠れる。UAVから発見されないように。

先生のご家族の皆様にお悔やみを申し上げます。

 朝まだき玉の水鳥立ち渡る行く末近く思ほゆるかな /二十八

 次。
  Elliot Spagat 記者による2018-1-21記事「Border Wall Models Thwart U.S. Special Forces in Tests」。
       複数の種類のメキシコ国境壁の試作品を、サンディエゴで比較テストした結果、透かしのある鉄板壁で、頂部の近くのみがコンクリートになっている構造がイイという結論が出た。特殊部隊や税関の職員がいろいろ試してみて。

 試製品の壁の高さは、最低で5.4mなくてはならぬとされている。
 ほんとうは9.1mくらいも高さがあるといいのだが、高いほど、総工費は跳ね上がる。

 縁頂端部はチューブ状にカーブさせている。これは鉤付きロープを投げても引っ掛からぬようにするため。

 地表近くは、スチールがよい。なぜなら、壁の反対側で穴を開けようとすればすぐにこちら側でも察知ができる。また、穴があいたときに、それを塞ぐ工事が簡単である。

 次。
 ROBERT MITCHELL 記者による2018-1-21記事「Cataclysmic cargo: The hunt for four missing nuclear bombs after a B-52 crash」。
    50年前の1月21日、NY州のプラッツバーグ基地からB-52が離陸した。
 当時、常に12機のB-52が水爆4発を抱えて在空するようにしていた。

 コースは、米本土を離陸して、地中海またはグリーンランド、カナダ、太平洋を目指して、また戻る。そのルート固定はされていなかった。

 離陸して4時間後に最初の空中給油がある。
 その直後、機内が寒いというので暖房を最強にしたら、機内で火災が発生した。

 6人はパラ降下成功。1人死亡。
 無人になった機体はグリーンランドのトゥール基地まであと10分というところで、北スター湾に墜落。

 地上の気温はマイナス18度から25度だった。
 機体はまだ発見されていない。

 デンマークはその領内に核兵器は存在させないという政策を採っていたので、米国はいろいろ苦しいことになった。

 スペインでの墜落事故がその2年前にあった。やはり4発の水爆が散乱した。空中給油機と接触したことによる。

 スペインでは、2発の水爆は起爆薬のTNTが落下ショックで自爆し、プルトニウムを撒き散らした。※このような場合、決して核分裂反応が起きることはない。空中でSAM等に迎撃されて起爆薬が炸裂した場合も同様。単に核分裂物質が撒き散らされるのみ。

 1発は無傷で回収。
 1発は海に落下し、あとで回収された。

 あとしまつとして、米国はパロマレス地方の640エーカーの農地の表土を客土せねばならなかった。
 剥ぎ取った土1600トン強はドラム缶に詰めて船で米本土へ運ばれ、投棄されている。

 1964年には、2発のコア無し水爆を抱えていたB-52がメリーランド州に墜落している。

 グリーンランドは冬で日照が無かったので爆弾捜索も難航した。
 同地ではボールペンは凍ってしまって使えないほど。メモ帳の紙すらぼろぼろになる。

 デンマーク政府は現地のイヌイットに、墜落地近傍エリアでの狩猟および、海水を使った煮炊きを禁じた。
 米空軍は、2万5000ガロン入る金属容器×67個分の表雪を掬い取った。
 1-28に空軍は、爆弾部品のすべてが回収されたと発表。ただしTNT炸薬は自爆しており、放射性材料が撒かれたことを認めた。

 90年代半ばに公開された文書は、当時の米国がデンマーク政府の政策を無視してグリーンランドに核兵器を貯蔵していたことを明らかにし、デンマーク国民は怒った。

 さらに2008年、BBCが、じつはトゥール基地南方に落ちた水爆4発のうち1発はいまだに行方不明であると報道した。

 次。
 Lucas Tomlinson 記者による記事「Military chopper crash in Calif. leaves 2 dead」。
     アパッチが未明に加州で武装状態で墜落して正副2人ともに死亡。

▼ストラテジーペイジの2018-1-21記事。
  中共は南シナ海の全船舶の位置を正確に把握するための監視衛星群を構想中。
 10機のリモセン衛星を回す。軌道高度600km。
 当然、合成開口レーダーとマルチスペクトラム光学センサー付き。

 その最初の1機は2019に打ち上げ、10号機は2025までに回す。

 中共は対艦センサーを搭載した大量の無人監視ブイの設置によっても、西側海軍の近海での動静を見張るつもりである。インド洋にも置くつもり。

さ~て 今日も測量だ。石油でもブチ当てるとするか。

 ストラテジーペイジの2018-1-19記事。
 サウジとロシアは、原油とガスの価格が低く固定されれば米国のフラッキング事業は壊滅すると期待したのだが、そうはならなかった。
 サウジによる低価格攻勢をいくら受けても北米内のフラッキング事業だけは採算確保が見込めるのであるということもハッキリした。技術はどんどん洗練されていて、コストは2013年以前とは比較にならず低い。OPECはもう何もできない。

 ロシアの人口は豪州の6倍あり、資源量も膨大なのに、そのGDPは1兆3000億ドルである。それに対して豪州はいま、GDPが1兆2000億ドルと、ロシアを猛追中であって、10年以内に追い抜くと考えられる。いかにロシア社会が腐敗していて、ロシア経済が非効率であるか。

 外国からの注文も受けているロシア最大の世論調査機関レヴァダに対してモスクワ政府は、調査結果の公表を禁止した。同社は2016に外国のエージェントだときめつけられている。

 シリアのラタキア州にあるフメイミム基地はコンスタントにゲリラから82ミリ迫撃砲(射程4km)によって砲撃を受けている。すでに露軍機がすくなくとも7機、じつに安価な迫撃砲弾によって破壊されてしまった。

 2017-12-31の迫撃砲奇襲。スホイ24×4機、スホイ35S×2機、アントノフ72輸送機×1が破壊された。地下弾薬庫も爆発。露兵2名死亡。

 その前の12-27、やはりフメイミム基地に対して3基の大型ロケット弾が発射されたが、露軍の地対空ミサイルがそのうちの2基を空中で撃破し、1基は基地外に着弾したと。

 このフメイミム空軍基地はロシアによって2015に造成された。港湾都市ラタキアに隣接する。その空軍基地はトルコ国境からたったの50kmしか離れていない。シリアのタルトゥス港からは北に85kmである。

 フメイミムを襲撃しているゲリラのバックにはトルコがいるらしい。武器類はトルコ国境から渡っているのだ。

 トルコとしては、アサドとイランが、アレッポ市に蟠踞する極左クルドPYDとコラボしていることが許せないのである。

 トルコ政府から見ると、PYDとつるむ者は誰であれ、PKK(トルコ内の分離主義クルド人)の支援者であって、許せない。これら左翼クルドを旧ソ連時代からモスクワは隠然後援してきたのだ。

 1-5または1-6のスウォームUAV×13機は、いずれも、自爆機だった。地表近くで起爆する原始的トリガーが取り付けられていた。
 7機は露軍による電子妨害で到達前に墜落。3機は不発。3機は接地して爆発したという。
 機体はインターネットで買える市販機だった。

 13機のUAVスウォームによってシリア国内のフメイミム空軍基地を襲われた露軍は1-12に反撃。クラスノポリという152mmのレーザー誘導砲弾を使い、ゲリラのUAV改造工場を粉砕した。

 反撃前の偵察(光学およびエリント)もUAVだった。工場にいちばん人が多くなる時間を見計らっておいた。

 攻撃の前に、152mm自走砲を工場から20km以内に近寄せておき、さらにレーザー照射手を目標の5km以内に潜行させておいた。
 なお中共軍もこの誘導砲弾をライセンス生産している。

 今回の報復攻撃を、最も手間が要らず確実でもある航空機からの誘導爆弾投下によらなかった理由は、ロシアの在シリアの誘導爆弾が底をついてしまったからであろう。

 これは、ここ最近の露軍のシリアでの空爆がすべて無誘導爆弾ばかり使用していることからも推定ができる。

 クラスノポリ砲弾は2016年からシリアに持ち込んでいて、まだ在庫があるのだ。

 クラスノポリ砲弾を実戦で最初に使ったのは、1999年のインド軍。カシミールのパキスタン軍に対してであった。もちろんロシアからの輸入品。
 ただしヒマラヤ級の高地では信頼性は落ちるそうだ。

 米軍は、レーザー誘導のカッパーヘッドが高額すぎるというのでGPS誘導のエクスカリバーに切り換えた。露軍はカッパーヘッドを真似たがGPS誘導砲弾は開発していない。※GPSなど妨害容易でダメだと考えているのだろう。

 1-5からウクライナは、米国より、露軍規格の「7.62×39」弾を使うM4小銃を援助されはじめた。M4WAC47という。

 米政府はジャヴェリンATMもウクライナに輸出することを2017-12-22に許可している。

微生物進化の過程で、自己複製して地球を埋め尽くすような種はできなかった。何故ナノボットならそれができると妄想されたのか?

  Peter Layton 記者による2018-1-17記事「Why Australia Should Consider Sharing Nuclear Weapons」。
     いま米国は、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリー、トルコとの間で、ニュークリアシェアリングしている。

 B61水爆の二重キー〔じっさいにはコアパーツ〕は米国が持っている。その爆弾の配達と投下は、爆弾貯蔵所ホスト国の軍用機とパイロットだけがしなければならない。

 これと同じことを豪州もできる。北鮮など問題じゃない。中共がこれからの大脅威なのだ。

 英国はこれから『ドレッドノート』級SSBN×4杯を建造するつもり。各、12基のトライデント。各、8個のMIRV。
 大西洋のまんなかから発射して北京まで届く。
 ただし、1号艦は2028年まで就役しない。英国には資金が十分ではない。

 豪州は、英国のドレッドノート計画に相乗りすべきだ。取得費・作戦費・人件費の半分を負担して、SSBNを英豪間でシェアリングするのだ。そうすれば英国も、通常戦力の整備に予算を回す余裕が得られて、その海軍力を南シナ海まで出張させてくれる。

 SSBN内では発射のプロトコルは最初から二重キーである。二人の発射士官のうち一人を豪州海軍から出せばいいのだ。
 ※こいつが分かってないことは、艦長は常に1人だということ。艦長の任務はシェアできない。1人の艦長に2人の首相から命令を下すことはありえない。ということはけっきょく豪州首相が英国首相に核反撃をお願いするということになり、豪州としての報復に不確実性が生じてしまう。また二重キーのひとつを豪州人が握っていれば、豪州人に「命令拒否権」が担保されることになる。それは英国政府としてとうてい受け入れることができない。できれば豪州空軍の戦術輸送機からBMを空中発射できるように改造し、その機内に二重キーを握った英軍士官を混ぜるのが豪州にとっては最も合理的なのだが、D5は全重が58.5トンもあって減段してもC-130級ではとても運べないし、そもそも筒体は米国製なのだから米国が売るかどうかも疑問。そう考えると最初から米国との間でB61のニュークリアシェアリングを協議した方が話は早いだろう。

3月に福島~新潟の道路を走ったことのある人、どんな調子なのか教えてください。

 COOPER, SCHMITT, GIBBONS-NEFF and ISMAY 記者による2018-1-14記事「Military Quietly Prepares for a Last Resort: War With North Korea」。
    フォートブラッグ基地では先月、チヌークとアパッチが計48機、野砲が実弾射撃している場所で敵地に兵員と物資をヘリボーンさせる訓練を実施。数年来に無い規模。
 その2日後、同じ第82空挺師団の119名が複数のC-17から真夜中に降下する訓練。
 機材を送り出したネリス空軍基地には平年の演習時の2倍の航空機が集結。

 翌月、全米で1000名以上の予備役兵が、海外に兵力を至急に送り出すときの拠点となる「動員センター」の開設を訓練。

 ペンタゴンは、平昌五輪中、在韓米軍の駐屯地内に、イラクやアフガニスタンに展開しているのと同様な対テロ緊急即応部隊を増派する計画である。これは、ブラジルワールドカップの時には100チームも派遣していたのだが、今回はそれよりずっと少ないという。

 SOCOMの親方、トニー・トマス大将が1-2にいわく。今年の5月か6月以降に中東から朝鮮半島へ特殊部隊の人員をシフトさせるかもしれないと。

 ミレイ大将はさいきん、カッセリン峠でロンメルに米軍がやられた例と、1950に半島でスミス隊が北鮮軍にしてやられた例を、内部でよく語るという。

 ミレイは陸軍の将校たちを前に訓示した。命令や、新規則や、新マニュアルが手渡されるのを待つな。来るべきものに備えろ。戦闘準備の向上に直接貢献しないことはしてはならない。

 2003のイラク占領作戦のときは早くも2002年から動員と集中をおえていたものだが、今回は違う。

 現在、米国人が韓国や日本に旅行するのを控えろとか、米国企業の商業活動に対する警報は、米政府から出されていない。

 先月実施された第82空挺師団によるヘリボーン演習「パンサー・ブレード」は、敵の第一線よりも後方に空挺堡をつくってしまうことに主眼がある。歩兵だけでなく砲兵まで運搬する。

 すでにグァムには先週時点で3機のB-2が進出済みである。

 次。
  Eric Talmadge 記者による2018-1-15記事「U.S. Moves Ships, Bombers Toward Korea Ahead of Olympics」。
        B-2にともなう整備員は総勢200人。それもホイットマン基地から移ってきた。

 げんざい空母『カール・ヴィンソン』は西太平洋を目指しており、横須賀が母港の『ロナルド・レーガン』も近海にあり、計画ではワシントン州ブレマートンを母港とする『ジョン・ステニス』も呼び寄せる。

 この他に強襲揚陸空母『ワスプ』が佐世保に入った。同艦は、F-35B型を30機強、運用できる。

 次。
 Ying Yu Lin 記者による2018-1-13記事「The Early Returns of China’s Military Reforms」。
    日本の防衛省の公表によると、空自がスクランブルをかけているシナ機のほとんどは中共海軍機だという。空軍機は一部である。

 これまでは陸海軍の間で兵站も別だったが、5戦区に統合されたことによって、海軍機が空軍機の基地や物資を使えるようになっていることを示している。
 宮古海峡を通過するH-6K長距離爆撃機は、発進基地が関中平野(陝西省)にある。

 陝西省のH-6Kは第36爆撃師団所属のはず。それは2016改革前には蘭州軍区に属していた。
 とすれば理論的には今は西部戦区所属になるはずだが、現実には中部戦区の麾下として飛んでいる。

 いま中部戦区の親玉大将は、1958生まれの空軍のパイロット出身者で、空軍大学校長だったのが2017-8に異例の抜擢をされたものである。こいつがさいきんの長距離飛行を差配している。

 2014に彼は中央軍事委員会の参謀局(いまは廃止)の次長になった。
 たぶん彼はシナ軍の統合作戦能力の確立を任されたのだろう。

 これからは、戦区のボスが統合作戦に責任をもつ。そのような体制にしたいので、彼がみずからその手本を示しているところなのだろう。

 中部戦区は、シナ空軍の空挺部隊である「第15空挺軍」を擁する。別に一部が北部戦区にあるのだが、主力は中部。

 シナ空軍の空挺部隊の司令部はまだ湖北省に置かれている。

 かつて「第15空挺軍」の司令官だった男が、いま、中部戦区のナンバー2になっている。各地で叛乱が起きたときにすぐに鎮圧部隊を投入するには、空挺軍が北京周辺にあるのは理想的だろう。

 海上民兵の動員は、漁師が遠洋まで出るようになってからは等閑視されていたが、2012に「北斗」の信号を漁師が利用することが党の地方支部によって補助金付きで推奨されるようになり、2013から海上民兵が再編制されている。

 特にパラセルやスプラトリーを管轄する地方支部が2015から熱心にそれをさせている。

 中共は「パブリック・オピニオン・トラップ」を仕掛けてくる。漁民に敵軍艦に対するイヤガラセをさせ、敵軍艦が反応すれば、悪いのは敵軍艦だという内外世論ができる。

 次。
 Jennifer Sinco Kelleher & Brian Melley 記者による2018-1-15記事「Missile-Alert Mistake Feeds Doubts About a Real Emergency」。
    ハワイ州は、各家庭に14日分の水と食料を備蓄することを推奨していた。

 とりあえず今後は、2名が動作協調しなければアラームは出せないようにする。また、間違ったアラームをすぐに取り消せるようにする。

咸鏡北道の反政府度が高い。米軍は2月に2回、ICBM発射訓練を予定。

  Bart Marcois 記者による2018-1-11記事「Putin’s New Cyber Weapon May Be GPS Spoofing」。
     ロシアではタクシー料金をGPS信号によって割り出している。ところがある利用者のツイートによると、モスクワ郊外から市内まで乗っただけでメーターが5000ドル相当になったという。

 またあるモスクワのタクシー会社では、配車の1台がげんざいルーマニアを走っていると表示された。

 どうやらクレムリンがGPSスプーフをしているらしい。NATOとの戦争を真剣に考えているのだ。

 ロシアのハイテク企業ヤンデックスに勤務する男性がブログを書いているのだが、彼は昨年、受信装置を積んだ車でモスクワ界隈を走り回ったみた結果を報告している。

 クレムリンとヴヌコヴォ空港、ドメデドヴォ空港の3箇所で、正しいGPS地上局波とは異なった周波数のスプリアスGPS信号が発せられていた。

 ひとつの可能性。ドローンの接近を阻止するために、ロシア当局が意図的にGPS信号を狂わせている。

 ソ連時代、都市道路地図も電信線分岐点地図も、国家機密事項であった。そのノリがまだ残っている。

 ロシアは2017-6に黒海で、大規模なGPSスプーフィングの実験をしたようだ。ミヴォロシスク港内の20隻以上の船舶で、いままさに内陸のゲレンジク空港に所在しているように、表示されたという。

 衛星から来るGPS信号は、いわば2万マイル先の20ワット電球の光のようなものだから、すぐ近所から妨害をかけることはわけもなくできる。建物の屋上や、ドローンに、たった1ワットの偽信号発信機をとりつけただけでも、GPS信号は完全に狂わされてしまうのだ。

 見通し距離よりも遠くから発射する巡航ミサイルや対艦ミサイルは、スプーフィング対策をとっていない限り、目標から大きく外れて失探し、あらぬ座標に着弾するか、早期に墜落させられるだろう。

 このスプーフィングを、巨大船舶で常に大混雑する国際海峡でやられたらどうなるか。最高級の艦船は、GPSスプーフィング対策ができている。それ以外の船舶は、正しいコースも自己位置もわからず暴走し、衝突し、座礁し、漂流するであろう。

北鮮は中共のようになりたくてたまらない。その中共は1964東京五輪の大会7日目に大気圏内核実験をやらかした。

 60年代に開発した中距離ミサイル「東風2」の核弾頭は重さが1トン半もあったが、イールドは15キロトンしかなかった。それを80年代まで展開していた。
 70年代に完成した中距離みさいる「東風3」の核弾頭はイールドが2メガトンあったものの、弾頭重量は2150kg。これが今でも現役なのである。

 トンカチすら欠乏している物資不足の北鮮の原爆が500kgでできるわけがないし、まして水爆なるものが1トン未満でできるわけがないというのが技術的な「相場値」。連中が2月の大気圏内実爆を見送ることで、これは傍証されるだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-1-11記事。
  米国は2008のクラスター禁止条約に加わらなかったが、2017後半に、「2019までにぜんぶ捨てる」と決めた。

 しかしさいきん、思いなおしている。
 2011のリビア介入で英仏のスマート爆弾はすぐ底をついた。ロシアか北鮮が暴発すれば、米軍もそうなっちまう。そのときに頼りになるのはクラスターだ。

 クラスターの子弾は不発率が2%以下になるよう設計される。
 しかし使ってみると5%くらいになってしまう。

 雪面や泥田に落ちると、なんと15%もが不発弾になる。

 そのような場合でも不発にならないようにするには信管を複雑にするので、弾薬の値段が二倍になる。

 もしクラスターの不発率を1%未満にしたければ、弾薬コストは3倍になる。

 1991湾岸戦争では、不発クラスター弾が味方をかなり殺傷した。
 これは勝ち戦で敵陣を占領し続けたことによる。そこには友軍が撃ち込んだ不発弾がゴロゴロしているのだ。

 イスラエルとドイツでは問題を解決した。子弾が1発15ドルになったが、不発率は1%未満になった。

 基本原理は、メインの信管が作動しなかった場合、バックアップ信管が16秒(プラマイ2秒)を数えて時限炸裂するようにするのである。

 ひとつの戦闘で数km四方の土地に砲弾1万発が撃ち込まれたとする。そこには最低でも200発の不発弾が残るだろう。信管が古い場合、3000発が不発になってもおかしくはない。

 最新のクラスター砲弾だったら、20万発の子弾を撒布して、不発が最低2000発というところ。
 土地の条件が悪いと、不発は5万子弾にのぼるだろう。

 クラスターは航空基地攻撃には最適である。

 MLRSのクラスターをやめてGPS誘導にしたタイプ。単弾頭だが、タングステンペレットが1000個、飛散するようになっている。

 ※小松製作所が2016年に特許出願した「飛翔体」は155ミリ砲弾から24個の子弾を放出するが、蜘蛛の巣状に導爆線が結び付けられているので不発弾が残らないという新案のようにみえる。残念なのは、これがMLRS用ではないこと。15榴をどうやって尖閣まで持っていくのか? せっかくの新案も出発点がレトロだから台無しになるという例。

紙の年賀状を差し上げなかった全ての方面へ「謹賀新年」をお伝えしたいっ!

 Hal Brands 記者による2017-1-5記事「China Hasn't Won the Pacific (Unless You Think It Has)」。
 軍事費はどうみても米国の半分。GDPはどうみても四分の一の中共だが太平洋から米国を追い出すという決意だけは固い。

 南シナ海での砂盛島の違法工事に協力している中共企業に日米豪が制裁を加えることはオプションである。

 次。
 Ankit Panda 記者による2018-1-8記事「4 China Coast Guard Vessels Enter Japan-Administered Waters Near Disputed East China Sea Islands」。
   機関砲装備の海警船が尖閣領海に侵入して、また海保の戦いの年が始まっている。

 ※敵国に対する最前線の沖縄に軍事基地と部隊が集中しているのはあたりまえだ。辺境に防備努力が集中されていなかったらどうやって日本列島を守れるのだ?

 次。
 MATTHEW M. BURKE 記者による2018-1-8記事「Another US military helicopter forced to make emergency landing on Okinawa」。
   沖縄で1機のAH-1Z「ヴァイパー」が、警報ランプが点灯したので緊急着陸した。

 その前にはUH-1Y「ヴェノム」が同様の理由で緊急着陸している。2018-1-6のこと。

 ※米陸軍と空軍がブラックホーク系に切り換えたあとも、海兵隊だけはヒューイ/コブラにこだわりつづけ、それを大改良したのがヴェノム/ヴァイパー。外見上はローターが2枚から4枚になって特徴的なパタパタ音がなくなったことぐらいしか分かり難いけれども、内部はほぼ別物。どこかの部品が壊れる前にメンテナンスを早めに促す自己診断ソフトウェアが備わっている。そのソフトウェアが早目警報を発すれば、大事を取って着陸するわけ。

 2017-1-20にもヴァイパーのソフトが早目警報を出したのでパイロットは伊計島に緊急着陸した。ダメージ皆無。

 2017-10-1には古いスーパースタリオンが空中火災を起こし、緊急着陸のあと丸焼けになった。場所は北部訓練場の近くの農家所有地。

 次に「プラスチックキャップ落下捏造事件」が2017-12-7に起きた。
 ※思うに、これで米兵は怒った。沖縄知事とマスコミが反米なのは分かっていたからどうでもいいが、中央(東京)の大手メディアがこのフレームアップについて左翼寄りの報道しかしなかったことに、彼らは腹を立てた。〈だったらホンモノを落としてやるよ〉というのが2017-12-13のCH-53Eの窓落下事件だろう。最上層部ではさすがにヤバイと青くなり、日本の警察を米軍基地内に入れるという特別な計らいによって、事を収めた。そして米国人は学んだ。これらの事故の真相に突っ込めない日本のメジャーマスコミは掛け値なしの無能者の集まりらしいと。

 ※そこで今回の緊急着陸だが、心理的には同じパターンである。2018-1-6のヴェノムの着陸は、軍隊的には事故でもなんでもない。ところがNHKを筆頭とする中央メディアによってそのところがちっとも公正に解説されることなく、大スキャンダル扱いされた。これに米兵はまた新たな怒りをかきたてられたはずだ。ただしフライトレコーダーがあるから嘘はつけない。本当にランプは点灯したのだろう。

 ※本欄で繰り返し警告しているように、欧米では一国内の世論分裂工作はSNSが主戦場でありボットネットが主兵である。ところが日本でのみ、NHKテレビが主戦場であって、主兵も生きている潜入工作員なのである。

核爆発の放射線を受けても二次放射能を持たないような「屋根材」「壁材」「建材」を模索しなければならない筈。

  Kelsey Atherton 記者による2018-1-4記事「Russia’s radar shortcomings are a US problem now」。
    昨年6月の火星14について、米国も日本も飛距離がICBM級だと認めたが、ロシアだけは、あれは中距離ミサイルである、と二回続けて発表した。
 これはロシア極東部ではまともな早期警戒レーダーが機能していないことの傍証だろうと疑われる。

 UHF波を使うヴォロネジ・レーダーがICBM警報システムとして存在するはずなのだが、どうやら北鮮の火星14の二段目は捕えていないようなのだ。それが物体として小さいからだろう。

 これは何を意味するか。北鮮のBMに対して、西側国がABMを発射すると、ロシアの間抜けすぎる早期警戒網は、それがABMだとは分からずに、西側からのBM攻撃だと勘違いするおそれがあるだろう。

 ロシアは2016末までに全国土の早期警戒網を建設し終え、2017末には最後の三箇所のレーダー基地が運開したとも発表している。

 ラヴロフ外相は12月になってやっと、北鮮がICBM級ロケットを持ったと認めた。
 ロシアは2017-11月の火星15(大型)はレーダーで探知できたのだ。
 しかしその前の火星14(比較的小型)は探知できなかったのである。
 ロシアが完成したと宣伝している早期警戒網の実力は、すこぶる疑問に満ちている。

 次。
 John F. Bradford & Daniel E. Fillion 記者による2018-1-3記事「Trilateral Security Cooperation: Act Now Against Sea Mines」。

   米海大の教官、ジェイムズ・フィッツシモンズは、2012公刊の論文集『Competitive Strategies for the 21st Century』への寄稿「Cultural Barriers to Implementing a Competitive Strategy」の中で、掃海努力に対する機雷敷設努力こそは、すべての戦争行為の中で最もコスパが良く、非対称戦争の好見本であると強調した。

 彼いわく。1945から2001にかけて、機雷はそれ以外の手段によるものの4倍の損害を米海軍艦艇に与えていると。

 北鮮が撒ける機雷の見積もりMaxは5万個である。

 機雷は撒いた犯人が誰かを証明し難いという点でも北鮮にはうってつけの武器である。

  ※この二人組の米海軍幕僚は、掃海力の弱い米韓両海軍に海自を混ぜて三国掃海同盟にしろという迷惑千万の気持ち悪いビジョンを説きまわっており、ペルソナノングラタの資格十分である。こいつらがその前に考えるべきことは、どうやって北鮮の東西海岸を機雷封鎖してやるのかということだろうが……。どこの組織にもピント外れの努力家が居るものだ。

ロシアは北鮮が事を起こすのを待っている。極東事変と同時にバルト三国を占領してしまう気だ。三代目はその期待も理解している。

 ストラテジーペイジの2018-1-1記事。
 さいきん脱北してきた北鮮兵の血液検査をしたら、炭疽菌に対する抗体ができあがっていた。すなわち、炭疽菌ワクチンの予防接種を受けていた。

 ワクチンは北鮮の全国民分はとうていない。全兵士分もない。
 しかし、炭疽菌を製造したり輸送したり兵器に搭載したりする関係者には接種するはず。

 そしてまた、開戦奇襲で炭疽菌で汚染した地域に突入する予定の部隊に対しても接種しておくだろうと考えられる。

 三代目は2015に新装開店なった平壌微生物研究所を視察して宣伝している。
 炭疽菌は自然界では草と土にについており、羊は根こそぎ草を引き毟るのでよく炭疽病に感染する。
 羊毛業者や、皮剥ぎ業者も、しばしばアンスラックスに罹る。

 この炭疽病を兵器化してみたのは英国が早かった。WWII中である。
 ドイツがワクチンを開発する前に使えば有効なはずだった。

 炭疽菌の胞子は自然状態では空中を長距離漂ったりしない。
 長距離を漂う兵器にするには、胞子同士がくっつかないように工業的に処理しなければならない。
 そこまでしても胞子は日光で死んでしまう。

 すくなくも1万個以上の胞子を吸い込ませないと、人は死なない。5万個でも死なぬ人もいる。空気中にバラバラに漂わせれば、それだけの数を1人に吸い込ませることができない。難物なのだ。

 過去最悪の炭疽菌事故は、ソ連のスヴェルドロスク市郊外の生物兵器工場から漏洩した1979のケース。数千人の付近住民が炭疽菌の強化株に感染してしまったが、死者は100人に達しなかった。
 しかもほぼ全員が老人か慢性の肺疾患持ちで、健康な兵役適齢者の死者はゼロ。
 威力としては、その程度である。

 この犠牲者たちは、ソ連政府が生物兵器事故であることを公式に否定したがために、正しい治療を受けさせられずにまったく放置された。それでも100人は死ななかったのである。

 その後、ソ連政府は、死者たちは炭疽菌に汚染された食肉を口にしたために死んだのだと公式発表を訂正。

 ソ連崩壊後、現地に始めて西側の調査チームが入り、生き残った人々の血液を調べた。人々は、炭疽菌ワクチンは注射されていなかったが、もともとナチュラルな抵抗力を備えており、それが機能して感染症と戦うことができたのだと分かった。

 地球温暖化で炭疽菌がアウトブレークしたという例が、2016年の西シベリアにあった。40人が感染したがいまのところ誰も死んではいない。
 原因は、1968に自然流行した炭疽病でトナカイが大量死し、なにしろ永久凍土帯なので埋めた肉が腐り切らず、かなり残っていた。それが2016の35℃の暑い夏に溶けて再び胞子を放出したのだ。

 2012年には南シベリアで炭疽病の小流行があり、1人死んでいる。
 キルギスタン内で露軍が借り上げているカントという飛行場の20km郊外でも小流行があった。

 米国の炭疽菌テロは2001の話。封筒に炭疽菌が入っていて、1人死亡、12人罹患。
 問題は、こういう事例に社会と政府が反応して人々におびただしいワクチン投与を始めると、ワクチンに耐性をもった菌種が誕生してしまうおそれがあること。そっちの方がおそろしいかもしれない。

 炭疽菌の作用には大別して二種あり。
 皮膚がただれて激しく痛む症状のものは、真っ黒なシミ状からすぐに炭疽菌と診断されるから、ただちに抗生物質が投与され、完治する。痕は残るが。

 他方、肺から感染した場合は、感染後数日でインフルエンザのような症状を顕す。その場合は死が間近にあると言える。
 というのも、非常に幸運に、それが炭疽菌のしわざだといちはやく気付くことができたときにのみ、抗生物質による正しい治療をしてもらえるからだ。たいていは、そうとは気付けず、インフルエンザと診断されてしまえば、手遅れになる。

「読書余論」 2018年1月25日配信号 の 内容予告

▼松田卓也監修『人工知能の都市伝説』2016-3pub.
 軍艦の砲塔は昔は有人、今は無人。その類の「ロボット歩哨」なら、珍しくもなんともない。

 世界が終わる日には美味しいものを食べに行くと答えた阿呆大学生。レストラン従業員がそんな日に仕事に来るとでも思うのか(p.135)。

 AI研究予算を国別に比較すると、アメリカ:EU:中共:日本は、58:18:8:2である(p.225)。
 このままでは日本は、かつて産業革命で欧米に突き放されて後進地域に転落したムガール帝国や清国と同じようになる。諸国の運命の「大分岐」がAIに関してまた起きる。

▼中島博『カンテラ日記――富士山測候所の五〇年』1985-3
 S13-8-24に、西安河原に航空医学研究所=陸軍軍医学校衛生学教室富士山分業室 が開所。

 S18-6-8、陸軍糧秣本廠が山頂で、圧力をかけられる飯盒で炊爨する実験を繰り返す。山岳戦のためだという。

 大気圏内核実験の放射能灰が日本に来るには、ビキニ環礁からだと貿易風に乗ってまず西へ移動し、ついでフィリピンから小笠原高気圧の周辺を北上。およそ1~2週間で日本に達する。
 南西シベリアやノバヤゼムリヤのソ連実験の放射能は、3日から1週間で日本に来る。
 中緯度の放射能は2週間で地球を1週して、また日本で観測されることになる。

▼草野かおる『4コマですぐわかる みんなの防災ハンドブック』2011-8
 阪神淡路では、6434人の死者。死因の大多数が、圧死。木造住宅が人を殺した。どうしても木造住宅で寝るなら、二階で寝よ。

▼草野かおる『防災&非常時ごはんブック』2014-8
 七輪は炭を入れて燃やすもので、練炭は入らない。
 練炭は、専用のレンタンコンロで燃やす。そのコンロのサイズは練炭に合っている必要がある。
 練炭コンロは煮物に向く。七輪は焼き物に向く。

▼齋藤訓之『有機野菜はウソをつく』2015-2 SB新書
 オーガニックには、お仕着せではない自主選択的なもの、という意味がある。

 スーパーマーケットの側からいわせてもらえば、無機だろうが有機だろうが、優秀な農家は単収が高い。栽培中に丹精など込めている農家は、ダメ農家の証しである。省力、低コスト、しかも健全で安全な栽培は、単収と比例している。

 HACCPとは何か。Hazard Analysis and Critical Control Point……危険なところを分析しておき、急所を制する。
 1997年から爆発的に欧米に普及したメソッド。

▼竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける』2013-10 PHP文庫
 著者いわく、江戸城の大手門は将軍の臣下たちの門であって、将軍にとっての正門は半蔵門だったのだろう。

 治水の基本。ある場所で水を溢れさせる。
 今の荒川区と北区の、台地ではない川寄りの地帯は、隅田川が増水したときは全面浸水やむなしとされた、いわば遊水地だった。
 ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。

 電子書籍ソフト対応の「一括集成版」もできました。詳細は「武道通信」で。

 「読書余論」は、2018年6月25日配信号以降は無料化されます(購読者登録だけが必要)。これから数ヶ月分の購読料をまとめて振り込まれる方は特にご注意ください。詳細は「武道通信」で。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。