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ミニオンズとは奴隷同然に頤使されている手下どものこと。

 Pavel Felgenhauer 記者による2018-3-30記事「Moscow Surprised by Western Show of Solidarity With Britain」。
       神経毒ノヴィチョクによる国家テロに制裁すべく、28ヵ国が計150人以上のロシア外交官を違法諜報活動の咎で追放した。
 ルクセンブルク、マルタ、ポルトガル、スロヴェニアは、ロシア外交官の追放をしないかわりに大使を一時召還した。

 ロシアは完全に読みを誤った。英国はブレグジットで欧州から切断されつつある上、女の首相では何もできまいと高を括っていたのだ。

 さらに米国のトランプを抱きこんだと思っていたら、米国は列国中最多の60人のロシア人外交官を追放。その中には国連代表団員も居り、かつまたシアトルの領事館が閉鎖された。

 クレムリンに近いメディアいわく。この報復として多数の米国外交官がロシアから追放され、大使館の人手不足から、以後はロシア市民が渡米のためのビザを得ることもできなくなるだろう、と。

 オーストリーはロシア外交官を追放しなかったというのでロシアメディアから褒められている。

 ドイツは、四人追放したがその代人を入国させてもいいよという生ぬるい措置。これもロシアメディアから褒められた。

 ドイツ政府は、ロシアの天然ガスをガスプロム社がウクライナ領を通らずにドイツに供給する2ルートのバルト海底パイプラインの建設を許可した。ワシントンはこの事業に反対しているのだが。

 ただしこの敷設を開始する前にロシアは、フィンランド、スウェーデン、デンマークからも同意を貰わねばならない。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-3-30記事。
   ロシア軍とNATO軍の総力格差は、冷戦中よりも今の方が甚だしい。これはロシア人も認めている。

 ロシアはトルコをNATOから離反させようと工作中。

 3-29時点で判明。露軍はウクライナ軍との最前線で「目潰しレーザー」を実用し始めた。これは国際合意で禁じられた兵器である。

 シリアに持ち込まれたスホイ57はロシアへ戻った。2月末までに。目的はセンサーの実地テストだった。

ヘイティストビーチ

 ストラテジーペイジの2018-3-29記事。
   イスラエル軍は2017-8から輸入品のDJIクォッドコプターを採用している。ユーザーは、歩兵旅団と、南部の国境警備大隊。

 商品名はメイヴィックとメイトリスだ。

 まずすべての歩兵部隊長は「メイヴィック・プロ」を受領する。空飛ぶ双眼鏡として。
 じっさい、メイヴィックは折り畳むと双眼鏡サイズにおさまる。自重734グラム。

 バッテリー1個がついてメイヴィックプロは1000ドルくらい。部隊長は予備バッテリーを多数携行する必要がある。1個の充電に1時間以上かかるので。

 メイヴィックは21分滞空できる。戦場ではそれを100m以下の超低空で飛ばすであろう。水平距離だと7kmは進出させられる。

 クオッドコプターの世界では「上昇限度」の高度のスペックにはあまり関心が払われない。というのは、いくら高く昇れるとしても、そこまで行くのにはものすごい時間と電池を消費してしまうから。だからみんな、超低空で飛ばすのである。

 メイヴィック・プロは2016年後半に発売されている。

 2018前半にDJI社は、重さが半分で一層小型のメイヴィック・エアを発売。滞空時間は同じ。
 自律的に障礙物との衝突を回避するソフトがついて、価格は800ドルだ。

 他方、「メイトリス100」は、逆に大型化した製品。メイヴィックより滞空時間は2倍長く、しかもナイトヴィジョンカメラ装備。イスラエルの国境警備部隊に、これが支給される。
 市販価格は1機3300ドル。しかし軍はまとめ買いするから、もっと安く収まるだろう。

 メイヴィックは、2015リリースの「ファントム3」の後継機である。
 ファントム3も単価1000ドル。しかし重さは3.9kgあった。
 滞空20分。
 進出水平距離2km。

 そもそも「ファントム」の最初のモデルは、2013年クリスマスシーズンに市販された。
 市販後、毎月のようにアップグレードとオプション機材がリリースされている。※この改善ペースがすばらしいのだ。詳しくは来月発売の拙著『AI戦争論』を読んで欲しい。日本の玩具メーカーはDJIの足元に及ばない。

 「ファントム3」は水平進出距離5km、ビデオは4K規格で、単価は1800ドルだった。

 米軍はこれらDJI製品のハードとソフトを、中共に部隊情報が漏れてしまうとして個人ユースであっても全面禁止している。が、イスラエル軍は「空とぶ双眼鏡」として使用する限りはノープロブレムだと判断した。

 メディアは、「恐怖」「不確実性」「疑い」を飯のタネにするものだ。FUDと称する。
 イスラエル軍にいわせると、DJI社をそこまで疑うよりも、その製品から得られる情報の方が、自軍を安全にする。

 ※陸自にミニUAVが普及しない事情の一つに、装備類を「消耗品扱いできない」というお役所流の文化があると思う。だが解決法はある。50mの有線テーザー式とするのだ。テザリング給電ならば機体にバッテリーをとりつけなくていい(ロスト時のビーコン用としてボタン電池がついていればいい)。そして「トンボの脚」をとりつけて、屋根の上や巨大鉄塔の途中の梁にマイクロ・クォッドコブターがしがみつき得るようにする。こうすると、高所にとまらせたあとは、ローターは停止させ、カメラ用に最小の給電を続けるだけで、無限の時間、「高所からのビデオ映像」が小隊長の端末に有線ブロードバンドで届く。こんな楽なことはない。小隊長がみずから屋根の上に登る必要などなくなるのだ。有線通信のみだから敵のECM妨害はまったく無駄である。しかも機械的不具合等が起きて飛び戻っては来られなくなったという場合には、そのテザー紐をたぐりよせれば、ほぼ確実に回収ができる。これで財務省もニッコリするはずだ。50mというのは「森田」が製造している最長の消防梯子車の到達Max高度と同じ。戦艦『大和』の艦橋トップの測距儀だって海面から40mしかなかったのだ。「遠見」のためには、もう十分であろう。

ゴリラとゴルラ

 APの2018-3-28記事「US: We won't pay over 25 percent of UN peacekeeping anymore」。
   米国連大使ニッキ・ヘイリーは28日、国連安保理の平和維持活動改革の会議で発言し、米国は同活動の資金分担の米国分の上限を総額の25%に設定し、それ以上はもう拠出しないと宣言した。

 げんざい国連の平和維持活動は世界の15箇所で遂行されているところ。

 今年のその活動予算の28.5%=73億ドルを米国が出している。

 トランプは、その予算総額にも、その分担割合にも不平を述べている。それを承けて今年の活動予算は昨2017年よりも5億7000万ドル少ない。

 予算は国連総会の投票で決められる。各国の分担比率も。

 次。
 Ben Werner 記者による2018-3-27記事「Theodore Roosevelt Carrier Strike Group Leaves Middle East for Pacific」。
    CVN-71『セオドアローズヴェルト』を中心とするキャリアーストライクグループ9。四ヶ月の地中海派遣を終え、第五艦隊から第七艦隊に移る。つまりインド洋~太平洋にやってくる。

 もともと『TR』の母港はノーフォークだったが2015にサンディエゴに変わった。

 『TR』のまわりを固めている水上艦は、駆逐艦の『ハルゼー』『サンプソン』『プレブル』、そして巡洋艦『バンカーヒル』。すべてイージス。

 いま『GW』は四年がかりの燃料換装&改装中。
 『ロナルドレーガン』は横須賀を母港にしている。

米朝合意のナローな可能性は?

 まあ破談におわるのは眼に見えているが、唯一、妥結案もあり得る。
 それは以下のようなものだ。

 北鮮は「核地雷」だけは保有してもよい。
 しかし「弾道弾」を保有することは一切認められない。通常弾頭でも。
 北鮮は弾道ミサイルと長射程ロケット弾(射程150km以上)をすべて廃棄する。韓国も弾道ミサイルと長射程ロケット弾をすべて廃棄する。米軍も同地域に弾道ミサイルと長射程ロケット弾を持ち込まないと約する。
 その後、南北朝鮮がもし弾道弾を試射しようとしたら、それがいかなる口実であっても米国が容赦なく空爆する。

 この合意がトランプ老人にとって魅力的なのは、「在韓米軍の撤収」が可能になるからだ。
 そして核地雷を持っている北鮮体制は外国の地上侵攻によって一方的に亡ぼされることはなくなるから、三代目はとりあえず安心だ。
 中共も満足するだろう。
 日本も諸手を挙げて賛成できる。半島方面に関しては弾道弾軍縮が実現するからだ。
 文左衛門はとりあえず米軍の撤収に結びつくから大歓喜であろう。

 ところでトランプ老人は、側近から説得されるとその都度、一時的には正気の理性を示せるのだけれども、一晩寝れば、ボケ老人の如く1980年代の歪んだ信念が蘇る偏執狂患者である。

 その信念のセットとは、韓国については米軍の撤収と残留米軍の費用全額を韓国政府に負担させること。
 日本については貿易赤字分相当の経済制裁と、やはり駐留米軍の費用全額を負担させることだ。
 これらの政策は、トランプ老人が大統領であり続ける限り、幾度でも執拗に追求され続ける。ヒトラーが青年時代に決意していたバルバロッサ作戦と同じで、やるかやらないかではなく、いつやるかの問題にすぎないのだ。

 老人の硬直頭にはいまさら「地政学101」は入らない。そんな説得を試みても無駄なのである。
 むしろ精神の病人を悦ばせてやれる特殊なプランを提言するのが上策というものだろう。

キチキチバンバン

 KIM GAMEL 記者による2018-3-22記事「US military plans evacuation drill at same time as war games with S. Korea」。
   在韓米軍は4月16日から20日にかけて、エバキュエーションの恒例リハーサルである「フォーカスト・パセージ」を実施する。
 このリハーサルは毎年、春と秋の2回、することになっている。
 今回は、一部の家族を、じっさいに北米までフライトさせてみるという。

 この訓練にあわせて、逆に半島へは他地域から米軍が増派されるであろう。

 太平洋コマンドのハリス大将は2-14に議会で証言している。半島で戦争が起きたら、在韓のシナ人100万人と、在韓の日本人6万人も、逃げ道を探さなくてはならぬ。

 米軍家族の荷物はとりあえず米軍基地内の体育館に集められて、そこから空送される。厄介なのはペット。これの処理には赤十字が協力する。また私有車両をどうするのかも課題として残る。

 日本行きを望む米民間人は、横田基地へ運ばれる。

 リアルに避難させなければならない人数のだいたい十分の一がこの実動訓練に参加してくれる。リアルとなれば米人の観光客もエバキュエートしなければならぬ。
 そして訓練では厳密に米人だけ救出するのだが、リアルとなったら日本人など多国籍の民間人も便乗させることになるだろう。

 韓国人も脱出しようとするだろうし、シナ政府とシナ人は近海で使えるフェリーの切符をぜんぶ買い占めて、同胞の半島脱出のために使わせようとするだろう。

 北鮮のミサイルは全空港と港湾に落下するはずだ。またエバキュエート先を最寄の在日米軍基地にしようとした場合、日本政府は「日本人も助けてくれんか」と求めてくることは必定。

 次。
 Ian T. Brown 記者による2018-3-22記事「John Boyd on Clausewitz: Don’t Fall in Love with Your Mental Model」。
       ジョン・ボイドいわく。クラウゼヴィッツは集中が最も大事だといいながら、それには四つの例外があるという。四つも例外があるのになんでそれがいちばん大事なんだ?
 ちなみにスピードが大事であることについての例外はクラウゼヴィッツは無言及である。

 よく読めば、クラウゼヴィッツは、作戦を素早く進めれば集中は不可欠ではないと考えていることがわかる。だったら、彼の掴んだ真の第一原則は「集中」ではなくて、「スピードの原則」だったのだ。

 クラウゼヴィッツは敵兵力が最も密集しているところに敵軍の重心はある、という。ボイド駁していわく。ドーナッツの重心は密度ゼロではないかと。ダンベルの重心は、両端よりも物量が少ないではないかと。
 ※1830年代の欧州知識人は皆、ニュートンの偉業に倣いたいと願っていて、無理して物理学的な用語にこだわった。その自設トラップにクラウゼヴィッツはからまってしまっただけ。

 次。
 Austin Bay 記者による2018-3-13記事「Is Russia's Nerve Gas Attack in Great Britain An Act of War?」。
     2003年いらい英国では14人のロシア関係者が奇妙な不審死を遂げている。
 内訳は、元スパイ、事業家、反プーチンの政治活動家たちだ。

 プーチンを批判していた元公安高官のアレクサンダー・リトヴィネンコは2006年、紅茶に混入されていた「ポロニウム210」によって悶絶死した。
 英警察は2016に、この事件の犯人はロシアのFSBだと結論した。

 3月4日のスクリパリ父娘の暗殺未遂に使われたのは「Novichok-A-230」という強化神経剤。液状もしくはパウダー状で使用される。
 VXの8倍の殺傷力があるという。

 英国メイ首相は、これは「NATO・アーティクル5」案件だと言った。
 同条項は別名「三銃士条項」とも呼ばれる。加盟国のどれか1国の領土に加えられた攻撃を、全加盟国に対する攻撃だと看做して防衛行動を発動するものである。

 これまで「アーティクル5」は一度しか適用がされていない。すなわち「9・11」の時。

 ※ワールドカップをボイコットなんてできまい、ムムははは、とプーチンが高をくくって攻めてきているので、おそらくNATOはボイコットを決めるだろう。ここで決意を示さないと、やられ放題になるのが目に見えているから。

そっちのほうではストトコトントントン。

 ストラテジーペイジの2018-3-21記事。
   経済制裁が効いている。
 在中共の北鮮資本レストランでは従来は学生は働かせていなかったが、平壌の女子大の1年生は2年間そこでウェイトレスとして働けという政府の指令が出された。外貨が必要なため。

 また、中共領内で外貨を稼げる北鮮商人に対しては、平壌政府は、従来より長期間の出張を許すようになっている。

 また平壌政府は、およそ売れる物ならば何でも売る方針を余儀なくされつつある。「マンスデ・チャンネル」は北鮮版のネットフリックスである。従来は特定公務員にしか視聴を許して来なかったこのIPTVに、カネを支払えば誰でもがアクセスできるようにした。

 そのインストール代と月々の視聴料の支払いは、中共の通貨「元」でしなければならない。加入料が100ドル相当とも言う。平均労働者の月給2ヶ月分に等しい。

 コンテンツは、海外ニュースの他に、冷戦中に中共や東欧で放映されていた古い番組だそうである。

 シナ国境に近い北鮮の某水力発電所は、従来、北鮮軍の弾薬製造工場に給電していたのだったが、今では電力のほとんどを中共へ越境売電し、シナ人の建材工場がその電気を買っている。つまり北鮮軍は弾薬製造を止めてしまった。
 発電所長は、それらシナ人から、米ドルもしくは中共元で、電気料金を受け取っている。

 北鮮政府が「北鮮ウォン」札を刷り過ぎているのは確実。市場も敏感に察しており、誰もウォン札など受け取りたがらない。
 現在、1米ドルは8100北鮮ウォンである。1中共元は1200北鮮ウォンである。

 2017年後半の交換レートでは、1元=1400ウォンであり、また1ドル=8500ウォンであった。

 3年前だと、1元=1300ウォン。また、1ドル=8200ウォンだった。

 「元」は対支商売の小口決済で主用される。ドルは、大口の決済や、ガソリンや軽油を買い求めるときのとっておきの通貨である。そして法的にはドルの北鮮内流通は違法。
 北鮮国内の燃料代は、昨年に比べて2倍になった。瀬取り密輸がなければ、もっと高騰している筈。

 北鮮政府は、ガソリンや軽油を買いに来る自動車所有者に対して、「去勢牛で曳かせる荷車を使え」と指導中である。

ある作戦「後」。

 フィンランドが会見場所に選ばれたのは、航空機移動を恐れる三代目が、往復するのに際し、ロシア領空だけを飛べばよいために、比較的に安心感があるから。

 ところがこれはトラップでもある。
 もともと、三代目の国外逃亡先としては、ロシアしかあり得ないと考えられてきた。

 フィンランドに滞在中に北鮮でクーデターが起きたら、三代目はすぐにロシアに亡命できる。というか、そうするしかなくなるのだ。

 次。
 新刊『AI戦争論』は4月10日ぐらいに発売ではないかと……。
 版元は飛鳥新社さんです。

 若い人がこれを読むと人生が変わってしまいます。書店で見かけたときには、じゅうぶん注意しよう!

ある作戦

 マクマスターの首を挿げ替えるという話が出てから何週間も引っ張っているのは解せない。怪しい。
 これがディスインフォメーションだったとしたなら、どうなるだろうか?

 三代目がフィンランドまで出てきたところで、対北奇襲(ほぼマクマスター案)を開始。

 三代目はそのまま二度と帰国できなくなる。すぐにクーデター条件が整う。
 中共がマペットを平壌に押し込んで、クーデター成功。

 懲罰関税で米支関係が悪化したと世界には思わせておいて、じつは裏でコラボしていたという筋書きだ。
 トランプは、北鮮体制を転覆させた男として、歴史に記録される。

こっちのほうでもドンドンドン。

 Bill Gertz 記者による2018-3-12記事「After Tariffs, Trump to Punish China for Intellectual Property Theft」。

  中共は2025年までに世界市場を支配する気でいるが、ロボットとAIで未来工業/経済をシナが牛耳るようなことには絶対にさせない。そのために通商法の301条を発動するのだ。
   ※とうとう米国は中共を「脅威になるナンバー2」と認識した。90年代の日本と同じに視ているとすれば、これで中共は終わる。

 1974の通商法の第301条項。米国ビジネスを毀損している行為者に対して懲罰ができる。大統領の一存で。

 3-11にピーター・ナヴァロがFoxで語った。知財窃盗者中共に対する懲罰アクションがまもなく行なわれる、と。

 100以上の中共からの輸入製品に対して制裁または関税が課せられるだろう。また、シナ人が米国ビジネス界で巨額買収をすることが制限されるだろう。

 過去にUSTRは、1991と94の二回、中共に対して301条を発動したことがある。

 鉄鋼関税25%およびアルミ関税10%は3-23から施行される。
 トランプの認識。国内のあっちこっちの製鉄所の高炉から次々と火が消えている。熟練労働者もいなくなってしまう。許せん。

 中共はとっくに過剰生産状態であるのに、2016年には、さらに3600万トンも鉄鋼を増産しやがった。

 鉄鋼とアルミに無差別にかける関税は、それをかけられた国々が、中共に生産抑制を求める動機となるので、正義なのだ。

 同時にUSTRはWTOに対し、中共体制を市場経済であるかのように扱おうとするのは止せ、と求めつつあり。

 中共は米国車を輸入するときに25%の関税をかけている。許せん。
 関税がいやなら国内に工場を建てろと中共はいう。テスラ社が中共内に自動車製造ラインを建設すれば、それは技術を盗まれるのと同じことではないか。
  ※記者のビル・ガーツはもともと『WP』紙の安保関係記者で、そこに27年も在籍していた。バルカンにおけるロシアの諜報活動を記事にしたときは、あまりに正確だったので、ロシア側から「CIAの手先」と呼ばれた。新華社からも2006年に「反支専門家No.1」の称号を奉られている。ゴロツキ国家群に対して中共が兵器弾薬を売りまくっている実態を暴いたので。彼の最新単行本のタイトルは『iWar』という。

ウエストサイズストーリー。

 Mark B. Schneider 記者による2018-3-12記事「Deterring Russian First Use of Low-Yield Nuclear Weapons」。
       2018NPRのひとつの結論。米国はトライデントSLBMの弾頭に、低出力水爆を採用すべし。それによってロシアが低出力戦術核の第一撃によって北欧で侵略戦争を成功させようとしている野心を挫かなければならぬ、と。

 ※GDPで14分の1にすぎぬロシアが米国に優っているのはストックの戦術核弾頭の数の多さだけである。だからロシアはこの自らの長所を最大限に活かそうとする。それを止めなくてはならない。

 ロシアの先制核戦争野心について最初に警告したのは2016-10のアシュトン・カーター長官。通常戦力ではもうNATOにかなわないものだから、戦術核の限定使用で勝とうとしている、と。

 大威力水爆を製造できる国が遭えて弾道弾に低威力弾頭を搭載することは珍しくはない。ロシアだけでもない。英国とフランスはSLBMに複数の低出力水爆弾頭を搭載している。

 ロシア政府が、出力可変式で精密に着弾してコラテラルダメジを抑制できる戦術核弾頭の開発や使用について承認したのは1999-4のこと。それは2002にロシア人ジャーナリストによって暴露されている。そのイールドはTNT換算で数十トンから数百トンというところ。すなわち0.1キロトン前後。

 CIAはこのロシアの意図に2000年から気付いていたことが、公開文書によって判明済みである。当時のCIA報告書にいわく。低出力で高精度の戦術核弾頭は、野砲の砲弾、空対空ミサイル、ABM弾頭、ASAT兵器、多連装ロケット弾に搭載され得る、と。
 ※野砲弾はナンセンスだ。盗難リスクが高すぎるし大射程ではそもそも「精密」に落ちないから。しかし空対空核ミサイルは現実的だ。これで西側のAWACSを落とせる。もちろんAWACSの整備工場所在地もBMで吹き飛ばす気だろう。

 2009の民主・共和両党の合同リポートいわく。ロシアは地下に貫徹して爆発する低出力の核兵器を開発中である、と。

 ロシアの国営メディアの報道によれば、すでにロシアのSLBMの「シネヴァ」および「ブラヴァ30」には、特別に低威力(0.1キロトン未満~0.2キロトン)の弾頭を装着したものがある。

 セルゲイ・イワノフが国防相だったときにいわく。ブラヴァ30SLBMと、RS-24「ヤース」ICBMには、同じ新型の弾頭が搭載されている、と。ここから、RS-24にも低威力弾頭のオプションがあることが示唆される。

 2004年にロシアのテレビは、新しい野砲のフッテージに添えた解説で、低出力核弾頭も発射できる、と解説。※バルト沿海諸国に向けた典型的なブラフ宣伝である。野砲から発射させる合理性がない。

 2013にロシアの元核兵器研究所の男いわく。野砲から発射できる口径152mmで出力1キロトンの核砲弾は、露軍全体に行き渡っている、と。※冷戦中にそのような砲弾があった。誰でも知っていること。ただそれだけ。この宣伝強調は、じっさいには古い野砲用の核砲弾が実用的でなくなっていて、新型短距離核SSMを必死で開発中であることを暗示する。

 2009にタス通信が宣伝。SSNの『セヴェロドヴィンスク』型は、低威力水爆弾頭の長射程巡航ミサイルを搭載するであろう、と。

 2018NPRいわく。ロシア軍は近接射程の核弾道弾を持っており、それは目の前の敵に対して用いるものであるがゆえに低出力であると。

 ポトマック研究所の男いわく。5000発ある露軍の戦術核弾頭のうち半分は、すでにサブキロトンの低威力水爆に更新されているだろう。それは防空用途にも投じられ、また、魚雷や巡航ミサイルにも使用され得ると。

 サロフ核研究所が2013にいわく。冷戦中、われわれはPNE(平和的核爆弾)を開発していたと。それは99.85%が核融合であったと。※米国の中性子爆弾と何も変わらない。米国人は幼稚にもニュートロンボムなどというおどろおどろしい名付けをしてロシアの宣伝機関に完全につけこまれて欧州反核運動が盛り上がった。当のロシア人は同じものにずっと響きの良い名前を与えた。国際宣伝戦のセンスにかけてはロシア人の方が上なのである。

 露人ジャーナリストいわく。S-300/400/500とモスクワABMには核弾頭を装置できる。それらを核SSMにも転用可能である、と。

 タスとスプートニクの二つの国営メディアも、S-300とS-400は地対地ミサイルにもなるものだと確認をしている。

 2007にロシア軍参謀本部次長が言った。5キロトン未満の低威力戦術核兵器をすでに開発したと。

 ロシア発の宣伝のひとつの特徴。じぶんたち自身がまさしく現在進行させていることを、米国がやっている所業だとして非難する。

 2009-3のタスの報道に注目。セヴェロドヴィンスクから発射される低威力核弾頭付きの巡航ミサイルは、米空母艦隊を狙うものであると。
 ※洋心に所在する敵に対する核攻撃で弾頭の出力を控える合理性がどこにあるのか? これは港湾に在泊中を狙うつもりなのだと考えると、初めて辻褄が合う。

 戦術核のコラテラルを減らすためには核分裂エネルギーを少なくして核融合エネルギーを増やさねばならない。要するに米国の80年代の中性子爆弾だが、ロシアはこれを完成するのに2000年代までかかっているらしい。
 ※これに関するロシア人の宣伝レトリックに出発点からして錯誤がある。中性子が地面に届く高度で爆発させれば、その中性子照射が地表の物質を放射性同位体に変えてしまう。そのうえに火球が地面に接触する低高度爆発なら、強放射性フォールアウトが必然的に発生し、エネルギー源が核分裂だろうが核融合だろうが関係なく、広範囲且つ長期の民間汚染をもたらすからである。

 2010年のヴォストーク演習で極東軍区の軍隊新聞は書いた。分離主義抵抗集団のセンター市街区をぶっ潰し、かつ、わが軍の損耗を最小にするために、低威力の核攻撃が敵に対して加えられる、と。
 ※中共がシベリアや樺太で分離運動をそそのかすと想定しているわけ。

 そしてこの演習で、S-300の核弾頭タイプを、地対地ミサイルとして使用する想定が実行された。

 ※これでどうしてロシア政府が日本の地ージス案を非難するのかが分かる。SM-3に核弾頭を搭載すれば中距離弾道弾になるじゃないか、と言いたいわけ。てめえらがやっていることをもって他者を非難して来るのが連中の手癖也。

 〔欧州の?〕米空軍基地に対してロシアが10発のありふれた核ミサイルで先制奇襲すれば、その時点でアラートになっていなかったすべての米軍機は報復のために飛び立つことはもうできなくなる。

 CSISの2007リポートいわく。ロシアは米本土の3箇所の核爆撃機基地と2箇所のSSBN基地を、5基の核ミサイルだけで壊滅させられる。

 すると欧州のために米国が使える核運搬手段は、すでに海に出ているだけのSSBN〔とICBM〕が担うより他はない。
 在欧の5箇所のB-61貯蔵所も、とうぜんに核奇襲で破壊されているだろう。

爾後の積雪地方の都市計画では「排雪用サイロ」が市心各所に考えられるべきである。

 これは地下に溜める方式では容積がパンクするのは必定なので、廃ビルを再利用するか、空き家の土地を利用した巨大円筒構造物とし、ひたすら高く積み上げる方式にするとよいだろう。

 次。
 APのCATHERINE LUCEY AND JONATHAN LEMIRE 記者による2018-3-10記事「Confidants: Trump wants to rely less on White House staff」。
   韓国の高官チュンユイヨンが三代目の意向をトランプに伝えると、トランプはすぐにその場で同意した。その場にはマクマクスターも居た。
 トランプはチュンに、すぐそれをホワイトハウス詰めのマスコミの前で発表しなさいと促した。
 チュンは、その前に文左衛門にアナウンスをチェックしてもらわねば、と言った。
 文左衛門は許可を与えた。

 するとトランプは、前例が無い真似に出た。自身がちょくせつホワイトハウスの記者会見場に伝令となって赴き、まもなく韓国人が大きな発表をするぜ、と予告をしたのだ。

 関税問題については、トランプが、コーンと、正反対の論者のピーター・ナヴァロを、何週間も、論戦させ続けていた。

 米国は保護主義を必要としている。この信念は30年来の筋金入りだ。トランプが側近にそのように明言しているのだ。

 関税を課すことによって、ペンシルベニア、オハイオ、ミシガン等の錆び錆びステイツが次の国政選挙で自分の味方になる、とトランプは信じている。

 ※三十年来のトランプのターゲットは日本である。したがって日本政府はじたばたせずに、国防費をGDP2%にしますよと宣言することで切り抜けるしかないだろう。

 次。
 Michael Downing 記者による2018-3-10記事「100 Years Later, The Madness of Daylight Saving Time Endures」。
     フロリダ州は、同州では一年中を「サマータイム」にすることを欲している。連邦議会が認めれば、そうなる。

 サマータイム法(正確には「デイライト・セイヴィング」法)は米国では百年前の1918-3に成立した。ウィルソン大統領時代。

 サマータイム法は19世紀末の英国議会で長年、論議されていたものだった。
 国家総力戦となったWWIがすべてを変えた。
 まずドイツが1916に英国案を採用。1年以内に英国も追随した。

 米国は1918-3-19から徐々に試行した。時計を1時間早める。

 1920年に米国の商店主が発見したこと。日没時刻が遅くなればなるほど、人々は仕事帰りに買い物してくれる。

 今日、やはり人々は、日没が遅くなればなるほど、学校後にスポーツ活動したり、プロスポーツイベントを観戦する傾向がある。

 1920年のワシントンポスト紙の報道。サマータイム法が制定された1918年、ゴルフボールの売り上げは前年比2割増しだったと。

 1986年に、サマータイムを6ヶ月間ではなく7ヶ月間にすることが連邦議会で決められた。そのおかげで全米のゴルフ業界は4億ドルも余計に儲けられたという。

 ただし米国人は戸外でなにかしようというときには車を走らせるから、総体的にエネルギーの節約にはならない。テレビ視聴者がサマータイムの夕方にはがっくりと減ることは確かめられている。

 問題は、年中サマータイムにしてしまうと、フロリダ州では、冬至前後は、朝8時を過ぎないと日の出は拝めない。暗いうちに児童が登校するようになる結果、交通事故死者が増えることは、過去の例から確実である。

知識は風をもたらす。

  Vaughn Standley 記者による2018-3-6記事「What’s Missing in the 2018 Nuclear Posture Review」。
    地球上の核爆発をすべて即座に承知ができる新システム。USNDS(U.S. nuclear detonation detection system)という。詳しくは秘密だが、これからだんだん部分的に公表されるだろう。
 こんなすごいシステムを米国は密かに構築してきていたのだ。

 ほぼ、リアルタイムで、地球上のどこの爆発でも、リポートしてくれる。

 偽の核爆発速報に反応して阿呆な元首が核戦争を始めてしまう事態は、このシステムが利用されるようになれば、予防される。

 ただし地下爆発には対応していない。

 いまのところ、USNDSの受信装置のサイズは、大型トレーラートラックに匹敵。
 しかしこの点は今から楽観していい。GPSも似たようなものだったのだ。

 かつてGPSの利用は軍隊だけに限定されていたが、1983に大韓航空機がソ連戦闘機に撃墜された事件をきっかけとして、レーガン政権が、その利用を民間にまで広げさせた。

 ついでクリントン政権が、GPSのかなりの情報を民間に使わせることを許可した。
 そしていまでは庶民が自分の携帯電話で精密GPSを受信して利用できる。USNDSも、必ずそうなる。

 その結果、核戦争が始まったり予期せぬ核爆発が起きたときに、ハザード・エリアはどこになるか、近くのシェルターはどこなのか、フォールアウトを避けるためにはどこへ移動したらよいのかという判断が、各人においてすばやく正確に可能にもなるのだ。

 将来、USNDSは、雷雲の刻々の位置、台風の眼の刻々の位置、局地的異常暴風圏の移動模様などを米国民に提供するようにもなるだろう。つまり戦災だけでなく、天災・気象災害からも米国民の安全を守る情報システムに育って行く。

 USNDSは、核戦争時にも受信を継続できるように特別に設計されている。宇宙での核爆発が起きても、通信は維持される。国連の地下核爆発監視網のように、分析までに何時間もかかったりすることもない。なんでもかんでもニア・リアルタイムで国民に情報が提示される。国連の地下爆発監視システムは、戦時には沈黙してしまう。USNDSは、敵が破壊しようとしても破壊されない。USNDSは、究極の、非常時に国民が頼りにできる情報ネットワークなのだ。

 2018NPRから、このような未来が読める。USNDSは、最初こそは国家機関だけにユーザーが限定されるが、やがては、かつてのGPSが辿った路と同様に、その利用が庶民に開放される。

 ※センサーも通信リレーも衛星なのだろう。目的を明らかにしない衛星が過去に多数、打ち上げられているので。

I stand by Lt. Gen. McMaster.

 BRIAN BENNETT 記者による2018-3-4記事「McMaster caught in the middle as Mattis and Tillerson maneuver to restrain Trump」。
  マクマスター中将が、イラン、イエメン、パキスタン、北鮮に対して米政府がどうするべきなのか、そのオプションを未だに大統領に示さないので、トランプが非常に憤慨しているという。

 だ真相は、マティス国防長官とティラーソン国務長官が、マクマスター案の提出を阻止しているのだという。

 一事情通氏いわく。マティスとティラーソンは、トランプが馬鹿なことをおっ始めないようにしているのだ、と。

 NSA長官のロジャース提督。2-27に議会上院軍事委員会で証言し、トランプ政権は米国政選挙に介入したロシアに対する報復を命じず、しかも、ロジャースに対して将来の容喙を阻止しろという指令も出さなかったと。珍しい政権批判。

 ロジャースいわく。プーチンはこう思っているはずだ。サイバー世論工作をいくら仕掛けても米国から懲罰されることはないので、どんどんやり続けよう、と。あきらかに米国の対露制裁は不十分すぎる。

 マクマスターは、先月ミュンヘンで、連邦法務長官が訴追した13人のロシア人の罪状は論争の余地もなく明白だと述べた。つまり2016年大統領選挙に介入したのだと。

 ところがトランプがこの発言にツイッターで注文をつけた。マクマスターは、ロシアの介入があったことが2016年大統領選挙の結果には何ら影響をしていないことも言い添えるべきであったと。

 マクマスターの信念は、彼の博士論文にあらわれている。彼はLBJ政権当時のペンタゴンの官僚機構があまりに職務怠慢の無責任なものであったためにベトナム戦争がエスカレートした、と論じていたのだ。彼はこのテーマで1997年に1冊の本『Dereliction of Duty』も出している。それはマクマスターがトランプ政権に加わった昨年にベストセラーになった。

 対北鮮のブラディノーズ攻撃を策案しろとトランプはマクマスターに言い、マクマスターはそれに応えるべくオプションをまとめたのだ。それが提出されればトランプの気性から、「すぐこれをやれ」と言ってしまうだろう。まさしくそれをマティスとティラーソンが怖れている。

 マクマスターは、よく対外政策エキスパートが広舌する「米軍が限定的な空爆をすれば、それは朝鮮半島でのフルスケールの戦争に発展する」という議論の仮定前提を、斥ける。
 ※とうぜん、数十万人が死傷するだろうとする国防総省=マティスの最近の警告も信用してはいないのだろう。

 ティラーソンは国務省に先月、対北鮮のあらゆる制裁リストをまとめさせた。その狙いも、トランプがマクマスターのブラディノーズ作戦案を採用しないようにさせることにあった。

 4月にイランが後援するイエメンのフーシが1隻の爆装高速ボートでサウジにあるアラムコ社の石油ターミナルを攻撃した。トランプは米軍に対し、将来の類似のゲリラ攻撃に対抗する米国としての軍事オプションを出せと命じた。マティスが持ってきたそのリストに、トランプは不満であった。

 トランプは、イラン製の地対地弾道弾がフーシによってサウジ領内に撃ち込まれ続けているのに、米軍として何ができるのか、ペンタゴンにリストを出させた。またしても、そのオプション案はトランプを満足させなかった。

 マクマスターの部下たちは、ティラーソンとマティスがマクマスターを対等に扱っていないと感じている。
 とはいえ、マティスは退役海兵大将。マクマスターは現役ながら陸軍中将だから、対等でなくても仕方ない。

 トランプと前任のフリンは同志愛を持っていた。が、トランプとマクマスターの間にはそのような交感が無い。

 昨年夏、トランプはイランとの核合意を破棄して対イラン制裁を始めたかった。このときはティラーソンもマクマスターもおしとどめ役に回った。トランプは非常に怒ったという。
 そしてこの一件いらい、トランプはマクマスターに冷たくなった。

 そこでマクマスターは態度を改め、爾後はボスの方針に忠実に策案をまとめるようにしている。これがマティスとの衝突を招いている。

 3-1にオーヴァルオフィスで昼食会があり、トランプはそこに、マティス、ペンス、そしてマクマスターを呼んだ。
 憶測がいろいろある。マティスは、いかなる軍事オプションも大統領にはとりつがせぬようにしているのではないかとか。ペンタゴンは否定しているが。

 国務省も、トランプが軍事行動等の決心を即断しないようにあらゆるサボタージュをしている。なにしろ、いったん大統領命令が出てしまえば、あとは国務省もそれに協力するほかなくなるからだ。

 ※韓国の工作に簡単にノセられるようなティラーソンを日本として信用できるわけがない。総理は大統領と電話で話すときにティラーソンに対する苦情をはっきりと述べ、ティラーソンを政権から追放させる公然の口実をトランプ氏に与えるべきであったかもしれない。

おきなければ おきなわけん

 Jason Blackstone 記者による2018-3-1記事「Giving the Super Hornet More Punch: Think SM-6」。
       米海軍は最近ついにF/A-18 スーパーホーネット用のコンフォーマルタンクを予算要求した。

 これによって落下増槽を吊るす必要はなくなる。その空いたウェポンステイションになら「SM-6」が吊るせるぞ、という話が出てきた。
 SAMを、超長射程のAAMにコンバートできるのだ。

 これで往年のF-14+フェニックスAAMと同じ仕事、すなわち、至大距離にての敵CM母機そのものの撃墜を託すことができる。

 対艦攻撃機のバックファイアを有するロシアが好戦的になってきたのと、中共がH-6Kを近代化していることに対応する。

 今のスパホが増槽×3とアムラーム×6発を抱えて飛び出しても、迎撃半径は最大400マイル。

 しかしF-18を存分に改修してブロック3にすると、4発の「SM-6 デュアル2」により迎撃半径を510マイルに延長できる。

 「SM-6 デュアル2」は現在開発中。海面から発射した場合のレンジは130マイルである。
 全長15フィート、重さ1800ポンド。

 ただし急いでも今から2年以内には「SM-6」のスパホ運用は実現しない。2020年でもたぶん無理。

 「SM-6」の炸薬量はハープーンには及ばないが、ハープーンが亜音速なのに対してマッハ4で命中するので、CIWSを突破して大被害を敵艦に与えることもできる。

 次。

  Daniel Cebul 記者による記事「Nonstrategic nukes: What are they good for?」。
    米軍は約500発の非戦略用の核弾頭をもっている。そのうち200発は、トルコ、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリーの米空軍基地に置いている。

 ロシアは1000発から6000発もの非戦略用の核弾頭をもっている。

 ロシアが戦術核を使ってきたら、こっちも戦術核を使うしかない。そのために戦術核を低威力化しておく。

 米戦略軍のハイテン大将の問題意識。米軍の持っている戦術核は、航空機から運用するものばかり。これをLRSMで更新したとしても、露軍が侵略戦争を開始した場所には即座には投入ができない。
 ※とうぜん、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリア、トルコの発進基地はロシアの戦術核で先制攻撃を受けると考える。

 そこでこのたびのNPRは、米国が海上から発射できる戦術核を充実させておくことによって、露軍からの先制戦術核攻撃はけっして成功しないとプーチンに考えさせようとしている。侵略戦争の抑止である。

「読書余論」 2018年3月25日配信号 の 内容予告

▼トク・ベルツ編、菅沼竜太郎tr.『ベルツの日記』イワブンS26-9
 ※「第一部」上巻の途中まで。

 M9-11-3、パリ攻囲いらい聞かなかった規則正しい大砲の音。ビビる。天長節の礼砲を外国軍艦と湾内要塞が発射しているのだと分かる。なんと横浜から都内まで風に乗って上野まで聴こえてきたのだ。

 コルシェットは日本政府に、酒をコメからではなく大麦から造れと提案した。コメは輸出商品となるので、日本の貿易赤字を改善できるはずだから。

▼マレー・シャナハン著、ドミニク・チェン監訳『シンギュラリティ――人工知能から超知能へ』2016-2 原2015
 なぜ先進異星人が開発したAIがわたしたちの銀河をとっくに加工していないのか。

▼K・エリック・ドレクスラー著、相澤益男tr.『創造する機械――ナノテクノロジー』1992-2pub. 原1986
 「我々は、星から一人の外交使節も受け入れていない。たぶん、そこには誰も存在しないのだろう」。
 ※カーツワイルよりずいぶん早く、先師ドレクスラーが、地球人孤独説を唱えていた。

 ナノテクのアセンブラーと自動エンジニアリングが実現すると、「貿易」の必要はなくなる(p.233)。
 すると世界秩序はどうなるのか?

▼ジャレド・ダイアモンド著、レベッカ・ステフォフ編、秋山勝tr.『若い読者のための 第三のチンパンジー』2017草思社文庫
 ※2015の邦訳ハードカバーを文庫化したもの。

 全宇宙に高等文明は地球しかないなら、私たちにとってはむしろ幸運なのである。

 新大陸にも古代に馬はぎょうさんいた。ところがインディアンの祖先が侵入するや、あっというまに絶滅した。あらためてヨーロッパ人が持ち込むしかなかったのだ。
 大型のラクダ、ナマケモノ、ゾウも、インディアンが絶滅させたのだ。
 オーストラリアでも、アボリジニが侵入した直後に大型哺乳類はすべて絶滅した。
 ※著者はダーウィンの『ビーグル号航海記』から圧倒的なヒントを得ていると思う。しかしダイヤモンド先生としてはそれを素人読者に向けて再三強調する必要を感じていない。

▼小島直記『エンジン一代 ――山岡孫吉伝』S55-8pub.
 支那事変の水陸両用作戦で突如登場する「ヤンマー船」の正体が分かる本。あれはディーゼルエンジン搭載だった。

 蒸気機関は、サイズがでかいほどエネルギー転換効率が高い。大工場用蒸気機関は効率10%である。しかしそれを小型化すると効率が2%未満になってしまう。
 不況時には、大企業はこの点を利用して中小企業を壊滅させることができる。中小企業は石炭代を数倍も余計に負担しなければならないため大企業との競争は必敗なのだ。
 これがマルクスが『共産党宣言』で「万国のプロレタリアートは団結せよ!」と叫ばねばならなかった1847年頃のエネルギー構造。

 そこでルドルフ・ディーゼルは、小型でもエネルギー転換効率の高い機関を作ってやろうと志した。それによって社会的矛盾は緩和されるはずだった。

▼フランク・ウィルソン著、藤野・古賀tr.『手の五〇〇万年史――手と脳と言語はいかに結びついたか』2005、原1998
 ロビン・ダンパー(1947~)の説。人間は150人までの集団しか、きめこまかく束ねることはできない。
 これは歩兵中隊の規模と一致する。
 零細企業がもし120人以上に拡大すると、個人的面談より文書決裁やメモ伝達が多くなり、組織は非人間化し始める。

 馬と仲良くしたければ、口を利くよりも、手で触れるのがよい。もちろん笞はダメ。

 投球は右手でするのが自然。しかしバッティングはどっちでもいい。だからスイッチヒッターは珍しくない。スイッチピッチャーは珍しい。
 ※アマチュア軍は右投げ、左打ちで練習するのが有利ということか。

▼アンドリュー・パーカー著、渡辺・今西tr.『眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く』2006-3、原2003
 ガの体毛は、コウモリの超音波を吸収して反射を弱めるステルス素材。

 電気ウナギも突如出現したわけではない。微弱な電気パルスをソナーにして獲物を探していた、中間段階の魚類がいた。そこから、強い電気を防禦に用いるように進化した。

 葉の上で生活する甲虫は、半球形をしているものが多い。これは、どの方向から光が当たっても蔭ができにくく、それで生存率が高まる。しかし普通の甲虫のレイアウトを捨てて半球型となるためには非常な「再設計」のエネルギーとコストが必要だった。それを敢えて負担してでも進化する必要が彼らにはあった。それほど、光に満ちた環境はおそろしいものなのだ。

 オオグソクムシは、光が届かない深海に生息していたので、1億6000万年経っても、まったく進化しなかった。メキシコの海だろうがインドの海だろうが、同じ姿形なのだ。

 夜間、軽量級の貝虫が海水に漂っているとき、小魚が通過すると、航跡の撹乱に反応して発光する。その結果、小魚は、より大型の魚から目をつけられて捕食される。すなわち夜光虫である貝虫は反応発光することによって自衛ができるわけ。

 46億年前の太陽は現在よりも30%弱、暗かった。
             ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

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 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

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