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五月末に徳間書店から『空母を持って自衛隊は何がしたいのか?(仮)』を上梓します。

 今回からは写真を全部じぶんで選んで「グランデの5階で売れる本」を目指すことにしますた。要するに、超おもしろい……ってこった。只今GW進行で爆走中。

 次。
 Peter Layton 記者による2018-4-26記事「Australia’s Chinese Ballistic Missile Problem」。
     豪州は2017後半にとつぜんBMDに興味を抱いた。
 中共が南シナ海に6箇所以上の砂盛島を造成しているからだ。

 パコムに今度やってくるデイビソン提督の考え。砂盛島は完成したがそこに部隊がまだ配備されていない。部隊を配備したら、次はオセアニア方面へ中共は出て行くつもりだ。

 ※中共はかつて、PACOM司令官のハリスを馘にしろと公言した。これを覚えている米指導層は、ハリスを退役させて駐豪大使に任命するとあたかも中共のリクエストを叶えてやったかのような対外イメージが生ずるので困った。駐韓大使ならば、シナ人が厭がる男をシナ国境に張り付けるわけだから、米国が譲歩したことにはならない――と判断したのだろう。……ところで民放BSの番組で西條八十が戦前に『支那の夜』を作詞したことをしらじらしく回避していたが、阿呆かよ。それじゃあ敗戦直後に精神的窮地に立った事情がちっともわからんじゃん。

 東風21C/Dを砂盛島に前方展開されるのが、いま、豪州の戦略プランナーにとっては気がかりだ。

 東風21はシナ本土からだとマレーシアの途中までにしか届かない。
 東風26だと西パプアまで。

 しかし砂盛島に東風21を置けば、東風21はインドネシアまで届き、東風26は豪州の北西海岸まで届く。

 東風21は、非核の弾道弾としては最も遠達する。3000~4000kmといわれている。ペイロードは1.2トンから1.8トン。これも最大。

 中共は2015後半に、東風26のふたつめの旅団をつくると公言し、2018-4中旬にその旅団は開業した。
 東風26はいまのところ44基。

 弾道弾は戦時に量産できない武器なので、開戦前のストックをできるだけ大事に使わねばならない。
 弾道弾が最高に戦果をあげるとしたら、飛行場、港湾、そしてドック入り中の軍艦。

 SM-6もレンジ2000kmくらいの低速BMには対処できるが、3000kmオーバーの高速BMには対処できない。ターゲットが高速すぎるとダメなのだ。

 日米で共同開発中のSM-3ブロック2Aは、レンジ3000kmオーバーのBMへの対処を狙っているものだ。※いまのところうまくいってないけどね。

 豪州はイージスアショアをダーウィンに置くべきだ。これなら水兵がムダに張り付けられないから、万年人手不足の豪海軍の艦艇活動を人員面で圧迫せずにすむ。

 日本も2022から地ージスを運開するそうだ。

 THAADはカバレッジ・エリアが狭くてダメだ。ダーウィン~ティンダル(北西海岸ダービー港)の線を防空しようとすれば、2個大隊必要になる。地ージスならば、ただの1ユニットで足りる。

Confucians only respect caucasoids. So, poor Adm. Harry Harris shall have no end of trouble in Seoul.

 ストラテジーペイジの2018-4-25記事。
   2018-4-10にシリアのタルタス港から露軍の艦船がいっせいに消えた。これは港に対する大規模攻撃を予見したからだ。
 ※4-14が105発ミサイル空襲日。

 そこで欧州の航空会社は、東地中海を通過する民航機に、これから72時間、注意しろとよびかけた。空襲対策として露軍のECMが使われれば、それが航空機の航法システムを狂わせるはずなので。

 ただし以前のイスラエル機によるレバノン空襲で、ロシア製のECMは無効であることがわかっている。

 シリアにはS-400がもちこまれていたが、露軍は敢えて作動させなかった。
 アサド支援のためロシアはこれからS-300を搬入する。

 2018-3の写真。ロシアがシリアにもちこんでいる「ミル8」にECM機材「Rychag-AV」を搭載したもの。
 2015からウクライナでテストしていたやつだ。
 付近の敵レーダーを探知して自動でジャムする。

 2018-4-23にロシアで大規模なグーグルサービスの途絶発生。
 原因は、暗号メッセージアプリの「テレグラム」の解読方法を教えろというクレムリンからの要請にその会社が応じなかったため。

 そこで、テレグラムを使っている数百のIPアドレスをブロックした。
 テレグラムを開発したのはロシア人で、2014年に国外に逃げた。政府の検閲に協力したくなかったので。

 ロシアは巡洋艦『ワリヤーグ』にワグナーグループの傭兵を乗せている。ウクライナ情報。
 どうやら不足している水兵たちの穴埋めらしい。

 4-12、ジャーナリストのボロディンの転落死。
 前日、アパートが、覆面軍人たちに包囲されていた。
 たぶん、ワグナー・グループ。プーチンは国内でも憲兵代りに使っているのだ。

 2014時点で6万人以上のロシア人が海外に留学していた。爾後、不況で減少。
 そして2018、ついにクレムリンは、学業がおわったらさっさと帰国しろと命ずるようになった。※戦争開始する気満々。

 インドは2018-2に「スホイ57」計画からの撤退を発表した。
 インドはすでにこのプロジェクトに3億ドルを投じた。しかし残り80億ドルは払わない。
 そこへアメリカがF-35を売り込んでいる。

 ロシアは資金不足から新ICBM計画もあきらめた。
 ロシアにできることはフェイク宣伝だけだ。

人の意識構造も「ひも理論」みたいな正体だとしたら、いくら細かくスライスしてもコピーや再現は不可能だ。

 Marcus Weisgerber 記者による2018-4-21記事「US Air Force to Put Sensors on Allies’ Satellites」。
  ナショナル・スペース・シンポジウムを取材したっけ、収穫多し。

 ここ数年、空軍は、衛星にはレジリエンスが必要だと言い始めた。ロシアおよび中共の二大敵からの攻撃が真剣に懸念されている。
 米軍と同盟国は、あまりにも衛星に依存しすぎているから、そこが狙われるにきまっている。

 ハードウェアの対策は、味方衛星に機動性をもっと与える。平行して、ハッキングとジャミングに強くする。

 サフトウェアの対策。
 衛星運用者である同盟国十数ヵ国、企業65社から、宇宙で得られた敵性衛星に関する活動の情報をもっと提供してもらいたい。ASATに対抗するために。

 空軍参謀総長ゴールドフェイン大将は明かした。日本政府からの1名の出張者と今週(4/15~4/21)、会った。日本国はこれから毎年、「宇宙軍事演習」に参加する。この演習にはファイヴアイズ(英加とアンザック)および独仏しか参加がゆるされてこなかったものだが……。

 ※自由主義陣営の衛星をどれでも破壊した者は、陣営全体の敵と看做してキッチリ宇宙で同害報復する、そのような仕組みをつくらないと、ロシアや中共は宇宙テロのし放題になってしまう。すでにロシア衛星からイヤガラセされ放題のJAXAは、用心棒契約を切望しているはずだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-4-19記事。
 中共は今年、パキスタンに対し、弾道ミサイルを追尾したり、テレメトリーを傍受できる、レーダー&ESM装置を売却した。その取引総額は不明。

 おそらく使用料若干と、他の便宜が、対価なのだろう。
 操作はシナ人が実施するのだろう。

 中共はパキスタン内に「北斗」の地上局を設置している。見返りにパキスタン軍は、「北斗」の軍用精度版信号を利用できる唯一の外国軍にされている。

人類最後の30年を 君たちはどう闘うのか?  『AI戦争論』 増刷決定!

 思えば飛鳥新社さんに最初に口利きしてくださったのは故・江藤先生。ようやく責任を果たせたかという感じです。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-4-20記事。
   4-27に韓国幹部が直接得た感触では、北鮮は核は放棄するし検証にも応ずるだろうという。

 北鮮に関するシナ人の擁護色はもはやない。これはネット検閲がそれに関してゆるめられているので、外部から把握できる。

 北鮮軍将兵120万人のうち3割が女子。ほとんどは非戦闘職。その半数以上は性的虐待の被害者と見積もられる。
 北鮮軍内にもセクハラが横行している。

 徴兵は除隊するまで10年間、婚姻できない。他方、将校は部下にセックスを命じることができる。

 妊娠→自殺さわぎが時折あるが、当為者の上官は罰せられることはなく、最悪でも転勤させられるだけである。

 ホモ文化は北鮮では市民権を得ておらず、軍隊内でも蔑視されてしまう。

 4-19、北鮮は、もはや半島からの米軍の撤収を要求しないと声明。

 米軍が核を持ち込まないのなら、いつまででも、何万人だろうと好きなだけ韓国内に駐留していてよい、という新意向を三代目はポンペオに語ったようだ。
 ただし韓国は決して核開発をしないと約束しなければならない。

 定常的に北鮮幹部と面談している韓国幹部が感じ取った心象。北鮮は、先の巡航ミサイル百発以上によるシリア攻撃のさい、ロシア製のSAMが何の防禦もできなかったことに、強いインパクトを受けた様子である、と。

 また、米国がイランとの2015ディールを破棄しようとしている動きも注視している。そのケースは、まさに米国と北鮮の交渉の前轍になるものだから。

 習近平が三代目に何を言ったかは公表されていないが、噂あり。「核兵器を諦めろ」。そして「韓国と米国からその見返りを取れるだけ取れ」。
 ※たぶん日本も列挙されたろうがこの記者は韓国人なので日本の名前は敢えて出さない。

 習近平は答礼として7月に訪朝するだろう。2018-7月27日は、65年前に朝鮮戦争の休戦署名が為された記念日。

 次。
  NIKKI WENTLING 記者による2018-4-20記事「Army: No VA benefits for false warning of bad anthrax vaccine」。
    2001から2007の間、ケンタッキー州のフォートキャンベル、およびNY州のフォートドラムで炭疽病の予防接種を受けた陸軍将兵が、韓国で動揺している。退役軍人庁が、そのワクチンに不良ロットがあり、効能が無いワクチンを接種したかもしれないというメモが4-10にオンラインに出たので。

 米軍将兵は、セントラルコマンド(中東戦線)または韓国に赴任する者は全員もれなく、そしてノーザンコマンドでも一部の指名された者は、アンスラックスの予防接種を受けなくてはならないことになっている。

 しかし第8軍では、そのVA庁発の情報を打ち消す通達を発している。

 次。
 Arie Egozi 記者による2018-4-20記事「Israeli Firms Scramble As Trump Administration Restricts Military Aid」。
     過去、米国がイスラエルに与えていたFMF(海外軍事助成金)は、その総額の25%を使ってイスラエル国内の武器産業を育成してもいいことにしていたのだが、トランプは2016-9署名の「新十ヵ年FMF」の二国間合意で、2019からは徐々ににそれをゆるさなくすることを確定。10年後の2028には総額の100%が米国メーカーの武器の調達に使われなくてはいけなくなる。
 ちなみに10年間の援助総額は340億ドルになる。

 早速、その余波として、F-15Iのアップデートの用新レーダーは、レイセオン社から完成品を買うことになった。もとの計画ではIAI社製を使うつもりだったのだが……。
 レイオフなど不況の嵐がこれからイスラエルを襲うはずだ。イスラエル経済、大ピーンチ。

 次。
 Levi Maxey 記者による2018-4-20記事「Inside the Competitive, Corrupt World of Russian Intelligence」。
   旧ソ連は、情報集めの機関をKGBとGRUの大きく二本立てにしていた。
 今のロシアは、GRU予算をがっつり減らすかたわら、KGBは四分割してしまった。すなわちFSB、SVR、FSO、MVDである。

 このうちFSBがいちばん権力をもっている。

 2006-11にロンドンで暗殺されたリトヴィネンコは元FSBであり、暗殺はFSBがプーチンの命令で実行した。

 FSBはいわばプーチンの古巣だから、いちばん信頼されてもいるわけである。

 FSOは米国のシークレットサービスに該当するプーチン警固隊で、他の情報機関の目付け役でもある。

 MVDは米国のFBIに相当する。
 また2016-4にはプーチンの親衛隊が設立された。ナショナルガードと称するが、ローマの皇帝近衛兵のようなもの。プーチンに反対する少数派を取り締まる。

 SVRとGRUの手先は国外で外交官や商人や学生やジャーナリストのふりをしてあらゆる情報を収集している。ネットからだけではなく。
 2018-3に神経ガスで殺されかかったスクリパルはGRUであった。

 2014にフランス政府はGRU職員を国外追放した。そやつはフランソワ・オランドの秘密を探って、脅迫できるネタを漁っていた。

ロシアのおわりが近づきつつある。

 TOLUSE OLORUNNIPA, JENNIFER JACOBS AND TONY CAPACCIO 記者による2018-4-14記事「Warship ruse and new stealth missiles: How the Syria attack unfolded」。
  地中海に入ってシリアに近づいたことで世界の注目を集めていた2隻の駆逐艦『チャーチル』〔英艦ではなく米艦である〕と『クック』は、合計するとトマホークを90基も抱えていたが、なんと、これら駆逐艦は「陽動」任務艦だった。敵の眼〔ロシアのトロール船〕を惹き付けておくための囮、撹乱用だったのだ。メインディッシュは違うところから配られた。

 シリア軍の防禦のためのミサイル発射は、ほとんどが、3箇所のターゲットが被弾した後からのうちあげだった。

 トランプのツイッター書き込みを読んだシリア軍は、ターゲットになりそうな場所から事前に、防備兵員を疎開させていたと考えられる。

 米軍の攻撃計画段階で、トランプには、五種類の「破壊ターゲット・セット」がオプションとして呈示された。トランプはそのうちの1セットを選んで命じた。

 助言の中心はマティスとダンフォード(統合参謀本部議長で海兵隊大将)。ボルトンとペンスも参与した。

 ニッキー・ヘイリーは、対シリア軍事膺懲必要論をトランプに吹き込んだ筆頭者であった。

 米英仏合計で105発を撃ち込んだ。

 紅海、アラビア湾、地中海の三方向から飽和攻撃。
 ロシア製の防空兵器はただのひとつも「交戦」できなかった。

 ペンタゴンの発表。カタールのアルウデイド基地を発進した2機のB-1Bから19基のJASSM-ERが発射された。
 また、SSNの『ジョン・ウォーナー』からは6発のトマホークが水中発射された。

 米巡洋艦『モンテレー』はトマホークを30基発射した。紅海から。
 米駆逐艦『レイボン』は7基を発射。紅海から。

 米駆逐艦『ヒギンズ』はトマホークを23基発射した。アラビア湾北部から。
 フランス軍機は「SCALP-EG」巡航ミサイルを9基、ヒムスシミシャーの化学兵器倉庫に向けて発射した。
 それとは別に2基の「SCALP-EG」と9基のトマホークと8基の英国製「ストームシャドー」巡航ミサイルも発射された。※つまり英軍機は合計17発、仏軍機は合計11発ということ? だったら総計113発???……。

サイン本はグランデ5Fとブックタワーに行く模様。

 Ankit Panda 記者による2018-4-10記事「Revealed: China's Nuclear-Capable Air-Launched Ballistic Missile」。
   中共は東風21をベースに、空中発射式のBMを開発中である。
 新型の長距離戦略爆撃機から、東風21を空中投下し、発射する。
 発射テストはすでに五回行なわれた。米軍は「CH-AS-X-13」という識別名を与えた。

 初回の発射テストが2016-12であった。最近のテストは2018-2の最終週であった。

 さいきん2回のテストは、改造されたH-6K爆撃機を使って、空中給油後に発射している。
 このALBM発射専用機体に米軍は「H6X1/H-6N」の識別名を与えた。

 「CH-AS-X-13」は、射程3000km。固体2段である。
 筒体は軽量な複合素材〔要するに炭素繊維か〕を使って、飛行機で運びやすくしているのではないか。

 「H6X1/H-6N」の進出半径が6000km弱だとすると、東風21がほとんどICBMに化けるわけである。

 ※記者は想像すらしてないご様子なのだが、これはモスクワ攻撃用ではないのか? 米本土を狙うにはロシア領空を飛行する必要があって、ありえない。ハワイ沖3000kmまで進出することも、まず無理。豪州南部を打撃したくば豪北海岸上空から発射せねばならず、非現実的。ところが、カザフ国境の上空から、筒体を軽量化した東風21を発射するなら、それはモスクワまで届く(3300kmぐらい?)。平時から新疆の西端にIRBMなど展開しておけないが、空輸発射ならロシアも文句をつけられない。米軍がこの実験を知りつつも、マスコミ向けにはあまり騒がないのも、これが中露間の対決だから、黙って見物するほうを好むのだろう。おそらく試射も、東から西向きに飛翔させたのだろう。

 シナ空軍大将は、2020年代のなかばあたりに新型戦略長距離爆撃機を配備すべく開発中、と2016-9にアナウンスしているから、2025にはこのシステムが戦列化するのだろう。

 公開情報として最も早かったのは、元DIA長官のV.R.スチュアート中将。2017-5に彼は、中共が開発中の2種類のALBMについて言及した。そのひとつは核弾頭だろう、とも。
 ロバート・アシュレイ中将は2018-3-6に、この話を再説した。

 米国は1950年代に「スカイボルト」というALBMを英国と共同で開発したことがある。ところがケネディが、1962キューバ危機の数週間後、これを一方的にキャンセルしてしまった。ポラリスSLBMがあれば要らないだろ、と。

 1974には、ミニットマンIを空中発射してみる試験を、C-5輸送機を使って1回実施した。
 また今日、ABMのテストをするとき、標的にするBMは、C-17輸送機から空中投下して発射させている。

 ソ連も類似の事業に挑んだものの1980年代前半に計画は頓挫。一回も試射はできずに終わっている。ツポレフ160を母機にするつもりだった。

 プーチンはフェイク兵器宣伝の一貫として、ミグ31から発射できる「イスカンデルM」があると主張している。

『AI戦争論』は絶好調発売中です。

  Frances Tilney Burke 記者による2018-4-10記事「Remind Us: What Exactly Is the National Guard?」。
     米陸軍の州兵は、起源をさかのぼると、マサチューセッツ湾殖民地がピーコットインディアンから自衛するために組織した3隊のミリシャ隊となるだろう。それは1636年であった。

 「ナショナル ガード」という呼称は、1824年にNY州ミリシャ諸隊に初めて冠せられた。独立戦争中にラファイエット侯爵が引き連れていたフランス人部隊が「フレンチ・ナショナル・ガード」と呼ばれていたのにあやかったのだという。

 この呼称は、1903年に公式化された。すなわち州兵陸軍だが、同時にまた、連邦陸軍として指揮運用される「ナショナル・ガード」も。

 今日、州兵(ナショナルガード)には、陸軍と空軍とがある。

 各州知事が命令できるし、大統領も命令できる、そのような軍隊組織は、ナショナルガードだけである。

 コマンダーインチーフたる合衆国大統領は、洪水、山火事、地震のような大規模自然災害への出動を州兵に命ずることができる。

 また1999年のシアトルで起きたWTO会議に対する反発暴動のような騒擾鎮圧のために州兵を使っても可い。
 これは合衆国憲法の「ミリシャ条項」に明記された権限である。連邦法の強制執行のため、州兵を指揮し得る。暴動鎮圧と、侵略排除の目的でも。

 1958に連邦判事のデイヴィーズが学校での人種隔離を止めろと命じたとき、その判決を執行するために州兵がリトルロック市の中央高校へ送られた。

 2001-9-11事件の直後、州知事たちは、ブッシュ(子)大統領の要請を承けて、州兵に空港を警備させている。

 すべての州にナショナルガード部隊がある。加えて、プエルトリコ、DC、グァム島、ヴァージン諸島にも、ナショナルガード部隊がある。

 よって、ぜんぶで54部隊。それぞれに将官である「副官」が1名(制服トップとして)いる。※司令官と呼ばせないのは文民統制のためだろう。指揮権者はあくまで州知事なのだと強調する用語だろう。

 その「副官」たちは、全米でただ1人の「州兵委員会」の長(四つ星大将)に、報告の義務がある。その四つ星大将は、2012年以降は、統合参謀本部のメンバーである。

 州兵の総員は43万5000人。大半は、正業があり、そのかたわらに、州兵に登録している。

 少数ながらいる「アクティヴ・ガード」と「予備兵」。前者はフルタイム勤務の州兵である。後者は、ふだんは出勤しないが、他に仕事も持っていない専業の登録予備役である。

 南北戦争後、連邦軍兵士を国内問題に投入することが規制されるようになった。
 1878に大統領は「在郷民兵法=Posse Comitatus Act」に署名した。※治安官が法執行のため15歳以上の者を召集できる。
 これにより南部諸州から連邦陸軍(占領軍としての北軍)は撤収した。

 トランプがメキシコ国境警備のために州兵を動かしたのは、この1878法に違反しているじゃないかという声が、すでにある。

 ところがどっこい、オバマもブッシュも、メキシコ国境警備のために州兵を投入した前歴がある。

 各州の知事が、あくまで州法の強制のためであるとの解釈で、大統領の示唆に応じて州兵を動かしている――というタテマエがゆるがなければ、OK。

テクノ・アポカリプス

 最新刊『AI戦争論――進化する戦場で自衛隊は全滅する』(飛鳥新社 ¥1389+税)は、本日中に大手書店の店頭に並ぶはずです。
 お近くに大手書店が無い方は、Amazon 等の通販が便利です。クレジットカードを持っていなくてもこれらを利用して発注して取り寄せることは可能です。また、自宅を留守にしていがちな人のためには、近所の指定したコンビニまでじぶんで取りに行く、といったオプションも、通販各社がそれぞれに用意しています。
 神保町の書泉グランデとブックマートには今晩もしくは明日以降、サイン本が少数、出るでしょう。

 次。
 Michael Shoebridge 記者による2018-4-8記事「China As a Responsible Stakeholder: 5G, Your Toaster and the CCP (Part 2)」。
    豪州政府は2012に全国ブロードバンドネットワークを構築するとき、中共資本のHuawei社を排除した。

 5Gとはひらたくいうと移動しながらスマホで映画が観られるような高速無線ネットワーキング環境である。なんでもかんでも「遠隔」で可能にする、モノのインターネットを担保する技術だ。

 5Gネット環境はまだどこの国でも試験段階。しかしあと2年すれば実用化する国が出てくるだろう。豪州もそれを目指す。

 5G時代には、街路や家庭やオフィスにありふれたすべての電気装備や電気製品は、同時に「センサー」「モニター」「通信機」なのである。したがって5Gシステムを設計しソースコードを書く者は、任意の国民の私生活を、あるいは任意の公共機関内部を、あるいは任意の工場を、好きなように盗撮・盗聴・監視・追跡し、データ閲覧することができる。この事業に、不届きな某国の手先などを参与させられるだろうか?

 20年前、中共党指導部は、インターネットルーターとPCネット環境を導入しようとした。そして愕然とした。どうやっても、シスコ社やマイクロソフト社の製品を使わないわけにはいかないということがわかったからだ。
 それは、米国政府がこっそりと巧妙に仕込んだハードウェア内のスパイチップによって中共党内の秘密が外へ筒抜けになる危険が常在することも意味していた。
 そこから彼らの対策がスタートした。ソフトもハードも、米国製を一切つかわなくてもよくなるように、純血の国内IT企業を育成した。それがHuawei社だ。

 20年経っていまや事態は逆転した。欧米諸国、そして豪州が、5Gを構成するのにHuawei製品なぞ使うまいと念じても、安価なHuawei製を無理に排除すると、予算が大幅に狂ってしまう。

 ただ幸いにも、20年前のシスコ社ほど今のHuawei社は市場を独占していない。テレコミュニケーション企業は他にもいっぱいある。合弁によってソースコードを政府が監査することもできる。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-4-9記事。
 ハマスは、中層ビルの一部には住民を残したままにしておき、他の部分を狙撃兵等の監視拠点陣地にすることで、UAVの攻撃から防禦し、且つ、地上から近寄るイスラエル軍AFVの天板を照準しやすくするという新趣向を採用中。イスラエルはその対策を編み出さねばならない。

新刊『AI戦争論』は来週発売です。

 ストラテジーペイジの2018-4-6記事。
   フィリピン経済が好調に成長しつつある。中共はそこに目をつけている。腐敗文化があるので浸透しやすい。投資として資金を貸したがっている。

 巨億の費用で後進国のインフラ土木事業を請け負ってやりたい。

 どうせ後進国はローンを返せなくなる。そこでシナ政府は、だったらすこしまけてやるから、土地をシナ軍のために使わせろ、と来る。

 この戦略をDTD (Debt Trap Diplomacy) と呼ぶ。「負債で罠にかける外交」。

 スリランカ、ジブチ、キルギスタン、ラオス、モルディヴ諸島、モンゴル、モンテネグロ、パキスタン、ヴェネズエラ、タジキスタンは、すでに餌食となっている。

 三代目が3-25に訪支したことのご褒美として中共政府は、北鮮労務者の入国取締りを大幅に緩めた。満員の労務者を乗せた多数のバスが北鮮から中共領内に堂々と入っている。

 中共の衛星航法システム「北斗」はまだ完成していない。2020年に35機体制となってグローバルサービスとして完成予定。いまは31機でアジア域だけカバーができている。そのうち8機が第三世代の新型。

 2020年に達成できる予定の軍用測位精度は10cm。民間には精度10mという粗いデータが提供される。

 次。
 Sergey Sukhankin 記者による2018-4-6記事「Is Russia on the Doorstep of the Seventh Military Revolution?」。
        ゲラシモフ陸軍大将=露軍参謀総長の3-24演説。
 彼は言った。敵国の経済を破壊する。コマンド&コントロール・システムも破壊する。これらが露軍の攻撃目標として優先されるのだ、と。

 いまや戦場として、情報空間と宇宙空間が加わっていることも意識せよ、と。

 ゲラシモフは、露軍が開発しなければならない五つの技術についても列挙した。
 まず、意思決定から地対地ミサイル発射までの時間を半分以下に短縮する、軍隊内の自動認知系システム。それがひいては長距離ミサイルの命中精度も2倍近くに向上させてくれるはず。

 C2 も進化させる。情報と通信を扱わせるコンピュータ専門の下部部隊を設けよ。これも長射程ミサイルの発射命令から発射までの時間を半分近くまで縮めるために役立つ。

 ショイグ国防相は、2018-3-15時点でロシア陸軍にはロボット兵器が160機あると認めている。
 ※日本並に「おわっている」のがロシア軍のロボット化。

 露軍は2017にシリアに18機の新品の無人工兵ロボットを持ち込んでいると、タス通信が2018-1-21に報じている。
 地雷発見と地雷除去に特化した「ウラン6」という無人車両。※みるからにとるにたりないものだ。

 スカラベイという小型ロボットは、高さ15センチなのであなぐらの中へ進み入って画像を送ってくれる。
 ※米軍の三十年前の技術かよ……っていう話。いよいよハッキリしてくることは、ロシアは戦術核を使いまくる「限定核戦争」にしかもはや勝機を見出していない。

『AI戦争論』の見本を入手しました。これは読みやすい!

 Kris Osborn 記者による記事「Navy Test-Fires Trident II D5 Sub-Launched Nuclear Weapons」。
  米海軍は3月26日、加州沖のSSBN『ネブラスカ』から、2基の「トライデント2-D5」を試射した。

 トライデントD5の再突入体は「マーク4」という。
 これは2019年からは「マーク5」に変えていく。

 このミサイルは1基が3000万ドルである。
 D5の弾頭としては、三種類がある。まず100キロトンのW76弾頭。この再突入体のバージョン違いがある。そして455キロトンのW88弾頭が1種類。

 ICBMも含め、455キロトン以上のBM用の核弾頭は、米国には無い。

 次。
 Josh Mayers 記者による2018-4-5記事Catching a Chinese IP Thief: How the FBI Tracked and Caught Sinovel」。
   2018-1-24のウィスコンシン州の連邦裁判所における評決。被告の、中共資本の風力タービン・メーカー「シノヴェル・ウィンド・グループ」は、米国の「AMSC」社からソフトウェア技術を盗んだ。有罪。
 起訴したのは連邦検事である。

 AMSCは12億ドルの損害を蒙った。そして600名が仕事を失った。

 MIT卒業生たちが1987年に立ち上げたAMSC社は、超伝導ワイヤーに特化したベンチャーだった。
 2006年に彼らはオーストリーのウィンドテック社を買収した。そこが、風力発電タービンを制御するソフトウェア技術を持っていた。ここからAMSC社の商売は波に乗って急拡大する。

 中共のSinovel社は、彼らの最王手の顧客となった。中共政府が株式の18%を保有している半官企業だ。

 2010年時点でシノヴェル社は、風力発電タービンの世界市場シェアが第3位であった。

 しかし前々から中共の田舎に設置されている数千機の風力発電タービンのソフトウェアも一挙にAMSCの効率的なものに変更して中共党の急ぎの要求に応えねばならなくなったとき、シノヴェル社は、必要であるはずのソフトウェア使用料をAMSCに払わない道を選んだ。

 AMSC社はゴビ砂漠でシノヴェル製の風力発電塔を調査して、ソフトを違法コピーされていると知ると、違法コピーの場合は機能しなくなるような秘密コードを組み込んで対抗した。

 AMSC社がシノヴェル社へ長期出向させていたセルビア出身の若い社員(ウィンドテック社が最初に雇った)は、社内叩き上げで、有能であり、シナ大陸のど田舎に長期滞在して非常に熱心に働く男であった。が、その活躍ぶりが本社からはふさわしく評価されていないと考えていた。こやつが本社を裏切り、シナ人のためのスパイに変身した。

 シノヴェル社長はこのセルビア人を170万ドルで釣ったのである。

 セルビア人はAMSCのソフトから窃盗防止コードを除去する作業を、北京市内にあてがわれた隠れ家で推進。そこからAMSC本社にハッキングもした。

 FBIは、セルビア人が加工したソフトをシノヴェル本社へeメールで電送したことまで、つきとめ、ついに公判に勝利したのである。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-4-5記事。
 2-10に撃墜されたイスラエルのF-16の真相。

 2018-2-10にシリア上空で何が起きたのか。
 まずシリア中部のイラン軍基地から無人機が飛び出し、イスラエル領空に入って90秒後に撃墜された。

 イスラエル空軍は報復にF-16I×8機を発進させ、イラン軍基地の爆撃に向かった。
 爆撃によって施設は爆破され、イラン人7人死亡。
 基地は75%が壊れたため、その後イラン人たちは別な基地へ移転することになった。

 このときロシア製SAMの「SA-5」によって1機のF-16が被弾した。それはイスラエル領空まで戻ってから放棄された。乗員2名は空中からエジェクト。
 調査の結果、墜落原因はパイロットの判断エラーだった。

 イスラエル空軍はとっくにSA-5対策ができており、通常、それで撃墜されることはありえないのだ。このたびもパイロットはSA-5で狙われていることを知っていたが、回避やジャミングを後回しにし、まずイラン基地に投弾することを優先してしまったのである。そのためにSA-5が命中した。

 ところで、経験豊富なイスラエル空軍は、ポーランド、イタリー、ギリシャ空軍のパイロットに、自国内で稽古をつけてやっている。もちろん有料で。これがけっこうな外貨収入源になっている。

 2017年には参加無料の「ブルー・フラッグ」空戦演習を開催し、これには、米、ギリシャ、ポーランド、仏、独、インド、イタリーの空軍機が参加した。

「読書余論」 2018年4月25日配信号 の 内容予告

▼ダーウィン著、島地威雄tr.『ビーグル号航海記』イワブンS34~36
 ゴウチョ〔ガウチョ〕の特筆されるべき技。bolas(ボラス)=投げ球。主にダチョウを捕らえるための猟具で、2タイプある。

 ひとつは、2個の丸い石を革で包み、8フィートほどの細い編んだ紐でつないである。
 もうひとつのタイプは、3個の球が、革紐で共通の中心につながれている。
 馬を傷つけずに捕獲したいときは、蕪ほどの大きさの木製の球でできたボラスを投げる。
 ※火器を持たない歩兵でも騎兵の突進を止めることのできる近接防禦兵器が19世紀の南米で殖民白人によって発明され大成していた。

 敵からボラスを投げられて自分の馬の脚に絡んだら、すかさず飛び降りてナイフで紐を切り離す。

 人間が後方からボラスを受けると、その紐がからみついた脚部の皮膚には、蚯蚓腫れができる。

 殺されてからあまり日数を経ぬ去勢牛の骨は、灌木代りの燃料として燃やせる。
 牛以外の野獣でも、骨は燃やせるという。冬期にはしばしば野獣を殺して、ナイフで骨から肉を除き、夜食にはその骨で肉を焼く。

 ラバこそ、最も驚くべき動物だ。牝馬と牡ロバの雑種だが、両親のいずれよりも、理解力、記憶、執拗、同類に対する愛情、筋肉の耐久、生存の永さにおいてすぐれているのだ。

 蟹は、椰子の実の繊維を一本一本切って、果実の殻を破る。作業は常に、殻の下に三個の窪穴が存在する側から始める。

▼『ベルツの日記』第一部・上巻 つゞき
 日本の弓術を練習している。弓は練習用なのだが、すこぶる強い。張るのがやっと。

▼千崎達也『カンブリアンモンスター図鑑』2015-10
 複眼の解像度は、眼の数に比例する。現在、トンボは3万個の眼を有し、ダントツ。カンブリア起のアノマロカリスは1万6000個もあったので、特異。
             ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

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 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

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