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できませんでしたじゃスミマセンでした。すまぬ。

 読書余論の集成版・第二弾のリリースは、6月下旬に延期されたそうです。詳しくは武道通信で。

 次。
 SETH ROBSON 記者による2018-5-30記事「Yokota’s new Ospreys return to Tokyo between training missions」。
   ヨコタに5機のCV-22が戻ってきた。空軍版特殊部隊機だ。
 CV-22は四月前半にヨコタに飛来し、すぐにどこかで訓練するためと称して姿を消していた。
 その訓練はまだ終了しておらず、この5機もまたすぐにどこかへ行く。

 次。
 CHAD GARLAND AND ZUBAIR BABAKARKHAIL 記者による2018-5-30記事「Gunmen dressed as US soldiers attack Afghan Interior Ministry」。
   米軍の服装をキメて、鹵獲したHMMWVに爆弾をセットしてアフガン政府の内務省に突っ込もうとしたゲリラ数人が門前で射殺された。
 現場は、米軍その他が訓練名目で駐留しているカブール航空基地から数百ヤードしか離れていない。

 車両は門前で爆発した。
 その爆発のあと、数人のゲリラが徒歩で内務省の敷地に突入を図った。
 2時間以上の銃撃戦となり、突入は失敗した。ゲリラは全員が死亡した。

 ゲリラは特定はされていないが、こうした偽装や政府建物に対する攻撃はタリバンのハッカニ・グループの用いる手口だという。しかしタリバンは犯行声明を出していない。

 米兵なりすましテロはアフガンでは1年以上前から増えてきた。

 IS系は、自爆ヴェストを愛用し、目標が政府に限定されず無差別的である。しばしば国内のシーア派住民も狙う。

 今回、門衛が、米兵の軍服が古いバージョンであることを見咎め、車両ら降りろと命じた。そこから銃撃戦になった。

 ゲリラのうち1名は自爆ヴェストを着用しており、それを起爆させたが、それによって仲間数人も死んだという。

 アフガン政府の特殊部隊である「危機対応部隊222」がかけつけて、残りのゲリラを掃討した。

 WP特派員氏のツイッターによれば、この騒ぎの直後、米欧軍基地の出入り口は約1時間、閉鎖された。
 そして基地内で総点呼した。米軍の軍装で基地内に潜入している奴がいるのではないかという疑いから。

 車載IEDにより大惨事を起こすテロ攻撃は過去1年間、抑止できている。しかし小規模な自動車自爆テロや徒歩自爆テロは頻発している。

 次。
 John Richard Cookson 記者による2018-5-29記事「Trump’s ‘Syraqistan’ strategy is a success ―― and a failure」。
    オバマの元アドバイザーすら褒めている。イラクとシリアでの対IS作戦は大成功だと。2017末に政府軍がラッカ市を奪回してから、ISによる反攻は見られない。

 主役は空爆だ。トランプは2015-11に、やつらを爆撃で叩き出すと揚言していた。それを実行した。
 オバマ最終年の2016よりも、トランプ最初年の2017のほうが、イラクとシリアにおける米空軍による投弾量は29%多かった。

 アフガンではどうか。2016年より2017年の方が、米空軍による投弾量は、2.25倍も多くなった。

 大型気化爆弾のGBU-43/Bもトランプは2017-4にアフガニスタンのナンガハル州に投下させた。その1発で100人近く殺したという。

 また2018-4の1ヵ月間に落とした爆弾量は、2012年以来の最高レコードとなった。

 しかしながらイラクとシリアで対ゲリラ作戦がうまくいっているのとは対称的に、アフガニスタンでは秩序が戻ってこない。

 むしろ過去2年でゲリラの支配区は2倍以上に増しているのである。

 トランプ政権は、アフガニスタンにては、芥子畑を積極的に爆撃させている。
 芥子の作付け面積は増えまくっている。2017の面積は2016より63%多かった。そしてアヘンの収穫量は88%増しだという。
 
 アフガニスタン政府の伝統的な腐敗のせいで、2017-1から2018-1の間に、軍警の公務員が1万8000人も消えてしまった。

 次。
 ※上とまったくおなじソース(インスペクタージェネラルから議会への報告書、もしくは懐疑的立場の民間団体による政策意見表明)をもとに書いている記事と思われる。

 James Kitfield 記者による2018-5-28記事「The Great Afghan Paradox」。
  アフガン国軍の兵力は急速に落ちている。タリバンは都市以外を自由に横行している。
 4月にはダーシュ=ISが一連の自爆テロによってカブール市内でジャーナリスト9人と警察官4人を殺している。

 モニター集団である「長期戦ジャーナル」によれば、タリバンは国土の58.5%を支配している。芥子栽培はむしろ増えている。

 トランプ政権はアフガン駐留米軍を8400人から14000人に増強し、空爆も増やしているが、効果無し。

 オバマは2009~2012にアフガン駐留米軍を増強した。タリバンはパキ内で保った。2014に米軍もNATO軍もあらかた撤収。タリバンはまた出てきた。アフガン政府が腐敗しているので、簡単だった。

 オバマ時代に10万の米軍でも撃退できなかったタリバンを、どうして1万4000の教導隊でなんとかできるとトランプ政権は考えるのか、不思議でならない。

 アフガン軍警は31万3728人いることになっている。しかし給与が悪くて辞める者が続出。質はとことん悪くなっている。
 政府が腐敗しているのはドラッグ商売が儲かりすぎるため。

 イラクの経過。2014夏に米軍を再増強。ようやく2015-12にラマディ奪還。2016-6にファルージャ奪還。2017にモスル奪還。

 タリバンは、主要都市を支配することはできそうにない。

 アフガニスタンのパラドックス。欧米軍の勝利の成果が持続しない。欧米軍が勝利すると、けっきょくイスラム・テロリストの勢力も強くなる。そして欧米軍将兵の流血は果てしがない。

 アルカイダはまだ残党がいる。そのリーダーを2018-4に米軍は殺した。ナンガハル州にて。

 ※芥子畑の光学スペクトラムを感知できる航空機搭載センサーが求められている。そこに輸送機やスーパーツカノ機から投下できる人道的爆弾も必要である。警報音とともにパラシュートでゆっくり着地したあと、除草剤を噴出するような。そういうものなら、投弾許可などいちいち得る必要がないから。

 次。
 Robert Burns 記者の記事「At least 50 Taliban leaders die in HIMARS strike in Afghanistan, US says」。
    アフガニスタンで先週、米軍砲兵がHIMARSを使ってタリバンの幹部50人以上を一網打尽に爆殺した。

 砲撃した場所はタリバンのコマンドポストで、幹部どもが集まって作戦会議しているところだった。

 快挙は5-24になされた。ヘルムランド州。

 トランプは、現地指揮官に攻撃決定権を大幅に与えている。その成果が出た。※攻撃許可を求めてモタモタやっていては、じきに散会して敵幹部どもが皆帰宅しちゃう。

 米軍は、タリバンがこうした圧力に屈して和平会議に応ずるようになることを期待している。
 ※米国内ではアフガン撤収論が勢いを得てきた。軍としてはそれに反論しておきたい。そのための好都合なニュース。

 米軍はアフガンに17年近くもかかわっている。
 現在は約1万5000人を置いている。

 駐アフガンのコーリション軍の司令官は今はニコルソン大将だが、このたびスコット・ミラー陸軍中将が大将に昇進して、あとがまに推挙された。議会が承認すれば、この夏に交代する。ミラーはSOCOM畑の者である。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-5-29記事。
  スパホのグラウラーにも酸素吸入器トラブルが……。トルコの飛行場にパイロットが緊急着陸した。

 アリゾナ基地のF-35Aでも昨年この問題があったし、その前のF-22でも大問題だった。

 なぜ米国製の戦闘攻撃機の酸素吸入器のトラブルがなくならないのか。

 理由の一つは、空中給油機と連携して長時間滞空することが増えているから。
 それだけの長時間の吸気を賄えるだけの大量の圧搾酸素をボンベの形で戦闘攻撃機内に設備するわけにはもういかないのだ。
 そこでOBOGという化学的な酸素発生機を装置しているのだが……。

 90年代から西側空軍の標準になったOBOG(機上酸素生成装置)。これには、呼気から二酸化炭素を除去して再利用する機能もある。

 どうやら米国製品にだけ依然として欠陥があるらしいのだ。西欧、ロシア、中共の戦闘機では、OBOGのトラブルがごく僅かしか報告されていないので。

 ※CSのチャンネルにいつのまにか「ナショナルジオグラフィック」が増えやがって、あわてて録画したものがいろいろ溜まり過ぎて、困ったもんだ。近年痛感するのは、拳銃バンバン、自動車ぎゅんぎゅん……、こういう最新の映画やアメドラが一向におもろうない。もうおなかいっぱいだ。しかしながら『プレデター1』は何度視ても飽きない。やっていると、つい、視とおしてしまう。話は矛盾だらけで、そこから滑稽味さえ生まれ、しかもあんなに安く製作しているのに……。夜のシーンはスタジオでしょ? 鍛え方過剰な肉体の存在感が演技の巧拙をもはやどうでもよくしている? だがそれだけじゃない。その秘密が解けない。

GDP比2%時代を先読みしてオワコンの兵器取得プロジェクトが目白押しなのか。

 「読書余論」の過去集成版第二弾(№48~№95)が6月1日にリリースされます。
 詳しくは武道通信で。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-5-28記事。
  中共版のATACMSなのかもしれない、8×8トラックをベースにした「AR3」発射車両に最新の弾薬がデビュー。
 290km飛ぶ、径750ミリのロケット弾。GPS/北斗で最終誘導。弾頭重量は500kgだという。

 弾薬コンテナ兼発射ポッドは他にもいろいろ変えられる。

 同じ発射トラックに、地対艦ミサイル「TL-7」のポッドも装載できる。
 こいつは「C-802」の地上型で、全重720kg、レンジ200km。

 1ポッドに4発の370ミリ誘導ロケット弾を詰めたものもあり。レンジ220km。8×8トラックにはこれを2ポッド、装載できる。

 再装填トラックが随伴する。空のポッドを外し、次発用の新しいポッドに交換するのは、このトラックが20分でやってくれる。

 発射トラックの乗員は3名。

 さかのぼると、自重36トンの8×8シャシに2個ポット、各4ロケットを装載した「WM-120」がデビューしたのは2010年のこと。米軍のGMLRSの向こうを張ったものだった。
 ※36トンではC-130級での戦略機動ができない。これはHIMARSの対抗馬にはならない。

 そのロケット弾は径273ミリで80km飛ぶ。衛星航法電波を利用すると照準点から誤差25m以内に着弾。こちらのコンテナは発射車両自前のクレーンによって次発ポッドに交換できる。再装填の所要時間は8分。

 「WM-120」は、「A100」を独自改良したもの。「A100」は、ロシアの「BM-30」のパクリ。
 径300ミリのロケット弾を12連射できる、自重40トンのランチャー車両システムだった。

 「BM-30」は、米国のMLRS(自重27トンの装軌車両から、径227ミリで重さ200kgのロケット弾を12連射する)に対抗したものだった。

 「A100」は1発が250kgで、80km飛んだ。
 ただし当時は航法衛星で誘導などできなかった。

 米軍は2008に、無誘導のMLRSをぜんぶ、GPS誘導型に切り換えおえた。レンジは85kmである。

 12トン・トラックに6発だけ搭載する米陸軍のHIMARSは2005年からある。同時にGMLRSロケット弾が実用化された。

耕耘機と除雪機を一台で兼務させれば、万人に「買う口実」ができるので、売れる筈じゃ!

 興味があるが、家族に説明できる「口実」がない――。このような理由で調達に踏み切れない消費者は多いのである。
 その「口実」を、メーカーが作ってやらなくてどうするのか?

 口実には、じぶん自身に対する説得、もある。
 隣近所に対する説明、もある。

 それらをすべて、メーカーの方で用意すべし。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-5-27記事。
    中共は固体燃料の「長征11」によって2018-4に、いちどに5つの画像偵察衛星を高度500kmの軌道へ投入した。

 5機のうち4機は、パッシヴ光学センサーが32のスペクトラム帯に分かれているもの。

 これを使うと、地下の石油や天然ガスのありかを見つけることができる。※それだけエネルギー確保に必死だということ。

 解像度は10mである。よって軍隊用ではない。

 5機目のはビデオ画像衛星。他の4機が捉えた有望な資源埋蔵地の地表地形を細密に撮像する。こっちは解像度が90センチメートル。

 航過中の撮像地表幅は、多スペクトラム型が22.5km、ビデオ型が150km。

 多スペトクラム型もビデオ型も重さは90kgぐらい。つまりいちどに400kg強を投入した。

 「珠海1」という34機からなる衛星群計画。その一部を構成する。

 長征11は、LEOに対して最大700kg投入できる。LEOは高度1000kmより低い軌道である。

 長征11は2015-9に最初の1基が打ち上げられた。それを含めて4回成功させ、計17機の衛星を軌道に乗せている。

 長征11を大型化(四段目に小型の液燃ロケットを追加)して衛星打ち上げビジネスに転用するのが「Expace」社の「KZ11」。荷物1kgあたり、1万1000ドル以下の値段で投入してやるよ。しかも発注から24時間以内に!

 高度700kmになら1.5トンを投入可能。1トンの太陽同期衛星なら高度800kmへ投入できる。

 衛星の自重が100kg以下のものは、ミニサットと呼ばれる。今の流行。
 いちどに多数機を投入できるから。

F-35Bは後ろ向きに――艦尾方向へ――飛び出して発艦しちゃ、いけねえのか?

 さすがに今回の本には書かなかったが、これはできるのではないかと思っている。
 すなわち『はるな/しらね』型の格納庫内からエンジンを全開にし、艦尾に向けて Short Take Off。そのとき艦は、普通の空母とは逆に、風下へ向かって微速で走らせておくわけである。
 この逆転の発想によって、『はるな/しらね』型の艦型で、排水量と乾舷高をチョイと大きくしたぐらいのフネが、すべて「F-35B運用艦」に早変わりするんじゃないか。
 『最上』のように、旧型艦の後甲板だけ大改装したっていいのだ。
 ふつうの護衛艦の建造予算で、毎年1隻の好ペースで「空母」が量産できてしまう。
 F-35Bを調達できないシナ軍にはもはや対抗は不能だろう。

 発艦作業を微速ですればいいのなら、これまでのように重い軍艦が風上へ向けてガスタービン全開の全速前進を何十分間も持続する必要がないから、遠洋作戦中のフネの燃料補給計画はずいぶん楽になるだろう。

 それと、発艦作業中の自艦のノイズによってASWに隙ができてしまうという、これまでならばまぬがれ得なかった軽空母通有の不利が、この方式ならば、きっと緩和される。

 拙著・最新刊『空母を持って自衛隊は何をするのか』(徳間書店)は、明日あたりに書店に並ぶはずです。地方の人はAmazonでGETだ!

 次。
 ストラテジーペイジの2018-5-26記事。
   1990年にはGDPの2.7%を国防費に使っていた西ドイツ。それが2000年には1.5%となり、2014年には1.3%に落ち、今は1.2%である。トランプが文句を言うので「ヘイヘイ、2024年までには2%にしますったら」と返答してはいるが……。

 ソ連崩壊以後、2014まではドイツには「脅威」などなかった。だが2014からロシアは堂々たる侵略国家に復帰した。そこでそれまでは政府に忖度して内情を暴露してこなかった独軍人たちが、「じつはブンデスヴェーはこんなにも惨憺たるコンディションに落ちているんだ」と国民に向けてリークするようになった。

 最新のリーク。ルフトヴァッフェ装備の「タイフーン」戦闘機のわずか4%しか、実戦に動員することはできない。

 皮肉にも、冷戦時代の旧型機「トーネイド」対地攻撃機の方は31%の稼働率を維持できている。

 輸送ヘリの「NH90」の稼働率は13%である。
 「タイガー」戦闘ヘリは16%の稼働率。

 ちなみに独軍の装備総数は、タイフーン114機、トーネイド93機、NH90が40機、タイガーが43機也。

 NATOの主要国軍中、ドイツ軍の即応態勢が最低なのであるという、汚名が轟きわたっているところなのである。

 米国はGDPの4%を軍事費に回しており、NATO全体の軍事支出の7割を1国で負担している。文句を言う権利はあるのである。

 ソ連崩壊以前のNATOと今のNATOの大きな違い。かつてはノルウェーとトルコしかソ連領には接壌していなかった。今は東欧諸国がNATOに加盟しているので、接壌国が多い。

 なかでもバルト三国は地勢的にすぐに露軍に占領されるおそれがある。だからVJTFが必要なのだ。

 NATOの予測では、露軍の対西欧侵略は、第一波が30個師団以上によってなされるだろう。その後詰めには、2倍もしくは3倍の師団が充当されるはずだ。ただし、第二波以降は現役師団ではあり得ず、予備・後備の動員が必要である。

 そこでNATOは対露即応部隊を組み立てなおそうとしている。3万人規模。そのうち1万人は、48時間内に露軍と交戦できるようにする。2019年までに。のこりの三分の二は7日以内に完全動員状態にする。

 ※バルト三国は攻撃されれば2日で占領されると言われているので、48時間以内に本格反撃する必要があるのだ。さもないと占領が既製事実化する。

 その対露即応軍の司令官と尖兵部隊VJTFはドイツが出す。その中核が1個装甲旅団なのだが……。主力戦車と主力装甲車が、ほとんど要メンテナンス状態なのだ。装甲旅団の「レオパルト2」戦車と「マルダー」歩兵戦闘車は20%だけが最前線に投入できるコンディション。

『空母を持って自衛隊は何をするのか』見本落手!

 ワンタイム・ジョークで以前に使ってもらったことのある20代当時の顔写真がまた使われてしまい、奇襲を喰らった。わたしはハゲた現在のじじい顔が嫌いじゃないのだ。が、それを撮影したデータを送ってなかったからな……。今回は著者の写真無しで行くのだとばかり思い込んでましたわい。

 顔写真は不本意にもふざけたものになってしまったが、内容は至って真面目である。

 昨年に写真特集の解説でHMMWVの排気管と吸気管を間違えていた。これを今回の新刊では、あらためて解説し直しています。

 写真提供者の方々と、いろいろ教えてくれた方々へは、直接に〒で発送しました。しばらくお待ちください。

井△コーチはおしゃれひょっとこ?

 Kris Osborn 記者による記事「Air Force F-35 Integrates Precision-Guided B61 Mod 12 Nuclear Weapon」。
  F-35Aは本年中に、B61を運用できるようになる。
 FASによれば、Mod 12は、バンカーバスター・タイプである。

 最小で0.3キロトンにできる。最大だと50キロトンにできる。
 その中間値として、1.5キロトン、10キロトンにも切換可能。

 尾部に動翼を付加することで、GPS精密誘導爆弾にもなる。

 ※これがどれほどの威力を意味するのかは、来週発売の新刊『空母を持って自衛隊は何をするのか』の中に添えてある「核災害早見表」を参照してほしい。同書では〈北鮮が核を放棄するわけないだろ〉と断定しておいたが、当たったようだ。とにかくおもしろいので待ちきれない人は芳賀書店……ではなく書泉グランデへ入荷を問い合わすべし!

 今年発表されたNPRの中にも、B61を運用するF-35が欧州でロシアの侵略を抑止するための基礎になると強調してある。

 次。
 Cipher Brief Staff による2018-5-24記事「Don’t Lose Sight of the Russian Threat to American Democracy」。
      18世紀の話だが、クリミア総督ポチョムキンがエカテリーナ2世の歓心を買いたいと思って、ドニエプル川沿いにフェイク村を急造させた。川を下って来る女帝の船にこぞって手を降った村人たちは、すぐにその村を解体してさらに下流へ移設。同じような「大歓迎」を何度も繰り返し演出したという。

 CIAの元中部ユーラシア部長ダネンバーグいわく。プーチンは少しづつ個人財産を蓄積し、今では凄い富豪になっている。それに倣って彼の政権の高官たちも同じことをしている。

 げんざいこれら高官たちとその子弟が自由に西側に旅行しては巨億の財産を分散隠匿している。これを禁じてしまう対露制裁が、有効なはずである。

 G-8はもちろん、G-20からもロシアを追放すべきである。

 国家ぐるみドーピングをしてきたことが明らかなロシアに、2018ワールドカップサッカートーナメントを主催させるべきではない。

 ちなみにプーチンは糟糠の妻とは離縁し、今は元オリンピック選手をセフレにしているのである。
 ※そしてロシアではホモは許されない。〇上コーチをベンチプレス200kgの腕で抱き締めることはできないのだ。

 次。
 MARCUS FICHTL 記者による2018-5-23記事「Midnight curfew in effect for some soldiers in South Korea」。
   駐韓米軍の第二歩兵師団の将兵たち1万2000名は、深夜の外出を制限される。いつでも呼び出しに応じられるように夜間は室内で待機せよ。

 第二歩兵師団の90%の将兵は、4時間以内に点呼ができること。

 兵隊たちは、部署についていないときは「バトル・バディー」を維持する必要はない。 ※2人1組のこと。特に兵卒。それも若い兵卒……。

 次。
 Tara Francis Chan 記者による2018-5-23記事「Pakistani military allegedly accessed data of US, UK, and Australian officials and diplomats」。
    アンドロイドのスマホからこっそりと全情報を吸い取ってしまうマルウェアを「ステルスマンゴ」という。iOSから吸い取る「タンジェル」というソフトもあり。

 フィッシングメッセージに罠が仕込まれており、それを開くと、アンドロイドのサードパーティのアップ・ストアにリンクして、ただちにダウンロードされてしまう。

 ステルスマンゴがいつ作られたかはわかっていない。しかし開発を指揮したのはパキスタン軍だ。
 フルタイムでアプリケーションソフトを書いている職人が請け負った。その男はかつてシドニーの会社に勤めていたことがある。その会社のバックにパキスタン軍があった。

 パキスタン軍は、同じパキスタンの政府高官、インド、イラク、UAEの民間人、政府高官、外交官、軍人にハッキングを仕掛けて、その情報や行動をスパイしている。IDカードの顔写真も取得できるし、月間予定も知り得るし、その人物が通例どの時間帯にどこへ移動するのかも把握できてしまうのだ。

 ※こんどの徳間の新刊では、〈大災害時に弱者のサバイバルに役に立つ携帯電話としては、どんな機能がなければならないか〉についても真面目に考察し提言しますた。

ロリコップ

 JOHN M. DONNELLY 記者による2018-5-22記事「Navy’s top-dollar stealth fighter may not go the distance」。
   F-35Cの戦闘半径が、必要値よりも短いのではないかと、下院軍事委員会が指摘。

 中共の対艦ミサイルのレンジが長くなっている。空母がいままで以上にシナ本土から遠ざかっていなくてはならない。となるとF-35Cは余計に長距離を往復しなければならない。

 もし空母が敵国沿岸から1000海里離れていなければならないのだとすると、F-35Cはその敵国を空襲して帰投するのに、空中給油が絶対に必要になる。ところがそのタンカーはステルスではないから、大弱点である。

 F-35Cのコンバット・ラディアス(戦闘往復可能距離)は、計画値だが、670海里。

 F-35Cが米空母に配備されるのは2021年以降である。

 中共は十年近く前に「東風21D」対艦ミサイルを完成し、そのレンジは780海里〔1445km〕だと報じられた。

 トマホーク・ミサイルはレンジが1000海里=1852kmである。米海軍はこれの対艦バージョンを四年後から配備する。

 F-35はこれから60年、現役である。その寿命が尽きる前に中共軍やロシア軍が射程1000海里を超える対空母ミサイルを持つであろうことは容易に想像ができる。

 DIAによれば、中共はすでに「CSS-5」対艦巡航ミサイルを有する。レンジは930海里〔=1722km〕。

 また露軍は「キンザール」という超音速の空対艦ミサイルを配備した。レンジは1000海里以上と報じられている。

 F-35工場は全米にあるが、総組み立てラインは、テキサス州のフォートワース市にある。そこは共和党のカイ・グランジャー下院議員の選挙区である。グランジャーは連邦下院の国防歳出予算小委員会の委員長をつとめている。

 次。
 Malcolm Davis 記者による2018-5-21記事「China’s Strategic Strait in the South China Sea」。
      中共がミスチーフとフィエリークロスとスビの3リーフに配備した地対艦ミサイル「YJ-12B」は、レンジ545km、終盤飛翔速度マッハ3という最新型である。

 また「紅旗9B」地対空ミサイルも配備した。これはロシア製の「SA-20」の同格品である。

 中共は次の手として、フィリピン沖の「スカボロ Shoal」に戦術ミサイルを展開する気だろう。

 次。
 Ray Downs 記者による2018-5-22記事「Sweden distributes war pamphlets to public for first time since 1960s」。
       スウェーデン政府が全世帯に非常時パンフレットを配布した。20ページからなる。
 「クライシスまたは戦争が始まったら」というタイトル。

 食料、水、耐爆シェルターはどこにあるのかを指南。
 重大事故、超常気象、IT攻撃、軍事紛争等に備えさせる。

 有事のさいの国民義務も書いてある。16歳から70歳までの男女は、軍への応召、ならびに国営民間奉仕事業への出頭が求められる。

 スウェーデン政府がこのようなパンフレットを最初に全戸に配ったのは1943年であった。
 ソ連軍が西へ押し返してきて、スウェーデンにも入ってくるかもしれなかった。

 それから1961年まで、パンフレットはコンスタントに住民に配布されていた。
 61年から1991年までは、国内全世帯にではなく、地方の官公署にだけ、配布された。

 最新版のパンフレットの一特徴は、インターネット上の「偽情報」に気をつけなさいという注意である。
 「スウェーデン政府が某国に対して降伏した――と伝えるいかなる情報も、嘘である」。

 「もし某国がスウェーデンを攻撃してきた場合、われわれは絶対に降参しない。スウェーデン人によるレジスタンス活動を停止させようとする命令が流布されても、それらはすべて侵略勢力の謀略であり、嘘である」。

 次。
 組織の命令だからという言い訳で重大な国際法違反をやらかしてしまえば、国家国民が破滅する。これが先の大戦の教訓也。
 この破滅の二の舞をしないように戦後教育は組み立てられてきた。
 日大のアメフト部の存在は、戦後教育理念に対する真っ向からのアンチテーゼである。
 このような空間の存在そのものが、文科省管轄下の正規の学校には許されてはならないものだ。
 もし日大学長が同部をただちに廃部にしないならば、文科省は日本大学の正規大学としての資格を剥奪するのが筋だろう。
 文科省がそれをしないなら、文科省をこそ廃止すべきだろう。

恵山の賽の河原はいっそのこと、野外お化け屋敷にしてしまったらよいのではないか?

 昨日Upした写真特集を見て欲しい。「日本のアフガニスタン」と言える地形が、恵山(えさん)にある。そしてその麓は既に勝手に「地蔵ミュージアム」にされている。だったら徹底的に改造して怪奇の荒れ地墓場を演出したらおもしろいのではないか。
 ここは火山帯なので植生だっていつも荒らされているようなものだろう。

 次。
 JULIANNE STANFORD 記者による2018-5-20記事「Famed mini sub's control room to become future exhibit」。
   1963に『スレッシャー』が沈没して潜水艦の乗員全員が死亡した遭難事故を承けて、リッコーバー提督が、深海で何時間でも沈船を探索できる有人潜航艇が必要だと考えて実現させたのが『NR-1』だった。

 全長145フィート、胴径13フィートの原子力潜航艇は1969-1-25に進水した。
 『NR-1』はそれから40年間、現役であった。

 公開されているミッションには次のものがあった。
 1976の大西洋におけるF-14探し。
 1986のスペースシャトル残骸探し。
 1995に沈船『ブリタニク』号(タイタニックの姉妹船)探し。
 90年代後半に地中海にて、古代ローマの沈船3隻を発見。また、南北戦争で沈没した鋼鉄蒸気軍艦『モニター』の残骸捜索。

 ※90年代から余裕をかますようになったのがわかる。海底ケーブル工作などの機微なミッションは、90年代にはすでに他の正規SSNが実行するようになっていたと見ていいのだろう。

 2008-11-21に『NR-1』は機能停止させられた。
 船体はピュージェットサウンド海軍工廠に運ばれ、バージ上でずっと解体工事を待っていた。
 解体作業は2017-1からスタートしている。

 その操縦室部分はげんざい、「Naval Undersea Museum」にてレストアされている。
 機微な部品や文書はぜんぶ、撤去済みである。

 元乗員いわく。この艦での勤務は、若くなければできない。当時は面白かったが、もういちどやるかといわれたら断る。そういう環境。

 なにしろおそろしく少ない人数で原子炉系を含むあらゆるメンテナンスをするしかないから、軍港で休暇を楽しむ暇などないのはもちろん、夜に寝る時間すらほとんどない。

 同型艦もゼロなので、出来合いのスペアパーツというものがない。何か部品が壊れたら、僚艦からガメてこい、というわけにはいかない。
 たいがいのモノは、ゼロから工作して創り出すしかなかった。

 『NR-1』は乗員15名。しかし特別なミッションで出航するときには、お客さんが11人も加わることもあった。
 寝台は4人分のみ。シャワー設備は無かった。

 たいていは、通路にマットを敷くか、天井から吊り床を下げて寝た。
 だから通行者は足元と頭上によくよく注意して歩く必要があった。

 原潜なのに、洋上で頻繁に補給してもらう必要があった。特に新鮮な野菜と果物。あとは全部冷凍食品で、それを電気ヒーターか電子レンジで解凍して食べた。15分以内に加熱調理を終われないものは、積まれていなかった。

 原潜なのに、航洋速力が遅すぎるので、現場海域までは、航洋型タグボートで曳航してもらっていた。『Carolyn Chouest』という。平底なので、このボートはひどく揺れた。
 ※……と回想しているということは、曳航中は乗員の一部も曳船の方へ移乗していたのか。

 退官したコーストガードの長官が、戦前の喪失飛行船『アクロン』号の残骸探求に執心だった。この海軍飛行船は1933に強風のためNJ沖のどこかに墜落し、当時は残片すら見つからなかった。

 『NR-1』による探索は、グリッドを決めて精密な海底3D地図をつくる。海中で正確に一定間隔の平行線を描くように往復する必要があるので「原っぱの草刈り運動」と呼ばれる。数日がかりの作業である。
 まさに予定の最終日に、アクロン号の尾部の形状がモニターに現れた。そこを端緒として、胴体部も発見することができた。

 メキシコ湾に沈んだ19世紀のガレオン船の写真を撮影するために2週間潜ったこともある。学者が言うには、あと10年もすれば嵐の作用で跡形もなくなってしまうはずなので、いまのうちに撮影して記録を残しておいてもらいたい、と。
 スラスターを使って表面の堆積物を飛ばし、船体の残骸のクリアな写真をうまく撮ることができた。

 次。
 Bill Hayton 記者による2018-5-16記事「China’s Claim to the Spratly Islands is Just a Mistake」。
  戦前~戦中のシナ人は、じぶんたちで探査もしないで、英国が作製した地図をもとに勝手な島嶼領有主張を展開した。だから暗礁でしかない2つの海図上の表記が、彼らの脳内で「島」に化けてしまい、それが今日の「南シナ海は全部ウチらのもの」というトンデモ主張に結びついているのである。

 シナ政府のクレームの始まりは1907年である。
 にしざわ・よしじ が、香港と台湾の間にある「Pratas」群島でグアノを採掘しはじめたので。
 フィリピン防衛のために警戒した米国が北京に通牒してやるまで、シナ政府は気付いていなかった。通牒されたあとも何年も放置した。

 1909に日本政府はプラタス諸島の支配権がシナにあると認めた。
 シナ政府は初めて、パラセル諸島が日本から狙われるという可能性に気付いたわけである。

 1931-12にフランスがパラセルの領有権を主張。仏印の範囲だとして。9ヵ月後、シナ政府は抗議。

 フランスは1933-7にはスプラトリーの6つの島も併合したと発表。
 しかるに支那政府は、あきらかに、パラセルとスプラトリーの違いもわかっていなかった。

 支那海軍は支那外務省に、スプラトリー諸島など存在しない、との電報すら打っている。

 ※補足しよう。小倉卯之助『暴風の島――新南群島発見記』(S15-12)によると、S8-7-25に、フランスが、新南群島のうち7島の領有を宣言した。これに国府が抗議し、フィリピンも騒いだと。

 マニラの米政府が地図をめぐんでやり、支那政府は認識し、スプラトリーについてのクレームを放棄した。

 それから支那政府はあわてて、英語名を直訳して島に名前をつけるようになった。
 ちなみにスプラトリーというのは、英国人船長のリチャード・スプラトリーに基づく。

 シナ政府が当時参照したのは、1906の英国の海図だろう。

 シナ人はこのとき、bankもshoalも「灘」と訳した。

 ※記事には古い地図のコピー写真が添えられているのだが「サンズイに堆」であるようにも見える。だとすると読み方は「dui」になるかもしれない。 ベトナム政府が大注目しているというBBCのこの記事は、私をスッキリさせない。

 「ジェームズ Shoal」は、「曾姆灘」(Zengmu tan)になった。
 「ヴァンガード Bank」は、「前衛灘」(Qianwei tan)になった。

 シナ人はじぶんたちで調査せず、とりよせた海図で論じていただけなのだろう。だから海面下の浅瀬が、ことさらとりざたされることになった。

 1936に「中華建設新圖」が制作された。このシナ政府版の海図に、それら暗礁が、島である如く記載されてしまった。

 ※シナ地図では南シナ海を「中國海」と書いているのも分かって面白い。

 1943まで中華民國政府はパラセルより先の島に領土クレームしていない。同政府が1943に公刊している公式シナ案内ハンドブックにも、中国領土は、北はサヤン山脈、南はパラセル群島の「Triton Island」まで、と明記されている。

 中華民國が南洋の島の名前を変えたのは1947である。
 暗礁のことは暗沙と書くようになった。新語である。
 James Shoal は Zengmu ansha になった。

 1948にシナ政府は初めて公式に、James Shoal までのスプラトリー諸島はシナ領である、と主張した。

 ※補足しよう。日本軍が海南島を占領したとき、フランスはあわてて西沙島の領有を確認声明している。これが活きていると思われてはまずいので、蒋介石政府はハッキリさせておきたかったのだろう。

 整理しよう。シナ政府がスプラトリー諸島の存在そのものに気付いたのが1933年7月である。
 また、シナ領土の南端は「James Shoal」であると考えるようになったのは1947-4であった。

 ※補足しよう。S14-4-18に日本政府は新南群島を大日本帝国の領土だと宣言し、それを台湾総督府の管轄下においた。だから蒋介石は台湾逃亡後に、スプラトリー全部が国府のものだと主張したくなった。それに対抗上、中共政府もまったく同じ主張をしないわけにはいかなくなったのだ。尖閣問題と、パターンがよく似ている。主張をひっこめると、そっちの政府の正当性がなくなるように、シナ人には感じられるのだ。

 ※これを機会に漢和辞典で「灘」を調べたら「沿岸につらなる」といった意味もあることがわかった。ならば、難所ではぜんぜんない「熊野灘」という表現にはべつだん矛盾がなかったわけだ。

存在しないものは出せない。

 「原爆」も「水爆」もそもそも1発も存在しないのだから、米国に提出なんかできるわけがない。

 存在するのは、ビル1棟サイズの「核爆発装置」の残骸のみ。その実情は誰にも絶対に知られたくないので、トンネルを崩壊させて証拠をぜんぶ埋めてしまうつもり。

 次。
 Ralph Savelsberg 記者による2018-5-17記事「Houthi Missiles: The Iran Connection; Scuds Are Not Dead Yet」。
 記者はオランダ人のミサイル防衛専門家。

 シーア派ゲリラのフーシがイエメン領内から発射してサウジの首都リヤドまで到達させた、レンジ950km?の「ブルカン 2-H」とはどんな弾道弾なのか。

 弾頭重量は500kgに減らされているので、サウジ側の受けた打撃はいまのところ僅か。

 しかし飛翔速度が大なので、サウジ軍が展開しているペトリオットでは迎撃ができない。フーシの発射から9分で着弾するのだ。

 サウジ率いる湾岸スンニ政府連合軍は、優勢な空軍力を使ってフーシの弾道弾を地上で爆砕しようと何年も欲しているが、成功できていない。

 フーシが発射している「ブルカン 2-H」は、イラン国内で製造されている弾道弾「キアム 1」とほぼ同じものだろう。イランは船舶によりイエメンへ弾道弾を陸揚げしてフーシを援助している。もともとは、イランが北朝鮮から買った「スカッドB」を、イラン人が小改造したものだ。

 スカッドには大面積の空力フィンがあった。「キアム1」や「ブルカン 2-H」には空力フィンは無い。
 ちなみに北鮮製のスカッドでフィン無しのものはない。

 サウジが回収した弾道弾破片には、イランで部品が製造されたことがわかるロゴの認められる部品が複数あった。

 スカッドの最も一般的なバージョン「SS-1C」または「スカッドB」は、ペイロード990kgで300km飛ぶ。70年も前にデビューした兵器だ。

 300kmではリヤドまで届かない。いったいどうやってレンジを900km以上まで延ばしたのだろうか。

 記者は「Burkan 2-H」の発射直後の上昇段階をとらえている公開ビデオ動画から加速度を解析し、そこから「推力:重量比」を割り出し、これはイラン製のミサイル「Qiam-1」そのものだと結論する。

 前例。北鮮の弾道弾はいかにして射程を増したか? スカッドBをコピーしたのが「火星5」。スカッドCをコピーしたのが「火星6」である。
 火星6は、従来はケロシンと酸化剤(赤煙硝酸=Red Fuming Nitric Acid)が2つのタンクに分けて入れられて、そのタンクが上下直列していたのを、ひとつの長いタンク内にバルクヘッド(隔壁。ただし酸化剤側へ張り出す形のドーム状)を設けて上下に仕切る設計にして軽量化し、さらに弾頭重量も750kgに軽減することで、500kmまでの射程延長を実現している。

 北鮮は1999年に「スカッドD」をリビアへ密輸出しようとしたものの、インドの税関に貨物船『Kowulsan』号を臨検されて失敗している。

 2016-9に北鮮が日本海に撃ち込んだのは、スカッドC/Dより胴径が太い「スカッドER」だった。ERは、エクステンデド・レンジ。射程1000kmと想像される。

 イランの「シャハブ1」とは火星5であり、イランの「シャハブ2」とは火星6そのものである。

 イランの「キアム1」は2010年に存在が知られた。「シャハブ2」よりも改善されている。

 内戦が起きる前のイエメン政府も、北朝鮮から「火星5/6」を買っていた。

 2002年に北鮮の『So San』号が15発の北鮮製弾道ミサイルをイエメンに搬入した。一度はアデン湾(イエメンとソマリアに挟まれた海面)でスペイン軍艦によって臨検されたのだが、当時はそれを抑留できる法的根拠がなかった。

 こうした過去があるから、フーシが発射している弾道弾に北鮮製の火星5/6が混じっていても不思議はない。しかし、火星5/6ではリヤドまでは届かない。

 2016年、イエメンのフーシの「国防大臣」が「ブルカン1」について発表した。それは全長12.5m、全重8トンで、射程が800km、ペイロードは500kgである、と。このスペックは「スカッドD」とピタリ一致する。

 リヤドにフーシのミサイルが1発着弾した最初の日は、2017-11-4である。着弾点は、リヤド市北郊の「キング・ハリド空港」。

 2017-12-19にはもう1発、リヤド市に着弾。2018-3-25には、複数の弾道弾がリヤドに降った。

 3月25日のミサイル空襲についてはサウジが「迎撃」したというビデオをSNS上に公開している。ところがペトリオットの1発目は発射直後に自爆しているし、続いて発射されたもう1発は大きくコースが曲がって地面に着弾している。

 これら迎撃ミサイルの爆発破片も加わって、地上ですくなくとも1名が死亡している。

 フーシはさらに、4月11日、そして5月9日にもリヤドをミサイル攻撃した。

 ブルカン2Hは、胴径は88cmで、これはスカッドC/Dとそのコピー品(シャハブ1/2、キアム1)の共通サイズである。

 スカッド系のミサイルの筒体の外面には、どれも同じように、金属製の配線用ダクト(raceway)が長々と縦に貼り付いているのが見える。これは、孔をあけたりしたくないケロシンタンクと酸化剤タンクを避けて、弾頭部の誘導システムと、尾端部ブースターの推力調節システムを結線するために必要となっているケーブルの経路で、この長さは、「ケロシンタンクの長さ+酸化剤タンクの長さ」とイコールである。

 このダクト長を比較すると、「キアム1」のケロシンと酸化剤は、「火星6/シャハブ2」よりも増量されていることが分かる。タンク全長が、より長い。しかし、胴径そのものはすべて同じと看做して可い。

 フーシのアンサル・アラーという男が2017-12にビデオフッテージを公表した。弾道弾ブルカン2Hが発射されて上昇する初期段階を横から撮影したものだ。
 この動画からは、ブルカン2Hの初期の加速度を計測できる。

 音声と映像がマッチしていることから、動画に細工がされているようには見えない。捏造加工は無いものとする。

 誤差5%で、初期加速度は「12.2m/秒二乗」だと言える。
 ここから、発射時の推力と重量の比は、2.25だと言える。

 スカッドBのモーター燃焼特性は細かいところまで既知である。
 ダクト長および外鈑溶接痕線からタンク長も推定できる。

 不確定要素は、タンクの実際の形状。またタンク内にはいくぶんの空隙を残しておくものだが、その実際の容積。またケロシンを尾端燃焼室まで導くパイプが酸化剤タンクを縦貫しているものだが、その容積。また、バーンアウトさせる時点でどのくらいの燃料を余らせる設定になっているのか、等。

 結論。キアム1およびブルカン2Hは、スカッドBより25%増しの燃料を搭載できる。

 全体寸法と全重はスカッドBとほぼ変わらないと推定ができるので、搭載燃料を増やしたぶん、弾頭重量はトレードオフとして減らしているはずだ。

 スカッドBの筒体にはスチールが使われていた。これをアルミ合金に替えて軽量化する努力もした……としよう。

 空力フィンをなくすることでも軽量化されるし、それは空気抵抗も減らす。

 レンジ300kmのスカッドBの全重を軽量化させ、990kgの弾頭重量を500kgまで減じ、総燃料を増量し、所定残燃料も切り詰めるなどすると、「キアム1」は、レンジ918kmを達成できそうだ。だが、それでもイエメン領内からリヤド市まで届かせるには、ちょっと足りない。

 ただしそれは海抜0mから発射した場合だ。
 フーシはイエメン北西部の山岳地(標高1800mぐらい)からSSBMを発射した。これだと空気抵抗がずいぶん減る。
 さらに重要なのは、イエメン北西部の射点から見れば、リヤド市はほんのわずか「東」寄りなのである。よって、地球の自転力も加味することができる。
 これまで、ブルカン2Hは、北鮮の火星6をブースターに転用したイエメンの国産品だと思われてきた。

 しかし記者は結論する。ブルカン2Hはイラン製である。
 スカッドDでもないし、スカッドERでもない。

徳間書店の新刊は28日書店搬入と決まりました。ご期待ください!

 MATTHEW M. BURKE 記者による2018-5-15記事「Marine Corps announces sweeping changes to ground-combat forces」。
  これから5年くらいかけ、米海兵隊の編制や装備定数が全レベルで変わる。

 海兵隊の小銃分隊の定員数は、現行の13名から12名へ減じられる。

 すでに2017年春に沖縄にさまざまな編制を試す部隊が送り込まれ、豪州での夏演習に参加している。

 現行の分隊は、3個の火力チームから成る。各ファイアチームは4名から成る。分隊は1梃の軽機を中心とし、軍曹が率いている。

 火力チームは伍長が組長。彼は擲弾発射器も持つ。その下に上等兵が2名。うち1名は軽機。もう1名はその軽機手の助手。残る1名は1等兵か2等兵の小銃手。

 ※なるほど小部隊指揮官がみずからグレネードランチャーで突撃のきっかけを作為し、それに呼応して一斉躍進を命ずる仕組みなのか。合理的じゃないか。

 新火力チームは、3名となり、全員がヘックラー&コッホ社製のM27歩兵自動銃を手にする。そのM27には、サプレッサーと、デジタル照準器が付く。

 ※軽機というものがなくなり、強力な突撃銃が増やされるのか?

 あたらしい役職ができる。分隊長補佐と、分隊システムオペレーター。

 定数上ではファイアーチームは4名のまま。ただし平時は1名を欠とし、有事に必要があれば1名の小銃手を補充して4名にする。

 M27は、単価1300ドル。これでM4をリプレイスする。

 新分隊の分隊長となる軍曹は、軍歴5~7年の者とし、分隊長としての公式訓練も受けさせる。分隊長の補佐には1人の伍長がつく。

 分隊シスオペには上等兵がなる。
 海兵隊のすべての分隊にはクォッドコプターのドローンが配される。

 小隊には1名の専任ドローン操縦者を置く。
  ※これは軽易なクォッドコプターとは別のシステムと思われる。

 また小銃中隊には、5名からなる「カウンター・ドローン班」も設ける。

 分隊長には、高性能な暗視双眼鏡が与えられる。増光式だけでなく、サーマルにも切り換えられるもの。また分隊長はM320擲弾発射器も持つ。

 いままでのSMAW(マーク153肩射ち多目的火器)は、カールグスタフ(MAAWS=多用途対戦車対人兵器)によってリプレイスされる。

 分隊には、CASを要請するための携帯無線機が支給される。
 ※もちろん大隊レベルでも本格的な空地調整通信を準備する。

 分隊狙撃銃としてはM38が支給される。これにはサプレッサーと、8倍眼鏡が付属する。

 M38は射距離600mぐらいを考えたもので、異常な長距離というわけではないが、スコープで狙っている人物が別人(民間人等)ではないかどうかの判断を確実にしてくれる機能がビルトインされている。

 海兵隊の分隊レベルではない、もっと上級の「スカウト・スナイパー」たちには、「マーク13 Mod7」の長距離狙撃銃が支給される。従来、SOCOMで愛用しているものだ。

 海兵隊の「重火器中隊」には、射程を延伸した「ジャヴェリン」対戦車ミサイルが増加配備される。総数12基。TOWは海兵隊からは消える。その穴を埋める。
 ※AH-1からもTOWは撃たないということ?

 81mm迫撃砲は6門に縮減。従来よりも2門すくなくなるが、弾薬の性能が向上しているので、問題ない。

 デューンバギーのようなATVである「ポラリスMRZR」も増加装備される。

北鮮は、「爆弾も埋まりました」と主張するつもりだろう。

 「爆弾」は存在しない。「装置」しかない。しかし米国が「南アフリカ」方式にこだわるのなら、爆弾の現物を進呈しなければならない。それは不可能である。よって坑道を崩壊させ、その中に爆弾も埋めたと主張するのだろう。

 あるいは、過去の地下爆発でできた「球状空洞」の圧壊崩落で、広範囲の落盤が生じ、ストックの「爆弾」の全部または過半が、既に埋まってしまったのだと主張することもあり得る。
 放射性土壌を除去して今からそれを掘り出そうとする者など、いやしないからだ。

 次。
 Jeff Schogol 記者による2018-5-9記事「So Long, 5.56: The Army Is Testing A Bigger Bullet For Its SAW And Carbine Replacements」。
   5.56ミリ・ライフル弾が、そろそろ、敵兵の防弾ヴェストによってストップされるようになってきた。そこで米陸軍は5.56mm口径に見切りを付け、新口径の高速小銃弾により、貫徹力と精度を向上させたい。

 浮上しているのが「6.8mm」の新実包。これをM249分隊軽機(Squad Automatic Weapon)やM4カービンから発射させたい。

 新実包は薬莢が真鍮ではなく軽量な新素材。そのため7.62ミリNATO実包よりはずっと軽い。

 弾丸が超音速で飛翔し続ける距離も長い。よって狙撃が今より正確にできる。

 しかしM4やSAWのバレルを交換するだけでは更新はできない。非金属製の薬莢は、赤熱した薬室内に置かれていると溶けてしまう。この問題を解決しなければならない。解決はもちろん可能である。

 薬室には今以上の腔圧がかかるので、それにも対応させなくてはならない。また、6.8ミリ化した小火器には、デジタルサイトが標準装備される。弾丸の低伸性を戦場でフルに活かすためだ。

 現場からは、先にSAWを6.8mm化してくれ、というリクエストが強い。小銃よりも優先的に。

やはり核兵器は1発も無かった。北鮮はその証拠湮滅のためにトンネル閉鎖を急いでいる。

 核分裂を起こせる「巨大装置」はあっても、「兵器」になるような「弾頭」はけっきょく完成してはいなかった。
 トンネル内のガス残滓を持ち出されれば、そのことが米国にバレてしまう。
 だから協定成立後も誰も中に入れないように、入り口からすっかり崩落させる必要があるのだ。

いまだに全線路のカメラ監視体制がないとか、日本の鉄道会社はテロ時代を舐めておるのか?

 点々と沿線の支持柱上にカメラを設置して、そこに1週間分録画できるUSBを差し込んでおくのに、幾らもかからない。それによって防衛される社会的安全は至大である。というかそれは公共の土地を長々と占有させてもらっている鉄道会社の、地域社会に対する当然の責務だろう。こんな判断もできないやつらが経営陣なのか……。

 次。
 DIANNA CAHN 記者による2018-5-10記事「Hearing: Series of errors by junior officers contributed to Fitzgerald collision, deaths」。
  駆逐艦『フィッツジェラルド』の衝突大破事故は、イリアン・ウドリー中尉と、ナタリー・コムス中尉(♀)に責任があった。

 両名は、監視システムが故障していたのに、それを直そうとせず、ブリッヂにも伝達していなかったのだ。
 故障していた機材とは、レーダーと、AIS(船舶自動情報応答システム)である。

 コムスは戦闘司令室をあずかっていたのに、周囲のすべての船舶がモニターに表示されないというレーダーの不調を、ブリッヂに知らせなかった。

 この2名が軍法会議に送られるかどうかは、これから決められる。

 次。
John Grady 記者による2018-5-9記事「Mattis Defends Trump Administration’s Call for Low-Yield Nuclear Weapons」。
       マティス本人が語る。モスクワの野心に対抗するため、アメリカも低威力核弾頭を新開発し、それを潜水艦から発射するミサイルの弾頭に搭載する。それでクレムリンはチェックメイトされる、と。
  ※この話題については5月下旬発売の新刊『空母を持って自衛隊は何をするのか』(徳間書店)を読んでみて欲しい。

 米国の核の運搬手段と、核戦争の指揮通信手段の刷新のためには、ペンタゴン予算の6.3%を割く必要がある。現状では4%しかそれに充当されていない。

 次。
 Sophie Tatum 記者による2018-5-10記事「John McCain calls on Senate to reject CIA nominee Gina Haspel」。
       「拷問は反道徳的である」と認めないハスペルはCIA長官にはすべきでない、と、地元アリゾナで療養中のマケイン上院議員(共和党)。今も肩書きは軍事委員長なのだが、この件で登院して採決に加わることはないだろう。

 ハスペルはCIAが拷問を復活させることはないと誓いつつ、過去の拷問(水責め、その他)については非を認めようとしない。
 ハスペルのたくみな弁明。「〔9.11後の〕国家の非常時に、剣呑な決定を下さねばならなかった善良な国家公務員たちを、後知恵で批難するつもりはない」。
 ※したがって拷問好きなトランプには支持されるわけである。トランプのやることには、マケインは反対する。

 ベトナム戦争中、捕虜になって拷問を受けたマケインは、拷問にはずっと反対である。

「電子酒」というプログレッシヴ演歌が聞こえる

  Lester Munson 記者による2018-5-9記事「The CIA Needs Gina Haspel」。
        ジーナ・ハスペルは高校時代、ウェストポイント士官学校に進学したいと両親に話した。が、当時、同校は女子を受け入れていなかった。

 代りにケンタッキー大学に進学した。かたわら、フォート・デヴェンスの陸軍第10特殊部隊群の中にある図書館と外国語教室の運営に参加した。そこで彼女は5ヵ国語に詳しくなった。

 それがCIA入りを容易にした。30年以上勤続し、副長官にまで昇進。
 上司のポンペオが国務長官へ横滑りするので、いよいよ今回、CIA長官にノミネートされた。

 CIAキャリアの初期、2件の大使館爆破テロの糾明に中間管理職として手柄があり、GHWブッシュ大統領から表彰されている。

 2001-9-11テロからおよそ三年間というものは、ほぼ無休で勤務している。

 上院で野党民主党が衝こうとしている瑕疵は、9-11後からイラク戦争後におよぶ、CIAによるイスラム教徒捕虜の拷問に、彼女が関与したという疑い。
 民主党政権時代の2007年にはこの問題で公聴会に呼び出してもいる。

 次。
 CAITLIN DOORNBOS 記者による2018-5-9記事「USS George Washington may return to Japan with ability to host first carrier-based combat drones」。
     2015に『ロナルドレーガン』と交代するまで横須賀に配備されていた空母『ジョージワシントン』は、昨年秋からヴァジニアで四年がかりのオーバール工事を受けているところだが、それがおわった暁には、初の「無人攻撃機運用空母」として横須賀に戻ってくる可能性が出てきた。

 これは上院軍事委員会が予算法案につけた注文の一部が公開されて明らかになった。「MQ-25A スティングレイ」を『GW』に積み、初の前方展開無人機空母にせよ、という。

 そのために海軍は、もっかの『GW』の燃料捧交換工事の期間を利用して、MQ-25を運用できるような諸改造も施しなさい、と。

 『GW』が横須賀に来れば、とうぜん『ロナルドレーガン』は米本土に戻って、ドック入りする。

 しかし米海軍の見通しでは、MQ-25Aが艦上空中給油機として実戦配備できるようになるのは、早くて2026年。

 ※回避機動の得意でない空中給油機をステルス形状にするのは、艦上攻撃機をステルス形状にするよりも何倍も合理的。

アルカイダではなくアルカイジだった

 ストラテジーペイジの2018-5-8記事。
   モサドがイランから核計画書類半トンを持ち帰ったのが1月だった。
 これが明らかになってイラン政府はショックを受けた。まず、防諜がザルであったことに。

 またこの窃取作戦でイラン人の誰も死傷していないことは、要するにイラン人たちがカネで大量の書類を売り渡したことを示唆する。すなわちテヘランの宗教独裁政権に国民は愛想を尽かしているのだ。

 イスラエル政府は書類について4月末に公表した。そして直後のイラン世論調査の結果は、イラン国民はそんなことについては何の関心もないことを示した。

 イスラエル政府の意図は、トランプをして5月12日に、対イランの2015条約から脱退させることにある。

 盗み出された文書は、過去にイランに核開発計画が存在したことを示す。そこから推測されること。今もさまざまな科学研究事業としてその目的は継続されているのではないか。

 イラン政府は公式には核開発計画の存在を認めたことはない。
 しかしイラン国民は、地域大国としてじぶんたちが核ぐらい持つのはあたりまえだろうと思っている。なにをいまさら、という態度なのだ。

 イラン国民は、2015条約で制裁がなくなったはずなのにいまだにイラン経済が好転しないことについて不満である。その不満は独裁政権への抗議運動にあらわれている。

 イラン政府は、イスラエルを滅ぼしたくてたまらない。しかしイラン国民は、イスラエルが〈反テヘラン政府の同盟者〉であると感じている。

 それどころではない。米英軍は2003に3週間でサダム体制を終焉させてみせた。おなじことをテヘラン政権に対しても米軍がやってくれないかと、イラン国民は期待さえしているのだ。
 ちなみに1980にイランは同じサダムを打倒しようとして失敗。10年近くも泥沼戦争に苦しんだ。

 イランの弱点は、カーグ島の石油・ガス積み出し港。エネルギー輸出の9割がここからなされている。

 この石油とガスの輸出により、イランの国家予算の三分の一がまかなわれている。

 積み出し港施設がイスラエル軍機の爆撃で破壊されると、その修復は短時日ではできない。

 イラン第二の弱点は、南部のバンダルアッバス港。
 ここはコンテナ荷役港としてイラン最大なのである。輸入品の9割はここを経由する。
 たとえばカーグ島が破壊されたとした場合、修理部品が、このバンダルアッバスから輸入される。だからバンダルアッバスも同時に空爆されてしまうと、イランは経済的にダルマになる。

 湾岸アラブ諸国はすべてスンニ政府である。イスラエル空軍機がシーア本山のイランを空爆するのに、彼らの領空をよろこんで提供するであろう。

 シリアのアサドはイランの同盟者だが、反政府ゲリラとの内戦で手一杯で、対イスラエル戦争になど参加できない。アサド支援に送り込まれているイラン人傭兵隊も同様。

 レバノンのヒズボラは、対イスラエルの本格戦争には、まったく乗り気ではない。
 彼らもすでにシリア内戦介入で数千人が死傷している。疲弊しているのだ。
 イランがシーア派のヒズボラをシリアへ送り込んだのは2012年からで、彼らの戦闘手当、軍人恩給、医療保険、死亡見舞金などもイランが負担してきた。しかし代理戦争の鉄砲玉にされて熱心になれるものではない。
 2006にヒズボラとイスラエルは直接交戦している。そのときの悪い記憶もレバノンのシーア派住民の中には残っている。

 イスラエル空軍は今でも、イランからシリアに搬入されたSSMなどの貯蔵所をコンスタントに空爆し続けている。イランはその空爆を止められない。

 4-26にイスラエルの商用写真衛星の撮影画像がリリースされた。イランは2015条約で、Fordoの地下工場では核に関する製造をしないと約束したが、そこでウランの濃縮を再開しているとイスラエルは主張。

 4-21にガザ地区から「火炎凧」が揚げられ、イスラエル南部の倉庫1棟に放火。倉庫は焼失した。

 マレーシアでは、オートバイに乗った男〔たぶんモサド〕が、パレスチナ人の技師ファディ・アル・バトシュを殺害した。この技師はマレーシアの大学の教員だったが、じつはハマスのためにロケット弾搭載のUAVを設計してやっていたのである。

 4-14の対シリアの巡航ミサイル攻撃だが、イスラエル政府は、実行の12時間以上も前に、米政府から通告されていたという。
 というのは、イスラエル空軍機も独自にシリア内の目標を空爆しているので、そのイスラエル機が巻き添えになったりしないように調整する必要があったからだ。

 次。
 RAPHAEL SATTER 記者による2018-5-8記事「Russians posed as ISIS hackers, threatened US military wives」。
   アイホンに登録しているフェイスブックを通じて米軍人の家族がテロ脅迫された事例。
 2015-2-10に、ISを装ったロシアのサイバー機関が選択的に送信。
 これも米大統領選挙介入の一環だったと考えられる。

 「サイバーカリフェイト」を名乗るロシアハッカーは米軍人家族たちが使っているツイッターも乗っ取った。

 2015-4-9にはフランスのネット放送局「TV5 モンド」がダウンした。
 ルーターが機能しなくなり、局内通信ができなくなった。
 やはり「サイバーカリフェイト」を名乗る連中の仕業。

 「ATP28」というロシアのハッキングチームが容疑者だ。
 サンクトペテルスブルグに本拠のある「トロール」たちがフェイク・ルーモアを世界中に流している。たとえばISがルイジアナを襲撃する、だとか。米兵がコーランを銃撃している工作映像もここから流された。

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 Aram Roston 記者による2018-5-7記事「This American Is A General For A Foreign Army Accused Of War Crimes In Yemen」。
   米陸軍を中佐で退役したステフェン・トゥーマジャンは、いま、UAE軍の少将になっている。53歳。
 そして、対イエメン戦争でヘリコプター集団を指揮している。

 陸軍を退役したのは2007年で、それまで20年在籍していた。
 正式にはUAEの陸軍軍人ではない。しかし、階級と部隊指揮権は確かにUAE政府から与えられている。

 本人は、自分は傭われの民間人だと主張したいらしい。
 米陸軍の法務部門は、このような活動がゆるされるのかどうか、調査中。

 軍事会社についての著作のあるショーン・マクフェイトいわく。わたしは士官学校で教え込まれたものだ。指揮した部隊がしでかしたことの責任は、ぜんぶ指揮官であるお前にあるんだぞ、と。もし部下将兵が無辜住民を虐殺したら、お前の手が血塗られたのであると。これが全世界共通の、プロ軍人のエトスである。

 どうも米国内にはこのような元軍人の傭兵化を防ぐ法制はないようだ。だから今後、トゥマジャン「少将」のようなケースは、増えるに違いない。彼らは米国の国益に反する「戦争」にも必ず関与するであろう。さらには部下軍隊を使って、いかなる国際犯罪に手を染めるか、予測不可能である。

 UAEの本当の国民は100万人しかいない。のこり900万人は、諸外国から出稼ぎに来ている住民である。

 UAE軍による、退役米軍人のリクルートは、もう十年以上前から始まっていた。

 ブラックウォーターの設立者であるエリック・プリンスは、UAEのために、コロムビア人からなる傭兵部隊を設立してやった。プリンスはセイシェルでUAEの首長ファミリーと面談している。同じ場所でプリンスは、ロシア人銀行家とも会っている。その銀行家はトランプとクレムリンの繋ぎ役ではないかとFBIが疑っている人物である。

 元シールズで、退役海軍中将のロバート・ハーウォド。彼はマイケル・フリンがロシアスキャンダルで安全保障補佐官を馘になったとき、そのあとがまに来てくれとトランプから誘われたが、断った。ハーウォドは今、UAEの兵器調達契約を任されており、ロックマート社に莫大な商益をもたらしつつある。

 トゥマジャンの監督者は誰か。なんと、スタンリー・マクリスタルであるという。マクリスタルは「ノレッジ・インタナショナル」という会社の重役に就任している。外国政府のために戦略をアドバイスする会社である。

 同社重役には、元海兵隊大将のジェームズ・コンウェイや、元SOCOMのダグ・ブラウン大将まで名を連ねる。
 ※日本にいらねえ兵器(オスプレイ、AAV7……)を売り込んだのも、こういう連中なのか?

 しかしマクリスタルの副官は、マクリスタルはもうそこの重役ではないと話す。

 マティス国防長官も、じつは、トランプ政権の閣僚になる前、無料奉仕で、UAEのアドバイザーを務めていた。

 UAE政府が米国内で自国についていろいろ宣伝工作するために雇っている広告会社は、「ハーバー・グループ」である。

 英国シンクタンクのIISSによると、サウジやUAEが構成する合同空軍は、アパッチ、チヌーク、ブラックホークなどの米国製ヘリをイエメン戦線に投入中。

 豪州軍を退役した元大将のマイク・ヒンドマーシュは、UAEの王族警固と特殊作戦をつかさどる近衛部隊を指揮している。

 古い話だが1993に、米陸軍を大佐で辞めたアレクサンダー・アインセルンが、エストニア軍総司令官に任命されたことがある。ペンタゴンは、軍人恩給を停止するぞと脅し、国務省は、米国市民権を喪失するぞと脅したものの、アインセルンは就任した。

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  Akhilesh Pillalamarri 記者による2018-5-8記事「There’s No Need to Attack A Declining Iran」。
         2014年にイランは150億ドルの軍事費を計上した。サウジとはくらべものにならず、UAEと比較しても三分の一の金額である。

 現在サウジはGDPの12%にあたる6464億ドルを軍事費に充てている。

呼び水はいいが叫び水は困る

 Kris Osborn 記者の記事「Army Sends New Helicopter-Attacking Stryker to Europe - Counter Russia - 2020」。
  2018-5-7にDoD発表。第10海兵師団の第1砲兵大隊は、2017-6~10のシリアにて、3万5000発の155mm砲弾を射耗せり。これは、1個砲兵大隊が射ちまくった砲弾量としては、陸軍砲兵隊も含め、ベトナム戦争以降における、レコードである。

 1個砲兵大隊は18門だが、これが全門火を吹くようなことはなかった。最大でも6門だった。※おそらく3単位制で、18門で大隊、6門で中隊、2門で小隊か。

 海兵隊砲兵隊はシリアでは常に6門単位で、前線戦闘、整備、休養のローテーションをさせていた。海兵隊砲兵の牽引式の155mm榴弾砲は「M777」である。

 ラッカの五ヶ月、米海兵隊砲兵は、SDFクルド部隊を支援砲撃した。1門の十五榴が、平均して39発、1日に発射した。

 平均すればそうなるのだが、ある日には100発以上射っているし、ある日には数発なのである。そして陣地転換のための移動にほとんどの時間を使っている。クルド部隊が機動すれば、砲兵もそれについていかねばならない。
 かれらは2017年前半にシリアへ派遣された。

 GPS誘導のM1156砲弾を目一杯長い射程で発射することが多かったものだから、M777のふつうは2500発ある砲身命数が1000発前後で早々と尽きてしまい、2門の大砲は焼蝕磨耗した砲身の交換のために後送された。

 ※一定距離以内に対する砲撃ならば、無誘導砲弾でも精密打撃は可能なのだが、一定距離以上になると、弾着が散らばるようになり、無誘導砲弾では、いくら修正してもなかなか真ん中に当たってくれなくなる。そこでGPS誘導砲弾が頼られる。

 GPS砲弾は、砲兵隊の編制に見直しを迫りつつある。アフガニスタンでは、たった2門を分遣して砲兵大隊としての仕事をさせても、GPS砲弾が使える限りは、支援火力としてはもうそれで十分であった。

 ※GPS/INS誘導砲弾本位となるのなら、もはや野砲にも「ライフリング」の必要は無くなるかもしれない。さすれば初速と射程は増すし、砲身命数も劇的に延ばせるわけ。サボ弾だって使えるでしょ。余談ですが『戦火の勇気』の吹き替えで「SABOT」は「装弾筒」じゃなくて「徹甲弾」と親切に訳してくれなくては、視ている方が「ポカーン」だぜ。

 ラッカではGPS砲弾の要らない砲撃もあった。敵を一定時間、その場に釘付けにするためのエリア砲撃だ。

 軽量の十五榴はヘリコプターで遠くまでスリング吊下して機動させられる。そこで、遠隔のクルド部隊を機動的に支援してやるため、2門だけ分遣する、というオプションが簡単になる。

 ラッカでは航空支援が量的に十五榴の半分以下の精密攻撃しかしてくれなかった。だから海兵隊砲兵が支援の主役だった。

 2003のイラク侵攻では、海兵隊砲兵は総弾薬消費数3万4000発(1門あたり平均261発)だった。十五榴のみで。

 その前の湾岸戦争では、陸軍と海兵隊の十五榴は730門が投入され、それがトータルで5万発を発射している。1門あたり69発だ。

 湾岸戦争でも、2003年でも、1個砲兵大隊18門が、数千発以上発射してはいない。陸軍も。だから2017の海兵隊の砲兵大隊が、新記録を樹立した。

 シリアで得られた貴重な実戦データから、メーカーのBAE〔本社は英国だが米国内に支社を置く〕は、新砲身の砲腔内は全面クロームメッキすることになった。

 単価は高くなるが、砲身寿命が5割増しになる。2019年か、はやまれば今年中に、部隊に補給される。

 米陸軍と海兵隊がM777A1を受領開始したのは2007年だった。
 その大砲の単価は190万ドル。いまのところ1000門ぐらいある。うち、海兵隊が400門弱だ。

 リファービッシュ費用は1門あたり9万1000ドル。

 海兵隊は自走砲を持っていない。すべて牽引砲である。
 5トントラックで牽引する。新型で4.5トンの軽量牽引車LWPMでも牽引できる。

 M777はたったの4トンしかない。世界最軽量。※FH70は9.6トン。
 砲側員は5名。通常の砲弾は24km飛ぶ。RAPを使えば40kmまで飛ぶ。

 クルド部隊の中に米軍人の観測誘導チームがFOとして紛れ込んでおり、彼らが砲撃を要請する。彼らの双眼鏡にはレーザー測遠機とGPS座標表示機が組み込まれている。

 市街地のビルの中に1~2名の敵ゲリラがいるとする。40km後方からGPS誘導砲弾を2発、そのビルの座標に対して発射させると、誤差10mで2発の155ミリ榴弾が当たり、そのビルの問題は片付いてしまう。
 こうしてラッカ市は奪還された。

陸軍将兵もフルフェイスヘルメットをかぶる時代が近づいた。

 WYATT OLSON 記者による2018-5-2記事「Gunners using shoulder-borne heavy weapons at risk for brain damage」。
     2000年以降、IEDにヤラれた兵隊の脳後遺症についてはたくさんの研究があるが、肩射ち重火器も脳障害の原因になるとは、従来思われていなかった。
 シンクタンクのニューアメリカンセキュリティーが四月に公表した警告。カールグスタフ射手は頻繁に発射時の爆圧に頭部がさらされるために記憶障害などの脳障害に罹る惧れがある、と。

 同じく肩射ち式の対戦車火器であるAT4や、LAW(M72)も、同様の発射ガス圧が、すぐ横の頭部にかかる。そして研究チームは、キャリバー.50にも注目している。

 ※映画やテレビじゃ伝わらないが、12.7ミリ機関銃の音圧は小火器と比べて途方もない。またおそらく戦中の海軍の25ミリ機銃は、聴力障害者を大量製造したはずだ。しかしこんなことを言い始めたら、火砲・重火器関連ぜんぶヤバいのだが……。

 豚の実験では、カールグスタフのような重火器を3発、近くで発射しただけでも脳内に出血痕が複数観察されたという。榴弾砲でも。

 1日20発以上の暴露はまずいのではないかとCNAS。
 そして、いちどの音圧暴露から96時間はインターバルをとったほうがよいのではないか、とも。

 報告書は勧告する。Dodは、年間および生涯の暴露爆圧のリミットを設けよ。 ※それだったらPA装置の前で演奏しているロックツアーバンドはどうなるのよ?

 脳の爆圧による障害を劇的に減少させるのには、フルフェイスヘルメットがいちばんいい。
 ※アライが陸自用のヘルメットを供給する日は来るのか???

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 Zachariah Hughes 記者による2018-5-4記事「Why are so many fighter pilots leaving the Air Force?」。
    2016年度、米空軍は1211人ものパイロット不足(未充足)状態であった。
 特にジェット戦闘攻撃機の乗員不足が深刻に捉えられている。
 GAO(会計監査院)も認める。戦闘機パイロット定数の27%が未充足だと。

 たとえばF-22パイロットの育成には、ひとりにつき1100万ドルの経費が投じられる。ということは、いまの欠員を金銭に換算すれば、120億ドルの軍事資産が、米空軍には足りていないわけ。
 しかしこの不足は、離職パイロットたちを対象とした再志願報奨金などのカネのインセンティヴでは、解消か不能である。なぜか?

 空軍では訓練に関連した会議がとても多い。また、将校であるから部内行政事務のデスクワークもどっさりある。C-130パイロットだとだいたい週に1回は飛べるが、残りは事務職と同じだ。そして民間航空会社と違い、空軍は将校に、生涯現役パイロットであることを「特約」などしてくれない。だから「中堅」キャリアに来たところでいちばん腕前の冴えている壮年パイロットが空軍を離職してしまう。もっと多く飛び、もっと長く飛び続けるために。
 また空軍将校には転勤が多い。それにともなう家族のストレスがありすぎる。

「お勉強バカ」と「猿真似キング」が三菱重工を売り家にしてしまう。

 2ヵ月前、松浦晋也氏が四戸哲氏にインタビューして「MRJ」が躓いている事情を解明してくれた。近年、これほど霧が晴れるような思いをさせられたネット記事は少ない。腑に落ちる話だった。

 戦前戦中の陸軍技術本部の四研が全く同じノリだ。対米戦の旗色がとっくに悪くなっているのに、ドイツの最新戦車の情報収集ばかり熱心に続けていた。それをコピーする意欲満々であった。彼ら自身の「お勉強」だけがあって、「国家の運命など知ったことか」という特殊空間が、確かに存在したのである。

 そもそも日本の立場で戦車などに資源を配分するのが合理的なのかの「定期リヴュー」がまるでなかった。参本がメタ・レヴェルからそれをする責務があったのに、判断できる人材は参本エリート中にはいなかった。エリート参謀は歩兵の運用しか知らないから、技術の分野は砲工系に丸投げしていた。砲工系内では「猿真似キング」が出世する。そんな砲工系エリートが戦争指導には決して与れなかったのには一理があったわけ。

 三菱がやっていることは、当時とほとんど同じじゃないのか。

 月刊『正論』6月号に小笠原理恵氏が「AAV7」への疑義を呈する善い論説が出た。英軍はAAV7無しでフォークランドを奪還している。防衛省内の参謀本部の見識が疑われているのだ。
 ……ところでこの優れた問題提起文がなんで308ページからなんだ? こんな及び腰の台割をしているから、産経はいつまでも二流なんだ。

 次。
 LUKE O’BRIEN 記者による2018-5-1 記事「How to Read the Army’s Budget Request for More Precision Ordnance」。
       記者は元砲兵将校。2003年イラク侵攻当時は砲兵のデジタルシステムは幼稚なものだった。
 2008には自走砲を装甲トラックに換えられてしまい、砲兵部隊は1年間、歩兵の仕事をさせられた。
 監視塔での勤務や、コンヴォイ護衛任務も多く回ってきた。

 それが対ISの時代になって、とつぜん、砲兵隊の弾薬消費量が著増している。
 そして2019年度の陸軍の予算要求では、なんと過去のどの年にくらべても、8倍も多く、弾薬費が要求されている。

 これはトランプ政権が半島戦争を真剣に考えている証左かもしれない。

 十五榴の誘導砲弾化。最初がカッパーヘッド。レーザー誘導式。
 次がエクスカリバー。GPS式。2007大成。

 無誘導の155mm砲弾は800ドル。しかしエクスカリバーは68000ドル。高すぎる。

 救世主が、M1156精密誘導キットだ。信管の代りに砲弾頭部に取り付けるだけ。この誘導羽付き新信管は単価8000ドル。

 無誘導砲弾を使う場合、米軍十五榴の「有効射程」は19マイル=3万5188mだ。これ以下ならば、砲弾は照準点から300ヤード以内に落ちてくれる。
 ※米国製155ミリ砲弾が距離274.3m以遠で爆発すればその破片によっては誰も死なぬということ。じっさいには70m以内の爆発でなければ敵兵は行動を停めない筈。

 しかし誘導羽付き新信管を装着すると、着弾誤差は射距離に無関係に30ヤード以内になる。だから野砲の最大射程が、イコール、有効射程となる。

 ちなみにエクスカリバーの精度はもっと高い。25マイル=46.3km先の目標に向けて発射しても、誤差10ヤードで落下する。

 よって米陸軍はFY2019要求でも、2000発のエクスカリバーを要求している。

 米陸軍のFY2019要求は、米軍が2種類の戦争に同時に備える決意を示している。ひとつはモスル市やラッカ市でIS相手に展開した対ゲリラの市街戦。もうひとつは、バルト海沿岸で露軍と交戦したり、半島で中共軍と交戦する本格戦争。

今日の恵山の登山道(6~8合目)に先割れ蹄(偶蹄)の足跡があったんだが、ありゃ何だ?

 JOHN WAGNER 記者による2018-4-30記事「In new book, McCain says Trump is more interested in appearing tough than in the nation's values」。
   脳腫瘍(グリオブラストマ)をわずらっている81歳のマケインは次の上院選挙には出ない。だから自由に語れる。彼は36年も連邦議員である。その間、6人の大統領とわたりあってきた。

 トランプは、昔テレビのリアリティ・ショーで築いたタフな奴という自己イメージに忠実に大統領も演技することを他のいかなることよりも大事だと考えている。

 こうした見解が、5-22刊行予定の『休みのない波』で披瀝されている。なおマケインにはマーク・スレイターという長年の専属ライターが居り、この本も実質、スレイターが書いた。

 マケインと同じ病気で死んだ政治家には、エドワード・M・ケネディ上院議員や、バイデン元副大統領の息子のボー・バイデンもいる。
 マケインは、化学療法と放射線治療も受けている。

 マケインの娘のメーガンは、著述家のベン・ドメネクと結婚している。

 開かれた社会で可能な政治は「妥協」。これしかない、というのがマケイン老人の結論である。自分は妥協政治のチャンピオンだったと総括。

 おせっかいな助言をさせてもらおう。有権者よ。もし連邦議員に立候補している人物が、じぶんは一切妥協はせずに政府の無駄飯喰いどもを成敗し、みなさんのすばらしい考えを実現しますなどと公約していたなら、そいつには投票しないことだ。妥協を知らない政治家は、全局面で議論を行き詰まらせることしかできやしないのだから。

 将来の指導的な政治家に向いているのは、議場の反対側の席に座っている連中とも関係を維持することが可能で、名案を実現に近づけるために他者と共闘関係を構築する能力があり、他の人々の視点に立つ見識があり、国益を漸進させられるならば小異は切り捨てることができる、そんな穏当な人物なのだ。

「読書余論」 2018年5月25日配信号 の 内容予告

▼山口志郎『武人万葉集』1999
 海軍兵学校は生徒に日本文学の何を教えていたのかを窺える。著者は海兵75期。

 塚原卜伝。
 武士の身に添えてさす刀には椿の油みねにぬるべし。

▼『ベルツの日記』第一部・上巻 つゞき
 井上外務卿の古い刀傷。ひとつは背中。ひとつは後頭部。ひとつは顔面。よくも生きておれたものだと驚嘆するほどの。

 M22-2-11。憲法発布の参席者のなかただひとり、島津公だけが、古い髷のまま。
  ※今回はここまで。以下次号。

             ◆  ◆  ◆
 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。

 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。

 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。

 「読書余論」は、毎月25日に「武道通信」から最新号が配信されます。1号分の購読料は500円です。
 バックナンバーも1号分が500円で、1号分のみでも講読ができます。
 過去のコンテンツは、配信元の「武道通信」のウェブサイト
http://www.budotusin.net/yoron.html
 で、タイトルが確認できます。

 「読書余論」は、2018年6月25日配信号より以降の号は、無料公開版となります。
 現在の武道通信HPの「告知版」が「今月の読書余論」と変わります。毎月の号はそこに掲示され、翌月号が掲示されるときに、前月号は削除されます。
 閲読にさいしての登録は必要ありません。

 これから5月25日配信号までの購読料を振り込まれる方は、振り込み過ぎにご注意ください。詳細は「武道通信」で。

 ウェブサイトでわからない詳細なお問い合わせは、(有)杉山穎男事務所
sugiyama@budotusin.net
 へどうぞ。

 来月からはこの内容予告はなくなります。長いあいだ、ありがとうございました。