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数名まで絞られた「二十六年式拳銃の設計者」探し。

 ホビージャパン社からA4版フルカラー146頁の『日本軍の拳銃』が出た。素晴らしい内容だ。
 写真は、実物を手にとる必要がないくらいにクリアで多角的。すなわち良心的で行き届き、圧倒的とすら言える。
 解説文も、現時点で及ぶ限りの典拠を探偵したうえでの断案となっており、シビレます。この分野での史料を博捜し解明を試みる作業の面白さにハマったことのあるわたしは、戦後70年間積み重ねられた知見が整理された各所の議論を読んで行くだけで陶酔を覚えた。そして国会図書館が所蔵する大部で稀少な『造兵彙報』『工藝記事』等の紙の匂いがまた蘇った。

 一読者としての白眉は、明治26年に制式制定された、国産初の陸軍用拳銃の、設計者の名前を絞り込んだ部分だ。
 嗚呼、いったい今まで、幾人がこの謎にチャレンジしてきたことか。
 いやしくも日本軍の兵器をカタログ的に解説しようとすれば、いきなりこの「空白」にブチ当たって悩まされたものであった。(あと、軽擲弾筒/重擲弾筒もね。)

 杉浦久也氏は、この拳銃を設計できる立場にあった将校たちを列挙してくれた。
 このうち、少将以上に出世した人は芙蓉書房の『陸海軍将官人事総覧』に載っている。私が注目するのは、《杉浦リスト》にはあってこの『陸海軍将官人事総覧』には載ってない人たちだ。それは、何らかの事情で少将になれずに軍のキャリアを終えていることを意味する。「功成り名を遂げる」ことができなかった人生を想像させる。
 たとえば最終的に少将や中将に出世して戦死もしなかった人が、「ワシが昔、陸軍の拳銃を設計した」と家族に一度も洩らさないでいられただろうか? だからわたしはそれらの「将官」たちは除外しても可いのではないかと思う。

 これが、大佐にもなる前に病気や事故で死亡した人、あるいはなにか事情が生じて退役後に世間から隠れ続けた人だったりしたならば、大尉~中佐時代の自慢話を家族にするチャンスがなかったとしても不思議はないのである。
 水谷悦造大尉と伴正男大尉。どちらも、少将になってないようである。
 天野富太郎少佐と、本庄道三少佐、渡辺忠三郎中佐も、少将にはなっていないとおぼしい。

 こうした、将官にはならなかった将校たちの事績追跡は、戦前の話であり、雲を掴むに似て難しいが、兄弟や親子で士官学校に進むケースもしばしばあるから、名字で調べて見る価値はある。
 すると、たまたまかもしれないが、似たような名の人物も見出される。
 伴健雄という福岡出身の砲兵中将がいる。S11に大佐になっている。まさか、親戚だろうか?
 天野邦太郎という兵庫出身の歩兵中将がいる。大佐になったのは大正5年。無関係だろうか?
 本庄庸三という、佐賀出身の砲兵少将もいる。大佐になったのは大正12年。昭和4年には工科校長。まさか、親類だろうか?
 もしや、その人たちが、年長の血縁者または係累から、「26年式拳銃を設計したのはワシなんじゃ」という話を聞いた覚えがあるかもしれない。

 ところで「ゴピー」式拳銃とは何だろう?
 むかし目黒にあった防研の図書館で『明治20年~30年 陸軍兵器本廠歴史前記』といった古い毛筆書きの史料(たぶん陸軍省納本用の副本。つまり手書きによる複製)を読んでいるときに、これはオーストリー軍が騎兵用に採用していた「ガセール」拳銃のことだと見当がついた。というのは同類毛筆文書(年とともにペン化し、さらに活字化する)の別なところではこの「ゴピー」が「ゴゼー」「ガゼー」等と読める箇所もあるのだ。
 最初の下書き(またはオリジナル記録)が、相当に悪筆だったのだろう。しかしそこにはアルファベット表記が添えてあるので間違いは起こるまいと下書き人(将校または技師)は考えていた。ところが転写筆記人はアルファベットが読めない明治の下士官たちだった。どう書くのが正確であるのかじぶんではなんとも決断ができず、どちらにも読めるような誤魔化した筆致にしているうちに、翌年以降の転写人としてはもはやオリジナルを確かめようもなくなり、最終的に「ゴピー」で定着してしまったのかとわたしは察した。

 今、英文ネットをチョイ読みすると、レオポルド・GASSER氏はウィーンに工場を有していて、オーストリア=ハンガリー帝国のために騎兵用拳銃や郵便職員用拳銃や民用護身拳銃等を製造した。騎兵用の「Gasser M1870」はたぶんシングルアクションの6連リボルバーで、口径11.3ミリ。これをダブルアクションにした「M1898」というのもあった由。1898年は明治31年だから試作品か設計図でも取り寄せぬ限り「26年式」の参考とはなし得ぬ。だがわたしは勝手に、日本はオーストリーからは未完成技術をいろいろ見せてもらえる関係にあったと(たとえば三十年式/三八式歩兵銃の弾倉やボルト)想像している(これについてここでは何の断言もするつもりはない。ただ付言して、後考を待つのみ)。

 GASSER 拳銃には「M1874」(=明治7年だ)という9ミリのタイプもあった由。中折れ自動排莢式で、「Galand ダブルアクション」を採用したものだという。これと「26年式」は、相当に近いのではあるまいか?
 1870型をリファインした9ミリの「Gasser-Kropatschek M1876」というのもあったそうだ。9mm化したのがアルフレッド・クロパチェック氏であるらしい。

 さて『陸軍兵器本廠歴史』という公文書の思い出に戻る。これは砲兵工廠の年次事業報告書のようなもので、毎年、作成され、加上されていた。おそらく正本には欧文固有名詞に添えて「ガセー」と草書体で書き流してあったのだが、手書き清書を命じられた下士官にアルファベットの知識がなく、原本(または下書き)の乱暴な字を「ゴピー」と判読するしかなかったのだろう。そして、それがそのまま副本用の複写でも通用してしまった。ガセー拳銃はわが国では不採用となったから、それで何の不都合も、特に生じなかったものと思量す。
 そればかりか、何かガセールとはまるで無関係な別の(発音もしくはカタカナ表記がしにくい)舶来拳銃の代名詞として、「ゴピー」が通用してしまったこともあり得るだろう。
 ともあれアジ歴がそうした稀少な明治期の肉筆史料を早く優先的にデジタル化して、日本じゅうの博雅の士による闡明に供して欲しいものだと念願して已まない。さすれば、このようなあやふやな回想はもう二度とする必要もなくなる。

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 Lara Seligman 記者による2018-8-29記事「Washington Warns of Sanctioning India Over Russian Missile System」。
    インドはロシアから2020年に「S-400」(高性能地対空ミサイル)を輸入するかどうか熟考中。
 もし輸入と決めれば、米国は、容赦なく、インドを経済制裁するつもりである。というのはロシアからの輸入は、国連の対露制裁決議違反だからだ。

 インドは、米国の対イラン制裁に同調する気も乏しい。※これは宿敵のパキスタンを挟み撃ちする必要から。イランはインドにとっては同盟者なのだ。

 ※ロシアやイラン絡みでインドが米国から経済制裁をくらった場合、インドに投資している日本のメーカーはどうなるのか。心配だね。

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 James Rogers 記者による記事「Marines 3D-print concrete barracks in just 40 hours」。
     3Dプリンター建機による建設。海兵隊の工兵セクションはこのたび、3Dプリンターによるものとしては最大サイズのコンクリート製兵舎を、わずか数十時間にして竣工。

 昨年オランダのアイントホーフェン大学は、強化コンクリートによる橋梁を、世界で始めて、3Dプリンターで施工してみせた。プリストレスト・コンクリートである。

 3Dプリンターでコンクリートを打設すると、大幅なセメント節約になるという。必要量だけそのつど混ぜればいいから、事前に余分に捏ねて無駄にすることがない。
 セメント製造には高熱を必要とし、工場からCO2 をやたらに出す。すなわち3Dプリンター工法は、セメントを節約することにより、二酸化炭素排出も減らす。

 中共も負けてはいない。すでに2015年に、彼らは5階建てのアパートを、3Dプリンターで打設したという。

 ※どなたか川崎の見本市でセキュリティ装備品のカタログを集めてくれませんかなぁ……?

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 ストラテジーペイジの2018-8-30記事。
   7月のロシアのきちがいデモ。3人の乗員をのせたまんまの空挺戦車「BTR-MDM」を、輸送機から空中投下してみせた。大勢の見物人の前で。

 着地後、乗員たちはまず車両からパラシュートを切り離す作業をしなければならない。そののちに戦闘加入。

 だが従来はAFVと乗員を別々に降下させた。着地点が離れすぎていて、乗員がAFVに辿り着けないことがよくあった。それにくらべたら大進歩。
 この問題をなくするために、露軍は2006年から開発を進めてきたのだ。

飛べ! フェイクフェニックス

 Daniel Cebul 記者による記事「Pentagon preparing to test MQ-9 Reaper for missile defense missions」。
       米ミサイル防衛庁は、2023年までにリーパー級の無人機にレーザー砲を搭載して敵ミサイルを破壊できるようにするつもりで、2019予算から5億6350万ドルを支出する計画だ。

 8-21に同庁はメーカーのジェネラル・アトミクス・電磁システムズ部と1億3400万ドルの契約を交わした。M-9の機体を改造し、火器のインテグレーションを取り、専用センサーの空中試験を実施する。

 リーパーには最近、レイセオン製のマルチスペクトラム・ターゲティング・システムが搭載されている。高感度赤外線センサーとレーザー照準装置が一体化したもの。

 2016-6に、米日韓の合同訓練で、2機のリーパーが弾道弾を追尾してみせた。

 だがミサイル防衛庁は「追尾」だけでは満足しておらず、レーザー砲で弾道弾を撃破するところまでもって行きたい。その防衛システムは、多国間で構成する。※あきらかに日本や韓国にも分業させるという示唆。

 ジェネアト社は2020-9までに実験成果をまとめる。※したがって日本にレーザー武装リーパーを買わせる話は2021以降、2023実現を目処に出てくる筈。

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 ロイターのスタッフによる2018-8-29記事「China denies planning military base in Afghanistan」。
    香港の『サウスチャイナモーニングポスト』紙が、中共がアフガン内に基地をつくり、そこでアフガン政府軍を訓練してやるという契約を結ぼうとしている――と報じたのを、中共政府は否定した。

 SCMP紙のニュースソースは匿名の中共軍幹部。
 アフガンにすでに中共軍将兵が送り込まれているのではないかという話には外交部のスポークスマン(♀)は答えず。

 じつはこの事業は今年の1月から露見しており、シナ政府が公式に否定し続けているあいだにアフガンで実態が進んでいると疑われる。

 アフガニスタン内では中共軍の軍用車両が走り回っているのが目撃されている。

 中共の懸念することは、新疆のイスラム住民がアフガニスタンゲリラから唆されたり支援されること。だからカブールのアフガン政府を梃子入れすることで、ゲリラを圧殺してやりたい。

 現在中共軍はジブチに海外基地をもっているが、次はパキスタン内につくるのだろうと米国は観測しているところ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-29記事。
   中共がようやく、解像力10cmの写真偵察衛星を軌道投入した。米軍のKH-11を模倣したもの。

 ただし本家のKH-11は改善が進んでおり、最新のものは解像力が2cmである。1機は40億ドルもする。

 中共の写真偵察衛星のミラー(反射望遠鏡式なのでレンズともいえる)は径1.7m。
 これに対し米軍の最近のKH-11は、ミラー径が2.4mある。これはハッブル望遠鏡衛星のと同寸。

 グーグルアースのシステムは、もともとNGA(国家・ジオスパシアルインテリジェンス・エージェンシー)のために開発された。
 ところがNGAは官僚主義で、陸上部隊司令部のために即刻に現地の衛星写真をよこせといってもちっともよこさない。議会で叩かれると、改善しますと言って予算だけはがっぽりと取り続け、ちっとも改善されない。この不満は1991の湾岸戦争のときから蓄積される一方だった。
 ところがグーグルアースのサービスが2005に民間向けに開放され出すと、米軍の地域司令部の不満は一挙に解消されてしまった。

 問題は、グーグルアースは敵ゲリラも利用できること。そこで米軍は、複数ある民間衛星写真サービス会社に、特定地域の写真を特注するようになった。これで前線部隊にわかったことは、軍専用の偵察衛星もNGAも、じぶんたちには、不要だったのである。
 民間会社から買った写真は、めんどうな秘密保持の対象にならないので、気軽に即座に前線の部隊長へ一斉電送してやれる。NGAの写真だと、写真の解像力そのものが極秘事項だったりするので、このような手軽なやりとりはまず不可能なのだ。

金土土日日祭祭♪

 Lara Seligman 記者による2018-8-27記事「The Incredible Shrinking Defense Secretary」。
  宇宙軍の創設。レガシー・プロジェクトを始めたいのだという大統領のわがままに、マティスが押し切られた。
 ※もういちどマティス氏に忠告したい。ICBMを空軍から切り離して、宇宙軍に包摂させると言え! それですべてがうまく回転する。

 政権初期、マティスはアフガンからの撤収トレンドを反転させた。
 また、トランプが北鮮を攻撃したがっていたのを、やめさせている。

 マティスは気候変動に関するパリ協定からの離脱に反対だった。また米国大使館のエルサレム移転にも反対だった。しかし大統領を止められなかった。

 マクマスターとティラーソンが追放され、政権内には、トランプに楯突く者は減った。※ちょっと待てよ。マクマスターを追放させたのは俺の直感ではマティスだよ。マクマスターはトランプの望みに応じて北鮮攻撃案をまとめたが、それが馬鹿馬鹿しく大袈裟なプランだったのだと思う。湾岸戦争を反省せず、抜け出せてもいなかったのがマクマスター。

 イラン核合意の破棄と、在韓米軍の演習中止は、マティスが2連打で喰らった敗北。

 トランプはシリアからも撤収を始めた。まず安定化基金を停止する。マティスはそれに反対している。IS崩壊後も米軍は残すべしという考え。

 2年目の大統領が側近の言うことを聞かなくなるのは普通のこと。しかしトランプのような露骨なやり方は稀。

 あるシンクタンクの人いわく。マティスは、トランプ大統領が狂ったことを発言するときにその場にいないことにかけては巧みすぎる。
 ※宇宙軍創設命令のときはアドリブで刺されたけどね。

 マティスが馘にならないのは、大統領への注目を横から奪わない心がけがあるからだ。トランプは、自分より目立とうとする奴には復讐する。

 マティスは4月からテレビ撮影込みの記者会見(ペンタゴン内)には出なくなった。代わりにマティスの広報担当補佐官のダナ・ホワイトが顔を出す。
 これはリポーターたちを泣かせている。ホワイトは口が堅く、余計なことを教えてくれない。
 ※この記事の直後にマティスが在韓米軍演習復活を発表。大逆襲だね。

 7月のブリュッセルのNATO会議では、トランプが場をかき乱したが、マティスは人々を落ち着かせた。

 マイケル・フロヌイ評す。マティスとポンペオがますます、同盟国との調整役になっているようだと。※パックマンがリアル化して地球を襲う映画に出てきた元オタクの大統領役がポンペオ氏にクリソツ過ぎて、もう無理だったんですけど、あれは狙ってできるタイミングか? だとしたら偉大。

 パネッタ評。ロシアやイランとの本格対決を控えている今、マティス君の最大の課題は、大統領のツイートをどうやって阻止するかだよ。
 ※朱熹がまとめた『宋名臣言行録』を読み返す価値がある。宰相は適切な人材を臣僚としていかに登用する(=人を官にする)のか。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-28記事。
  米国は対パキスタン追加制裁も絶好調で打ち出しちゅう。
 米軍の軍学校にはもうパキ将校は入れてやらないことになった。

 さっそくロシアが、じゃあウチで留学を受け入れるよ、と誘いかけ。

 ※英チャンネル4が2017年に制作した「ザ・ステイト」というミニ・シリーズ。英国テレビ業界周辺人の底力を見せつけてくれた。アラビア語がネイティヴでない役者にどうやってアラビア語を喋らせたんだ? ロケ地はスペインなのかそれともスペインの北アフリカの飛び地なのか? もちろんこの企画は国家プロジェクトなのだ。ISのリクルートビデオは全部嘘だとあらかじめ暴いてやる、カウンタープロパガンダの一環。日本の放送人にはとても望むことはできない。

全米ががっくりした ホームレス・アローン(Homeless Alone)

 CLEVE R. WOOTSON JR. & KRISTINE PHILLIPS 記者による2018-8-25記事「They raised $400,000 for a homeless vet - who said they spent it on vacations, casinos and a BMW」。
   ケイト・マクルーアはフィラデルフィア市内で高速95号線から一般道へおりるランプの途中でガス欠に陥ってしまった。
 そこに、ヤク中でホームレスの乞食、ジョニー・ボビットがいた。ボビットは元軍人である。
 ボビットは、車のドアをロックして待てと言い、物乞いで集めた手持ち金20ドルを使ってポリタンク入りのガソリンを買ってきてくれた。

 その後、マクルーアは乞食に礼をせねばならんと思い、捧状に固めたシリアルや冬用の靴下、小銭などをボビットにめぐむ。
 しかし、ネット上でまとまった資金を集めてボビット氏に人生をやりなおしてもらう支援ファンドを興したらもっと善いのではないかと考え付いた。ボビット氏ならそれを受ける資格はあるであろう。

 マクルーアの同棲人、マーク・ダミコ(自宅一軒所有)が義捐ファンドの立ち上げ事業を手伝った。

 彼らはせいぜい1万ドルも集まれば御の字だと考えていた。
 ところがWP紙などが美談としてこの話をとりあげたものだから、とんでもないことになった。ちょうどホリデイシーズン前で、「グッドモーニングアメリカ」が宣伝してくれたり、BBCも取材をして、すっかり全米規模で有名に。
 それから数ヶ月後には、ファンドには約1万4000人からの醵金40万ドルが蓄積されたのだ。

 昨年秋、マクルーアは言った。ボビットに家と、彼の夢のピックアップトラックであるという1999年型「フォードレンジャー」をプレゼントするつもりだと。
 ボビットの方は、彼がホームレスだったときにいろいろと助けてくれた個人や団体に対し、寄付をしたいと考えていた。

 ところがマクルーアとダミコがボビットに与えたのは、家ではなくて、1台のキャンピングカーであった。しかもその所有権はマクルーアとダミコにあって、駐車している場所も、ダミコの親類の所有する土地。

 さらに二人組は、テレビ、ラップトップPC、携帯、衣料、そしてSUVの中古車もボビットに与えたのであるが、このSUVはすぐに故障してしまった。

 現金はボビットの名義口座には入っていないため、ボビットはその40万ドルにアクセスできない。
 ボビットは当初弁護士には相談せず、フィナンシャルアドバイザーに相談した。

 ダミコいわく。現金はまだ20万ドルが残っているが、ボビットがマリワナ中毒から抜け出して正業に就くまでは渡せぬ。

 マクルーアはニュージャージー州運輸局のしがない受付嬢である。ダミコは大工である。しかるにとつぜん、彼女はBMWの新車を購入した。カップルは休暇をとってフロリダ、カリフォルニア、ラスヴェガスを旅し、ボビットはヘリの操縦を習ってグランドキャニオン上空を飛んだ。

 ダミコがヴェガスにおいて幾ら使ったのかは、ハッキリしていない。

 ボビットも麻薬と縁が切れていない。ドナーの義捐金の一部は、確実に麻薬の密売人の収益に化けた。
 ボビットはその後、弁護士を雇った。

 このネット寄付集めの枠組みを提供したのは「GoFundMe」という既存のサイトだが、同サイトにとって本件は、最大の醜聞になってしまった。

 ある内部告発専門サイトの管理人氏いわく。
 ネット上ではプロ詐欺師が、毎日、数十から数百のいんちき義捐金ファンドを立ち上げて、寄付を呼びかけています。たとえば癌治療のカネを集めたいと言う企画者に向かって「最近の診断書を見せろ」と求める人は、いないでしょう。

 それと、善意でファンドを立ち上げたのだが、本人たちに財産管理の能力がなくて、大金を無駄にしてしまうケースも、多々あります。

 ボビット氏のケースの場合、マクルーアにはヤク中患者を立ち直らせる方法について何の知識もなかったことが問題です。どれほどの資金を集めたとしても、ヤク中患者を一晩で立ち直らせることなどできないのです。

 分別のある人は、寄付をする前に、寄付金が正しく必要な人のために役立てられ、ふさわしくない人々の私腹は肥やさないことを、まず確かめねばなりません。それには、会計管理の実態をチェックすることが有効です。支出の細目までが遅滞なく公開されているかどうか。

 ボビットは現在、再びホームレスである。そしてひきつづき阿片中毒者である。ボビットはいまだに、集まった寄付金にはアクセスできていない。自分の名義の口座には振り込まれていないから。
 そしてマクルーアの車がガス欠になったあのランプで、当時と同じように、物乞いを続けている。

 次。
 2018-8-26記事「China's Navy Is Studying the Battle of Guadalcanal. Here's Why It Matters」。
   40年間も実戦をしていない大国の軍隊というのはめずらしい。中共軍のことだが。

 ガダルカナル方面作戦で日本は艦船38隻、航空機700をうしなった。じつは米側も同じくらいに損失しているのだが、米側はそれを補充してなお余りある国家の総力を有していた。日本にはなかった。

 中共海軍の公刊雑誌が2017-12月号で、ガ島戦をとりあげた。

 MIでの敗報が正確に伝えられておらず、アメリカの生産力を過小評価し、攻撃主義に囚われていた。
 航空偵察が不十分。

 雑誌は、ヘンダーソン飛行場を早期に米側が確保し、日本の空母はそれに対抗できず、遠すぎるラバウル基地から飛んだ日本の戦闘機はガ島上空に十分なエアカバーを提供できなかったことを重視。

 日本陸軍は夜襲に自信を持ちすぎていた。
 日本陸軍は固有の支援重火器が非力過ぎ、にもかかわらず、艦砲やCASには頼らない主義だった。

 準備火力が無さすぎたのである。

 陸軍の総攻撃は企図がバレバレで奇襲にならなかった。
 部隊を蝟集させすぎていて、米軍火力の餌食にした。
 第一回攻撃は、兵力が少なすぎたが、増援が来たときには、米軍陣地の防備火力も倍増していた。

 日本陸軍に対する補給は悪すぎた。と同時に、米軍の後方兵站を攻撃するという着眼も持たなかった。

 日本海軍は目視を重視したので、日本の戦艦の艦橋は異常に高いのである。 陸戦では米軍の戦車が大いに働いてくれた。

 ※この既視感は何かと思ったら、要するに『失敗の本質』等の日本の古~い文献の受け売りですよね? 連中が数十年前の認識レベルで新しがっているようだと知られたのは一収穫だ。

 次。
 Kelsey Atherton 記者による記事「Who will mass produce the first lethal drone?」。
 ウクライナ戦線では、低価格のドローンが、クォッドコプターから、固定翼型に、シフトしている。ロイタリングして突入自爆するタイプ。

 ことしの4月後半には1機のDJIのクォッドコプターが爆発物を投下している。よって、まだ廃れたわけではない。

 次。
 Liu Zhen 記者による2018-8-26記事「China ‘developing electromagnetic rocket with greater fire range’」。
   レールガン類似の電磁推力で投射して初速を与える地対地ロケット砲を、チベット国境用に、中共軍が開発している。

 射程は未公表だが、200km以上になるだろう。チベット領内からインド軍を叩く。
 中共軍の保有する、直径30cmの地対地ロケット弾は、150km飛ぶ。

 標高4000mからこのロケット弾を発射すると、空気密度は海面の半分なので、空気抵抗は少ない。よって射程は延びる。
 そのかわり、ロケットの尾翼で姿勢を安定させることは難しくなってしまう。したがって着弾は相当にバラけることに。

 そこで、電磁カタパルトによって初速を与えてやることにすれば、正確さと射程の両獲りができる。
 ※電磁カタパルトのメリットとして、加速度を微調整できるので躯体を破壊してしまわずにすむというものがあったんだが、米空母へ実装したものはそうはならず、射出時に機体各部を傷めるらしい。ロケット弾も、筒体を高額な炭素繊維製か、頑丈なスチール製に変えるぐらいの強化が必要なんじゃないか?

世を憤らんよりは、進みてこれを救済すべし。

 Kyle Mizokami 記者による2018-8-24記事「Russian Vehicle Demonstrates New 'Double Tap' Anti-Tank Technique」。
       モスクワ郊外で毎年開かれる陸軍エクスポ。2018年度には、8×8の「ブメラン」装甲車が走行しながら2発を同時に発射して誘導できる「コルネット EM」対戦車ミサイルがデモンストレートされた。
 古いT-62が標的に供された。

 ※記者はこれはリアクティヴアーマーを無効化するためだと解説しているが、実戦状況下で敵戦車表皮の狭い一点に2発が続けて当たることを期待するほどロシア人も阿呆じゃない。これは《APSをAIによっていくら進歩させても、同時弾着飽和攻撃のコンセプトで無力化できるぞ》という虚勢なのだ。コルネットはとても重いシステムなので車載でなければなかなか運用もし難い。だとすればその車両は米軍の近傍で探知されずに済むのか?

 次。
 Avery Thompson 記者による2018-8-24記事「NASA's New Spacecraft Will Fire High-Powered Lasers at Ice」。
   7月に軌道投入された「GRACE」衛星は、複数衛星によって微妙な重力変動を検出する。写真撮影だけではつきとめられない、南極等の深層部の融氷を探知せんとす。

 そしてNASAが9月に打ち上げ予定の「アイスサット2」は、レーザーで南極の氷の表面の高さを精密に測り直す。

 これまでの測地衛星より進歩しているのは、1秒間に発射できるレーザーパルスの回数。だいたい1万発/秒に達する。おかげで、これまでより50倍細密な標高地図が得られる。

 ※この二つの技術を組み合わせて平時に経時的にデータをストックしておくと、イランや北鮮の地下建築工事を見破ることが、宇宙から、できるようになるのだろう。NASAは遊び本位の研究機関じゃないのだ。ところでトランプ氏による「宇宙軍」の創設に反対したい米空軍の起用する御用論客にパッとしたのが1人も見られないのが、最近の驚き……というか「やっぱりね」の慨嘆だ。大きな趨勢は、有人+遊びにこだわる空軍が、「グレイイーグル」などの無人機で無血勝利を探る陸軍と、無人衛星を使う宇宙軍に、挟撃されて地歩を侵蝕されるという流れ。この「無人」性で括るなら、宇宙軍とICBMは統合されてもいいだろう。空軍にICBMを任せておいたら、士気の点でも良いことはないと思う。

 次。
 Jack Baruth 記者による2018-8-22記事「This War-Proven Radar Tech Lets Self-Driving Cars See the Road When You Can't」。
    地面の下、1~3mがどうなっているか。ボーリングするとはっきりするが、対地中レーダーを使っても、ある程度の層を明らかにできる。
 これをあらかじめメッシュ状にデータ化しておき、そのマップと、車載レーダーから得られる刻々の直近の地下層の変化を照合して行けば、ロボット自動車も、確実にルートを見つけられる。
 すなわち、巡航ミサイルの地表高度マップ照合飛翔術と同じように、陸上車両も、GPSやレーザービジョンに頼ることなしに、正確なルートを辿ることができるのだ。たとえば雪や火山灰によって地表がすっかり覆われてしまって道路の境界がまるで分からぬようなときに、この方法だけが頼りになる。

 ただしこれは万能ではない。たとえば、アスファルトで覆われていない、むき出しの鋼鉄の橋梁上だったら、対地レーダーは盲目同然だから。

 ※ぜんぜん関係ないが、もし滑腔砲身とSABOT付き翼安定弾の組み合わせで加農砲の射程を2倍以上にできることがWWI前に発見されていたら、20世紀の戦争はガラリと変わっていたはずだ。ドイツは長さ150mのムカデ砲を地下に設置しなくとも、トンネル引きこみ式の列車砲でロンドンを砲撃できた。艦砲射撃は超水平線距離から実施される反面、低速大型艦船が幅80km未満の敵性海峡を通過する試みは、要塞砲のために、悪天候時以外は至って危険になっただろう。また、イスラエルの武力建国は最初から不可能になっただろう。

空手の「形」競技は、音楽付きにしたほうが圧倒的に人気は出る。スポーツは人気商売だと理解すべし。

Kent German 記者による2018-8-25記事「Supersonic without the boom」。
   ロックマートのスカンクワークスがかつてこしらえた「Xプレーン」。こいつは高度5万5000フィートでマッハ1.4を記録しているが、そのときの衝撃波(ソニックブーム)は何故かマイルドだったという。

 ここに再着目したメーカーでは、このたびNASAと組んで、コンコルドいらいの民間用の超音速旅客機に挑むことになった。静かな超音速エアラインを目指す。

 地上に衝撃波が届かなくなれば、どこの国でも、陸上飛行路線の制限がなくなる。コンコルドは、海の上しか路線化できないために、商業的に自滅したのだ。

 ロックマートとNASAによれば、地表まで届く新型機のソニックブームは、自動車のドアをバタンと閉めたときに聞こえるレベル位に抑制される。

 コンコルドの衝撃波の音圧波形はするどい2つのピーク・パルスが地上を舐めて過ぎるものだった。これに対して新型機では、地上で感ずる衝撃波の音圧パルスにグラデーションがかかるようにする。だからマイルドなのだ。

 そうするためには、機首はできるだけ長く伸ばして尖らせる。
 また主翼の後退角はできるだけきつくする。
 そして、カナード(先尾翼)の形状にも細心の注意を払う。

 新型機は、新奇な特殊素材には頼らない。すべて既存素材でこしらえる。
 エンジンもオフザシェルフで行く。GEのF414だ。
 ※スカンクワークスの伝統回帰だね。

 ショックウェイヴをマイルドに緩和するためには機体の全長はどうしても長くなる。※最新の新幹線の鼻と同じか。

 機首がやたらに長いため、パイロットの前下方視野はほとんどなくなる。コンコルドはそのために着陸時のみ機首をおじぎさせる面倒なメカを工夫したが、新型機では、前方映像をヴァーチャルでコクピット内に示すことにより解決する。

 ソニックブームは、その飛行機の機体が大きいほど、また、その高度が低いほど、陸上では激しく響く。バン、バンと2連続のパルスに驚かされる。

 ソニックブームは、飛行機が音速に達した瞬間だけ発生するのではない。超音速で飛行しているあいだは、ず~っと、常に、機体の斜め後方にひきずり続けている。

 地表に達する衝撃波は、家の窓を割ったり、古い構造物の傷みを促進したり、野生動物にも悪影響があるので、これを歓迎する住民などいない。

 NASAの計画とは独立に、ボストン市にあるベンチャーのスパイクエアロスペース社は、18人乗りのビジネス超音速機「S-512」を作るつもりである。

 コンコルドのソニックブームが105デシベルだったのに対し、S-512は75デシベルに抑制できると社長は吹かしている。

 ネヴァダ州にあるアエリオンスーパーソニック社は、別な企画「AS2」を持っている。これは「マッハ・カットオフ・スピード」という現象に着目して、きっかりマッハ1.2でビジネスジェットを巡航させることによって、ソニックブームが地表に達しないようにできるという。

 これは大気の屈折作用による。巡航高度より下方の大気は、より暖かい。特定の斜め下向きのソニックブームはそこでおのずから屈折して、斜め上向きに反転してくれるので、地表には届かなくなるという。

 アエリオンはロックマートと合同で設計を進めている。

 次。
 LAURIE MCGINLEY 記者による2018-8-25記事「McCain just ended his cancer treatment ? what does that mean?」。
   マケイン上院議員はなぜ、進行し続ける脳腫瘍の治療を打ち切ったのか。
 このケースの予後は悪い。治療しても平均して18ヶ月しか生きられない。

 すでにあらゆる治療を試した。これ以上は患者の負担がつらすぎる。

 治療を中断すると患者が決心した場合、期待余命は、2週間から6週間というところである。
 別な専門家は、フュー箇月生きる場合もあるというが。

 正確には、悪性型神経膠芽(/膠星状)細胞腫。
 この病気は、そもそも5年期待生存率が5.1%しかない。

 脳の血管には関門があって、治療薬の脳内侵入を阻む。だから投薬による治療が難しい。1998から2014まで78種類の新開発の脳腫瘍治療薬が臨床試験までこぎつけたが、75種類はモノにならなかった。

 かたや、免疫治療法は、ゴールが遠い状況。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-25記事。
  対IEDの電子機材、JCREW。このアップデート型の製造がようやく始まる。

 無線がトリガーになっているIEDを無力化できるものである。

 車両に搭載したJCREWを作動させっぱなしでコンヴォイが移動すると、通り過ぎたところでIEDが炸裂する現象がよく見られる。
 つまり電波のバリアーがコンヴォイとともに移動しているため、直近ではゲリラの指令電波は届かず、コンヴォイが去ったところではじめて指令が有効となり炸裂するのだ。

 ただし地元民の携帯電話も使えなくなってしまうので、その苦情が多かった。こんどのバージョンはその苦情を減らすだろうという。

 踏み板式の地雷ならジャミングされ得ない。が、民間人を殺してしまう確率が高くなる。そうなると、ゲリラが住民から浮いてしまう。住民から背かれないためにも、アフガンのゲリラは、いまや無線の視発装置に頼るしかないのだ。有線だと、現場からどうしても距離が近く、ボタン押し係が米軍から殺される確率が高い。これまた、ゲリラの士気にかかわる。

 ※ゲリラの対応を予測しよう。数十mの有線を地下に引き、その端末を特殊な受光機にして地上に目立たぬように置き、市販品(数千円)のレーザーポインターで、遥か遠くからその地上センサーを照射すればただちに起爆する、という仕掛けが工夫されるに違いない。これでJCREWの方が無力化される。もちろんセンサー自体が有限の受光面をもち、ある特定の方角からしか光は受け付けない。だから路上や空中からレーザーで事前スウィープしても無駄だ。さらに進化すると、レーザーのパルスが暗号パターン化するだろう。これなら広い角度から受光しても、ホンモノの起爆信号だけにしか反応しなくなる。

カケがくえんとは、にわとり学園 ということなのか?

 古語の神秘については本日の「読書余論」をご覧いただきたい。

 次。
 JOHN VANDIVER 記者による2018-8-24記事「NATO receives first lot of US precision-guided munitions」。
  米国製の空対地PG弾薬をできるだけ平時から欧州NATO圏内にたくさん貯蔵しておく。もちろんNATOが購入して。
 これにはフィンランドも一枚噛む。

 有事にある加盟国の弾薬が足りなくなったら、そのNATOのプールから使わせてもらう。こうすることで対米依存を減らす。

 この協定国は下記の如し。ベルギー、チェコ、デンマーク、ギリシャ、ハンガリー、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、英国。

 NATOの支援調達局が米国から直接に買ってプールする。

 2011のリビア干渉作戦で英仏の空対地誘導爆弾がたちまちカラッケツになったとき、他の欧州NATOメンバーから弾薬を緊急融通してもらうことが制度的に至難であることに気付かされた。それで制度を改める。

 2011年に知られた問題の一つは、米国が手持ち弾薬を融通してやろうとしても、欧州空軍の一部の機種にはその弾薬とのマッチングが前もって取れていないものがあって、どうにもならないことであった。
 たとえば仏空軍は、しばらくの間、コンクリート充填の訓練弾に誘導装置をとりつけたものを、リビア政府軍の陣地に落とすしかなかったという。
 ※民衆の海の中にわざと設けられた敵AAMG陣地に対しては、案外最適のウェポン選択ではないか。

 欧州NATO諸国は、このたびの目論見に続き、陸上用PG弾薬や、海軍用PG弾薬についても、平時ストックを充実させて、有事のプール活用を図るつもり也。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-24記事。
  ストライカーにアベンジャーのサイトをつけて30ミリと組み合わせるAAターレットを数年以内に導入する。対露軍用の装備も充実させる必要があるので。

 しかしすぐには間に合わないため、ピンチヒッターとして、ブラドリーにTOWのかわりにスティンガーを搭載させ、それによって臨時のAA車に仕立てる。
 米陸軍の1個旅団には90両のM2ブラドリーがある。これはTOW用にかなりすぐれたセンサーを備えているので、早く改造できるのだ。
 どんなセンサーかというと、GPSとFLIRとレーザーがぜんぶひとまとめになっている。

西暦600年から800年にかけてのイスラムの膨脹は、軍事テクノロジーによっては説明できない。

 だから、宗教的情熱の成果だったとされる。
 その節は、ガックリと寒冷化した200年であった。南北勢力交替の理由の過半はそれで説明できる。

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 「Was Napoleon Defeated By The Weather In 1815?」。
    英国インペリアルカレジのGenge博士による新著は主張する。
 いわく。1815のタンボラ火山(インドネシア)の大噴火が、ワーテルローにおけるナポレオンの敗因だったんだ、と。

 ちなみに1816は「夏の無い年」と欧州では呼ばれたものだが、1815にはどんな影響があったというのか?

 いちばん細かな火山灰が電離層にまで達してそこで帯電した。それが電気的短絡を誘発し、西欧の雲を増加させ、ベルギーに大雨を降らせた。ナポレオンが得意とした機動は、泥田の中では遂行が不可能だった。

 タンボラの大噴火は1815-4月10日。小噴火はそれから半年続いた。
 ワーテルロー会戦は1815-6月18日に決着している。

 ※参考までに。1815-6-28に尾張~美濃南部で大洪水。7-9にも美濃大洪水。これは旧暦かもわからんけど……。

 次。
 Sandra Erwin 記者による2018-8-22記事「Trident Space’s challenge: Standing out from the crowd of SAR satellite startups
   かつて、レーダー偵察衛星で得られる画像といえば、1950年代の白黒テレビのように粗く不鮮明だった。雲に妨げられず、夜間にも撮影できることだけがメリットだった。
 ところがSAR(合成開口レーダー)の技術が発達し、また画像信号処理ソフトにAIが活用されるようになったので、いまや画像の質は光学衛星に近づき、しかもまた光学衛星では得られぬ情報も集まる。

 従来よりは遥かに小型軽量なレーダー偵察衛星を低軌道に多数周回させるという流儀によってそれが実現ができるのだ。

 その流儀を早く採用した民間会社は、全地球的なレーダー画像サービスを、世界の政府や企業向けに適価で有料提供できる大ビジネスを展開できるだろう。
 それをやろうとしているのが、米国ヴァジニア州にあるトライデント・スペース社だ。

 同社は2021年から、SAR小型衛星の打ち上げをスタートし、2027年には計48機をLEOに周回させると吹かしている。

 6機のコンステレーションなら、地球上の中緯度地方の任意の一地点を、連日、20回、レーダー衛星で撮像し得る。(これをリヴィジット回数と呼ぶ。)

 48機のコンステレーションが完成すれば、中緯度地方の地上の任意点に対するリヴィジットの間隔は10分未満となる。
 ※これはすごい。敵偵察衛星を韜晦することにかけてはプロである露軍、北鮮軍、中共軍が、平時においてはもはや欺騙行動が不可能になる。10分間では何もできるものではない。

 トライデントスペース社の衛星は、太陽同期軌道は採用しない。南北両極を通らぬ傾斜軌道で回す。その方が、リヴィジット・レートを高くできるし、光学衛星ではないのだから太陽光線に拘る必要などないのだ。
 小型SARの撮像解像度は、1mから30cmになるだろう。

 1m解像度の撮像イメージを、同社は、1平方キロメートルあたり、10ドルで売り出すであろう。

 SARの性能は、アンテナのサイズに依存する。
 電波はXバンドである。
 同社は結論として、衛星は300kgにまとめることにした。

 300kgサイズとなると、軌道上での寿命は4年である。その寿命が尽きるまでに、1m解像度の地表画像を、4400万平方キロメートル分、撮像できるだろう。
 ※低軌道となるほど小型機でも鮮明な反射画像が得られる。周回頻度も増大する。そのかわりに大気抵抗があるから寿命が短い。ギリギリの選択だね。

 1平米の写真を10ドルで売るのだから、1機が生涯に稼げる収入はMaxで4億4400万ドルだ。それに対して1機を打ち上げるコストは4200万ドル。

 搭載するレーダーは現在、小型セスナ機に搭載してメリーランド州南部でテスト中。

 そのデータ(インフォメーション)から、有益情報(インテリジェンス)を抽出するAIが商売の決め手だ。客に生データを渡して客に写真解析をさせるわけにはいかない。写真を根拠にした有益情報を、顧客に売るのだ。マシンラーニングが決め手である。

 SAR写真のAI分析は、産業として、まだ発展途上。というのは、ラーニングさせるための生データがまだまだ足りないのである。

 ※日本のカメラ付きドローンメーカーがDJI社製品群を凌駕するにはどうしたらよいのか? 陸自が無人機分野の遅れを取り戻すにはどうしたらよいのか? やっと成案が得られた。一発逆転勝利は可能である。どこかで語るチャンスもあるだろう。それにしても技本は不甲斐ない。原始時代のマネージングをやってんのか?

DMZに埋設する警報照明用の対人地雷には、天然ガスに添加される石油系の悪臭素材が混ぜられるとよい。

 KIM GAMEL 記者による2018-8-22記事「Top US commander backs S. Korean plan to remove some DMZ guard posts」。
  韓国国防省は、DMZの哨所を10箇所ほど閉鎖したい。米国も許可を与えている。

 ヴィンセント・ブルックス大将は、在韓米軍司令官であり、国連軍司令官であり、米韓連合軍司令官である。3タイトル兼任。

 哨所はまず2箇所を撤廃し、逐次にその数を加えていく。

 ※警報用の地雷というのは、人が踏んで一歩通り過ぎたとたんに地中から照明弾がポップアップして、侵入者がまさに通過中であることを警備兵に分からせる仕組みになっている、非殺傷性の対人地雷だ。その場の地面が燃え上がって、深夜にその位置を知らせるタイプもある。天然ガスは無色無臭であるが、それでは家庭用として不慮の事故の危険がある。そのためガス会社の拠点工場では、球形のタンクに蓄気する直前の工程で、石油系の「臭い剤」を混ぜる。この原液は途方もなく強烈な臭いを発する。わずかでも身体に付着すれば、風呂に入ったところで数日間は落とせないという。したがって便衣のスパイの密かな浸透は、難しくなるわけである。

 ※半島DMZのフェンスが撤廃されてしまったらどうなるのか? 詳しいことは『日本転覆テロの怖すぎる手口』最終章に書いておいたから、チェックしておこう!

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 SETH ROBSON AND LEON COOK 記者による2018-8-22記事「New technology could eliminate long checkout lines for military shoppers」。
  ヨコタの米軍基地内の酒保は、シアトル市にできたアマゾンアウトレットと類似の、「レジ無し店」を目指す。

 しかしアップルペイなど使いたくはないわという空軍兵の配偶者も多い。
 「スマホを失くすだけでも悪夢なのに、それにデビッドカード機能までも載せておくなんて……」というご心配だ。

 ※哲学者のアンリ・ベルクソンは、身体感覚によるリアルタイムチェックが働かない「記憶」は、われわれが夢の中でありえない非現実を受け入れているように、暴走するじゃないかという指摘を1890年代にしていた(『物質と記憶』)ので、恐れ入るしかない。現今の仮想通貨や電子マネーも同じことで、身体感覚を有しないマシーンがAI強化のマルウェアに犯された場合、マシーンにはデータの真贋の区別などできやしない。われわれ日本人が、カードなどよりも現金(物理的な紙幣と硬貨)を信頼しているのには、AI時代の今日、ますます正しい理由があるのである。まさに日本社会の安全の担保になっている特権材なのであるから、判断力の狂いっ放しの「新・新官僚」などに唆されてこれを捨ててしまってはいけませんぞ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-22記事。
 イタリアの「チェンタウロ2」の装甲は、路肩爆弾に耐えることを第一とし、機関砲弾に対する防弾を第二義とする。

 米軍車両のJCREW類似の、IED起爆信号妨害装置も備える。

 装輪装甲車として初めて120mm砲搭載。45口径長で、NATO軍現用のAPFSDS弾も、そのまま発射できる。
 また、旧チェンタウロと同じ52口径長の105ミリ砲を選ぶことも可能。

 120mm砲は、連続6発まで、半自動装填される。
 自重が30トン。8×8。
 増槽なしで無給油で800km移動できる。

 1991デビューの「チェンタウロ B-1」は、24トンだった。

 米軍はこれを借り上げて、21トンの105ミリ砲搭載型ストライカー駆逐車を完成した。
 こいつは12.7ミリ機関銃を車内からリモコンできる。
 105ミリ砲は自動装填。

今からどういうオッサン顔になるのか想像のつく「高校球児」しかおらんとは……。興醒めですわ。

 自分で生涯インカムを見通して設計もできるスポーツ少年が増えることは、悪いことじゃない。コーチや理事長らに搾取されないためにもね。
 そしてじつはこれが反日テロの世界でもトレンドだ。
 悪く言えば「卑怯者」こそチャンピオン。
 特定されない。摘発されない。訴追されない。公判になっても重罪は申し渡されない。
 そんな志向の目端の利くやつらは、一貫して増える。
 この潮流を正しく観測できれば、社会破壊テロの先手を打てるだろう。

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 Joby Warrick 記者による2018-8-19記事「In fight against ISIS’s propaganda machine, raids and online trench warfare」。
  欧米でISの新入テロリスト募集手段を牽引しているのが、アルバイヤンというブロードキャスターが顔になっているアマクというネット宣伝放送局。
 4-26から、ベルギー、フランス、オランダ、ルーマニア、ブルガリア、英国、カナダ、米国の8ヵ国の警察が協調して、ガサ入れと発信元サイトの閉鎖を繰り返している。が、すぐにまた敵も復活するので、鼬ごっこ。

 アマクは「テレグラム」という、メッセージを暗号化できるアプリを活用している。
 コアな支持者たちが一斉にそれを再配信することで、不特定多数向けのリクルートコンテンツの機能が発揮されるのだ。

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 ストラテジーペイジの2018-8-21記事。
  習近平は三代目への個人的な好意として、密かに、発電関連機材(総発電量20万キロワット)を貨物船によって届けた。貨物は、税関を一切スルーして、平壌近郊の2箇所の稼動していない発電施設まで搬入された。北鮮は自力ではその必要な部品を手当てができなかった。

 習は9月に平壌を訪問する。

 北鮮では外国人が通る場所に「孤児」がうろついていることを許さない。孤児は18歳まで隔離施設で養育する。ところが施設の職員らが食糧をピンハネするので、ガリガリに痩せている。運良く餓死せずに18歳になれば、ストリートに戻って乞食になるだけ。だから最近では餓死させられる前に施設を脱走してしまう。

 北鮮では貧民の親が子供を奴隷労働力斡旋所へ売り飛ばすことも2015年から増えた。

 8-4にロシアは数千人の北鮮労務者を極東の自領内に受け入れた。国連の制裁違反だが、もちろんロシアにはそんなの関係ねえ。
 必要な労働者を得ようとして労賃を上げると、支那人がドッと入ってきて地方経済ごと乗っ取られてしまう。北鮮労務者を安く使う方が遥かにマシなのだ。

新手の「ナルコ・テロリズム」は、「食品・食材への麻薬混入」を伴う。

 金正日が拉致を認めて謝罪した2002年に、松江市の沖で、暴力団が雇った遊漁船が、北鮮の貨物船から覚醒剤数百キログラムを瀬取りして密輸入。この密輸グループを、海上保安庁と警察と税関は、日朝会談が始まった直後の2006年になって初めて、摘発開始しているのだが、それはどういう事情なのか、不明きわまる話だった。
 2003から後、同様の密輸の試みはないのか? ふつうに類推して、あるに決まっている。だが、何ゆえか、大量押収例は、ネットでヒットしない。抑止されたのか? それとも、抑止に失敗しているのか? どうにも謎。

 非常に有意義な『新潮45』の連載記事によれば、アディクテド達の「更生」は、統計学的にほとんど期待できない。
 確実な需要があるとなったら、それは北鮮当局には確実なシノギと映る。外貨の貢納金額によって忠誠心競争の勝敗が決まる北鮮体制の内部構造も不変だろうから、習近平が毎年の巨額援助を約束した今となっても、違法薬物の密輸出ドライブを控えるインセンティヴは無いだろう。
 世界のテロ集団の多くが、初めはイキがったことを標榜していても、最後には薬物の商売人に落ち着く。シノギそのものがテロ行為。自分を納得させやすいのかもしれない。
 さらに詳しくは、新刊(PHP新書)『日本転覆テロの怖すぎる手口』で確かめよう!

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-20記事。
  F-22は、飛行1時間あたり7万ドルのコストがかかる。
 F-16は、その三分の一である。

 F-22の即応稼働率は2017年には49%まで落ちたが、2018年には60%まで回復させた。しかし米空軍の平均である70%には達しない。

 このためF-22パイロットの練度は他機種の乗員より低い。訓練時間が得られない。

 米空軍関係者たちは、次のすごい戦闘機の開発の予算をがっぽり獲得したい。そのためには現役のF-35とF-22が常にマスコミに登場するようにしておく必要がある。納税者へのPRのために。

 そのために、21機からなるF-22スコードロンの中からわずか数機のF-22を選んであちらこちらの「最前線」へ海外出張させることになるが、それをやるためには、スコードロンの抱えている整備兵の半数も、海外へ送り出さねばならぬ。

 この出張編隊が帰還するまでは、スコードロンの本国残留本隊では、ますます飛行訓練時間を抑制されなければならぬ。

 アラスカ基地は、ロシア機をスクランブル邀撃する頻度の高い前線なので、やはり納税者向けPRの必要から、空軍としては常に一定数のF-22を分遣しておかなければならない。ところがアラスカ基地の格納庫は、空調が、南の内地ほど十全ではないのだ。そのために、一度塗ったら10年保つはずのF-22のステルス外鈑コーティングが、アラスカ基地ではいち早く劣化してしまう。この塗りなおし作業は最長で1年もかかる大作業で、そのあいだ、そのF-22は飛ぶことはできない。

 F-16を1時間飛ばすためには、整備班は19マン×アワーを要している。
 これがF-22だと、34マン×アワー。

 ロックマートは当初、なんと言っていたか。10マン×アワー以下で済みますよ、と言っていた。F-22が。

 よけいに手間のかかる理由のほとんどは、レーダー波吸収性コーティングの補修である。

 F-35は、吸収材に頼らない設計にしているおかげで、F-22よりもメンテナンス・コストは抑制できている。

アマゾンで後から頼んだ人も、そろそろ着きましたね? 都内なら即日届く状態です。

 ELLEN KNICKMEYER 記者による2018-8-19記事「US says conserving oil is no longer an economic imperative」。
   トランプ政権は、自動車の燃費についてもう五月蝿いことは言わぬことに決めた。
 なぜなら天然ガスのフラッキング採掘がどんどんできるようになって、輸入エネギーへの依存率が激下がり。シェール・オイルという巨大予備タンクも自国内に確保されているのだから、もはやエネルギー安保を気にして節約する必要など、ないのである。

 地下深くで水平方向へドリルを掘り進ませることができるようになったことも、価格を下げている。
 2008年夏の原油価格は1バレル147ドルだった。今は65ドルだ。

 しかし批判者いわく。でかいデブが、食料品が値下がりしたからといって、ドカ喰いを再開するようなものじゃないか。

 ※これは面白い。ドイツの自動車メーカーのディーゼル部門は、規制が緩められた米国内に製造プラントも研究所もぜんぶ移転してしまうことができるだろう。そうやって投資と雇用を増やすことを狙っているのだとしたらトランプさんも凄いもんだが、たぶんは、そこまでの深慮遠謀は…………?

 次。
 Kyle Mizokami 記者による2018-8-16記事「Is Russia’s Mysterious New Satellite a Space Weapon?」。
    ロシアの人工衛星に近づいて状態を視認するための衛星だ――とロシアが称しているもの。怪しい。

 それは2017-6-23にプレセツク・コスモドロンから打ち上げられた。ロシア国営メディアによれば「コスモス2519」である。
 それは親衛星で、中から子衛星をたくさん放出した。それらの機能はさまざまだという。

 前に打ち上げている衛星に不具合が生じたとき、どこがどのように故障したのかを知りたい。そのためには、査察写真衛星を近寄せて外見を撮影させて画像を地上に電送する方法がある。
 ところで、そのようにしてすぐ近くからカメラの照準を合わせられるということは、そのミニ衛星にカメラの他にレーザー銃やマイクロ波銃などを搭載させておいたら、ついでに対象を破壊もしてしまえるわけである。
 その査察衛星を外国衛星に近寄せれば、そのままASATとなるのだ。

 外国は、他国が打ち上げた査察衛星がASATなのかどうか、平時に判別する方法は無い。
 ※まさに宇宙のグレーゾーン狙い。平時から親衛星を多数周回させておき、有事に一斉に子衛星を放出して通信も偵察もできなくしてしまう。

 ロシアは「ヌドル」という地対宇宙の衛星攻撃兵器を持っている。しかしこれは敵衛星が基地の直上を通過してくれるときにしか使えない。

 ワシントンフリービーコンによれば、露軍はさらに2つのASATを製造中だ。ひとつは「ルドルフ」と呼ばれ、もうひとつは「ティラダ2S」という。また、中共もさまざまなASATを研究中である。

 ※ロシアの技術のうち「フカシ」の部分と「リアル」の部分を嗅ぎ分けねばならない。水中核ミサイルとかマッハ20のハイパーソニックとかは「フカシ」である(前者は計画すらなく、後者は実用段階に達していない)。メディアには宣伝をさせていない分野が、じつは恐ろしいのだ。一例が、彼らが戦前から得意な冶金分野に最新のナノテクを結合させているサーモバリック弾頭。80年代から孜々として研究と改良が継続されていて、その実験はかつてはアフガン、チェチェンにおいてなされ、今はアサド軍にシリアでさせている。北鮮は伝統的にこのアサド政権と武器技術の交流をしてきた。シリア経由でサーモバリックの見本は北鮮へも渡されている。もしサーモバリックがテロの道具に本格的に応用されれば、今の警察の対応はぜんぶ無効になってしまう。詳しくは最新刊『日本転覆テロの怖すぎる手口』を読もう!

放置道標考

 いや~こっちは早くも夏が終わりかけているので、思い余って山登りをしてきました。
 「蝦夷松山」という、函館市街地からは誰もが望むことのできるスカイラインなのですが、誰もそんな山名など意識したこともあるまいと思われる、無名に近いピーク。667m。
 2002年改訂の『北海道夏山ガイド』を片手に、なんとか登頂できました。このガイドブックがなかったら、もうどうしようもなかったです。
 途中に数ヶ所ある分岐点の指導標識が、もののみごとに全滅状態でしたので……。
 陣川温泉の少し上、真言宗神山教会の霊場(そこには硫黄臭のする鉱泉が湧出している)を通り過ぎたすぐ上に、まず最初の重要なY字分岐があるのですが、ここの、右側が登山路であるという標識(10年くらい前にはあった見覚えあり)が、なくなっていました。たぶん、よそから来た人はここでアウトでしょう。
 途中、大きなゴルフ場まで通じているらしい車用林道と十字クロスするところにも、何の案内板もありません。右手へ行けばゴルフ場までエスケープできるという案内があってもいいんじゃないか?
 そのクロスを過ぎた先に1箇所だけ「蝦夷松山登山道→」と書かれた木製の標識看板が丸太の柱頭に固定されて路傍に立っていたのが、唯一、健全な状態の案内標識でした。その先が谷渡りのために下り坂になっているので、疑問を生じてしまうであろう登山者を慮ったのかもしれません。でもこれは分岐点に植立した方が親切ですよ。
 標高510mの最後のY字分岐には、道標の柱だけが残っており、標識看板は地面に落下して草に埋もれた状態でした。そこから頂上までは、ここ半年かそれ以上、刈り払われてないだろうと思われる藪状態。そこを30分前後も縫って行く。岩場のロープ下端まで辿り着かないうちに「おかしい。引き返そう」と、信念が揺らぐ人も多いのではなかろうかと思いました。

 イタリアのRC高架橋崩落事故の映像を見てつくづく思います。上からの荷重(道標の場合、積雪と、春に徐々に融雪するさいのおそるべき引っ張り力)や、横からの強風に、何年も曝され続ける人工構造物は、そこに立っているだけでも常に壊れつつあるんだという認識が必要です。

 「横に長い看板」はさいしょからダメでしょう。「柱と分離する可能性のある板」もダメでしょう。それらは必ず雪圧で脱落するか、風で吹き飛ばされる。
 理想的なのは、担いで登り易いアルミの中空柱で、頂端部の少し下の上下50cmほどが僅かにリセスになっていて、そのリセスが長方形の平面であるものです。その平面上に文字や矢印をレーザーで彫り付けて、1本柱の案内標識とする。
 これならば、風雪や倒木、落下枝の破壊力にも耐えて、何十年も役目を果たしてくれるだろうと愚考します。

 次。
 LOUISA LOVELUCK 記者による2018-8-18記事「The secret app that gives Syrian civilians minutes to escape airstrikes」。
   シリア政府軍の航空基地を見張る一人の男。空軍機が離陸すると、スマホから「空襲警報アプリ」のホストコンピュータに一報を入れる。

 ホストコンピュータは、その予想爆撃目標を推測し、SNSを通じて一斉に警報を発する。
 反政府ゲリラも、民間人エイドワーカーも、ただちに退避壕へ。

 このシステム構築のために、複数の西側政府が資金を出している。
 見張り役は8時間交代。飛行機を視認したら、その位置、飛行方向、そして、為し得れば機種を、ただちに通報する。

 この情報は、複数のリモートセンサーのデータによって補完される。
 センサーは音響を拾うマイクである。樹上やビルの屋上に匿して設置され、航空機の速度や、機種まで判別ができる。

 その上で過去の空襲パターンのデータを参照して、予見される空爆地区と、空爆開始時刻が算定される。

 SNSを通じ警報を受けた区域では、サイレンを鳴らして人々を避難させる。
 当該地区の病院施設では、警告灯が明滅する。

 航空無線を傍受することにより、化学兵器による攻撃の兆候を察知できることもある。

 ※地方の書店でまだ『日本転覆テロの怖すぎる手口』が入荷していないところはあるかな? 神社の御神木に除草剤を注入するといった「隠微なテロ」が日本ではこれから主流になるのです。山の中の道標を意図的に破壊する手合いも現れないとは限らない。日本社会が「社会破壊工作員」たちの後手に廻ってしまわぬように、早く本書によって意識を一新するのだ!

とうだいもとクラッシャー!

 Michael Peck 記者による2018-8-17記事「This Is Where Japan Might Have Gotten the Idea for Pearl Harbor」。
   ※かなり前の記事の再掲らしい。
 英空母による伊タラント軍港に対する奇襲雷撃は、1940-11-11である。夜襲だった。
  たった1隻の空母『イラストリアス』が参加した。護衛は、重巡2、軽巡2、駆逐艦5。
 タラント在港のイタリア軍艦は、戦艦6、重巡9、軽巡7、駆逐艦13。

 イラストリアスが発進させられた航空戦力は、スフォードフィッシュ×21機。
 複座の複葉機。

 速力は140マイル/時と遅いが、航空雷撃にはそれが適しており、じっさい、独戦艦『ビスマルク』もこれで沈めている。

 攻撃隊は2波。まず12機が。つづいて9機が発進。
 各隊とも、半数は魚雷の代わりに照明弾と徹甲爆弾を吊るした。

 イタリア軍は防雷網を張っていたものの、タラント港には水深があり、スウォードフィッシュのリリースした魚雷は、その防雷網の下を潜って駛走した。
 空襲は夜の11時前に始まり、12時前後まで及んだ。
 爆弾は1発も命中しなかった。

 英側の損失は、スウォードフィッシュ2機。乗員2名が戦死し、2名は捕虜になった。

 戦艦3隻に魚雷命中。
 『コンテディカヴール』は着底。終戦まで引き揚げられなかった。
 『カイオデュイリオ』はみずから座礁して沈没を免れた。
 魚雷3本が命中した『リットリオ』もみずから座礁した。

 その返礼にイタリア海軍は、1941-12-19にアレクサンドリア港にミニ潜航艇でフロッグマンを送り込み、仕掛け爆弾によって英戦艦2隻を損壊させた。

 じつは『イラストリアス』には、米海軍のジョン・オピー中佐が観戦武官として同乗していた。
 中佐はただちに報告書を提出している。

 しかし海軍省は顧みなかった。オピーは、真珠湾を訪れて自分の知見を伝えたいともリクエストしたが、却下された。
 米海軍上層は、パールハーバーの海面は狭くしかも浅いゆえ航空魚雷が使用される余地はないとして、防雷網を設置しないことに決めたのである。

全国の書店に『日本転覆テロの怖すぎる手口』がもう並んでいるでしょう。今日。

 Zach Dorfman 記者による2018-8-15記事「Botched CIA Communications System Helped Blow Cover of Chinese Agents」。
    CIAは中東の作戦では、有線の通信を敵方に対して秘匿することができていた。
 それを、中共相手の作戦でも使っていたところ、中共はその有線秘匿通信を傍受して解読できたらしく、中共内のインフォーマーは全員逮捕され、投獄または処刑された。過去8年で。

 やられた総人数は、30人くらいらしい。1人の見当違いもなく、ピンポイントで次々に正確にやられた。大半が死刑。

 それどころかCIAは油断して、中共内のインフォーマーとの通信回線を孤立させないで、CIAのメインのサーバーにも連結していたという。そのため中共のスパイ機関は、CIAのメインのサーバーまで侵入できた可能性がある。もっか、FBIとNSAが調査中。
 ※まぬけすぎるため、オバマ時代のCIA長官のセキュリティクリアランスが剥奪されたのか。

 窓があけはなたれていた期間は、数ヶ月。

 どうやら中共は、得られた秘密の一部をロシアにも与えたらしい。
 ロシア内のCIAインフォーマーが、突然、監視・警戒されるようになった。

 次。
 ADAM TAYLOR 記者による2018-8-16記事「Why the Korean War didn't end ? and why it could now」。
   1950~53の期間に北鮮の非軍人の死者は250万人と推測されている。

 トルーマンの後継大統領が1952にアイクに決まったこと、そしてスターリンが翌年に死んだことで、共産側は諦め、休戦が実現した。

 この休戦協定には、国連軍総司令部、中共、北鮮の三者が加わっているが、韓国だけは加わっていない。というのも李承晩は休戦に反対で、継戦を熱望したので。

 1954年には、平和条約を締結するための会議がジュネーブで開かれたが、どちらも、自陣が勝者であると考えていたので、まとまらなかった。

 すぐに仏領インドシナで次の火種が燃え上がった。
 米国は1958に韓国内に核兵器を持ち込むことで、休戦協定の一部を否認した。

 北鮮は1990年代から、もはやじぶんたちは休戦協定には従ってはいないと頻繁に宣言している。

 トランプが、朝鮮戦争を終わらせよう とツイートしたのは2018-4月。熱意が示された。
 6月にホワイトハウスで北鮮高官と会談したときもトランプは記者団に、終戦について語った と言った。

 次。
 Jim Baker 記者による2018-8-15記事「Artificial Intelligence ? A Counterintelligence Perspective: Part I」。
      AIによる技術の変化は速く、広く、また社会的に影響が深いため、そのリスク見積もりも、機会評価も、常人には困難である。

 さいきん『ゼロの軍隊』を公刊したポール・シャールはAIが戦争をぜんぶ変える、という。

 しかしそもそもAIは未だまともに定義すらされていないのだ。
 記者は法律家であって技術屋ではない。

 マシンの定義はできそうだ。しかし「考える」「学ぶ」とは何かの定義が難しい。だからAIを定義する試みは難渋する。

 グーグルは、人のボイスをテキストに変えてくれるソフトを既に提供している。

 限定級のAI(ナンチャッテAI)ではなく、綜合級のAI(人智そのものなのですべてを任せられるAI)が完成し、それを国家の情報戦線の分析官として大量動員できたら? どの先進国も考えていること。そんな技術をもしライバルが有しているのなら、それを盗みたいだろう。

 「説明してくれるAI」。AIの出す結論に到った判断の過程が、人間の頭でも理解できるように示されること。
 このAIができれば、それは倫理問題とのバッティングを回避しやすくなる。

 つまり、AIのブラックボックス問題を解決しながらAIを進展させることが、高優先度の課題なのだ。

 ※世の中、なんでも暴露しながら話を進めることなどできない。他人である男女間で裸の付き合いができるものではなく、裸体、特に男の股間を隠蔽することが倫理的なのだ。かりに黒人やヒスパニックやイスラム教徒を見込み顧客から外すというアルゴリズムになっている私企業の営業ソフトの「選別過程」が倫理的に正しいことを、任意の第三者機関(もしくは全社会)に向けてCEOは説得し得るか? できるわけがない。A氏またはA国が現実的で合理的だと思っていることは、B氏またはB国の価値観や感情とはバッティングすることがある。その場合、A氏/A国は、みずからの夢や希望や信念を秘密にし続けないかぎり、B氏/B国との摩擦を避ける社交/外交はできないはずである。

 ※もうひとつ。高等数学のできない人々は、有名な相対性理論を、いくら砕いた日本語で説明されようとも、せいぜい、わかった気になることができるだけのはずである。AIの全計算を素人にわかるように説明しますよと言ったって、結句、これと同じ無理と自己欺瞞におちつくだけのことじゃないのか。

新刊は都内書店の早いところでは本日の午後には並ぶのでは? 新書のPHPの区画を見過ごすな!

 こんかい、編集部のご方針により、ウィキメディアとウィキペディアの写真については、クレジットはどこにも示されていません。

 次。
 Thomas Pinney 退役海軍大佐による2018-8『Proceedings Magazine』寄稿記事「UAVs: Before Fire Scout There Was DASH」。
    DASH(Drone Antisubmarine Helicopter)は758機製造されたが、米海軍での現役期間は10年に満たなかった。対潜魚雷の他、B57核爆雷も投下できるロボットヘリだった。
 なぜこの発明品は失敗におわったのか。

 当時、アスロックは1万ヤード先へ投射できた。しかしソナーの性能が上がってきて、駆逐艦からもっと遠く離れた海域でソ連潜を探知できることもあった。

 カマン社はまだ有人の軽対潜ヘリ SH-2(ランプスのマーク1となる)を完成していなかった。つなぎが必要だった。しかも、なし得れば、大量にストックのある旧式小型駆逐艦の後甲板を有効利用できるサイズのものが。

 NY州のジャイロダイン社は、ベンディックスの1人乗りヘリコプターをすでに無人機に改造していた。海軍はこれに着目する。
 メインローターが二重反転式なので尾部ローターが要らない。このスタイルは安定していてリモコン向きであり、狭い甲板でも扱い易い。

 マーク44対潜魚雷の他、核爆雷も運用できる仕様だが、海軍の記録では、ダッシュが核爆雷を運んだことは一度もなかったようである。

 DASHを発艦させるには、エンジンをフルパワーにしたあとで、ホールドダウン・ケーブルをリリースする。
 発艦時のリモコンは後甲板から目視でするが、飛翔開始後は、CICルームにて、対水上レーダーの反射画像をモニターしながら操縦する。

 しかし初期のQH-50(=ダッシュ)のレーダー反射は弱く、にもかかわらず、トランスポンダーを搭載していなかったので、CICルームからの操縦は相当に困難であった。

 データのフィードバックが一切ないということは、CICルームの操縦者は、DASHのげんざいの対地速度、高度、向かっている方位を、数値で報告されることはないということ。アナログのレーダー輝点の移動を白色グリスペンでなぞりながら、推測するしかないのだ。

 ケネディ大統領は、1963年後半に、ダッシュから対潜魚雷を投下する訓練を視察している。
 そこから全艦隊への普及が始まったが、1969年には、ダッシュは放棄された。

 米海軍はダッシュを400機以上も、運用中に喪失している。
 じつは1960年代の米海軍内にても、艦政本部系と航空本部系は対立していた。ダッシュの部品は艦政系統が調達していた。それが部品の故障率を著しく高くした。

 加えて、航空系の幹部たちも、ダッシュを冷遇した。海軍において航空系の主流は、「空母派」である。彼らにとって、空母だけが優遇されるべき対象だった。ダッシュが空母の近くをフラフラ飛びまわったり、操縦電波によって空母の無線に干渉が起きることを、彼らは嫌った。

 駆逐艦が空母から十分に離隔していた場合のみ、ダッシュを使った対潜訓練が許可された。

 ベトナム戦争中、駆逐艦長の関心もASWには無かった。
 機関科員たちは、ダッシュが逸走した場合にそれを回収するために4基のボイラーを駆動させねばならぬことを心配していた。

 ダッシュは、通信が途絶した場合は、その場で低空ホバリングを続け、通信回復を待つ仕様になっていた。
 だがじっさいには、あてどもなく逸走し去ることがしばしばあった。

 1965年には、ダッシュに偵察用のビデオカメラが装置され、かつまた、テレメトリー送信機がとりつけられた。これでようやくリモコン操縦者は、ダッシュの現在の速度や高度を逐次に正確に知り得るようになった。

 このように改造されたものは「スヌーピー」と呼ばれ、ベトナムの沿岸偵察および、対地砲撃時の着弾観測機として用いられた。

 ベトナムの陸地で撃墜された味方パイロットをレスキューする道具として QH-50 が使えないかどうか、検討されたこともある。

 ソノブイ投下、チャフ撒布、スペアパーツ配達の機体として実験されたこともあった。

 解役の後、DARPAが、夜間用ビデオカメラ、レーザー照準器、そして機関銃と投下式の手榴弾を、DASHに装備してみたこともある。

 もっと後には、スティンガーSAMの訓練標的曳航機、もしくは標的そのものにされた。

 現在のMQ-8Bファイアスカウト無人艦載ヘリとダッシュを比較すると、主ローター回転面積がダッシュの方が小さいことは目を惹く。ペイロードも、DASHが上回っているが、滞空時間はファイアスカウトの5時間に比して1時間と、あきらかに劣る。速力も倍ちがう。

 だが、価格の上ではダッシュが断然に安いのである。これをどう考えるか。
 なおMQ-8Bはもうじき、ひとまわり大きなMQ-8Cにひきつがれるはずだ。

センセーショナル過ぎて語るを許されなかった地下空間爆破テロ

 こんどの新刊で、じつは原稿がカットされた部分があるんです。それは地下空間爆破テロの手口について想像して書いた部分。編集者さんが「これを公刊するのはまずいよ」と判断したらしい。
 北海道弁で「そんなにかい」と、こっちが内心驚いた次第です。
 すべて既知の事実を述べてみましょう。
 都市ガスの成分である天然ガスは、空気より軽い。他方、プロパンガスは、空気より重い。
 風が吹かない閉じた空間内では、プロパンガスは、下の方に溜まる。
 また地中に漏出したプロパンガスは、土の中の隙間を通って水平に100m以上も移動することもある(南米でビルの1Fが大破した爆発事故の例あり)。
 日本では、プロパンガスのボンベとして、住居消費用の他、フォークリフトの燃料用としても、各サイズが揃っている。
 さてここからが想像。
 もし一軒家からプロパンガス入りのボンベが盗まれれば、ガスレンジの火がつかないので、すぐに家人が「おかしい」「盗まれた」と察するだろう。が、もし集合住宅や工場から1本だけ持ち去られたなら、そのボンベが、ガス屋さんとは無関係の人物によって盗取されたのであると認定されるまでには、ずいぶん時間がかかってしまうのではなかろうか?
 テロリストは、このようにしてあちこちから盗み集めたプロパンガスを、何かの作業員風を装うことで、堂々と、地下鉄構内や地下街に搬入できるかもしれない。
 そして目立たないところに安置したうえで、すこしづつ、もしくは時限装置によって急速に、プロパンガスを放散させたとしたら、どうなるのか。
 通退勤時刻や、買い物客でごったがえす時間帯に、特定の地下空間に滞留したガスに、何かの火花が飛んだ場合、記録的な数の死傷者が出てしまうであろう。
 プロパンガスの性質を利用すると、犯人は、大きなボンベを地下空間内に搬入する必要すらもなく、地表の近くから、その地下空間に通じている「隙間」に流し込んでやるだけでも、その目的を達するかもしれない。
 こういう危険が考えられる以上は、想像上の可能性といえどもただちにパブリックに警告されて然るべきであろう。東京五輪まで2年あれば、対策は立てられるはずだから。
 自動換気システムが特に大事なんだということを、『日本転覆テロの怖すぎる手口』の中で再三強調している理由を、読者の皆さんは、あらためて、ご理解いただけたでしょうか。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-14記事。
   米政府機関は、OV-10をまだ6機強、運用中である。
 フィリピンは8機、有しているが、メンテナンス予算が出ないため、飛べない状態。
 そこで米国は、NASAが使っていた2機と、イラクで実験的に使っていた2機を、フィリピンにプレゼントした。

 後者のG型は、グラスコクピット化され、レーザー誘導ミサイルである70ミリAPKWSも運用できる。

 OV-10は、兵装2トンを抱えて4時間滞空できる。
 比島政府は2017年にマラウィ市のIS一味に対し、OV-10で空からも攻撃している。
 米軍の無人機が攻撃すべき座標を夜間に標定してやり、OV-10はそのGPS座標に対して黎明時に無誘導の500ポンド爆弾を正確に投弾した。

 フィリピンは2017末に、6機のA-29スーパーツカノもブラジルに発注済した。2019末までに受領予定。
 ※P-51をターボプロップにすればこんな形になる。亡命ドイツ人技師たちも、マスタングこそ理念形だと認定せざるを得なかったのか。

 基本は練習機だが、固定武装したければ、両翼下に12.7mm機関銃を1門づつポッドとして吊下できる。

 オプションで高額なFLIRを取り付ければ、全天候で地上の画像イメージを克明に得られる。
 ※これがついていれば群馬県の防災ヘリも山腹に激突しないで済んだ。しかしFLIR一式でヒューイの機体価格とタイかそれ以上になるかもしれない。ISR機材の値段がちっとも下がらないというのはAI時代の不思議なパラドックスだ。他方、ISRにカネをかけない防災飛行機に何の価値があるのかと私はいつも思う。

 お値段は1機900万ドルである。
 ※群馬県にも買えるはずである。

 スーパーツカノの巡航スピードは500km/時。それで滞空6時間が可能。
 150km/時まで失速しない。したがってジェット攻撃機よりもおちついて地表を監視できる。
 レーザー誘導の250ポンド爆弾または500ポンド爆弾も複数吊るせる。

 上昇は1万1300mまで行ける。もちろんコクピット内は与圧可能である。
 ※したがって山岳監視を連続数時間も続けてもパイロットは疲労しない。

 スーパーツカノを1時間飛行させるのに要するコストは500ドル。これはF-16戦闘機の十分の一以下なのだ。

 ※なぜブラジルはこいつを「艦上攻撃機」に仕立てて、コンテナ船改装ミニ空母とセットで後進国相手に商売しないのだろう。というかその前に、富士重工や三菱がどうしてこういう「ナンチャッテ練習機」を製造しないんだ? ASEAN諸国に援助してやれば、彼らが海賊漁船団も違法リグも追い払えるじゃないか。どうもホンダ以外の大企業経営陣には、もはやそういう期待を寄せるのも無駄なのかもしれないね。

 続いてイラン関係。
 8-7にイラン革命防衛隊の上級将軍が明かした。イランは7月に、イエメンのシーア派ゲリラに、バブエルマンデブ海峡において、2隻のサウジのタンカーを攻撃するように頼み、それは実施された、と。

 このためサウジはタンカーの運用を1週間、止めるしかなかった。実害は抑制されたが、イエメンのゲリラはイランから機雷や大型対艦ミサイルを供給されているらしい。

 イラン革命防衛隊は、新型の対艦弾道ミサイルを8-5に試射した。場所はホルムズ海峡。このミサイルは射程300kmの固体燃料の弾道ミサイルをベースにしているので、有効射程は250kmと見積もられる。標的は外したらしい。

 8-4にはシリア北西部のマスヤフ市で、化学兵器開発に携わっていた科学者の自動車が爆発し、当人死亡。もちろんイスラエル機関のしわざ。

 アサド軍のヘリから市民の頭上に投下する樽爆弾の製造工場も、マスヤフ市の地下にあるらしい。

近未来に必要な小銃とは……。

 ストラテジーペイジの2018-8-13記事。
   これから4万梃以上のソコム用のM4カービンの主要部を、SIG社製に総とっかえし、随意に消音できる火器に変える。
 バレルにサプレッサーがデフォルトで付く。サプレッサー内の隔襞は19枚。
 ガス取り出し量規整子は、2段階を選べる。すなわち、通常弾用と、亜音速特殊弾用。

 夜襲の近接戦闘では、亜音速弾を選ぶ。サプレッサーを飛び出した後も、飛翔する弾丸は、衝撃波を発生させない。これによって高いサイレンス効果が得られる。夜間の突入チームは、敵が状況をまったく把握できないうちに勝利できる。

 じつはこの亜音速弾、米国で害獣猟用に市販されているものだ。農民が、畑を荒らす野豚を駆除するのに役立っているのだ。5.56ミリながら、距離100mまでなら、弾道も安定している。

 豚は頭が良いので、1匹が撃ち殺されると、全集団がその音から危険を察知して遁走してしまう。

 しかし亜音速の5.56ミリ弾をサプレッサー付きの銃から発射すれば、50m以遠であれば銃特有のノイズをほとんど他のブタに聴かれずに済むので、群ぜんたいに気取られる前に、4頭から5頭は仕留めてやることができるという。
 ※おそらく夜間に暗視スコープで狩るのだろう。日本でも法令を改正してヒグマ等排除用に夜間の市街地での発砲を許可せねばならない段階に来ている。まずはパトカー内からの同乗射撃が全面解禁されるべきだろう。

 このたびのSIG社製のレシーバーはガスピストン式。ストーナー式の直接ガスぶちまけ型でないから、レシーバー内がカーボンで汚れることもない。
 イラクやアフガンのような土埃まみれの土地では、ストーナー式は最悪であった。
 4万梃の更新が完了するのは2023年であろう。

 ※チェチェンの都市ゲリラは .22のロングライフル拳銃弾を、ペットボトルをサイレンサー用にかぶせた射的銃から単射して、ロシア兵の顔面を狙って成果をあげていた。市街での対テロ作戦が主流になれば、ますます消音銃や暗視照準器の需要が高まることだけは確実だ。

みなさん、正式発売は今週からです。

  Laura Yan 記者による2018-8-12記事「This AI-Powered Robot Can Find Waldo Instantly」。
    〈ウォーリーを探せ〉のウォーリーは、米国では「ウォルドー」のようであるが、このたびレッドペッパー社は、AIを組み込んだゴムの手が、4.45秒にして絵本の見開き2ページの群像の中からウォルドー君を判別できることをデモンストレートした。

 じつはグーグル社が「オートML ヴィジョン」というAIソフトを売っている。写真を読み込ませて学習させることのできるAIだ。レッドペッパー社は、このソフトを用いた。

 このソフトのユーザーには、プログラミングやコーディングの予備知識などは一切要求されない。画面上でマウスを操作するのみ。
 これからAIがどんなイメージを探してピックアップすればよいのか、マウスだけで、AIに教え込ませることが可能。

 まず、レッドペッパー社の技師、マット・リード君は、グーグルの画像サーチによって、62タイプのウォルドーの面相、およひ、45タイプのウォルドー着装の全身衣装を見つけ出し、それらのイメージを、「オートML ヴィジョン」に片端から読み込ませた。

 リード君はあまり期待をしていなかったが、たったこれだけの「教え込み」だけで、マシーンは驚くべきパフォーマンスを発揮した。

 人の面相認識をさせるためには「ヴィジョン・カメラ・キット」と「オープンCV」というものが要るらしい。
 カメラが撮像したイメージは「AutoML」に送られる。AIは95%の確率で、ウォルドーを指摘する。

 リード君の野望。このAIシステムは、「君にいちばん似ているマンガのキャラは何?」という質問にも答えてくれるだろう。

 また、コミック作品の贋作を暴いてくれるかもしれない。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-12記事。
    ドイツ海軍が6隻保有する『タイプ212』潜水艦が、2017末に、とうとう1隻も出動できない状態になったことは、既に報じられている。

 稼動していた最後の1隻は12月19日にノルウェー沖の海底岩に舵をぶつけて壊してしまったのである。
 残る5隻は、修理中であるか、修船ドックの空き待ち。
 『212』級は高性能で省力的なのだが、スペアパーツ代が高くつく。その金を、ドイツ政府はケチっているようだ。

 冷戦終了後、独海軍は、海戦よりもむしろ平和維持活動に使いよい艦艇を発注して建造させるようになった。
 そして近年では、軍艦のメンテナンスが予算的に優先されなくなっている。戦車や戦闘機と同様に。

 ドイツ海軍がこのようにサボっているということは、バルト海と北海でロシア海軍が強くなってしまうことを意味する。貧乏所帯の露軍を封じ込めることはドイツにならば簡単なのに、現状ではロシア海軍の跳梁をドイツがゆるしているも同然。全北欧諸国が、これに迷惑を感じている。

 それどころかASWに関してはドイツはいまや他のNATO諸国やスウェーデン、フィンランドの努力にタダ乗りをしている。ドイツ商船のシーレーンを、他国が護ってやっている状態なのだ。

 『212』型は、燃料電池使用のAIPだが、浮航時にはディーゼルも使って充電ができる。
 古い『209』型をリプレイスした。

 『212』型は1隻5億ドルと高額である。それでもSSNの三分の一だが。
 クルーも27名だから、人件費は格安だ。

 潜水艦の公試運転の報告は、他国のものでも信じていい。というのはもし嘘の報告をすれば、命の懸かっている乗員が怒ってリークする。

 ※関係ないのだが、豪州に日本の潜水艦を「完成品」として買わせる方法は簡単だった。「買ってくれるなら、御国の畜産品、酪農品の輸入関税と数量規制をゼロにしますよ。ついでにニュージーランドの分もね」と持ち掛けるだけで、即決しただろう(NJ政府が全力で側面援護射撃をしてくれる)。潜水艦の豪州国内工場での製造で雇用される豪州人有権者の人数(票)と、畜産品輸出で懐が潤う豪州人有権者の人数(票)とでは、比較にならない。いったい、そうすることでわれわれ日本人にどんなデメリットがあったのだ? 畜産や酪農は、人にも動物にも決してやさしくはない。その「悪」を他国がよろこんで肩代わりしてくれようというのだ。そのおかげで日本の消費者は、信じられないほど安価に畜肉と乳製品を消費できるようになる。貧乏人が貧乏を少しも感じないで済むようになるのだ。しかもこれは日本の食糧安保構造もいささかも悪くさせることはない。これによって幸せになる人の数は、困る人の数千倍に達するだろう。中共だけが面白くなく、他の国はすべて安全が増す。最大多数の最大幸福を実現できるのが、大政治家だろう。

昨日、書泉グランデで『日本転覆テロの怖すぎる手口』を見つけた人は幸運です。

 なにしろ今回は五冊きりしかございませんでしたのでな……。

 次。
 Dave Majumdar 記者による2018-8-11記事「Russia's Next Fighter Might Have a New Way to Shoot Down F-22s and F-35s」。
   フォトニックレーダー(光動作レーダー)とは何か。
 これを最初に試作したのはイタリアの大学研究事業団で、2014年のことだった。米国、中共、ロシアはこの新技術の軍隊での実用化に躍起になっている。

 変わるのは回路である。電気信号の代りに、レーザー光の信号が、回路を流れる。
 光学フィルターと、光学ダイオードが介在する。
 こうすることで、非常な広帯域(高いほうは数十メガヘルツから数百ギガヘルツに達するポテンシャルあり)の中から任意の電波信号を、極く精密に、楽々と作り出してやることができる。
 低周波から超高周波までミックスできるから、ステルス機の存在を曝き出すこともできる。もちろん、回収信号をうまく処理する必要がある。都合のよいことに、光回路は電気回路よりも、処理スピードが高い。また、信号に含まれるノイズが少ない。よって遠距離探知が可能。

 ※さっそく貧乏人のロシアは宣伝を始めた。これは、実物の完成にはほど遠いことを意味する。遥かに先行しているのは米GEである。

 ロシア国営TASS通信の宣伝ニュースによれば、ロシア企業のRTIグループが、このレーダーに挑んでいる。送出される波長はXバンドである。
 この技術が洗練されると、従来よりも遠距離において、対象機の姿を三次元画像として把握することすらできる。高解像度なので。

 モックアップは年内にできる。
 セベラル年後には、小型無人機向きの、超軽量で超小型のレーダーのプロトタイプが完成するであろう、とメーカーは吹かしている。

 中共も、この新技術の情報収集にぬかりはない。すでに専任の研究チームがある。

 そもそもイタリアは、港湾監視用のレーダーに光回路方式を考えたようだ。
 いまの船舶レーダーや、航空管制用のレーダーは、1ギガヘルツから12ギガヘルツの波帯を使っている。もっと高周波にすれば、解像度も上がる。巨大な貨物船が入港するよりもはるか前からその形状を認知できる。小さな舟艇を見逃すこともなくなる。
 ※北アフリカ海岸から小船で密入国を狙うヒューマントラフィッカーへの対策として、洋上監視レーダーの高性能化が必要なのか。ところでカルタゴはどうしてローマに敗れたのか? 地中海の海面レベルでは北風が卓越していて、逆に南風は劣勢である。だから動力船が無かった古代、ヨーロッパ海軍がアフリカの海軍におくれをとる道理は無かったのだ。しかし歴史家でここを解説してくれている人が、いないように見える。欧州人にとっては、それはあまりにもあたりまえだから?

敵の姿が視認できないから、ムダ弾が射耗される。

 ストラテジーペイジの2018-8-10記事。
   中共の民間人事業家がブラックウォーターをモデルにした傭兵警固会社の設立に動いている。もとシールズで、1997に黒水會を立ち上げたエリック・プリンスが招聘されている模様だ。プリンス自身はブラックウォーターの個人所有株を売り払って引退の身。

 じつはブラックウォーターをいちばん重宝して使っているのは外国人ではない。国務省とCIAである。傭兵嫌いのバイアスのかかった欧米マスコミはそこを報じないが、支那人は黒水會のメリットと必要を中立的に見抜いていた。
 プリンスを顧問とすれば、支那版黒水會がうさんくさい反米の工作機関でないことが米政府には筒抜けになる。これも、事業家が狙っているところ。

 新興中共富豪たちが海外のビジネス拠点に出張するとき、身代金目当てに誘拐されたりする危険が増している。彼らはブラックウォーターもしくはそれと同等の護衛組織を雇いたいと、5年前から感じていた。

 治安の悪い地域で米企業がブラックウォーターによってとてもしっかりと安全に守られている様子を、同じ地域に進出している中共企業が、目撃して感銘を受けていたのだ。
 ブラックウォーターの仕事ぶりはとても用意周到で、モデルも完成されている。

 なにしろアフリカやパキスタンの地元の警備機関などでは、シナ人の安全にとって何の役にも立ちはしないと、彼らは切実に痛感させられている。

 中共国内では官僚が何かと邪魔するが、海外でプリンスと組めば速やかにブラックウォーターの支那版コピー企業を育成できる。これは民間事業として政府と無関係に進めねばならない。

 ※「できるシナ人」は、「政府の無い世界」に親近である。日本の左翼より、よっぽどね。

 次。
 CHAD GARLAND 記者による2018-8-10記事「Army’s XM25 program officially goes kaput」。
   米陸軍は、25ミリ擲弾を空中炸裂させる肩射ち式半自動火器「XM25」の開発を投了すると正式に公表した。外野の某試算では、これによって23億ドルもの無駄な予算が使われないで済むという。

 開発受託メーカーはオービタルATK社だが、長年の陸軍との共同開発であったがゆえに、この場合、陸軍の持分であるところの知的財産の扱いが問題となる。その交渉を、陸軍はメーカーとずっと続けてきた。去年の前半から。

 試作品は2010年から2013年にかけてアフガニスタンに持ち込まれてテストされた。しかるに兵隊3人が自爆事故で負傷するという結果におわった。

 あるレンジャー部隊も、この試作兵器を本番の突入作戦に持っていくことをハッキリと拒絶したそうだ。

 最大の短所は、弾倉がやたらと重いくせにたったの36発にすぎず、実戦ではあっというまに空になってしまってシステム全部が役に立たなくなること。これは解決不能な問題なので、外野の専門家たちは2016年に早々と、開発中止を勧告していた。

 ※敵がどこにいるのか、それがアフガンではわからないから、遠間からやたらめったら探り射ちや脅かし射ちをすることになる。敵の位置がしっかりと判明すれば、火器がいくら安物の狙撃銃でも、問題は1発で解決する。だから、火器よりもまず、超小型の偵察ドローンを分隊や個人に持たせる方が優先されるべきなのだ。その次は歩兵銃付属の電子照準器の高性能化に資金を突っ込むことが有益だ。兵隊の命がかかっている歩兵銃サイトが、市販の趣味用の一眼レフ・カメラよりも高倍率ズームのキレが悪いなんてことが、ゆるされて可いわけがあろうか?

 次。
 Greg Torode および Brenda Goh 記者による2018-8-9記事「China's state firms cementing lucrative role in South China Sea, new research shows」。
   フィアリークロス礁にはすでに3000m滑走路×1と兵舎、ミサイル陣地とレーダーが据えられている。工事費用は11億ドルかかったと見積もられる。
 現在南シナ海にて7箇所の砂盛島の工事が進んでいるところだ。

「中性子戦争」時代が来るのか?

 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2018-8-8記事「Detect Nukes In Flight With Electron Beam Technology」。
   アラバマ州のハンツヴィル市で、宇宙とミサイル防衛のシンポジウムが開かれた。
 シンポジウムの主催者はデイヴィッド・マン退役陸軍大将。彼は2016まで宇宙&ミサイル防衛コマンドの司令長官であった。

 物理学者ウィリアム・デントが、中性子発生装置が諸問題を解決するとプレゼンした。
 デントは若い陸軍将校だったとき「セーフガード」ABMシステム(小型核弾頭の空中炸裂による放射線によってソ連のRVを迎撃しようというもの)に関与した。レーガン時代にはSDIに関わった。

 デントは目下、陸軍のために、IEDをはるか手前から発見する技法を研究している。

 米陸軍はすでに中性子放射による地雷探知装置を使っている。中性子は低密度の土壁などは透過するが、高密度の爆弾に衝突すれば、その爆弾材料を放射性に変える。したがってIEDからガンマ線が輻射されるようになるので、センサーで探知ができるという次第。
 ※これは初耳。しかし硝酸アンモニウム爆薬は高密度ではないし、放射性に変わるとは聞いたことがない。容器にドラム缶が使われていればそれはスチールだろうから、放射性化するだろう。しかしプラスチックの容器が使われていたなら? 逆に、舗装のアスファルトや、地中の大きな自然石も、中性子を浴びることでことごとく放射性を帯びてしまうのでは? どうも額面通りに受け取れない。そしてもっと初歩的な疑問。アフガニスタンやイラクで道を歩いている住民や軍属は、知らないうちに米軍車両から中性子線を浴びせられてしまうのか? 装置の操作員や車両のドライバーだって被曝しているはずだし、なんでそれが大問題にならない???

 この現行の中性子式地雷探知機は、対象物が小さくて深いと1m先までしか有効ではないが、浅く埋められた大きな爆弾なら20m以上先から探知ができるという。

 課題は、現行品は、中性子放射が非指向性であること。四方八方に中性子が飛び出す。ゆえに対象物までの距離の2乗に反比例して中性子密度が減少してしまう。

 ところがデントは、帯電しない粒子であるためにレーザーのように指向性は与え難かった中性子を、このたびビーム化することに成功したという。
 ※それが本当ならば、一大技術革命。ノーベル賞にも相当近い。

 この中性子ビームを使えば、キロメーター単位で、探知が可能になるという。
 中性子のスピードは、光の14%である。時速にすると、1億7400万km強。

 中性子ジェネレーターと、照準指向システム、給電装置など一式で、14トン以下の総重量にまとめられる、とデントは言っている。

 これは何を意味するか。とりあえずは車載システムとして地雷探知に使えるわけだが、14トンなら、大型輸送機や、大型人工衛星に搭載することも、不可能ではない。
 そこからは、SDI復活の道も開けるだろう。
  ※トランプは早くからこの報告を受けていたので「宇宙軍」創設に大乗り気なのか?

 敵が発射した弾道核ミサイルの再突入体(RV)の外殻金属、さらにその中味のプルトニウムやウラニウムはかなり密度が高い材料だから、ビームとして飛来した中性子を捕獲して、みずから顕著なガンマ線を輻射するようになるだろう。

 したがってレーダーと中性子ビームを同時に照射してやれば、リアルのRVはガンマ線を輻射し始めるが、メッキされた風船に他ならないデコイは観測可能なガンマ線を輻射しないので、簡単確実に見分けることが可能になる。

 ※この話には盲点がある。たしかにポリバルーン製デコイの時代はこれで終わった。しかし劣化ウラン殻に通常炸薬やダーティボム素材を封入したRVは、どうやって真弾頭と識別できる? ガンマ線の輻射がちょっと弱いというだけでは、それが非核である保証とはならないのだ。つまり「軽い水爆弾頭」と「重い非核弾頭」を、この方式では識別できない。軽量のダーティボムRVならば、やすやすと見逃されかねない。

 高エネルギーの中性子ビームは、シリコンやガリウムにとって有害である。したがってRV内の起爆回路を、ビーム照射だけで破壊できるかもしれない。
 ※この場合も、信管がなくともキッチリと機能を果たすダーティボムRVに対しては、効果がない。

 マイクロ波ビームも、敵RV内チップを破壊できるポテンシャルを有するが、射程は中性子ビームより短い。

 中性子は重く、電荷も帯びず、磁石に影響されず、簡単に励起されて飛び出したりしないが、いったん動きが与えられると、ほとんど止める方法がない。いわば、指穴のないボーリングボールのようなもの。

 デントはいかにして中性子に指向性を与えることができたか。
 まず、中性子は原子から分離できる。粒子加速器を使って、重水素と3重水素を核融合させると、中性子が飛び出す。

 中性子は電磁場に不感症なのだけれども、電子が飛び出すかくっつくかして荷電された原子の方は、電磁的に操縦できる。だから、中性子の親の方を操縦してやればいいのだ。

 質量保存の法則があるので、親原子核のスピンによって、そこから飛び出した中性子のスピンも従わせることができる。

 さいしょに原子を一列に整列させてしまえばいい。そしてその全原子を同じ方向にスピンさせる。さすれば、そこから飛び出してくる中性子の方向は、予測可能になる。

 SDI時代に構想された電荷粒子ビーム砲は、照準こそ楽なのだが、地球の磁力に影響され、大気とも摩擦があるため、粒子がどんどん減速してしまうのだった。それを克服するためには、馬鹿みたいなエネルギー源が必要だった。

 これに比して中性子ビームは、高性能炸薬よりも低密度の物料(たとえば大気)によっては捕えられず、地磁気からも影響されないで直進を続ける。したがって、遠達させるためにエネルギー源を巨大化する必要はない。

 ちなみに、ICBMの核弾頭は、爆発するまでは、バナナと同じくらいのガンマ線しか外に出していない。ゆえにパッシヴ方式で遠くから探知する方法は、なかったのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-9記事。
   シリアで露軍が学んだこと。
 最新型の対戦車ミサイルでも、走行中の車両にヒットさせることは、容易ではない。

 露軍の戦車隊の最近の戦技。「車懸りの陣」。10両の戦車〔つまり中隊か〕が、回転木馬のように円を描いて廻る。そして、敵方から見て、円周の横端に位置した戦車が、敵に発砲する。

 なんでそんなことをするのかというと、全周に対して敵ATM陣地を警戒するためだ。

 このあたりにはもうATMの脅威は無い、とみきわめられた時点で、はじめて、全戦車が、正面の目標(敵車両や歩兵陣地)に集中して交戦する。それまでは、ひたすら側方や後方のATM警戒に精力を割くべきなのだ。

 もし中隊の1両が敵ATMによって擱坐させられたら、全中隊はその1両を円陣の中に取り込んで守る。

 シリア軍に供与されている戦車は、行進間射撃をしても当たらない三流品なので、ゲリラの特攻車両に対して、特別な防禦陣を採用している。

 すなわち土を盛って防弾堤を築城し、その壁の後ろ側に戦車を隠す。ただし戦車砲による反撃ができる「狭間」の切り欠きは設けてある。

 もちろん発砲したらすぐ、その「窓」から離れる。
 ゲリラは、ATMと自爆トラックを併用するようになっている。
 築城だけが、それを無力化できる。

ベネズエラのSPは対ドローン妨害法を知っていた。

 Josh Abbey 記者による2018-8-8記事「Sea Mines in Amphibious Operations」。
      これから流行る機雷。アクティヴ機雷。移動式機雷。スウォーミング機雷。
 機雷輸出国は現在すでに20ヵ国ある。

 ノルマンディ上陸作戦時、制海権があったにもかかわらず連合軍艦船は43隻も敵機雷によって撃沈破されている。

 朝鮮戦争当時、北鮮は、元山港の前に3週間で3000個の磁気機雷を敷設した。
 国連軍はその3000個のうち224個を除去して、上陸用の水路を啓開した。しかしその啓開のため上陸日は5日遅れた。また、4隻が機雷で沈められ、それによる死傷者は200人を超えた。

 元山沖の3000個の機雷原は、国連軍の上陸は阻止できなかったが、残った2700個が国連軍艦船の進入できる海面をその後も局限し続けたため、ビーチヘッドへの補給活動は停滞し、かつまた、艦砲射撃が届く敵陣の範囲も狭められてしまっている。

 機雷のメリットは広範にわたる。ある海面を真剣に掃海し始めたら、その次に何をしたがっているのか、敵にこちらの作戦企図がバレてしまう。

 陽攻をしかけようとすればかなりの掃海部隊を別な海面へ派遣するしかなく、そんなことはとうてい無理なので、敵はやすやすと必要な防衛正面を正確に予測して、そこの海岸の守りだけに集中することができるのだ。

 機雷が、築城や内線機動や部隊撤収のための時間を稼いでくれるのは、防者にとっての大メリットだ。

 これらの機雷は小型でボロボロの漁船によって仕掛けられた。
 巡洋艦『プリンストン』が機雷にやられたのは1991-2-18のこと。他に『トリポリ』も触雷した。

 湾岸戦争でイラクは、1600個の機雷を、アルファウ半島からサウジ国境にかけて敷設した。

 イラクが仕掛けた機雷を掃海するのには4~6日必要だった。作業を開始すれば上陸作戦の予告となるから、これは戦術的にはたいへんな余裕を敵軍に与えてしまう。もし24時間でその掃海を完了させたくば、米海軍が保有する全掃海艇の2倍数の掃海艇が必要だった。

 米海兵隊は、クウェート海岸への敵前上陸作戦を実行すれば、イラクの機雷のせいで3000人から5000人が死傷すると見積もった。
 ※これが事実なら海兵隊はほんとうに要らない。ヘリコプターで陸軍歩兵を輸送した方がよっぽどスピード決着する。

 WWII後、米艦船15隻が触雷している。うち、掃海艦は4隻のみ。

 次。
 Kathy Gilsinan 記者による2018-8-7記事「America Is Not Ready for Exploding Drones」。
   ヴェネズエラの大統領の隣に並んでいたのは、女房と高官たち。

 自爆コプター(じばこぷたあ)は、空中で炸裂したらしい。複数機。

 国家元首を狙った自爆ドローンによるテロとしては、これが世界史初である。

 ISがモスルでドローンを偵察用に飛ばしていると報告されたのが2014夏のことだった。

 2016秋には、イラク北部で、撃墜したISの爆装ドローンを点検していたクルド兵2名が、炸薬の爆発によって死亡した。

 メキシコの麻薬カルテルが、爆発しないようにした手榴弾をドローンに結び付けて地方警察署長の私邸に墜落させ、脅迫した事例もあり。

 2017夏には、ウクライナの弾薬集積所に、爆装ドローンが突入して、(カイル・ミゾカミ記者によれば)数十億ドルの損失が生じたと。

 ヴェネズエラの内務大臣いわく、このたびの2機のドローンは、2ポンドのプラスチック爆弾を抱えていた、と。
 比較すると、米軍の固定翼無人機リーパーは、500ポンド爆弾複数を抱えた状態でほぼ1日滞空できる。

 ヴェネズエラのジバコプターは殺傷力よりも群集パニック喚起力があることを、示した。

 米国カリフォルニア州では、1機の民間ドローンが電線を切ったために2017夏に停電が起き、1000人に迷惑をかけたと。

 また2017-11に、加州でひとりの男がフットボールスタジアム上にドローンで政治ビラを撒いた。もちろん群集上を飛行させることは違法であった。

 NFLの幹部いわく。民間ドローンの厄介なのは、それを操っているのが真正の極悪テロリストなのか、もしくはただの趣味人なのか、判別つけ難いことである、と。

 法令では、ドローンは登録されねばならず、ナンバープレートのようなものも義務付けられている。しかし、それを飛行中に地上から識別することなど不可能である。

 ヴェネズエラの警備当局はあきらかに、ドローンに対して電波ジャミングを試みた。

 しかし米国内法では、違法ドローンを撃墜することが合法ではない。

すでにアマゾンで『日本転覆テロの怖すぎる手口』を注文可能ですぜっ!

 ぜんぜん関係ないのですがわが国では大学の医学部の偏差値が年々高くなる一方なのだという。

 そしてその説明としては、〈親たちが頭のよい息子に、倒産リスク等のない安全なエリート人生を送らせてやりたいと願っているから〉――なのだという。

 オイ、そんなの嘘に極まってるだろ?

 親たちが後期高齢期に達したときに、随時に息子に医療相談をしたり、安価に息子の手による施療をしてもらいたい――と願っているだけじゃろう。
 完全に親の都合ですよ。

 医業の世界も、パワハラ、巻き込まれ型スキャンダル、自業自得スキャンダル、学部長や病院長といった枢要ポストが得られぬ憾み……それこそなんでもアリのはず。
 さすがに失職して路頭には迷わんだろうけれども、カネや事業継承の心配は終生つきまとうだろう。激務からのがれられなくなるコースにはまる率も小さくはない。誰がそれを安楽と言うのか。

 しかし、親はとても安心する。これが最大の功利だ。というか、唯一の功利だ。
 教育勅語が消滅してくれたと思ったら、自然に、『孝経』が復活した。

 次。
 John Watts および Christian Trotti 記者による2018-8-6記事「Stealthier Tanks Are On The Way」。
    グラフェンでシートを造ると、戦車が輻射する赤外線を大幅に抑制できるという。

 さらに動力を内燃機関ではなく電池とすれば、熱線輻射そのものも低減する。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-7記事。
    7月20日の事件。ハマスはイランから供給されたAM-50という12.7ミリ口径の狙撃銃を使って、国境フェンスの向こう側のイスラエル兵を射殺した。

 ガザ地区には2013年後半から、シュタイヤー=マンリッヒャー社製の「HS50」という12.7mmの狙撃銃が持ち込まれていた。しかしそれがイスラエル兵に向けて発射されたことはこれまでなかった。

 イランは2006年に、オーストリーから800梃の「HS50」を輸入していた。
 発注されたのは2004年であった。

 イランは、その武器を、アフガニスタンやパキスタン国境で麻薬密輸を阻止する警備のために使うのだと説明していた。だから武器禁輸されていたイランなのに、買うことができた。

 しかし2007年には、イランからこの「HS50」を供与されたゲリラが複数の米兵を射殺した。

 「HS50」は単発銃だ。弾倉は無い。1発づつ、指で薬室にこめる。銃は重さが12.4kgもある。全長137センチ、銃身長は833ミリである。
 狙えるレンジは1500m。

 これをイランは2013年までにコピーして「AM50」と命名している。
 AM50はバレルが長く、933ミリある。全長も148センチと長いが、全重は逆に軽い。12.2kgだ。

 すぐに、三発入りの弾倉を備えた新型も登場した。
 最新の「HS50 M1」だと、5発マガジンである。
 有効射程は1200mと謳われている。

 このクラスの狙撃銃になると、品質管理された弾薬と精巧な照準器を用いるかどうかで、有効射程はガラリと変わってしまう。低廉な自家製弾薬と原始的な照準器でも1200mまで狙えるという意味だ。

 イランに狙撃銃を売ったオーストリーのメーカーは米国から制裁を受けたものだから、あわてて、イランへ売った全製品のシリアル番号を米政府に教えている。ちなみに中共の6社もイランへ武器を売った咎により米国から制裁を喰らっており、米国内で商品を売ることができない。

 HS50がイランに売られたときの単価は6000ドル強だった。闇市場では、その2倍以上で取引されている。

北海道の夏が、もう終わっちまった……。

 こう凉しくっちゃよぅ……と、かこちたくなる、昨日今日の陽気……。
 ある年の夏ピーク(7月末~8月初)がいくら暑く感じられても、その年末からの冬シーズンが緩和されるとは限らないことを、この地方の住民なら知っている。
 それどころか、むしろ、今まで以上の過酷な厳冬が来ることを、もうすでに敏感に予想しているのである。

 おそらく長期的には、日本列島は、極熱地と、非極熱地に分かれる。
 温暖化と寒冷化が、同時に日本を襲う。北海道は寒冷化にさらされる。
 それにともない、日本市場で販売される自動車の断熱仕様を、これまでとはすっかり変えなくてはなるまい。

 非極熱地仕様の自動車は、やはり北海道で製造するのが合理的である。北海道からならば、最短航路でカナダへも輸出できるから。

 そのように工場を二地域で思い切って分離するなら、断熱仕様だけでなくて、基本レイアウトも、根本から寒地向きにしてしまえる。

 極寒地用には、ミッドシップエンジンが、具合がよくなるかもしれない。
 エンジン停止後の熱量をすこしでも多く、長く、保存利用できるとすれば、ガス欠で凍死する人だって、減るだろう。
 また早朝の始動も、いささか安心かもしれぬ。

 次。
 Vanya Eftimova Bellinger 記者による2018-8-6記事「Clausewitz’s Library: Strategy, Politics, and Poetry」。
     クラウゼヴィッツと出身地を同じくする例の研究家女史がまたも大発掘。ポツダムの公文書館にマリーの遺言状があった。そこには、夫妻の遺産である蔵書の総目録も付属していた。

 1831のクラウゼヴィッツの病死に続き、マリーも子無しにて1836に没したことから、役所としては細密な資産目録を作る必要があったのだ。

 1836時点での夫妻の蔵書は380冊であった。
 すでに、その蔵書リストの英語版が、ネット上に公開されている。

 まず驚くのが、蔵書の数の少なさだろう。たったの380冊なんてありえるか?

 たとえばマリーの実父はドイツの一小邦の首相だったが、その蔵書は6万2000冊あった。
 また、裕福であったジョージ・ワシントンの死亡時の蔵書は1200冊強。マウントヴァーノンに現在までも実物が保存されている。

 まちがいなくマリー未亡人は、亡夫の知友に亡夫の蔵書の大部分をプレゼントしてしまったのだ。それが当時の慣行である。

 ピーター・パレットは示唆する。1818から1830までクラウゼヴィッツは陸軍大学校〔クリーグスアカデミー。直訳すると「戦争アカデミー」〕の校長であった。その付属図書館は欧州最大級の軍事蔵書量を誇っていたのだから、私物として所有する必要はなかったんじゃないかと。

 1815にクラウゼヴィッツは夫人に手紙を書いており、その中で、ヴァンデ叛乱についてのロシュジャクランによる回顧録の読後印象を語っていた。しかしその書名は、このたび発掘された遺品リスト中には見えない。

 このような例を幾つも挙げることができる。
 図書館や友人から借りて読んだのだとすれば、それらを所有していないことの説明になるだろう。

 ジョミニの著作が1冊も目録に含まれていないのも不審である。

 リストにはこんなものが含まれていた。
 ヴォーバンの築城書。
 モンテクコリの回顧録。
 ドゥサクスの研究。
 カルノーの工兵教範。
 師匠であったシャルンホルストが書いた野外令/統帥綱領。

 クリーグスアカデミーは科学と数学に力を入れている軍学校だった。ゆえにクラウゼヴィッツの個人蔵書遺品にも、数学、地学、物理学、天文学のタイトル多し。

 フムボルトの2冊の本あり。
 鉱物学、火砲の射表の較正、化学、地図作製学、複数の植物学の本。

 電磁学についての1821年のパウル・エルマンの論文は、おそらく、激情と機会と理性が戦争の性格を形作る三つの磁石だというクラウゼヴィッツ流メタファーに貢献した書物のひとつなのだろう。

 オスマントルコの探訪記、コサック史、クリミアの地理、アフリカの地理、西インドと東インドの植民地化史、ペルシャ諸王紀などもあり。

 1805刊の『手紙の書き方』は、マリーの所属階層に自己を合わせようとした若いクラウゼヴィッツ大尉の必死の努力を窺わせる。

 国家学、政治学、国際法と国内法、外交についての文献は1815以後に蒐集していることが分かる。
 商業、経済、税金の本もある。

 クラウゼヴィッツは1818年時点では『戦争論』をモンテスキューに倣ってまとめようと想っていた。

 蔵書には、全12巻からなるフランス哲学者全集が含まれている。
  ※ルソーの単行本は早々と処分していたはずだ。しかし全集の形状ならば、持っていても変に疑われない。

 フィヒテの本は2冊。
 エラスムス集もあり。

 ゲーテとシラーの文学作品が数冊。夫妻の好みが分かる。
 380冊のうち100冊が文芸書なのだ。

 ホメロス、ヘシオドス、シェークスピア、バイロン、トマス・モア、ノヴァリス。ヘルダーによる文学史叢書全32冊。

 クラウゼヴィッツはスイスで詩人のシュレーゲルらにも会って話を聞いている。

 英語で書かれている本もかなりある。それらはマリー夫人が購入したものに違いない。夫人の実母が英国外交官の娘であった関係で。
 ベルリンでマリーは、将来の米大統領となるジョン・クインシー・アダムズおよびその妻ルイザとも知り合いだった。

 マリーは個人的にバイロン卿の詩を愛好。またバイロンの影響でギリシャ独立運動も支持した。

 刊年からして、夫の死後に夫人が買ったらしい書籍も含まれている。ほとんどはシラーなどの文学系。

 夫妻は敬虔なキリスト教徒らしくはなかったのに、多くの宗教書もある。
 1820年代にプロイセンには敬虔運動が流行し、夫妻の友人たちの多くがそれにハマっていた。

 あるいは夫人が亭主の急死後に慰安を模索したのかもしれない。

 シュライエルマッヒャー、マルチン・ルターなどの宗教書は、クラウゼヴィッツが戦争と倫理の関係を考究しようとしていたことの証拠なのか?

 料理の本もなぜか1冊あった。
 しかしマリーは生涯、じぶんで料理したことはないはずである。
 この料理本は、誰かが夫妻にプレゼントしたのかもしれない。

低温ゆえ腐葉土化してない地中堆積層の潜行的な延焼は、消火しようがない筈。

 Kyle Mizokami 記者による2018-7-26記事「Sweden Dropped a Laser-Guided Bomb on a Forest Fire」。
   スウェーデン空軍は2機のグリペンからGBU-49 レーザー誘導爆弾を投下することによって森林火災を消そようと試みた。クリスマスケーキの蝋燭を吹き消すのと同じ効果を期待した。

 スウェーデンの山火事は2週間燃え続けていて、アルヴダレン地区に近づいた。そこは陸上から消防隊の近づき難い僻地にあり、かつまた、古くからの射爆場である。不発弾を踏む恐れがあるから、もしアクセス容易であっても、消防士など投入させてよい場所ではない。

 グリペン戦闘機は、高度9800フィートから、1発の誘導爆弾を投下。着弾点から半径100ヤードの炎は、吹き消されるという。

 GBU-49は、500ポンド爆弾である。誘導は、レーザーにもGPSにも切換が随意。
 レーザーは煙に弱い。GPSは敵のジャミングに弱い。レーザーは移動目標を執拗に最後まで精密に追える。GPSは爆弾をリリースしたら母機はすぐ空域から離脱していい。それぞれ一長一短あるので。

 ※どう考えても戦闘機から高額な誘導爆弾を落とさねばならぬ必然性は無く、また、たかだか500ポンド×2発で山火事が消えたはずもない。ただの通常の射爆訓練を「消火」と称してみただけなのであろう。しかしそれを大真面目に報道させている当局は、いったい何を考えているのか。もともとスウェーデン人にも部分的にイカレたところがある。暑さでそれが発現するのか。

 1935年のこと。ジョージ・S・パットン将軍が、ハワイのマウナロア火山の溶岩噴出を止めようと、同火口を爆撃させたことがあったという。たぶん失敗しただろうが。

 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-5記事。
  エストニア人はフィンランド人の同類で、言語も近親。エストニアは、スラブ人の国々の中に浮かぶ孤立圏なのである。
 20世紀初めに、フィンランドとエストニアは合邦したらよいのではないかと話し合われたこともあった。が、バルト海によって分断されている地勢のために、まとまらなかった。

 首都のタリンに総人口の半分が暮らす。
 タリンとヘルシンキの間の距離は87kmである。
 エストニア人はタリンの放棄はできない。だから同市を「バルト海のスターリングラード」として徹底抗戦するつもりだ。
 露軍の軍事雑誌には、そのようにして要塞化された敵国都市をいかにして征服したらいいかという研究文がすでに寄稿され出している。
 彼らも、未来戦は市街戦だという認識なのだ。

12式地対艦ミサイルのコンテナ1個を、手押し式の「台車」×2台に載せることはできるか? ……できる。

 先島群島で必要としている装備は、それだ。
 手押し台車は、完全人力のみでの陣地進入を可能にするものだが、もし山を越えて何kmも移動したいときには、小型ジープやオートバイでゆっくりとロープ牽引したっていいだろう。

 ミサイル本体1発が700kgということは、旧軍の1式機動47mm対戦車砲の800kgより軽い。今日ではノーパンクタイヤもベアリングも進歩した。四一式山砲580kgを分解して臂力でオーエンスタンレー山脈やアラカン山系を越えたことを想えば何でもない。

 12式ミサイルのコンテナ1個と手押し式台車、さらに発動発電機や通信機や必要人員とをぜんぶあわせても2トン弱というところだろう。もっといろいろ欲張っても3トンで収まる。
 すなわちチヌーク×数機が1往復するだけで、コンテナ4本と管制システム一式を離島へ急速に送り込める。
 それがもし隣接した島嶼間の移転であったならば、CH-47ではなくUH-60を飛ばしても可能なわけだ。

 台車にはエレクターがつかないから、発射するためには土工によって生地に「斜堤と壕」を適宜に築城せねばならない。これは兵隊を先行させて掘開させる。もちろんバラクーダを展張したその下でだ。そこに追及してきた手押し台車が陣地進入し、放列布置する。

 この「手押し式台車」を部隊において工夫してみるのに、経費は数万円で足りるはずだ。
 砲兵精神を発揮し、すぐにやるべし!

 次。
 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2018-8-2記事「Army, NASA Want Laser Micro-Satellites For 50 Times The Bandwidth」。
  米陸軍は、地上部隊と衛星との間の通信をレーザー化することで、ロシア軍や中共軍の執拗な通信妨害を確実に回避したい。
 これを、こんどはNASAと協働で、マイクロサットを使って実現する。

 げんざい、米陸軍の旅団司令部は、実戦想定の演習において、毎秒2メガビットの衛星リンクを頼りにしている。旅団は4000人からなる。
 かたや、市販のスマホは、毎秒70メガビットをやりとりできる。
 いかに衛星通信というものが苦しいかがわかるだろう。

 そこで、レーザーですよ。

 NASAは、光学通信およびセンサーのデモンストレーション「OCSD」を実施する。LEOをペアで周回させる「AeroCube-7B」および「AeroCube-7C」(どちらもきっかり5ポンドの軽さ)。そこから発射されたレーザービームを、地表において受光する。

 比較してみよう。かつてのペンタゴン主導のTサット計画。
 たった5機の通信衛星に260億ドルかけようというイカレたものだった。2010年の中止時点で15億ドルが消えていた。

 あらためて提案されているキューブサットは、レーザービームの向きを調節する可変反射鏡を搭載しない。

 そのかわりに、衛星そのものが体位を変える。精密な天測によって、「四十分の一」度の精度で、地表の一点に一面を正対させるのである。今までの最も精密な通信・放送衛星でも、この照準角度の精度は1度であった。1度では、地上部隊の可搬式アンテナとレーザー光によって通信を維持することは不可能であった。

 姿勢制御は、旧来のロケット燃料を燃やす方式ではない。そのかわりに、少量の水をスプレーし、その反動を利用する。

 この実験、宇宙から地上に対し、レーザーでば毎秒100メガビットを送信する。
 これは、同サイズのキューブサットが電波を用いた場合の50倍のビット量。電波通信では、せいぜい2メガビット/秒なのだ。

 NASAの専門家は言う。軌道高度を調節するシステムを改善すれば、このバンドワイドスは2.5ギガビット/秒かそれ以上までも向上するであろう、と。
 ちなみにT-SAT計画では、5機でトータル28.5ギガビット/秒を狙っていた。

 もっかのところ、キューブサットは、衛星同士での通信はしない予定。これはT-SATとの大きな違い。

まさかLRDR導入により、日本版の対支GBI/GMDでも考えているのか……。

 Tyler Rogoway 記者による2018-8-1記事「Navy's Old Harpoon Anti-Ship Missile To Get New Tricks After Scoring Six For Six At RIMPAC」。
    SINKEX2018では2隻の廃艦がターゲットに供された。1隻は『ラシン』。もう1隻は『USS McKlusky』である。
 リムパック2018では総計6発のハープーンが発射された。そのうちの何本かが、上記2隻に向けられた。

 発射プラットフォームは、米海軍のP-8、豪州軍のP-8、シンガポールのフリゲート『RSS Tenacious』、そして米海軍のロサンゼルス級SSN『オリンピア』であった。

 洋上の『テナシアス』からは7-21に2本、発射されたようである。

 『オリンピア(SSN717)』からの7-27の水中発射は特に注目された。というのも米SSNは過去20年以上も、ハープーンを発射したことがなかったのだ。

 今日、ハープーンのユーザーは30ヵ国強。
 そして、40年選手であるハープーンの最新型は「ブロック2+」。特に、入り組んだ沿岸域で運用しやすくしてある。飛翔中に双方向通信が確保されるのだ。 ※しかし双方向通信は潜水艦向きじゃないよね。

 また、雨に強くなった。※いままでは弱かったってこと? 船がスコールに突っ込んだら、かわせたのか?

 これまでのハープーンの総生産数は8000本に近い。

 以下、米海軍ニュースのインタビュー記事にて太平洋艦隊の潜水艦隊司令のコードル中将が語ったこと。

 潜水艦からハープーンを発射する訓練ができる海域はカウアイ島沖。

 計画では空軍のLRASMの次にオリンピアがハープーンを放つ予定だったが、空軍側で不調が生じたために、オリンピアが先に発射することになった。

 また、Mk48魚雷は別の廃艦に対して発射される計画だったが、いろいろ変更があり、やはり同じ日に同じ標的に対して『オリンピア』から魚雷も射つことになった。

 魚雷はクロース・レンジで射つ手筈ゆえ、ハープーンより射点が縮まる。ゆえに、移動してから射った。
 魚雷の方には実用頭部が付いていた。『ラシン』のキールは折れ、2時間後に水没した。

 LRASMも1発発射されたという事実は、このインタビュー中にとつぜん、明かされた。

 米海軍としては、ふたたびハープーンをSSNに搭載するかどうか決めねばならぬ。 ※これまでは搭載してない?

 ハープーンの射程は今は80海里=148kmだが、ボーイング社はその射程を2倍に延ばすER型も開発中である。

 これは弾頭重量を現行の500ポンド〔226kg〕から300ポンド〔136kg〕に削減することで、燃料を増やして実現する。

 米陸軍は、地対艦ミサイルとして何を買うか、まだ決めていない。ハープーンのブロック2+ERは、買い物候補のひとつだ。
 ※逆に「12式」を日本から米陸軍に対して売り込めるかもしれないわけなのか。ハワイではそのデモをやってしまったのか。グレイ・イーグルとのリンクは完璧だったようだしな……。

真の友人あらわる。

  Dan Leaf 記者による2018-7-30記事「Japan’s risky Aegis Ashore radar choice」。
       日本が地ージス用にLRDR(Long Range Discrimination Radar)を選んだのは、リスキーな大博打だ。

 米国は海外でLRDRを使う気はない。あくまで従来のAN/SPY-6レーダーのの改善だけを続ける。ルーマニアやポーランドもこれだ。
 唯一、米本土外で、日本だけが、ABMシステムとしてのインテグレーションが取れるかどうか、その証明も実験もされていない開発中の新奇レーダーを採用しようというのだ。それでABMになるのか? 何を考えているのか?

 LRDRは、完成そのものが遅れるだろう。そのあとでBMDとのインテグレーションに入る。いったい何年かかるかわからない。2023年のシステム運開など、間に合うわけはない。
 これは何を意味するか。かなりの長期にわたり、日本は地ージスを対北鮮の「圧力」としては少しも役立たせ得ないことを意味するのだ。

 米海軍は30隻以上のイージス艦を持っている。そのレーダーも AMDR AN/SPY-6 になる。LRDR になんかならぬのである。つまり日本だけが米同盟国の共通システムからは外れてしまうことになる。

 SPY-6は、何十年もの実績があるSPY-1の発展型である。だから信頼できる。ところがLRDRには、先行するシステムも実績も何も無い。カタログスペックだけがあり、それが実用的なのかどうかは、誰も知らないのだ。

 BMDの新システムを実戦で使えるようにするには、無数の迎撃テストを繰り返すステップが不可欠である。それには天文学的なカネがかかる。そのカネは誰が負担するのか? もちろん、その実験だけで、時間が何年もかかってしまう。今そこにある脅威には、すこしも対処し得ないお荷物が、なぜ日本政府の選択なのか?

 ABMを実戦本番で失敗するということは致命的なのだ。だからどこの国でも、実力が証明済みの、長年頼られてきたシステムだけに頼る。日本は何を考えているのか?

 ロイター報によると日本政府がLRDRを選んだ理由は、ライフサイクルコストが最も安くなるからであるという。耳を疑う説明だ。

 これから完成させる武器システムのトータルコストをどうして日本政府は予言ができるのか? ABMの新システムなら、開発予算も調達予算も天文学的に膨れ上がるというのが、既往からの常識ではないか。まして買い手は日本しかないのだ。

 日本は考え直した方がいいだろう。

 LRDRは米本土防衛のために設計されているものなので、日本の地ージス用にはほとんどふさわしくないのである。

 記者は元空軍中将でパコムの副司令官だった。出身は戦闘機パイロット。

 ※日本国家にとって真の友人とはこういう米軍人のことだろう。降って湧いたこのLRDR構想は、ごく簡単にいうと、カナダに置かれているDEWL(遠隔早期警戒線)の日本版だと思う。非常にカネもかかるので、それを日本で負担してくれと外務省が要求されたんだろう。「北鮮は無力化するから地ージスそのものが無用。だったら巨大レーダーを置け」と言われたんだろう。またも「赤紙」だ。DEWLの刷新構想について知りたい者は、Vivienne Machi記者による2018-7-27記事「United States, Canada Studying Options to Replace Arctic Early Warning Radars」があるからそれを読め。俺は本日は暑くなる前に『すずかぜ』の見学に(一無名人として)行きたいゆえ、こんなもの抄訳している暇は無いのだわ。ともかく、米本土防衛のために、日本領土に最強レーダーを置かせろ、という話に変わっちまった。あくまで米国が、中共や北鮮発のICBM/SLBMを最前縁(日本列島)で見張りたいというだけなので、それならば経ヶ岬と車力のXバンドレーダーを置き換えたらいいだけの話のようにも思う。時間がないので良いアイディアを述べる。『こんごう』のような古目のイージス艦のCICと上構を切り取り、それを道南の狩場山のような僻地の国有林上に据えれば、北方の地ージスは一丁あがりだろう。西日本は呉のイージス艦でカバーができるからぜんぜん急がなくてもいい。これまた古いイージス艦を「バージ」に改修して、軍艦ではなく「浮体」です――ということにしちまえばいいだけ。それで海自のフネの定数にも影響が及ばない。とりあえずロシアが地ージスを厭がっているという朗報があるから、北方だけは絶対に進めるべきだ。

函館湾内にも冬に海面結氷する一角があると初めて承知した。某タンク前。

 Doug Livermore 記者による記事「Lessons of Covert Action in Tibet (1950-1972)」。
     1950年から72年にかけ、CIA、米国務省、国防総省は、隠密裡にチベットの抵抗運動を支援した。

 CIAはSADという工作チームを実際にチベットへ送り込んだ。レジスタンスを支援するため。

 SADは見込みのある闘士を選別し、こっそりとサイパン島やコロラド州のキャンプヘイルへ連れ出して、そこで、爆破、秘密通信技法などのゲリラ・スキルを付与した。

 また、ネパールとインド領内からもSADが後援するチベット人ゲリラを作戦させ、中共軍によるチベット人虐殺と、さらなる南アジア方面への侵略を牽制している。

 このCIAの作戦を1972に中止させたのはニクソンである。ニクソンは中共との関係を改善しようとした。

 このCIA作戦は、トータルでは収穫があった。
 特にコミュニズムのインド浸透を防いだことだ。

 中共軍の戦争資源を消耗させ、シナ人に力の限度を思い知らせ、占領域の拡張を許さなかった。
 CIAがチベットを泥沼化させてやったおかげで、他の諸国は中共からの侵略を免れたのだ。

 1959のCIAの試算では、中共軍はチベット戡定のために6万人の兵隊と、連日256トンの物資補給を吸引されつつある。

 1959のダライラマ一党のインド亡命は、CIAが手引きしてやった。
 毛沢東は1949から50にかけてソ連に長期滞留し、アジア解放のリーダーは俺だということを認めさせていた。

 CIAは、年にたったの170万ドルのコストで偉業を成し遂げたりと、自画自賛している。

 ダライラマは1972のニクソンによる支援打ち切りについて1998のインタビューでさまざま不平を述べている。
 ※もしダライラマ一派に戦闘精神があれば、朝鮮戦争中にトルーマンから有力な「反支解放軍」に仕立ててもらって、朝鮮戦争の第二戦線がチベット内にできあがり、武装独立もできたはずである。何年経っても戦闘精神がなく他力本願だから、米政府からは見切られた。自業自得の因果応報耳。

 1953にイランのモサデク政権を転覆させたのもSAD。1954のグァテマラ政変もSAD。

 次。
 Richard Sokolsky 記者による2018-7-31記事「A Road Map for Demilitarizing North Korea」。
       国務省の2016統計によれば、北鮮は2005年から2015年のあいだ、平均して、1年に37億ドルを軍事費として支出した。それはGDPの23%にも相当している。

 北鮮には180の武器工場がある。うち40は大砲の工場。10はAFV。10は海軍艦艇工廠。50は弾薬工場である。

 民需用である115の工場も、軍需品生産に貢献している。

 過去に北鮮は、2箇所の軍用飛行場を民用に転換させた。元山にあるカルマ飛行場とサムジヨン飛行場。同地の観光開発のためであった。