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防災ジャンプ

 Garrett Reim 記者による2019-6-4記事「Jordan military tries to sell off ‘knock-off’ Chinese drones」。
     ヨルダン王国の陸軍と空軍が、まとまった数の手持ちの航空機を売却したいとネットで表明。
 そのなかには、輸入してまだ間もない、中共CASC社製の CH-4B 無人機〔プレデターもどき〕が6機、含まれている。

 7月1日まで買い手の入札を募るという。

 同時に出品されたのは、エアバスC-295輸送機×2機、CN-235輸送機×2機、C-130B輸送機×1機、BAEシステムズのホークジェット練習機×12機、MD530軽ヘリコプター×6機。

 このヘリコプターは平均31年も飛んでいる古物のはずである。

 かたや無人機の方は2年前に買ったばかりで新しい。しかし2018-11にヨルダン空軍はメディアのインタビューに答え、その性能が不満であるので早くも解役を検討していると語っていた。

 米国がMTCR規制を厳密に適用するため、プレデターやリーパーは、すでにミサイル技術を有している国に対してしか輸出ができない。だから中東諸国はパチモンのシナ製にでも手を出すしかないのである。

 ※モチノキは東北中部より南でしか植栽できないと図鑑にはあるが、近所の川縁の陽当たりの良い場所にモチノキの雌木としか思えない古木が約7mの高さに聳えていて、毎年ヒヨドリの天国になっている。この時期に北海道で枝じゅうに赤実が観察されるような植物は天然では無いはずなので、たぶん内地から移入して植えられたものだろう。また、近辺に同類の樹木が見当たらぬことは、大きくなった成木は越冬できても、実生の幼苗は越冬できないことを示唆しているように思う。

タイヤ カツ

 Paul McLeary 記者による2019-6-14記事「Houthis Say US Reaper Drone Shot Down, Release Video, Pics」。
       2隻のタンカーが襲撃された翌日、イエメンのフーシは、紅海でSAMによってMQ-9 リーパーを撃墜したと発表。ビデオ映像付きである。

 ペルシャ湾の『コクカカレジアス』を護衛するため駆逐艦の『ベインブリッジ』と『メイソン』が向かいつつあり。

 いっぽう、ノルウェーのタンカー『Front Altair』の方は、イランの砲艇に囲まれている。

 ※イランはS-400も有しているが、さすがにイエメンへ密輸出はできまい。

 次。
 Anthony Cordesman 記者による2019-6-14記事「Has Iran chosen hybrid warfare?」
      ペルシャ湾からは、世界の3割の石油と、世界の3割の液化天然ガスが積み出されている。

 イランはタンカー航路の海底に機雷を敷設することもできる。

 ※オマーン湾沖がずいぶん深いのだとすると、オマーンにだけ出入りするタンカーには沈底機雷は利かないことになる。だから代わりに磁石爆弾を仕掛けて(あるいは「砲撃」も加えて)、GCCの誰も海運安全の聖域ではないんだということを強調したかったのか? しかし地図を見ると、アラビア海に出るまでは、ホルムズ海峡東海面はまだまだ浅いようなのだが……。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-6-14記事。
    米国が公開した、不発爆弾をタンカー舷側から剥がして持ち去るイラン小型ボートの映像。これは夜間に撮影された。

 イラン国内の政情は2017から反シーア特権デモが常態化し、不安定。

 ※イスラム教の一大特徴は、聖職者が婚姻して子孫を増やし、その子孫を教会監督とすることで堂々と《世襲の富豪一族》になりおおせること。教会を私的な蓄財手段にすることがおおっぴらに可能なのである。教会は税金も払わなくてよい。鎌倉時代以前の日本で奈良や叡山が憎しみを買ったのと似た構造。石油収入が社会に均霑されているうちは、庶民は特権には目をつぶる。不況と経済制裁に直面すると、庶民は特権を許せなくなる。寺院は特権を防衛するために僧兵を養う。これがイラン革命防衛隊。武闘を経ずして彼らが特権を放棄することはない。

船の水線上に吸着させる爆薬は、ただの「磁石爆弾」にすぎない。ありふれたテロ道具ではないか!

 自動車に乗ったイランの核技師を爆殺するために、イスラエルの工作機関員が、通勤途上で信号待ち中の乗用車に後ろからオートバイで近づいてさりげなく貼り付ける、短時限爆弾。そのタイプの大型版に過ぎぬとは、恐れ入った話だ。あれのどこが「リムペット」じゃ? 米軍の道路破壊用の成形炸薬に永久磁石をとりつけたというレベルだ。地場のテログループが、特攻自爆ボートで死ぬ若者をリクルートできなくなったのが背景なのか?

 しかし今回の事件は、テロ勢力に新ヒントを与えた。
 標的とする艦船に小型ボートで近づき、船体の中央部よりも前よりの、水線上に「改良型電磁石爆雷」を貼り付ける。10分以内に電磁石の電源電池が切れて爆雷は水中へ落下。水圧センサーにより、深度7~10mまで沈んだところで轟爆する。水圧の力も加勢してくれるので、水線上の密着爆発よりも、標的艦船に与えるダメージは大きくなる。成形炸薬でなくとも、大型タンカーの船底の外板には破孔が開き、多重区画のおかげで油漏れこそしないが、航海は続行し得なくなり、長期のドライドック入りを要する修理の費用と逸失利益は巨額に……。つまり海運会社と荷主と保険会社にとっては、とても痛い。
 「磁石爆弾」と違い、必ず水中に落下する仕組みだから、万一不発におわっても、物証が米軍に確保され難い。
 かつまた、IED対策用の「妨害電波」も、この仕組みならば、無効であろう。
 船員が、舷側にこいつが貼り付けられているのを発見しても、竿でつついて落としてやるわけにはいかない。なぜなら落水後の水圧が起爆の引き金になるからだ。爆発前でも、急いで船から総員退去する他にない。したがって、二、三度、ホンモノが使われた後では、《フェイク爆雷》も流行する。

 西側各国の「消防艇」には、これから新工夫が必要になる。未発の磁石爆弾(または電磁石爆雷)をケミカルタンカーの舷側からこそげ落としてやるための「ウォータージェット」だ。鉄板も切断できるやつだ。
 消防艇から長いホースでつないだ、小型の無人水上ロボット船を、対象船の舷側まで派出し、ロボット船に装備された噴射ノズルを本艇から遠隔操作して、細い強力な水流を下から接着面に当て、剥がし落とす。
 舷側下には「浮き」のついた網を張り、落下した爆発物をキャッチする準備をしておくことは、無論だ。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-6-14記事。
    フーシがサウジのアブハ空港に向けて5機の爆発物搭載のUAVを放ったが、すべて撃墜された。

 イエメンでゲリラが放っているミサイルやUAVはイラン製であると、国連も認めている。

 イランは5月からタンカーの運航妨害を開始した。

 5月15日にペルシャ湾で4隻のタンカーが小被害を受けた。これは、訓練用の魚雷を使って、敢えて大破をさせないように狙った可能性が考えられている。

 6-13の2隻は、爆発が起きたのが、ペルシャ湾のすぐ外。オマーン湾。
 オマーン湾は急に海が深くなるので、海中に沈んだものは証拠として拾われ難い。

 これがペルシャ湾内だと、水深が浅いので、UUVで海底を捜索させれば、大抵の物証は見つけ得る。魚雷なのか機雷なのか等。

 イランの動機。
 イランの宗教独裁政権は国民から不人気なので、米国やアラブ湾岸諸国政府との間の国際緊張を起こすことで、自国内世論をひとまとめにしたいと念じている。
 世界があまり平和だと、民衆によってイラン政府は打倒されてしまう。それが困る。

 米国の経済制裁のおかげでイランは原油を輸出しにくい。ペルシャ湾でタンカーが攻撃されると、この海域に入るすべての商船の保険料が値上がりする。しかし貿易がとっくに縮小してしまったイランには、それによるダメージは少ないのだ。

 6月12日のフーシによるアブハ空港(サウジアラビア南西部)攻撃は、建物を直撃しているので、弾道ミサイルではなく、巡航ミサイルを使ったことが確実である。複数発が命中した。
 入院した人8人。その場で手当てを受けた人18人。
 穴の空いた天井は、すぐに塞がれたという。

 シーア派ゲリラが巡航ミサイルを用いたのはそれが初めてではない。2017-12に、UAE内の原発建設工事現場に、巡航ミサイルが着弾している。

 しかしUAEはその攻撃事態が無かったことにしたいようだ。厳しく報道規制されて、ニュースにはならなかった。

 2017-12-3に、複数発射された巡航ミサイルの1発が、途中の砂漠に落下している。その1発は、UAEまで届かなかったのだ。

 フーシが手にしている巡航ミサイルとは、旧ソ連のKH-55空中発射巡航ミサイルを、冷戦後にイランがコピーした製品である。

 イランは2001年以降、ウクライナからこれを調達できた。そして2005年までにリバースエンジリアリングして、地上発射型の巡航ミサイル「ソウマー」を国産した。
 2000km飛ぶと宣伝されたものである。

 2019年にイランは、「ソウマー」のアップグレード型として、さらに信頼性を高めた「ホヴェイゼー」巡航ミサイルを完成する。レンジは1300kmだという。

 オリジナルのKH-55は、全重1.6トン、長さ6m、径514ミリ。小型のジェットエンジン付き。要するに米国製トマホークをソ連が模倣したシロモノ。1981年から製造された。

 イランからイエメンに武器を届けるとき、3トン以上ある弾道ミサイルは船に隠し難いが、このサイズの巡航ミサイルなら、どこにでも隠せる。もちろん、バラバラにして輸送するのである。

 シリアの内戦でも、イラン製巡航ミサイルは使われている。
 アブハ空港での破片残骸を集めて解析すれば、その製造元は判明するだろう。

 6-9にもフーシは無人特攻自爆UAV×2機を、サウジのジザン空港へ向けて放ったが、いずれも探知され撃墜された。

 5-14、フーシは複数の爆装UAVを使い、紅海の石油積み出し施設に通ずるパイプラインのポンプ・ステーション2箇所に突っ込ませた。炸薬量が少なかったのでほぼ損害がなく、石油輸出は阻害されなかった。

 ※サウジと米国を挑発したくてイランは必死、というところか。

吸着機雷の不発弾が物証として押さえられた。これでイランと戦争だ。

 JON GAMBRELL 記者による2019-6-13記事。
 この報道の段階では、2隻のタンカーがどんな兵器によって攻撃されたのか、不明。

 5月に米国は、イランが吸着機雷を使って4隻のオイルタンカーをUAEのフジャイラ港沖で攻撃したと非難していた。

 イラン外相は、もちろん木曜日のタンカー攻撃への関与を否定し、このタイミングが疑わしいと言った。日本の首相がイランの最高アヤトラとテヘランで面談したのが同じ日なのである。

 1987年から88年まで、イランとイラクは「タンカー戦争」を続けた。そのさいイランは機雷を撒いている。米海軍はその折、危険海域でタンカーのエスコートを実施した。

 一報に反応し、原油市場価格のベンチマークである「ブレント」は4%、値が上がった。※ここひと月ほど、ペルシャ湾で「米 vs.イラン」の戦争が始まるのではないかと懸念されていたので。

 攻撃は現地の「夜明け」の時刻に起きた。イラン南岸からは25マイル離れている。

 ※吸着機雷は、破壊対象艦船が港湾に停泊中に、フロッグマンによって吃水線下に仕掛けるものである。タンカーが動き出すと水流によってミニプロペラが回って安全装置が解除され、港を出たはるか後で轟爆する。したがって爆発原因が何なのか、すぐにはわからないのである。犯人も特定し難くなる。しかし一般に、炸薬量は、フロッグマンがなんとかできる重さにすぎないので、大型タンカーを撃沈するほどの力は無い。とはいえ今回、1隻に複数個を吸着させていることがハッキリした。数が多くなれば、最悪、沈没もあり得る。

 1隻はノルウェーのタンカー『Altair』で、UAEからナフサを積み取って台湾へ向けて航海中。

 この船から救難要請無線が発せられた直後、こんどはサウジとカタールからメタノールを積み取ってシンガポールへ向かって航海中の日本の『国華カレジアス』からも救難要請無線が。

 米第五艦隊の駆逐艦『ベインブリッジ』が現場に向かっている。

 ノルウェー・タンカーを運航している会社「フロントライン」によると、タンカーの乗組員は、ロシア人、フィリピン人、ジョージア人など23人。全員、付近にいた『ヒュンダイ・ドゥバイ』という船に移乗した。

 『コクカ』の運航会社であるBSMシップマネジメント社によると、乗っていた21人のフィリピン人たちは全員、『べインブリッジ』に移乗した。

 ところがイラン国営テレビは米セントラルコマンドがそれを発表するより先に、44人の水夫たちがイラン南部ホルモズガーン港に移されたと報道し、話が食い違っている。

 APが、世界の船主で作っている大きな協会「BIMCO」の安全担当の人に尋ねたら、攻撃に使われた兵器は機雷ではないかと。
 魚雷ではないだろう。魚雷ならもっと破壊的だから。ボートで運搬したIEDかもしれないし、吸着機雷かもしれない――と。

 一人の米政府オフィシャルいわく。『Kokuka』を損傷させた兵器はイランの機雷だ。先月にUAE沖でタンカー複数を攻撃したのと同じだ。

 イラン、オマーン、UAEに接する海面はとても広く、夜間は月光しか照明は無い。小型舟艇は夜間であれば、気づかれることなく、簡単に大型貨物船に接近することができるのだ。
 港にも平時から漁船やプレジャーボートも含めて大小無数の船舶が右往左往しているので、その1隻ごとにいちいち監視などしていられない。

 イランは重水も製造しているが、米国の経済制裁により、それを輸出することはできない。

 日本の経済産業大臣は、タンカーは2隻とも日本と関係がある荷を積んでいたと語った。その詳細説明は無し。

 水曜にロウハニ首相と会談したあと安倍は、ワシントンとテヘランの間で緊張が高まっている中、偶発的紛争は防がなくてはならないと語った。そのメッセージの数時間前(夜明け前)に、イランが後援するイエメンゲリラのフーシがサウジアラビアの空港に地対地ミサイルを命中させ、到着ゲートで26人を負傷させた。

 ハメネイのウェブサイトによるとハメネイは安倍にこう言った。もし我々が核兵器を製造しようと計画していたら、米国は何もできなかっただろう。

 次。
 ビジネスインサイダー Ryan Pickrell 記者による2019-6-13記事。
   米海軍は、『Kokuka カレジアス』から、未発の吸着機雷を発見した。
 発見者は駆逐艦『ベインブリッジ』(アーレイバーク級)のダイバー。
 先月イランは4隻のタンカーにこれと同じリムペットマインを仕掛けて爆破している。
 ポンペオの声明。あの周辺にいるゲリラ風情に〔ハイテク機材である〕吸着機雷は使えない。※つまり、犯人はイランである。

鎧の小札の鉄板の厚さをマイクロメーターで測ったことのある人、ご連絡ください。

 ストラテジーペイジの2019-6-12記事。

 2015年から18年までの北鮮内での公開死刑は300回以上あった。そのうち少なくも19回は、一度に10人以上が銃殺されたものである。

 公開処刑執行の前に、見物人は金属探知機にかけられる。スマホで撮影させないための用心だ。

 中共だと処刑銃殺はたいてい、スポーツ・スタジアムで執行される。罪人の後頭部に拳銃弾を1発。その屍体はちゃんと遺族に返してくれる。

 しかし北鮮では荒野にて小銃で真正面から射殺し、遺骸は死体捨て場に遺棄されて、家族には引き取らせない。

 6月1日、シンガポールにて米国務長官は王毅に対して奇襲的に、32ページからなる、支那人が経済制裁を破って北鮮に禁制品を持ち込んだリストを手渡した。証拠写真およびテクニカルデータが付随したものである。

 5-27に判明したこと。中共は、PC用の独自OSをLinuxから作る。この事業には、ロシアと北鮮のエンジニアも協力する。
 中共の希望としては、工場で使っているルーターのOSも、米国製依存から脱却したい。
 ※この延長線上にファーウェイ5Gスマホ用の新OS開発がある。基本OSと基本チップが米支でまったく別体系となれば、中共圏のデジタル鎖国は完成だ。その結果がどうなるのかは、拙著『米中AI大戦』を見て欲しい。

 次。
 Karen Hao 記者による2019-6-12記事「Deepfakes have got Congress panicking. This is what it needs to do」。
     ドナルド・トランプと、その政敵のナンシー・ぺロシ下院議長の評判を落とすためのフェイク加工ビデオが大量にネット上に出回っている折、先週、AIで合成したマーク・ザッカーバーグの偽動画がインスタグラムにアップロードされた。親会社であるフェイスブックは健気にも、この投稿を削除することはないと表明している。※フェイクであると示すフラグは貼付する。

 2020年に大統領選挙がある。有名人の顔だけ借りたディープフェイク動画の作製はますますたやすくできるようになった。その趨勢は加速中だから、外国人が米国の政治を左右するための偽動画投稿がこれから波乱を呼ぶことだろう。

 対策の法案がいくつか考えられている。技術的に解決しようとする試み。加工動画には必ず「ウォーターマーク」(透かし模様)が自動的に入るようにするというのではどうか。

 別の案。動画視聴者が簡単な操作で、加工動画かどうかを判断できるような識別ソフトを、SNS会社が置いておけばいいんだと。

 2週間前サムスンは、1枚の写真だけから、動画ビデオを合成できる技術を発表した。今週、某大学と某企業は、タイプしたテキストを、他人の声で自在に語らせることのできるソフトを実演した。

 グーグル社は、ある投稿ビデオの素材になっている動画は何なのかを簡単に視聴者が捜索できるツールを開発すべきだろう。

 次。
 JOHN VANDIVER 記者による2019-6-12記事「Army extends single soldier tours in Europe, Japan to three years」。
     米陸軍は、独身兵が欧州または日本に駐留する場合、これまでその期間を2年としてきたが、3年に延長する。カネを節約するため。6月14日以降に赴任を命じられる兵から適用になる。

 次。
 BRYAN LOWRY 記者による2019-6-12記事「Some military women miss out on maternity leave. A lawmaker’s bill aims to end that」。
    2016年以降、米軍の現役女子将兵は12週間の有給の産休を貰える。ところが州兵や予備役兵にはこの恩典が与えられていない。だから訓練召集と0歳児の世話とどっちを選ぶかで大ジレンマに……。訓練召集に応じないとその分の給料は貰えず、また、軍人恩給(退職年金)の発生する時期も遠ざかってしまうので。

沖積平野の地上に施設一切を露顕式に設けようなどという考え方がすでに軍人としてアマチュアなのではないか。

 Yaacov Ayish 記者による2019-6-11記事「The Underground Arms Race in the Middle East」。
        ガザのテロリストがトンネルを秘密の通路や出撃基地に使うようになったのは2000-9末からだった。爆発物の隠し場所としても多用された。
 イスラエル軍はガザ地区から2005-9に撤収した。
 2007-6にガザ内で武闘があり、ハマスがファタハから支配権力を奪った。

 イスラエル軍がガザの占領を解いたのは「アイアンドーム」でロケット弾を叩き落とせると信じられるようになったから。
 しかし相手は、トンネルを使った越境奇襲テロをますます重視するようになった。

 2006-6に、イスラエル軍哨所に対する最初の大胆な奇襲が、ハマスによりトンネル経由で実行された。イスラエル兵2人死亡。

 このとき1名の軍曹が拉致された。その交換に、5年後、1027人のパレスチナ人囚人が釈放された。

 2014年に印象づけられたこと。ハマスのトンネルを主用した対イスラエル攻撃は、他のあらゆるテロ攻撃手段(ロケット砲撃、無人機空襲……etc.)よりも、効果があるではないかと。
 なにしろ、今や地下のトンネルネットワークが白アリ級で、いくら潰そうとしても、大半は探知すらできないのだ。その恐怖はガザ地区に近いイスラエル南部の住民だけでなく、北部大都市にも伝播し始めた。というのは、もしレバノンのヒズボラが、ハマス戦術をそっくり模倣したなら、どうなるのだ?

 国連安保理は、リタニ川より南のレバノンにはレバノン正規軍と国連平和維持軍しか所在してはならぬと決めている。2006の第二次レバノン戦争後に。
 しかし地下トンネルを使えば、ヒズボラはリタニ川境界をどんどん越えられる。
 ※第二次レバノン戦争でヒズボラの地下陣地がどれほど優秀であったかについては、拙著『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』を、ご一読くだされたい。

 2012-8にヒズボラは本格演習を実施した。地下トンネルによってイスラエル領内を一斉奇襲し、国境の哨所多数を同時急襲するという内容だった。

 ※ハマスやヒズボラの地下トンネルについてイスラエルの情報収集組織すら匙を投げつつあるということは、イラン本国の核爆弾も、工場からはずっと離れたトンネルのどこかに隠されるであろうことを示唆する。それを破壊することは先制核攻撃に訴えたとしても不可能だ。場所が絞り込めないのではどんなイールドでも無効だから。中共の核弾頭と北鮮の核爆発装置、あるいは北鮮の指揮所も、同様であろう。したがって米空軍が開発させている地下侵徹爆弾にも、大したことが期待できぬ。とうぜんなことに、日本の地ージスも、ABM弾庫と指揮所は無人の山岳帯内に大深度地下構造として秘匿し、レーダーのみ山頂に暴露させるというのが筋なのである。大深度といっても日本は砂漠乾燥圏ではないから、山の中腹以上に坑道を掘らなければ、重力排水ができず、浸水で自壊するだろう。

 2018-12にイスラエル軍はヒズボラの地下トンネル網潰しの大作戦を実行した。

 これらのトンネルはすべてが常時活性状態にあるのではなく、奇襲開戦を計画した日付から数週間前までは放置されているので、わかりにくい。※乾燥気候帯であるおかげで、何年も放置していても浸水しない。38度線だとそうはいくまい。

 次。
 Jen Judson 記者による記事「Active protection systems demo hits dead end for Stryker, Army evaluating next steps」。
       米陸軍は個車自衛システムAPSをすでにM1戦車とブラドリー装甲車には採用したがストライカー装甲車用が未だだった。

 そのストライカー用のAPS2機種をテストした結論が出た。どちらも失格と。

 ストライカー用にテストされていた2候補は、イスラエルのトロフィと、ラインメタル社製のもの。
 その前にヴァジニアにある米国メーカーもアイアンカーテンというAPSをストライカー用に提案していたが、早々と2018に不採用決定されていた。

 トロフィはM1戦車用に先に提案されている。アイアンカーテンはブラドリー用に先に提案されている。

 ストライカー用に有望そうなのはハードキル方式ではない。レーザー光を感知したらスモークを発射するようなソフトキル方式。

イキリかえってペコりんこ

 ストラテジーペイジの2019-6-10記事。
    2003年に米陸軍のペトリオットが友軍機を2機、撃墜してしまった。どうしてそうなったか。

 こちらに向かってくる飛翔物体が、イラク軍のSSMなのか、帰投せんとする友軍の有人機なのか、ペトリのソフトには見境がつかなかった。

 友軍機のIFF信号は米軍のペトリには不感であった。そしてペトリのSSM迎撃モードはクイックリスポンスが必要なので全自動だった。そのため友軍機はSSMと誤認され即座に撃墜されたのだ。

 1991の湾岸戦争では、米軍のペトリは、友軍のごく近くからのECMによって干渉された。多国籍軍の合同作戦では、かつて近接して演習したことのない友軍と異常に近接することになるので、未経験の電子トラブルが起きるのだ。

 自軍の軍種間でも実戦になるとトラブルが発生する。
 1991に、北行する米軍機は、敵支配地の真上に達する前に、対SAMのジャミング・システムが正常に作動するかどうかのテストをすることが手順となっていた。
 ところがそのテストがちょうど味方陸軍のペトリ部隊の上空でなされたものだから、ペトリのソフトは、そのECM発信源は敵機であると認定してしまうのである。
 このケースでは手動での手順が噛んでいたので誤発射は回避された。

 対砲兵レーダーの場合。
 これまでさんざん改善を続けているのだが、いまだに、「誤報・誤探知」をなくすことができない。
 しかしこれは、「不探知」のまま敵砲弾が着弾してしまう事態よりはマシだろうというので、許容されているのだ。

冷える……。しかし今年の北国は豊作の予感。

 TOM ROEDER 記者による2019-6-8記事「Troops on US border applying slippery paint to wall, Northern Command says」。
      カリフォルニアとメキシコの国境の鉄壁に軍隊が特殊塗料を塗り始めた。これは滑りやすい物質で、しかも、触れた皮膚や衣服に汚れが付着する。

 今回、国境に動員されている兵隊たちには逮捕権・捜査権はない。ただ、このような雑用を手伝うことで、他の国境警備組織の仕事が楽になるのである。

UGO TAKENOKO

 CAITLIN DOORNBOS 記者による2019-6-7記事「US and Russian warships come within 100 feet of each other, narrowly avoid collision, Navy says」。
      フィリピン海で米海軍の巡洋艦『チャンセラーズヴィル』に対しロシア海軍のウダロイI級『アドミラル・ヴィノグラドフ』が挑発接近。50フィートから100フィートの危機一髪に。

 露艦は米艦のうしろから加速して追いついて右舷に衝突するように寄ってきた。

 『チャンセラーズヴィル』はフルアスターンをかけて左に舵を切って避けた。

 ビデオが公開されている。米艦の吃水面における横幅は55フィート。それと比べると距離感がよくわかる。

 ※中共とロシアは何に気づいたか? 米イージス艦の最大の泣き所は、平時に舷側に鋼鉄船によって衝突されることだ、と、2017の2件の大事故(フィッツジェラルドとマケイン)から天下周知となってくれたので、今後は、その弱点を目一杯脅威してやれ、というわけだ。衝突されれば1年以上も、戦力外なのである。かたや露艦や支那艦の方は、もともとが赤錆の塊かバッタ量産船で、ちっとばかし艦橋がよじれようが、痛くも痒くもない。だから米艦長の方で、ひたすら逃げ回るしかない。エグい。

 次。
 SCOTT WYLAND 記者による2019-6-7記事「Agency skimping on missile defense tests in Poland, GAO says」。
   米会計検査院GAOの報告。米軍はポーランドに建設中の地ージスのテスト費用をケチり、本来やるべき一連のテストの8割もを割愛してしまっている。それにより、このシステムは実戦では中距離弾道弾迎撃の機能がないかもしれぬ状態で納品されるだろう。
 また、建設じたいが予定よりも18ヶ月、遅れている――と。

 特に欠かせないはずなのが、実射テストだ――とGAO。

 これに対するDoDからの反論。カウアイ島の地ージスが2018-12に実射迎撃テストを成功させている。だからもう必要ないのである。

 さらに反論。地ージスの買い手はもうそれを買うと決めているのだ。だから実験を成功させて売り込みを強化する必要もないのだ。こっちは予算もスケジュールもキツキツなんだ。

 地ージスはルーマニアにすでにあり、ポーランドでは建設中。
 スペイン領ロタ島には米イージス艦×4あり。
 トルコには対弾道弾の早期警戒レーダー。
 ドイツのラムステイン空軍基地には、NATOのABM戦の総括指揮所がある。

 欧州地ージスは、システムの「第三フェイズ」が2020年に竣工すれば、射距離3400マイルの中距離弾道弾を迎撃できるようになる、とGAO。

 米議会はミサイル防衛庁のための予算を2017年に46%も増額して36億ドルにしてやった。にもかかわらずMDAはミサイルテストをケチろうというのか。

 カウアイ実験のあと、ほんらいなら3つのテストが続くはずであった。そのうちひとつは、複数個の飛来標的に対処ができるかどうかを確認するもの。その実戦的なテストを、MDAは見合わせることに決めている。それをGAOは非難しているのである。

 MDAは、2019年前半までにポーランドの地ージスを完工するという予定表が守れなくなるのでテストは省略するのだと言っている。が、その引渡し予定は延期されたのだから、ほんらいのテストを実施するのに、何の不都合もないはずではないか――とGAO。

 テストを省略すれば何が起きるか。買い手のオペレーターは、地ージスが運開したあとから、諸問題を解決して行かなくてはならなくなる。そのコストは高くつく。

 次。
 Charlotte Jee 記者による2019-6-7記事「YouTube is deleting videos on Nazi history as part of its hate speech crackdown」。
   ユーチューブは6-5に新ルールをアナウンスした。ナチ・イデオロギーをプロモートするビデオ。ホロコーストの存在を否定しようとするビデオ。サンディフック小学校乱射事件のような十全に報道されてきた暴力事件の存在を否定しようとするビデオ。これらは禁止する。

 数千のチャンネルがシャットダウンされることになるだろう。
 だが複数の教師たちは苦情を呈した。『ガーディアン』紙報によると、この教師たちはナチ史を人々に教えるためにビデオをアップロードしていたのに、それが消された、と言っている。

 ユーチューブは、グーグル社が所有して運営している。

言論の府が全員賛成票を投じて村八部決議とか、よくも恥ずかしくないな。

 普通の羞恥心を持った人士はどうやら日本の国会議員にはなれないようだと承知していたが、格別な「国の恥」というものがある。それは過半数の国会議員に「近代」の理解があれば防ぐことができるものなのだ。
 なのに衆院は「恥の上塗り」決議をやらかした。中共の全人代以下の反近代的言論レベルしか誰も持ち合わせていないことを全世界に拡声器で知らせてしまった。これでは儒教圏の仲間入りだろう。昭和16年末の翼賛議会から少しも成長してはいなかったのだ。
 近代とは何かが分かっていないことは恥なのだと日本人が理解できていないことを21世紀にわざわざショーアップしたとは、呆れるしかない。
 反近代勢力の脅威から日本人を守ってやろうと骨を折る諸国は減るだろう。一貫して反近代に堕ちたままだったのなら、もう救っても益が無いだろう。
 安全の基盤がまた打撃を受けた。ほんとうに終わっているな。
 今回は、小泉氏の息子さんを初めて見直した。あのスタンスが偉い。

 次。
 Frank Swain 記者による2019-6-6記事「These colorful stickers are helping blind people find their way around」。
   バルセロナ市の実験。1枚の黒地の正方形カードに5列×5行の升目があり、枡はコードにしたがって着色/非着色されている。公共交通機関を利用する観光客の動線上、要所にこれを目立つように貼る。ナヴィレンズ・ステッカーという。

 バルセロナ市交通局が、公共事業として始めた。

 アリカンテ大学と、ベンチャー企業NaviLens社が共同で開発した、案内システム。
 無料アプリを入れたスマホのカメラでこのステッカーを読み取らせれば、土地勘の無い人々が、現在位置情報などを仔細に把握できる仕組み。

 1枚のステッカーをどの情報と結合させるかは、ユーザーが自由に決められる。
 それは電車の時刻表を呼び出すものとしてもよいし、たとえば個人が大量の資料を整理した段ボール箱の表面に貼って、外からその中味を把握できるようにするのでもよい。

 これは、1994年からあるQRコードのフルカラー版といえようか。しかしナビレンズ社はゼロから新しい双方向コードを創った。

 ナビレンズカードは、5インチ四方である。これをスマホ搭載カメラは、最大12m先から識別することができる。読み取りに要する時間は、三十分の一秒。したがって、歩きながらでOK。

 カメラはカードに正対させる必要もない。160度の鈍角からでも読み取ってくれるのだ。

 いまのところ、電車とバスの1路線で、歩行者がその動線をカメラに記憶させ、あとで戻ったり、まちがいなく辿り直すのに使うことができるだけ。実験段階だから。

 将来、どうなるか。
 このアプリを入れたカメラ付きスマホを、盲人に持たせる。
 盲人が手首を動かしてそのスマホで四周をスキャンさせるや、アプリは、視野内に認識したナビレンズカードを手掛かりに、盲人が立っている場所等について、機械音声によって教えてくれる。白杖や盲導犬の代わりを、スマホが務めてくれるようにもなるわけ。

 機械音声は、多言語対応。盲人の理解できる言語を自動で出す。
 バルセロナ市には毎年1000万人近くの観光客が訪れるので、これは重要だ。

 当面の目標は、159ある地下鉄駅と、2400箇所あるバス停のすべてにこのステッカーを貼ること。

 ※以下、さいきん知って驚いたことだ。
 三十年式銃剣は英軍銃剣を真似たという説をずっと信じてきたが、英文ネットでバヨネットについて調べていたら、真相は逆で、英国が1908年制定の「P1907」バヨネットで日本の「Type 30」を参考にしたのだというではないか。

 明治時代の米陸軍の銃剣術はドイツ式の模倣だった(これも初めて承知した)。まず体を深く沈みこませ、勢いよく前進をしながら左手を離してしまい、フェンシングの「ラング」のポーズになり、右手一本で小銃を思い切り突き出すことによって、最大のリーチをかせぎましょうという思想。

 このドイツ流格闘術に、短くしたSMLE小銃で対抗するには、せめて銃剣ぐらいは長くしとかなきゃダメじゃないかという批判が英国内で生じて、あらためてP1907型の採用になったんだそうだ。

 けっきょくWWIの体験の結果、フェンシング式などは非実用的であることや、塹壕内の乱闘に長い武器は不適であることが、西欧主要国と米国には悟られた。

やすらぎの剣

 ストラテジーペイジの2019-6-5記事。
   アイアンドームは2011からあるが、2019-5にガザ地区から700発のロケット弾と迫撃砲弾がイスラエル内に打ち込まれたときは、機能を飽和されてしまった。
 4人のイスラエル市民が死亡。130人が負傷した。
 だいたい市街地に向けて発射されたロケット弾のうちの14%は、阻止できなかった計算になる。

 イランが後援するヒズボラは、レバノン南部に3万発以上のロケット弾を在庫している。
 ガザ地区のハマスもイランから貰った1万発以上のロケット弾を擁している。

 2014年、ハマスは50日間、イスラエル領内にロケット弾を発射し続けた。アイアンドームはそのうち735発を空中で撃破した。都市部に関しては阻止率は90%だった。

 このときハマスは9000発のロケット弾を持っていた。そのうち4割は、ガザ地区内で製造されたものであった。

 ハマス手製のロケット弾は、イスラエル領内までも飛ばなかったり、空中で自爆してしまったりする、かなり酷い出来なものである。

 これに対してヒズボラは、自家製ロケット弾は使わない。すべてイランの工場から送られてくる純正品だけを発射してくる。
 そして2014年のイスラエルに向けた実射数では、ヒズボラはハマスの10倍だ。

 ヒズボラがその厖大な在庫ロケット弾を発射できないようにしてやるためには、イスラエル空軍、陸軍、そして特殊部隊が、徹底的に阻止作戦を反覆するしかない。

 ヒズボラ嫌いのレバノン住民は多いので、イスラエルが情報を収集するのは比較的に容易である。

 米国主導の2017年からの対イラン経済制裁は効いている。イランがヒズボラに届けてきた金員の量が2019年には半減したのだ。ヒズボラ内部で失業と賃金カットが起きている。

 ヒズボラはますます多くの「長射程型」ロケット弾をイランから供給されるようになってきた。そのロケット弾なら、イスラエル領内のほぼどこにでも届く。そんなロケット弾がもうすでに5000発以上、引き渡されているのだ。

 さらに、それらのロケット弾にイランはGPS誘導機能を組み込むようにもなった。従来なら市街地を逸れることも多かったが、GPS自律誘導式のロケット弾は、確実に都市の人口密集地に落ちてくるのだ。

 今やヒズボラには、イスラエルのすべての交通結節点をハラスメント攻撃して、イスラエルの経済輸送を麻痺させることもできる。
 これを防ごうとイスラエル軍は、アイアンドームの10個高射大隊を国土の北部に展開させて、専ら長射程型のロケット弾の迎撃に集中させているところだ。

 ヒズボラは地下のロケット弾貯蔵庫の上にアパートを建てて安価な家賃を設定し、貧乏なレバノン人たちを集めて住まわせている。病院、学校も併設。これで「人間の天蓋」を構成して、イスラエルからの空爆を回避しようという肚だ。
 これに対してイスラエルは、イスラエル住民に多数の死傷者が出そうな状況になれば、ためらうことなくそこにF-16で1トン爆弾を叩き込むとレバノン人たちにあらかじめ警告している。場所は分かっているのだ。

 アイアンドームの火器管制ソフトウェアは、レーダーで弾道を読み、飛来するそのロケット弾が、特定の大都会の人口密集地区を直撃しないと計算されたときには、手を出さないようにプログラムされている。
 もし、ロケット弾が、住民が疎な町村や郊外に落ちそうであったならば、そのロケット弾の迎撃は見送られる。
 着弾点の被害が間違いなく大きくなってしまうと予見されたときだけ、タミール迎撃SAMを発射する仕組みなのだ。

 さもないと、5月のガザ方面のように飽和されてしまうから。

 迎撃ミサイルのタミールは、重さ90kg、長さ3m、径160ミリである。初期には1発が9万ドルしたが、量産効果で、今は1発4万ドルで納入されている。

 イスラエルはアイアンドーム高射大隊を15個整備したいところ、予算に限界があって、10個しか整備できていない。

 アイアンドームの1個高射大隊には3~4基のミサイル発射機がある。各発射機には20発のタミールが収納されている。

 その1個高射大隊のコストは、5000万ドルである(タミール×100発弱を含む)。

 タミールのレンジは今は70kmである。イスラエルは、250kmまで届く新型を開発したい。

 レンジの長い「ダビデの投石器」という地対空ミサイルを、対ロケット弾用の迎撃ミサイルへ転用する案は、面白くない。そのSAMは1発が100万ドルするからだ。

巨浪3は、レンジ9000kmをめざしているのだが……。

 Joseph Trevithick 記者による2019-6-3記事「The Army Is Working On A Mini Assault Rifle That Performs Like An M4, But Is Half As Big」。
   米陸軍研究所、略してARL。
 いま、ここで、革命的に小型軽量な自動カービン銃の設計が煮詰められつつある。

 実包の薬量、たったの1グラム。そして銃身長、たったの10インチ。
 それなのに、2900フィート/秒の初速を実現できるという。

 ちなみにM4カービンの現用M855A1実包(5.56ミリ)による初速は、2970フィート/秒。それに遜色がないわけ。

 チャンバーもブリーチも新案で刷新。撃発時のケースの強い膨脹圧をしっかりおさえつけられるようにする。
 従来の自動火器よりも、薬室の閉鎖時間は延ばす。
 薬室のデザインは一新される。

 短いバレルで高初速を実現できる秘密は、銃身構成を「スクィーズ・ボア」にするから。ライフリングはバレルの途中までしかない。その先のバレルはテーパーのかかったスムースボア銃腔となり、径が先へ行くにつれて狭まる。ただしマズル近くではテーパーは消えて、くつろぎのずん胴に戻る。

 中共軍がボディアーマーを進化させても、このスクィーズボア銃身を既存の米軍ライフルに応用すれば、すぐにまた貫徹できるようになる。そういう可能性も示される。

 ちなみにシールズはすでに「FN P90」という5.7ミリ弾使用の超小型カービンを実用中だ。
 このP90も10インチ・バレルだが、初速はさすがに2350フィート/秒しかない。

 ARLによると、もしも24インチの銃身にこの技術を応用すれば、初速は4600~5750フィート/秒という、とてつもない数値に達するだろうという。
 ちなみに昔のフルサイズのM-16の銃身長が20インチで、その初速は3150フィート/秒だったのだ。当時の異例の高初速であった。

 ※この技術を7.62ミリの狙撃銃に応用したら、狙撃銃が「対装甲車ライフル」に早変わりするかもしれんのか……。さらに12.7ミリに応用すれば、普通のトラック車台に「高射機関砲」を搭載可能ということになってしまう。またもゲームチェンジャー候補が現れたようだ。

 次。
 Philipp C. Bleek and Cyrus Jabbari 記者による2019-6記事「Microfluidics Should Scare You」。
   マイクロ流体力学とは、小さなチップ上にケミカル実験室を搭載してしまうミクロの技術である。毛細血管内の液体の挙動を想像すべし。それを人工物で再現した。
 この分野はドイツが開拓した。1980年代に。

 マイクロ流体力学技術の発達趨勢(誰でも商品として出来合いの流体ラボチップを買えるようになる化)は、国家に支持されていないテロリスト集団またはローンウルフが、アパートの隣人に全く気づかれることなく、微細なチップ上で、猛毒物質や爆薬原料物質、バイオ兵器などの合成・生成に成功してしまうという未来をほぼ確約している。

 ※あえてここで予想をしておくと、やがては、チップ上で、「核実験」までができるようになると思う。またひとつ、「なぜ宇宙人は必ず自滅する運命なのか」のヒントが得られましたわ。

 最初にチップ上で合成されるのはおそらく「マスタード糜爛ガス」だと看做されている。それは簡単らしい。

 ※逆に良い未来を空想すると、チップが「バイオケミカル発電所」になってくれるかもしれない。つまり、コンピュータの心臓部に関しては外部電源が必要なくなる日が来るかも。

 次。
 Mike Stone 記者による2019-6-4記事「U.S. to sell 34 surveillance drones to allies in South China Sea region」。
          シャナハンがシャングリラでいわく。ボーイング社製のスキャンイーグル無人機を計34機、南シナ海沿海諸国に売るぞ。マレーシア、インドネシア、比島、ベトナムである。総額、4700万ドル。

 訓練コミでの引渡しは2022-5には完了するであろう。
 マレーシアは12機を1900万ドルで買う。インドネシアは8機、比島は8機、ベトナムは6機だ。

 スキャンイーグルは武装機ではない。しかし製造部門のInsituは、類似機のRQ-21Aブラックジャック(米海軍と海兵隊で使用中)を、すでに、オプションで武装もできるようにしている。

 ※タイはストライカー装甲車を買うというし、米国の武器セールスにはえらくドライブがかかっているな。

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 Andrew Tate 記者による2019-6-3記事「China conducts probable test launch of JL-3 SLBM」。
      中共は6月2日、朝4時に、新SLBMの巨浪3を、渤海湾から発射実験した。中共内のSNSに写真が投稿された。

 着弾点は内陸部の砂漠。多くの住民が、飛翔の光を目撃した。UFO騒ぎも一部であり。

 前回の巨浪3の実射試験は2018-11であった。

 ※シナ製SLBMは海南島近海からではNYCにもワシントンDCに届かないが、渤海湾からなら、すくなくもNYCには届く可能性がある。それが意味することは何なのか? 『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』で、明瞭に分析してあります。

『令和偉人伝』第一巻の面子はどうなるのだろうか。

 未来の某ハイブリッド車「ブリウシ(いじめ屋牛)」。急に止まれない状態で咄嗟に2つのコース選択を迫られる。
 そのまま直進すれば自分の息子を轢いてしまう。
 左右にハンドルを切れば、無関係の小学生多数を跳ねてしまう。

 さて、搭載AIはどちらを選ぶように、オーナーはプリセットをしておくべきか?

 それとも、みずから瞬時に百裂粉砕する自滅スイッチを備えるべきなのか?
 そうすると、未来のクルマは、安楽自殺装置にもなってしまうが……。その場合、同乗者を巻き添えに消滅させていいのか?
 どこまで行っても、個人の責任意識が問われ続ける。

 『司馬法』は言った。「人を殺して人を安んぜば、人を殺して可なり」。

 次。
 Matthew Cox 記者による2019-6-1記事「Army’s Next Infantry Weapon Could Have Facial-Recognition Technology」。
    米陸軍が、次世代の分隊火器用のハイテク照準器を公募する。
 600m以遠の歩兵サイズの標的をすばやく見つけて正確に攻撃ができること。と同時に、近接戦闘に使うときに今の照準器よりも不便であってはならない。

 2年で完成し、3年後には月産3350個以上にすること。

 米陸軍は、今の歩兵分隊火器であるM249軽機、ならびにM4/M4A1カービンを、6.8mm径の新弾丸に増口径する。それにともない、照準システムも変えなくてはならない。

 この火器管制システムは無線でもつながり、有線でデータを取り出すこともできる。

 電源は普通のAA電池も使えること。そして、スイッチを入れて1秒以内に完全にシステムが立ち上がらねばならない。

 この競争試作に応じようというメーカーは、11月4日までに米陸軍に連絡せよ。

 陸軍は以下の注文もつけるであろう。
 カメラが自動的に敵兵を見つけてくれること。そしてその標的を追い続けてくれること。さらには、顔認識ができること。

 風向、風速を計測し、照準点を自動規正してくれること。

 レンズには、曇りを生ぜぬこと、乱暴な表面摩擦にも耐えてくれること、汚れ拭き取りの手間は最小であることが要求される。

 提出されたプロトタイプは14ヶ月間の評価テストを受ける。

「遠水近火を救わず」という。

 ストラテジーペイジの2019-6-1記事。
   シリアのISがまたあたらしいテロ技術を獲得した。
 IEDを遠隔起爆させるための、Wi-Fi電波のエクステンダー。
 この種の電波中継装置は、短距離のものならば市販もされている。
 ISが開発したのは、異常に距離が延ばせるモノ。最大1km離れた場所からのWi-Fi送受信が可能になってしまうのだ。

 民間ではほとんど用がないこのデバイス、すでにインドネシアのゲリラにまで拡散してしまっていることが、2019年に確認されている。

 2018年に導入され、2020年まで型式変更されぬ予定の米軍の最新の対IED用電波妨害装置JCREWは、ワイファイには非対応なため、大ピンチ。

 この電波妨害機材の開発は、なまなかなタスクではない。2011年にアップグレード計画して2017年にそれが完成したという世界なのだ。

 ちなみに無線起爆方式のIEDが流行り出したのは2001年であった。当初は妨害は単純に可能だったが、敵はすぐに進化を開始して手強くなった。

 2011年型のJCREWはバージョン3.1で、2003年から8年の歳月と170億円を投じて仕上がったものだった。
 2013年にはバージョン3.3が概成したが、あとから次々と要求が追加されたせいで仕上がりが遅延し、量産はやっと2017年に始まった。

 ※スペクトラム拡散にどう対抗するのか、知りたいものだ。