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メガドンパチ。

 Bill Gertz 記者による2019-7-30記事「China Covertly Subverting Trump Reelection」。
        在米亡命シナ富豪の郭文貴によると、中共は2020の大統領選でトランプの再選は絶対に阻む決意だという。『ワシントンフリービーコン』のインタビュー。

 そのように国家副主席の王岐山が最近、北京で話したのだという。

 反トランプ・キャンペーンは2018年の中間選挙からスタートしている。動員されているのは米国内の親支エレメンツ。

 習近平と王岐山の2人がこの作戦を仕切っている。

 ペンス副大統領は昨年10月4日に中共の選挙介入プロパガンダについて声明していた。

 郭によれば、先の中間選挙では中共は中西部の農家に狙いを定めて、反トランプを焚き付けようと工作した。

 中共からカネを貰って中共の宣伝を一緒に届けた地元新聞としては、たとえば『デモイン・レジスター』紙の付録増刊を見よ。

 4つの武器が使われるだろう。
 まず、ウォールストリートの大物たち。

 大物投資家たちは基本的に、中共の収奪政治家たちの味方をしていた方が、儲けさせてもらえるからである。

 武器の第二は、もとからアンチ・トランプのロビイストたち。中共はもう何年も前から彼らにカネを渡している。

 武器の第三は、概して反トランプのマスメディアとSNS。

 米国の新聞社社主は、中共内に利権をもっている。それを失いたくないので中共発の反トランプ・キャンペーンと対決するようなスタンスを敢えて採用することに、メリットがない。

 四番目の武器は、世界の華僑と、在米のシナ系住民。特にシナ系米国市民は、カネも、投票権も持っている。

 7月前半、NYにて、台湾総裁の訪米に合わせて台湾支持を表明していた群集が、中共系の住民によって襲撃され粉砕された。

 郭いわく。2020選挙は、共和党と民主党の戦いではない。実際には、トランプ対習近平の戦いになっているのだ。

 郭は、連邦議会が、米国内での中共の影響力工作を取り締まる機関を設置するよう、訴えている。

 中共は、たとえば「郭はじつは中共のスパイなのだ」といった信用毀損ルーモアを簡単に米国内で流布させ得ることが、最近でも、証明されている。

 中共高官の汚職ぶりを告発するようになって以来、英語SNSで郭を泥棒だとかレイピストだとか誹謗する投稿は無数に蓄積されているので郭はいまさら驚かない。

 郭は過去に何度もプロ中共団体から告訴されている。そのたびに勝訴してきた。
 これを『WSJ』はまったく報ぜずに、最近の1件だけを報じたのには驚いた。ストラテジックヴィジョン社はわれわれから100万ドルを騙り取った。同社の反訴は裁判所によって斥けられた。『WSJ』はそのことは報じない。おかしいじゃないか?

 中共は郭の身柄を中共に取り戻すために7000万ドルもの工作宣伝費を既に投入しているのだ。

 郭の兄弟2人は中共内で収獄されている。
 郭の会社の元従業員270名は中共本土で逮捕されて人質にされたままである。
 郭が中共のスパイなら、中共はなぜそんなことをする?

 10家族のトップ20人ほどが人民のすべての富を握る仕組みが今の中共だ。党もその奉仕機関にすぎない。だから9000万人いる党員も含めて、99.9%のシナ人は中共が早く消えることを望んでいます――と郭。

 次。
 Masashi Murano 記者による2019-7-30記事「Ensuring Indo-Pacific Security Post INF」。
      日本領土はアジアINF基地候補である。

 地上発射式のミサイルの配備は、SLCMやALCMより安価である。
 それが車両機動発射式であれば、中共はますますその迎撃手段やISRに投資しなければならなくなる。

 カウンター・ターゲティング〔とは何だ?〕のために、中距離ミサイルを〔日本の〕陸上に配備する必要はない。

 核報復ならSSBNや爆撃機があるし、非核ならば毀害力で見劣りしすぎるから。

 敵のTELを破壊するのに亜音速のGLCMなんぞを展開してもしょうがない。こっちから届く前に敵はミサイル発射を済ませちまうので。
 但し、敵が大量発射するつもりのときは、それも無意味じゃないけど。
 一般に弾道ミサイルは巡航ミサイルよりも高速だが、小さい標的に対する命中精度は巡航ミサイルが勝る。

 こっちが破壊しようとする標的が、固定された動かないものであるなら、こっちのミサイルは巡航ミサイルでも弾道ミサイルでもどちらでもよい。

 中共には40箇所以上の分散された滑走路のネットワークがある。これを使用不能にしてやるためには、600基以上の戦術弾道ミサイルが必要である。

 その600基のためには地下構造のシェルターも必要だろう。それは中共から見ると、大規模な攻撃によって優先的に破壊せねばならない高価値目標となる。

 航空基地破壊用の戦術弾道ミサイルを核弾頭にすれば600基も要らなくなるが、〔それを日本に配備するのには〕政治的なハードルがある。

 中共は、ロケット軍のTELを生き残らせるための広大な陸地の縦深をもっている。

 これに対して日本と米国には、西太平洋で対支戦争用に使える大きな航空基地は、5~6箇所しかない。

 米軍から見て対支ミサイル基地として最適なのは沖縄だ。しかし反対運動が起きるだろうから日本政府は国内と米国との間で政治的に板ばさみになってしまう。むろん中共はインフォメーション工作を仕掛けることによって日本の世論を分断する。

 結論。自衛隊が、米軍の非核/核戦力とシームレスに連繋した攻撃力を増強するしかない。

 日本政府は米国の2018版NPR(低出力核弾頭オプションを打ち出している)を強く支持している。

 まず日米間のEDD(拡大抑止対話)をアップグレードせよ。

 グレーゾーン事態対処から核攻撃に至るまでのエスカレーション・ラダーについて、日米間であらかじめ対支方針が確立していなければならない。

 日米合同演習には、米軍核戦略コマンドも加わるべきである。

 西太平洋で対支の緊張が高まると、まず米軍のDCA(核爆撃も通常爆撃もできる作戦機)が当地に展開される。そこから始まり、最後は、低威力の核弾頭がSLBMによって運搬されて、中共のTELを先制破壊する。
 日本政府と自衛隊がこの一連のプロセスの蚊帳の外ではいけない。

 日本はTHAADを買うべきである。

 ※記者はプロフィールによると日本政府の政策立案にもかかわっていたことがあるという。それにもかかわらず日本政府=防衛省はTHAADを拒絶しているのはご承知の通りである。英文ニュースを読めて、日本人民の生命財産を真剣に重視する軍事マニアならば、THAADがSM-3にくらべてアテにならないことは理解できているはずだ。ロックマートはまだ対日売り込みをあきらめていないのか? おそろしいもんだ。

 ブーストフェイズ迎撃(最近の言葉で「レフト・オブ・ランチ」という)を宇宙兵器によって実現することでも日米は協働すべきである。

 自衛隊が潜水艦から発射する巡航ミサイルによって、〔TELではない〕固定目標を攻撃する。かたや米軍は、〔TELや飛行場のような〕急いで破壊しなければならぬ目標を攻撃する。こういう分担になるだろう。

阿吽[あうん]産業。

 Rachel S. Cohen 記者による2019-7記事「Fast-Forward with 5G」。
      2018年にサムスンはブログに投稿して予言した。5Gは空軍のフライトライン(格納庫周辺作業)を革新する。整備員は暗号化された5G端末を全員が持つようになるだろう。部品の在庫の所在などの必要な情報は瞬時に把握可能になる。航空機の点検に要する時間が著しく短縮される。

 米空軍は本土の複数の基地でじっさいにこのシステム構成に着手しつつあり。基地同士も5G無線で結ばれる。

 米空軍が作戦する地域でもし中共製のテレコム・インフラが支配的だったらどうなるか? 作戦中に有効な妨害を受けてしまうことは確実だ。

 ※もはや米本土内からファーウェイを追い出すという話ではないのである。欧州、アフリカ……とにかく中共以外の全世界地域からファーウェイとそれにつるんだ韓国通信会社を米国は追い出さねばおさまらないわけだ。あらためて拙著『米中AI大戦』を読み直してみて欲しい。

 国務省で5G問題を担当している高官のロバート・ストライヤーは5月に議会で証言した。AT&T、スプリント、T-モバイル、ヴェリゾン。これが米国の四大モバイル・キャリアなのだが、そのいずれにも、5Gに関して中共技術は将来絶対に使わせない。これはもう固まった。で、次のハードルは、「同盟国」にも同じポリシーを採用させることである、と。

 ファーウェイは、その5G技術を採用した他国の指揮・統制通信を、根本から麻痺させることが可能である。

 次。
 Zak Doffman 記者による2019-7-29記事「Space Wars: Military Satellites Will Be Armed 'With Lasers And Guns' By 2030」。
           昨年の秋、仏政府はロシアのスパイ行為を非難した。ロシアの通信衛星「Luch-Olymp」が意図的に軌道を変更して、フランスの軍用通信衛星「Athena-Fidus」に異常接近して張り付いたからだ。

 仏国防相は先週、フランスの宇宙戦略について公表した。

 軍用通信衛星をレーザー砲や自動火器で武装させ、異常接近する外国衛星から「自衛」できるようにする。宇宙ではアクティヴ・ディフェンスも自衛であるとの立場をフランスは採る。

 と同時に仏国防相は、大きな1個の高性能通信衛星では脆弱なので、無数の安価で小型で低軌道の通信衛星をネットワーク運用するようにしていきたいとも語った。1個が破壊されてもすぐにその穴が埋められるようでなくてはならない。

 フランスは2025年までに、宇宙武装予算として米ドル換算で7億8000万ドルから48億ドルを投ずるつもりである。

鎧の小札を実測した結果

 さる方から「南北朝末期~室町初期」の鎧の残片小札のサンプル群だというものを3群、頂戴した。それぞれ「縅」でつながっているので、私が群と呼ぶことにした。
 返却しなくてよいという有り難い思し召しだったので、さっそくそれをバラして慎重に検分を進めている。

 いずれ写真付きでご紹介もしたいが、まずはテキストのみでご報告しておこう。

 いただいたものを、残片群A、残片群B、残片群Cと名付けた。
 いずれも、甲冑のいったいどの部分に使われていたものであるのかは、浅学ゆえ、見当もつかない。

 このうちC群は、塊りとしていちばん大面積で、絹糸らしきものの紐で「ふくりん」のようなものが装飾されている。縅糸かと思ったら、機能的にはどうもそうではない。小札の表側全体が一括式にぶあつい黒漆で塗布されてあった。つまり、小札構造のように見せているが、全体として無可動構造なのだ。裏面は漆の上に金泥塗装してあり、十円玉のように光を鈍く反射する。
 この小札を一枚剥離させようとしたら折れてしまい、偶然に、C群は鉄板ではなくてすべてが木板材であることがわかった。(ひょっとすると固く加工された革なのかもわからないが、割れるときの感触は木材だと思われた。)

 A群とB群は鉄板の小札が革紐で縅されている。革紐はすでにボロボロな状態である。
 A群の小札がより大型で、B群の小札はより小型である。

 まずA群だが、それを構成している小札の1枚の外観は、薄い、細長い長方形で、ただし、その一端は、切り出し小刀のように角度約20度で斜めに画されている。すべてのカドはじゃっかん丸めてある。
 小札には2列に13個のまんまるな穴が空けられていて、むしろ「有孔鉄板」と表現するのが適当か。

 その小札1枚の外寸を、地元のある方からお借りしたデジタルノギス(100分の1ミリまで計測可能な工場用のマイクロメーター)で測ったところ、最大長67.72ミリ×幅17.94ミリ(複数回計って平均を出してある。以下同じ)×厚さ0.95ミリであった。厚さの最小値は0.83ミリである。
 孔の径だが、これが見た目にもバラつきがある。大きいので径4.35ミリ、小さいので2.96ミリであった。

 なお、ノギスを当てて測る前には、分厚い黒漆をナイフでこそげおとし、赤錆をワイヤーブラシで擦ってある。ヤスリは使っていない。

 料理用の秤に載せたところ、A群の鉄小札1枚の重さはちょうど10グラムだった。(これは漆塗装の重量を含んでいない。)

 次にB群。驚いたのは、最上部の2枚の小札は金属板そっくりの平面寸法でこしらえられた木板であった。漆で分厚く塗装してしまえば、それは見ただけではわからない。
 以下は、3枚目より下側に縅されていた金属板についてのデータである。

 長さは54.20ミリ。ただし長辺の一端は、切り出し小刀の如く角度約40度で斜めに画されている。幅は14.89ミリ。厚さは1.43ミリであった。
 小穴は14個。大きさは不揃いで、大きなものは径3.60ミリ。小さなものは径2.63ミリであった。
 B群の鉄小札の重量は、10グラムだった。

 A群小札とB群小札の1個あたりの重量が等しく、B群小札の方が短寸で厚いということは、原材料として同じ規格の「短冊状鉄板」が最初にあり、その素材鉄板を加熱し、A群用のは長く、B群用のは短く狭く叩き延ばしたのではないだろうか。

 B群鉄小札の1枚を、ペンチとプライヤーとで枉げてみたところ、ポキリと行くようなことはなく、また元通りに戻すこともできた。
 絶妙の硬さであり柔らかさであると思った。

 以下は、暫定的な所見である。

 軍記物に表現された「揺り上げ」「鎧づき」をした状態の小札群は、最も厚いところでは鉄板2枚分(すなわち鉄板真水分だけで2.8ミリ~1.9ミリ)、プラス、その数倍の厚みの堅い漆層によって防護されたことになるが、もしも、ちょうど革紐で縅している穴の部分にたとえば径2.8ミリの「尖り矢」がまっすぐに飛び込んできた場合、1枚目と2枚目の孔は重なっているから、防護力としては革紐の抵抗しか期待ができなくなってしまう。
 ただし、ユーラシア大陸とは違って、日本にはそのような「尖り矢」の征矢はなかったと聞いている。

 100円で売られていた千枚通しの、いちばんワイドなところが径3.65ミリ(マイクロノギスによる実測)あるもので、今回の鉄板小札の、それより小さい孔をこじってみたが、力をこめても、とても貫通しそうにはなかった。しかし大きな穴にはこの千枚通しが通ったので、おそろしいと思った。

 とりあえず本日はここまで。

 ご協力くださった皆さんに、深謝もうしあげます。

次は「槍」の実験の協力者を募集します。長期的にね。

 Franz-Stefan Gady 記者による2019-7-25記事「The Significance of the First Ever China-Russia Strategic Bomber Patrol」。
        露支初の空軍機合同長距離洋上ミッション。
 飛んだのは、2機の「H-6K」と、2機の「Tu-95MS」であった。
 どちらも核兵器搭載機である。そこが今回のメッセージの本質だ。

 1ヵ月前、習近平とプーチンは共同で声明した。核兵器管理、核兵器軍縮および核兵器不拡散に関する既存の国際合意体系を壊すようないかなる試みも、受け入れることはできない、と。

 これは米国のMD配備のことを指す。
 すなわち今回のデモ飛行は、その声明を実行で裏打ちしようとしたものである。

 自国の核戦力が、露支の最大関心事だ。

 韓国内のTHAADについて中共とロシアは共に反対を表明している。それが露支の核攻撃能力を揺るがすものなので、反対だというわけだ。だから韓国近くを飛行した。共同で憤りを表したのである。

 露支は米国製のMDすべてに反対である。

 トランプが前によびかけた三国核軍縮交渉に中共はまったく応ずるつもりはない。しかしその立場と関係なく、中共がロシアと核に関して歩調を合わせていると強調しておくことは、米国に対する露や支の立場を、強化するだろう。

 露支が核問題に関して対米共闘するということは、ユーラシアの陸上に配備されている中距離の弾道弾と巡航ミサイルを削減できる見込みは当面無いことを意味する。

 軍事アナリストのドミトリー・ステファノヴィッチは警告する。露支がその長距離爆撃機に相互に「空中給油サービス」を提供するようになれば、極東の軍事バランスは一変するだろうと。

 ロシアと中共の間には「軍事協働計画2019」という秘密協定が前々から存在したらしい。これまでまったく公表されたこともないものだが、とつぜんに、露支双方の国防大臣がその存在を口にした。

 中共国防部の広報員は言った。求めているのは対露同盟ではなく、パートナーシップまでだ、と。

 たぶん19世紀欧州の「アンタンテ」のような緩い協商を目指すのだろう。

 次。
 J. Daryl Charles 記者による2019-7-25記事「US Army or Islamic War College?」。
     カンザス州フォートレヴンワースにある米陸軍のCGSC(司令官とその参謀幕僚を養成するための大学校)は、政治スタンスが保守寄りである中東史専門家のレイモンド・イブラヒム氏に講演を頼んでいた。

 ところが、全米の大学で保守系の論客を呼ぶなという運動を繰りひろげている親イスラムグループのひとつ、「アメリカン・イスラミック関係会議」が陸軍大学校に抗議書簡をよこし、それを読んだ校長が、イブラヒム氏の招請をCGSCに撤回させてしまった。

 イブラヒム氏は、2018年に『剣とシミター(三日月刀)――西欧対イスラムの千四百年戦争』という著作を公刊している。イスラム問題の専門家である。

 抗議を寄せた団体CAIRは、米司法省によれば、「まだ起訴されたことのない陰謀賛助団体」である。過去の米国内のテロ事件の資金集めに手を貸しており、UAE政府では明瞭に「テロ機関」と分類している。

 CAIRの書簡によれば、イブラヒムはアンチムスリムでありレイシストだそうだ。

 イブラヒム氏は、民族的にはエジプト人であり、ネイティヴ言語はアラビア語である。
 イブラヒム氏の信仰は、キリスト教コプト派である。
 コプト派は、過去1400年間、イスラム圏内で暴力的に弾圧を受けてきた人々である。

 コプト派のエジプト人は、イスラム教がまだどこにも存在しない昔において、エジプト内でキリスト教に入信していたのだ。
 だからアタナシウスなどのキリスト教史上の「教父」たちの多くもエジプトの出身なのだ。

 コプト派に対する宗教迫害はA.D.650年から記録されている。

 アレクサンドリアにあった世界最古最大の貴重な図書館の蔵書を燃やし尽くしたのは、エジプトに侵略してきたアラブ人たちの仕業であったことは、アラブ人も認めている。

 聞くところでは講演予定日の9日前になって中止を告げられたイブラヒム氏は陸大側に、講演がダメなら、その代わりに、CAIRの選んだ代表者と自分とが陸大学生たちの前で公開討論するというのはどうですかと逆提案した由。だが陸大校長らは、テロリズムシンパのイスラムクレーマーに降伏開城する決心を、変えなかったようだ。

 ※以下、イスラム系クレーマーの特徴叙述がしばらく続くが、あまりに韓国系クレーマーにそのままあてはまっていることが興味深い。日本は米国内のイスラム系クレーマーを例に挙げることで、簡単に、米国世論に向けて真実を宣伝することができるのである。

 記者は『戦争、平和、正義におけるプロテスタント改革』などの宗教倫理系の著作がある教授である。

 脚注でいわく。イスラムの1400年史は暴力とテロの歴史であることには証拠があるが、CAIRなどのイスラム擁護団体は、その歴史を抹殺する活動に必死である。そのような過去はなかったことにしようと本気で動いている。

 ※日本でもあるよね。イスラム絡みの事件が起きると、《コーランと暴力はもともと関係ない》などと必ず報道に付け足さないといけないと思っているかのような学者・解説者のあらずもがなの一言が。現代のイスラムテロを説明する分析を自分が持ち合わせないなら黙っていればいいものを、事実上何の関係もないコーランの一部の記述をわざわざ持ち出し、人々が現実をありのままに把握しないように無理やり誘導しようと努める。そこまで行けばもはや学者の看板とは無関係に、政治宗教運動そのものだろう。

放送法がそもそも違憲なのだという理論の組み立てをプロができないとは情ない。というか怖すぎるだろ。

 JOHN VANDIVER 記者による2019-7-25記事「US looks to Greece for more military rotations in Mediterranean」。
    ギリシャのソウダ湾には米海軍の基地がある。しかし手狭である。

 ギリシャ国内には他に基地用地がいっぱい余っている。それを米軍は使いたい。

 昨年、ギリシャ国防大臣は、米軍が新しい基地を造ってくれるように勧誘した。候補地は、ラリッサ、ヴォロ、アレクザンドロウポリ。

 米軍はすでにラリッサからMQ-9 リーパーを飛ばしている。

 米陸軍の航空隊をローテーション派遣するかもしれない。ラリッサではない新基地に。

 2010年に中共はギリシャのピラエウス港の買収に動き、今では完全に掌握している。
 商船であれ軍艦であれ、ピラエウス港に入ろうとする外国船を、中共は拒絶できるようになっている。

 次。
 Peter Pry 記者による2019-7-25記事「The Criticality of EMP Protection Guidelines」。
           全米に停電などをひきおこすためにはEMP核爆弾は上空30km以上で炸裂させる必要がある。

 電気なしの生活を米国人はしのげるか? 1800年代に電気がなかったころ、米国の人口は6000万人未満だった。人口が今もそのくらいであったなら、サバイバルはできるだろうが……。

 高度30km以上で核爆発させるための手段には、ジェット攻撃機が「投げ上げ爆撃」で空中爆発させる方法もあるし、高々度用のバルーンも使える。

 運搬体がミサイルであれなんであれ、EMP核爆弾は、爆発座標を「精密」にする必要がないところが、攻撃実行者にとっての利点である。

 米政府として求めるべき レベル1の対策。
 電力、食料、水を個人で準備。1週間またはそれ以上の業務に必要な量。

 レベル2の対策。
 耐EMPのハードウェアに替えて行け。フィルター、サージ切断等。データケーブルは光にするとか。

 レベル3の対策。
 数分間の停電でも破滅的であるような組織、設備には、EMP防御シールドの整備を要求する。高周波EMPならば97%はシールド面で食い止められること。

 レベル4の対策。
 わずか数秒の停電でも致命的となってしまうような機関、任務、システムについて、米政府はこれを要求する。民間では原発がこれに含まれる。高周波EMPのパワーの99.99%をシールドによって阻止すること。

日本がブロケイドに参加しておけば、将来の対支・対韓戦の予行演習になる。

 DAM TAYLOR AND JAMES MCAULEY 記者による2019-7-24記事「US and Europe pursuing sharply different plans for patrols in the Persian Gulf」。
    インド洋連合艦隊についての米国の構想は、《その国の旗を掲げているタンカーは、その国の軍艦が守れ。ただし、洋上ISRには米国が関与してやるぜ》というもの。
 これを称して「オペレーション・センチネル」だそうだ。

 エスパーはすでに6月のNATO会議でこの案を欧州諸国に提示している。
 ダンフォード統幕議長によれば米国案はすっかり固まっており、同盟諸国が果たすべき役割はもうじき知られるだろうとのこと。

 7-19に米国は六十数ヵ国を呼び集めて、国務省と国防総省とが合同で、プランを説明済み。

 しかし英国外相は7-19に、欧州主導の別プランについて語った。

 何が米国と異なるのかと言うと、米国の狙いはイランに対する最大限の圧力〔要するにインド洋西部の全海面でイランを見張り、事実上の対イラン海上封鎖にもっていき、その過程で、IRGCに先に手を出させて開戦させる気〕だが、欧州はイランが核合意の枠組み内に留まり続けることを重視するので、ホルムズの「自由航行」の担保だけを連合艦隊の目的として限定すべきだと信ずる。

 オバマ時代の国務省で対イランに関係していたジャレット・ブランクいわく。米国は、米海軍ではなくてあくまで与国の海軍をして対イランの最前線を担当せしめると同時に、米国がその連合艦隊を背後から指揮して、対イラン圧力を高めたい。だが英国等は、米国の目的が《対イラン戦争への与国をまきこんだエスカレーション》でしかないのではないかと疑うのである。

 7-22にドイツの外相は、ドイツが英国案を支持することを表明した。フランスも23日に英国案を支持。欧州諸国はまだ対イラン合意協定から脱退していないからだ。

 かたやボルトンを迎えた直後の韓国は24日に、米国案を支持するかのようなリップサービスをしている。

 今回、ブレグジットの行方とは無関係に、英仏独は重要外交案件で団結できることが、はからずも示された。

 ロイズの広報媒体『ロイズ リスト』によると、24日にホルムズを英国の巨大商船が通航したさい、英軍艦『モントローズ』が直掩したと。

 次。
 David Hasemyer 記者による2019-7-23記事「Military fights a deadly enemy: Heat」。
      華氏90度=摂氏32.2度になると、米陸軍の訓練場では「黒旗」を出す。
 熱中症リスクが高いぞ、という警告である。

 訓練指揮官は、1時間ごとに40分の休憩を挟まなくてはならないことになっているが、そんな既定に留意しない者も多くて、救急車の出動となる。

 2008年いらい、米軍の訓練中に熱中症で死んだ将兵は17人以上いる。そのなかには、ウェストポイントに入ったばかりの18歳の生徒、レンジャー教程初日の21歳、6マイル行軍したばかりの22歳の海兵隊員なども含まれているから、いくら若かろうとも、安心はできない。

 次。
 Roger McDermott 記者による2019-7-24記事「Russia’s Military Leaders Exploit Lessons From Experiments in Syria」。
       ロシア軍の戦場研究報告によると、ミル24は、超低高度を飛べば、MANPADSを避けられるという。
 その機序は、自機が輻射する光学スペクトラムが、地面に反射して、その反射源にSAMの光学シーカーが惑わされるからだ、と。

 ※疑わしい。近年の光学シーカーは波長のウィンドウを細分し、紫外線やイメージとも照合する。いつの時代のSA-7だよ?

 次。
 Dzirhan Mahadzir 記者による2019-7-23記事「Schultz: Coast Guard Expanding Western Pacific Operations」。
      米沿岸警備隊は、サモアなど西太平洋の米領諸島および豪州近海でのプレゼンスをこれから増強する計画である。

 豪州、NZ、日本のコーストガードとは密接に共同して行く。
 米沿岸警備艇のおさがりを西太平洋諸国に贈与し、警備能力構築を手伝う。

  ※GCCの資金で、米海軍のモスボール軍艦(浮かべる赤錆城)のでかいやつを数十隻買わせ、それをGCC諸国(ただしカタールは除く)に分配し、ホルムズの南半分を低速で常続的にパトロールさせるのがいいだろう。低速だから、IRGC(イラン革命防衛隊)は、ついつい、それを攻撃したり、乗っ取ってやろうという誘惑に駆られる。GCCの国旗を掲げる公船が襲撃されたとなれば、トランプは軍事膺懲の口実が得られる。めでたしめでたしではないのか? エンジン再生の難しい旧艦は、主機を敢えて再生せず、航洋曳船やプッシャー・バージによって移動させる、ステーション型の監視プラットフォーム(高速ボートマザーシップ)にするのがよかろう。これはイエメン主要港の沖合いに点々と投錨させ、それによってイランからの密輸船がフーシに武器弾薬を供給することを防ぐのだ。ボルトンが来たときにすぐにこういう提案ができなくちゃね。

ロシアメーカーも自爆型無人機を商品化したと宣伝している。

 JOHN VANDIVER 記者による2019-7-23記事「Turkey hints at pulling access to Incirlik and Kurecik if US acts over Russian weapons purchase」。
   トルコのクレシクの山頂には米軍が運用する早期警戒レーダーがあって、NATOのBMDの要となっている。

 トルコ政府は、トランプが対トルコの制裁を決めれば、ここと、インシルリクを、米軍に対して閉鎖すると脅している。

 米軍がイラクに侵攻した2003年にも、トルコは自国内の基地の使用を米軍に対して禁止した。

 2017年にはドイツ軍が、トルコ政府からの要求に嫌気がさして、インシルリクから部隊を引き上げ、ヨルダンへ移している。

 ヨルダンのムワファク・サルティ空軍基地には過去2年間ほど、米国が1億5000万ドルを投じて、常駐米軍の数を増やしつつあり。もしインシルリクから出て行くことになった場合、この基地か、もしくはギリシャに引っ越すのだという。
 ※ギリシャは無いだろう。というのもトルコの仇敵なので、却ってトルコ人を余計に刺激するだけ。ただし可能性としてほのめかすことで、トルコ政府を牽制する意図があるのか。交渉テクニックとして。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-7-22記事。
  トルコは今日、ロシアやイランやカタールと仲が良く、他のすべてのアラブ諸国とは敵対的である。特にエジプト、サウジ、UAEとはよくない。

 トルコはリビア内戦にも介入中。リビア国内では、トルコ対UAEの代理戦争が進展中である。

 1550年代から1910年まで、リビアはオスマン帝国の支配域であった。
 こんなに長く統治していると、最初は本国から派遣されていたトルコ人の官僚たちも土着してすっかり地元の豪族となり、自分たちで自治をするようになるのは必然だった。

 ここに弱点があると見たイタリアは1911にリビアに侵攻。翌年、リビアをトルコから奪った。

 1943年に北アフリカの独伊軍が降服するまで、リビアはイタリアの殖民地として、それなりに産業革命も進んでいた。

 リビアを占領した連合軍は1951にリビアを独立させてやった。宗教指導者を王様に据えて。

 1960年代に南奥地の砂漠で油田が発見された。とつじょ、リビアは金持ちになった。1969年、近代主義集団の軍が宗教家から権力を奪い、2011年までカダフィ体制だった。

 イスラム王政リビアとトルコの関係は良かった。だが社会主義カダフィとトルコの関係は疎遠であった。

 そのカダフィが消えたので、トルコは大喜びでリビア内のイスラム武装ゲリラを後援し始めた。

 1951年当時のリビアの人口は100万人ぽっちであった。それが石油のおかげで労務者の流入を呼び、2011年には600万人。

 リビア人は外国の介入も嫌うので、国内が紛擾しても国連は介入しにくい。
 国連ができることは、トリポリの無力な正統政府を声援するぐらいである。そのトリポリですら反政府ゲリラが面積の大半を占拠している有様なのだが。

 ハリファ・ヒフターの一派(LNA)は、リビア東部から興り、漸次、リビア南部と西部をも支配せんとす。
 同勢力に軍事援助しているのは、エジプトとUAEだ。

 かたや、トルコが後援しているのはムスリム兄弟団。より原理主義的な一派だ。

 エルドアンが進んでいる方向は「トルコをもういちど偉大にしよう」路線。そのために諸地域のイスラム原理主義信仰を利用することを躊躇しない。

 エルドアンは旧領土の回復にも野心がある。しかしエルドアンを支援しているトルコ内のグループは、イスラム世界に対するトルコの指導力の回復の方を重視していて、旧領土はどうでもいい。

 エルドアンは2016にシリアにトルコ軍を送った。これは国内でのエルドアンの支持率を下げた。

 エルドアンはリビア国内に軍需品だけでなく、トルコ人の軍事アドバイザーも送り届けている。

 2015前半、リビア内で反トルコ感情が高まったので、トルコ政府はトルコ人がリビア国外に出るように警告した。

 LNAの強みは、油田とその輸出ルートを押さえていること。

 7月21日、トルコ空軍は自国産の「アンカ」というUAVを使って、リビア国内でLNAを空爆した。見た目はプレデター級である。ペイロードは200kgにとどまる。
 LNAが、トルコ製UAVを撃墜したこともある。

 トルコに対抗するUAEは、リビア国内で、シナ製の「翼竜」を2016から飛ばしている。

 次。
  Jeff Jeong 記者による記事「South Korea to build ship for short-takeoff-and-vertical-landing aircraft」。
   ※韓国系記者による英文の宣伝ニュースとはどんなものか、ご参考に。

       韓国は『いずも』級に対抗して2万7000トン以上の空母を建造する。2020年代後半に就役させる。
 ※F-35Bを買う気になったのは真似しん坊の宿痾だが、その調達過程をトランプに対する外交賄賂としても使おうと、この頃は考えているはずだ。

 『いずも』級2隻は2023年までにSTOVL運用艦にコンバートされる予定である。

 中共は、ソ連式空母の系列の充実とは別に、『075』型と呼ぶ、強襲揚陸ヘリ空母の建造も進めているところである。

 韓国は新空母のために20機のF-35Bを買うのだという。

 そのさい、これまで計画していたF-35Aの調達数を減らすのかどうかは、韓国内で検討中。

 韓国型新空母は、F-35Bを16機、海兵隊員を3000人、AFVを20両搭載する。公式には「LPH(ヘリコプター揚陸艦)-2」級と呼び、飛行甲板はスキージャンプ構造にする。

 韓国のヘリコプター揚陸艦は、1番艦がフランスのタレス社製のSMA三次元レーダーをとりつけていた。V-22は1機を運用できる。
 2番艦ではイスラエルのエルタ社製のフェイズドアレイレーダーとし、V-22を同時に2機、発着させられる。

 ※V-22を買っているとは言っていない。持っていないのに、すでに持っているように印象させる。それで何を主張したいのか?

 既存の韓国製LPHの速力は最大で41km/時である。

 ※LPH-2のネックは中共空母と同様に、主機となるだろう。輸入するしかなかろう。

 既存LPHはウェルデッキを有し、上陸艇を2隻収容する。格納デッキには、2機のV-22を含むヘリコプター15機を収容しつつ、飛行甲板上に回転翼機×5を置くこともできる。

 ※トランプの怒りが将来増す事態があれば、V-22の新規購入を「宥めのカード」として切る準備が、韓国にはあるのかもしれない。こんなに強調するところを見ると。

越鳥 南枝に巣をかけ、胡馬 北風にいななく。

  Rodger Shanahan 記者による2019-7-22記事「Tanker-for-Tanker」。
       ジブラルタルでイランのタンカー『グレース1』を拿捕した英国がイランから報復されるのは確実だったのに、なぜむざむざと『MV ステナ・イムプロ』をイランに拿捕させてしまったのか? 謎だ。

 とうじ、ただ1隻、ホルムズ海域に所在した英フリゲート『モントゥローズ』は、もっとIRGC(イラン革命防衛隊)のボートを間近で凝視し続けることで拿捕を防ぐべきではなかったのか。

 じつは、すぐ近くに2隻目の英国商船『MV メスダー』が航行していた。もし『イムペロ』が拿捕できなかったらイランは『メズダー』に矛先を変えただろう。1隻のフリゲートで2隻のタンカーは直衛できなかった。

 参考事例。2007-3-23にイラン・イラク沖海域で『HMS コーンウォール』から派出された水兵+マリンズ計15人が、1隻のダウを密輸容疑で捜索していたところをIRGC(イラン革命防衛隊)が包囲して15人を拉致。2007-4-4に解放した。この海域ではイラクとイランの海面境界が画定されていなかった。

 次。
 Jonathan Swan 記者による記事「Why Trump keeps Bolton」。
    セントパトリックデイにアラルランドの首相をオーバルオフィスに迎えていたトランプが、ボルトン補佐官を振り向いて軽口。
 「ジョン。アイルランドは、君が侵攻したがっている国のひとつか?」

 このノリは、トランプが日頃、ジョン・ボルトンとどんな話をしているのかを物語って余りある。
 シチュエーションルーム内を知るインサイダーによると、トランプはボルトンであれ誰であれ、からかう。

 たとえば財務長官のミューシンに向かっては、君の中共との貿易交渉の態度は弱すぎるぞ、実業家だったときはそんな弱腰ではなかったはずだ、と揶揄したという。

 昨年のシチュエーションルーム内では、「オーケー、ジョン。つまり君はこれらの全部に核をぶちこみたいんだな?」と訊き、全員大笑いだったという。

 ただしトランプはボルトンをぞんざいに扱うことはない。

 ボルトンに批判的な人物いわく。ボルトンは、自分がトランプの将棋の「歩」であるとは、周りから見られたくない。

 トランプはボルトンのことを、ブラフのカードだと考えているようだ。特にイランや北鮮に対する。だから、周りからいくら促されても、トランプはボルトンを馘にしていない。

 先の論者いわく。狭い取調べ室の中でボルトンを「バッド・コップ」として隣に控えさせておき、トランプ自身は「グッド・コップ」となって敵首脳に「まあ、カツ丼でもどうだ」と懐柔にかかる。これが作戦なのかも。

 こんなこともあった。閣僚ルームでオランダの首相と会見したとき、トランプは、オランダを含む欧州の国々が、NATOとして申し合わせて決められた国防費の対GDP比率を達成していないことを非難。そして右横に座るボルトンの方を向き、「だがジョン、君はNATOが好きだよな?」。
 ボルトンがごく簡略にNATOを擁護すると、トランプは再びみずからの抱く不満について、述べ始めたという。

 某元補佐官いわく。トランプがボルトンの提案について激昂することもある。だが概してトランプはボルトンのことを、「よく準備している、頭の良い奴」と評価しているのだ。

 ボルトンは以前、マティス国防長官の意見に一歩もひかずに果敢に反対した。そこを、トランプは高く買っている。

 これはボルトンの前任のマクマスター安全保障問題首席補佐官にはできなかったことだ。マクマスターは三ツ星大将なので、四ツ星大将のマティスを「サー」とか「長官」と敬称で呼ぶしかない立場だった。民間人のボルトンにはその遠慮は無い。

 あるときマティスがシチュエーションルーム内で歴史についてレクチャーし始めた。するとボルトンが話の途中でテーブルを叩き、「ジム、止めてくれよ。今の90秒だけで君はすでに三つの間違いにとらわれている」と遮ったという。
 その場にトランプはいなかったが、あとでその模様は伝わった。

 ボルトンをわざわざ助けてくれそうな同僚は政権内に存在しないので、ボルトンはいつでも大統領から解任され得る立場である。

 そしてボルトンはそれを怖れていない。彼は自分の所信にのみ忠実に、ふるまい続ける決意を疾うから固めている。

 ボルトンがこれをやるべきだと強く信じたときには、彼は人の同意を待たないでさっさと前進しようとする。これが周囲を怒らせる。

 トランプの親友たちはトランプに、ボルトンがお前を戦争に引きずり込むぞ、と警告する。トランプは彼らに、その心配は無いと答えている。

 以前、トランプは親友たちに語った。ボルトンが毎日3つの戦争を始めようとするが、私が制御しているんだ、と。

 周辺者が最も怖れているのは、イランとの戦争である。イランとの戦争は大したことがないとトランプが信じているのではないかとも心配する。

 ある人の証言。ヴェネズエラ問題をトランプたちが話し合っていたとき、トランプは、同国のレジーム・チェンジが必要であるという目的に関してはボルトンに同意していたが、ボルトンが急ごうとする手段に関しては不賛成だった。

 トランプは、人民が独裁者マデュロを打倒するなどというお花畑シナリオを全く信じていない。どこの誰であれ、独裁者があっさりと権力を手放すわけがないことについて、トランプはよく分かっている。

 共和党支持者として米国有数の献金者が3人いる。シェルドン・アデルソン、ポール・ジンガー、バーニー・マーカス。いずれもトランプ政権がイスラエルを守ることを望んでいる。そのうち、アデルソンは、ボルトンを強く擁護している。

私もきのうは「NHKから国民を守る党」に投票したんだぞ。ヒャッホーイ!

 とうぜん、選挙区は山本貴平氏に入れたのだが、こっちは残念でしたなぁ。
 『こんなことをやったって、どうせ無駄ではないのか……』と、心の隅で思っていても、敢えてそれをやってやろうという、あの人たちの勇気に、私は共感したのだ。

 また、この党名のネーミング・センスには当初から脱帽だった。これは正直な話。
 ネーミング・センスのある人は、国会周辺には、本当にすくないからね。

 政見放送は、視なかったけれども、噂は聞いています。
 次にスピーチ・ライターが必要なときは、いつでも声を掛けて欲しい。もっとアグレッシヴに、行こうじゃないか!

 次。
 Michael Peck 記者による2019-7-16記事「The Army can now 3D-print body armor on the fly」。
     米陸軍の研究部が、ボディアーマー用のセラミック・プレートを、3Dプリンターを使って製造することに成功した。

 防弾ジャケット全体ではない。あくまで、そこに挿入するプレート・パーツの話である。

 セラミクスを防弾材にするには、内部に「す」が入っていたらダメ。ここが製造上の最も難しいところだ。

 次。
 James Lynch 記者による2019-7-14記事「How to Sharpen a Knife (in 9 Easy Steps)」。
       よく研がれたナイフは、なまくらな刃物よりも安全である。なぜなら、対象を切るのに最小限の力をかけていれば済むため、なにかの拍子で、その対象の先や奧にある人体等にぶっ刺さってしまう事故は予防されるからだ。

 研いだ後、親指の爪を注意深くエッジに当ててみることで、研がれてない凸凹部分があるかどうかは確かめられる。
 研ぎが不十分なエッジは、光を乱反射させるので、見た目でも分かる。

 最後は紙を切ってテストだ。

 ※末筆乍ら、このたびの「和弓+征矢」の科学的データ取得実験にご尽力・ご協力くださいました「刀剣はたや」の籏谷嘉辰様およびご一門の方々、ならびにお手伝い下さいましたすべての皆様に、深謝いたします。おかげさまで無事に終了できました。とりあえず数ヵ月後の「彩図社」の刊行物に、ご注目ください。また、アートボックスの市村様はじめ、撮影された動画やスチルは、撮影者の各人でどうぞご自由にお使いください。今回の実験が、再現可能な方法でなされ、科学的に計測されていることが、天下に、SNS媒体その他を通じて示されることを、わたくし、個人的にも希望しております。

全国の防火責任者さんたちは、旧著『日本転覆テロの怖すぎる手口』を、もういちど、読み返していただけないだろうか。

 Gina Harkins 記者による2019-7-18記事「Here's the New Marine Corps Weapon that Just Destroyed an Iranian Drone」。
   ホルムズ海峡でイランの無人機を墜落させた装置は、米海兵隊のLMADIS=軽マリン防空統合システム。
 その装置から1000ヤード内の無人機に対して効き目がある。

 加州に本拠がある第11海兵遠征部隊が中東に持ち込んでいた。半年のローテーション派遣。今は2200人が強襲揚陸艦『ボクサー』に乗船している。

 LMADISは、MRZRというATV(全地形車両)×2両に分載されている。その車両ごと、『ボクサー』に積んでいた。このように艦載する試みが、何隻かの軍艦を使って、なされている最中である。

 MRZRのうち1両は指揮車。システムは、まずレーダーとカメラによって、未確認UAVが敵性かそうでないかを判定する。ひとたび脅威と認定されれば、無線電波によるジャミングを実行する。

 ノースカロライナに本拠がある第22海兵遠征部隊は、すでに今年、いちはやくこのシステムを強襲揚陸艦『ケアサージ』に積んで中東海域を通航している。
 また第13海兵遠征部隊の一部は、ジブチにおいて、この装置を使った訓練をしている。

 次。
 2019-7-19記事「Iran says it has seized a British oil tanker in the Strait of Hormuz」。
       IRGC(イラン革命防衛隊)が拿捕した英タンカーの名は『ステナ・イムペロ』である。

 運用会社のステナ・バルクによると23人が乗っている。

 次。
 STARS AND STRIPES の2019-7-19記事「Misaligned propeller shaft delays collision-damaged USS McCain’s return to sea, Navy says」。
       イージス駆逐艦『ジョン・S・マケイン』の修理が昨年11月におわって乾ドックから出たのだが、1本のプロペラシャフトが歪んで取り付けられていることが判明。そのために、この春の予定であった再就役が不可能になっていたことが分かった。

 スクリューは左右に2軸ある。そのうちポート(左側)の軸がまっすぐでないため、洋上試験で高速を出したら激しく震動した。

 ※辞書によると1930年頃以前の米海軍はポートを「右」の意味で用いていて、その頃を境に用語の意味が正反対に逆転しているそうだ。英文戦記を調べるとき、大混乱するじゃないか?

 次。
 Patrick Tucker 記者による2019-7-17記事「Why the S-400 and the F-35 Can’t Get Along」。
     S-400とF-35を同じ国が運用すればどうなるか。
 S-400のレーダーは、F-35の離陸から着陸までを仔細にモニターし、レーダーにとっての「見え方」の特徴をすっかり把握できてしまう。それが困る。

 トルコは単にS-400の現物だけを輸入するのではない。システムには「ロシア人による5年間のサポート」がセットになっているのだ。
 したがって、ロシア軍にF-35のすべてを教えてやるのに等しい。

 次の問題は、トルコはNATOの一員なので、NADGE(=NATO防空地上環境)に接続される。これは、S-400のコンピュータがオンラインでNATOの防空用データにアクセスできるようになることを意味する。たとえばNATO軍のF-35戦闘機等の使用する味方識別信号の情報は筒抜けとなる。

 味方識別信号が分かり、オンラインアクセスができるのならば、露軍は、味方を装ってNATO空軍を奇襲したり、あるいはNATO防空システムにサイバーアタックを仕掛けて麻痺させることも簡単にできてしまう。

 F-35はメンテナンス情報を常時、衛星経由で米本土のロックマート社へ送っている。そのサーバーは全世界のF-35と結ばれている。露軍は、トルコのF-35を足がかりとして、ロックマートのサーバーにウィルスを送り込み、そこから全世界のF-35を感染させて機能できなくさせてやることも可能になる。

 ではNATOにはトルコのS-400から貴重情報を得るメリットはないのか?
 じつはトルコその他の外国へ売られているS-400は、露軍仕様よりもグレードを落としてあるので、外国が露軍の弱点をすぐに把握することにはつながらないのだ。
 もちろんロシア人は、最高グレードの物を輸出し、その技術情報を教えますとセールストークするのだが、単純に嘘である。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-7-19記事。
    北鮮では、生産性の悪い農地を宅地として売る、農民の行為が、摘発対象になっている。これは過去にはなかったこと。

 また、道路に近いところの墓場を掘り返し、死体を焼いて肥料にし、森林再生のために撒くようにとの政府命令も出ている。
 墓守りが居ない墓地はすべて無縁墓地と看做して掘り返すそうである。

 北鮮政府は2018にとつぜん「森林再生」を言い出し、人民が焚き木を採集したりそれを売ることも禁止した。
 ※要は三代目の思いつきか。

 北鮮ではカネモチ階級が私邸に広い庭園を造っている。当局はそこに植林しろと迫っている。警察に賄賂を渡せる者だけが、その命令を無視できる。
 だから、ある屋敷の庭にとつぜんに植樹されていたなら、その家には、じつはあまりカネがなかったんだな~ということがわかるわけである。

 ※なぜ韓国の山はハゲ山かという戦前の報告があって、李氏朝鮮時代の両班が際限なしに住民から勝手な税を巻き上げるので、どうせ奪われるならというので地元民が、見える限りの樹木を先手を打って手当たり次第に伐採して薪にしてしまうのだそうである。なにも好き好んでハゲ山にしていたわけではなく、強い者が法律(税制)を私する反近代儒教文化が、そう仕向けていたわけだ。あと、朝鮮では道路の四辻の中央に死体を埋めるという奇習があった。詳しいことは昔の「読書余論」に書いた。

可燃性のフィルムを大量に扱っていた時代には、もっと火災を日頃から真剣に警戒していたはずなのだが……。

 Allen James Fromherz 記者による2019-7-17記事「Why the Strait of Hormuz Is Still the World’s Most Important Chokepoint」。
       石油が発見される以前から、ホルムズ海峡は世界の頚動脈であった。

 今日、ペルシャ湾岸の石油の9割はホルムズ海峡経由で輸出される。
 それは世界全体の石油供給量の2割である。

 最も狭い地点で幅は21海里。

 ホルムズ最狭部の南岸は、オマーン飛び領土たるムサンダムである。ここでは彼岸からのペルシャ語のラジオ放送がガンガン入る。

 土地の環境は、人間が自然に暮らすためには甚だ悪い。暑いだけでなく湿度がある。熱風も吹く。ホルムズの両岸は基本的に不毛地帯であり、人の住まないところであった。

 過去にペルシャは、ムサンダムも支配下に置こうと試みている。だがこれまでのところ、ホルムズ両岸をもろともに領有できた主権者は存在しない。

 ムサンダムの現住山地民族およびダフーリ漁民は、オマーン王からは、ある程度の自治を、歴史的に認められてきた。

 今のイランの石油積み出しターミナルも、ホルムズ海峡のララク島にある。昔はペルシャ湾奥部のカーグ島だったのだが、イラクとの戦争でさんざんに攻撃されたことから、河岸を変えたのだ。

 ララク島、ホルムズ、ケシュム島、ならびにペルシャ湾の北岸一帯には、ペルシャ人とは民族と宗派と言語の異なる、スンニ派のアラブ人たちが、近代の海上国境線が確立するより前から、アラビア半島から移り住んで定住している。彼らはイランの中のマイノリティである。

 イランの辺境山岳地帯では、昔から、民族問題が醸し出されている。

 たとえばバルチ族。スンニ派で、イランからの分離独立を求めている。2009年にはIRGC(イラン革命防衛隊)を爆弾で攻撃して15人を殺した。

 この海峡への米軍の関与度には、歴史的に揺れ幅がある。
 1987には、イラン対イラクの戦争のとばっちりからクウェートのタンカーを護衛する役目を買って出た。

 1988年、いわゆる「タンカー戦争」のさなか、米軍は、イランの複数の軍艦と警備艇を撃沈している。

 さらにその3年後の湾岸戦争の経過を観察して、イランは、米軍とは正面から開戦するべきではなく、どこまでもオフセットなグレーゾーン作戦で粘るべきだと学習した。

 小型舟艇多数によってマンモスタンカーやコンテナ船にイヤガラセを仕掛ける戦法も、そのひとつだ。

 このごろの米国は、主にGCC諸国に武器を売って儲ける政策だ。カタールの肩をもってイランとの喧嘩をけしかけようとしたり、サウジの応援をしてイエメンにおいて対イランの代理戦争を始めさせたり。

 イランの核武装を米国が止められないと見たサウジとUAEは、それぞれ核武装を画策しているところだ。
 ※UAEが韓国企業から帳簿外の核物質を受け取っていなかどうか、世界は監視するべきだろう。

 米海軍はバーレーンとカタールに軍港を確保している。だが、それらはホルムズ海峡よりも内側にある。

 英国は1820年から1970年まで、ペルシャ湾との交易航路の維持に責任を果たしていた。

 オマーンはイランとの関係が実は悪くない。
 オマーンの今のスルタン、カブースビンサイドは78歳で、後継者が未だ定まっていない。
 もし死後の権力継承がすんなりと行かぬときは、ムサンダムをオマーン本土から分離独立させようという動きが出るおそれがある。

 ムサンダムにある電信局は、英国が運営している。おそらく通信傍受情報を米国と共有している筈。

 オマーンの現スルタンの穏当な政策が、ホルムズ海峡の自由通航を裏支えしてきた。米国政府は、この穏当な政策が当然のように次世代にも引き継がれると思ってはならない。一寸先は分からないのだ。

 米軍とGCC同盟軍が、ララク島を含むイラン南岸への軍事攻撃を開始すれば、イラン国内が団結するだけでなく、イラン南岸に居住しているオマーン系の労働者たちもイラン支持に廻るだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-7-18記事。
    不発弾の信管が数十年後に作動するケースはたまにある。2010年、沖縄の太平洋岸で、65年前に投下された不発弾(黄燐爆弾)が燃え始めた。誰も手で触れたりしていないのに。

 黄燐焼夷弾は、完全に水没していたときは自然発火しなかったが、嵐などで浅瀬まで動かされてしまい、空気に触れたようである。そこで発火条件が整った。

 海岸で白煙が立ち込めたので、人々は驚いた。

 自衛隊の不発弾処理班は、その近くで別な105ミリ砲弾の不発弾も発見し、一緒に処分した。

 2013年に、サンクトペテルブルグ郊外の鉄道工事現場でWWII中に敷設された地雷が爆発し、2名が負傷している。

 81mm迫撃砲弾の不発弾が掘り出された場合、錆を除いた全重の2割が炸薬だと思えばよい。

 米軍が1990年代にグァム島の基地を拡張するときも、不発弾処理のコストが5000万ドルかかった。投下爆弾は少なくて、大小の砲弾、手榴弾、地雷が多かった。
 当時の実戦では1割の砲弾は不発になった。

トルコはF-35を長期的に100機調達する計画を有し、現在まで、約30機が発注された。

 Metin Gurcan 記者による2019-7-16記事「How Turkey is planning to handle US blowback over S-400s」。
     エルドアンいわく。S-400は、2020-4までに全ユニットの実戦準備が完了する。いちばん早いユニットは2019-11に整う。

 S-400の最初の部品は、露空軍の3機のアントノフ124輸送機によって、アンカラ市のムルテド空軍基地に搬入された。6月12日のこと。

 トルコのSSB(国防産業マネジメント)という法人が、ロソボロネクスポルト社と契約した。同社がS-400の製造元である。

 トルコ国防相は強調。契約は2017-8-2であった。トランプがCAATSA=「米国の敵に対する制裁対抗法」に署名したのはその後である。

 トルコの認識では、CAATSAは、その発効以前のトルコの行為については適用できぬはずだと。この認識を、大阪で、エルドアン政府の高官が、トランプ政府高官に伝達してある。

 だがロイターによれば、トルコとロシアの最終合意は2017-12-29であった。だとすればCAATSAには真っ向からひっかかる。

 SSBが契約の主体であったことは、今回、初めて世間にあかされた。
 SSBはトルコの最大の軍需企業である。もしCAATSAが発動されれば、SSBによるすべての商業行為が、米国市場から弾き出され、遮断される。その影響は小さくないだろう。

 というのはトルコ国内で製造されている兵器には、「部品」「中間製品」「中間素材」「原料」等が米国から多数輸入されて用いられているわけだが、それらのすべてが制裁対象となって禁輸されてしまう。トルコの兵器国産現場は休業に追い込まれるしかない。

 トルコ側では、そうなればトルコの兵器独立がますます進むだけだ、と強がっているが……。

 ロシアの輸送機が空港に着陸する模様は、トルコのTVでライブ中継された。このような報道は過去にはありえなかった。まず、エルドアンの意図を体した、トルコ政府の決意の対米宣伝であろう。

 ただし空輸されたのはレーダーその他で、ミサイルでもランチャーでもなかった。おそらく120発のミサイルが、船舶によって、1年以上かけて、トルコに搬入される。

 ミサイルの最初の納品は、9月に、メルシン港へ陸揚げされてなされるだろう。
 ちなみにロシアは1月には、中共にS-400を海送して納品している。

 現品を受領してから3ヵ月ぐらいしないとSAMは稼働しないから、トルコの最初のS-400の高射大隊の実戦展開は11月より後だ。

 今、トルコ陸軍は、シリア北東部国境の近く(スルク地区とアッカカレ地区)に集結しつつある。トルコ軍は、SAM援護の下、シリア北東部に侵攻する気であるのかもしれない。

 ※要するに米国が後援しているクルド地区をぶっ潰したい。もっと本音を言えばイラクのモスル油田もついでに占拠したいところであろう。

日葡辞書の読み辛さ……。

 Jonathan D. Caverley, Ethan B. Kapstein, Srdjan Vucetic 記者による2019-7-12記事「F-35 Sales Are America’s Belt and Road」。
    2005年にイスラエルが中共に無人機の部品を売っているのがバレた。米国はF-35の供給を止めるぞと脅し、イスラエルにその輸出をやめさせた。

 トルコはF-35の部品製造分担によって将来にわたり総額120億ドルの輸出ができる見通しだった。これは今のトルコのすべての航空宇宙関連製品の8年分の輸出額に相当する額である。

 加われば儲かる事業だから「アメリカ版の一帯一路」なのだ。
  ※いや最初からの開発協力国でない限り、儲けは無いでしょ。日本は「安いみかじめ料」と思ってF-35を買ってやっているだけ。

 次。
 Helene Fouquet 記者による2019-7-14記事「France Maintains the Goal of Creating a ‘European Army’」。
         げんざい米軍はNATO軍の人員の4割を提供しているが、トランプは、欧州が分担を増やさないなら米国はNATOから離脱すると脅している。この脅しは、マクロンが主導する「欧州陸軍」創設構想を後押しするものだ。他方でトランプは、この「欧州陸軍」案が米国を欧州から締め出すフランスの策略だとして反発している。

  ※フランスもF-35を買う気はない。そしてフランスはこれからトルコに自国製戦闘機を売り込むつもりのはずだ。

来週の天候がとても気になる。

 Will Wade and Chris Martin 記者による2019-7-13記事「The Same Technology Used in Power Grids Will Cloak Navy Ships」。
         米海軍は、水上艦艇を敵の磁気機雷に対して不感にする新技術を2021年から試す予定。とりあえず2隻で実験。

 風力発電システムのメーカーである「アメリカン・スーパーコンダクター」社の製品を使う。旧来の銅線よりも大量の電気を通せるワイヤー。

 同じハイテクワイヤーを、送電会社の「エクセロン」社も採用する。変電所のひとつがダウンしてもすぐに別のルートによって給電が維持できるようなグリッドを構成するのに、このワイヤーは適しているから。

 メーカーによると、このワイヤーを使えば、旧来の「艦艇消磁装置」より9割軽い消磁システムも可能だという。消磁に必要な電力も半分で済むそうだ。
 もし『サンアントニオ』級の兵員輸送揚陸艦にこのシステムを取り付ける場合、コストは1000万ドルだとメーカーは試算する。

 高いようだが、軍艦1隻の値段や兵員の命を考えればこの投資が合理的だと分かるだろう。

トルコが生産していたF-35の部品を引き受ける、新しい製造国が探されている。

 ストラテジーペイジの2019-7-12記事。
   イランのいつもの反応。何かに失敗した現場をおさえられると、それはイラン人の仕業ではないと宣言する。

 米軍の偵察機が、IRGC(イラン革命防衛隊)の武装艇複数が英国タンカーを脅威し、引き退がった模様をずっとモニターしていた。4日前のこと。
 これは8日前にジブラルタルで英軍コマンドー部隊がイランタンカーを拿捕したので、その仕返しを狙ったことは明白だ。

 英国は、国連制裁で禁じられている、シリアへの原油供給を阻止したまでだ。

 2017年に米国が対イラン制裁を加重したのに応じてイランは、ホルムズ海峡の管制権を主張して同海峡の閉鎖をチラつかせるようになった。

 そこで米軍は2018年からホルムズ海峡近辺へ各種軍事力を集めはじめた。

 これによって米軍艦艇に対するイランのイヤガラセは終息した。
 2015年にはその種のインシデントが22件、16年には36件もあったのに、17年には14件に減り、2018年には零件になった。

 米国が有利な背景は、ホルムズ海峡が封鎖されても米国には痛くも痒くもなく、逆にイランの方がきわめて苦しくなってしまうこと。

 米本土内での原油と天然ガスの生産量は増える一方なのだ。中共の立場とは対照的である。

 ホルムズ海峡を通過する原油のうち、たったの5%がアメリカ向けという。
 同海峡を東へ抜ける原油タンカーの行き先、トップ4は、中共、インド、韓国、日本である。この4ヵ国向けで60%である。

 中共とインドは、これまで、何かとイランの肩をもってきた。しかしイランがホルムズを封鎖すれば、その態度は変わるだろう。

 英国はどうか。毎日ホルムズを通峡する英国商船は、たったの3隻である。だから英国にとっても、ホルムズ海峡戦争は、ほとんど影響がない。イランから脅されれば、いくらでもやり返せる立場なのだ。

 げんざい英国は4隻の軍艦をペルシャ湾に配している。そのうち3隻は掃海艇だ。 ※近々、フリゲート1隻を増派する見通し。

 米国は、ホルムズと、バブアルマンダブ(紅海入り口)を警備する、有志連合艦隊の結成を画策している。
 米国も英国も、スエズの通峡を邪魔されるとさすがに影響が大きい。スエズの東海面が紅海、その出口がバーバルマンダブ(マンダブ海峡)なのだ。 ※そのすぐ近くに海自のジブチ基地がある。

 イランは、手下のイエメンゲリラ(フーシ)を使って、紅海のチョークポイントを撹乱できる。

 紅海を通る商船の大半は、欧州に用がある。毎日、400万バレルの原油も、紅海→スエズ経由で欧州へ陸揚げされている。

 エジプトは、スエズの通航料が国家財政の頼みなので、紅海を商船が通れなくなったら、大打撃だ。

 サウジアラビアの主要な商港も、実は紅海沿岸にある。ペルシャ湾岸ではなく。

 IRGC(イラン革命防衛隊)は、イラン大衆からは支持されていない。

 イラン経済は貧困化しており、その原因がイスラム独裁にあることを大衆は知っている。IRGCは、そうした声を弾圧するための機関なのだ。

 米国はそこがわかっているので、IRGC幹部個人を狙い打ちにする制裁を打ち出している。それはイラン大衆からは拍手されている。

 IRGC寄りのイラン政治家は、外国商船からホルムズ通航料金を徴収しようと言っている。

 7-8に英タンカーを襲おうとしたIRGC(イラン革命防衛隊)の武装艇は3隻。しかしタンカーの8km後方を護衛していた英フリゲートが近づいて、連中の計画を頓挫させた。
 ※海上での8kmは、檣の低いボートからは、なかなか直視などはできない距離だ。うまい間合いを、英軍艦はとっていた。

 フリゲートは、30ミリ機関砲を指向して、「立ち去れ」とボートに命じた。
 フリゲートの主砲である114ミリ砲は、指向されなかった。

 7月4日、ロイヤルマリンのコマンドー隊員30名が、ジブラルタル基地からヘリで飛び立ち、昧爽4時、イラン所有のスーパータンカーに降着して拿捕した。

 このタンカーはイラクで200万バレルの原油を積み取り、シリア政府に届けようとしていた。
 もしスエズを通れば、運河を監理するエジプト政府が、積荷の行く先を精査するため、国連制裁破りだということがバレてしまう。そこで、延々と喜望峰を廻って、ジブラルタルからこっそり地中海に入ろうとしていたのだ。

 そもそもイラン船籍のタンカーが、イラク原油をどこに運ぼうと、原則として自由だ。ただし、国連が制裁しているシリア向けとなったら、とうぜん、話は別。

 イランとイラクはバーター貿易協定を結んでいる。イランはこの方法で、イラクへ電力を売っている。
 イラクは、ひそかに、対イラン制裁によって禁制品となっている諸物資を、イランのために密輸してやる手伝いもしている。儲かるからだ。

 7月1日、イラン空軍所属のF-14Aが着陸に失敗して大破。乗っていた2人はエジェクションシートのおかげで無事。

 現状でイラン空軍は12機ほどのF-14を、練習機として使い続けている。1970年代に79機も買っていたものだが。

 他に、80年代に買って一度もアップデート工事していないミグ29が約30機ほど。これも、飛ぶだけで精一杯のコンディションだ。

 吸着爆雷の攻撃があった直後から、ソマリア近海を通航する大型商船が、用心棒(武装護衛員)を雇用するケースが急増。

 雇われ護衛係は、そうした吸着爆雷をスキャンし、夜は甲板に不寝番に立つ。近寄る小型船があれば即座に射撃を加える。

 イラン製の巡航ミサイルは200km以上を飛んで命中した。サウジの空港ビルに。

 次。
 Zak Doffman 記者による2019-7-11記事「Military Spy Satellite Targeting Iran Crashes To Earth After Catastrophic Failure」。
         UAEの偵察衛星、打ち上げが失敗して海の藻屑に。

 「ファルコン・アイ 1」という衛星だった。

 センサーには、タレス社製の、解像度70センチの光学カメラが搭載されていた。これを監理する地上局はアブダビに開設済みである。

 打ち上げロケットは欧州製の「ヴェガ」。仏領ギアナから10日に発射され、2分後に失敗確定。

 第2段の固体燃料の点火がうまくいかなかった。「ゼフィロ23」という既製品なのだが。

 「ヴェガ」は2012年からこれまで14回、打ち上げ成功している。

 次。
 Tanya Basu 記者による記事「A biotech startup is making cow-free ice cream. Would you eat it?」。
   米国のベンチャー企業「パーフェクトデイ」は、イースト菌を遺伝子改造して、ホーエイ蛋白質を産生させるようにし、それを以って、生クリームを造り出すことに成功した。6000万ドルと5年をかけた技術。

 これにより、牛と乳製品が一切関与しない高級アイスクリームが可能になった。

 これまで、オーツムギ、ココナッツ、ヒヨコマメ等から擬似牛乳(=乳製品の植物性代替物)を取り出す試みが、支持者を増やしていたが、とうとう決定打が出た。

 というのもそれらの代替物にはホーエイが含まれていないため、どうしてもクリームとは違う味でしかないのだ。

 カシューナッツやココナッツは脂肪が多いから、かなり近いものが造れた。それでもホーエイには及ばない。

 今回の発明は、乳糖に耐えられない人も満足させるかもしれない。

とうとう七月中旬。

 JOSHUA KARSTEN 記者による2019-7-10記事「Iran lawmakers want tolls in Strait of Hormuz in response to US sanctions」。
    ホルムズ海峡のいちばん狭いところは幅20海里。その両側はイランとオマーン(飛び地)なので、沿岸12海里はどちらかの領海だが、歴史的に国際海峡であったので、どの国も通航料を徴収することはできない。

 例外がパナマ海峡。海峡全体が一国内にあり、しかも人工運河であるため、通航料が徴収されている。

 イランの国会議員のハシェミは、イランがホルムズ海峡の安全を維持している労務に対する補償として、イランが非友好的と看做す国の船舶に対する通航料を新たに設定しようではないかと提案している。

 ハシェミいわく、非友好的な諸国とは、イランと交易をせず、米国の対イラン制裁に加担している諸国である。

 ヘリテイジ財団に属する元米軍人いわく。商船の無害航行に科料しようというのは、強請り行為である。

 また、もしこの料金を支払う商船があれば、それはすなわち米国による対イラン制裁と法的に抵触する。結果として、当該商船は米国の金融システムへのアクセスは許されなくなり、米国関係の一切のビジネスに関わる資格を失う。
 イランは繰り返し警告してきた。米国による制裁がイランの原油輸出を脅かすならば、ホルムズ海峡の長さ35海里の航路を閉鎖すると。

 イランは UNCLOS=国連海洋法条約 の署名国なのだが、イラン議会はこれを批准していない。UNCLOSは国際海峡閉鎖を違法と看做す。

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 Robert Purssell 記者による2019-7-10記事「Repurposing Warships」。
    1814年に米海軍が進水させた帆走軍艦『インディペンデンス』は、設計者が重量計算を致命的に誤ってしまった。
 32ポンド砲の砲戦デッキが3層(総計72門)ある本格的な戦列艦だったのだが、吃水が予想以上に深くなり、最下層の砲戦デッキの乾舷高はわずか4フィート足らずとなった。
 これでは平水面で帆を畳んで停止しているとき以外、砲門扉を開けることもできない。風を受けて傾斜したときに波が入れば、大浸水だ。

 1835年、米海軍はこの艦をレイズィーする(上層デッキを撤去して低くする)決定を下した。

 翌年、砲54門のフリゲート艦として『インディペンデンス』は再就役。

 これは大成功した。全天候で軽快に走り、欧州列強の普通のフリゲートよりも重武装。ポケット戦艦のようになった。
 おかげで、蒸気船時代まで一線で活躍することができた。なんと1913年まで、名実ともに「予備艦」だったのだ。

 真珠湾攻撃直前の1941秋、FDRは米海軍のジェネラル・ボード(古手の提督たちの集まりで大統領の諮問にあずかる。1900創設)に対し、急いで何隻かの建造中の巡洋艦を途中改装して軽空母に仕立て、1944のエセックス型の就役までの時間をかせぐべきだと提言したが、一蹴された。理由は、飛行甲板が狭苦しいので着艦が難しくなる。

 しかし真珠湾攻撃後、大統領権限が強くなり、9隻の『クリーヴランド』型軽巡と2隻の『ボルチモア』型重巡が、空母に設計変更された。

 これらの軽空母も成功作だった。結果的に。

 WWII後、巡洋艦が大量にモスボールされた。うち6隻は長射程のタロス艦対空ミサイル、5隻は中射程のテリア艦対空ミサイルを搭載する「CG」=ミサイル巡洋艦に改装されて生まれ変わった。

 では、大失敗作たることが確定したLCSも、なんとかならないか?

 一案。
 ヘリコプター用の設備を全廃して、VLSに替え、アーセナルシップに変更するといい。
 ミサイルの管制は、近くのイージス艦がすればいいのだ。

 別の案。エネルギー指向兵器=DEWを搭載した「空母護衛艦」にする。この場合も、ヘリ設備は全廃しなければならぬ。

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 Charlotte Jee 記者による2019-7-10記事「How “stalkerware” apps are letting abusive partners spy on their victims」。
         つきあっている男から、それと知らずして自分のスマホに「スパイアプリ」を搭載されてしまっている女性が多い。

 別名、ストーカーウェア。

 実例。2014年にこのアプリを仕込まれ、スマホを通じて全行動・全通信を常に監視されながら、2016年までの2年間、そのことに気づかなかった人がいる。
 監視されていると察したきっかけ。フェイスブックメッセンジャーにて自分の親戚との間でやりとりした話の内容を、なぜかその男が知っていた。

子供に人参を食わせるいちばん簡単な方法は、微塵に刻んでコメと一緒に炊いてしまうことだと認識す。

 ASSOCIATED PRESS の2019-6-8記事「Germany rebuffs US request for ground troops in Syria」。
      米国のシリア特使であるジェイムズ・ジェフリーが先週、ドイツ政府に対して、シリアで米軍が領導している反IS有志軍にドイツから地上部隊を参加させて欲しいと頼んだところ、ドイツ政府はこれを断った。

 ドイツはこれまで、イラク政府軍に対する訓練、航空偵察、および、空中給油の貢献を、同地域において果たしている。それは続行するが、地上部隊は送らない。

 ジェフリーの希望では、シリア北東部にて、シリア人の反アサド親米ゲリラを、補給と訓練と技術要員で支援して欲しいのだと。そして、米兵が今やっている仕事を部分的に肩代わりして欲しいのだと。

 次。
 Brian Everstine 記者による2019-7-4記事「USAF MQ-9 Presence in Eastern Europe Shifts South」。
        米空軍は、従来ポーランドのミロスラヴィエク基地から飛ばしていた「MQ-9 リーパー」の一部を、7月3日に、ルーマニアのカンピア・トゥルジー基地へ移駐させた。
 ルーマニアでは、契約民間会社の社員が、これら「MQ-9 リーパー」を運用する。その機体自体も、空軍の所有機ではなくて、会社の所有機だという。
 主にバルカン半島を偵察させる。

 この分遣隊(第52遠征作戦グループ)は2019-3-1からポーランドに送り込まれていた。部隊規模は機数を含めて秘密だが、大きなものではない。空軍の将兵が通信連絡や情報分析や部隊警護を行い、リーパーの操作はすべて契約民間会社が実施する。このような形態とすることで分遣隊の派出を機動化する。なお、リーパーはこの部隊に関してはすべて非武装である。

 この分遣隊は、それ自体がオフィスである12個のモビール・コンテナに所帯道具一式を詰め込んで引越しできる。NATOの基地内に間借りするのだが、NATOビルの中には入らずにコンテナで暮らし、敷地もフェンスで区切る。

小樽に『加賀』が来るそうだが、行けそうにない。

 Jacqueline Detwiler 記者による2019-7-5記事「The Airplanes That Rescue Ebola Patients」。
   エボラの特徴的症状。妊婦が何でもないのにその胎児が先ず死ぬ。

 フェニックスエアー社は、小規模な民間航空輸送会社だが、特殊バイオコンテナ設備CBCSをもっていて、米国務省に頼まれれば、そのコンテナでエボラ患者だろうが何だろうが空輸することができる。

 ソチ五輪のとき、もしゲーム中に米国の要人が奇病を発症したようなときは、フェニックスエアーがビジネスジェット改造の患者輸送機を飛ばす契約を国務省と結んだ。

 会社はマークとデントのトンプソン兄弟によって1970年代に設立された。アトランタ市育ちの2人は、ベトナム戦争中、ヘリコプターを操縦していた。当初はスカイダイビングの学校だったのだが、いつしか、政府御用の特殊な機動空輸サービス会社に変貌を遂げていた。

 医療活動に従事していたエボラに罹患してしまった米国人を、始めてアトランタにあるCDC(疾病対策センター)まで空輸したときは、その現場はリベリアであった。ゾンビのいない町にゾンビを連れてくるに等しい作業だった。

 CDCがフェニックスエアーに、空気密封型患者空輸コンテナ(ABCS)の開発を依頼したのは、2007年であった。当時はSARSなどが各地で発生していた。

 樹脂製の二重のシャワーカーテンのような巨大密封バッグを、軽金属のパイプ枠で囲ってある。その寸法は飛行機の胴体内に持ち込めるサイズにおさまっている。

 このバッグの内部に置かれる資材は、ストレッチャーからバケツ式トイレまで、すべて、一回使用しただけで捨てる。
 患者の容態をモニターする治療者は、バッグの外側にいる。センサー類の操作も、外側からできるようになっている。

 飛行機内は、患者区画と他の区画との間が、滅菌ゾーンの小部屋になっている。その仕切りはとうぜん気密ハッチで、そこを経ないと誰も通行できない。

 機内は、操縦室>中間滅菌室>患者区画 の順に気圧が低くなるよう、与圧装置が調整されている。だから患者区画内の空気が外に漏洩することはない。 操縦室区画には、エンジンの力を利用して、最初に新鮮な外気が注入される。それが逐次に、機体の後方へ移動する。気圧差を設けてあるので、逆流はしない。

 患者を収容したバッグ内の空気も、機体尾部方向にある集塵機が常時、吸い取るようになっている。

 最終的には、CDCが設計したHEPAというフィルターを経て、その空気は機外へ放出される仕組みだ。

 ABCSのプロトタイプは2011年に完成した。ただちに陸軍のアバーディーン試験場でテスト。
 強い振動にさらしたり、摂氏マイナス29度の大気中ではどうなるかも試された。

 じっさいにフェニックスエアの航空機に搭載して、乗員が酸素マスクを装着して高度4万5000フィートに至り、キャビン内の空気を一気に放出――つまり窓割れ事故を再現――してから1万5000フィートに降下するというテストも行なった。

 だがテストに合格したときには、SARS蔓延は終息していた。

 エボラとSARSには感染力の違いがある。
 じつはエボラは比較的に弱いウィルスで、経空伝染はできない。接触感染のみなのだ。
 すなわち、エボラ患者の輸送のためには、ABCSはオーバースペックだということが分かった。SARS患者用には、それは適当だったのだが。

 2014年、フェニックスエアは政府御用をうけたまわり、リベリアからエボラに感染してしまった医師を空輸してきた。

 このニュースとルーモアが広がるとアトランタの住民は騒いだ。フェニックスエア社員が、子供の通う高校のスポーツ大会への参観を学校から拒否されたりしている。

 コーヒーチェーン店内で「あんたエボラの人だろ?」と言われて客が一斉に引き退いたという経験を、デント・トンプソン社長自身も、した。

 デントはフェニックスエアーの経営者としてさまざまな悩みも抱える。
 もし保険会社が、保険会社が示す条件の患者しか空輸して戻ってはいけないと言ってきたら?

 もしフランス政府の空輸依頼を受けた直後に、米国政府からも別な地域からの急患輸送を頼まれてしまったら、会社に1機しかない専用機材をどっちに回すべき?

 実績としてフェニックスエアは、約40名のエボラ患者を、西アフリカから、米国・欧州まで運んだ。

 北鮮で拷問されたオットー・ウォームビアを米本土まで空輸してきたのも、フェニックスエアー機であった。同社のメディカルスタッフが空中で付き添った。

 2014年からフェニックスエアー社は急拡大。今では、ロサンゼルス、サンディエゴ、ノーフォーク、シュトゥットガルト、ナイロビ、マルタ島にも機材を常駐させている。飛行機は、ビジネスジェット機「ガルフストリーム3」が主力だ。アフリカ奥地の滑走路にも降りられるので。

 マイクロソフトの有名人、ポール・アレンが出資してくれたので、新しいCBCSが開発できた。
 ABCSをゴム合羽だとするなら、CBCSは小型潜航艇のような構造である。
 コンテナの出入り口ドアは1平方インチあたり400ポンドの気圧差に耐えられる。
 いたれりつくせりである代わりに、CBCSは「ボーイング747/400」型の貨物専用機にしか収まらない。
 これが、24時間以内にアトランタの国際空港から飛び立てるようになっている。

 ABCSは1フライトで1人の患者しか運べなかった。CBCSは同時に4人まで運搬可能である。

 ※こうした民間空輸会社が日本にも必要であることを、過去の拙著で何度か書きました。その拠点飛行場としては下地島が適当です。

ダイソーの「珪藻土バスマット」に感心。コロコロをかけられるところが良い。……で、これ、潜水艦内でもイケるんじゃね?

 Sebastien Roblin 記者による2019-7-5記事「Stealth Suprise: Is Japan's New Submarine a Game Changer?」。
         2019-6に三菱重工が、3000トンの次世代潜水艦『29SS』についてプレゼン。すぐにツイッターでもシェアされた。
 同型の設計は2025年から始め、就役は2031年を見込むという。
 1番艦は予算760億円と見積もり。

 現状の海自の潜水艦隊は、現役艦が22隻、試験専用が1隻、訓練用が2隻である。

 『そうりゅう』級(改)は今年川重で竣工した1隻を含めてあと4隻増えるだろう。

 『29SS』はセイルの丈を低くする。
 潜舵は、セイルにではなく、船体前方に取り付ける。

 機械室等の床は船殻に固定せず、浮かせた構造とすることで、震動が船外に漏れないようにする。

 推進はどうやら、プロペラを廃してポンプジェットにするらしい。

 1ソースいわく。13枚ブレードのポンプジェットは、7枚プロペラの『そうりゅう』級よりも、20デシベル静粛化するはずであると。

 これまで、ポンプジェットは、高速巡航可能な原潜向きであると考えられていた。バッテリー式潜水艦では、高速を出せばバッテリーはすぐになくなってしまう。

 つまり三菱は『29SS』で、バッテリー式ながらもある程度の高速巡航を狙いたいようなのである。

 『29SS』のサイドアレイ聴音器は、光ファイバー・ソナーであるという。これは音圧を感じ取るのではなく、光の干渉を利用して測音する。音だけでなく、電磁波の発信源も探知可能だという。

 曳航アレイ聴音器ももちろん有する。

 複数種のソナーが集めた情報は、AIが統合解析し、CICルームのディスプレイ上に、立体的動画として表示される。これによって、敵潜の動静その他が、可視化される。

 魚雷発射管はすくなくも6本。

 日本は「89式魚雷」の後継魚雷「G-RX 6」を2012年から開発している。有線誘導式。内燃機関は水素と酸素を燃焼してタービンを回す。敵艦のタイプに応じて爆発尖の起爆タイミングを変更できる。
 ※たしかAESA技術を実用頭部ソナーに応用してデコイも見破るとかいう話ではなかったか?

 新魚雷は2030年に実戦供用予定。
 ※有人艦に酸素魚雷なんて、被弾時にどうかと思うが、リチウム電池そのものが爆発物みたいなもんだし、もう毒を喰らわば皿までってか?

 VLSの有無に関する情報は一切ない。

 「潜水艦問題」というブログに一マニアが投稿したところでは、おそらく『29SS』は10日間連続で水中を巡航できる。もちろんシュノーケルなど出さずに。

 しかしリチウムバッテリーが切れたら、充電(ディーゼルエンジン回し)のためにシュノーケルを出すしかない。ここが問題だ。
 旧来のAIP方式だったならば、シュノーケルを出す前に数週間、潜りっぱなしが可能だったからだ。もちろん速度を微速に抑えての話だが。

 ※つまり海自は、後期そうりゅう型以降は、連続潜航日数よりも、水中速力を選好しているのか。理由は、全速力で通峡しようと図るシナ原潜の先回りをするため? シュノーケルを露頂しても相手がシナ軍なら見つかりはしないという自信の表われ? あるいは、連続十日以上も宮古海峡に沈底させられるような退屈な任務には乗員の成り手がないのでもうお断りしたいという話か。それなら納得だ。

 後期『そうりゅう』型は、リチウムイオンバッテリーにチャージするのに、ディーゼルエンジンを100分間、回せばよいという。
 おそらく『29SS』は、100分以上はかけないつもりだろう。

 なぜ日本は、リチウム電池とAIPを組合わすことを考えないのだろう?

 日本は、燃料電池AIPもいちおう研究したようだ。(前期型『そうりゅう』のAIPはスターリング機関であって、燃料電池AIPではない。)
 しかし防衛省は、燃料電池AIPの開発にはカネと時間がかかりすぎると判断して、これを断念した。

 『29SS』の主機は、川重の「12V25/31S」ディーゼルになるだろう。発電能力は今までの25%増しになるという。

 だが、シュノーケル深度で運転するこのディーゼルは、決して静かなものではない。スーパーチャージャー付きだし……。
 こんなものを10日ごとに海面で回していたら、必ず探知される。
 非核動力の潜水艦には、静かな内燃機関が必要なはずなのだ。

 次。
 Mandy Mayfield 記者による2019-7-2記事「JUST IN: Navy Chief Anticipates 3D-Printed Nuclear Weapons」。
     米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将いわく。某国は、3Dプリンターで核兵器をこしらえるだろう、と。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-7-6記事。
   5月9日にトライデントミサイルは連続172回目となる試射を成功させた。凄すぎる信頼性だ。

 ロシアのブラヴァは、陸上のトポルMよりちょっとだけ短い。だからレンジも8000kmに届かない。今のところブラヴァは、1基に1発の500キロトン弾頭とデコイ複数を載せている。

 その再突入体はEMPに対してシールドされているから、近傍で核爆発があっても、機能する。

 ※米国と北鮮とは、核地雷や170km弱ミサイルを認める合意が可能だろうという話は『空母を持って自衛隊は何をするのか』の第3章に書いてあるから、興味ある人は参照して欲しい。結局あそこで書いたとおりになる。イランについては、次の次の本あたりで書かずばなるまい……。その前に、和弓と矢の実験じゃ!

 次。
 Karen Hao記者によるMITニュース記事「A new way to use the AI behind deepfakes could improve cancer diagnosis」。
    AIすなわちディープラーニング技術は、MRI画像診断――特に癌の発見――にも使えるはずなのだが、ひとつ問題がある。すべての患者たちのプライバシーを守る必要があるために、厖大な数のリアル撮像データをAIに読み込ませてやることが、病院倫理的にそもそもできないのだ。

 そこで役に立つのがディープフェイク技術。ホンモノそっくりの癌の3Dイメージを人工的にこしらえてやって、それをたくさんAIに覚えさせればいい。

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 Charlotte Jee 記者による2019-7-4記事「London police’s face recognition system gets it wrong 81% of the time」。
   ロンドン警察は2016年から日本のNEC製の「ネオフェイス」という顔認識技術を導入している。
 このたびエセックス大学に委嘱し、そのマシンの性能評価テストが実施されたところ、誤答率は81%であった。すなわちAIは42人が「マッチする」と回答したのに、じっさいには、そのうちの8人だけが当たっていたのである。

米軍がINFを極東に配備する場合、さいしょの基地は比島でほぼ決まりではないか。この流れだと。

 Liu Zhen 記者による2019-7-3記事「South China Sea missile tests aimed at boosting Beijing’s bargaining power, analysts say」。
    ペンタゴンのスポークスマンのデイヴ・イーストバーン中佐は、中共軍による弾道ミサイル発射はスプラトリーの砂盛島(複数)から為された、と。

 航海警報を出していたのはパラセル諸島内ウッディ島にある三沙市。先週、ひとつの海域をオフリミットに指定した。5日間の演習があるからと。そのときはミサイルとは一言もいわず。

 三沙市当局による当該海域通航禁止期間は当初、6-29朝から7-3夜まで、とされていたが、7-2にその規制は解除された。

 一解説者いわく。これは米国をあまり怒らせたくないので縮めたのだ。

 ※同じメディアの7月2日の報道によると、禁止海域は、 Macclesfield Bank と Spratly Bank の近くの海域であった由。マクレスフィールド暗礁は、中共が Zhongsha Islands と名付けているが、島ではない。またそこはフィリピン政府も領有を主張している。NBC報道では、すくなくも1発が海に向けて発射されたと。大阪で習近平とトランプが会談したのは6-29である。

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 MICHAEL WILNER 記者による2019-7-4記事「Fearing Iranian attacks, Trump aims to rally allies to escort ships in Strait of Hormuz」。
     トランプ政権は、「有志連合艦隊」によってホルムズ海峡の商船をエスコートする案を練っている。

 ホワイトハウスの1オフィシャルは語った。トランプは大いにやる気だ。米国はペルシャ湾石油を必要としていないというところがベースラインだ。
 ※つまり日本に作戦費用と艦隊を出させるということ。

 国防総省だけでなく、国務省が、すでにこの艦隊提供を《與国》に求めている。

 トランプは安倍晋三がタンカー爆破事件のあとイラン非難を強めなかったことにとても怒っている。トランプ大統領は、日本をしてデモンストラブルな新編有志連合艦隊への貢献をさせるよう、ポンペオ国務長官に命じた。

 米軍は1987年(イラン vs.イラク戦争中)に、クウェート国旗をかかげたタンカーを直接護衛した。しかしその後は、直接船団護衛には関与していない。
 ホルムズを通峡するタンカーの数は、1日にだいたい30隻である。

 すでに英国とフランスは、全面協力する用意があるようだ。

 しかし商船護衛というのは、どこからどこまでやりゃあいいのか、その際限がないところが悩ましい。
 そこで米政府は、「アカンパニーイング」方式の艦隊活動を考えている。直接護衛するのではなしに、艦隊としてあくまで独立に、ただし時間と場所は、商船と同時並行的に、ホルムズ海峡にて遊弋をするのだ。もし敵スウォームボートの襲来があれば、そこではじめて反応する。

 ※このような「対海賊」の商船エスコート任務に最適なのが「ドローン母艦」だろう。無数の小型固定翼偵察機を常続的に、エスコート対象の航路を中心とした広範囲に散開させ滞空させておくことができる。小型ボートからドローンが見えるだけでも、IRGC(イラン革命防衛隊)が行動を抑制することはすでに証明済みだ。わたしが何年も前から説いているように、海自のフラットデッキ艦は無人機母艦として役立てるのがいちばん合理的なのである。時代遅れな有人機母艦などに改装するのは、有限貴重な国防資源の無駄遣いだ。いつまでも武田勝頼と長坂長閑コンビみたいなことを言っていて、わが海軍を滅亡させたい気満々だよ。必要な艦型は「拡大しらね」型だが、それを三胴型にすればコスパはもっと良くなり、艦隊新編予算を捻出できる。LCSコンセプトの真逆で、岸にはぜったいに近づかないので、吃水はどんなに深くても可いのだ。

 次。
 Bill Gertz 記者による2019-7-4記事「Damaged Russian Sub Linked to Underwater Drone Program」。
      ロシア特殊工作原潜の14人の死亡原因は、煙を吸ったことによる。
 場所はバレンツ海のどこか。

 2019-4月にロシア政府は、1隻の巨大な研究用原潜『ベロゴロド』が進水したと発表した。
 2017-4のイズヴェスチャによれば、ベロゴロドは、AS-12とは別の「ロシャリク」を運搬する。それはAS-31 ロシャリク自動深海ステーションといい、2018年を予定すると。

 イズヴェスチャが取材した軍事アカデミーの男によれば、それは北極海の海底に設置される原子力モジュールで、UUVに充電してやることができるのだという。
 ※アイソトープ発電装置か?

 BBC報道によれば、今回の死者14名のうち7名は、海軍の大佐クラスだったという。他に2名の「ロシア英雄」の受勲者がいたという。

 プラウダの報道によれば、潜航艇内には生き残りもいて、彼らが消火に成功したのだという。

 またその潜水艦は北極海だけでなく、日本海でも水中インテリジェンス活動に従事していたという。
  ※海底ケーブル切断準備。

 2008の『ネルパ』艦内の死亡事故は、フレオン・ガスの漏出によるもので、原潜乗員20人が死んだ。
 2000-8の『クルスク』は艦内で2度の爆発があって、118人死亡。

 ロシャリクの1号艦は1980年代に開発され、90年代から配備されたという。ロシャリク型には25人が乗る。

 仕事現場までは、他の原潜によって「曳航」されて行くのだという。

 今回のロシャリクはNATOコード名が「NORSUB-5」である。

 ロシア政府は、事故原因は爆発ではない、としている。

 次。
 NATASHA BERTRAND and DANIEL LIPPMAN 記者による2019-7-2記事「Spies fear a consulting firm helped hobble U.S. intelligence」。
      ネット時代の人的スパイ網を現代化し効率化するため、米政府は、コンサル会社のマッキンゼーに依頼するようになった。

 マッキンゼーは1000万ドルばかりで請け負っているらしい。

 NSAはマッキンゼーを雇い、リストラクチュアリングを頼んだ。題して「NSA21」。2016のマイク・ロジャース長官がやらせた。
 今のNSAの長は、ポール・ナカソネ大将である。彼はロジャース改革をすこし元に戻そうとしている。行き過ぎていた、と。

 CIAは2015にマッキンゼーを雇った。やはり部内改革のため。
 ODNIもマッキンゼーを雇った。

 ※政府による雇員のセキュリティクリアランスの認定作業が大停滞しちまっている問題は解決されたのか? せっかくマッキンゼーに頼むのなら、そこだろう。

IHIの多目的水陸両用車(6×6)は久々に愉快な新アイテム。

 『朝雲』最近号にて承知しました。幕張で先月にMASTをやってたのか……。誰か写真を撮ってくれた人はいないですかね。

 6トン積めるというこの車体に、HIMARSや対艦ミサイルのランチャー部分を組み付ければ、陸自の「水軍化」は、半ば成就したようなものだろう。

 しかもこれ、そのまま民間バージョン(特に漁村の沿岸小作業用)作って市販できるやん。また平時から日本中の沿岸(ならびに大河川隣接)自治体にこの車両を持たせておいたなら、災害時に現地で「自助」ができてしまうわけじゃ。

 (たぶん余計な助言だろうが、車両固有のウインチだけは十分なものを付けておかないと、砂浜スタック続出で、みんな後悔すると思うぞ。)

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 ロイターの2019-7-3記事「Pentagon says China missile test in South China Sea 'disturbing'」。
    ペンタゴン職員いわく。週末に複数発の対艦弾道弾が発射された。

 中共国防部はスプラトリーとパラセルの間で水曜日まで演習をするので他国の船はそこに入るなと警告していた。

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 MARTIN EGNASH 記者による2019-7-3記事「US Marines in Norway pair electronic warfare team with snipers to test new concept」。
     先月、ノルウェーにて実施されたヴァルハラ合同演習。そこで米海兵隊は、スナイパーと電子通信情報系隊員をペアで行動させてみた。

 EWST=野外電子戦支援チーム は海兵隊の新顔。
 彼らが狙撃チームに、見えない敵の所在を助言するのだ。

 海兵隊は2017からノルウェーにローテーション駐留。今回の仮装敵役はノルウェー軍に務めてもらった。

 ここでプロなら次の疑問を抱くだろう。
 ――アンテナなどを抱えた余計な隊員がスナイパーチーム(射手と観敵手)にえっちらおっちらつきまとってくれたりしたら、敵の眼にはこっちの動きが早々と露顕しちまうだろうがよ?

 それは杞憂であった。

 ノルウェー軍に、こっちの居場所を血眼で捜してもらったが、バレはしなかった。

 EWSTを新編して海兵隊の各大隊に編入しようという構想は、ネラー大将が2017年に掲げたもので、今、それが着々と実現しているところだ。

 2015年にシリアの反アサドゲリラを支援する要員を米軍が送り込むようになって、露軍の野外電子戦への努力集中が著しいことを米国は知った。その危機感が引き金になっている。

 露軍はウクライナではどんな電子戦をやったか? 衛星と地上の通信リンクに対する妨害。スマホ発信点のピンポイント標定&砲撃。特定地域の敵兵のスマホに対する、テキストメッセージによる「ピンポイント・プロパガンダ」。
 これをうけてウクライナ軍は、「電子的カモフラージュ」を徹底する必要に迫られた。

 EWSTは味方に何をしてやれるか? 敵による毒ガス攻撃の予兆の探知と警報。敵斥候隊の接近警報。

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 Scott Stewart 記者による2019-7-3記事「Espionage and LinkedIn: How Not to Be Recruited As a Spy」。
        世界の情報機関は、オープンソースから情報を集める助けとして、既存の商業SNSを大々的に利用している。特にリンクトイン。特定の情報や技術に関与している人物を簡単に知ることができるのだ。

 リンクトインを手掛かりに、諸外国の諜報機関は、スパイ候補者の目星をつける。
 中共がそれをどのように利用しているのかについては、2019-6にフィンランド国際問題協会のMika Aaltola 氏が報告を公表している。

 中共がGEの社員に接触して企業秘密の技術を中共に売らせたスパイ事件でも、その社員を一本釣りできたのは LinkedIn のおかげだった。

 これがインターネット時代より前だと、敵の諜報機関は、まず、どの企業のどのチームが特定の興味深い技術開発をしているかをつきとめ、その中の一人の技師に、ターゲットを絞らねばならなかった。

 この技師ターゲットの絞り込みのために、その企業の内部の人員の配置に詳しい別な社員を、先行して一本釣りしてスパイに仕立てることもあった。

 そんな「したごしらえ」の段階で下手をやると、対象企業が「何か怪しい」と感づいてしまい、技術情報の盗み出し計画は失敗する。だから準備段階にものすごい時間と労力が必要であった。

 ところが今日では、リンクトインにアクセスすれば、どんな企業が、あるいはその企業の中の誰が、どんなプロジェクトにどのくらい関与しているか、数秒にして判明してしまうのである。

 リンクトインによって、ターゲット社員の候補者をとりあえず数名、選ぶ。
 次の段階は、その中の誰がいちばんスパイになってくれそうかの絞り込みだ。

 今度は、フェイスブックやインスタグラムで、候補者ひとりひとりのネタを漁ればよい。じきに、各人の関心事、欲望、趣味、家庭事情、困っていそうなことが分かってしまう。

 その会社を辞めさせられたばかりの人物も、リンクトインなら、すぐに探せる。その者たちには、新しい仕事・地位のオファーが、たぶん良い餌になろう。

 中共スパイ機関は、大学やシンクタンクを装って、最初の接触を図る。
 最初は、まったくさしさわりのないテーマで論文を書いてシナに来て発表してくれれば大金を払う、と申し越すのだ。その発表のための往復旅費も全部、支那側が持つ。

 シナ旅行中の姿は全部ビデオで撮られており、特にスパイ機関幹部との接触風景は、後で脅迫ネタに使える材料となる。

 ほとんどの西側企業内スパイは、このパターンで取り込まれている。

 この一本釣りを予防するためには、企業は、枢要プロジェクトに関与する社員に、SNSの利用を禁止するしかない。

パニックトイレ

 Amanda Macias and Courtney Kube 記者による2019-7-1記事「Chinese military conducts anti-ship ballistic missile tests in the hotly contested South China Sea」。
      2名の米高官いわく。中共はただいま、南シナ海にて、対艦弾道弾の一連のテストを実施中である。
 週末、すくなくとも1発のミサイルを海に向かって射ち込んだ。

 中共が設定しているテスト期間は、水曜日(7-3)までである。

 着弾海域の直近に米艦は所在していない。

 ※テストそのものもニュースだが、またタイミングも興味深い。トランプが対支制裁関税のノッチ・アップをいったん停止するということで下僚同士の話がついたため、日にちをG20後にずらしたのだろう。さもなくばG20のまっさいちゅうか、開幕日の早朝くらいに実施し、大統領に心理的な動揺を与えようと計った筈。

 中共は南シナ海で27箇所の岩礁等を支配し、軍事拠点にしている。
 2018-5にはフィリピン近くのスプラトリーの3拠点(Fiery Cross リーフ、Subi リーフ、Mischief リーフ)に対艦ミサイルおよび対空ミサイルを配備し、習近平は平然と公的な嘘をつく政治家であることを見せつけた。

 ※これまで支那製の「対艦弾道弾」なるものが海面に対して試射されたことは一度もなかった。ゆえにニュースなのである。

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 NANCY MONTGOMERY 記者による2019-7-2記事「Are Navy submariners more likely to father daughters? New military study says no」。
    米海軍の潜水艦隊のコミュニティ内においては、「潜水艦乗りの父親の子供は女児ばかり」というルーモアが根強く存在していた。

 ※ちなみに米潜水艦は魚雷戦型も弾道弾発射型もすべて核動力。非核潜水艦は1隻もないのである。

 このたび『医学調査月報』は、科学的な統計を発表し、米海軍の潜水艦乗りの父親の子供の性別傾向に、他の軍艦乗りの父親の子供の性別傾向との間の、有意の差異は存在しないことをハッキリさせた。

 全世界の一般統計値。男児105人に対して、女児100人が生まれている。

 また一般に、地震の後だとか、人々に大きなストレスのかかる出来事の後には、男児が生まれる率は低下し、女児が生まれる率が増える。

 また、科学的な可能性として、各種農薬、あるいは強い放射線に暴露した男性の精子が減ることがあり、その場合は、男児が生まれる率は低下する。

 今回の最新の調査は、2001年から2015年までに、米海軍の原潜乗りの配偶者たる妻が出産した新生児7087人を対象にした。

 潜水艦乗りの男子は、大部分が白人かヒスパニック。配置は、機関兵曹、電機兵、電機兵曹、音測兵が多い。

 新生児の性比は、男児51.3%、女児48.8%で、全米住民の平均と言うべく、全米軍の統計とも近似す。

 ※コミュニティが本当に知りたいのは不妊率ではないか。しかしその調査は政治的な問題を生ずるので、迂回的に、性比が通常であることを示した。精子異常はありませんよという間接的なメッセージなのである。

 異論があった。2019-1に公刊された『軍事医学』によると、eメールで潜水艦乗り3315人にアンケートした回答をまとめたところ、男児よりも女児が多く生まれていた。
 性比は、男児95に対して女児100であったと。

 しかし統計値としてより信用できるのは今回の月報の方である。DoDの名簿を使い、潜水艦配乗・且つ・子持ちの全現役将兵を調べたので。

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 VLADIMIR ISACHENKOV 記者による2019-7-2記事「Fire kills 14 Russian sailors amid submarine speculation」。
    ロシア製の深海特殊工作用原潜内で火災が発生し、14人が死亡。

 北極海に面するセヴェロモルスク港。
 全部で何人乗っていたのか、生存者がいるのかどうか、一切不明。

 艦名は、ロシアのオンラインメディアによれば『AS-12 ロシャリク』ではないかと。

 同艦は2010就役。ロシャリクとはロシアのマンガのキャラクターで、ちいさな球体をつなげたオモチャの馬だという。
 これは同艦の耐圧内殻が複数のチタニウムの球からできていることを暗示する。

 2012年から『ロシャリク』は、北極海の深度2500mの海底からサンプルを集め始めた。普通の潜水艦は安全深度としては600mがせいぜいだ。

 分析者は、こいつの真の任務は外国の海底ケーブルに盗聴器を仕掛けることだとしている。
 ※米海軍の『NR-1』に刺激されて開発されていることは間違いないだろ。

 『ロシャリク』は、自力で遠距離航海はできない。マザーシップたる原潜『オレンブルグ』の腹に吊るされて、仕事海域まで運ばれる。

 ロシア海軍には他にも、2つの級の深海作業艇がある。チタニウム球で、2人しか乗れない。作業可能深度は1000m。
 主たる用途は、沈没潜水艦の救難。連続120時間、潜っていられる。

 ロシア海軍の近年の事故としては2008年に、太平洋艦隊の原潜『ネルパ』が、公試運転中に自動消火システムが誤作動して、20人死んだことあり。

 2000年8月12日には『クルスク』がバレンツ海に沈み、118人全員が死亡した。

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 Berenice Baker 記者による2019-7-1記事「Orca XLUUV: Boeing’s whale of an unmanned sub」。
   米海軍はボーイング社に、大型無人潜航艇(XLUUV)である『オルカ』級を5隻、2億7440万ドルで発注した。ライバルのロックマート案は敗退。2017から2社コンペ状態だった。

 ボーイングは、自社資金だけで研究を続けていた『エコー・ボイジャー』UUVからこれを発展させた。全長15.5m。

 排水量は45.4トン。ペイロードは56.6立方m、乾燥重量7.3トン可能。最長10.4mの長尺物も積める。バッテリーは18キロワット。

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 Christopher Beam 記者による2019-6-26記事「Soon, satellites will be able to watch you everywhere all the time」。
        衛星はあなたの裏庭を監視している。
 2013年に、オレゴン州の男が、じぶんちの庭で大麻を栽培しているのが、グーグルアース衛星写真の経時的分析で疑われて、御用となった。
 こやつは数条の畝に植栽していた。

 ブラジルのアマパ州警察は、リアルタイム監視衛星を使って、自然林の違法伐採を監視している。2018年、木炭密造業者が、摘発された。

 中共がウイグル人を新疆の刑務所に収容しているのも衛星でバレバレである。中共政府は、「職業訓練学校だ」と言っているが、学校には多数の監視塔やカミソリ鉄条網は必要ない。

 2008年には、地表を撮像できる衛星は150機ぐらいだった。今は768機である。

 24時間いつでも地表の任意点の撮像イメージを販売することは、まだ業者には可能ではない。しかし、もうすぐ、そうなる。リアルタイムで、どこでも上空から覘けるようになる。

 個人が、特定の個人を、宇宙から尾行できることにも、なるのだ。たとえば浮気調査やストーキングやパパラッチが、衛星によって行なわれるようになる。

 現在、米連邦政府は、民間の撮像衛星の解像度は、25センチメートルまでしか許さないと規制をかけている。つまり、軍用スパイ衛星は、解像度が25センチメートル未満なのだ。

 2014年以前には規制値は50センチだった。しかしNOAAは、それを緩和させた。※気象衛星の運用に不都合だからではなく、民間企業から、それじゃ外国企業と競争できないと文句をつけられた。NOAAは単に国家偵察局の代理人窓口になっているだけだろう。便宜的に。

 投資家は、石油貯蔵タンクの「落し蓋」の沈み込み具合を知りたい。それで世界の景気が分かるから。昼間の衛星写真で「影」を計れば、深さは知られる。

 「プラネット・ラブズ」という衛星写真会社は、毎日、140機の衛星からの写真を集めている。

 かつてディジタルグローブといっていた会社。現在はマクサーというが、同社が1997に初の民間スパイ衛星を打ち上げた。そして今では、地球上のひとつの地点を、1日に15回、撮影しているという。

 ブラックスカイ・グローバル社は、大都市に関しては、特定点を、毎日70回、撮像しているという。この頻度だと、ある人のある車がどの時刻に道路のどこに在るか、パターンを簡単に把握できてしまう。

 2014年以降、宇宙からのライブ・ビデオ動画を提供する会社も登場している。現在だと、最長連続90分まで可能だという。グーグル社は一時、その会社を保有した。
 ※とうぜん、複数の周回衛星による交替張り込みであろう。

 アースナウという会社は、リアルタイムからのディレイ1分以内の、連続的なモニター画像を提供すると標榜している。

 目指す方向は、ハイレゾで、24時間、地球上の任意の地点のリアルタイム動画を提供できるようになること。
 ※無人偵察機の既往から類推すると、このハイレゾというところがいちばん難しい。需要は無限に増え、通信回線がすぐにパンクするので。

 さらに、可視光画像にとどまらず、赤外線から紫外線までのマルチスペクトラムの解析画像、夜間や曇天時の合成開口レーダー電波反射画像、さらには、特定点から輻射される一切の電磁波を、常続的にモニターしたいという客も現れるはずで、それに企業は応じてやらねばなるまい。

 衛星からは地表の対象物体の高さをミリメーター単位で計測もできる。

 得られた画像データを解析して売れる情報商品に仕上げるソフトウェアの開発競争も進行中。
 たとえばシンセンの夜の照明を解析することから、本当の支那GDP傾向が知られる。

 プロ泥棒は、ある家の家族が決まって全員、外出している時刻を、簡単に把握することもできるようになる。

 2012年、ハーバードの衛星監視グループが、スーダンと南スーダンの紛争地帯で「スーダン人民解放軍」が占領している地域に向けて戦車道が建設工事中であることを把握し、画像を公表してその先にある地域の住民に警報した。住民は逃げた。

 しかしスーダン人民解放軍もその公表イメージを見ていたので、先手を取って建設現場を急襲。スーダン政府が雇っていた支那人労務者が何人か殺され、残りは拉致されている。

 衛星写真が、比較的に安価なドローン写真よりも強みを発揮するのは、ドローンの進入禁止空域なのに衛星ならば撮影ができるという場所。

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 記事「Chinese border guards are putting a surveillance app on tourists’ phones」。
    NYTおよびガーディアンによると、中共当局は新疆に入境する中央アジア諸国人に対し、国境ゲートにて、スマホの提出を命令し、そのスマホに、追跡用のアプリを強制追加している。

 テキストメッセージだろうが交話だろうが、すべて、当局のサーバーに自動的に送られて記録される。スマホ内に先にダウンロードされているアプリが何かも通報される。
   中共では、日本のバンド「Unholy Grace」も検閲にひっかかる。それは台湾と関係があるからだという。

なぜこの時節に屋外スポーツイベントがあるのか理解に苦しむぜ。(北海道にも雨期はあるのだ。)

 JOHN VANDIVER 記者による2019-7-1記事「NATO ally Turkey rebuffs US, poised to receive Russian weapons system」。
     エルドアンは、10日以内に最初のS-400が舶着すると、トルコのテレビに対して語った。

 その契約は2017-12に25億ドルでなされている。

 トランプは前のオバマ政権を非難した。ペトリを買いたいというトルコの要求を米政府がつっぱねたから、トルコはロシアからS-400を買ったまでなのである。
 だからトルコに対する制裁はしない。トランプは大阪でエルドアンに請合った。

 じっさいにはトルコは単なる輸入を求めたのではなく技術移転を求めたのである。それを2013年に米政府は拒否した。

 だからトランプ政権も対トルコへのペトリの単純輸出は許可しているのにエルドアンとしてはS-400路線を変えるつもりはない。S-400は技術移転コミなのだ。

 次。
 David B. Larter 記者による記事「US Navy eyes new launchers on destroyers for hypersonic weapons」。
      ハイパーソニック兵器=プロンプトストライク が完成したらそれはまず潜水艦に搭載される。その次は、水上艦だ。

 ハイパーソニックミサイル用に、VLSのセルを太くしておかなくてはならない。
 大型VLSには従来の小型ミサイルを複数(たとえば4本)詰め込むことも可能なので、下位互換性に問題はない。

 次のレイセオンの艦載フェイズドアレイレーダーは、窒化ガリウムを使うものになる。そのセルボックスは1辺2フィートの立方体。これが37個で1個のレーダーモジュールアセンブリを成すものと、24個で1個のRMAを成すものとあり。駆逐艦の大小によって変える。今計画している次世代フリゲートの場合、このRMAを9個貼り付ける。

ノルウェーの衝突フリゲートはけっきょくスクラップ化決定。

 David Hambling 記者による2019-6-27記事「The Century-Long Evolution of the U.S. Army Helmet」。
          人類最古のヘルメットは紀元前26世紀には遅くも存在した。しかし近代軍用ヘルメットの歴史は20世紀にまでしか遡らない。

 WWI中の1915年に榴霰弾対策としての鉄帽が初めて仏軍将兵に支給された。カーニバルの帽子のようなので兵隊たちは笑った。しかしこいつのおかげで頭部創傷は70%から22%に激減した。

 米陸軍はM1917ケリー鉄帽を制定。これは英軍のブロディー鉄帽のコピー品であった。

 マンガン鋼を圧延したもので、全重1.5ポンドだった。

 顎革紐は、締めると緩め難いので、鉄帽のつばが何かに激突すれば、この顎紐のおかげで首がえらい目に遭うのだった。

 ケリー鉄帽は0 .45インチ拳銃弾を止められると宣伝された。この宣伝は有害だった。独軍の9ミリ拳銃弾や、諸国軍のライフル弾なら、簡単に貫通するからだ。

 1942年に米軍はM1ヘルメットを制定した。サンダース軍曹の鉄帽だ。
 前縁のカーブにより、雨滴が顔面に落ちかからないようになっていた。
 ケリー鉄帽は側頭部と後頭部に大きな隙を空けていたが、M1鉄帽はそこを深くカバーする。
 ※WWI後半に野砲弾が榴霰弾から榴弾に変わったので。

 M1はFRP製ライナー帽と鋼製外殻との二重構造なので、防弾力は高まった。
 1945-2のフィリピンで日本軍のライフル弾を真正面から受けて助かった軍曹あり。

 ※開戦劈頭にはM1鉄帽ではなかった。昭和20年だと内地や中支から送り込まれた部隊があり、その使用弾薬が7.7ミリではなく6.5ミリ・アリサカだった可能性も考えられる。

 ライナーの内張りは力紐のネット構造になっており、それをユーザーが自分のいいようにアジャストできる。ライナー+鉄帽の全重は3ポンド弱。

 顎紐は、一挙動で緊急解除できた。
 外殻テッパチだけ外せば、水汲みバケツに使えた。

 フリーサイズ品だったのでWWIIのおわりまでに2200万個も製造された。さらにベトナム戦争までこのデザインで戦われた。兵士の重量負荷と防護力のバランスにおいて、まず、往時のベストだった。

 WWII独軍型のヘルメットも有名なものだが、こちらは複数種の鋼鈑を組み合わせて製造されており、しかも、兵隊の頭のサイズに対応する号数を複数用意していた。すなわち、大量生産のための配慮において、負けていた。

 他方で独型鉄帽は、ユーザーの視野が広かった。

 イスラエル陸軍がケヴラーヘルメットを採用すると、すべてのスチールヘルメットは旧時代のものになった。

 そこで米軍もケヴラー製のPASGT(通例、パスゲットと発音される)を1983に採用した。別名Kポット(ケヴ鉢)。うなじがカバーされ、旧独軍ヘルメットにも似ているのでフリッツ(独式)とも呼ばれる。

 交換容易な汗取りシートが使えるようにできていた。

 無ライナーながら防弾力は格段に向上。PASGTは、マグナム拳銃弾までを阻止できた。
 このヘルメットとボディアーマーで、1991湾岸戦争は戦われた。

 2002年に新型ヘルメットACHが導入された。
 ケヴラーだけでなく、Twaronという新防弾素材が使われている。
 衝撃吸収ライナーが組み合わされ、爆風ショックも緩和してくれる。偶然にも、IEDが猖獗を極める前にこれらは開発されたのだ。

 Kポットに比べて視野はさらに良好となり、加えてACHでは、聴覚も邪魔されないのである。

 砂漠で必須のゴーグルの装着とも相性がよい。
 前頭葉部にはクリップが設けられ、そこに暗視カメラのような機材をマウントできる。
 通信用ヘッドセットも楽に使えるように考えられている。


 2012年にアフガンで米兵が頭部をAK-47のタマで撃たれたが、ACHのおかげで助かった。とうとう、小銃弾をヘルメットで止められる時代が来たのだ。

 2011年からは、外見はACHとそれほど違わないECHが、新型ヘルメットとして支給され始めた。

 ECHはACHより分厚いのに、総重量は軽い。
 素材はまったくケヴラーを用いない。UHMWPE(ウルトラ高分量ポリエチレン)という新素材。
 普通のプラスチックの100倍も長い原子連鎖の分子からできている。

 2018年にアフガン東部で、車載機関銃によって距離20フィートから銃弾を当てられた米軍曹長が、このECHのおかげで助かっている。

 軽くて装着の心地がよいということがとても重要。さもないと兵隊はすぐにヘルメットを外そうとする。そのときに爆発に巻き込まれたら、結局ヘルメットの防護機能はゼロだったに等しいわけである。

 もっか、ECHは、IHPSによって更新されつつある。

 デザイン上の革新は、顎紐を取り付けるための「穴」が一つも空いていないこと。これが一つでもあると、新素材ヘルメットは弱くなるのだ。「無ボルト」と称している。

 車両の天蓋ハッチから首を出しているクルーが路側爆弾の爆風デブリに吹かれると顔面が削られる。この被害を緩和するため、IHPSは、顔面プロテクトを簡単に追加できる設計とした。すなわち大面積バイザーと、モトクロスバイク乗り用のように前へ突き出した下顎部プロテクション。

 さらにIHPSには、脳に伝わるIED衝撃波を半減させられる詰め物が入っている。

 暗視カメラなどを装着できるポイントは2箇所設けて、ユニバーサルに各種器材に対応。

 IHPSの次の世代のヘルメットは2020に登場する予定だ。その詳細は、分かっていない。

 次。
 Kyle Mizokami 記者による2019-6-24記事「World War II Bomb Explodes 75 Years Later, Creates Massive Crater in German Field」。
    フランクフルトの北の町の郊外の大麦畑でWWII中の不発弾が爆発。 6-23の早朝。目撃者なし。原因不明。
 できたクレーターは、幅33フィート、深さ14フィート。

 どうも爆弾は、M43または AN-M43 または AN-M64 の500ポンドGP爆弾らしい。信管設定によって、ビルの4階分くらいも土にめりこむ。爆発前に。

 M65だと長さ5フィート、径14インチ。TNT280ポンド充填。
 弾殻の厚さは0.3インチ。

 こうした不発弾はこれから200年は、爆発する可能性があるという。

  ※朝鮮戦争中に長時間タイマー付きの時限爆弾を搭載したB-29が離陸後に調子が悪くなって、急いで関東平野の大河に捨てた爆弾が、何十年もして河の中でハゼたことがある。これは長時限信管だったから納得ができるのだが、ドイツに落としたGP爆弾にはどんな信管がついていたんだ? そこがいちばん知りたい。