兵頭語録(超・暫定版!)

2003.0204


そもそも備蓄とは、
石油の輸入が途絶える非常事態に備えたものであるはずなのに、
現行の石油備蓄は、戦争や海賊行為を少しも想定していない。
そんなものは備蓄とはいえない。
石油の備蓄は、もっと分散的になさなければならない。
そして、大規模なものは地下式になさなければならない。
そのような土地が国内で手当てできないならば、
集合式の備蓄は諦めるべきである。

日本の防衛力再考 五十八頁 株式会社銀河出版

枯山氏:母の実家は鹿児島県喜入町で近くに日石の原油備蓄基地が見える。
地上式で氏の指摘通り戦時では瞬時に灰となってしまう、
まさに我国の「累卵の危うき」を象徴している建物と今の自分は解釈している。

江戸時代とはことなり、現在の日本の農業・漁業は、全面的に石油に頼っている。
例えばコメの場合、まず種籾の加工と流通、
苗代に使うビニールなどの石油製品、
化学肥料や農薬の製造と流通、耕起・代掻き・田植・稲狩りのための
農業機械の製造と運転、
結束、乾燥、集荷と輸送、脱穀、籾摺り、玄米袋詰め、
精白、配達、炊飯のための熱源等に、
すべて輸入エネルギーが必要である。
要するに、日本のコメは輸入石油でできているようなものだ

日本の防衛力再考 五十五頁 株式会社銀河出版 一九九五年

枯山氏:兵頭氏が書いたように日本は食糧を得るためにも石油が必要不可欠。
だが我国は石油の備蓄を政府民間合わせて百二十日程度で満足しているのが現状で、他の先進国も同程度とする統計を出している。
米英のように自国から石油が自給可能なわけでもなければ、
独のように石炭が何時でも大量に採掘可能なわけでもなく、
仏のように危険を冒しても原子力を大々的に推進するでもないにもかかわらず、
その様な小手先の数字操作を行う役人及び国民の「最悪状況想定能力」の低さを示してくれます。

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