兵頭語録(超・暫定版!)

2003.0204


所詮、日本にとり外国は外国でしかなく、
日本人にとり外国人は外国人でしかない。
これさえ忘れなければ良いのだが、
情けないことに、しばらくすればそれを忘れ、
台湾を救えとか英国を見習えとか、
訳の分らぬ「布教」を図る日本人が、
すぐに後から後から現れるのにはうんざりさせられる

『軍学考』 中央公論新社 三百四十一頁

枯山氏:至極当然の事であるが、我国の人々はすぐに兵頭氏の指摘するこの原則を忘れてしまうところを考えると根は深いものではないのかと思われます。

私いわく、伐謀とは、外国に、わが国を攻撃しようという気を、
そもそも起こさせぬことである。
その真髄は真理戦、宣伝戦、実力を伴ったプロパガンタであり、
究極では他民族を己に都合よく教育し、
その全員を洗脳して無害化してしまうことであろう。
かつては宗教団体の専売特許だったかもしれないが、
これがいま、アメリカ合衆国が策定している最高の安全保障政治ではないか。

軍学考 P186

九州の一読者氏:これを常に肝に銘じて、
日々のニュースに接していきたい、と思います。

結局日本海軍の砲熕技術は、
欧米先進メーカーの物真似、後追いの域を、少しも出なかったのだ。
そして、そのこと−−
日本の軍艦の大砲が技術的に米海軍に劣っていること−−は、
工学や造兵や技術者の世界では、ことさら口にするまでもないような、
全員に自明の「常識」だったのである。

軍学考 P295

九州の一読者氏:黛大佐の
「日本戦艦の主砲の命中率は米国戦艦の3倍」という話を
小室直樹著「大東亜戦争、ここに蘇る」クレスト社 で読みました。
この主張を信じて米海軍と艦隊決戦をしたら、
恐らくボコボコ(笑)にされたでしょうね。


私は、これまで世界の誰一人気付かなかった事実を見つける作業に、
人生の最高の充実感を覚えるタイプだ。その贅沢に没頭するために、
私は世間並の幸せは、これを総て放擲してきた。

軍学考 p348

九州の一読者氏:愛読者としては、マニアックな話には微妙に間違いがあっても、
彼しか書いていないことを読みたくて、金を払って新刊を購入しています。
知名度が低いけれど勿体無いほど才能有る人物だと思いますよ

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