update:2008/2/9


2008/1/20 第2回 陸風会


兵頭先生に会ってきた。舞台は東京───新橋。
別宮暖朗さんが主役の会───陸風塾。第2回開催のゲスト講演は兵頭二十八先生だ。

これは───行かねばなるまい。

私は大阪に住んでいる。すぐに行ける距離ではないが、躊躇う理由もない。

2008年1月20日。冷たい風が吹き抜ける東京。これは私だけかもしれないが、首都圏の駅のホームは、いつも得体のしれない圧迫感がある。

一つ間違えば、もうおしまい───そう囁いているように感じるのだ。

以前少しだけ東京に住んでいた時、本当にそう聞こえるようだった。
こんな重圧の中、首都圏の皆々様は過ごしているのかと考えると、そら恐ろしくすらなったものだ。

が、いまの私は旅行者だ。何を間違うでもない、何を成さねばならぬわけでもない。いや───違う。

私は大阪から飛行機で、兵頭二十八先生を観に来たのだ。充分に目的は───ある。


新橋の駅から交番へ。いきなり場所がわからないので、尋ねてみるしかない。
どうも、駅からすぐ、というわけでもないようなのだ。

交番で聞いてみるに、然程遠くもない───タバコをくわえて見上げた空は灰色。行こうか。


すぐに見えてきたのは中華料理店。何階建てかはわからないが、正面は相当に立派である。
私の隣を駆け抜けていったスーツの青年も、同じ建物に入った───確信する。間違いない、彼も、参加者だ。

エレベーターで会場フロア。全50席程は既に満員状態。立派な会場である。結婚式の2次会で使うなら、上等すぎるくらいだろう。

最奥に右手の円卓には別宮さん。そして───左手の円卓には、おお。兵頭先生である。5年ぶりくらいお顔を拝見するんじゃなかろうか?

さらに見知った顔を見つけて、手をあげる。[熱烈読者]さんだ。そして[朱斑羽]さん。久しぶり───そう口にして、最奥の兵頭先生のテーブルまで歩いていく。
私は、殆ど一番遅れてきているくせに、隣の席に座らせて頂き───兵頭先生にご挨拶。
以前は触れれば斬れる、日本刀。みたいな印象だったが、今はさらに体格自体がよくなったように感じた。どんな鍛え方したらそうなるんだ?


兵頭先生の講演が始まるまでは食事。
他にも当サイトの掲示板で書き込みしてくれている方々とご挨拶───実在するんだな、と正直、少し驚く。

そして、歓談。
先生の近況───ご結婚、お子さんが生まれた事。車を買い換えるかもしれない事、など話す。
勿論、私の近況も少しは話すが、それは誰も興味がないだろうからここでは書かない。

しかし車。おいおい、函館行って随分な変わりようだな。殆ど出世魚じゃねーか、という言葉をノド元で止めて───やはり兵頭先生。あんな頭抜けて頭良い本や記事が書けるのにフランクだ。

私は政治やなにかの事は話せない。代わりに、やはり先生だから燃費の良い軽自動車だろうとか、大阪の遊び場の話とか、そんな話をしていたが、勿論、他の人からの政治なんかの話にも先生は即応している、さすがだぜ。私はただただ頷くばかりだった。

途中、別宮さんにも挨拶させて頂く───ありがたい話である。


歓談の途中───[立派な会場ですね]そう呟いた。先生も反応してくれて───まさかこんな所とは思わなかったからバカ話しか用意していないと笑っていた。が、講演が始まればそんな筈はないと確信できる。
全く、どんな人数でも向こうに回せる講演だ。これをもしも即興で作ったのなら天才というより変人だろう。絶対に、用意していた。
そう信じられる。

私は兵頭講演をナマで聴くのは初めてだ。今までネットを通じたりして聴いて、面白いと思っていた。

兵頭先生の本は面白いと、経験から盲信している。記事が面白いのは折り紙つきだ。
だが───講演もまた面白いのだと、ナマで聴いて改めて理解できた。


講演の後には質疑応答と、一人一人の自己紹介。私は何といえばいいのかよくわからないので一応、[兵頭ファンサイトの管理人です]とご挨拶。
別宮さんの陸風塾なのに。論外にKYだな、私も。


最後は記念撮影。兵頭先生は快く応じてくださった。朱斑羽さんと、愉快な好青年[田中隼人]さんとご一緒に。
こんな浮かれた撮影に付き合って頂き、ありがたい限りである。


そして、武道通信の杉山さんと少し話す。大ヒットを飛ばすでもなければ、現代の作家に必要なのは、信者だ。───そんな事を杉山さんと話す。そしてそれでも笑える内容になるのはさすが、編集長だから話が巧みなのだろう。

次いで並木書房の並木社長から久しぶり───と声をかけていただく。この人、若返ったんじゃないか?と思ったのは気のせいだろうか。


私はすぐ後に、知人と会う約束が会ったので外に出たが、何かこの後も楽しい事があったのかもしれない。

それでも、お久しぶりの方、名前だけ知ってる方、そして名前も知らなかった方々とお会いする事ができた。時間が全く、短く感じられた。

本当に、面白い会合だったと、私は新橋駅まで歩きながら、思ったのだ。

おしまい

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