写真
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キャプション |
SH レポート |
SH1
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次に艦載の対潜ヘリSH-60を見る。中型ヘリは天井が低くていかにも窮屈そうであるが、SH-60が3時間を越えて飛び続けることはまずないゆえ、苦にはならぬとのことであった。
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SH2
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両側のオーディオスピーカーのような黒いものはEMSで、敵潜水艦などが出すわずかな電波の放射を探知する。後方にもあり全方位を警戒できる。整備兵が触っている円筒はデータリンクの送信装置で、機体後部にもある。指向性の強いマイクロウェーブらしく、リンク中は2m以内に近寄るなと警告文が書いてあった。
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SH3
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左舷。整備兵の左手が触れている翼は、次のK型では大きくなって、そこにヘルファイアが吊下される予定。 |
SH4
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左舷後方に向いたEMS。その右側の白いドラムはフライトレコーダーで、ヘリがもし海没してもこいつだけは分離され回収されるように外部に飛び出している。
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SH5
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ふつうヘリをダッシュさせるには機首下げの姿勢になるのだが、この水平尾翼が自動的に角度を変えることでSH-60の機首は水平を保つ。尾部ローターの回転軸はやや傾斜しており、これにより尾部ローターも揚力を稼ぐ。
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SH6
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右舷のこのダーツのようなものは、ワイヤーで吊るして海面上を舐めさせ、地磁気の変化を捉えるMADである。既知の地磁気データと違うところがあれば、そこに敵潜がいる可能性がある。
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SH7
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後席の1人分を占めているディッピングソナー。パッシブのソノブイで敵潜の位置を絞った後、ホバリングしながらこれを、横方向に最も遠くまでアクティブ・ピンが届く水深まで下ろしてやる。確実な探知半径は2.5kmで、もしこの範囲に敵潜が在れば決して聴き逃すことはない。そしていったん探知した敵潜をSH-60がロストすることもありえないとの話であった。アクティブの周波数は機ごとに違っているから、敵潜からも、何機のヘリでどのように絞り込まれつつあるのか、情況の見当がつくという。ちなみに次期SH-60のK型はディッピングソナーが低周波に変わる。それはディップさせると唐傘の骨のようなものが開くのだという。なおP-3Cと違い、SHは機上でソノブイの解析ができず、データを母艦に中継して解析してもらわねばならない。ソノブイは1本50万円くらいらしい。ディッピングソナーはSH-60が自機で解析できる。
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うみたか レポート |
うみたか1
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46ノットで爆走できるミサイル艇『うみたか』。このクラスの艦長は少佐級と聞いた。なにしろ幹部は4名しか乗ってないのだ。もともと対ソ用の計画艦だったから、北鮮のボロ船相手には勿体無いような強力兵装だ。後部に4発積んだ対艦ミサイル(キャニスターには90式SSMとレタリング)はハープーンの改造品だという説明をうけた。本当ですか? ちなみに射程は「100km強」とのこと。
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うみたか2
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高速航行時に舵をきると、ハルはいったんは内傾するが、じきに外傾するという。最大速度で最も急激な舵をきっても転覆しないことは試験済みだという。計算上、70度くらい傾いても転覆しないという。おお、怖…。
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うみたか3
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椅子は高性能なスプリング・クッションが効いている特別なもの。波に乗ったときの上下動がすごいのだろう。5点式ハーネスで固縛するようだ。ちなみに食堂の椅子もガッチリした肘付き椅子であった。
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うみたか4
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通路は狭かった。ベッドは3段(最新護衛艦は2段)。ただし水兵の体格が向上しているので面積は昔より大。キッチンはなく、3日分のレトルト加熱食のみ。これが護衛艦であれば2週間分の生鮮食糧を積み込む。「1000浬シーレーン防衛」を標榜した折、1000浬の作戦往復は2週間に相当すると計算されたからだ。このミサイル艇内にも神棚と公衆電話(船舶電話)があった。
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うみたか5
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複合型作業艇。28ノット出るらしい。その真下あたりが補機室で、機関科員がエンジンを遠隔監視していた。
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うみたか6
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煙突の後ろ側にガスタービンの吸気グリルがある。機関が冷えている状態から安定アイドリング状態にするまで約10分、その状態で静止から40ノット航走までタッタの30秒で加速できるという。ちなみに海保も40ノット出せる船を調達しているが、エンジンはドイツ製の高速ディーゼル。国産ディーゼルには40ノットは無理だそうだ。出力は海保のが小さいが、これは兵装が軽いため。
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うみたか7
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ウォータージェットの首振りノズル。これが3個並んでいる。46ノット出すときは3つのエンジン(つまり3つのウォータージェット)を使うが、33ノットまでは外側の2基だけでいい。また27ノットまでは1罐でOK。さらに、3つのうちのどのノズルでも、18ノットの経済運航ができる。後進はスラストリバーサーによる。吸水口はミサイルの下の艦底にある。ウォータージェットの弱点として、小さな流木をエンジンが吸い込んだ場合にタービンが破損することがあり得る。ゴミだらけの大陸沿岸で作戦しても大丈夫だろうか?
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うみたか8
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甲板下、オットーメララ対空自動砲の基部。ボトリング工場のような揚弾機である。ここに76ミリのタマを80発セットしておけば、最大発射速度で1分足らずで撃ち尽くす。そのあとはまた人力で給弾しなければならない。砲身はもちろん水冷。この兵装は世界中に輸出されておりカタログも公開だから、こんなところを我々に撮影させてもOKなのだろう。
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うみたか9
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うみたか10
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うみたか11
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同じ岸壁に舞鶴地方隊の指揮下には無いイージス艦『みょうこう』がいた。これをミサイル艇の赤外線カメラでズームアップしたところ、SPYレーダーが煙突の次に白く光って目立つ。つまりかなりの熱量だ。聞けば、SPYレーダーは水冷しているのだが、その結果、こんどは結露が集塵機のように作用して、薄汚れた「涙」が垂れてみっともなく、その拭き取り掃除が手間だそうである。
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