没シナリオ大全集 Part 11
<日本核武装>の風景
原作/兵頭 二十八
○5番ドアのレクチャールーム
佐藤「巡航ミサイルはオプションに無いのですか?」
講師「小型で長射程のものは技術的に弾道弾よりも難しい。開発に何十年もかかってしまいます。潜水艦の魚雷発射管から射ち出せるサイズで、しかも射程が2000km以上ある巡航ミサイルは、現時点でもアメリカしか造れないのですよ」
佐藤「トマホーク巡航ミサイルですね。アメリカからそれを買ったら良いのではありませんか?」
講師「(薄笑いをうかべ)ご冗談を。アメリカはNPTを呼びかけた幹事国じゃないですか。NPTは、核武装している国が核武装をしていない国に核兵器要素を売ることは禁じています。だからアメリカはトマホークをイギリスにしか売れないんです。イギリスは以前から核保有国で、しかもアメリカの軍事同盟国として世界に対して責任を果たしているから、そこまでできる(*)」
(*)欄外註:それでも核弾頭はいかなる外国にも売ることはできない。イギリスはトマホーク・ミサイルを買っているが、その弾頭は通常弾頭として使用している。
佐藤「だとしても、アメリカ政府の同意と黙認がないことには、日本の核武装は不可能でしょう」
講師「もちろんそうですよ。不可能じゃないが最善策にもならない。しかし佐藤さん。この研究所が座間市にある意味を考えてください。すぐ近所に在日米軍の総司令部があるというこのロケーションを、ね(薄笑い)」
佐藤「……!」
講師「(耳のイヤホンをいじりながら)すでに政府は根回しは終えているのです。さてそこで今日の本題ですよ、佐藤さん。ドアの窓からホールをのぞいて見てください」
佐藤「……?」
佐藤はドアの小さなのぞき窓のフラップをあげて、さきほどの無人ロビーをのぞく。
講師「(すぐうしろに立ち)見えますか。彼は7番ドアのレクチャールームで説明をうけていた。でも「攻撃面」への参加のふんぎりがつかなかったようです……」
○のぞき窓から見た風景
無人ロビーを、頭を抱えた一人の若い技師が、フラフラと、歩み去る。
○5番ドアのレクチャールーム
佐藤、顔面蒼白になってまた着席。
講師「政府はこのプロジェクトのために多数のエンジニアをリクルートしていますが、参加と協力はあくまで自由意志ですから」
佐藤「彼は……どうなるんだ? まさか……?」
講師「ハハハ……。日常に戻るだけですよ。ここは共産圏じゃありませんからね」
佐藤「オレの「プロジェクト」への貢献は、住民の地下避難路の強化じゃないのか?」
講師「それには別な技師がリクルートできた。で、腕の良い佐藤さんには、できたら北上山地に耐核トンネルをつくって欲しいのです」
壁のスクリーンに北上山地の地図が出る。
佐藤「あなたもタダの講師じゃなさそうだ。では答えてくれ。それは攻撃ミサイル用か?」
講師「「抑止」は、こちらの報復力が敵の第一撃では除去されず温存されるという確からしさがあって、はじめて有効になります。いかにも攻撃ミサイル用です。しかし、あなたのトンネル設計が十分に強固ならば、そのミサイルを北京に対して発射しなければならぬ事態は起こらないのです。なぜなら敵が第一撃を諦めますのでね」
【解説ページ】●山岳の横穴トンネルこそ最強のシェルター
地面から地下に何百メートルも穴を掘り下げていくのはたいへんな作業ですが、千メートル級の高い山の裾に横穴を掘るのは、それほど困難ではありません。しかも、敵の水爆が炸裂したときの衝撃は、千メートル下のトンネルには大してこたえません。
そこで、こちらの核報復用のミサイルは、千メートル級の山岳地帯の地下に水平に掘りめぐらせたトンネル網のなかに温存しておくのが、比較的に安全になります。
トンネル網には複数の出口が、あちこちの峡谷に面して設けられます。報復のためにミサイルを発射する必要があるときには、出口の一つが、ランダムに利用されます。
出口の一つがもし敵の水爆で破壊されても、他の峡谷の出口が使えます。
ミサイルは、トンネル内では横に寝かされた姿勢で機動し、出口で垂直に立てられ、発射されます。
このトンネル温存方式は、ミサイルの発射までに時間がかかるので、こちらから奇襲的に外国を核攻撃する目的には、不向きでしょう。つまり「核を先制発射するつもりはないけれども、もし外国から核攻撃されたら必ず日本は報復する」という「抑止」の政策に、かなっているといえるものです。
ちなみに、スイス政府と国民が核戦争に生き残る自身を強くもっているのは、この横穴シェルターが充実しているからのようです。
○やや時間経過・焼畑客土研究所ビルの裏口・夕暮れ
通用門と書いてあるドアから、佐藤が裏路地の路上に歩いて出てくる。
佐藤『(悩んで)とうとう「プロジェクト」の深い部分にコミットしてしまったぞ……』
佐藤の携帯から着信音。
佐藤「……?」
○同時刻・大田区の産院内
みのり「(ベッドの上で赤子を抱えながら、携帯電話に)あ、わたし〜。3日後に退院できることになったから!」
○裏路地の路上
佐藤「(携帯に)そうか。爆発事故で転院にでもなるかと心配したが、よかった。……それで3日後の何時に迎えに行けばいい?」
少し離れた物陰から、ペットボトルを抱えた怪しい女(じつは外国に雇われた工作員)が聞き耳を立てている。
【解説ページ】●核弾頭の材料と組み立て
水爆(核融合爆弾)の起爆装置は、原爆(核分裂爆弾)です。その原爆の材料は、濃縮されたウランや、不純物のないプルトニウムですが、それらはいずれも、原子力発電用の燃料に関連した日本国内の工場で製造されます。
この入門書では、日本がどうやって原爆をつくることができるかの、技術的な説明はしません。というのは、それを推進するための障害は、技術の上にはほとんどなくて、残るはただ、政治の問題だけだからです。
日本は、原爆や水爆を1年〜2年で組み立てる技術がありますし、その材料もすでにあります。ただし、アメリカ政府の非公式の合意と黙認が事前に得られないと、それは政治的に、できないようになっています。
アメリカ政府の非公式の合意と黙認を得るためには、「日本は自由主義の国であり、世界の自由のために責任を維持し、現在もまた将来も戦いを辞さない国である」ということを、政府と国会議員の言葉と行動とで、世界に対して証明できていなければなりません。国会議員を選ぶのは国民ですから、国民の意識もそうでなくては始まらないでしょう。
歴代の日本政府が、北朝鮮に拉致された自国民を軍隊で救出する努力もせずに放置し、中国という専制主義国家に多額の援助を提供し続け、世界の自由のために自衛隊を海外派兵して経済大国にふさわしい責任を分担しようともしないあいだは、アメリカ政府は、日本の核武装政策を、とうてい承認も黙認もできますまい。
なぜなら、そのような調子の日本は、いつまた専制主義の中国などとタッグを組み、アメリカや西側自由主義諸国に敵対する「大アジア主義」政策をとるかもしれぬ──と、疑われてしまわざるをえないからです。日本人が「中国は敵だ」という態度をハッキリさせないかぎり、日本国は欧米世界からは仲間としてうけいれてもらえず、さいごには間接侵略によって、核保有国の中国の召使いとされてしまうでしょう。
つまらない小人物であるマッカーサーなどに脅迫されて押し付けられた「軍隊を持ちません」と規定した憲法を、戦後60年以上も放置し続けていることも、日本をアメリカから見て信用ならぬ国にしているでしょう。宣言していることと実施していることがまるで違ってもぜんぜん気にしないような人を、あなたは親友として信用できますか?
○座間市のある路上
佐藤、歩きながら携帯電話を畳んでポケットに。
佐藤の前に人影が現れる。
佐藤「……!」
現れたのは専務の仁科だ。
佐藤「仁科専務……!」
仁科「(温厚に)重い決心をしてくれたようだね、主任。晩メシでもいっしょに、どうだ?」
○なにかの工場の長い塀に沿ったさびしい路上・日没直後
佐藤と仁科は何か雑談をしながら並んで歩道を歩いている。
佐藤「……必要は分るのです。ただ、日本という国に、その根性があるのか……と思っています」
仁科「都市設計の話をしよう。昔の中国や中世のヨーロッパでは、都市は住民まるごとを城壁で囲む設計だったね。しかし、京都はどうだい?」
佐藤「平安京いらい囲壁はないようですね。……不思議だ。唐の長安をモデルにしたのに」
仁科「唐の城壁は、王族が奴隷を城下に閉じ込めておくための備えだった。ヨーロッパの市壁は、市民が自由の敵と戦うための砦[とりで]さ。日本には奴隷と市民のどちらもないから、市壁とも無縁なんだ」
佐藤「日本に奴隷階級がないのは……異民族がやってきてすぐに日本列島を占領することができなかったためでしょうか」
仁科「たぶんね。要は日本は大昔から「大国」だったんだろう。極東で、中国から一度も占領されたことがない。中国からみれば警戒すべき勢力だろう」
佐藤「でも市民もいないという理由がわかりません。町人は市民ではないのですか?」
仁科「(近世初頭の欧州の都市攻防戦のイメージがかぶる)自分の住む町が攻められたとき、持ち場の城壁を守って戦死するのが市民だ。占領されれば自由を奪われたのだからね。京都の町衆は、京都が占領されても奴隷にはされない。だから武士の戦争をいつも傍観していたろう」
佐藤「(源平合戦を物を食いながら京都郊外で見物している町人たちの姿がかぶる)そういえば日本の町人が合戦で徴兵されたという話も聞いたことがありませんね」
仁科「(ペロポネソス戦争のイメージがかぶる。奴隷は戦士のはるか後方で荷物を運搬するだけ)古代ギリシャでは、自由な市民が武士であって、奴隷階級は前線には出なくてよかった。中国では奴隷も戦わされるけどね」
この二人の様子を、さっきのあやしい女が、道路の反対側の物陰からこっそりとうかがっている。
女の手には、あいかわらずペットボトル。
佐藤「政府の核武装研究には、多くの市民団体が反対を表明していますね」
仁科「日本に「市民」はいないよ。明治以前の町人そのもので、たんに国防を他人任せにしたいだけさ。そもそも全国を外国に占領されたら市民はできない」
佐藤「マッカーサーの日本国憲法は、日本国民に自由を与えているのではないでしょうか」
仁科「それは逆だろうね。有権者の合意があって近代国家の制度ができる。その制度が国民の自由を約束しているということは、国民には国防の義務もある」
佐藤「……外国に占領されてもいいのなら、政府もいらないでしょうからね」
仁科「市民が自由を戦いとったのが西洋の近代国家だから、これは当然だ。ところがマッカーサー憲法は国軍を禁止した。「自由を戦いとらなくて良い」と規定したんだ。ということは、明治憲法と違い、戦後憲法は、国民が市民になることを禁ずるのだ。それを丸暗記しないと裁判官にも外交官にもなれない。とうとう戦後の日本には武士も市民もいなくなったのだよ」
佐藤「ようやく分りました。どうして世界第二のGDP大国が核武装することが、これほど難しい話となるのか……。おかしな憲法が国民から自由主義の精神を奪っていたのですね」
仁科「だが、あと一息だ。僕も、関係する「プロジェクト」に目鼻がついたら、引退して離島で暮らすつもりでいる」
佐藤「えっ、亜熱帯生活ですか。例の無人島の「沖ノ井央島」(*)のボーリング調査の基地が気に入っちゃったんスか?」
(*)欄外註:これは実在しない島であるが、日本の核実験は、日本領土である無人島の地下で行なわれることになるだろう。
佐藤「(ニッコリとし)扶養家族はおらんし、持病もあるのでね。まあ最後のご奉公と思っているのさ。あとは君のような若い者が……」
急に、物陰からあやしい女が2人の前に飛び出す。
佐藤「……!!」
仁科「(警戒して)誰かね!?」
あやしい女「ウェーハハハ……行きずりの通り魔ちゃんよん」
あやしい女の両手に持った2本のペットボトルから中味の液体が勢い良く噴出して、佐藤と仁科は全身を濡らされてしまう。
佐藤「うわっ、石油臭っ!」
あやしい女は空のペットボトル×2を足元に転がし捨てる。
あやしい女「(ジッポーライターに火をつけ)偉大な中国は、日帝の核武装を必ず阻止する」
仁科「(佐藤をつきとばしながら)離れろ、雇われ工作員だ!」
あやしい女、仁科にライターを投げつけて点火。
仁科、たちまち燃え上がる。
佐藤「仁科専務!」
仁科「来るな!(仁科、火達磨になりながらあやしい女にタックルし、工場の壁に押し付けて動かさない)」
あやしい女「(壁に押し付けられながら)くそっ、じじい、放せ! (小型ナイフを逆手に振り上げて仁科の背中を刺すが)ぐわぁぁぁぁ〜〜っ!」
仁科とあやしい女、ともに黒焦げになって路上に崩れ落ちる。
そこに、消火器をもって佐藤がかけつけ、消化剤をふりかける。
炎は消える。
佐藤「(火傷患者なので抱き起こさずに)専務! (携帯をとりだし)今、救急車を呼びますから!」
仁科「……佐藤くん、市民になれ! 町人に……なるな(ガクッとおちいる)」
そこに急ブレーキの音。
佐藤が振り向くと、鈴木のクルマがすぐ近くに停止。
佐藤「えっ……鈴木さん?」
ドアが開き、鈴木が転がり落ちる。
鈴木のワイシャツは血まみれで、頭からも血が流れている。
背中はナイフのようなもので切り裂かれている。
佐藤「どうしたんですか!?」
鈴木「スマン、この前のチンピラ2人組、やっぱり背後関係ありよった! はよ産院へ行け! 奥さんと子供さんも危ない!」
佐藤、全部を聞かず、鈴木を置いたまま、クルマに飛び乗って、急発進して行く。
【解説ページ】●空襲損害を局限するには何をしなければならないか
広島でも長崎でも、死傷者の四分の三は火傷が原因でした。
長崎では最大1万4000フィート、広島では最大1万2000フィート離れたところで、熱線火傷患者を出しています(この違いは、長崎原爆の出力が広島原爆より大であったため。1フィート=約30cm)。
これに、火災による犠牲が加わったのです。有事に一時に大量に発生する火傷患者をどう治療するかをよく考えておかないならば、防災行政として無責任でしょう。
行政中枢の配置されている地形が、戦災損害の程度を大きく左右するであろうことも、わたしたちはよく知っておかなくてはなりません。
1945年8月の核攻撃で発生した火災によりひどい被害をうけた地域は、広島市では4・4平方マイルで、これは長崎市の4倍でした(米原子力委員会編『THE EFFECTS OF ATOMIC WEAPON』1951年3月邦訳版による。1マイル=1・609km)。
広島は沖積平野で地形に起伏が少なかったのに、長崎は丘陵地で地形に起伏が多かったのが、これだけの差になったのです。
丘陵の陰になって核爆発の被害を受けない地域が多ければ、それだけ、無傷で生き残る病院や消防署も多いことになるでしょう。
ちなみに、合衆国戦略爆撃調査団が1946年にまとめている報告によりますと、原爆投下時の広島市の1平方マイルあたりの人口は3500人、長崎市は6500人でした。破壊された面積は、広島が4・7平方マイル、長崎は1・8平方マイルでした。死者と行方不明者は、広島が7万人、長崎が3万6000人でした。破壊地1平方マイルあたりの死亡数は、長崎の方が大でした。
なんと、わずかな地形の差だけで、2倍前後もの核被害の差ができてしまうのです。
水爆時代のいま、東京のような広い平野の中心部に行政機能をまとめておくことは、戦災対策の観点から、まったく許されないということを、こうしたデータは教えてくれているのではないでしょうか?
○深夜の産院の一室
みのりが熟睡している。
○新生児室
多数の新生児が並んでいる。
○クルマの中
高速道路をとばす佐藤。
鈴木のクルマの助手席や床には、金属バットなど、いろいろな武器が転がっている。
○時間経過・産院の真っ暗な廊下
前に路上強盗を働いた外国人風のチンピラ2人組が、ポリ缶から石油を床に撒きながら、階段を下りていき、さらに一階の廊下の端までくる。
すでに経路は石油だらけ。
二人は片方ずつ、肩関節をいためつけられているので、片手しか使えない。
路上強盗Aは頭にも包帯を巻いているし、片手は三角巾で吊っている。
路上強盗A「撒き終わった」
路上強盗B「まだ火はつけるなよ。オレたちまで煙にまかれて焼け死んだらシャレにもならねえ」
路上強盗A「シッ……!」
どこからか嬰児の泣き声が聞こえてくる。
路上強盗B「中国様に逆らう日本人が悪いんだ。中国様に逆らうやつは、家族も罰を受けるんだ……という話だ」
路上強盗A「もうカネ貰ってるんだから、早く終わらせて逃げるでよ」
路上強盗B「よし。オレが点火する。さがってろ(と、百円ライターを取り出そうとする)……アイテテテ、あのクソ公安にやられた肩が……だが恨みは晴らしてやった」
二人、数メートル後方の非常口を背に、廊下にしゃがむ。
目の前には石油の帯の端。
とつぜん、非常口扉が外から開けられ、人影が立つ。
路上強盗A・B「(ふりかえり)……!!」
現れたのは佐藤。右手には金属バットを持っている。
佐藤「(怒りの形相)火をつけてみろ。お前ら二人とも、この場で殴り殺す!」
路上強盗A「チッ……!(サバイバルナイフをフトコロから取り出して片手で構える)」
路上強盗B「へへッ……タマ無しの日本人に、で、できるわけがねえ!」
佐藤「やってみろ(極度の気迫でジリジリと二人の前に出る)」
路上強盗A、自分の片手のライターと、佐藤の金属バット、そして佐藤の表情を、交互に見る。
佐藤、さらに一歩前に出る。
佐藤「家族を殺されて、復讐しないとでも思うか? おまえたちだって、同じだろう」
強く金属バットを握り締めた佐藤の手。
いきづまる間。
佐藤『殺す……!』
路上強盗B「(急に)み、みのがしてくれ……!」
路上強盗A「(動揺し)エッ……?」
佐藤、仁王立ちのまま。
路上強盗B「捨てるっ! ほら、ライターを捨てた! みのがしてくれっ」
路上強盗B、身をひるがえし、廊下の窓をぶちやぶって仲間をおいて外へ逃走する。
非常ベルが病院に鳴り響く。
あわてて路上強盗Aもあとを追って窓から外へ転がり出る。
不動明王の形相でそれを見送る佐藤。
○病院の庭の俯瞰
ちょうどパトカー数台と消防車がかけつけ、警官たちが二人を取り押さえる。
○病院の二階廊下
階段を駆け上がってきた佐藤。
廊下の反対側から、いま駆けつけたばかりらしい岸田が、赤ん坊を抱いたみのりをエスコートしてくる。
佐藤「無事だったか……!」
みのり「(わけがわからず)ちょっと! ただでさえ3時間おきに授乳で起きて寝不足だっつーのに、何、この騒ぎ?」
《完》