●”■×”(数字) 『μ[ミクロン]オーダー』
没シナリオ大全集 Part 6
Part 7:スナイプ・ユアセルフ!
○ デラウェア州にある落ち着いた劇場・外観
○ 同劇場・入口前
急用で人を探している風のマカードルがやってくる。
マカードル『私のファームを通じて私に巨額の生命保険を掛けるとは…こんな事をするのは、木目螺の奴だけだっ…!先手を取ってやる』
マカードル、ワイシャツ・ポケットのボールペンを確認する。
ボールペンの先端は、針のようになっている。
マカードル「(チケット売場の売子に)『ハムレット』の上演はここかね?」
売子「はい、第一幕はもう始まっていますが、桟敷席でよろしければ」
○ 劇場の中
『ハムレット』の舞台が始まっている。
木目螺がS席で観劇している。
木目螺の右後方の席に●”■×”がいる。
桟敷席にマカードルが入ってきて劇場内を見回す。
突如、ハムレットの父親の幽霊が、劇場の左後方の高いところに現われる。
観客、一斉にそちらを振り向く。
木目螺も首を回し、●”■×”の方に頭の左側を見せる。
その瞬間、●”■×”のエアピストルから針弾が発射される。
木目螺の左耳のすぐ上の頭蓋に小さな穴が開く。
客席の真ん中で、突如木目螺が頭を抱えて床に転がり、周囲の客席が立ち騒ぐ。
桟敷席のマカードル、●”■×”が木目螺を狙撃した一部始終を目撃する。
その直後、マカードルと●”■×”の目線が一瞬合う。
●”■×”、足を速めて劇場外廊へ。
木目螺「あいつ…知っているぞ!確か、●”■×”(数字)とかいうプロの…!」
○ 人気の無い劇場外廊
マカードルが●”■×”を追って走ってくると、廊下のカーブの先に●”■×”が待っている。
マカードル「…!(無言の●”■×”と睨み合う)」
マカードル、急に懐に手を入れる。
●”■×”、消音器付き拳銃でマカードルの腹部を撃つ。
マカードル、倒れ際に、胸ポケットから取り出したボールペンのボタンを押すと、軸先が飛び出して●”■×”の足首に刺さる。
●”■×”「…!」
マカードル「…フフフ、●”■×”(数字)を相討ちにした俺はワイアットアープ以上の有名人だな!…いま注入した欠陥品のキラーバグは、ヘモグロビンが作る磁場を頼りに動脈を探し、血流に逆らって心臓を目指す。血管には神経はない。さしものお前も、自分の体の中の見えないターゲットは狙撃できまい!最後におまえの決算報告を書いてやったぞ…(吐血して死ぬ)」
●”■×”、化粧室に入り、洗面台に熱湯を満たし、そこに足を入れる。
●”■×”『マイクロマシンは断熱ができず、熱の影響を直接に受けて機能低下する。これで動脈に入る前に位置を確認できれば…』
●”■×”、懐からエアピストルと練習弾1発を取り出す。
ハリ先をライターの火であぶって赤熱させてから、エアピストルに装填する。
突発性の激痛に顔を歪める●”■×”。
●”■×”『暴れているのは、そこか…!』
自分の足に照準する●”■×”の苦しい顔のアップ。
●”■×”『ミクロン・オーダーで命中させるしか…』
発射されるエアピストルの銃口のアップ。
外廊を老警備員が駆けつけてくる。
老警備員、マカードルの死体に驚き、次いでトイレの蛇口の音に気付く。
そこには誰もおらず、洗面台からお湯が溢れ出しており、開いた窓まで濡れた足跡が点々とついているのみ。
老警備員「…!?」
−完−