没シナリオ大全集 part 4.96


●”■×”(数字)  『カーテン・コール』


自分で解説:プロットまで書いて、ちょっとやってみて、ぶん投げた。だんだん、この仕事に飽きてきたのかも……。

プロット案


超有名黒人歌手、モーリス・マクソンの無名のバックコーラスの女、スエーデン国籍のエマ・ラーセンが殺された。マスコミは、慈善事業家でもあるモーリスの隠し女だったのではないかと色めきたった。
 実はモーリスは怪しげな喉の薬の影響で、ほとんど声がでなくなってしまっていた。医者は「今度歌えば永久に声を失う」と警告していた。そのため彼の最近のレコードも自宅のスタジオでレコーディングされ、彼女が吹替えで歌っていたのだ。
 彼はこの大きな秘密がバレる前に、レーベル移籍で引退費用を稼ぎ出そうとしていたのだった。そして契約破棄交渉を持ちかけられていた現レーベルの役員が、彼女をソロデビューで釣って誘いだし、腹いせに殺したのであった。しかし役員はその殺しを手下にやらせたため、捜査の手が彼に及ぶ可能性は全くなかった。
 同じ頃、●”■×”は、新聞広告欄で、「デューク○○氏死亡につき…云々」という、田舎の会社名義の、奇妙な文句を見た。これは、●”■×”へのコンタクト方法を知らないモーリスが考えた苦肉の策であった。そして、●”■×”はモーリスの前に現われる。
 一方、役員は、更に汚い手を打ってきた。「モーリスは声が出ない」とゴシップ誌にリークしたのだ。ところがこれにファンが反発、役員に脅迫状が舞い込み始めたので、彼は四六時中ガードマンに護衛させるようになった。もともと人付き合いのいい男ではないので、狙撃のチャンスはほとんどなくなった。
 モーリスは、業界人とマスコミだけを招待するミニコンサートを地声でやると宣言した。客席には興味津々のあの役員の姿もあった。声を失うことを覚悟で最後の歌を歌うモーリス。満場の拍手の中、カーテンが降りた瞬間、モーリスが役員の名を呼ぶ。一瞬静止する役員。そこへ、舞台から飛来した●”■×”の弾丸が役員の頭部を貫いた。

Part 1

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