一切ヤラセなしっ!

没シナリオ大全集 Part 8.8


第2回以降のネタ候補
(97.7.1)

【ゴミ焼却場は他所の土地に!】

日本全国で、ゴミの発生量が処分量を上回っている。各自治体ではその危機感をあおり、いっぽう地元住民は、ダイオキシンなどの公害源であるとして、反対運動が各地で生じている。
 じつに日本におけるゴミ問題と老人問題は、「臭いものに蓋」の日本的イシューの典型といえよう。誰もがこの二つのイシューを、我が事として真剣に考えたくはない。国が、他人が、他所の自治体が、解決してくれればいいと思っている。そこに、ウソと偽善と「ブラックな筋の人」の利権が入り込む。
 たとえば東京のゴミ処分場の問題にしても、本当は問題などなにも存在しないのだ。こんにち日本のプラントメーカーは、世界一高性能なゴミ焼却炉を設計できる。それは、きめ細かにモニターしながら運転しさえすれば、プラスチックだろうがなんだろうが、ごくわずかな容積の灰にしてしまえるのだ。もちろんそのときにダイオキシンも出さないようにできる。ではなぜ、東京都や他の多くの自治体ではそのような運転が不可能なのか? それは、官公労組合の抵抗があるからである。
 炉の運転で大事なのは、24時間の熱管理だ。空気量とゴミ量を測って、常に炉心温度を一定に維持しさえすれば、プラスチックを連続投入しても炉には何の障害も起きない。ダイオキシンも出ない。しかし、公務員にはそういう管理はできない。彼らにとっては、同じ安月給ならば仕事は楽な方がよく、ゴミは運ばれて来ただけそっくりそのままぶちこむ方がノルマもこなせて面倒がないのである。それで炉が焼損しようとも自分の出世や給料には何も関係はない。このようなわけで、最新のプラントを建ててみても、自治体の職員に運転を任せているかぎりは、すぐに炉がダメになってしまい、結局、プラスチックは投入禁止となって、山や海にそのまま埋めるしかなくなっているというのが真相なのだ。ダイオキシンも同様で、炉を24時間運転していれば出ないことはみんなわかっているのだが、公務員の組合がそのような勤務を受け入れないのである。やむなく日中だけの運転にするから、炉の温度が上下する際に、どうしてもダイオキシンが出てしまうというわけなのだ。
 このような「事実」を背景に、ある架空の自治体の民間委託ゴミ焼却場の建設をめぐる関係者たちの狂想曲に宗谷たちが巻き込まれて……。

【ゲンゴロウを守れ】・他

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